JP3685605B2 - 発酵槽内原料の攪拌方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ、畜糞、農林水産業および食品加工業廃棄物、汚泥等の有機質材料主体の廃棄物を好気性発酵させ、これを堆肥として有効利用したり、減容化・衛生化して廃棄を容易にする発酵槽における原料の撹拌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機質材料の好気性発酵処理では、原料を一定期間貯留するとともに、該貯留中に床面から適当量の給気を行いながら適当な時間間隔で材料の撹拌を行って発酵の促進を図っており、多くの発酵槽では、上記撹拌をスクープ式撹拌装置によって行っている。
この撹拌装置では、先端を鋸歯状にしたスクープを長円状の無限軌道に固定するとともに該無限軌道を回転可能な状態で縦に支持して撹拌装置自身を移動可能にしている。この撹拌装置で撹拌を行う際には、前記無限軌道の下方部が進行方向側、上方部が進行方向反対側に位置するように傾けた状態で無限軌道を回転させ、さらに無限軌道が保持されたスクープ式撹拌装置を発酵槽の長手方向に沿って移動させる。これら動作により有機質材料は無限軌道に沿って上方に掻き上げられ、遂には無限軌道の上方部を通して後方に落下して撹拌および後方への移送が行われる。
なお、上記スクープ式撹拌装置による撹拌は繰り返し行う必要があり、また撹拌装置の移動を効率的に行うために、スクープ式撹拌装置を往復動させ、往路および復路でそれぞれ撹拌を行っている。このように往復路で撹拌を行うためには、往復路に合わせて無限軌道の傾斜方向を変える必要があり、通常は、発酵槽の端部に、原料が到達しない待避スペースを設け、この待避スペースで無限軌道の傾斜方向を変えた後に撹拌装置の移動方向を変えて撹拌を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、屋外に設置するような大型の発酵槽では、上記したような待避スペースの確保が容易であるが、比較的小型な発酵槽や効率よく原料を収容したい発酵槽では、上記のような待避スペースを確保することが困難である。そのため、これらの発酵槽では図3(A)に示すように、原料5が収容されている発酵槽1の端側で撹拌装置3の無限軌道の傾斜方向を変えている。なお、傾斜方向を変えて所定の傾斜角度になるまで無限軌道を回転移動させるときには、十分なスペースがないため直前方の原料と干渉してしまう。これを避けるため、上記回転移動に際しては無限軌道の回転を開始しておき、無限軌道の回転移動に伴って徐々に原料の移送を開始する。しかし、上記反転時には、原料が縦に近い状態で掻き上げられるとともに、その周辺の原料が押し上げられるので、図3(B)に示すように一部の原料5aが所定の堆積高さを一時的に超えてしまい、発酵槽1の上部スペースが十分にないと発酵槽1から原料があふれてしまう。
このため小型の発酵槽等ではある程度の上部スペースを確保せざるを得ず、容積効率を上げたいという要望に十分に応えることができないという問題がある。
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、発酵槽内に効率的に原料を収容できるとともに、スクープ式撹拌装置の往復動撹拌を良好に行うことができる撹拌方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の発酵槽内原料の撹拌方法は、原料を収容した発酵槽内に、スクープが設けられた無限軌道を回転可能に保持して発酵槽の長手方向に沿って移動するスクープ式撹拌装置を設置し、前記無限軌道を傾斜させた状態で回転させながら該スクープ式撹拌装置を移動させて前記原料を無限軌道の上方を通過させるように撹拌する発酵槽内原料の攪拌方法において、前記スクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるべく、無限軌道の傾斜方向を変えて所定の傾斜角度に至るまで無限軌道を回転移動させる間に、傾斜方向を変更した後の無限軌道の予定回転方向と逆の方向に無限軌道を回転させて原料の一部を無限軌道の下方を通して移動させることを特徴とする。
【0005】
また、第2の発明は、第1の発明において、発酵槽の端側底部を他場所の底部よりも深底にしておき、該端側底部上で無限軌道の傾斜方向を変えてスクープ式撹拌装置の移動方向を反転させることを特徴とする。
