JP3694960B2 - 直接筒内噴射式火花点火エンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて吸気系の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点火栓の近傍に燃料を集める混合気の成層化をはかるため、気筒内にインジェクタ(燃料噴射弁)を臨ませ、気筒内に直接に燃料を噴射するようにした直接筒内噴射式火花点火エンジンがある。
【0003】
従来の直接筒内噴射式火花点火エンジンとして、例えば特開平6−207542号公報に開示しているように、吸気ポートをシリンダ壁に沿って直立させるものがある。
【0004】
直立した吸気ポートから気筒内に流入した吸気は、シリンダ壁に沿って下降した後、ピストン頂面に沿って旋回する逆タンブルを生起する。
【0005】
インジェクタから気筒内に噴射された燃料は、この逆タンブルによって旋回する過程で、その微粒化および気化が進み、点火栓に液状燃料が付着することを防止し、失火を無くして安定した燃焼性が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の直接筒内噴射式火花点火エンジンにあっては、直立した吸気ポートがシリンダヘッドの上部に貫通して設けられる構造のため、インテークマニホールドをシリンダヘッドの上部に接続する必要があり、エンジンの全高が大きくなるという問題点が考えられる。
【0007】
また、シリンダヘッドに直立する吸気ポートを備えるため、シリンダヘッドの燃焼室壁のまわりに形成されるウォータジャケットの配置自由度が小さくなるという問題点が考えられる。
【0008】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、直接筒内噴射式火花点火エンジンに適した吸気ポートの構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、気筒内に吸気を導入する吸気ポートと、気筒内に燃料を噴射するインジェクタと、気筒内の混合気に点火する点火栓と、気筒内から排気を排出する排気ポートと、を備える直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、前記吸気ポートとして共通の気筒に開口する順タンブルポートと逆タンブルポートを備え、順タンブルポートを排気ポート側のシリンダ壁に対向するように傾斜させて形成し、前記順タンブルポートから気筒内に導入される吸気量を調節するタンブル調節手段を備え、逆タンブルポートの下流端部を吸気ポート側のシリンダ壁に沿って直立するように湾曲させて形成する。
【0011】
請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項1に記載の発明において、前記逆タンブルポートの下流端部を画成するポート壁に吸気バルブの傘裏部のうち排気ポートに近接する部分を覆うように突出するマスキング部が形成する。
【0012】
請求項3に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項1または2に記載の発明において、前記逆タンブルポートを順タンブルポートより先に開弁させる構成とする。
【0013】
請求項4に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明において、ピストンの頂面に凹状に窪むキャビティを形成し、キャビティを逆タンブルポートに対向するようにシリンダ中心線に対してオフセットして形成する。
【0014】
請求項5に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項1から4のいずれか一つに記載の発明において、順タンブルポートの吸気バルブを逆タンブルポートの吸気バルブより先に開弁して先に閉弁する構成とし、インジェクタから噴射された燃料噴霧が最大リフト位置にある順タンブルポートの吸気バルブの下方に拡がるように配置し、インジェクタの燃料噴射終了時期を逆タンブルポートの吸気バルブが開弁する前に終了するように設定する。
【0015】
【作用】
請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、順タンブルポートを通って気筒内に流入する吸気流は、気筒内で順タンブルポートに対向した燃焼室天井壁を経てシリンダ壁に沿って下降した後にピストン頂面へと進んで旋回する順タンブルを生起する。
【0016】
一方、逆タンブルポートを通って気筒内に流入する吸気流は、吸気ポート側のシリンダ壁に沿って下降した後にピストン頂面を経て燃焼室天井壁へと進んで旋回する逆タンブルを生起する。
【0017】
順タンプルポートと逆タンプルポートそれぞれ通って気筒内に生起されるガス流動により均質混合気をつくり、出力性能の向上がはかれる。
【0018】
逆タンブルポートは、その途中で大きく湾曲する構造のため、その下流端部をシリンダ壁に沿って直立させても、その上流端をシリンダヘッドの側壁部に開口させて、インテークマニホールドをシリンダヘッドの側壁部に接続することができる。
【0019】
この結果、シリンダヘッドの上部を貫通する直立形の吸気ポートを備える従来装置に比べて、エンジンの高さを小さくするとともに、シリンダヘッドの燃焼室壁のまわりに形成されるウォータジャケットの配置自由度を大きくすることができる。
