JP3684733B2 - 車両用空調装置の圧縮機制御装置 - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す第1実施形態について説明する。
図1は、本発明装置の全体システム構成を示すもので、先ず車両用空調装置の冷凍サイクル装置100について述べると、圧縮機1は電磁クラッチ1aを介して走行用エンジン2(以下、エンジン2)によりベルト駆動されるようになっている。そして、圧縮機1は、周知の如く冷媒を圧縮して吐出するものであって、圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒ガスは凝縮器3において、図示しない冷却ファンにより送風される冷却空気と熱交換して冷却され、凝縮する。
この凝縮した液冷媒は、レシーバー4に溜められ、ここで冷媒の気液が分離され、液冷媒のみが温度作動式自動膨張弁5において減圧され、気液2相状態となり、次いで蒸発器6において冷媒は空調空気から吸熱して蒸発する。この空調空気は、蒸発器6にて冷却され、冷風となり、車室内へ吹き出し、車室内を冷房する。
蒸発器6は、車両用空調装置の通風路7を形成するダクト8内に設置され、空調用送風機9により送風される送風空気(車室内空気または車室外空気)を冷却する。なお、送風機9は図作成上便宜のため、軸流ファンを図示しているが、実際は遠心ファンである。また、蒸発器6で蒸発したガス冷媒は、圧縮機1に還流して再度圧縮される。
蒸発器6の空気直下流側近傍には、サーミスタ等の温度センサ10が配置されており、蒸発器6の吹出温度直後の空気温度Teを検出するようになっている。この温度センサ10は、蒸発器6の冷却度合いを検出する検出手段としての役割を果たすもので、蒸発器6に冷却度合いは、吹出直後の空気温度Teの他に、蒸発器フィン表面温度、蒸発器冷媒配管温度等を検出しても良い。
さらに蒸発器6の空気下流側には、通過する空気を加熱する加熱用熱交換器であるヒータコア(図示しない)が配置されている。そして、蒸発器6にて冷却された冷風と、上記ヒータコアとを通過する空気との割合を調整する周知のエアミックスドア(図示しない)が設けられている。なお、上記ヒータコアは、上記エンジン1の冷却水回路中に設けられ、エンジン冷却水を熱源とするものである。11は、エンジン2の回転数を検出するセンサで、この回転数センサ11は本実施形態ではエンジン2の回転数と上記圧縮機1との回転数とが一緒なので、エンジン2および圧縮機1の回転数を検出している。
12は電子制御装置(ECU)で、圧縮機1を断続制御(作動停止制御)するため、電磁クラッチ1aへの通電を断続するものである。この電子制御装置12には、後述の作動説明おいて詳述する加速判定手段13、圧縮機1の断続作動の設定温度変更手段14、蒸発器6の吹出直後の空気温度Teが設定温度より高いか否かの判定を行う温度判定手段15等を備えている。
電子制御装置12には、図示しないイグニッションスイッチがオンされることで、車載バッテリから電源が供給されるようになっている。さらに電子制御装置12には、入力端子として上記回転数センサ11および空調操作パネル16が電気的に接続されている。そして、空調操作パネル16には、手動操作にて各空調状態を切り換えるスイッチ、レバーが設けられている。
つまり、本実施形態では、各空調状態を手動にて操作設定するマニュアルタイプのものである。そして、上記空調操作パネルには、上記送風機9を駆動するとともに、上記送風機9の送風量を設定する送風機スイッチ17、周知の吹出モードを変更する吹出モードスイッチ18、上記圧縮機1を作動停止させるエアコンスイッチ(A/C)19、上記エアミックスドアの開度、つまり空調風の温度を調整する温度調節レバー20が設けられている。また、上記送風機スイッチ17により、送風機9の送風状態がOFF、Lo、Midiam、Hiが設定可能になる。
そして、本実施形態では上記イグニッションスイッチがオンされた状態で、上記エアコンスイッチ19がオンされ、さらに送風機スイッチ17の設定位置がOFF以外であると、圧縮機1は、温度センサ10の検出温が後述の作動温度(TEon)より高くなると作動され、後述の停止温度(TEoff )より低くなると停止される。なお、これら温度センサ10の検出温と、作動温度(TEon)および停止温度(TEoff )の判定は、上記温度判定手段にて15行われる。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。なお、本実施形態ではエアコンスイッチがオンされると、上記回転数センサ11が常時エンジン2(圧縮機1)の回転数を検出するようになっている。
図2は、電子制御装置12による制御内容を示すフローチャートで、上記エアコンスイッチの投入により制御ルーチンが起動する。
先ず、ステップS10では、上記加速判定手段にて、回転数センサ11が検出する回転数Neが5000rpm以上か否かを判定する。ここで、車両を加速させる際には、車両の運転者は図示しないアクセルペダルを踏み込み、これに伴ってエンジン1の回転数が上昇する。つまり、このステップS10では、エンジン1の回転数が5000rpm以上となると、車両を加速させる条件(第1加速条件)としてステップS20に進んで、圧縮機1を電磁クラッチ1aを介して停止させる。これにより、エンジン2の負荷が低減されて、加速性能が向上する。