【0006】
本発明による発酵処理は、有機質材料を好気性発酵させて主として堆肥化させるものであるが、前述したように有機質材料を減容化して廃棄しやすくするために利用することもできる。なお、有機質材料として、先に都市ごみ、畜糞、農林水産業、食品加工業廃棄物、汚泥等を例示したが、本発明の処理対象がこれら材料に限定されるものではなく、好気性発酵が可能なあらゆる有機質材料を対象とすることができる。
【0007】
次に、本発明で用いる発酵槽には、従来と同型の水平直線状溝型の横型発酵槽を使用することができる。ただし、本発明としてはこれに限定されるものではなく、箱形、溝型、水平直線状、蛇行型等の発酵槽を適宜選択することができる。要は、長手方向(直線方向であるか否かは問わない)に沿って有機質材料を撹拌しながら移送するものであればよい。
なお、本発明は発酵槽が1槽だけのものに適用することができることは当然であるが、前記発酵槽及びスクープ式撹拌装置が発酵槽の長手方向を一致させて上下方向に複数段積み重ねられ、さらに各段発酵槽間に、順次、交互に異なる側の端部に連結部が設けられた多段式の発酵装置にも適用することができる。
また、発酵槽端側の底部は深底にしておき、この空間を利用して無限軌道の反転を行うのが望ましい。この空間により無限軌道を底部に接触させることなく反転させることができ、さらに、原料を無限軌道の下方を通して移動させる際にも、移動路として機能する。なお、端側底部は、上記深底に加えて、さらに無限軌道の反転に沿った断面円弧状の形状とするのが望ましく、これにより無限軌道の回転移動が円滑になされる。
【0008】
また、上記したスクープ式撹拌装置は、発酵槽の長手方向に沿って移動するものであるが、その駆動機構が特に限定されるものではなく、例えば、撹拌装置内に駆動装置を設けた自走式のものや、撹拌装置の外部に駆動装置を設置して、この駆動力を伝達することにより移動するものであってもよい。
また、撹拌装置における無限軌道は、回転移動方向、回転方向の変更を可能とする必要があり、さらに回転移動速度や回転速度を変更可能とするのが望ましい。
なお、無限軌道の反転時に行う無限軌道の回転は、無限軌道が所定の傾斜角度に至るまでの間に行うが、その間、上記回転を終始行っている必要はなく、その間の適宜時期に回転させるものであってもよく、断続的に回転させるものであってもよい。また、上記回転以外の時期には、無限軌道の回転を停止させておく他に、上記回転と逆の方向に回転させるものであってもよい。要は、従来行っている反転時の回転と逆方向の回転が上記の間に一時的にも行われるものであればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を説明するが、その説明に先立って実施形態に使用される発酵処理装置について添付図面に基づき説明する。
発酵槽1は、水平横置形状であって、その両端部内面は、長手方向に沿った断面で円弧内面形状からなり、端側の底部2a、2cは、他場所の底部2bよりも深底になっている。
また、発酵槽1内部には、長手方向に沿ってレール1aが配置されており、該レール1a上にスクープ式撹拌装置3が移動可能に配置されている。
上記スクープ式撹拌装置3は、移動台車4から無限軌道である周回ベルト30bを吊り下げた構成からなる。
上記移動台車4は、その下面の一方側(図示右方)2隅に、車輪6、6が軸止され、他方側2隅には車輪7、7が軸止されており、車輪6、6の車軸にはスプロケット6a、6aが固定されている。これら車輪6…7は上記レール1a上に乗っており、移動台車4はこれによりレール1a上を移動することができる。
また移動台車4上には移動台車駆動用モータ10が設置されており、該モータ10で駆動される回転軸にスプロケット10aが固定されている。このスプロケット10aと上記したスプロケット6aとの間にチェーン11が掛け渡されており、これら運動機構によりモータ10の駆動力が車輪6に伝達される。
【0010】
なお、周回ベルト30bには、多数のスクープ30aが固定されており、該ベルト30bは上下端のロール12、13間に掛け渡されており、両ロールは共通する支持枠14に回転可能に取り付けられており、これら構成によりスクープ装置30が構成されている。
