JP3687705B2 - 開度計を装備するバルブを用いた農業用水流量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、夏季及び冬季において流量範囲の全く異なる農業用管水路での流量測定が精度よく計測できるとともに、同時に流量の規制ができる構造となっており、しかも維持管理の容易な開度計を装備するバルブを用いた農業用水流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、農業用水路は、水資源の有効利用や水質保全等の点から管水路化されつつあるが、この農業用管水路(以下、単に管水路とする。)の流量を知ること、即ち、この管水路での流量測定が精度よく行われることは、水管理操作を行う上で重要である。即ち、前記流量を知ることにより、例えば、水の均等な供給を図り得ること、又は夏季及び冬季において必要とする流量を過不足なく確実に供給できること、等の利点がある。このような目的を達成するため、管水路流量計を利用する方法等が公知となっている。例えば、研究学会の文献で紹介されている管水路流量計を利用する計測方法は、スルースバルブに分流管流量計を取付け、本管流量を換算して計測できる構成であり、バルブ本体の側壁に横方向への2個の分岐取出口を設けるだけで、安価でかつ精度の良い管水路流量計を製作することができる特徴を有する。またその他として、水道メータを用いた流量計としては、実開昭53−123964号の検査用流量計がある。この考案は、可変絞り弁を有する本管に並列して側管を設け、この側管に側路水道メータを設けることを特徴とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した文献技術は、所定の利用分野と一定の条件下においては十分に利用価値があることは明らかである。その一方で、例えば、▲1▼スルースバルブの開度の設定に再現性がなく、実用にはまだ解決すべき問題が残っているのが現況である。
【0004】
また本発明と同様な着想による流量規制の方法で、オリフィス流量計が紹介されているが、冬季灌漑期のような場合に問題が生ずる。例えば、▲2▼少流量時にはバイパス管の流量計は作動せず、通年灌漑を行う農業用管水路における流量計測には不向きである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、開度計を装備するバルブの開度を正確に設定することにより、その開度の再現性確保を達成し、設定誤差を含めて±6%の測定誤差内で計測できること、又は計測の方法が夏季灌漑期において別個に精度よく計測できること、等を意図し下記の構成を採用する。
【0006】
即ち、本発明の開度計を装備するバルブを用いた農業用水流量計、
開度計を装備するバルブをほぼ中央部に有する夏季灌漑期用の通水をするに必要な管径を有する管路本体、及び前記管路本体のバルブの上下流側の流体分流口に介在した冬季灌漑期用の通水をするに必要な管径を有するバイパス管路、並びにこのバイパス管路中に設けられた当該バイパス管路の流量を計測する流量計で構成された分流式の農業用水流量計において、
前記夏季灌漑期は装備したバルブの開度計の目盛で正確に設定される所定開度(1/3閉開度程度が多く用いられる)状態においてバイパス管路流量と分流比との積から換算される管路本体の流量を計測し、前記冬季灌漑期は開度計を装備したバルブの開度を全閉した状態においてバイパス管路流量のみで流量を計測し、
前記冬夏季灌漑期の正確な計測値を冬夏季灌漑期における流路を別個に規制して流量範囲の全く異なった夏季及び冬季の通水量を確保するとともに、前記計測値を必要とする前記各流量を的確に再現することを特徴とする構造である。
【0007】
【作用】
以下、本発明の作用状態を説明すると、夏季灌漑期の通水を確保するに必要な管径を有する管路本体1内に介設された開度計5を装備するバルブ2の上流側には、上流側の流体分流口6が開設されており、下流側には下流側の流体分流口7が開設される。前記流体分流口には冬季灌漑期の通水を確保するに必要な管径を有するバイパス管路3、並びにこのバイパス管路3中に設けられた当該バイパス管路3の流量を計測する流量計4が接続されている。
【0008】
このようにして、夏季灌漑期では開度計5を装備するバルブ2を、開度計5の目盛で正確に設定される所定開度(1/3閉開度程度が多く用いられる)状態において、バイパス管路3の流量と分流比との積から換算した全体流量を表示する。したがって、この表示値を読むことにより夏季灌漑期の流量を知ることができる。