【0020】
また、タンブル調節手段により順タンブルポートが閉じられる運転状態で、インジェクタから気筒内に噴射された燃料は、この逆タンブルによって吸気ポート側のシリンダ壁に沿って一旦下降するため、点火栓に液状燃料が直接的に付着することを回避し、失火を起こすことを防止できる。
【0021】
タンブル調節手段により順タンブルポートが開かれる運転状態で、吸気は順タンブルポートと逆タンブルポートに分流して気筒内に吸入されるため、ポート面積が拡大してエンジンの吸気充填効率を高められるとともに、順タンプルポートと逆タンプルポートそれぞれ通って気筒内に生起されるガス流動により均質混合気をつくり、出力性能の向上がはかれる。
【0022】
請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、逆タンブルポートを流れる吸気流は、このマスキング部を介して吸気バルブの傘裏部の排気ポートに近接する部分を迂回して流れることにより、逆タンブルポートを通って気筒内に流入する吸気流に与えるシリンダ壁に沿って下降する速度成分を強め、気筒内に生起される逆タンブルの勢力が強化される。
【0023】
こうして気筒内に強い逆タンブルが生起されることにより、インジェクタから気筒内に噴射された燃料を点火栓の近傍に集める混合気の成層化がはかれるとともに、逆タンブルのガス流動により火炎の伝播が促される。この結果、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0024】
請求項3に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、ピストンが下降する吸入行程の初期では逆タンブルポートのみが開通するため、逆タンブルポートを通って気筒内に生起される逆タンブルの勢力を強化することができる。
【0025】
こうして気筒内に強い逆タンブルが生起されることにより、インジェクタから気筒内に噴射された燃料を点火栓の近傍に集める混合気の成層化がはかれるとともに、逆タンブルのガス流動により火炎の伝播が促される。この結果、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0026】
請求項4に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、逆タンブルポートを通って気筒内に流入する吸気流は、シリンダ壁に沿ってピストンの方に下降した後、逆タンブルポートに対向したキャビティに沿って燃焼室の中央部へと上昇して旋回する逆タンブルを生起する。インジェクタから気筒内に噴射された燃料をこの逆タンブルによって点火栓の近傍に集められる。こうして、混合気の成層化がはかれるため、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0027】
請求項5に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、順タンブルポートの吸気バルブを逆タンブルポートの吸気バルブより先に開弁して先に閉弁する。
【0028】
インジェクタから噴射された燃料噴霧は、最大リフト位置にある順タンブルポートの吸気バルブの下方に拡がり、逆タンブルポートの吸気バルブが開弁する前に終了する構成により、燃料噴霧が各吸気バルブに接することが抑えられ、燃料と空気の混合がはかれる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図2に示すように、ペントルーフ型に傾斜する燃焼室天井壁20には2つの吸気ポート5と2つの排気ポート23が互いに対向して開口している。
【0031】
図1にも示すように、燃焼室3の中央部に点火栓4が臨み、点火栓4を挟むようにして2つの吸気バルブ7と2つの排気バルブ(図示せず)が互いに対向して設けられる。図1において、O8は排気弁の中心線を示している。
【0032】
燃焼室天井壁20の側部から燃焼室3に臨むインジェクタ6が設けられる。インジェクタ6は2つの吸気バルブ7の側方で、かつ両吸気バルブ7の中間に位置して燃焼室3に臨んでいる。
【0033】
インジェクタ6はピストン1の頂面21に対して傾斜するよう配置される。インジェクタ6の噴口から噴射される燃料噴霧の中心線は水平線に対して所定角度で下向きに傾斜するように配置される。
【0034】
ピストン1が上昇する圧縮行程で、インジェクタ6の噴口から噴射された燃料噴霧は、その大部分が各吸気バルブ7の間を通ってピストン頂面21の方に向かうとともに、その一部が各吸気バルブ7の傘裏部に当たるようになっている。
【0035】
吸気ポート5は、その上流端がシリンダヘッド19の側壁部に開口し、その途中から中央隔壁27を介して順タンブルポート11と逆タンブルポート12にV字形に分岐し、各下流端が燃焼室天井壁20に開口している。
【0036】
順タンブルポート11は、その通路中心が図1の正面図上において直線状に延び、各排気ポート23が開口した側の燃焼室天井壁20およびシリンダ壁14に対向している。順タンブルポート11は逆タンブルポート12よりシリンダ中心線に対して大きく傾斜している。
【0037】
逆タンブルポート12は、その通路中心が図1の正面図上において下方に向けて大きく湾曲し、その下流端部が吸気ポート5が開口する側のシリンダ壁14に沿って直立するように形成される。
【0038】
