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JP3690255B2 - ポリエステル樹脂の製造方法及びそれにより得られるポリエステル樹脂 - Google Patents

ポリエステル樹脂の製造方法及びそれにより得られるポリエステル樹脂 Download PDF

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JP3690255B2 JP2000234228A JP2000234228A JP3690255B2 JP 3690255 B2 JP3690255 B2 JP 3690255B2 JP 2000234228 A JP2000234228 A JP 2000234228A JP 2000234228 A JP2000234228 A JP 2000234228A JP 3690255 B2 JP3690255 B2 JP 3690255B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融重縮合によるポリエステル樹脂の製造方法、及びそれにより得られるポリエステル樹脂に関し、更に詳しくは、ジエチレングリコール等のエーテル系化合物の副生を抑制しつつ、末端カルボキシル基量を低減化させることができ、もって、熱安定性に優れると共に、色調に優れ、又、固相重縮合によりオリゴマーや環状三量体等の副生成物を低減化させ得るポリエステル樹脂を得ることができるポリエステル樹脂の製造方法、及びそれにより得られるポリエステル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂は、機械的強度、化学的安定性、ガスバリア性、衛生性等に優れ、又、比較的安価で軽量であるために、ボトルやフィルム等としての各種包装資材、或いは繊維等に広く用いられている。
【0003】
そして、これらのポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分としての例えばテレフタル酸又はそのアルキルエステルと、ジオール成分としての例えばエチレングリコールを主原料とし、それら原料を混合する原料混合工程、次いで、その原料を常圧〜加圧下、加熱下でエステル化反応又はエステル交換反応させるエステル化工程又はエステル交換工程、引き続いて、得られた反応生成物を、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合工程を経て、通常、更に固相重縮合反応させる固相重縮合工程を経て製造されており、得られるポリエステル樹脂の分子鎖の末端は、主としてカルボキシル基とヒドロキシル基により構成されるが、このうち末端カルボキシル基は、例えば加熱溶融による成形時に分子鎖の切断やそれに伴うアセトアルデヒドの生成、着色等の様々な副反応を引き起こして熱安定性を悪化させる原因となり、又、固相重縮合反応時のオリゴマーの低減化速度に悪影響を及ぼし、その結果、成形時に金型を汚染してボトル等の成形品の透明性を低下させる等の原因ともなっている。
【0004】
これに対して、末端カルボキシル基量を低減化させるべく、重縮合温度を低くするとか、原料中のジオール成分としてのエチレングリコールの割合を多くする等の方法が知られているが、前者方法では生産性の低下を招き、又、後者方法では、ジエチレングリコール等のエーテル系化合物が副生し、それらが得られる樹脂の軟化点を下げると共に熱安定性を悪化させることとなって、いずれも、末端カルボキシル基量を低減化することはできても、同時に新たな問題が発生し、前述の問題を基本的に解決し得るものではなかった。
【0005】
又、更に、ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造において、ジカルボン酸成分としてのテレフタル酸とジオール成分としてのエチレングリコールとのエステル化反応以降の段階で、エチレングリコールを追加添加する方法も知られており、例えば、特開昭51−41794号公報には、エステル化を2段に分け、第1段でのエステル化反応生成物に第2段で特定量のエチレングリコールを追加添加して反応生成物中の遊離のカルボキシル基を更にエステル化させた後、重縮合させることによって、色調の優れた高軟化点を有するポリエチレンテレフタレート樹脂を製造する方法が記載されている。しかしながら、本発明者等の検討によると、そこに開示される方法では、エステル化率が低い段階でエチレングリコールを追加添加しているため系内に多量に存在するテレフタル酸由来の末端カルボキシル基の酸触媒作用によりエチレングリコールが脱水縮合してジエチレングリコールが生成してしまうためと考えられるが、ジエチレングリコール等の副生は十分に抑制されず、又、色調も良好とは言えず、前述の問題の解決には到り得ないことが判明した。
【0006】
又、特開平10−251391号公報にも、エステル化反応生成物に特定量のエチレングリコールを追加添加して反応生成物中の末端カルボキシル基を特定の割合とした後、重縮合させることによって、末端カルボキシル基量を低減化させたポリエチレンテレフタレート樹脂の製造する方法が記載されている。しかしながら、本発明者等の検討によると、そこに開示される方法では、末端カルボキシル基量を低減させるためにはエステル化時の圧力を高くし、滞留時間を長くする必要があり、それに伴い、ジエチレングリコールの生成量が増加し、又、エステル化反応生成物の数平均重合度が上昇して全末端数が減少し、全末端数に占めるカルボキシル基の割合が増加することとなって、末端カルボキシル基の低減化には繋がらず、更に、得られる樹脂の色調も悪化し、やはり、前述の問題の解決には到り得ないことが判明した。
【0007】
