JP3688113B2 - デジタル音声放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主にITU−R勧告BS.774に記載されるデジタル音声放送DAB(Digital Audio Broadcasting)に対応の受信機に関し、特に放送波信号の中心周波数検出方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル音声放送は、伝送方式にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex :直交周波数多重変調)を採用し、強力な誤り訂正機能を付加することにより、マルチパス、フェージングなど電波伝播上の問題の大きい移動体に対しても高い信頼性をもって高速デジタルデータを伝送可能とするものである。
【0003】
図11に、このDAB受信機の構成を示す。
図において、1はアンテナ、2はRF増幅器、3は周波数変換器、4は局部発振器、5は中間周波フィルタ、6は中間周波増幅器、7は直交復調器、8は中間周波発振器、9はA/D変換器、10は同期信号検出器、11はデータ復調器、12は制御装置、13は誤り訂正符号復号器、14はMPEG音声デコーダ、15はD/A変換器、16は音声増幅器、17はスピーカである。
【0004】
上記のように構成された受信機において、アンテナ1にて受信された放送波は、RF増幅器2において増幅、周波数変換器3にて周波数変換、中間周波フィルタ5にて隣接チャンネル波など不要成分の除去、中間周波増幅器6にて増幅、直交復調器7にて検波が行われ、ベースバンド信号としてA/D変換器9に与えられる。
A/D変換器9によりサンプリングされた信号は、データ復調器11にて復調される。ここでの具体的な処理は、伝送シンボル毎の複素離散フーリエ変換処理(以下、「DFT処理」という)による4相位相変調(QPSK)された各伝送キャリアの位相検出と、時間的に隣接する2伝送シンボルの同一キャリア変調比較に基づく差動復調である。
OFDM復調されたデータは、送信側にて変調を行う際の規則に従い、順次誤り訂正符号復号器13に出力される。
【0005】
誤り訂正符号復号器13では、送信側にて行われる、複数伝送シンボルにまたがる時間インターリーブの解除を行うとともに、畳み込み符号化して伝送されるデータの復号を行う。この際伝送路で発生するデータの誤り訂正が行われる。
【0006】
誤り訂正符号復号器13における復号データのうち、音声データはMPEG音声デコーダ14に、送信データの内容,構成を示す制御データは制御装置12にそれぞれ出力される。
MPEG音声デコーダ14は、ISO/MPEG1レイヤー2の規定に従い圧縮されたDAB放送音声データを伸張しD/A変換器15に与える。D/A変換器15にてアナログ変換された音声信号は増幅器16を通してスピーカ17より再生される。
【0007】
ここで同期信号検出器10は、図12に示すデジタル音声放送の伝送信号中のフレーム同期信号の内、ヌルシンボル(=信号なしの期間)をエンベロープ検波により検出するものであり、制御装置12に与えられる。制御装置12は、このヌルシンボルタイミングに基づいて続く伝送シンボルのタイミングを推定し、データ復調器11におけるDFT処理が、各シンボルに対して正しく行われるように制御する。
【0008】
このようにして、フレーム同期信号の第2のシンボルである位相基準シンボルがデータ復調器11によりDFT処理により復調され、制御装置12に与えられる。制御装置12は、この位相基準シンボルデータに基づいて、DAB信号の周波数同調の誤差を検出し、局部発振器4または中間周波発振器8に帰還制御を行うことで正確に同調をとるAFC(Automatic Frequency Control )動作を行う。
また、高密度に配置された多数のキャリアを使用するDAB受信機では、AFC動作として、OFDMキャリア間隔単位の周波数誤差を検出して補正する概略AFC処理と、OFDMキャリア間隔以下の周波数誤差を検出して補正する精密AFC処理の2段階の処理を行う。
【0009】
OFDMキャリア間隔単位の周波数誤差検出方式として従来、欧州特許EP0529421A2 に記載されるように、位相基準シンボルを周波数差動復調して得られるCAZAC(Constant Amplitude Zero Autocorrelation )系列データと受信機内に蓄えたCAZAC系列情報の相関計算に基づく周波数誤差検出が行われる。
CAZAC系列は非零のデータシフトをとった場合の自己相関係数がゼロとなる系列であり理論上、同調点以外では相関係数がゼロとなるため明確な同調点識別が可能となる。
【0010】
DABの詳細な規定は、ETSI(European Telecommunication Standard Institute )規格ETS300401に示される。
まず、位相基準シンボルの変調データは以下のように定義されている。
ψk =π・(hi,k-k’+n)/2 ・・・・(1)
ここで、hi,j は図14に示す0〜3の数値から成る16データを2周期繰り返した32個のデータ系列である。k’はキャリア番号hi,k-k’がπ/2の整数倍の4位相を32データ毎に繰り返す。またnも0〜3の整数であり、中心周波数を挟んでキャリア番号が負の場合にはキャリア番号の増加方向に昇順となるよう、キャリア番号が正の場合にはキャリア番号の増加方向に降順となるよう定義される。この様子をDAB伝送モード1の場合を例として図13に示す。
【0011】
また、図14に位相基準シンボル変調の元となるデータh0,j〜h3,j および、これに対応するCAZACデータc0,j〜c3,jの実際の値を示す。ここで、c0,j〜c3,jの各データは受信機ではh0,j〜h3,jの各データを周波数差動復調して得ることができる。このc0,j〜c3,jは先に説明したとおり、非零のデータシフトをとった場合の自己相関係数がゼロとなるという特徴をもつ。
【0012】
また例えばc1,jの各データはc0,jの対応する各データをπ/2シフトしたもの(数値に1加えたもの)であり、同様に各系列はすべてのデータが相互にπ/2の整数倍の位相差をもつ。従って、4つのCAZAC系列の異なるもの同士の相関をとると、その結果は実数の1ではなく各系列間の位相差に相当する位相をもったものとなる。
【0013】
従来の周波数誤差検出方式は、このCAZAC系列の性質を利用し、受信した位相基準シンボルデータから生成したCAZAC系列データと、受信機に予め蓄えたCAZAC系列データとの相関計算を行い、明らかなピークを同調点であると判定することで、周波数誤差検出を行うものである。
図15に、このような処理が理想的に行われた場合の例として、中心周波数のデータを振幅ゼロとして、これを挟む128個のCAZACデータと同じデータを±100データシフトしたものとの相関係数を示す。
図15では横軸の100がデータ間のシフトゼロの場合を示す。図より明らかなとおり、真の同調点では相関係数は1となり明らかなピークが現れるが、同時に16データシフト毎に相関係数の比較的大きな状態(以下、「擬似ピーク」という)が発生することがわかる。
この擬似ピークはDABの全信号周波数帯について同様に発生する。
【0014】