ピストン1の頂面20には円盤状に窪むキャビティ2が形成される。キャビティ2はピストン頂面20の中央部に開口している。
【0039】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0040】
各吸気バルブ7が開かれるのに伴って吸気ポート5から気筒内に空気が吸入される。ピストン1が上昇する圧縮行程中にインジェクタ6が開弁し、燃焼室3に燃料が噴射される。気筒内に吸入された空気がピストンで圧縮された状態で点火栓4を介して燃料を着火燃焼させる。燃焼したガスはピストン1を下降させてクランクシャフトを介して回転力を取り出した後、ピストン1が上昇する排気行程中に排気バルブが開かれるのに伴って各排気ポート23から排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0041】
吸気は吸気ポート5において順タンブルポート11と逆タンブルポート12に略均等に分流して気筒内に吸入される。
【0042】
順タンブルポート11を通って気筒内に流入する吸気流は、図8に破線の矢印で示すように、排気ポート23側の燃焼室天井壁20を経てシリンダ壁14に沿って下降した後にピストン頂面21上へと進んで旋回する順タンブルを生起する。一方、逆タンブルポート12を通って気筒内に流入する吸気流は、図8に実線の矢印で示すように、吸気ポート5側のシリンダ壁14に沿って下降した後に、ピストン1の頂面20に窪むキャビティ2に沿って燃焼室3の中央部へと上昇して旋回する逆タンブルを生起する。こうして気筒内に生起されるガス流動により均質混合気をつくり、出力性能の向上がはかれる。
【0043】
逆タンブルポート12は、その途中で大きく湾曲する構造のため、その下流端部をシリンダ壁14に沿って直立させても、その上流端をシリンダヘッド19の側壁部に開口させて、インテークマニホールド25をシリンダヘッド19の側壁部に接続することができる。この結果、シリンダヘッドの上部を貫通する直立形の吸気ポートを備える従来装置に比べて、エンジンの高さを小さくするとともに、シリンダヘッドの燃焼室壁のまわりに形成されるウォータジャケットの配置自由度を大きくすることができる。
【0044】
他の実施形態として、図1、図2に示すような燃焼室構造を持つエンジンにおいて、順タンブルポート11の吸気バルブ7を逆タンブルポート12の吸気バルブ7より先に開弁し、先に閉弁する構成としてもよい。
【0045】
この場合、インジェクタ6の噴口は、クランクシャフトと直交するシリンダ中心線に対してオフセットして、これから噴射された燃料噴霧が、最大リフト位置にある順タンブルポート11の吸気バルブ7の下方に拡がるように配置する。
【0046】
そして、インジェクタ6の燃料噴射時期は、燃料噴射を逆タンブルポート12の吸気バルブ7が開弁する前に終了するように設定される。
【0047】
以上のように構成され、インジェクタ6から噴射される燃料噴霧が各吸気バルブ7に接することが抑えられ、燃料と空気の混合がはかれる。
【0048】
次に、図3、図4に示す実施形態について説明する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を付す。
【0049】
吸気ポート5は、中央隔壁28を介して順タンブルポート11と逆タンブルポート12に独立して画成され、それぞれの上流端がシリンダヘッド19の側壁部に開口し、それぞれの下流端が燃焼室天井壁20に開口している。
【0050】
順タンブルポート11は、その通路中心が図3の正面図上において直線状に延び、各排気ポート23が開口した側の燃焼室天井壁20およびシリンダ壁14に対向している。順タンブルポート11は逆タンブルポート12よりシリンダ中心線に対して大きく傾斜している。
【0051】
逆タンブルポート12は、その通路中心が図3の正面図上において下方に向けて大きく湾曲し、その下流端部が吸気ポート5が開口する側のシリンダ壁14に沿って直立するように形成される。
【0052】
順タンブルポート11から気筒内に導入される吸気量を調節するタンブル調節手段として、順タンブルポート11の入口部を開閉するバタフライ式のコントロールバルブ15が設けられる。
【0053】
図3に示すように、円形をしたコントロールバルブ15は、インテークマニホールド25に形成された順タンブルポート11に対する入口部26にシャフト27を介して回転可能に収装される。シャフト27は図示しないアクチュエータを介して回動する。
【0054】
図示しないコントロールユニットは、所定の低中速・低中負荷域の成層燃焼領域でコントロールバルブ15を全閉し、所定の高速・高負荷域の均質燃焼領域でコントロールバルブ15を全開する制御を行う。
【0055】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0056】
所定の低中速・低中負荷域の成層燃焼領域でコントロールバルブ15が全閉すると、吸気の大部分は逆タンブルポート12を通って気筒内に吸入される。逆タンブルポート12を通って気筒内に流入する吸気流は、図3に実線の矢印で示すように、シリンダ壁14に沿ってピストン1の方に下降した後、ピストン1の頂面20に窪むキャビティ2に沿って燃焼室3の中央部へと上昇して旋回する逆タンブルを生起する。
【0057】