一方、エンジン2の回転数が5000rpmより低いときには、ステップS30に進む。ステップS30では、このステップSに進む以前の所定時間T1(本実施形態では5分)以内に、温度センサ10の検出温度TEが予め設定された作動温度(TEon)より高くなって圧縮機1を作動(ON)したのち、予め設定された停止温度(TEoff )より低くなって圧縮機を停止(OFF)したか否かが判定される。
ここで、本実施形態では、上記設定温度変更手段14により、設定温度である作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とは、図3に示すようにエンジン2の回転数Neが高くなるほど、高くなるように設定される。
具体的には、図3に示すように回転数Neが3000rpmまでは、作動温度(TEon)は4℃一定で、停止温度(TEoff )は3℃一定とする。回転数Neが3000rpm〜4000rpmの間は、作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とは共に同じ割合で、高くなるように設定される。さらに回転数Neが4000rpmより高くなると、作動温度(TEon)は5℃一定で、停止温度(TEoff )は4℃一定に設定される。なお、この作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とは、圧縮機1がハンチングを起こさないように周知のごとくヒステリシスを持たせてある。また、上記停止温度(TEoff )の最低温度3℃は、蒸発器6がフロストしない最低温度に設定されている。
そして、上記ステップS30では、図3において作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とが最も低く、作動温度(TEon)4℃、停止温度(TEoff )3℃に設定されているときに、所定時間T1以内に圧縮機1が作動(ON)から停止(OFF)となったか否か、もしくは所定時間T1中に常時圧縮機1が停止していたか否かが判定される。
ここで、このステップS30での機能は、以下のようなものである。
例えば外気温が高い夏場において車室内を急速に冷却するクールダウン時は冷房負荷を大きく、蒸発器6を通過する風量も多いので車室内が十分冷却されるまで、蒸発器6を通過した直後の空気温度は4℃より高く3℃より低くならない。
従って、ステップS30では 冷房負荷が所定値より小さいか否かを判定する手段を構成しており、このステップS30での判定結果は、夏場のクールダウン時においてはNOとなって、ステップS40に進んで、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とを共に最低温度の3℃、4℃とする。これにより、クールダウン時に蒸発器6での冷却能力を確保できる。
また、例えば蒸発器6を通過する空気が外気であって、春や秋等の中間期では、蒸発器6を通過した直後の空気温度は、3℃より低くなって、頻繁に圧縮機1は作動と停止を繰り返す。さらに外気が低い冬季においては、それほど蒸発器6の冷却能力(除湿能力)が必要でなく、圧縮機1は長時間停止状態ということもある。
従って、この場合ステップS30では、所定時間T1中に常時圧縮機1が停止状態と判定されて、ステップS50に進む。
続いて、ステップS50では、エンジン2の回転数Neが4000rpm以上か否かを判定する。ここで、車両を加速させる際には、上述したように車両の運転者は図示しないアクセルペダルを踏み込み、これに伴ってエンジン1の回転数が上昇する。そして、上記ステップS10ではエンジン1の回転数が5000rpm以上となると、車両を加速させる第1加速条件としてステップS20に進んで、圧縮機1を電磁クラッチ1aを介して停止させた。
つまり、このステップS50での機能は、上記第1加速条件より緩く車両を加速させる第2加速条件として、エンジン2の回転数Neが4000rpm以上か否かを判定している。
ステップS50での判定結果がNOの場合、つまり車両をそれほど加速させないときにはステップS90に進む。そして、ステップS90では図3に示す特性図からエンジン2の回転数Neに応じて作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とが設定される。
なお、ステップS90では、上記ステップS20の判定結果がYESで、ステップS50の判定結果がNOであるので、エンジン2の回転数Neは、4000rpmより低い。従って、この場合は作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とは、図3においてエンジン2の回転数Neが4000rpmより低い範囲にて設定される。
一方、ステップS50の判定結果がYESの場合、つまり上記ステップS10の判定結果がNOであったのでエンジン2の回転数Neが4000rpm以上で5000rpmより低いときでは、ステップS60に進む。