これはDABで用いられるCAZAC系列の長さが16を基本としているために、相関係数の振幅だけを見れば16データ毎にピークを生じるためである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このため従来の方式では、受信機において周波数誤差検出範囲を広げようとする場合、同調点以外にも極大値が現れることとなる。このピークの大きさは相対的には真の同調点に対応するものが最大となるが、伝送路の状況に応じて、全信号電力は同じでもその大きさが変化するため、各ピークの大きさだけから真の同調点であるか否かの判定は難しく、局所的ピークを同調点とする誤動作が問題となる。
【0016】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、擬似ピークによる誤動作のない操作性の優れたデジタル音声放送受信機を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデジタル音声放送受信機は、位相基準シンボル受信データが入力される周波数差動復調手段と、周波数差動復調手段で周波数差動復調された位相シンボル基準データを保持するデータ保持・シフト手段と、伝送帯域の中心から上側のキャリアの変調を規定する第1のCAZACデータと伝送帯域の中心から下側のキャリアの変調を規定する第2のCAZACデータとを保持するCAZAC保持手段と、上記データ保持・シフト手段から、伝送帯域の中心から上側のキャリアで伝送されたと見なして与えられる第1の出力データと上記CAZACデータ保持手段に保持された上記第1のCAZACデータの間の相関演算を行う第1の相関係数計算手段と、上記データ保持・シフト手段から、伝送帯域の中心から下側のキャリアで伝送されたと見なして与えられる第2の出力データと上記CAZACデータ保持手段に保持された上記第2のCAZACデータの間の相関演算を行う第2の相関係数計算手段と、上記データ保持・シフト手段において伝送帯域の中心キャリアに対応すると見なすデータの位置を順次シフトしながら上記第1および第2の相関係数計算手段の出力の和が最大となる条件を探索する最大値検索手段と、上記第1および第2の相関係数計算手段の出力の和が最大となる条件におけるデータシフト値を周波数誤差情報として保持し出力する最大値・シフト保持手段と、上記第1および第2の相関係数計算手段の出力を乗算処理する乗算手段と、この乗算手段出力の大きさを第1の基準値と比較しその結果に応じた出力を与える第1の比較判定手段と、上記乗算手段出力の位相を第2の基準値と比較しその結果に応じた出力を与える第2の比較判定手段と、この第1および第2の比較判定手段の出力に基づき前記周波数誤差情報の正誤情報を出力する正誤判定手段とを備えた構成された周波数誤差検出手段を備えたものである。
【0018】
また、データ復調器とこれに接続された制御装置とを備え、この制御装置が、データ復調器から位相基準シンボル受信データを読みとり、このデータに対し周波数差動復調処理を行うとともに、伝送帯域の中心から上側のキャリアの変調を規定する第1のCAZACデータと伝送帯域の中心から下側のキャリアの変調を規定する第2のCAZACデータを保持し、周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から上側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第1の出力データと上記第1のCAZACデータ間の第1の相関係数を計算し、また周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から下側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第2の出力データと上記第2のCAZACデータ間の第2の相関係数を計算する処理を、上記周波数差動復調処理結果の第1の出力データおよび第2の出力データの取り出しを伝送帯域の中心キャリアに対応すると見なすデータの位置を順次シフトしながら繰り返し実行することにより、第1の相関係数と第2の相関係数の和が最大となる条件を検索し、この相関係数の和が最大となる条件における第1および第2の相関係数を保持し、またこの条件におけるデータシフト値を周波数誤差情報として保持するとともに、上記第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の大きさを基準値と比較する比較判定する第1の比較判定処理と、上記乗算処理の結果の位相を基準値と比較判定する第2の比較判定処理とを実行し、この第1および第2の比較判定処理の結果に基づき前記周波数誤差情報の正誤を判定する正誤判定処理とを実行するよう構成されたものである。
【0019】
また、データ復調器とこれに接続された制御装置とを備え、この制御装置が、データ復調器から位相基準シンボル受信データを読みとり、このデータに対し周波数差動復調処理を行うとともに、伝送帯域の中心から上側のキャリアの変調を規定する第1のCAZACデータと伝送帯域の中心から下側のキャリアの変調を規定する第2のCAZACデータを保持し、周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から上側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第1の出力データと上記第1のCAZACデータ間の第1の相関係数を計算し、また周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から下側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第2の出力データと上記第2のCAZACデータ間の第2の相関係数を計算する処理を、上記周波数差動復調処理結果の第1の出力データおよび第2の出力データの取り出しを伝送帯域の中心キャリアに対応すると見なすデータの位置を順次シフトしながら繰り返し実行することにより、第1の相関係数と第2の相関係数の和が最大となる条件を検索し、この相関係数の和が最大となる条件における第1および第2の相関係数を保持し、またこの条件におけるデータシフト値を周波数誤差情報として保持するとともに、上記第1および第2の相関係数の大きさの比が基準値を超えるか否かを比較判定する第1の比較判定処理と、上記第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の実数部の大きさが虚数部の大きさの基準値倍を超えるか否かを比較判定する第2の比較判定処理とを実行し、この第1および第2の比較判定処理の結果に基づき前記周波数誤差情報の正誤を判定する正誤判定処理とを実行するように構成されたものである。
【0020】
また、第1の比較判定処理が、第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の大きさを基準値と比較判定するものである。
【0021】
また、第2の比較判定処理が、第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の位相を基準値と比較判定するものである。
【0022】
また、第1の比較判定処理における基準値が位相基準シンボルデータの平均的な大きさに基づき決定するものである。
【0023】