また、上記ロール12の回転軸は、移動台車4から垂下した吊り下げ材(図示しない)に回転自在に取り付けることによってスクープ装置30が移動台車4に吊り下げられている。なお、移動台車4上にはスクープ回転用モータ16が設置されており、該モータ16の駆動軸にスプロケット16aが固定されている。一方、ロール12の回転軸にはスプロケット12aが固定されており、該スプロケット12aと上記16aとの間にチェーン17が掛け渡されている。
これら運動機構によりモータ16の駆動力が伝達されてロール12、すなわち周回ベルト30bが回転する。
【0011】
さらに、移動台車4上にはスクープ装置傾斜角度変更用モータ20が固定されており、該モータ20の駆動軸にスプロケット20aが固定されている。また、スクープ装置3の支持枠14の上端側には傾斜角度変更用スプロケット14aが固定されており、該スプロケット14aと上記スプロケット20aとの間にチェーン21が掛け渡されている。これら運動機構により、上記傾斜角度変更用モータ20の駆動力が支持枠14に伝達されてスクープ装置30の傾斜角度および傾斜方向が変更される。
【0012】
次に上記装置を用いた撹拌方法について説明する。
水分、粒度などの調整がなされた有機質材料5は発酵槽1内に搬入され、スクープ式撹拌装置3によって撹拌される(図1(A))。この撹拌、移送に際しては、スクープ装置傾斜角度変更用モータ20の作動により、順次、スプロケット20a、チェーン21、傾斜角度変更用スプロケット15を回転させ、スクープ装置30の下部を進行方向側(図1右方)、上部を反対方向側に位置させて水平方向に対し所定角度で傾斜した状態にする。なお、所定の傾斜角度は適宜選定することができる。さらに、スクープ回転用モータ16を作動させ、スプロケット16a、チェーン17、スプロケット12aを介して周回ベルト30bを反時計方向(図2)に回転させる。そして、スクープ移動用モータ10の作動により、スプロケット10a、チェーン11、スプロケット6aを介して車輪6を回転させ、移動台車4、すなわちスクープ式撹拌装置3を前方(図1右方)に移動させる。これにより、スクープ装置30は順次、前方底部2b上にある有機質材料5をスクープ30aで掻き上げ、最後にはスクープ装置30の上部から後方へと落下させて有機質材料5の撹拌と移送とを行う。
【0013】
なお、撹拌装置が発酵槽1の端部に達したならば、移動台車4の移動を止め、傾斜角度変更用モータ20によって周回ベルト30bの傾斜角が小さくなるように周回ベルト30bを回転移動させて発酵槽1端部に残っている有機質材料5を回転するスクープ30aによって漏れなく掻き上げる(図1(B))。次いで、傾斜角度変更用モータ20を逆転させて周回ベルト30bを反転させる。この際には、周回ベルト30bをそのまま回転させておく。但し、スクープに対する負荷が従来法と同程度になるような最適反転速度と撹拌回転数により行うのが望ましい。
上記反転を行うと、周回ベルト30bが回転移動するに連れて回転するスクープ30aに有機質材料5が触れ、直前方の有機質材料5が、その回転に従ってスクープ装置30と底部2cとの間の空間を通して図示右方に移動する。上記周回ベルト30bの回転は、周回ベルト30bが所定の傾斜角度に達するまで終始行ってもよいが、スクープ装置30の直前方の有機質材料5が十分に排除されたならば、所定の傾斜角度に達するまでに上記回転を止めてもよい。
【0014】
周回ベルト30bが所定の傾斜角度に達した後は、上記とは逆に周回ベルト30bを図示時計回りに回転させ、有機質材料5を掻き上げながら撹拌装置3を図示左方に移動させる。撹拌装置3が図示左方の発酵槽1端部に達した後は、上記と同様に、周回ベルト30bの下方、すなわち周回ベルト30bと底部2aとの間の空間を通して有機質材料5を移動させるようにして周回ベルト30bを反転させる。
上記の繰り返しにより撹拌装置3を往復動させながら有機質材料5の撹拌、移送を行うことができる。そして、撹拌装置3を反転させる際にも、大きな待避スペースを必要とすることがなく有機質材料5が発酵槽1からあふれるという問題も生じない。
したがって、発酵槽内には発酵槽の容積に見合った量の有機質材料を収容することができ、優れた容積効率を得ることができる。
