JP3692207B2 - 水素化処理用触媒およびそれを用いる炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素油の水素化処理用触媒およびそれを用いる炭化水素油の水素化処理方法に関するものであり、さらに詳しくは、シリカ−アルミナ担体に水素化活性成分を担持させて構成される特定の細孔分布を有する水素化処理用触媒およびそれを用いる炭化水素油中の硫黄化合物および窒素化合物を除去するための水素化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、石油炭化水素油の水素化処理においては、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ジルコニア等の耐火性無機酸化物を担体とし、元素周期律表第VI族金属、同表第VIII族金属等を酸化物または硫化物として担持させた水素化処理用触媒が種々開発され広く使用されている。このような水素化処理用触媒は、例えば、常圧蒸留または減圧蒸留の留出油および残渣油の水素化脱硫、水素化脱窒素および水素化分解、潤滑油留分の水素化精製、ワックス留分の水添異性化等に用いられるが、各種炭化水素油の水素化処理において、水素化処理用触媒の細孔および細孔分布が活性および活性維持能にとって重要なキイファクターであることが認識されてきた。従って、原料油中のアスファルトおよび金属含有化合物の侵入を防止するために細孔半径80Å以上の細孔容積を全細孔容積の10%以下に抑えた細孔分布を有する触媒を使用する水素化処理方法(特公昭45−38142号公報参照。)または残渣油の水素化脱硫において半径120Å以下の細孔の容積が10Å間隔で比較的均一に分布した触媒を使用する水素化処理方法(特公昭45−38143号公報参照。)等が提案され、また、50〜100Åの範囲の孔径を有する細孔の容積を全細孔容積の少なくとも50%とし、0〜50Åの範囲の孔径を有する細孔容積を全細孔容積の最大25%とする原油または抜頭原油の水素化脱硫触媒も開示されている(特開昭47−10356号公報参照。)。
【0003】
さらに、本出願人においても、シリカを2〜40重量%含有するシリカ−アルミナ担体上に、モリブデン、コバルトおよびニッケル等の水素化活性成分を担持させた水素化処理用触媒であって、直径300Å以下の細孔の容積が全細孔容積の80%以上であり、かつ、ミクロポアとマクロポアの両領域に細孔が分布するように制御された水素化処理用触媒を提案した(特公平5−39662号公報参照。)。
【0004】
しかし、近年、環境保全の観点から軽油留分の苛酷な水素化脱硫が要求されてきたことから、従来の水素化処理用触媒は脱硫活性向上を主眼とし、比較的小さい細孔径の細孔容積を増加させた高比表面積を有する触媒の開発が重点的に行なわれてきたため、脱窒素活性については一層の改善が必要であった。
【0005】
炭化水素油中には、ピサジン類、アミン類、アミド類等の塩基性窒素化合物、ピロール類等の弱酸性窒素化合物等の窒素化合物が相当量含まれるものもあり、これらの炭化水素油をそのまま燃料油として使用した場合、大気汚染の原因となり環境保全上好ましくない。また、窒素化合物を含有する炭化水素油を接触分解または接触改質に供すると、窒素化合物が分解触媒または改質触媒の活性を著しく低下させ、製品の収率低下を招くという問題があり、炭化水素油の効率の高い脱窒素の可否が石油精製において重要な課題であった。
【0006】
ところで、活性金属成分の担体上における高度分散担持を達成するには、比表面積を増加させることが要求されるが、脱窒素活性の向上に有効な比較的大きい細孔径の細孔容積を増加させると比表面積が低減するという難点が生ずる。このような開発状況のもとに、脱硫活性と共に脱窒素活性に優れた高比表面積の水素化処理用触媒の開発が切望されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、前記のような開発状況に鑑み、高脱硫活性と共に高脱窒素活性を併せ有する水素化処理用触媒および該水素化処理用触媒を用いる炭化水素油の水素化処理方法を新規に開発することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、前記の本発明の課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、比較的小さい細孔径の細孔容積を維持すると共に比較的大きい特定の細孔径の細孔容積を増加させた水素化処理用触媒が水素化脱窒素反応を促進することができ、そのような水素化処理用触媒が原料成分のアルミニウム水和物の調製条件を制御することにより製造可能なことを見いだし、さらに、その水素化処理用触媒を用いることにより炭化水素油中の硫黄化合物と窒素化合物を共に効果的に除去できることに着目し、これらの知見に基いて本発明の完成に到達した。