ステップS60では、作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とは図3に基づいて設定されるのであるが、ここで、エンジン2の回転数Neが4000rpm以上で5000rpmより低い。従って、エンジンの回転数Neが4000rpmり低い場合より、作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )は高めに設定され、図3に示すように作動温度(TEon)は5℃で、停止温度(TEoff )は4℃となる。
これにより、上記第1加速条件より緩く車両を加速させる第2加速条件時には、作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とがともに高めに設定されるので、圧縮機1が停止しやすくなって、車両の加速性能を向上できるとともに、燃費も向上できる。これに加え、作動温度(TEon)と停止温度(TEoff )とを若干ながら高めるので、ある程度の冷房能力(除湿能力)を確保できる。
続いて、ステップS70に進み、ステップS70ではエンジン2の回転数Neが4000rpm以上で5000rpmより低い状態が、所定時間T2(本実施形態では5秒)経過したか否かが判定される。また、ここで所定時間T2は、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とが、それぞれ4℃、5℃となってからの時間である。
そして、ステップS70での判定結果がYESの場合は、ステップS90に進み、現在のエンジン2の回転数Neに基づいて図3から停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とが設定される。
一方、ステップS60にて停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とが、それぞれ4℃、5℃に設定された直後では、ステップS70での判定結果はNOとなり、ステップS100に進む。そして、ステップS100では、現在のエンジン2の回転数Neが5000rpm以上か否かを判定し、この判定結果がYESの場合は、ステップS20に進んで、圧縮機2を停止させる。
また、ステップS100の判定結果がNOの場合は、ステップS110に進んで、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とをステップS60にて設定された値で、ホールドする。つまり、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とは、それぞれ4℃、5℃とし、ステップS70に戻る。
このようにすることで、エンジン2の回転数Neが、一旦4000rpm以上で5000rpmより低くなると、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)と最高の4℃、5℃とし、この後、所定時間T2経過しないと、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とは変更されないようになる。
つまり、短時間に停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とが4℃、5℃から、元の3℃、4℃に戻るように変更されると、蒸発器6を通過した直後の空気温度が変動する。これにより、本実施形態では上述したマニュアルタイプのものであるので、車室内に吹き出される空調風の温度も変動し、乗員に不快感を与えるという問題がある。そこで、本実施形態では、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とは、所定時間T2経過するまで4℃、5℃にホールドされるので、上記問題を解決することができる。
また、本実施形態では、回転数センサ11として、既存のエンジン2の回転数Neを検出するセンサを用い、さらにタイマー機能を既存の電子制御装置内に組み込めば、システムを複雑化せずに安価に実施することができる。
ところで、本実施形態では以下に述べるような効果を有する。本実施形態では、図3に示すようにエンジン2の回転数Neが3000rpm以上で、4000rpmより低いときには、エンジン2の回転数Ne、つまり圧縮機1の回転数が高くなるほど、停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とはリニアに高くなるように設定される。従って、圧縮機1の回転数が高くなるほど、温度センサ10の検出温に応じて圧縮機1は停止されやすくなる。
ここで、一般的な車両用空調装置の圧縮機1は、図4に示すように実使用での稼働回転数頻度(ここでは4000rpm以下)を考慮し、低中回転域で最高効率となるように設計されている。従って、本実施形態では圧縮機1が、図4に示すように圧縮機効率が低い高回転数になるほど、停止されやすくなるので、効率良く圧縮機1を作動させることができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、上記第1実施形態における図3のフローチャートの内容だけが若干異なるものである。図5に本実施形態におけるフローチャートを示す。なお、本実施形態におけるフローチャートは、上記第1実施形態におけるステップS30、40を無くしたものである。本発明はこのようなものでも良い。なお、本実施形態における説明は、上記第1実施形態にて明らかであるので、説明は省略する。