又、特開平11−106498号公報には、重縮合を複数段に分け、第1段の重縮合時にエチレングリコールを追加添加して重縮合後の樹脂の末端カルボキシル基量を特定範囲に制御することによって、末端カルボキシル基量を低減化させたポリエチレンテレフタレート樹脂を製造する方法が記載されている。しかしながら、本発明者等の検討によると、そこに開示される方法では、末端カルボキシル基量を低減させるためには第1段重縮合時の温度を高くする必要があり、それに伴い、重縮合槽に移送されたエステル化反応生成物の重縮合触媒等による熱分解が起こり、得られる樹脂の色調が悪化する等の問題が生じ、更に、第1段重縮合槽は高温減圧下であるためオリゴマーの揮散が促進されて溜出系の閉塞等のトラブルの原因となり、やはり、前述の問題の解決には到り得ないことが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、ジエチレングリコール等のエーテル系化合物の副生を抑制しつつ、末端カルボキシル基量を低減化させることができ、もって、熱安定性に優れると共に、色調に優れ、又、固相重縮合によりオリゴマーや環状三量体等の副生成物を低減化させ得るポリエステル樹脂を得ることができるポリエステル樹脂の製造方法、及びそれにより得られるポリエステル樹脂を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成すべくなされたものであって、即ち、本発明は、ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール成分としてのエチレングリコールを主原料とし、前者成分に対する後者成分のモル比を1.0〜2.0の割合で混合する原料混合工程、次いで、その原料を常圧〜加圧下、加熱下でエステル化反応又はエステル交換反応させるエステル化工程又はエステル交換工程、引き続いて、得られた反応生成物を、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合工程を経てポリエステル樹脂を製造するにおいて、エステル化工程又はエステル交換工程から溶融重縮合工程までの間であって、エステル化率が75%以上で、数平均重合度が3.0〜10.0の低分子量体の反応生成物に対して、ポリエステル樹脂の理論収量の4〜40重量%となる量のエチレングリコールを追加添加するポリエステル樹脂の製造方法、を要旨とする。
【0010】
又、本発明は、前記の製造方法で得られるポリエステル樹脂であって、末端カルボキシル基量が25モル/樹脂トン以下、ジエチレングリコール量が全ジオール成分に対して1.0〜3.0モル%、固有粘度が0.10〜0.70dl/g、ハンターの色差式における色座標b値が3以下、及び、210℃で10時間の固相重縮合による環状三量体の低減量が0.40重量%以上であるポリエステル樹脂、を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール成分としてのエチレングリコールを主原料とし、前者成分に対する後者成分のモル比を1.0〜2.0の割合で混合する原料混合工程、次いで、その原料を常圧〜加圧下、加熱下でエステル化反応又はエステル交換反応させるエステル化工程又はエステル交換工程、引き続いて、得られた反応生成物を、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合工程を経てポリエステル樹脂を製造するものであり、これらは連続式、又は回分式でなされる。
【0012】
ここで、ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、具体的には、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並びに、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の、これら芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、及び脂肪族ジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、及びハロゲン化物等が挙げられる。
【0013】
又、ジオール成分としてはエチレングリコールを必須とするが、エチレングリコール以外のジオールとしては、例えば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール等の脂環式ジオール、及び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0014】
更に、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等の三官能以上の多官能成分、等の一種又は二種以上が、共重合成分として用いられてもよい。
【0015】
以上のジカルボン酸成分の中で、本発明におけるポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルが好ましく、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、又はそれらのメチルエステルが更に好ましく、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましく、テレフタル酸が最も好ましい。又、それらの使用量は、全ジカルボン酸成分の90モル%以上とするのが好ましく、95モル%以上とするのが更に好ましく、98モル%とするのが特に好ましく、99モル%以上とするのが最も好ましい。又、ジオール成分としてのエチレングリコールの使用量は、後述の追加添加するエチレングリコールを除いて、全ジオール成分の90モル%以上とするのが好ましく、95モル%以上とするのが更に好ましく、98モル%以上とするのが特に好ましく、99モル%以上とするのが最も好ましい。
【0016】
尚、前記ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、前記ジオール成分としてのエチレングリコールの使用量の割合は、通常、後者成分を過剰に用い、余剰のエチレングリコールはエステル化反応又はエステル交換反応の進行と共に系外に留去するのが好ましい。前者成分に対する後者成分のモル比は、通常1.0〜2.0とし、1.05〜1.5とするのが好ましく、1.1〜1.3とするのが更に好ましい。同モル比が前記範囲未満では重縮合反応性が低下することとなり、一方、前記範囲超過ではジエチレングリコールの生成量が増加することとなる。
【0017】
前記ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、前記ジオール成分としてのエチレングリコールは、必要に応じて用いられる共重合成分、及び触媒や助剤等と共に、原料混合工程において、スラリー槽に投入して攪拌下に混合し、原料スラリーとして調製する。
【0018】
次いで、調製した原料スラリーを、単数又は複数のエステル化反応槽を備えたエステル化工程又はエステル交換工程に移送し、通常、240〜280℃の温度、常圧〜大気圧に対する相対圧力3×105 Paの加圧下で、攪拌下に1〜10時間でエステル化反応させ、又は、エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させ、ポリエステル低分子量体とする。尚、ここで、エステル交換反応の場合はエステル交換触媒を用いる必要があること等から、一般に得られるポリエステル樹脂の色調や熱安定性が劣る傾向にあるため、本発明においてはエステル化反応を経ることが好ましい。
