JP3687044B2 - 共重合ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高弾性、金属並の低熱膨張性、低吸水性である共重合ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの縮重合によって得られるポリイミドは、耐熱性、電気絶縁性に優れていることから高温環境下で使用される電気部品に利用されており、またこのポリイミドのフィルムはその寸法安定性を生かして、フレキシブルプリント基板等の用途に利用されている。さらに最近になってIC、LSIを実装するTAB(TapeAutomated Bonding)用テープのベースフィルムとして使用されており、高加工性および高精度化が要求され、ポリイミドの特性としても高弾性率、金属並の低熱膨張性、低吸水性が求められ、種々検討が行われている。例えば特開昭60−210629、特開昭64−16832、特開昭64−16833、特開昭64−16834、特開平1−131241、特開平1−131242各号公報では、弾性率を高めるためにジアミン成分としてパラフェニレンジアミンを併用し、無水ピロメリット酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンによる3成分系ポリイミドの例が記載されている。さらに弾性率を高めるため上記3成分系に3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えた4成分系ポリイミドへの展開も行われている。例えば特開昭59−164328号公報、特開昭61−111359号公報に4成分系ポリイミドの例が記載されている。他では4成分系ポリイミドで重合時にモノマーの添加手順をコントロールすることによって物性を改良する試みが例えば特開平5−25273号公報で示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記で述べたようにTAB用途に使用するには、その特性として高弾性率、金属並の低熱膨張性、低吸水性が必要である。しかしながら特開昭60−210629、特開昭64−16832、特開昭64−16833、特開昭64−16834、特開平1−131241、特開平1−131242各号公報で得られる3成分系ポリイミドは、無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミドに比べて弾性率は高くなるがそれでも尚TAB用途として充分な弾性率は得られない。また特開昭59−164328、特開昭61−111359各号公報で得られる4成分系ポリイミドでは、TAB用途として充分な弾性率を得るためには、パラフェニレンジアミンの使用量を多くする必要があり、その結果熱膨張率が金属より低くなりすぎるという問題がある。他に特開平5−25273号公報で得られる4成分系ポリイミドでは、弾性率、熱膨張性はその用途を充分満たしたものとなっているが、吸水率が大きいという問題がある。
【0004】
したがって本発明は、高弾性、金属並の低熱膨張性、低吸水性である共重合ポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、後述する(I)式で表される剛構造の芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸類化合物とからなるポリイミドブロック成分と、後述する (II) 式で表される柔構造の芳香族ジアミン化合物と少なくとも2種の芳香族テトラカルボン酸類化合物とからなる共重合ポリイミドのランダム成分とが分子結合しており、かつ全芳香族ジアミンに対して、剛構造の芳香族ジアミン化合物が12モル%以上、30モル%以下であり、柔構造の芳香族ジアミン化合物が70モル%以上、88モル%以下である共重合ポリイミドを製膜してなる共重合ポリイミドフィルム、あるいは(1)剛構造の芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸類化合物とを、反応成分に対して非反応性の有機溶媒中で、剛構造の芳香族ジアミン化合物に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が90モル%以上、100モル%未満となる比率で、反応に必要な時間混合した後、(2)柔構造の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物(A)を添加、さらに芳香族テトラカルボン酸類化合物(B;A≠B)を全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、反応に必要な時間混合し、(3)得られる共重合ポリアミド酸溶液を膜状にし、(4)環化脱溶媒することを特徴とする共重合ポリイミドフィルムの製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の共重合ポリイミドを構成するポリイミドのブロック成分とは、1種の剛構造の芳香族ジアミン化合物と1種の芳香族テトラカルボン酸類化合物とから得られる繰り返しポリイミド分子鎖であり、重合の第1段階で形成させることにより得る。また共重合ポリイミドのランダム成分は、重合の2段階目に柔構造の芳香族ジアミン化合物と少なくとも2種以上の芳香族テトラカルボン酸類化合物を反応させることによって形成する。こうして得られるポリイミドのブロック成分と共重合ポリイミドのランダム成分とを分子結合によって構成せしめる共重合ポリイミドは高弾性、金属並の低熱膨張性、低吸水性といった優れた物性を有することができる。
【0007】
本発明に用いる剛構造の芳香族ジアミン化合物の例としては、下記(I)式で表されるような化合物を挙げることができる。
【0008】
【化4】
(Xは、水素、ハロゲン基、カルボキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表わす。)