また、制御装置が、周波数誤差検出値を所定回数連続して一致することを判定した後、この周波数誤差検出値を有効として周波数誤差補正処理を実行するよう構成されたものである。
【0024】
また、制御装置が、所定回数連続して周波数誤差検出値が不能であると判定したとき、この情報に基づく処理を実行するよう構成されたものである。
【0025】
また、制御装置が、周波数誤差が補正され正規の同調状態にあることを判定して周波数誤差検出範囲を狭め、また周波数誤差検出が正常に機能しなくなったことを判定して周波数誤差検出範囲を広げるように構成されたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
ここでは、まず、擬似ピークの発生のメカニズムについて説明し、次にその排除方法について述べる。先に説明したとおり、擬似ピークは真の同調点から16キャリアの整数倍の前後周波数がずれた場合に発生する。
【0027】
図7(A)は、テンプレートと記した参照用のCAZACデータと、周波数差動復調された受信データとの間に周波数誤差がない場合を示しており、1つの長方形で表したデータブロックにはそれぞれ32個の複素数データが含まれる。また、各データブロックに記した数値は、CAZAC系列の位相オフセットを示す。図中、出力は相関係数を得るために、テンプレート、データに含まれる各データを乗じた結果を示しており、この場合は、すべての計算結果は理想的には正実数となる。図7(A)ではこのことを各出力ブロックに記した数値0で示している。図15に示した相関係数は、この出力の各データをすべて加算したものであり、この場合各データがすべて同位相となることから大きな相関係数が与えられる。
【0028】
次に図7(B)は、16キャリアの周波数誤差がある場合の擬似ピーク発生の態様を示している。この場合は、出力の下側2ブロックではそれぞれ16データは正実の値となる(数値0で示す)が、残る部分では位相が90度回転した正虚数となる(数値1で示す)。また上側2ブロックではそれぞれ16データは正実の値となる(数値0で示す)が、残る部分では16データが位相が−90度回転した負虚数となり(数値3で示す)、16データが位相が不定の状態となりその全加算結果がCAZACの特性によりほぼ0となる(xで示す)。
図7(C)は、17キャリアの周波数誤差がある場合を示しており、相関として有意な出力は上側の16データのみとなる。
【0029】
図7(D)に示す33キャリアの周波数誤差がある場合は、下側の2ブロックの出力はすべて位相不定となり、上側1ブロックは負虚数、残る1ブロックは位相不定となる。
図7(E)に示す32キャリアの周波数誤差がある場合は、相関として有意な出力は上側の1ブロックのみとなる。
【0030】
図8(F)に示す48キャリアの周波数誤差がある場合は、出力の下側2ブロックではそれぞれ16データは正虚の値、残る部分は負実の値となる(数値2で示す)。また上側2ブロックでは16データのみが負虚の値となり、残る部分は位相不定となる。
図8(G)に示す49キャリアの周波数誤差がある場合は、相関として有意な出力は上側の1ブロックのみとなり、16データが正虚の値、残る部分は負実の値となる。
【0031】
図8(H)に示す64キャリアの周波数誤差がある場合は、下側の2ブロックの出力はすべて正実数となり、上側2ブロックは位相不定となる。
図8(J)に示す65キャリアの周波数誤差がある場合は、下側の2ブロックは位相不定となり、上側1ブロックは負実の値となり、残る1ブロックは正実の値となる。
【0032】
図8(K)に示す80キャリアの周波数誤差がある場合は、下側の2ブロックではそれぞれ16データは負虚の値、残る部分は負実の値となる。また上側2ブロックは位相不定となる。
図8(M)に示す81キャリアの周波数誤差がある場合は、下側の2ブロックは位相不定となる。上側2ブロックは16データごとに正実、負実、正虚、負虚の値をとる。
【0033】
周波数誤差が96キャリア以上の場合については、出力に現れる有意なデータの位相が異なる点を除けば、上記64キャリア〜81キャリアの周波数誤差がある場合と同様となる。
【0034】
以上を総括すると、図7(C)、(E)、図8(G)、(H)、(J)、(K)、(M)で示す周波数誤差17、33、49、64、65、80、81の場合、従って96キャリア以上の周波数誤差がある場合については、出力の上側または下側ブロックのすべてが位相不定となり、その全加算結果がCAZACの特性によりほぼ0となることが明らかとなる。
【0035】
また、図7(B)、(D)、図8(F)の周波数誤差16、32、48の各場合においては、出力の上側および下側ブロックのデータを個別に加算した結果、すなわち上側相関係数と下側相関係数の間の位相差が大となることが分かる。
まず、16キャリアの周波数誤差がある場合、1ブロック対応の相関係数を1に正規化するという条件で下側2ブロックの和は1+i、上側2ブロックの和は1−0.5iとなるため、これらの位相差は約72度となる。同様に、32キャリアの周波数誤差がある場合180度、48キャリアの周波数誤差がある場合135度となる。
なお以上の説明において、周波数誤差が逆方向となる場合上記とほぼ上下対称の関係となる。
【0036】
以上より、擬似ピーク出力は上側データと下側データとに分けて見た場合、一方の値が非常に小さくなるか、各データの位相差が0度から大きく外れてくることが分かる。
【0037】
ここで図9は、下側2ブロックの相関係数と上側2ブロックの相関係数の共役を乗算した結果の実数部を周波数誤差に対して示したものであり、図10はその虚数部を示している。これより±64キャリア以上離れる場合の結果が非常に小さくなるが、これは先に説明したとおり、下側または上側相関係数のいずれかがほぼ0となるためである。また、±16キャリア周波数の擬似ピークは虚数部の大きさが大であり、±32キャリア周波数、±48キャリア周波数の擬似ピークについては、実数部が負となり、その位相が0から大きく外れることが分かる。これは先に説明したとおり、下側と上側相関係数の位相差が大となるためである。
【0038】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1にこの発明の実施の形態1に係るデジタル音声放送受信機のブロック図を示す。
図において、1はアンテナ、2はRF増幅器、3は周波数変換器、4は局部発振器、5は中間周波フィルタ、6は中間周波増幅器、7は直交復調器、8は中間周波発振器、9はA/D変換器、10は同期信号検出器、11はデータ復調器、12は制御装置、13は誤り訂正符号復号器、14はMPEG音声デコーダ、15はD/A変換器、16は音声増幅器、17はスピーカ、30は周波数誤差検出手段である。
【0039】
上記のように構成された受信機において、アンテナ1にて受信された放送波は、RF増幅器2において増幅、周波数変換器3にて周波数変換、中間周波フィルタ5にて隣接チャンネル波など不要成分の除去、中間周波増幅器6にて増幅、直交復調器7にて検波を行われ、ベースバンド信号としてA/D変換器9に与えられる。
A/D変換器9によりサンプリングされた信号は、データ復調器11にて復調される。ここでの具体的な処理は、伝送シンボル毎の複素離散フーリエ変換処理(DFT処理)による4相位相変調(QPSK)された各伝送キャリアの位相検出と、時間的に隣接する2伝送シンボルの同一キャリア変調比較に基づく差動復調である。