【0019】
本発明において、エステル化反応又はエステル交換反応生成物としてのポリエステル低分子量体のエステル化率(原料ジカルボン酸成分の全カルボキシル基又はカルボン酸誘導体基のうちジオール成分と反応してエステル化又はエステル交換したものの割合)は、95%以上であるのが好ましい。又、ポリエステル低分子量体の数平均重合度は3.0〜10.0であり、連続式の重合方式においては、4.0〜8.0であるのが更に好ましく、5.0〜7.0であるのが特に好ましく、回分式の重合方式においては、5.0〜9.0であるのが更に好ましく、6.0〜8.0であるのが特に好ましい。エステル化率と数平均重合度がこの範囲であることにより、比較的低温度低圧力の条件下で、後述するエチレングリコールを追加添加することができ、カルボン酸末端基とジエチレングリコール副生量の両方を低減化させることができる。
【0020】
引き続いて、得られたエステル化反応又はエステル交換反応生成物を、単数又は複数の重縮合反応槽を備えた溶融重縮合工程に移送し、重縮合触媒等の存在下に、通常、250〜290℃の温度、常圧から漸次減圧として最終的に絶対圧力1333〜13.3Paの減圧下で、攪拌下に1〜20時間で溶融重縮合反応させ、ポリエステル樹脂を製造する。
【0021】
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、前記エステル化工程又はエステル交換工程から前記溶融重縮合工程までの間であって、エステル化率が75%以上で、数平均重合度が3.0〜10.0の低分子量体の反応生成物に対して、エチレングリコールを追加添加することを必須とする。
【0022】
ここで、エチレングリコールを追加添加するときの反応生成物のエステル化率は90%以上であるのが好ましく、95%以上であるのが更に好ましく、97%以上であるのが特に好ましい。エステル化率が前記範囲未満では、追加添加したエチレングリコールによるエステル化反応又はエステル交換反応に時間がかかって、末端カルボキシル基の酸触媒作用によりエチレングリコールが脱水縮合してジエチレングリコールが生成してしまうこととなる。
【0023】
又、エチレングリコールを追加添加するときの反応生成物の数平均重合度は、、連続式の重合方式においては、4.0〜8.0であるのが好ましく、5.0〜7.0であるのが更に好ましく、回分式の重合方式においては、5.0〜9.0であるのが好ましく、6.0〜8.0であるのが更に好ましい。数平均重合度が前記範囲未満では、溶融重縮合工程に移送して減圧下におかれる反応生成物が昇華、揮散し易く、溜出系の閉塞等のトラブルの原因となる外、重縮合に時間がかかって色調の悪化や生産性の低下を生じることとなり、一方、前記範囲超過では、全末端数が減少し、全末端数に占めるカルボキシル基の割合が増加することとなって、エチレングリコールの追加添加が末端カルボキシル基の低減化には繋がらないこととなる。
【0024】
更に、本発明において、エチレングリコールの追加添加は、温度が250℃以上265℃未満で、圧力が常圧〜大気圧に対する相対圧力1.0×105 Paの加圧下の反応生成物に対してなすのが好ましく、温度は255℃以上265℃未満であるのが更に好ましく、圧力は、常圧〜大気圧に対する相対圧力0.5×105 Paの加圧下であるのが更に好ましく、常圧〜大気圧に対する相対圧力0.3×105 Paの加圧下であるのが特に好ましく、常圧であるのが最も好ましい。
【0025】
温度が前記範囲未満では、エチレングリコールの追加添加により系内が冷却されて反応生成物が固化する惧れがあり、一方、前記範囲超過では、追加添加するエチレングリコールの蒸発、揮散が激しく、又、末端カルボキシル基の酸触媒作用によりエチレングリコールが脱水縮合してジエチレングリコールが生成し易い傾向となる。又、圧力が前記範囲未満では、追加添加するエチレングリコールの蒸発、揮散が激しく、一方、前記範囲超過では、末端カルボキシル基の酸触媒作用によりエチレングリコールが脱水縮合してジエチレングリコールが生成し易い傾向となる。
【0026】
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、エチレングリコールの追加添加は、前記エステル化工程又はエステル交換工程から前記溶融重縮合工程までの間であって、反応生成物が前記エステル化率又はエステル交換率、前記数平均重合度、及び、前記温度、前記圧力の範囲下にあるいずれかの1ケ所又は複数ケ所で実施するが、エステル化工程又はエステル交換工程から、溶融重縮合工程で減圧を開始する前までのいずれかにおける反応生成物に対してなすのが好ましく、エステル化工程又はエステル交換工程を経た後、溶融重縮合工程で減圧を開始する前の常圧下の反応生成物に対してなすのが特に好ましい。
【0027】
そして、エチレングリコールの追加添加後、重縮合反応のために減圧を開始するまでの時間は、エチレングリコールの追加添加をエステル化工程又はエステル交換工程でなす場合には、1〜150分とするのが好ましく、5〜100分とするのがより好ましく、5〜60分とするのが更に好ましく、5〜30分とするのが特に好ましく、5〜20分とするのが最も好ましい。又、エチレングリコールの追加添加を重縮合工程で減圧を開始する前になす場合には、1〜60分とするのが好ましく、2〜30分とするのが更に好ましく、5〜20分とするのが特に好ましい。いずれの場合も、減圧開始までの時間が前記範囲未満では、末端カルボキシル基の低減化が不十分となる傾向となり、一方、前記範囲超過では、ジエチレングリコールの生成し易い傾向となる。
【0028】
更に、本発明において、追加添加するエチレングリコールの量は、ポリエステル樹脂の理論収量の4〜40重量%とすることが必須であり、エチレングリコールの追加添加をエステル化工程又はエステル交換工程でなす場合には、4〜20重量%とするのが好ましく、4〜15重量%とするのが特に好ましい。又、エチレングリコールの追加添加を重縮合工程で減圧を開始する前になす場合には、7〜25重量%とするのが好ましく、15〜30重量%とするのが特に好ましい。いずれの場合も、追加添加量が前記範囲未満では、末端カルボキシル基の低減化が不十分となり、一方、前記範囲超過では、系内の冷却固化や解重合による重合度の低下が生じることとなる。
【0029】
尚、本発明において、追加添加するエチレングリコールの添加形態としては、純粋のエチレングリコールの外、共重合成分の溶液、触媒の溶液、その他の添加剤等の溶液としてであってもよい。但し、触媒によるジエチレングリコールの副生を抑制するため、触媒溶液としてではなく、触媒添加前に添加するのが好ましい。