【0009】
すなわち、
本発明の第一は、
シリカを担体全重量基準で2〜40重量%含有するシリカ−アルミナからなる担体に、少なくとも一種の水素化活性金属成分を担持させてなる水素化処理用触媒であって、
▲1▼窒素吸着法により測定した30〜100Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積の50〜70%であり、かつ、100〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積の15〜40%であり、
▲2▼窒素吸着法で測定した0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積が水銀圧入法で測定した40Å以上の直径を有する細孔の容積の70%以上であり、
▲3▼比表面積が200m2 /g以上である
ことを特徴とする水素化処理用触媒に関するものである。
【0010】
また、本発明の第二は、
炭化水素油を前記水素化処理用触媒の存在下において水素と接触させることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明の水素化処理用触媒の担体はシリカを含有するシリカ−アルミナであり、シリカ−アルミナとしては、核としてのアルミナ表面上にシリカ層を形成させた構造のものが好ましい。シリカ−アルミナ担体中のシリカ成分は、触媒の固体酸性度の制御には好適であり、触媒に強酸点を賦与し触媒の分解活性を増大させることができる。担体中のシリカ含有量は、担体全重量基準で2〜40重量%、好ましくは、5〜35重量%の範囲であり、さらに好ましい含有量は7〜20重量%である。シリカ含有量が40重量%を超えると原料油の分解を促進し水素化処理油が経質化するという問題が生ずる。
【0013】
シリカ−アルミナのアルミナ成分としては、γ−アルミナ、χ−アルミナまたはη−アルミナのいずれかまたはそれらの混合体が好適であり、アルミナ成分の形態としては本発明の水素化処理用触媒に前記の特定の細孔分布および特性値を与えるものであれば、いずれでも制限されることなく好ましく使用することができる。
【0014】
また、シリカ−アルミナに他の耐火性無機酸化物、例えば、マグネシア、酸化カルシウム、ジルコニア、チタニア、ボリア、ハフニアおよび結晶性ゼオライト等からなる群より選択される一種または二種以上を添加することもでき、その含有量としては担体全重量基準で0.1〜10重量%の範囲が好ましい。これらの耐火性無機酸化物、例えば、マグネシアは、シリカ−アルミナ等が有する強酸点を減少させ、同時に弱酸点を増加させて触媒の選択性を向上させることができる。
【0015】
本発明の水素化処理用触媒の担体として用いられるシリカ−アルミナ担体の製造方法としては、シリカ水和物ゲルおよびアルミナ水和物ゲルを各々あらかじめ製造しておき両者を混合する方法、シリカ水和物ゲルをアルミニウム化合物の溶液に浸漬した後に、塩基性物質または酸性物質を適当量添加し、アルミナ水和物ゲルをシリカ水和物ゲル上に沈着させる方法、または水溶性アルミニウム化合物と水溶性珪素化合物との均一混合溶液に塩基性物質または酸性物質を添加し、両者を共沈させる方法等を採用することができるが、本発明の水素化処理用触媒として必要な細孔分布および特性値等の物性のものを得るためには次の方法を採用することが好ましい。すなわち、本発明の水素化処理用触媒のシリカ−アルミナ担体の製造方法はアルミナ水和物ゲルを生成させた後、シリカ水和物ゲルを沈着させる方法が好適であり、製造方法の具体的な一態様を例示すれば次の如くである。
【0016】
約50〜約80℃の温水に酸性またはアルカリ性アルミニウム化合物を添加して得られる水溶液に対し酸または水酸化アルカリを徐々に添加し所定時間経過後にわたりpHを約7〜11、好ましくは8〜10の範囲に調整しアルミナ水和物ゲルを沈殿させる。沈殿したアルミナ水和物ゲルを同温度下で0.2〜1.5時間熟成した後、これに珪酸アルカリの水溶液を添加し、必要に応じて鉱酸溶液を加え、pHを約7〜11の範囲に調整し、約50〜約80℃の温度にて0.2時間以上保持し、アルミナ水和物ゲル上にシリカ水和物ゲルを沈着させる。