なお、上記実施形態では、発酵槽の端側でのみ撹拌装置を反転させる場合について説明したが、本発明の方法は、発酵槽の中程の任意の位置で撹拌装置を反転させる場合にも実行することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるべく、無限軌道の傾斜方向を変えて所定の傾斜角度に至るまで無限軌道を回転移動させる間に、傾斜方向を変更した後の無限軌道の予定回転方向と逆の方向に無限軌道を回転させて原料の一部を無限軌道の下方を通して移動させるので、撹拌装置の反転に際し有機質材料が発酵槽からあふれる問題が回避され、よって発酵槽内に効率よく有機質材料を収容することができる。
また、発酵槽の端側底部を他場所の底部よりも深底にしておき、該端側底部上で無限軌道の傾斜方向を変えてスクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるものとすれば、無限軌道の反転時に、無限軌道の下方を通した有機質材料の移動を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による発酵槽内部の撹拌過程を示す概略図である。
【図2】 同じく実施形態に使用されるスクープ式撹拌装置の拡大図である。
【図3】 従来方法による発酵槽内部の撹拌過程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 発酵槽
1a レール
2a 底部
2b 底部
2c 底部
3 スクープ式撹拌装置
4 移動台車
5 有機質材料
10 移動台車駆動用モータ
16 スクープ回転用モータ
20 傾斜角度変更用モータ
30 スクープ装置
30a スクープ
30b 周回ベルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ、畜糞、農林水産業および食品加工業廃棄物、汚泥等の有機質材料主体の廃棄物を好気性発酵させ、これを堆肥として有効利用したり、減容化・衛生化して廃棄を容易にする発酵槽における原料の撹拌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機質材料の好気性発酵処理では、原料を一定期間貯留するとともに、該貯留中に床面から適当量の給気を行いながら適当な時間間隔で材料の撹拌を行って発酵の促進を図っており、多くの発酵槽では、上記撹拌をスクープ式撹拌装置によって行っている。
この撹拌装置では、先端を鋸歯状にしたスクープを長円状の無限軌道に固定するとともに該無限軌道を回転可能な状態で縦に支持して撹拌装置自身を移動可能にしている。この撹拌装置で撹拌を行う際には、前記無限軌道の下方部が進行方向側、上方部が進行方向反対側に位置するように傾けた状態で無限軌道を回転させ、さらに無限軌道が保持されたスクープ式撹拌装置を発酵槽の長手方向に沿って移動させる。これら動作により有機質材料は無限軌道に沿って上方に掻き上げられ、遂には無限軌道の上方部を通して後方に落下して撹拌および後方への移送が行われる。
なお、上記スクープ式撹拌装置による撹拌は繰り返し行う必要があり、また撹拌装置の移動を効率的に行うために、スクープ式撹拌装置を往復動させ、往路および復路でそれぞれ撹拌を行っている。このように往復路で撹拌を行うためには、往復路に合わせて無限軌道の傾斜方向を変える必要があり、通常は、発酵槽の端部に、原料が到達しない待避スペースを設け、この待避スペースで無限軌道の傾斜方向を変えた後に撹拌装置の移動方向を変えて撹拌を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、屋外に設置するような大型の発酵槽では、上記したような待避スペースの確保が容易であるが、比較的小型な発酵槽や効率よく原料を収容したい発酵槽では、上記のような待避スペースを確保することが困難である。そのため、これらの発酵槽では図3(A)に示すように、原料5が収容されている発酵槽1の端側で撹拌装置3の無限軌道の傾斜方向を変えている。なお、傾斜方向を変えて所定の傾斜角度になるまで無限軌道を回転移動させるときには、十分なスペースがないため直前方の原料と干渉してしまう。これを避けるため、上記回転移動に際しては無限軌道の回転を開始しておき、無限軌道の回転移動に伴って徐々に原料の移送を開始する。しかし、上記反転時には、原料が縦に近い状態で掻き上げられるとともに、その周辺の原料が押し上げられるので、図3(B)に示すように一部の原料5aが所定の堆積高さを一時的に超えてしまい、発酵槽1の上部スペースが十分にないと発酵槽1から原料があふれてしまう。