(第3実施形態)
本実施形態は、上記第1実施形態における図3のフローチャートの内容だけが若干異なるものである。図6に本実施形態におけるフローチャートを示す。なお、本実施形態におけるフローチャートは、上記第1実施形態におけるステップS70、100、110を無くしたものである。本発明はこのようなものでも良い。なお、本実施形態における説明は、上記第1実施形態にて明らかであるので、説明は省略する。
(第4実施形態)
本実施形態は、上記第1実施形態における図3のフローチャートの内容だけが若干異なるものである。図7に本実施形態におけるフローチャートを示す。なお、本実施形態におけるフローチャートは、上記第1実施形態におけるステップS30、40、70、100、110を無くしたものである。本発明はこのようなものでも良い。なお、本実施形態における説明は、上記第1実施形態にて明らかであるので、説明は省略する。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、車両用空調装置をマニュアルタイプのものとし、特に空調風の温度を温度調整レバー20にて調整するものであった。しかし、本発明は内気温や、外気温等に基づいて自動的に空調風の温度を調整するものに適用しても良い。
また、上記実施形態では、車両の加速条件としてエンジン2の回転数Neを用いたが、図示しないアクセルの開度を用いても良い。さらに、エンジン2の回転数Neと図示しないアクセルの開度との2つを組み合わし、加速条件として、少なくともエンジン2の回転数Neと、図示しないアクセルの開度とのどちらか一方を用いても良い。さらにエンジン2の回転数の変化率を加速条件としても良い。
また、上記各実施形態では図3に示すような特性図から停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とを設定したが、本発明はこれに限られるものでは無い。例えば、本発明では図8に示すようにエンジン2の回転数Neが、3000〜4000rpmの間で、作動温度(TEon)の方が停止温度(TEoff )より増加温度が大きくなるようにしても良い。また、図9に示すようにエンジン2の回転数Neに対し作動温度(TEon)を一定とするようにしても良い。さらに、図10に示すようにエンジン2の回転数Neに対し作動温度(TEon)を一定とし、エンジン2の回転数Neが4000rpm以上である停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)とを同じ4℃としても良い。
また、上記各実施形態にて述べた数値は限定されるものでなく、例えばエンジン2の回転数Neに対する停止温度(TEoff )と作動温度(TEon)との設定は、車両エンジンの排気量等に応じて可変すれば良い。
また、上記各実施形態では圧縮機1の回転数を検出するためにエンジン2の回転数を検出する回転数センサ11を使用したが、圧縮機1専用の回転数センサを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜4実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】上記第1実施形態における圧縮機1の作動を表すフローチャートである。
【図3】上記第1実施形態におけるエンジン2の回転数Neと設定温度との関係を示す図である。
【図4】本発明の各実施形態における圧縮機の回転数(Ne)と圧縮機効率との関係を表す図である。
【図5】上記第2実施形態における圧縮機1の作動を表すフローチャートである。
【図6】上記第3実施形態における圧縮機1の作動を表すフローチャートである。
【図7】上記第4実施形態における圧縮機1の作動を表すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態におけるエンジン2の回転数Neと設定温度との関係を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態におけるエンジン2の回転数Neと設定温度との関係を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態におけるエンジン2の回転数Neと設定温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、1a…電磁クラッチ、2…エンジン、6…蒸発器
11…回転数センサ、12…電子制御装置。
Claims (7)
- 車両の走行用エンジン(2)により駆動され、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(1)と、この圧縮機(1)を含む冷凍サイクル装置(100)の蒸発器(6)の空気下流側近傍の温度が、所定の作動温度(TEon)より高くなると前記圧縮機(1)を作動し、所定の停止温度(TEoff )より低くなると前記圧縮機(1)を停止させる圧縮機制御手段(1a、12)とを有する車両用空調装置の圧縮機制御装置であって、