【0017】
さらに具体的には、原料アルミニウム化合物水溶液に酸性またはアルカリ性水溶液を徐々に添加し約5分〜約30分かけて混合液のpHを8〜10に調整しアルミナ水和物ゲルを生成させる。得られたアルミナ水和物ゲルに対し、pHを上記設定値に維持しながら原料珪素化合物水溶液を所定量添加し、核としてのアルミナ水和物ゲルにシリカ層を形成させることによりシリカ−アルミナ担体を調製する方法を採用することが好ましい。アルミナ水和物ゲルをこのような条件下で調製することにより細孔分布を制御した担体を得ることができ、設定pH範囲内でアルミナ水和物ゲルにシリカ水和物ゲルを添加することによりアルミナとシリカの結合を良好にしたシリカ層を形成させることができる。
【0018】
アルミナの原料物質としては水溶性化合物、例えば、水溶性酸性アルミニウム化合物および水溶性アルカリ性アルミニウム化合物、具体的には、アルミニウムの硫酸塩、塩化物、硝酸塩、アルカリ金属アルミン酸塩およびアルミニウムアルコキシドその他の無機塩または有機塩を使用することができる。また、水溶性珪素化合物としては、アルカリ金属珪酸塩(Na2 O:SiO2 =1:2〜1:4が好ましい。)、テトラアルコキシシラン、オルソ珪酸エステル等を用いることができる。これらのアルミニウム化合物および珪素化合物は水溶液として使用することができ、その濃度は特に限定するものではなく適宜決定して差し支えがないが、アルミニウム化合物溶液の濃度としては、約0.1〜約4モルの範囲が好ましい。
【0019】
前記のアルミナ水和物ゲルにシリカ水和物ゲルの沈着処理が終了した後、沈殿を濾別し、炭酸アンモニウム溶液および水で洗浄して沈殿中の不純物イオンを除去し、乾燥および焼成等の処理を行ない、核としてアルミナが形成されその上にシリカが沈着したアルミナシリカ担体に仕上げる。
【0020】
乾燥は、酸素の存在下または非存在下において、常温〜約200℃に加熱することにより、また、焼成は、酸素の存在下において、約200〜約800℃、好ましくは約600〜約700℃の範囲に加熱することにより行なう。
【0021】
担体上に担持させる水素化活性金属成分としては、元素周期律表第VI族金属および同表第VIII族金属からなる群より各々選択される一種または二種以上の金属を用いることができる。すなわち、第VI族のクロム、モリブデンおよびダングステン、第VIII族の鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウム、ルテニウムおよびロジウム等からなる群より一種または二種以上の金属を選択して使用することができる。炭化水素油の水素化脱硫および水素化脱窒素のためには、特に第VI族金属と第VIII族金属との組合せ、例えば、モリブデン−コバルト、モリブデン−ニッケル、ダングステン−ニッケル、モリブデン−コバルト−ニッケル、ダングステン−コバルト−ニッケルまたはモリブデン−タングステン−コバルト−ニッケル等の組合せが好ましい。さらに、これらの活性金属成分に元素周期律表第VII族金属、例えば、マンガンおよび同表第IV族金属、例えば、錫、ゲルマニウムまたは鉛等を添加して使用することもできる。
【0022】
これら水素化活性金属成分は、酸化物および/または硫化物として担持させることが好適であり、硫化物は後述のように触媒の予備硫化により調製することができる。
【0023】
水素化活性金属成分の担持方法としては、担体を前記金属成分の可溶性塩の溶液に浸漬し、該金属成分を担体中に導入する含浸法または担体の製造の際、金属成分を同時に沈殿させる共沈法等を採用することができ、その他如何なる方法を使用しても差し支えがないが、操作上容易であり触媒物性の安定化維持に好都合な含浸法によることが好ましい。含浸操作としては担体を常温または常温以上で含浸溶液に浸漬して所望成分が十分担体中に含浸する条件下で保持する。含浸溶液の量および温度は、所望量の活性金属成分が担持されるように適宜調整することができる。また、活性金属成分の所望担持量により含浸溶液に浸漬する担体の量を決定することができる。
【0024】