【0030】
本発明において、前記溶融重縮合工程における重縮合反応は、本発明の効果が顕著に発現することから、チタン化合物の存在下になすのが好ましく、そのチタン化合物としては、具体的には、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート、酢酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム、蓚酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、臭化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、六フッ化チタン酸アンモニウム、チタンアセチルアセトナート等が挙げられ、中で、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウムが好ましい。
【0031】
又、重縮合反応は、その重縮合性、及び環状三量体やアセトアルデヒド等の副生成物の低減化、並びに得られる樹脂の透明性、色調等の面から、燐化合物、並びに、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びマンガン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の金属化合物の共存下になすのが好ましい。
【0032】
ここで、その燐化合物としては、具体的には、例えば、正燐酸、ポリ燐酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等の5価の燐化合物、亜燐酸、次亜燐酸、及び、ジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価の燐化合物等が挙げられ、中で、正燐酸、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート、亜燐酸が好ましく、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェートが特に好ましい。
【0033】
又、そのアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びマンガン化合物としては、エチレングリコール等のジオールや水に可溶の化合物であって、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の、酸化物、水酸化物、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、蓚酸塩、及びハロゲン化物等、具体的には、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マンガン、水酸化マンガン、酢酸マンガン等が挙げられる。中で、マグネシウム化合物、マンガン化合物が好ましく、マグネシウム化合物が特に好ましい。
【0034】
本発明において、前記チタン化合物、前記燐化合物、並びに、前記アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びマンガン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の金属化合物の重縮合時の各使用量は、ポリエステル樹脂の理論収量1トン当たり、チタン原子(Ti)として0.002〜1モルであるのが好ましく、0.002〜0.5モルであるのが更に好ましく、0.002〜0.2モルであるのが特に好ましい。又、燐原子(P)として0.02〜4モルであるのが好ましく、0.02〜2モルであるのが更に好ましく、又、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、及びマンガン原子の合計(M)として0.04〜5モルであるのが好ましく、0.04〜3モルであるのが更に好ましい。
【0035】
尚、本発明において、重縮合は、前記チタン化合物の存在下、或いは更に、前記燐化合物、並びに、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びマンガン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の金属化合物の共存下であって、更に、ゲルマニウム化合物の共存下になしたものであってもよい。尚、本発明の効果を有効に発現させるためには、その使用量は、ポリエステル樹脂の理論収量1トン当たり、ゲルマニウム原子(Ge)として0.4モル以下であるのが好ましく、0.3モル以下であるのが更に好ましく、0.25モル以下であるのが特に好ましい。
【0036】
ここで、そのゲルマニウム化合物としては、具体的には、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド等が挙げられ、中で、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0037】
又、本発明において、重縮合は、前記ゲルマニウム化合物に代えて、コバルト化合物の共存下になしたものであってもよい。尚、その使用量は、ポリエステル樹脂の理論収量1トン当たり、コバルト原子(Co)として1モル以下であるのが好ましく、0.5モル以下であるのが更に好ましい。
【0038】
ここで、そのコバルト化合物としては、具体的には、例えば、蟻酸コバルト、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、蓚酸コバルト、炭酸コバルト、臭化コバルト、コバルトアセチルアセトナート等が挙げられ、中で、蟻酸コバルト、酢酸コバルトが好ましい。
【0039】
又、本発明において、重縮合時には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記各化合物以外の金属化合物を存在させてもよく、その場合の金属化合物としては、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、ニッケル、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、錫、アンチモン、ランタン、セリウム等の酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩、燐酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等の化合物が挙げられる。