こうして気筒内に強い逆タンブルが生起されることにより、インジェクタ6から気筒内に噴射された燃料を点火栓4の近傍に集める混合気の成層化がはかれるとともに、逆タンブルのガス流動により火炎の伝播が促される。この結果、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0058】
インジェクタ6から気筒内に噴射された燃料は、この逆タンブルによって一旦下降するため、点火栓4に液状燃料が直接的に付着することを回避し、失火を起こすことを防止できる。すなわち、気筒内に噴射された燃料は、この逆タンブルによってピストン1のキャビティ2に沿って旋回する過程でピストン1によって加熱され、その微粒化および気化が進み、燃料を点火栓4の近傍に集める混合気の成層化がはかれる
また、コントロールバルブ15が閉弁する運転状態では、吸気の大部分が逆タンブルポート12から気筒内に流入することにより吸気流速を高められる。このため、インジェクタ6から噴射された燃料噴霧のうち各吸気バルブ7の傘裏部に付着した燃料は高速吸気流により吹き飛ばされ、燃料と空気の混合がはかれる。
【0059】
所定の高速・高負荷域の均質燃焼領域でコントロールバルブ15を全開すると、吸気は順タンブルポート11と逆タンブルポート12に略均等に分流して気筒内に吸入される。したがって、ポート面積が拡大してエンジンの吸気充填効率を高められる。
【0060】
順タンブルポート11を通って気筒内に流入する吸気流が順タンブルを生起する一方、逆タンブルポート12を通って気筒内に流入する吸気流が逆タンブルを生起する。こうして気筒内に生起されるガス流動により均質混合気をつくり、出力性能の向上がはかれる。
【0061】
次に、図5、図6に示す実施形態について説明する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を付す。
【0062】
逆タンブルポート12の下流端部を画成するポート壁に吸気バルブ7の傘裏部のうち排気ポート23に近接する部分を覆うように突出するマスキング部17が形成される。
【0063】
マスキング部17は、逆タンブルポート12の下流端部を画成するポート壁から吸気バルブ7の傘裏部の上方に突出し、吸気バルブ7を挟んで吸気ポート5が開口する側のシリンダ壁14に向けて突出する。
【0064】
逆タンブルポート12を流れる吸気流は、図5に実線の矢印で示すように、このマスキング部17を介して吸気バルブ7の傘裏部の排気ポート23に近接する部分を迂回することにより、逆タンブルポート12を通って気筒内に流入する吸気流に与えるシリンダ壁14に沿って下降する速度成分を強め、逆タンブルの勢力を強化することができる。
【0065】
さらに他の実施形態として、図7に示すように、逆タンブルポートを開閉する吸気バルブが順タンブルポートを開閉する吸気バルブより先に開弁するとともに、先に閉弁する構成としてもよい。
【0066】
この場合、ピストンが下降する吸入行程の初期では、吸気が逆タンブルポートのみを通って気筒内に吸入されるため、逆タンブルポートを通って気筒内に生起される逆タンブルの勢力を強化することができる。
【0067】
こうして気筒内に強い逆タンブルが生起されることにより、インジェクタから気筒内に噴射された燃料を点火栓4の近傍に集める混合気の成層化がはかれるとともに、逆タンブルのガス流動により火炎の伝播が促される。この結果、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0068】
次に、図8、図9に示す実施形態について説明する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を付す。
【0069】
ピストン1の頂面21に逆タンブルポート12に対向して窪むキャビティ2が形成される。
【0070】
キャビティ2は逆タンブルポート12に対向するようにシリンダ中心線に対してオフセットして形成される。
【0071】
この場合、逆タンブルポート12を通って気筒内に流入する吸気流は、図8に実線の矢印で示すように、シリンダ壁14に沿ってピストン1の方に下降した後、逆タンブルポート12に対向したキャビティ2に沿って燃焼室3の中央部へと上昇して旋回する逆タンブルを生起する。インジェクタ6から気筒内に噴射された燃料をこの逆タンブルによって点火栓4の近傍に集められる。こうして混合気の成層化がはかられるため、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンによれば、順タンプルポートと逆タンプルポートそれぞれ通って気筒内に生起されるガス流動により均質混合気をつくり、出力性能の向上がはかれるとともに、シリンダヘッドの上部を貫通する直立形の吸気ポートを備える従来装置に比べて、エンジンの高さを小さくするとともに、シリンダヘッドの燃焼室壁のまわりに形成されるウォータジャケットの配置自由度を大きくすることができる。また、シリンダヘッドに対して吸気ポートの配置を変更する必要がなく、隔壁を追加することで容易に実施することができる。
【0073】
また、タンブル調節手段を介して順タンブルポートが閉じられる運転状態で、気筒内に強い逆タンブルが生起されることにより、点火栓に液状燃料が直接的に付着することを回避し、失火を起こすことを防止できるとともに、タンブル調節手段により順タンブルポートが開かれる運転状態で、ポート面積が拡大してエンジンの吸気充填効率を高められるとともに、順タンプルポートと逆タンプルポートそれぞれ通って気筒内に生起されるガス流動により均質混合気をつくり、出力性能の向上がはかれる。