(I)式で表される剛構造の芳香族ジアミン化合物のうちでは、得られる成形体の弾性率を高める点では、Xが水素である8ものを使用するのが好ましく、その中でも特にパラフェニレンジアミンを使用するのがより好ましい。
【0009】
柔構造の芳香族ジアミン化合物の例としては、下記(II)式で表されるような化合物を挙げることができる。
【0010】
【化5】
(X,Yは水素、ハロゲン基、カルボキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表わし、X,Yは同じ置換基でも異なった置換基でもよい。また、Aは−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2− ,−CH2 −等の二価の連結基を表す。
【0011】
(II)式で表される柔構造の芳香族ジアミン化合物のうちでは、得られる成形体の成形性を高める点では、下記(III)式で表されるようなアミノ基以外の置換基の無い芳香族ジアミン化合物が好ましい。
【0012】
【化6】
(Aは−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2−,−CH2−から選ばれる2価の連結基を表わす。)
その中でも特に4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用するのがより好ましい。
【0013】
使用する芳香族ジアミン化合物の割合としては、全芳香族ジアミン成分に対して剛構造の芳香族ジアミン化合物を12モル%以上30モル%以下、柔構造の芳香族ジアミン化合物を70モル%以上88モル%以下使用する。剛構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が前記の割合より少なくなり、柔構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が多くなりすぎると、得られる共重合ポリイミド成形体の弾性率が低下したり、熱膨張係数が増大するので好ましくなく、また剛構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が前記の割合より多くなり、柔構造の芳香族ジアミン化合物の使用割合が少なくなると、共重合ポリイミド成形体の吸水率が増大したり、熱膨張係数が低下しすぎたり、弾性率が高くなりすぎて成形性を損なうので好ましくない。
【0014】
使用する芳香族テトラカルボン酸類化合物としてはピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類から1種以上を選ぶのが好ましい。
【0015】
使用する芳香族テトラカルボン酸類化合物で、ピロメリット酸類としてはピロメリット酸またはその二無水物を、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類としては3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはその二無水物を、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類としては3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸またはその二無水物をそれぞれ挙げることができる。
【0016】
使用する芳香族テトラカルボン酸類化合物の割合としては、全芳香族テトラカルボン酸類成分に対してピロメリット酸類を50モル%以上80モル%以下、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類を20モル%以上50モル%以下使用する。3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の使用割合が前記の割合より少なくなると、得られる共重合ポリイミド成形体の弾性率が低下したり、吸水率が増大するので好ましくなく、また3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の使用割合が前記の割合より多くなると、得られる共重合ポリイミドの気体透過率が悪化し、成形体の表面に気泡が発生したり、成形体の接着力が低下するので好ましくない。尚3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類はそれぞれ単独で使用してもよいが、混合して使用してもよい。
【0017】
次に、本発明の共重合ポリイミドの製造方法について説明する。まずポリイミドのブロック成分を形成させるために重合の第1段階で1種の剛構造の芳香族ジアミン化合物に対して1種の芳香族テトラカルボン酸類が90モル%以上、100モル%未満となる比率で、反応成分に対して非反応性の有機溶媒中で、1時間以上混合する。
【0018】
続いて共重合ポリイミドのランダム成分を形成させるため重合の第2段階として柔構造の芳香族ジアミン化合物を添加した後、芳香族テトラカルボン酸類(A)を添加して1時間以上撹拌、さらに芳香族テトラカルボン酸類(B;A≠B)を全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、1時間以上撹拌する。一連の重合によりまず前駆体である共重合ポリアミド酸溶液が得られる。この共重合ポリアミド酸溶液を環化脱溶媒することによって共重合ポリイミドが得られる。この重合での第1段階と第2段階はアミン成分過剰下で連続して行われるため、それぞれで形成されるブロック重合ポリアミド酸成分とランダム共重合ポリアミド酸成分とが分子結合してなる共重合ポリアミド酸溶液を得、このポリアミド酸溶液を環化脱溶媒することにより、所望の共重合ポリイミドを得ることができる。
【0019】