OFDM復調されたデータは、送信側にて変調を行う際の規則に従い、順次誤り訂正符号復号器13に出力される。
【0040】
誤り訂正符号復号器13では、送信側にて行われる、複数伝送シンボルにまたがる時間インターリーブの解除を行うとともに、畳み込み符号化して伝送されるデータの復号を行う。この際伝送路で発生するデータの誤り訂正が行われる。
【0041】
誤り訂正符号復号器13における復号データのうち、音声データはMPEG音声デコーダ14に、送信データの内容,構成を示す制御データは制御装置12にそれぞれ出力される。
MPEG音声デコーダ14は、ISO/MPEG1レイヤー2の規定に従い圧縮されたDAB放送音声データを伸張しD/A変換器15に与える。D/A変換器15にてアナログ変換された音声信号は増幅器16を通してスピーカ17より再生される。
【0042】
ここで同期信号検出器10は、図12に示すデジタル音声放送の伝送信号中のフレーム同期信号の内、ヌルシンボル(=信号なしの期間)をエンベロープ検波により検出するものであり、制御装置12に与えられる。制御装置12は、このヌルシンボルタイミングに基づいて続く伝送シンボルのタイミングを推定し、データ復調器11におけるDFT処理が、各シンボルに対して正しく行われるように制御する。
【0043】
このようにして、フレーム同期信号の第2のシンボルである位相基準シンボルがデータ復調器11によりDFT復調され、制御装置12および周波数誤差検出手段30に与えられる。制御装置12は周波数誤差検出手段30からのOFDMキャリア間隔単位の周波数誤差出力に基づき、局部発振器4または中間周波発振器8に帰還制御を行うことで、DAB信号の中心周波数に対し概略のAFC(Automatic Frequency Control )動作を行う。また、この後データ復調器11から得る位相基準シンボルデータを処理してOFDMキャリア間隔以下の周波数誤差を検出し、局部発振器4または中間周波発振器8を制御して精密なAFC処理を行う。
【0044】
図2は、周波数誤差検出手段30の内部構成を示すブロック図である。図において、50はデータ入力端子、51は周波数差動復調手段、52はデータ保持・シフト手段、53は第1のCAZACデータ保持手段、54は第2のCAZACデータ保持手段、55は第1の相関係数計算手段、56は第2の相関係数計算手段、57は加算手段、58は最大値探索手段、59は最大値・シフト保持手段、60は第1の比較判定手段、61は第2の比較判定手段、62は論理積手段、63は周波数誤差出力端子、64は検出有効信号出力端子、65は乗算手段である。
【0045】
以上のように構成された周波数誤差検出手段30において、データ入力端子50に入力された位相基準シンボルデータは、周波数差動復調手段51にて周波数差動復調され、データ保持・シフト手段52に保持される。データ保持・シフト手段52からの一方の出力データ、すなわち先に説明した下側受信データは、第1の相関係数計算手段55において、第1のCAZACデータ保持手段53に保持されるCAZACデータ、すなわち先に説明した下側CAZACデータとの相関係数計算が行われる。また、データ保持・シフト手段52からの他方の出力データ、すなわち先に説明した上側受信データは、第2の相関係数計算手段56において、第2のCAZACデータ保持手段54に保持されるCAZACデータ、すなわち先に説明した上側CAZACデータとの相関係数計算が行われる。
【0046】
この第1および第2の相関係数計算手段55,56からの出力は、一方で加算手段57にて加算した後、最大値探索手段58に与えられる。この最大値探索手段58は、周波数誤差検出手段30に要求される周波数誤差検出範囲の全体をカバーするよう、データ保持・シフト手段52を制御して、これから出力されるデータに適宜シフトを与える。また同時に、そのデータシフト条件に対応して加算手段57から与えられる、相関係数の和の大きさ(絶対値)を求めて、前回の別のデータシフト条件に対応する相関係数の和の大きさとを比較し、これが最大となる条件を求める。さらに最大値探索手段58は、最大値・シフト保持手段59を制御して、第1および第2の相関係数計算手段55,56からの最大値・シフト保持手段59に与えられるもう一方の出力の内、その和の大きさが最大となるものを保持させる。また、この条件に対応するデータシフト値を最大値・シフト保持手段59に与えて保持させるように働く。
【0047】
このようにして、周波数誤差検出範囲において、受信データから復調したCAZACデータと受信機に予め保持するCAZACデータとの相関係数が最大となる点での、上側および下側2つの相関係数およびデータシフト値が最大値・シフト保持手段59に保持されることとなる。
周波数誤差検出範囲に真の同調点が含まれる場合において、この最大値・シフト保持手段59に保持されるデータシフト値は同調の周波数誤差を表すため、この値が周波数誤差出力端子63に出力され制御装置12に与えられる。
【0048】
しかし、周波数誤差検出範囲に真の同調点が含まれない場合等は、この最大値・シフト保持手段59に保持されるデータシフト値は擬似ピークの発生点を与えることとなり、受信誤動作につながることは先に説明したとおりである。
このため、この最大値・シフト保持手段59に保持された2つの相関係数は、次に乗算手段65を通して第1の比較判定手段60に与えられる。第1の比較判定手段60では、乗算手段65の出力の大きさを適当な定数εと比較し、乗算手段65の出力の大きさが大きい場合には、周波数誤差出力端子63に出力される現在の検出値が有効であるとする判定出力を、論理積手段62に与える。これにより先に説明したとおり、上側または下側相関係数が殆ど0となる、周波数誤差64キャリア以上の擬似ピークを検出し、無効として排除することができる。
【0049】
この時、定数εは受信データとCAZACデータとの間に完全な相関があり、かつ受信データがほぼ理想的な受信状態で得られたと想定される場合に与えられる乗算手段65の出力の大きさに対して、例えば1/10程度の値とすることができる。
【0050】
更に、第2の比較判定手段61では乗算手段65の出力の位相を適当な定数θと比較し、乗算手段65の出力の位相がこれより小さい場合には、周波数誤差出力端子63に出力される現在の検出値が有効であるとする判定出力を論理積手段62に与える。これにより先に説明したとおり、周波数誤差48キャリア以内の擬似ピークを検出無効として排除することが可能となる。
【0051】
ここで乗算手段65の出力の位相は、その虚数部の値を実数部の値で除した後、逆正接演算を施すことで求めることができる。また定数θは、先に説明したとおり乗算手段65の出力が擬似ピークに対応する場合、その最小値が約72度であるから、この1/2以下程度、例えば30度とすることができる。
【0052】
ここで論理積手段62は、第1および第2の比較判定手段60,61の出力がともに現在の検出値を有効とする判定出力を与える場合にのみ、検出有効信号出力端子64に対し検出有効の信号を与える。制御装置12は、この検出有効信号出力端子64の出力を監視して、周波数誤差出力端子63に出力されたデータが有効であるか否かを確認することで、擬似ピーク点を真の同調点と誤判定することによる誤動作を無くすることができる。
【0053】
実施の形態2.