【0009】
又、冬季灌漑期では開度計5を装備するバルブ2を全閉し、バイパス管路3の流量のみを表示し、冬季灌漑期の流量を知ることができる。
【0010】
これらの流量表示は、例えば、開度計5を装備するバルブ2開度の変更と同時に、換算回路スイッチ10を切り換えて行う構成とする。
【0011】
このような操作及び手順を介して流量範囲の全く異なった冬夏季灌漑期の流量を極めて精度よく計測することができるとともに、同時にその通過流量が規制される。
【0012】
【実施例】
次に本発明の一実施例を図1、図2、図3に基づいて具体的に説明すると、1は夏季灌漑期の通水量を確保する管径、即ち、φ350mmでなる本流の管路本体で、この管路本体1の適所には開度計5を装備するバルブ2が設けられており、図示の矢印の如く、この開度計5を装備するバルブ2を中心として図面上向かって左側を上流側、また同図面上向かって右側を下流側を配置し、前記管路本体1の上流側と下流側とにそれぞれ接続される流入口8’と流出口8”を有する。流入口8’と流出口8”とで構成される貫通流路11の開度を調整する弁体9と、その開度を表す開度計5と、弁体9を上下するハンドル12とで構成される。このように構成された開度計5を装備するバルブ2貫通流路11の開度を調整するには、ハンドル12を所定方向(例えば時計方向)へ回転すると、弁体9が上昇していき、結果として、順次貫通流路11が開口される。よって、前記の如く、ハンドル12の回転数により開度が調整され、しかもこの開度計5を装備するバルブ2の貫通流路11を通過する流量が適宜調整される。又逆にハンドル12を反時計方向へ回転することにより、前述とは逆の作動をなし貫通流路11を弁体9が順次閉塞していき、この貫通流路11の開度が閉塞される。そして、前記反時計方向へのハンドル12の回転を停止することにより、前記貫通流路11の開度状態が保持され、この貫通流路11を流動する流量が規制され、前述の如く、管路本体1等への流量が調整される。尚、開度計5を装備するバルブ2の開度は、開度計5により正確に表示される。
【0013】
6は前記開度計5を装備するバルブ2の弁体9の上流面の所定の長さの位置、具体的には1/2Lの部位に開設された上流側の流体分流口で、この上流側の流体分流口6にはバイパス管路3が接続されている。尚、本発明では、上流側の流体分流口6を同部位(流体の流量方向)の三方向いわゆる上向き、横向き、下向きのいずれか一箇所に設けるもので、横向きに設けることが理想である。即ち、管路本体1の横方向に並設して流量計4を備えたバイパス管路3を設ける構成にして、例えば、ゴミ詰まりの問題解消及び保守管理の簡便化を図る。
【0014】
7は前記開度計5を装備するバルブ2の弁体9の下流面の所定の長さの位置、具体的には1/2Lの部位に開設された下流側の流体分流口で、この下流側の流体分流口7にはバイパス管路3が接続されている。尚、本発明では、このバイパス管路3は冬季灌漑期の通水量を確保する管径、即ち、φ100mmとする。
【0015】
また前記流入側の上流側の流体分流口6と排出側の下流側の流体分流口7との間には流量計4が設けられている。
【0016】
尚、Lの長さは、流量計4自身に必要とされる上流直管部(5d)、下流直管部(3d)長さの合計であり、流量計4の口径dの8倍に相当する。また上記のの管路本体1に設けた開度計5を装備するバルブ2と、バイパス管路3に設けた流量計4と、は前記両管路の流れ方向位置において、異なる位置に設置する構成である。即ち、開度計5を装備するバルブ2と、流量計4と、を異なる位置に設けて、容易な保守管理及び開度読み取りの容易化、等を図る構成となっている。
【0017】
以上のように構成されているので、開度計5を装備するバルブ2の貫通流路11の開度を1/3閉塞しても、全開流量時3%程度の流量の減少にすぎなく、通水に障害となることもなく、また水使用に応ずるごとに、その開度を簡易調整する場合には、この開度を調整するごとに流量計4等の指示目盛をチェックすることにより、簡易に流量を求めることができる。尚、本発明では、管水路システムに多く採用されている開度計5を装備するバルブ2を利用して計測する装置であるので、安価であること、及び容易に計測できること等の特徴がある。
【0018】
続いて、本発明の実験データに基づいて、その実験結果を考察してみる。尚、この実験では、開度計5を装備するバルブ2の弁体9の上下流面から1/2Lの部位に設けた上流側、下流側の流体分流口6、7を設け、開度計5を装備するバルブ2の貫通流路11の開度(以下この実験例では、開度を開口比βとする。)を変更しながら、分流水量を計測した。前記の位置関係となっていることから、分流水量と管路本体1の流量とは正比例することになる。