【0040】
又、重縮合時における、前記チタン化合物、前記燐化合物、並びに、前記アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びマンガン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の金属化合物、或いは前記ゲルマニウム化合物又はコバルト化合物の反応系への添加は、原料のジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコール、並びに必要に応じて用いられる他のジオール成分等との原料混合工程、エステル化工程又はエステル交換工程の任意の段階、又は、溶融重縮合工程の初期の段階のいずれであってもよいが、それらの添加順序としては、前記燐化合物、次いで、前記アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びマンガン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の金属化合物、或いは前記ゲルマニウム化合物又はコバルト化合物、次いで、前記チタン化合物の順序でなすのが好ましい。
【0041】
本発明の製造方法により、前記エステル化工程又はエステル交換工程、及び溶融重縮合工程を経て得られるポリエステル樹脂は、末端カルボキシル基量が25モル/樹脂トン以下、ジエチレングリコール量が全ジオール成分に対して1.0〜3.0モル%、固有粘度が0.10〜0.70dl/g、ハンターの色差式における色座標b値が3以下、及び、210℃で10時間の固相重縮合による環状三量体の低減量が0.40重量%以上であるものである。
【0042】
ここで、末端カルボキシル基量は、20モル/樹脂トン以下であるのが好ましく、10モル/樹脂トン以下であるのが更に好ましい。末端カルボキシル基量が前記範囲超過では、熱安定性が劣ると共に、固相重縮合によりオリゴマーや環状三量体等の副生成物を低減化させることが困難となる。
【0043】
又、ジエチレングリコール量は、全ジオール成分に対して1.5〜2.5モル%であるのが好ましく、2.0〜2.5モル%であるのが更に好ましい。ジエチレングリコール量が前記範囲未満では成形品としたときの透明性が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では熱安定性が低下する。
【0044】
又、固有粘度は、0.40〜0.65dl/gであるのが好ましく、0.50〜0.60dl/gであるのが更に好ましい。固有粘度が前記範囲未満では機械的強度が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では溶融成形性が低下する。
【0045】
又、ハンターの色差式における色座標b値は、2以下であるのが好ましく、0以下であるのが更に好ましい。色座標b値が前記範囲超過では、黄色味を帯びていて、ボトル等の成形品の美観を損ねることとなる。
【0046】
又、210℃で10時間の固相重縮合による環状三量体の低減量は、0.45重量%以上であるのが好ましく、0.50重量%以上であるのが更に好ましく、0.55重量%以上であるのが特に好ましい。環状三量体の低減量が前記範囲未満では、成形時に金型汚染等が生じることとなる。尚、ここで、環状三量体の低減量とは、固相重縮合前の環状三量体含有量(重量%)と、210℃で10時間の固相重縮合に供し、環状三量体量を低減化させた後の環状三量体含有量(重量%)との差を言う。
【0047】
本発明の製造方法により、溶融重縮合工程を経たポリエステル樹脂は、通常、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断してペレット状、チップ状等の粒状体として得られるが、更に、この溶融重縮合後の粒状体を、通常、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、又は水蒸気雰囲気下、或いは水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、60〜180℃の温度で加熱して樹脂粒状体表面を結晶化させた後、不活性ガス雰囲気下、又は/及び、絶対圧力13333〜13.3Paの減圧下で、樹脂の粘着温度直下〜80℃低い温度で、粒状体同士が膠着しないように流動等させながら、100時間以下の時間で加熱処理して固相重縮合させることが好ましく、この固相重縮合により、更に高重合度化させ得ると共に、反応副生成物の環状三量体やアセトアルデヒド等を低減化することもできる。
【0048】
又、更に、前記の如き溶融重縮合又は固相重縮合により得られた樹脂は、熱安定性の改良、成形時の環状三量体やアセトアルデヒド等の副生成物の低減化等の目的で、通常、40℃以上の温水に10分以上浸漬させる水処理、或いは、60℃以上の水蒸気又は水蒸気含有ガスに30分以上接触させる水蒸気処理等の処理を施してもよい。
【0049】
前記固相重縮合により得られるポリエステル樹脂は、固有粘度が、好ましくは0.65〜1.50dl/g、更に好ましくは0.65〜0.85dl/g、特に好ましくは0.70〜0.80dl/gであり、ハンターの色差式における色座標b値が、好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、特に好ましくは0以下であり、環状三量体量が、好ましくは0.40重量%以下、更に好ましくは0.35重量%以下、特に好ましくは0.30重量%以下のものとなる。
【0050】
本発明の製造方法によって得られるポリエステル樹脂は、例えば、射出成形によってプリフォームに成形された後、延伸ブロー成形することによって、或いは、押出成形によって成形されたパリソンをブロー成形することによって、ボトル等に成形され、又、押出成形によってシートに成形された後、熱成形することによってトレイや容器等に成形され、或いは、該シートを二軸延伸してフィルム等とされ、特に飲食品包装分野において有用なものとなる。中で、射出成形によって得られたプリフォームを二軸延伸するブロー成形法よってボトルを成形するのに好適であり、例えば、炭酸飲料、アルコール飲料、醤油、ソース、みりん、ドレッシング等の液体調味料等の容器として、更には、ヒートセットを施して、果汁飲料、茶やミネラルウォーター等の飲料等の耐熱性を要求される容器として、好適に用いられる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0052】