水素化活性金属成分の担体上への含浸担持は、一液含浸法または二液含浸法等のいずれの方法により行なってもよい。すなわち、二種以上の金属成分を担持するには、二種以上の金属成分をあらかじめ混合し、その混合溶液から同時に含浸(一液含浸法)するかまたは二種以上の金属成分の溶液を別々に調製し、逐次含浸していく(二液含浸法)こともできるわけであり、本発明の水素化処理用触媒の製造においては、これらの含浸方法を何ら限定するものではなく、いずれの方法も任意に採用することができるが、本発明の水素化処理用触媒としては、前記のシリカ−アルミナ担体上に先ず元素周期律表第VIII族金属からなる群より選択される一種または二種以上の金属を担持させ(第一ステップ)、次いで、同表第VIB族金属からなる群より選択される一種または二種以上の金属を担持させる(第二ステップ)ことが好ましい。具体的には、第一ステップにおいて元素周期律表第VIII族の鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウム、ルテニウムおよびロジウム等からなる群より一種または二種以上が選択して使用される。好ましくは、コバルトおよびニッケルを単独または両者を組合せて使用することができる。また、第二ステップにおいては元素周期律表第VIB族のクロム、モリブデンおよびタングステンからなる群より一種または二種以上が選択して使用される。好ましくはモリブデンおよびタングステンが単独でまたは両者を組合せて使用することができる。また所望に応じ、前記のような元素周期律表第IV族、同第VII族の第三の金属を添加することもできる。
【0025】
前記元素周期律表第VIII族および第VIB族の水素化活性金属成分の担持量は、酸化物として触媒全重量基準で、第VIII族金属については0.5〜20重量%、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは2〜5重量%であり、第VIB族金属については5〜30重量%、好ましくは、8〜25重量%、より好ましくは15〜20重量%である。第VIII族金属が0.5重量%に達しないと十分な脱硫・脱窒素活性が得られず、一方、20重量%を超えると担体と結合しない遊離の金属成分が増加し、第VIB族金属と不活性の複合酸化物を生成し、その結果第VIB族金属の分散性を低下させ、触媒活性を低下させるという難点が生ずる。また、第VIB族金属が5重量%未満でも脱硫・脱窒素活性が得られず、一方、30重量%を超えると金属成分の分散性が低下すると同時に第VIII族金属の助触媒効果が発揮されないという弊害が生ずる。
【0026】
本発明の水素化処理用触媒の形状は、円筒状、粒状、または錠剤状その他断面四ツ葉状等の異形状を含め如何なるものでもよく、押出成形、造粒成形等の成形法により製造することができる。成形物の直径は0.5〜3.0mmの範囲が好ましい。
【0027】
水素化活性金属成分を含浸した担体は、含浸溶液を分離した後、水洗、乾燥および焼成を行なう。乾燥および焼成の条件は、前記担体の場合の条件とほぼ同一でよいが、焼成温度としては約400〜約550℃が好ましい。
【0028】
本発明の水素化処理用触媒は、前記の方法を採用することにより製造され、シリカを担体全重量基準で2〜40重量%含有するシリカ−アルミナ担体上に少なくとも一種の水素化活性金属成分を担持させてなり、
▲1▼窒素吸着法により測定した30〜100Åの範囲の直径を有する細孔の容積が100〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積の50〜70%であり、かつ、100〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積の15〜40%であり、
▲2▼窒素吸着法で測定した0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積が水銀圧入法で測定した40Å以上の直径を有する細孔の容積の70%以上であり、
▲3▼比表面積が200m2 /g以上のものである。
【0029】
さらに、本発明の好ましい実施の態様として
(1)核としてのアルミナ表面上に、シリカ層を形成させた構造を有し、シリカを担体全重量基準で2〜40重量%含有するシリカ−アルミナからなる担体に、少なくとも一種の水素化活性金属成分を担持させてなる水素化処理用触媒であって、
▲1▼窒素吸着法により測定した30〜100Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積の50〜70%であり、かつ、100〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積の15〜40%であり、
▲2▼窒素吸着法で測定した0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積が水銀圧入法で測定した40Å以上の直径を有する細孔の容積の80%以上であり、