このため小型の発酵槽等ではある程度の上部スペースを確保せざるを得ず、容積効率を上げたいという要望に十分に応えることができないという問題がある。
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、発酵槽内に効率的に原料を収容できるとともに、スクープ式撹拌装置の往復動撹拌を良好に行うことができる撹拌方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の発酵槽内原料の撹拌方法は、原料を収容した発酵槽内に、スクープが設けられた無限軌道を回転可能に保持して発酵槽の長手方向に沿って移動するスクープ式撹拌装置を設置し、前記無限軌道を傾斜させた状態で回転させながら該スクープ式撹拌装置を移動させて前記原料を無限軌道の上方を通過させるように撹拌する発酵槽内原料の攪拌方法において、前記スクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるべく、無限軌道の傾斜方向を変えて所定の傾斜角度に至るまで無限軌道を回転移動させる間に、傾斜方向を変更した後の無限軌道の予定回転方向と逆の方向に無限軌道を回転させて原料の一部を無限軌道の下方を通して移動させることを特徴とする。
【0005】
また、第2の発明は、第1の発明において、発酵槽の端側底部を他場所の底部よりも深底にしておき、該端側底部上で無限軌道の傾斜方向を変えてスクープ式撹拌装置の移動方向を反転させることを特徴とする。
【0006】
本発明による発酵処理は、有機質材料を好気性発酵させて主として堆肥化させるものであるが、前述したように有機質材料を減容化して廃棄しやすくするために利用することもできる。なお、有機質材料として、先に都市ごみ、畜糞、農林水産業、食品加工業廃棄物、汚泥等を例示したが、本発明の処理対象がこれら材料に限定されるものではなく、好気性発酵が可能なあらゆる有機質材料を対象とすることができる。
【0007】
次に、本発明で用いる発酵槽には、従来と同型の水平直線状溝型の横型発酵槽を使用することができる。ただし、本発明としてはこれに限定されるものではなく、箱形、溝型、水平直線状、蛇行型等の発酵槽を適宜選択することができる。要は、長手方向(直線方向であるか否かは問わない)に沿って有機質材料を撹拌しながら移送するものであればよい。
なお、本発明は発酵槽が1槽だけのものに適用することができることは当然であるが、前記発酵槽及びスクープ式撹拌装置が発酵槽の長手方向を一致させて上下方向に複数段積み重ねられ、さらに各段発酵槽間に、順次、交互に異なる側の端部に連結部が設けられた多段式の発酵装置にも適用することができる。
また、発酵槽端側の底部は深底にしておき、この空間を利用して無限軌道の反転を行うのが望ましい。この空間により無限軌道を底部に接触させることなく反転させることができ、さらに、原料を無限軌道の下方を通して移動させる際にも、移動路として機能する。なお、端側底部は、上記深底に加えて、さらに無限軌道の反転に沿った断面円弧状の形状とするのが望ましく、これにより無限軌道の回転移動が円滑になされる。
【0008】
また、上記したスクープ式撹拌装置は、発酵槽の長手方向に沿って移動するものであるが、その駆動機構が特に限定されるものではなく、例えば、撹拌装置内に駆動装置を設けた自走式のものや、撹拌装置の外部に駆動装置を設置して、この駆動力を伝達することにより移動するものであってもよい。
また、撹拌装置における無限軌道は、回転移動方向、回転方向の変更を可能とする必要があり、さらに回転移動速度や回転速度を変更可能とするのが望ましい。
なお、無限軌道の反転時に行う無限軌道の回転は、無限軌道が所定の傾斜角度に至るまでの間に行うが、その間、上記回転を終始行っている必要はなく、その間の適宜時期に回転させるものであってもよく、断続的に回転させるものであってもよい。また、上記回転以外の時期には、無限軌道の回転を停止させておく他に、上記回転と逆の方向に回転させるものであってもよい。要は、従来行っている反転時の回転と逆方向の回転が上記の間に一時的にも行われるものであればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を説明するが、その説明に先立って実施形態に使用される発酵処理装置について添付図面に基づき説明する。