実施例1
スラリー槽1段、エステル化反応槽1段、溶融重縮合反応槽1段からなる回分式製造装置を用い、テレフタル酸26重量部とエチレングリコール12重量部(モル比1:1.2)をスラリー槽で窒素ガス下に攪拌して調製したスラリーを、予めテレフタル酸26重量部とエチレングリコール12重量部のエステル化反応物が仕込まれ、温度260℃、圧力が大気圧に対する相対圧力1.0×105 Pa(約1kgf/cm2 )の加圧下に保持されたエステル化反応槽に供給し、エステル化反応を行った。このエステル化反応生成物につき、以下に示す方法で、エステル化率、及び数平均重合度を測定し、結果を表1に示した。
【0053】
エステル化率
試料を重水素化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%で溶解させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)にて、 1H−NMRを測定して各ピークを帰属し、末端カルボキシル基量(Aモル/試料トン)をピークの積分値から計算し、以下の式により、テレフタル酸単位の全カルボキシル基のうちエステル化されているものの割合としてのエステル化率(E%)を算出した。
エステル化率(E)=〔1−A/{(1000000/192.2)×2}〕×100
【0054】
数平均重合度
試料を重水素化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度2重量%で溶解させ、ピリジン−d5を20μl加えた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−GSX−400型」)にて、 1H−NMRを測定して各ピークを帰属し、テレフタルユニットのベンゼン環プロトンの積分値に対する各ピークの積分値の比率から、末端水酸基数〔OH〕(モル/試料トン)、末端カルボキシル基数〔COOH〕(モル/試料トン)、及び末端ジエチレングリコール基数〔DEG〕(モル/試料トン)を算出し、これら末端基数の総和を全末端基数として、以下の式により、数平均重合度(n)を求めた。
数平均重合度(n)=1000000/{(〔OH〕+〔COOH〕+〔DEG〕)/2}/192.2
【0055】
引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物156重量部を窒素ガス下、温度260℃、常圧に保持された重縮合反応槽に移送し、攪拌しながら、エチレングリコール29.2重量部を追加添加し、次いで、エチルアシッドホスフェートの0.28重量%エチレングリコール溶液0.5重量部、次いで、テトラ−n−ブトキシチタネートの1重量%エチレングリコール溶液0.3重量部を、順次5分間隔で添加した。追加添加したエチレングリコールの総量は30重量部であり、ポリエステル樹脂の理論収量(150重量部)の20重量%であった。添加終了から5分経過後、系内を1時間で常圧から絶対圧力133Pa(約1mmHg)に減圧して同圧を保持しつつ、同時に1時間20分かけて260℃から280℃まで昇温して同温度を保持し、2時間30分溶融重縮合反応させた後、復圧し、攪拌を停止して、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷後、カッターでチップ状とすることにより、チップ状のポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
【0056】
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂について、以下に示す方法で、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、結果を表1に示した。
【0057】
末端カルボキシル基量
チップを粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。又、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
【0058】
酸価(モル/トン)=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である。〕
【0059】
尚、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した。(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った。)以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
【0060】
ジエチレングリコール量
試料を重水素化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%で溶解させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」にて、 1H−NMRを測定して各ピークを帰属し、ピークの積分値から全ジオール成分に対するジエチレングリコールのモル%を計算した。
【0061】
固有粘度
凍結粉砕した樹脂試料0.50gを、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒に、濃度(c)を1.0g/dlとして、110℃で20分間で溶解させた後、ウベローデ型毛細粘度管を用いて、30℃で、原液との相対粘度(ηrel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−1から求めた比粘度(ηsp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求め、同じく濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/dl、0.1g/dlとしたときについてもそれぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度(dl/g)として求めた。
【0062】
ハンターの色差式における色座標b値
樹脂試料を、内径36mm、深さ15mmの円柱状の粉体測色用セルにすりきりに充填し、測色色差計(日本電色工業社製「ND−300A」)を用いて、JIS Z8730の参考1に規定されるハンターの色差式における色座標bを、反射法で、セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
【0063】