▲3▼窒素吸着法で測定した細孔直径0〜300Åの範囲内における平均細孔直径が40〜100Åであり、
▲4▼水銀圧入法で測定した直径40Å以上の細孔の容積が0.4〜0.65ml/gであり、
▲5▼比表面積が200m2 /g以上
である水素化処理用触媒、または、
(2)核としてのアルミナ表面上に、シリカ層を形成させた構造を有し、シリカを担体全重量基準で2〜40重量%含有するシリカ−アルミナからなる担体に、少なくとも一種の水素化活性金属成分を担させてなる水素化処理用触媒であって、
▲1▼窒素吸着法により測定した30〜100Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積の55〜65%であり、かつ、100〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積の16%〜30%であり、
▲2▼窒素吸着法で測定した0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積が水銀圧入法で測定した40Å以上の直径を有する細孔の容積の80%以上であり、
▲3▼窒素吸着法で測定した細孔直径0〜300Åの範囲内における平均細孔直径が65〜95Åであり、
▲4▼水銀圧入法で測定した直径40Å以上の細孔の容積が0.4〜0.65ml/gであり、
▲5▼比表面積が200m2 /g以上
である水素化処理用触媒
を提供することができる。
【0030】
また、本発明の炭化水素油の水素化処理方法の好ましい実施の態様として、
(3)軽油留分を主成分とする炭化水素油を、前記水素化処理用触媒の存在下において水素化処理条件下で水素と接触させることからなる炭化水素油の水素化処理方法
を提供することができる。
【0031】
本発明の水素化処理用触媒の特異性の一つは、窒素吸着法により測定した直径30〜100Åの範囲の細孔の細孔容積と直径100〜150Åの範囲の細孔容積をバランスよく増加させたことにあり、細孔容積[(30〜100Å)/(0〜150Å)]比率をXとし、細孔容積[(100〜150Å)/(0〜300Å)]比率をYとすると、Xは50〜70%、好ましくは、55〜65%であり、一方、Yは15〜40%、好ましくは、16〜30%である。Xが50%未満であるかまたは70%を超えるか、Yが15%未満または40%を超えると脱硫・脱窒素活性が低下する。しかも、Y/Xが0.15〜0.6、特に、0.25〜0.45の割合のものが脱硫・脱窒素反応に好適である。
【0032】
本発明の水素化処理用触媒の比表面積は、200m2 /g以上、好ましくは、220m2 /g以上である。比表面積が200m2 /g以上であると水素化活性金属成分が担体上に分散性よく担持した触媒を得ることができる。また、本発明の水素化処理用触媒の直径0〜300Åの細孔の容積は、窒素吸着法により測定して通常、0.3ml/g以上、特に0.4〜0.6ml/gであることが好ましい。0.3ml/g未満では長時間にわたる安定した活性維持能を保持することが困難となり、また、直径30〜100Åの細孔の容積は、0.18ml/g以上、好ましくは、0.2ml/g以上であり、直径100〜150Åの細孔の容積は0.06ml/g以上、好ましくは、0.08〜0.18ml/gである。これらの細孔を具備することにより得られる水素化処理用触媒は、高脱硫活性および高脱窒素活性を共に発揮させることができる。また、水銀圧入法による直径40Å以上の細孔容積は0.4ml/g以上、好ましくは、0.4〜0.65ml/gであり、活性維持能の保持に重要である。一方、細孔容積0.65ml/gを超えると触媒のカサ密度が低下し触媒充填密度が低下するため反応塔内での触媒有効量が減少し十分な活性が得られず、また触媒の破壊強度も低下するおそれ生ずる。
【0033】