【0019】
先ず、開度計5を装備するバルブ2を利用した管水路用の流量計は、次の式によって算出される。
【0020】
管路流量Q(管路本体の流量)=分流流量q×分流比
図4、5はバイパス管路3に介設した流量計4の分流流量qに前記算出式を用い、分流比を掛けあわせて求めた管路流量Qと電磁流量計で測定された管路本体1の流量との差を誤差(%)としてプロットしたものである。
【0021】
図4は、開度計5を装備するバルブ2の貫通流路11の開口比βが0の場合の通水試験結果を示す図で、前記誤差をプロットしたものであり、この図から分かるように開口比βが0の場合は、管路に流れる水は全てバイパス管路3に流れ分流比1となり、管路流量Qと分流流量gは常に等しくなる。したがって、この場合の誤差は、流量計4自体に左右される結果となった。
【0022】
図5は、貫通流路11の開口比βが2/3の場合の通水試験結果を示す図で、前記誤差をプロットしたものであるが、相当な微小流量の範囲まで正確に流量を計測することができた。
【0023】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明は、管路本体に開度計を装備するバルブを設け、かつ冬夏季灌漑期に対応する管径並びに開度調整をする構成である。したがって、開度計を装備するバルブの開度表示及び流量計を利用して、管路本体及びバイパス管路の流量を正確に把握することができる特性、或いは計測の方法が冬夏季灌漑期において個別に計測できる特性、等を有する。殊に冬夏季に要する灌漑期に流水量の正確なコントロールが図れること、及び各分岐管路等への配水計画の容易な実行ができること、等の有益な水資源管理が図れることと、この水資源管理が簡易かつ迅速にできること、等の効果がある。
【0024】
また管路等に介設した管水路に多く採用されている在来の開度計を装備するバルブにより流体を計測する構成であること、及び管路本体の横方向に並設して流量計を備えたバイパス管路を設ける構成である。したがって、機構の簡素化・機材の汎用化及び耐久性等が期待できる特性、ゴミ詰まりの問題解消及び保守管理の簡便化が達成される特性、又は安価に提供できる特性、等を備えた効果と、この効果により、この種の管水路の流量及び計測としては最適な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スルースバルブを使用する場合の平面図である。
【図2】スルースバルブを使用する場合の一部欠截の正面図である。
【図3】スルースバルブを使用する場合の側面図である。
【図4】開口比0の場合の誤差をプロットした図である。
【図5】開口比2/3の場合の誤差をプロットした図である。
【符号の説明】
1 管路本体
2 開度計を装備するバルブ
3 バイパス管路
4 流量計
5 開度計
6 上流側の流体分流口
7 下流側の流体分流口
8’ 流入口
8” 流出口
9 弁体
10 換算回路スイッチ
11 貫通流路
12 ハンドル
β 開口比
Claims (2)
- 開度計を装備するバルブをほぼ中央部に有する夏季灌漑期用の通水をするに必要な管径を有する管路本体、及び前記管路本体のバルブの上下流側の流体分流口に介在した冬季灌漑期用の通水をするに必要な管径を有するバイパス管路、並びにこのバイパス管路中に設けられた当該バイパス管路の流量を計測する流量計で構成された分流式の農業用水流量計において、
前記夏季灌漑期は装備したバルブの開度計の目盛で正確に設定される所定開度(1/3閉開度程度が多く用いられる)状態においてバイパス管路流量と分流比との積から換算される管路本体の流量を計測し、前記冬季灌漑期は開度計を装備したバルブの開度を全閉した状態においてバイパス管路流量のみで流量を計測し、
前記冬夏季灌漑期の正確な計測値を冬夏季灌漑期における流路を別個に規制して流量範囲の全く異なった夏季及び冬季の通水量を確保するとともに、前記計測値を必要とする前記各流量を的確に再現することを特徴とする開度計を装備するバルブを用いた農業用水流量計。 - 上記の管路本体の横方向に並設して流量計を備えたバイパス管路を設ける構成とした請求項1に記載の開度計を装備するバルブを用いた農業用水流量計。
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