固相重縮合による環状三量体の低減量
樹脂試料10gを、イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201型」)中で、50l/分の窒素ガス気流下160℃で2時間乾燥させた後、4.0mgを精秤し、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比3/2)の混合溶媒2mlに溶解させた後、更にクロロホルム20mlを加えて希釈し、これにメタノール10mlを加えて析出させ、引き続いて濾過して得た濾液を蒸発乾固後、ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、その溶液中の環状三量体(シクロトリエチレンテレフタレート)量を、液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−10A」)で定量した。一方、乾燥後の樹脂試料を、同じイナートオーブン中で、50l/分の窒素ガス気流下210℃で10時間加熱処理して固相重縮合させた後、その固相重縮合樹脂試料についても、同様の方法で環状三量体量を定量し、前者の固相重縮合前の環状三量体量(CTo )(重量%)と後者の固相重縮合後の環状三量体量(CTs )(重量%)との差(CTo −CTs )を、低減量(重量%)とした。
【0064】
引き続いて、前記で得られた溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂チップを、イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201型」)中で、50l/分の窒素ガス気流下160℃で2時間乾燥させた後、215℃で20時間加熱処理して固相重縮合させ、その固相重縮合ポリエステル樹脂についても、前記と同様の方法で、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、結果を表1に示した。
【0065】
更に、得られた固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂チップを、真空乾燥機にて130℃で10時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社製「FE−80S」)にて、シリンダー温度280℃、背圧5×105 Pa、射出率45cc/秒、保圧力30×105 Pa、金型温度20℃、成形サイクル約40秒で、外径29.0mm、高さ165mm、平均肉厚3.7mm、重量60gの試験管状の予備成形体(プリフォーム)を射出成形した。この予備成形体を、石英ヒーターを備えた近赤外線照射炉内で70秒間加熱し、25秒間室温で放置した後、160℃に設定したブロー金型内に装入し、延伸ロッドで高さ方向に延伸しながら、ブロー圧力7×105 Paで1秒間、更に30×105 Paで40秒間ブロー成形、ヒートセットし、空冷することにより、外径約95mm、高さ約305mm、胴部平均肉厚約0.37mm、重量約60g、内容積約1.5リットルのボトルを500本成形し、得られた490〜500本目のボトルについて表面外観を目視観察して以下の基準で平均的な金型汚染性を評価し、結果を表1に示した。
【0066】
◎:表面平滑であり、透明性に優れる。
○:表面平滑であり、異常なし。
△:表面平滑性が若干劣る。
×:表面が荒れて粗面となり、異物の付着も認められる。
【0067】
比較例1
重縮合反応槽でエチレングリコール29.2重量部を追加添加しなかった外は、実施例1と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0068】
実施例2
エステル化反応の温度を250℃としたこと、及び、重縮合反応槽に、エチレングリコールを27.3重量部追加添加し、次いで、エチルアシッドホスフェートの2.8重量%エチレングリコール溶液を0.3重量部、酢酸マグネシウムの6.3重量%エチレングリコール溶液を0.3重量部、酸化ゲルマニウムの0.5重量%エチレングリコール溶液を2.0重量部、テトラ−n−ブトキシチタネートの1重量%エチレングリコール溶液を0.1重量部、順次5分間隔で添加したこと、の外は、実施例1と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0069】
比較例2
重縮合反応槽でエチレングリコール27.3重量部を追加添加しなかった外は、実施例2と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0070】
実施例3
重縮合反応槽に、エチレングリコールを25.8重量部追加添加し、次いで、正燐酸の3.6重量%エチレングリコール溶液を0.4重量部、酸化ゲルマニウムの0.5重量%エチレングリコール溶液を3.8重量部、順次5分間隔で添加した外は、実施例1と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0071】
比較例3
重縮合反応槽でエチレングリコール25.8重量部を追加添加しなかった外は、実施例3と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0072】
実施例4
重縮合反応槽に、エチレングリコールを3.3重量部追加添加し、次いで、正燐酸の3.6重量%エチレングリコール溶液を0.4重量部、酸化ゲルマニウムの0.5重量%エチレングリコール溶液を3.8重量部、順次5分間隔で添加し、追加添加したエチレングリコールの総量を7.5重量部とし、ポリエステル樹脂の理論収量(150重量部)の5重量%とした外は、実施例1と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0073】
実施例5
スラリー槽1段、エステル化反応槽2段、溶融重縮合反応槽3段からなる連続式製造装置を用い、スラリー槽に、テレフタル酸を26重量部/時、エチレングリコールを12重量部/時、及び正燐酸の3.6重量%エチレングリコール溶液を0.4重量部/時の供給量でそれぞれ連続的に供給し混合、調製したスラリーを、温度260℃、圧力が大気圧に対する相対圧力6.5×104 Pa(約0.65kgf/cm2 )の加圧下に保持されると共に、平均滞留時間が4時間となるように制御された第1段エステル化反応槽に連続的に供給して第1段のエステル化反応を行い、そのエステル化反応生成物を、温度260℃、圧力が大気圧に対する相対圧力5×103 Pa(約0.05kgf/cm2 )の加圧下に保持されると共に、平均滞留時間が1.5時間となるように制御され、上部配管を通じて、酸化ゲルマニウムの0.5重量%エチレングリコール溶液が5.0重量部/時の供給量で連続的に供給されると共に、エチレングリコールが10重量部/時の供給量で連続的に供給される第2段エステル化反応槽に連続的に移送し、第2段のエステル化反応を行った。第2段エステル化反応槽でのエステル化率、及び数平均重合度を測定し、結果を表1に示した。