次に、本発明の水素化処理用触媒を用いる水素化処理方法について説明する。水素化処理に供される原料油としては、特に限定されるものではなく、常圧蒸留留出油、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留留出油、分解軽油留分またはこれらの混合油等いずれも用いることができるが、特に、通常、脱硫および脱窒素の同時除去が困難な減圧軽油、分解軽油および直留軽油等が好適である。減圧軽油は、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる約370〜610℃の範囲の沸点を有する留出油であり、硫黄分、窒素分および金属分を相当量含有するものである。例えば、中東原油減圧軽油の一例を挙げるならば、約2〜4重量%の硫黄分、約0.03〜0.2重量%の窒素分を含有する。また、残留炭素分を約1重量%程度含有する。分解軽油は、残渣油を熱分解して得られる約200℃以上の沸点を有する分解油であり、例えば、残渣油のコーカーおよびビスブレーカー等から得られる。また、接触分解装置から得られるライトサイクルガスオイル(LCGO)およびヘビーサイクルガスオイル(HCGO)等も原料油として本発明の水素化処理方法に供することができる。本発明の水素化処理方法によれば、前記減圧軽油の水素化脱硫・脱窒素を最も効果的に行なうことができる。
【0034】
水素化処理の反応条件は、特に限定されるものではないが、原料油の種類、脱硫率および脱窒素率等の目標値により適宜選択することができる。すなわち、反応温度;280〜420℃、反応圧力;20〜200kg/cm3 ,水素含有ガスレイト;100〜270リットル/リットル、および液空間速度;0.5〜4V/H/Vを採用することができる。水素含有ガスとしては水素濃度が60〜100%の範囲のものを用いることができる。
本発明の水素化処理用触媒は、活性劣化が比較的速く苛酷度の高い反応条件下、特に、低反応圧においても高い脱硫率および脱窒素率を達成することができる。
【0035】
炭化水素油の水素化処理を行なうにあたり、水素化処理用触媒は、固定床、流動床または移動床のいずれの形式でも使用することができるが、装置面または操作上からは固定床を採用することが好ましい。また二基以上の複数基の反応塔を結合して水素化処理を行ない、高度の脱硫率と脱窒素率を達成することもできる。
【0036】
また、本発明の水素化処理用触媒は、原料油の水素化処理に先立ち予備硫化を行なうことが好ましい。予備硫化は、焼成した触媒を反応塔内に充填した後、含硫留出油を反応塔に供給し、温度;150〜400℃、圧力(全圧);20〜100kg/cm2 、液空間速度;0.3〜2.0V/H/Vおよび水素含有ガスレイト;50〜1500リットル/リットルの反応条件下で接触させ、水素化活性金属成分の硫化処理を行ない、終了後含硫留出油を原料油に切替え、原料油の脱硫・脱窒素に対応した運転条件に設定し、水素化処理の運転を開始する。硫化処理の方法としては、前記の如き方法の他に、硫化水素その他の硫黄化合物を直接触媒と接触させるかまたは適当な留出油に添加してこれを触媒と接触させる方法を採用することもできる。
【0037】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により制限されるものではない。
【0038】
なお、水素化処理用触媒の比表面積、細孔容積等は次の方法により測定し、平均細孔直径は下記のようにして算出した。
比表面積 : 窒素ガス吸着法BETによる。
細孔容積 : 窒素吸着法および水銀圧入法による。
【0039】
細孔容積の測定法として使用した窒素吸着法および水銀圧入法は、P.H.エメット他著「キヤタリシス」第1巻、第123頁(ラインホールド・バブリシング・カンパニー発行)(1959年)P.H.Emmett, et.al.“Catalysis",Vol. 1, p123 (1959) (Reinhold Publishing Co.)、および触媒工学講座、第4巻、第69頁〜第78頁(地人書館発行)(昭和39年)に記載の方法による。
【0040】
窒素吸着法に対しては多分子層吸着に基づく補正の方法が種々提案されており、その中でもBJH法[E.P.Barrett.L.G.Joyner and P.P, Halenda,J.Amer.,Chem,Soc.,73,373(1951)]及びCI法[R.W.Cranston and F.A.Inkley,“AdvancesinCatalysis," IX ,143(1957) (New York Academic Press) ]が一般に用いられているが、本発明における細孔容積に係るデータは吸着等温線の吸着側を使用しBJH法によって計算したものである。
【0041】
水銀圧入法においては触媒に対する水銀の接触角を130゜、表面張力を485ダイン/cmとし、すべての細孔は円筒形であると仮定した。
【0042】
平均細孔直径は、BJH法により計算した。直径300Å以下の細孔容積V[ml/g]および、BET法により得た比表面積A[m2 /g]により、計算式 4V/A×10000[Å]により算出した。
実施例1(触媒A)