次に、実施の形態1の周波数誤差検出手段30で行った周波数誤差検出を、制御装置12で直接行う場合について、図3および図4のフローチャートにより説明する。この他の受信機の各部の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
この実施の形態2の周波数誤差検出処理では、図3の処理101において、まず処理に用いるデータの平均パワーを求める。この処理は例えば、受信、DFT処理したデータの内、続く処理で使用する約128点の絶対値を計算しその総和を求め、これをデータ数で除することにより行う。
【0055】
【数1】
【0056】
次に処理102において周波数差動復調を行う。この処理は具体的には以下の演算を使用するデータのすべてについて行うものである。
Fi= Di×D* i+1
このとき、数値Nend はこの周波数誤差検出処理において同調点を探す範囲の1/2をキャリア間隔数を単位として表している。周波数誤差検出のためのCAZACデータとの相関計算は元データを最大この検出範囲分シフトして行うため、この周波数差動復調は1回の同調点テストに用いるデータ点数(ここでは128個)に検出範囲のキャリア間隔数を足した数のデータを得られるように行う。
【0057】
次に処理103にて、続く同調点テストの処理を検出範囲のキャリア間隔数回繰り返し実行するための初期設定を行なう。すなわち受信データとCAZACデータの初期のシフト量を−Nend とし、相関の最大値およびその最大値を与えるシフト量を記録するメモリ領域に初期値を設定する。
【0058】
続く処理104では、中心周波数から下側と想定する受信データとCAZACデータの相関Rloを計算する。この例では具体的には以下の計算となる。
【0059】
【数2】
【0060】
次に処理105で中心周波数から上側と想定する受信データとCAZACデータの相関Rhiを計算する。この例では具体的には以下の計算となる。
【0061】
【数3】
【0062】
処理106では、先に計算した上側および下側の相関の全体について、最大値を与えるシフトを求めるため2つの相関RhiおよびRloを加算し、その絶対値PRsum を計算する。
処理107ではPRsum とメモリ領域Rmax に保持した値との比較を行い、PRsum の方が大きい場合には処理108において、この値を新たなRmax の値とし、同時にこの時のシフトNshift の値をメモリ領域Srmax に、この時の下側相関係数Rloをメモリ領域Rlomax に、この時の上側相関係数Rhiをメモリ領域Rhimax にストアする。PRsum の方が小さい場合にはそのまま次の処理109に進む。
【0063】
処理109ではシフトを1だけ増加させる。また判定113にて新たなシフトNshift が検出範囲の最大値Nend との比較を行い、Nshift の値がNend の値を越えない場合は、再び処理104に戻り、新たなシフトを用いて受信データとCAZACデータの相関計算を行い、その絶対値のピーク探索を繰り返す。
【0064】
Nshift の値がNend の値を越える場合は処理111にて上側の相関係数Rhimax および下側の相関係数Rlomax の積RRhlを計算しその絶対値PRhlを求めた上で、この4乗根4√PRhlを計算する。続く判定112では第1の比較判定処理として、これと受信信号の平均パワーPave に適当な係数αを掛けたものとの大きさを比較する。
この時、判定されるデータが擬似ピークによるものである場合、殆どの場合先に説明したとおり、Rhimax またはRlomax の値がほぼ0となるため、RRhl、従って4√PRhlは十分小となり判定はNo、すなわち真の同調点ではないとして処理126に入る。
【0065】
但し真の同調点から16キャリアまたは32キャリアの周波数差をもって発生する擬似ピークでは4√PRhlが比較的大きくなるため、誤検出の可能性が残る。このため処理113では上側および下側の相関係数の積RRhlの位相φを計算し、判定114において第2の比較判定処理として、この位相φを適当な定数θと比較する。この結果、位相φがこれより小さい場合、検出した相関係数のピークを真の同調点によるものと判定して115以下の処理に進み、位相φがこれより大きい場合、擬似ピークであるとして処理126に入る。
【0066】
判定115では、今回検出した同調点のシフト、すなわちキャリア間隔単位の周波数誤差Srmaxと前回検出した値が等しいか否かの判定を行う。これは周波数誤差検出の確度を高める目的で行うものであり、検出周波数誤差が前回値と一致の場合、処理116にて不一致回数カウンタCnrNGの値をNNGに初期化した後、判定120にて一致カウンタCnrOKの値を1減じて、この結果が0より大か否かを調べる。この結果が1以上の場合、処理124にて正常動作終了のフラグをセットして、全体の処理、つまりは受信データとして位相基準シンボルを受信した場合の、この発明に関する一連の処理を終了する。よってフレーム単位で繰り返し送信される次の位相基準シンボルが受信されると再び最初に戻り、処理100からの動作が繰り返し行われる。
判定120にてCnrOKが0となる場合、十分な確度で周波数誤差が検出できたとして処理123にて周波数誤差検出フラグをセットする。
【0067】
続く判定122では検出誤差Srmaxが0であるか否かを判定する。0でない場合は、処理123にて局部発振器4の周波数を適当に変化するなどして誤差の補正を行う。検出誤差Srmaxが0の場合、周波数誤差ゼロフラグをセットするとともに、周波数誤差検出範囲を制御するメモリNend に値Nend_Nを代入して周波数誤差検出範囲を狭める。この後、処理124にて正常動作終了のフラグをセットして、この発明に関する一連の処理を終了する。
【0068】
ここで処理126以降は上記説明した周波数誤差検出処理にて、正しく同調点が検出されない場合の処理であり、処理126では一致カウンタCnrOKを初期値NOKに初期化する。続く判定127では不一致カウンタCnrNGの値を1減じた後、これが0より大か否かの判定を行う。
この結果が0より大の場合、処理124にて正常動作終了のフラグをセットして、一連の処理を終了する。
またCnrNGの値が0となる場合、処理128にて周波数誤差検出、周波数誤差ゼロ、正常動作の各フラグをクリアするとともに、Nend にNend_Wを代入して周波数誤差の検出範囲を広げた後、一連の処理を終了する。
【0069】
この実施の形態2では、検出した相関係数ピーク値の大きさ比較判定を受信データの平均的な大きさを基準として行うが、これは自動車等の移動体において放送を受信する場合、受信信号の大きさが激しく変化する可能性があり、これによる誤動作、不動作を低減するためである。なお処理111においてPRhlの4乗根をとるのは、受信データの平均的な大きさPave と受信信号の大きさに対する次元を揃えて適切な比較判定ができるようにするためであり、PRhlがPave に対し、周波数差動復調の時点で2次、上側および下側相関係数の乗算の時点で更に2次、次数が上回るためである。