該製造方法における第1段階の重合では芳香族テトラカルボン酸類としてピロメリット酸類、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類いずれでも単独で使用してよいが、ピロメリット酸類を使用すると、最終的に得られる共重合ポリイミド成形体の弾性率を高めるので好ましい。また芳香族ジアミン成分としては剛構造の芳香族ジアミン化合物を使用する。
【0020】
第2段階の重合では、芳香族テトラカルボン酸類として、ピロメリット酸類、3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類から選ばれる1種以上の化合物を使用するのが好ましく、最終的に得られる共重合ポリイミド成形体の弾性率を高めるためにはピロメリット酸類と3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類の組み合わせで使用するのが好ましい。また芳香族ジアミン成分としては柔構造の芳香族ジアミン化合物を使用する。
【0021】
該製造方法で使用する溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルスルホン等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。該製造方法で得られる共重合ポリアミド酸は前記溶媒中に10〜30重量%の割合で調製する。
【0022】
該製造方法で得られる共重合ポリアミド酸を環化させて共重合ポリイミドにする際、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法のいずれで行ってもよいが、化学閉環法で行った方が得られる共重合ポリイミド成形体の弾性率が高く、熱膨張係数が低くなり、さらにTAB用途で必要なケミカルエッチング性が付与できるので好ましい。化学閉環法で使用する脱水剤としては、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用する。また触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリン等の複素環式第3級アミン類、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用する。
【0023】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体例に説明する。実施例中PPDはパラフェニレンジアミン、ODAは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、PMDAはピロメリット酸二無水物、BPDAは3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、BTDAは、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミドを表す。
【0024】
実施例1
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPD1.870g(0.0173モル)とPMDA3.659g(0.0168モル)を投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODA25.398g(0.1268モル)を投入し均一になるまで撹拌した後、BPDA8.481g(0.0288モル)を添加し、1時間反応させた。続いてここにPMDA21.491g(0.0985モル)を添加してさらに1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加モル比は、表−1に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。このポリアミド酸溶液から15gを取り、厚み125μmのポリエステルフィルム上に乗せた後、ミカサ製1H−360Sスピンコーターで2500rpmの回転速度で1分間回転させた。続いてこれを無水酢酸、β−ピコリンの混合溶液に10分間浸してイミド化反応させた後、ポリイミドゲルフィルムをポリエステルフィルムから剥がし、そのゲルフィルムを支持枠に固定した。その後300℃で20分間、続いて400℃で5分間加熱乾燥した後、上記支持枠より取り外し、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの各特性の評価を行い、表−1にその結果を示した。
【0025】
尚、各特性は次の方法で評価した。
【0026】
(評価方法)
▲1▼弾性率
機器:RTM−250
引張速度:100mm/min
荷重:10kg
▲2▼熱膨張係数
機器:TMA−50
測定温度範囲:50〜200℃
昇温速度:10℃/min
▲3▼吸水率
98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置し、元の重量に対しての 増加重量%で評価した。
【0027】
実施例2〜10
実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表1に示す割合でそれぞれポリアミド酸溶液を得た後、実施例1と同じ操作で得られたポリイミドフィルムの各特性評価を行い、表1にその結果を示した。
【0028】
実施例11
BPDAをBTDAに置きかえ、原料の添加量を表1に示す割合で行った他は、実施例1と同様に操作を行いポリアミド酸溶液を得た後、実施例1と同じ操作で得られたポリイミドフィルムの各物性評価を行い、表1にその結果を示した。
【0029】
実施例12
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPDとBPDAを投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODAを投入し均一になるまで撹拌した後、BPDAを添加し、1時間反応させた。続いてここにPMDAを添加してさらに1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加量は、表1に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、実施例1と同様にして行い、ポリイミドフィルムの各物性評価結果を表1に示した。