【0074】
請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンによれば、逆タンブルポートを流れる吸気流がマスキング部を介して吸気バルブの傘裏部の排気ポートに近接する部分を迂回して流れることにより、逆タンブルポートを通って気筒内に流入する吸気流に与えるシリンダ壁に沿って下降する速度成分を強め、気筒内に生起される逆タンブルの勢力が強化され、希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0075】
請求項3に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンによれば、ピストンが下降する吸入行程の初期では逆タンブルポートのみが開通するため、逆タンブルポートを通って気筒内に生起される逆タンブルの勢力がされ、希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0076】
請求項4に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンによれば、逆タンブルポートを通って気筒内に流入する吸気流が、シリンダ壁に沿ってピストンの方に下降した後、逆タンブルポートに対向したキャビティに沿って燃焼室の中央部へと上昇して旋回する逆タンブルを生起して、混合気の成層化がはかれるため、希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【0077】
請求項5に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンによれば、順タンブルポートの吸気バルブを逆タンブルポートの吸気バルブより先に開弁して先に閉弁し、インジェクタから噴射された燃料噴霧が、最大リフト位置にある順タンブルポートの吸気バルブの下方に拡がり、逆タンブルポートの吸気バルブが開弁する前に終了するため、燃料噴霧が各吸気バルブに接することが抑えられる。この結果、燃料と空気の混合がはかれ、希薄空燃比の限界値を拡大し、燃費の低減がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエンジンの断面図。
【図2】同じく燃焼室天井壁等の平面図。
【図3】他の実施形態を示すエンジンの断面図。
【図4】同じく燃焼室天井壁等の平面図。
【図5】さらに他の実施形態を示すエンジンの断面図。
【図6】同じく燃焼室天井壁等の平面図。
【図7】さらに他の実施形態を示す吸気バルブのバルブリフト特性図。
【図8】さらに他の実施形態を示すエンジンの断面図。
【図9】同じく図8のA−A線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 ピストン
2 キャビティ
3 燃焼室
4 点火栓
5 吸気ポート
6 インジェクタ
7 吸気バルブ
11 順タンブルポート
12 逆タンブルポート
15 コントロールバルブ
17 マスキング部
19 シリンダヘッド
20 燃焼室天井壁
21 ピストン頂面
25 インテークマニホールド
Claims (5)
- 気筒内に吸気を導入する吸気ポートと、
気筒内に燃料を噴射するインジェクタと、
気筒内の混合気に点火する点火栓と、
気筒内から排気を排出する排気ポートと、
を備える直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、
前記吸気ポートとして共通の気筒に開口する順タンブルポートと逆タンブルポートを備え、
順タンブルポートを排気ポート側のシリンダ壁に対向するように傾斜させて形成し、
前記順タンブルポートから気筒内に導入される吸気量を調節するタンブル調節手段を備え、
逆タンブルポートの下流端部を吸気ポート側のシリンダ壁に沿って直立するように湾曲させて形成したことを特徴とする直接筒内噴射式火花点火エンジン。 - 前記逆タンブルポートの下流端部を画成するポート壁に吸気バルブの傘裏部のうち排気ポートに近接する部分を覆うように突出するマスキング部が形成したことを特徴とする請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン。
- 前記逆タンブルポートを順タンブルポートより先に開弁させる構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン。
- ピストンの頂面に凹状に窪むキャビティを形成し、キャビティを前記逆タンブルポートに対向するようにシリンダ中心線に対してオフセットして形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン。
- 前記順タンブルポートの吸気バルブを逆タンブルポートの吸気バルブより先に開弁して先に閉弁する構成とし、インジェクタから噴射された燃料噴霧が最大リフト位置にある順タンブルポートの吸気バルブの下方に拡がるように配置し、インジェクタの燃料噴射終了時期を逆タンブルポートの吸気バルブが開弁する前に終了するように設定したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン。
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