【0070】
また、この実施の形態2では、処理123にて周波数誤差を補正するについて、NOKという適当な回数連続して周波数誤差検出値が一致することを条件としている。これは上側および下側の相関係数の積RRhlに対する大きさ、位相の2種類の判定を通してもなお、突発的な誤検出が残る可能性があるためであり、これにより周波数誤差補正が行われると、放送波が正規に受信されていて音声が再生中であるにも係わらず同調が大きく外れて音声が中断するといった重大な誤動作につながる。よって、この条件をつけることで、このような重大な誤動作を排除するものである。
【0071】
また、この実施の形態2では、NNGという適当な回数連続して周波数誤差検出が正常に検出されなくなった場合に、正常動作フラグをクリアすることにより、この状況を制御装置12の他のプログラムに通知することとしている。これはこの状況が放送波が受信不能となったことを比較的適切に反映するためであり、この通知に基づき他の受信制御プログラムにおいて、この状態を単に放置すれば自己回復不可能なまでに制御状態が外れてしまう可能性のある、精密なAFC動作や、精密なタイミング同期処理等を初期化することを可能とする。また他の周波数に同一番組の放送がある場合にその周波数に移り受信するよう制御することを可能とする。
【0072】
また、この実施の形態2では、周波数誤差が補正されて確実に0となった場合に、処理130にて周波数誤差検出範囲を狭め、周波数誤差検出が正常に機能しなくなった場合に、処理128にて周波数誤差検出範囲を広げるようにしている。
これは制御装置12の処理能力が限られる場合において、最初の周波数誤差検出範囲をできる限り広くとり、放送波の補足を確実にするとともに、一旦概略の周波数同調が確立した後は必要最小限の周波数誤差検出範囲とすることで、この周波数誤差検出に要する制御装置12の負荷を軽減し、概略の周波数同調確立後に必要となる精密な周波数同調処理等に制御装置12の能力を振り向けるためである。
【0073】
実施の形態3.
次に、周波数誤差検出を制御装置12で行う実施の形態3について、図5および図6のフローチャートにより説明する。この他の受信機の各部の動作は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0074】
まず、処理201において処理に用いるデータの平均パワーを求めることから、処理202での周波数差動復調、処理203でのメモリ領域Nshift 、Rmax 、 Srmaxへの初期設定、処理204での中心周波数から下側と想定する受信データとCAZACデータの相関係数Rlo計算、処理205での中心周波数から上側と想定する受信データとCAZACデータの相関係数Rhi計算までは、実施の形態2における処理101〜105と同様である。
【0075】
次に処理206では、先に計算した上側および下側の相関係数の全体について、最大値を与えるシフトを求めるため2つの相関RhiおよびRloを加算し、その絶対値PRsum を計算する。また処理207にてこの絶対値PRsum の平方根を求める。その後、その平方根√PRsum をとる。これは続く処理212にて受信信号の平均パワーと同じ次元で検出した相関の絶対最大値Rmax との比較を行うためである。
【0076】
判定208では、√PRsum とメモリ領域Rmax に保持した値との比較を行い、PRsum の方が大きい場合には、処理209において、この値を新たなRmax の値とし、同時にこの時のシフトNshift の値をメモリ領域Srmaxに、この時の下側相関係数Rloをメモリ領域Rlomax に、この時の上側相関係数Rhiをメモリ領域Rhimax にストアする。PRsum の方が小さい場合にはそのまま次の処理210に進む。
【0077】
処理210では、シフトを1だけ増加させる。また判定211にて新たなシフトNshift が検出範囲の最大値Nend との比較を行い、Nshift の値がNend の値を越えない場合は、再び処理204に戻り、新たなシフトを用いて受信データとCAZACデータの相関計算を行い、その絶対値のピーク探索を繰り返す。
Nshift の値がNend の値を越える場合は、処理212にて上側のおよび下側の相関係数の和の平方根√PRsum と受信信号の平均パワーPave に適当な係数βを掛けたものとの大きさを比較する。この時、この判定がNoとなるのは通常DABの放送波が受信されていない状態であり処理226に入る。
【0078】
続く処理213以下では、検出した相関係数ピークを与える点が真の同調点であるか否かの判定処理を行う。まず、処理213では、上側の相関係数の大きさPRhiおよび下側の相関係数の大きさPRloを個別に計算し、続く判定214では第1の比較判定処理として、一方の値が他方の適当な定数β倍より大きいか否かの判定を行う。これは先に説明したとおり、多くの擬似ピークにおいては上側または下側の相関係数の値がほぼ0となり、これらの大きさに大きな開きができるためである。よってこの判定の結果、一方の値が他方のβ倍より大きい場合は、擬似ピークであるとして処理226に入る。そうでない場合は、215以降の第2の判定を行う。
【0079】
この時、定数βは多くの受信条件において擬似ピークを効果的に排除するとともに、真の同調点を誤って排除することが無い程度の値、例えば2程度とすることができる。
【0080】
処理215では、下側相関係数Rlomax と上側相関係数Rhimax の積RRhlを計算し、判定216において第2の比較判定処理として、その実数部の絶対値と、その虚数部の絶対値に適当な定数δを掛けたものとを比較する。この結果、実数部の方が大きい場合、検出した相関係数のピークを真の同調点によるものと判定して217以下の処理に進み、実数部の方が小さい場合は、擬似ピークであるとして処理126に入る。
【0081】
この時、定数δは擬似ピークにより発生する最小の位相条件約72度を確実に排除可能な値とする、例えばδを2とすることで、RRhlの位相の絶対値が26.7度を越える場合を擬似ピークとして排除することができる。
【0082】
判定217では、今回検出した同調点のシフト、すなわちキャリア間隔単位の周波数誤差Srmaxと前回検出した値が等しいか否かの判定を行う。検出周波数誤差が前回値と一致の場合、処理218にて不一致回数カウンタCnrNGの値をNNGに初期化した後、判定220にて一致カウンタCnrOKの値を1減じて、この結果が0より大か否かを調べる。この結果が1以上の場合は、処理224にて正常動作終了のフラグをセットして一連の処理を終了する。
判定220にてCnrOKが0となる場合は、十分な確度で周波数誤差が検出できたとして処理223にて周波数誤差検出フラグをセットする。
【0083】