【0030】
比較例1
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにODAとPMDAを投入し、常温常圧中で1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚ODAとPMDAのモル比は、ほぼ1:1とし、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、実施例1と同様にして行い、それぞれのポリイミドフィルムの各物性評価結果を表2に示した。
【0031】
比較例2
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPDとPMDAを投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODAを投入し均一になるまで撹拌した後、PMDAを添加して1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加量は、表2に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、実施例1と同様にして行い、それぞれのポリイミドフィルムの各物性評価結果を表2に示した。
【0032】
比較例3
500mlのセパラブルフラスコにDMAc239.1gを入れ、ここにPPD、ODA、BPDA、PMDAを順次添加して常温常圧で2時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加量は、表2に示す割合で行い、固形分合計重量は、60.9gに調製した。この後ポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを得る操作については、実施例1と同様にして行い、それぞれのポリイミドフィルムの各物性評価結果を表2に示した。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明で得られる共重合ポリイミドは2段階の重合を経ることにより剛構造の芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸類化合物とからなるブロック重合ポリイミド成分と、柔構造の芳香族ジアミン化合物と少なくとも2種類以上の芳香族テトラカルボン酸類化合物とからなるランダム共重合ポリイミド成分とが、分子結合によって構成されるため、そのフィルムは、高い弾性率、低い熱膨張性、低い吸水性を併せ持つことができるので高加工性および高精度化の求められるTABのベースフィルムとして充分機能を果たすことができる。
Claims (9)
- 下記(I)式で表される剛構造の芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸類化合物とからなるポリイミドブロック成分と、下記 (II) 式で表される柔構造の芳香族ジアミン化合物と少なくとも2種の芳香族テトラカルボン酸類化合物とからなる共重合ポリイミドのランダム成分とが分子結合しており、かつ全芳香族ジアミンに対して、剛構造の芳香族ジアミン化合物が12モル%以上、30モル%以下であり、柔構造の芳香族ジアミン化合物が70モル%以上、88モル%以下である共重合ポリイミドを製膜してなる共重合ポリイミドフィルム。
- (I)式のXが水素である請求項1記載の共重合ポリイミドフィルム。
- 剛構造の芳香族ジアミン化合物がパラフェニレンジアミン類である請求項1または2記載の共重合ポリイミドフィルム。
- 柔構造の芳香族ジアミン化合物が4,4’−ジアミノジフェニルエーテルである請求項1から4いずれか記載の共重合ポリイミドフィルム。
- 芳香族テトラカルボン酸類化合物がピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類から選ばれる1種以上の化合物である請求項1から5いずれか記載の共重合ポリイミドフィルム。
- ピロメリット酸類が全芳香族テトラカルボン酸類成分の50モル%以上、80モル%以下であり、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類および/または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類が全芳香族テトラカルボン酸類成分の20モル%以上、50モル%以下である請求項1から6いずれか記載の共重合ポリイミドフィルム。
- (1)剛構造の芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸類化合物とを、反応成分に対して非反応性の有機溶媒中で、剛構造の芳香族ジアミン化合物に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が90モル%以上、100モル%未満となる比率で、反応に必要な時間混合した後、
(2)柔構造の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物(A)を添加、さらに芳香族テトラカルボン酸類化合物(B;A≠B)を全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、反応に必要な時間混合し、
(3)得られる共重合ポリアミド酸溶液を膜状にし、
(4)環化脱溶媒することを特徴とする共重合ポリイミドフィルムの製造方法。 - 環化を環化触媒および脱水剤を用いた化学環化法で行なう請求項8記載の共重合ポリイミドフィルムの製造方法。
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