表1に示す性状を有する触媒Aを次のようにして製造した。
【0043】
純水3リットルを70℃に加熱し、これにアルミン酸ナトリウム 205gを溶解させて、pH約12のアルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
【0044】
次にこのアルミン酸ナトリウム水溶液に硝酸溶液を添加しながら、約15分間かけて混合溶液を所定のpH=8.8〜9.2に調整した。ひきつづき70℃で0.5時間熟成し、アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を得た。
【0045】
この水溶液に、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス 69gを純水200gに溶解させて調製。)を添加し、必要に応じて硝酸溶液を添加しpHを約9とし、温度70℃で0.5時間熟成した。これにより、アルミナ水和物の沈殿(ゲル)の表面にシリカ水和物の沈殿(ゲル)が沈着した沈殿粒子を含むスラリー液を得た。
【0046】
このスラリー液を濾過し、濾別したケーキを濾過後の濾液のナトリウム濃度が5ppm以下になるまで炭酸アンモニウム水溶液で洗浄した。
【0047】
このケーキを、80℃の混練機中で成型可能な含水量になるまで乾燥しながら混練し、押し出し成型機により、1.5mmφの円柱状ペレットに成型した。成型されたペレットは120℃で16時間乾燥し、さらに700℃で3時間焼成し担体とした。
【0048】
この担体に、CoO量として4重量%になるように硝酸コバルト水溶液(コバルト液)を含浸させ、120℃で乾燥し、450℃で焼成した。次に、MoO3 量として16重量%となるようにパラモリブデン酸アンモニウム水溶液(モリブデン液)を含浸させ、120℃で乾燥した後、500℃で焼成し触媒Aを得た。触媒Aの比表面積、細孔分布等の物性および化学組成を表1に示す。
実施例2(触媒B)
アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を調製する際、アルミン酸ナトリウム水溶液に硝酸溶液を添加してpHを調整するまでの時間を約15分間とし、またpHを9.2〜9.6に設定したこと以外はすべて実施例1と同様の調製法により担体を得た。
【0049】
この担体に、CoO量として4重量%、NiO量として1重量%になるように硝酸コバルトおよび硝酸ニッケルの水溶液(コバルトおよびニッケル液)を含浸させ、120℃で乾燥し、450℃で焼成した。次に、MoO3 量として16.0重量%となるようにパラモリブデン酸アンモニウム水溶液(モリブデン液)を含浸させ、120℃で乾燥後、500℃で焼成し触媒Bを得た。触媒Bの物性および化学組成を表1に示す。
実施例3(触媒C)
アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を調製する際、アルミン酸ナトリウム水溶液に硝酸溶液を添加してpHを調整するまでの時間を約10分間とし、またpHを8.6〜9.0に設定したこと以外は実施例1と同様の調製法により触媒Cを得た。触媒Cの物性および化学組成を表1に示す。
実施例4(触媒D)
アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を調製する際、アルミン酸ナトリウム水溶液に硝酸溶液を添加してpHを調整するまでの時間を約20分間とし、またpHを9.2〜9.4に設定したこと以外は実施例1と同様の調製法により担体を得た。
【0050】
この担体に、CoO量として4重量%、NiO量として1重量%になるように硝酸コバルトおよび硝酸ニッケルの水溶液(コバルトおよびニッケル液)を含浸させ、120℃で乾燥し、450℃で焼成した。次にMoO3 量として16重量%となるようにパラモリブデン酸アンモニウムの水溶液(モリブデン液)を含浸させ、120℃で乾燥後、500℃で焼成し触媒Dを得た。触媒Dの物性および化学組成を表1に示す。
実施例5(触媒E)
純水3リットルを70℃に加熱し、これにアルミン酸ナトリウム220gを溶解させてpH約12のアルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
【0051】