判定222では、検出誤差Srmaxが0であるか否かを判定する。0でない場合は、処理223にて局部発振器4の周波数を適当に変化するなどして誤差の補正を行う。検出誤差Srmaxが0の場合は、周波数誤差ゼロフラグをセットするとともに、周波数誤差検出範囲を制御するメモリNend に値Nend_Nを代入して周波数誤差検出範囲を狭める。この後、処理124にて正常動作終了のフラグをセットし、一連の処理を終了する。
【0084】
ここで処理226以降は、上記説明した周波数誤差検出処理にて、正しく同調点が検出されない場合の処理であり、処理226では一致カウンタCnrOKを初期値NOKに初期化する。続く判定227では不一致カウンタCnrNGの値を1減じた後、これが0より大か否かの判定を行う。
この結果が0より大の場合、処理224にて正常動作終了のフラグをセットして、一連の処理を終了する。
またCnrNGの値が0となる場合は、処理228にて周波数誤差検出、周波数誤差ゼロ、正常動作の各フラグをクリアするとともに、Nend にNend_Wを代入して周波数誤差の検出範囲を広げた後、一連の処理を終了する。
【0085】
以上の説明では、CAZACデータを相関計算を行う受信データ点数に対応して全数保持するとしてきたが、先に説明したDABに使用されるCAZACの特性、すなわち、ある系列のデータは別の系列のデータに対し、90度の整数倍の位相回転を与えることにより得ることができる。また、位相基準シンボルデータの各ブロック毎にこの位相回転も規定されていることを利用することで、32個または16個のCAZACデータのみを保持し、相関計算を行った後、その結果に対して元のCAZAC系列に与えるべきであった位相回転を一括施すことで、同じ結果を得ることができることは明らかである。
【0086】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0087】
従来の概略周波数誤差検出装置で問題となっていた擬似ピークによる誤動作を、比較的簡易な装置構成の拡張により解消し、操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0088】
また、概略AFC処理を制御装置で実行するとともに、従来問題となっていた擬似ピークによる誤動作を、プログラム処理により排除するよう構成することで、安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0089】
また、制御装置による概略AFC処理における擬似ピークによる誤動作排除に関する第2の方式を与えることにより、安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0090】
また、制御装置による概略AFC処理における擬似ピークによる誤動作排除に関する第3の方式を与えることにより、安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0091】
また、制御装置による概略AFC処理における擬似ピークによる誤動作排除に関する第4の方式を与えることにより、安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0092】
また、第1の比較判定処理における基準値を、位相基準シンボルデータの平均的な大きさに基づき決定するため、放送波信号の変動が大きい場合にも確実な動作を行う安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0093】
また、周波数誤差検出値が所定回数連続して一致することを条件に周波数誤差補正処理を行うため、突発的な誤動作を効果的に防止できる安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0094】
また、所定回数連続して周波数誤差検出値が不能であることを判定し、この情報に基づく処理を実行するよう構成されるため、制御装置における受信制御動作がより確実な安価で操作性に優れたデジタル音声放送受信機が得られる。
【0095】
また、受信機が正規の同調状態にある場合は周波数誤差検出範囲を狭め、また周波数誤差検出が正常に機能しなくなったことを判定して周波数誤差検出範囲を広げるため、制御装置の処理能力を有効に使用することができ、デジタル音声放送受信機をより安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のデジタル音声放送受信機のブロック図である。
【図2】 実施の形態1の周波数誤差検出手段のブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2のフローチャートである。
【図4】 実施の形態2のフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3のフローチャートである。
【図6】 実施の形態3のフローチャートである。
【図7】 周波数誤差検出時における擬似ピークの発生のメカニズムの説明図である。
【図8】 周波数誤差検出時における擬似ピークの発生のメカニズムの説明図である。
【図9】 擬似ピークを示す図である。
【図10】 擬似ピークを示す図である。
【図11】 従来のデジタル音声放送受信機のブロック図である。
【図12】 デジタル音声放送の方式説明図である。
【図13】 デジタル音声放送の方式説明図である。
【図14】 デジタル音声放送の方式説明図である。
【図15】 従来のデジタル音声放送受信機の動作説明図である。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 RF増幅器、3 周波数変換器、4 局部発振器、5 中間周波フイルタ、6 中間周波増幅器、7 直交復調器、8 中間周波発振器、9 A/D変換器、10 同期信号検出器、11 データ復調器、12 制御装置、13 誤り訂正符号復号器、14 MPEG音声デコーダ、15 D/A変換器、16 音声増幅器、17 スピーカ、30 周波数誤差検出手段、51周波数差動復調手段、52 データ保持・シフト手段、53 第1のCAZACデータ保持手段、54 第2のCAZACデータ保持手段、55 第1の相関係数計算手段、56 第2の相関係数計算手段、57 加算手段、58 最大値探索手段、59 最大値・シフト保持手段、60 第1の比較判定手段、61 第2の比較判定手段、62 論理積手段、65 乗算手段。
Claims (9)
- 位相基準シンボル受信データが入力される周波数差動復調手段と、
周波数差動復調手段で周波数差動復調された位相シンボル基準データを保持するデータ保持・シフト手段と、
伝送帯域の中心から上側のキャリアの変調を規定する第1のCAZACデータと伝送帯域の中心から下側のキャリアの変調を規定する第2のCAZACデータとを保持するCAZAC保持手段と、
上記データ保持・シフト手段から、伝送帯域の中心から上側のキャリアで伝送されたと見なして与えられる第1の出力データと上記CAZACデータ保持手段に保持された上記第1のCAZACデータの間の相関演算を行う第1の相関係数計算手段と、