発酵槽1は、水平横置形状であって、その両端部内面は、長手方向に沿った断面で円弧内面形状からなり、端側の底部2a、2cは、他場所の底部2bよりも深底になっている。
また、発酵槽1内部には、長手方向に沿ってレール1aが配置されており、該レール1a上にスクープ式撹拌装置3が移動可能に配置されている。
上記スクープ式撹拌装置3は、移動台車4から無限軌道である周回ベルト30bを吊り下げた構成からなる。
上記移動台車4は、その下面の一方側(図示右方)2隅に、車輪6、6が軸止され、他方側2隅には車輪7、7が軸止されており、車輪6、6の車軸にはスプロケット6a、6aが固定されている。これら車輪6…7は上記レール1a上に乗っており、移動台車4はこれによりレール1a上を移動することができる。
また移動台車4上には移動台車駆動用モータ10が設置されており、該モータ10で駆動される回転軸にスプロケット10aが固定されている。このスプロケット10aと上記したスプロケット6aとの間にチェーン11が掛け渡されており、これら運動機構によりモータ10の駆動力が車輪6に伝達される。
【0010】
なお、周回ベルト30bには、多数のスクープ30aが固定されており、該ベルト30bは上下端のロール12、13間に掛け渡されており、両ロールは共通する支持枠14に回転可能に取り付けられており、これら構成によりスクープ装置30が構成されている。
また、上記ロール12の回転軸は、移動台車4から垂下した吊り下げ材(図示しない)に回転自在に取り付けることによってスクープ装置30が移動台車4に吊り下げられている。なお、移動台車4上にはスクープ回転用モータ16が設置されており、該モータ16の駆動軸にスプロケット16aが固定されている。一方、ロール12の回転軸にはスプロケット12aが固定されており、該スプロケット12aと上記16aとの間にチェーン17が掛け渡されている。
これら運動機構によりモータ16の駆動力が伝達されてロール12、すなわち周回ベルト30bが回転する。
【0011】
さらに、移動台車4上にはスクープ装置傾斜角度変更用モータ20が固定されており、該モータ20の駆動軸にスプロケット20aが固定されている。また、スクープ装置3の支持枠14の上端側には傾斜角度変更用スプロケット14aが固定されており、該スプロケット14aと上記スプロケット20aとの間にチェーン21が掛け渡されている。これら運動機構により、上記傾斜角度変更用モータ20の駆動力が支持枠14に伝達されてスクープ装置30の傾斜角度および傾斜方向が変更される。
【0012】
次に上記装置を用いた撹拌方法について説明する。
水分、粒度などの調整がなされた有機質材料5は発酵槽1内に搬入され、スクープ式撹拌装置3によって撹拌される(図1(A))。この撹拌、移送に際しては、スクープ装置傾斜角度変更用モータ20の作動により、順次、スプロケット20a、チェーン21、傾斜角度変更用スプロケット15を回転させ、スクープ装置30の下部を進行方向側(図1右方)、上部を反対方向側に位置させて水平方向に対し所定角度で傾斜した状態にする。なお、所定の傾斜角度は適宜選定することができる。さらに、スクープ回転用モータ16を作動させ、スプロケット16a、チェーン17、スプロケット12aを介して周回ベルト30bを反時計方向(図2)に回転させる。そして、スクープ移動用モータ10の作動により、スプロケット10a、チェーン11、スプロケット6aを介して車輪6を回転させ、移動台車4、すなわちスクープ式撹拌装置3を前方(図1右方)に移動させる。これにより、スクープ装置30は順次、前方底部2b上にある有機質材料5をスクープ30aで掻き上げ、最後にはスクープ装置30の上部から後方へと落下させて有機質材料5の撹拌と移送とを行う。
【0013】
なお、撹拌装置が発酵槽1の端部に達したならば、移動台車4の移動を止め、傾斜角度変更用モータ20によって周回ベルト30bの傾斜角が小さくなるように周回ベルト30bを回転移動させて発酵槽1端部に残っている有機質材料5を回転するスクープ30aによって漏れなく掻き上げる(図1(B))。次いで、傾斜角度変更用モータ20を逆転させて周回ベルト30bを反転させる。この際には、周回ベルト30bをそのまま回転させておく。但し、スクープに対する負荷が従来法と同程度になるような最適反転速度と撹拌回転数により行うのが望ましい。