【0074】
引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物を、温度272℃、絶対圧力3330Pa(約25mmHg)の減圧下に保持されると共に、平均滞留時間が1.2時間となるように制御された第1段重縮合反応槽、温度275℃、絶対圧力800Pa(約6mmHg)の減圧下に保持されると共に、平均滞留時間が1.2時間となるように制御された第2段重縮合反応槽、温度277℃、絶対圧力270Pa(約2mmHg)の減圧下に保持されると共に、平均滞留時間が1.2時間となるように制御された第3段重縮合反応槽に順次、連続的に供給して、重縮合反応させることにより、チップ状のポリエチレンテレフタレート樹脂を製造した。
【0075】
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂について、実施例1と同様にして、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0076】
比較例4
第2段エステル化反応槽にエチレングリコールを供給しなかった外は、実施例5と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0077】
比較例5
第2段エステル化反応槽に酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液、及びエチレングリコールを供給しなかったこと、第1段重縮合反応槽を温度265℃、絶対圧力3330Pa(約25mmHg)の減圧下に保持すると共に、平均滞留時間が1.2時間となるように制御し、上部配管を通じて、三酸化アンチモンの1.85重量%エチレングリコール溶液を2.1重量部/時の供給量で連続的に供給すると共に、エチレングリコールを5.4重量部/時の供給量で連続的に供給したこと、の外は、実施例5と同様にして、溶融重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、末端カルボキシル基量、ジエチレングリコール量、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、固相重縮合による環状三量体の低減量を測定し、引き続いて、固相重縮合ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造し、固有粘度、ハンターの色差式における色座標b値、及び、環状三量体量を測定し、更に、金型汚染性を評価し、それぞれの結果を表1に示した。
【0078】
【表1】
Figure 0003690255
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、ジエチレングリコール等のエーテル系化合物の副生を抑制しつつ、末端カルボキシル基量を低減化させることができ、もって、熱安定性に優れると共に、色調に優れ、又、固相重縮合によりオリゴマーや環状三量体等の副生成物を低減化させ得るポリエステル樹脂を得ることができるポリエステル樹脂の製造方法、及びそれにより得られるポリエステル樹脂を提供することができる。

Claims (7)

  1. ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール成分としてのエチレングリコールを主原料とし、前者成分に対する後者成分のモル比を1.0〜2.0の割合で混合する原料混合工程、次いで、その原料を常圧〜加圧下、加熱下でエステル化反応又はエステル交換反応させるエステル化工程又はエステル交換工程、引き続いて、得られた反応生成物を、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合工程を経てポリエステル樹脂を製造するにおいて、エステル化工程又はエステル交換工程から溶融重縮合工程までの間であって、エステル化率が75%以上で、数平均重合度が3.0〜10.0の低分子量体の反応生成物に対して、ポリエステル樹脂の理論収量の4〜40重量%となる量のエチレングリコールを追加添加することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
  2. エチレングリコールの追加添加を、温度が250℃以上265℃未満で、圧力が常圧〜大気圧に対する相対圧力1.0×105 Paの加圧下の反応生成物に対してなす請求項1に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  3. エチレングリコールの追加添加を、エステル化工程又はエステル交換工程から、溶融重縮合工程で減圧を開始する前までのいずれかにおける反応生成物に対してなす請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  4. エチレングリコールの追加添加を、エステル化工程又はエステル交換工程を経た後、溶融重縮合工程で減圧を開始する前の常圧下の反応生成物に対してなす請求項3に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  5. ジカルボン酸成分としてのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体がテレフタル酸である請求項1乃至4のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 溶融重縮合反応をチタン化合物の触媒の存在下になす請求項1乃至5のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法により得られるポリエステル樹脂であって、末端カルボキシル基量が25モル/樹脂トン以下、ジエチレングリコール量が全ジオール成分に対して1.0〜3.0モル%、固有粘度が0.10〜0.70dl/g、ハンターの色差式における色座標b値が3以下、及び、210℃で10時間の固相重縮合による環状三量体の低減量が0.40重量%以上であることを特徴とするポリエステル樹脂。
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