上記データ保持・シフト手段から、伝送帯域の中心から下側のキャリアで伝送されたと見なして与えられる第2の出力データと上記CAZACデータ保持手段に保持された上記第2のCAZACデータの間の相関演算を行う第2の相関係数計算手段と、
上記データ保持・シフト手段において伝送帯域の中心キャリアに対応すると見なすデータの位置を順次シフトしながら上記第1および第2の相関係数計算手段の出力の和が最大となる条件を探索する最大値検索手段と、
上記第1および第2の相関係数計算手段の出力の和が最大となる条件におけるデータシフト値を周波数誤差情報として保持し出力する最大値・シフト保持手段と、
上記第1および第2の相関係数計算手段の出力を乗算処理する乗算手段と、
この乗算手段出力の大きさを第1の基準値と比較しその結果に応じた出力を与える第1の比較判定手段と、
上記乗算手段出力の位相を第2の基準値と比較しその結果に応じた出力を与える第2の比較判定手段と、
この第1および第2の比較判定手段の出力に基づき前記周波数誤差情報の正誤情報を出力する正誤判定手段と
を備えた構成された周波数誤差検出手段を備えたことを特徴とするデジタル音声放送受信機。 - データ復調器とこれに接続された制御装置とを備え、
この制御装置が、データ復調器から位相基準シンボル受信データを読みとり、このデータに対し周波数差動復調処理を行うとともに、伝送帯域の中心から上側のキャリアの変調を規定する第1のCAZACデータと伝送帯域の中心から下側のキャリアの変調を規定する第2のCAZACデータを保持し、周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から上側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第1の出力データと上記第1のCAZACデータ間の第1の相関係数を計算し、また周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から下側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第2の出力データと上記第2のCAZACデータ間の第2の相関係数を計算する処理を、上記周波数差動復調処理結果の第1の出力データおよび第2の出力データの取り出しを伝送帯域の中心キャリアに対応すると見なすデータの位置を順次シフトしながら繰り返し実行することにより、第1の相関係数と第2の相関係数の和が最大となる条件を検索し、この相関係数の和が最大となる条件における第1および第2の相関係数を保持し、またこの条件におけるデータシフト値を周波数誤差情報として保持するとともに、上記第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の大きさを基準値と比較する比較判定する第1の比較判定処理と、上記乗算処理の結果の位相を基準値と比較判定する第2の比較判定処理とを実行し、この第1および第2の比較判定処理の結果に基づき前記周波数誤差情報の正誤を判定する正誤判定処理とを実行するよう構成されたことを特徴とするデジタル音声放送受信機。 - データ復調器とこれに接続された制御装置とを備え、
この制御装置が、データ復調器から位相基準シンボル受信データを読みとり、このデータに対し周波数差動復調処理を行うとともに、伝送帯域の中心から上側のキャリアの変調を規定する第1のCAZACデータと伝送帯域の中心から下側のキャリアの変調を規定する第2のCAZACデータを保持し、周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から上 側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第1の出力データと上記第1のCAZACデータ間の第1の相関係数を計算し、また周波数差動復調処理結果から伝送帯域の中心から下側のキャリアで伝送されたと見なして取り出される第2の出力データと上記第2のCAZACデータ間の第2の相関係数を計算する処理を、上記周波数差動復調処理結果の第1の出力データおよび第2の出力データの取り出しを伝送帯域の中心キャリアに対応すると見なすデータの位置を順次シフトしながら繰り返し実行することにより、第1の相関係数と第2の相関係数の和が最大となる条件を検索し、この相関係数の和が最大となる条件における第1および第2の相関係数を保持し、またこの条件におけるデータシフト値を周波数誤差情報として保持するとともに、上記第1および第2の相関係数の大きさの比が基準値を超えるか否かを比較判定する第1の比較判定処理と、上記第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の実数部の大きさが虚数部の大きさの基準値倍を超えるか否かを比較判定する第2の比較判定処理とを実行し、この第1および第2の比較判定処理の結果に基づき前記周波数誤差情報の正誤を判定する正誤判定処理とを実行するように構成されたことを特徴とするデジタル音声放送受信機。 - 第1の比較判定処理が、第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の大きさを基準値と比較判定するものであることを特徴とする請求項3記載のデジタル音声放送受信機。
- 第2の比較判定処理が、第1および第2の相関係数を乗算処理して、この積の位相を基準値と比較判定することを特徴とする請求項3記載のデジタル音声放送受信機。
- 第1の比較判定処理における基準値が位相基準シンボルデータの平均的な大きさに基づき決定されることを特徴とする請求項2又は4記載のデジタル音声放送受信機。
- 制御装置が、周波数誤差検出値を所定回数連続して一致することを判定した後、この周波数誤差検出値を有効として周波数誤差補正処理を実行するよう構成されたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のデジタル音声放送受信機。
- 制御装置が、所定回数連続して周波数誤差検出値が不能であると判定したとき、この情報に基づく処理を実行するよう構成されたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のデジタル音声放送受信機。
- 制御装置が、周波数誤差が補正され正規の同調状態にあることを判定して周波数誤差検出範囲を狭め、また周波数誤差検出が正常に機能しなくなったことを判定して周波数誤差検出範囲を広げるように構成されたことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のデジタル音声放送受信機。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP11350498A JP3688113B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | デジタル音声放送受信機 |
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