次に、この溶液に、硝酸溶液を添加して、約25分間かけて所定のpH=8.2〜8.6に調整した。つづいて、70℃で0.5時間熟成し、アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を得た。この水溶液に、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス49gを純水200gに溶解させて調製。)を添加し、必要に応じて硝酸溶液を添加しpHを約9とし、温度70℃で0.5時間熟成した。これにより、アルミナ水和物の表面にシリカ水和物が沈着した沈殿粒子を含むスラリー液を得た。
【0052】
このスラリー液を実施例1と同様にして濾過洗浄後、成形し、乾燥、焼成して得た担体に、CoO量として4重量%、NiO量として1重量%になるように硝酸コバルトおよび硝酸ニッケルの水溶液(コバルトおよびニッケル液)を含浸させ、120℃で乾燥し、450℃で焼成した。次に、MoO3 量として16重量%となるようにパラモリブデン酸アンモニウムの水溶液(モリブデン液)を含浸させ、120℃で乾燥後、500℃で焼成し触媒Eを得た。触媒Eの物性および化学組成を表1に示す。
比較例1(触媒F)
市販の脱硫触媒を用いた。物性および化学組成を表1に示す。
比較例2(触媒G)
アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を調製する際、アルミン酸ナトリウム水溶液に硝酸溶液を添加してpHを調整するまでの時間を約2分間以内とし、またpHを9.6〜9.8に設定したこと以外はすべて実施例1と同様の調製法により表1に示す触媒Gを得た。
比較例3(触媒H)
アルミナ水和物の沈澱(ゲル)を含む水溶液を調製する際、アルミン酸ナトリウム水溶液に硝酸溶液を添加してpHを調製するまでの時間を約1分間以内とし、またpHを10.0〜10.4に設定したこと以外はすべて実施例1と同様の調製法により表1に示す触媒Hを得た。
【0053】
【表1】
実施例6
触媒A〜Eを用いて下記の水素化処理条件で減圧軽油の水素化処理を行なった。脱硫・脱窒素活性の評価結果を表2に示す。なお、水素化処理油の硫黄分レベルを0.05〜1重量%、窒素分レベルを200〜400wtppmとした。
【0054】
比較例4
触媒A〜Eの代わりに、触媒F、GおよびHを用いたこと以外はすべて実施例6と同様にして水素化処理を行なった。脱硫率および脱窒素率の評価結果を表2に併記した。
以上の実施例および比較例から、本発明に係る直径30Å〜100Åの細孔容積と直径100Å〜150Åの細孔容積が共に大きく、かつ細孔分布XおよびYのバランスがとれ、さらにZの大きさが確保されている本発明の触媒A〜Eが、細孔分布XとYとの比が偏在しているかまたはZが充足されない触媒F、GおよびHと比較して脱硫率および脱窒素率の両者が共に優れていることが明らかである。
【0055】
【発明の効果】
本発明の水素化処理用触媒は、細孔容積[(100〜150Å)/(0〜300Å)]比率Yが従来公知の水素化処理用触媒に比較して大きく、かつ細孔容積[(30〜100Å)/(0〜150Å)]比率Xとバランスのとれたものであり、さらに、細孔容積[(0〜300Å)/(40Å以上)]比率Zが大きく、これらがすべて充足するものである。難反応性で除去が困難な窒素化合物を多く含有する減圧軽油、分解軽油の水素化脱窒素において高度の脱窒素率を達成し、同時に高脱硫率の達成も可能である。従って、本発明によれば燃料油として、また、接触分解用原料として究極の高品質軽油留分を提供することができる。
Claims (2)
- シリカを担体全重量基準で2〜40重量%含有するシリカ−アルミナからなる担体に、少なくとも一種の水素化活性金属成分を担持させてなる水素化処理用触媒であって、
▲1▼窒素吸着法により測定した30〜100Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積の50〜70%であり、かつ、100〜150Åの範囲の直径を有する細孔の容積が0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積の15〜40%であり、
▲2▼窒素吸着法で測定した0〜300Åの範囲の直径を有する細孔の容積が水銀圧入法で測定した40Å以上の直径を有する細孔の容積の70%以上であり、
▲3▼比表面積が200m2 /g以上である
ことを特徴とする水素化処理用触媒。 - 炭化水素油を請求項1の水素化処理用触媒の存在下において、水素と接触させることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。
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