上記反転を行うと、周回ベルト30bが回転移動するに連れて回転するスクープ30aに有機質材料5が触れ、直前方の有機質材料5が、その回転に従ってスクープ装置30と底部2cとの間の空間を通して図示右方に移動する。上記周回ベルト30bの回転は、周回ベルト30bが所定の傾斜角度に達するまで終始行ってもよいが、スクープ装置30の直前方の有機質材料5が十分に排除されたならば、所定の傾斜角度に達するまでに上記回転を止めてもよい。
【0014】
周回ベルト30bが所定の傾斜角度に達した後は、上記とは逆に周回ベルト30bを図示時計回りに回転させ、有機質材料5を掻き上げながら撹拌装置3を図示左方に移動させる。撹拌装置3が図示左方の発酵槽1端部に達した後は、上記と同様に、周回ベルト30bの下方、すなわち周回ベルト30bと底部2aとの間の空間を通して有機質材料5を移動させるようにして周回ベルト30bを反転させる。
上記の繰り返しにより撹拌装置3を往復動させながら有機質材料5の撹拌、移送を行うことができる。そして、撹拌装置3を反転させる際にも、大きな待避スペースを必要とすることがなく有機質材料5が発酵槽1からあふれるという問題も生じない。
したがって、発酵槽内には発酵槽の容積に見合った量の有機質材料を収容することができ、優れた容積効率を得ることができる。
なお、上記実施形態では、発酵槽の端側でのみ撹拌装置を反転させる場合について説明したが、本発明の方法は、発酵槽の中程の任意の位置で撹拌装置を反転させる場合にも実行することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるべく、無限軌道の傾斜方向を変えて所定の傾斜角度に至るまで無限軌道を回転移動させる間に、傾斜方向を変更した後の無限軌道の予定回転方向と逆の方向に無限軌道を回転させて原料の一部を無限軌道の下方を通して移動させるので、撹拌装置の反転に際し有機質材料が発酵槽からあふれる問題が回避され、よって発酵槽内に効率よく有機質材料を収容することができる。
また、発酵槽の端側底部を他場所の底部よりも深底にしておき、該端側底部上で無限軌道の傾斜方向を変えてスクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるものとすれば、無限軌道の反転時に、無限軌道の下方を通した有機質材料の移動を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による発酵槽内部の撹拌過程を示す概略図である。
【図2】 同じく実施形態に使用されるスクープ式撹拌装置の拡大図である。
【図3】 従来方法による発酵槽内部の撹拌過程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 発酵槽
1a レール
2a 底部
2b 底部
2c 底部
3 スクープ式撹拌装置
4 移動台車
5 有機質材料
10 移動台車駆動用モータ
16 スクープ回転用モータ
20 傾斜角度変更用モータ
30 スクープ装置
30a スクープ
30b 周回ベルト
Claims (2)
- 原料を収容した発酵槽内に、スクープが設けられた無限軌道を回転可能に保持して発酵槽の長手方向に沿って移動するスクープ式撹拌装置を設置し、前記無限軌道を傾斜させた状態で回転させながら該スクープ式撹拌装置を移動させて前記原料を無限軌道の上方を通過させるように撹拌する発酵槽内原料の攪拌方法において、前記スクープ式撹拌装置の移動方向を反転させるべく、無限軌道の傾斜方向を変えて所定の傾斜角度に至るまで無限軌道を回転移動させる間に、傾斜方向を変更した後の無限軌道の予定回転方向と逆の方向に無限軌道を回転させて原料の一部を無限軌道の下方を通して移動させることを特徴とする発酵槽内原料の撹拌方法
- 発酵槽の端側底部を他場所の底部よりも深底にしておき、該端側底部上で無限軌道の傾斜方向を変えてスクープ式撹拌装置の移動方向を反転させることを特徴とする請求項1記載の発酵槽内原料の撹拌方法
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- 1997-10-17 JP JP30367697A patent/JP3685605B2/ja not_active Expired - Fee Related
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