前記圧縮機制御手段(1a、12)は、
前記車両を加速させる第1加速条件時に前記圧縮機(1)を停止させ、前記第1加速条件より緩く前記車両を加速させる第2加速条件時には、前記停止温度(TEoff )を高めに設定することを特徴とする車両用空調装置の圧縮機制御装置。 - 前記停止温度(TEoff )を高めに設定されたのち、前記車両の加速させる条件に係わらず所定時間(T2)中は、前記停止温度(TEoff )が高めに設定された状態を保持することを特徴とする請求項1の車両用空調装置の圧縮機制御装置。
- 車室内の冷房負荷の大きさを検出する冷房負荷検出手段(S30)を有し、
前記冷房負荷検出手段(S30)が検出する前記冷房負荷が所定値より小さいときに前記停止温度(TEoff )を高めに設定することを特徴とする請求項1または2記載の車両用空調装置の圧縮機制御装置。 - 前記冷房負荷が所定値より小さいときとは、所定時間(T1)内に前記蒸発器(6)の下流側近傍の温度が、前記作動温度(TEon)から前記停止温度(TEoff )となったときであることを特徴とする請求項3記載の車両用空調装置の圧縮機制御装置。
- 前記圧縮機(1)の回転数(Ne)に相当する物理量を検出する回転数検出手段(11)を有し、
この回転数検出手段(11)が検出する前記物理量が大きくなるほど、前記停止温度(TEoff )を高めに設定することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つに記載の車両用空調装置の圧縮機制御装置。 - 前記圧縮機制御手段(1a、12)は、前記停止温度(TEoff )を高めに設定するとともに、前記作動温度(TEon)も高めに設定することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つに記載の車両用空調装置の圧縮機制御装置。
- 前記車両用空調装置は、空調風の温度を手動にて操作することで調整するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つに記載の車両用空調装置の圧縮機制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の圧縮機制御装置に関するもので、特に車両の加速性能および車両の燃費を向上させるものに関する。
【従来の技術】
従来、車両用空調装置の圧縮機は、エンジンにて駆動されるようになっている。そして、このような圧縮機が駆動されている際は、エンジンに負荷がかかって、走行のためのエンジン性能を低下させる要因となる。そして、特に車両が加速する状態を判定するための条件として、例えばエンジン回転数が所定値より高くなると車両用空調装置の圧縮機の作動を停止して、エンジンの負荷を低減することで、車両の加速性能を向上させているものが公知である(一般的に加速カットと呼ばれる)。
そして、近年、例えば低排気量車等では、エンジン自体の性能から加速性能が大排気量車に比べて劣り、まだまだ加速性能が悪く、さらなる加速能力を向上させたいという要望が強い。
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は上述したようにさらなる加速性能を向上させるために、上述の加速カットを早める、つまり加速する状態を判定する条件をさらに下げることで、ゆるやかな加速においても圧縮機を停止させるものを検討した。
しかしながら、このように行うと頻繁に圧縮機が停止してしまうことで、車両用空調装置の冷凍サイクルが停止して冷房能力が著しく低下するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
ところで、上記圧縮機を含む冷凍サイクルには、車室内を冷却するための蒸発器が設けられている。そして、この蒸発器の直下流側には、温度センサが設置されており、圧縮機は、例えばこの温度センサが検出する温度が、停止温度として3℃(停止温度)より低いと停止され、作動温度として4℃より高くなると作動するように制御されている。
そこで、本発明者は、車両加速時において上記停止温度を上げると、圧縮機を停止しやすくすることで、車両の加速性能を向上させることができるとともに、冷房能力をある程度確保できるという点に着目した。
つまり、本発明では、車両の加速する第1加速条件のときには、上述したように圧縮機を停止させ、この第1条件より緩い加速時である第2加速条件のときには、圧縮機の上記停止温度を上げることで、車両の加速性能を向上させるとともに、冷房能力を確保することを目的とする。
そこで、本発明は、請求項1ないし7記載の発明では、
圧縮機制御手段(1a、12)は、
車両を加速させる第1加速条件時に圧縮機(1)を停止させ、第1加速条件より緩く前記車両を加速させる第2加速条件時には、停止温度(TEoff )を高めに設定することを特徴としている。
これにより、車両を加速させる第1加速条件には圧縮機1を停止させる。これにより、走行用エンジンの負荷が低減されて、加速性能が向上する。これに加え上記第1加速条件より緩く車両を加速させる第2加速条件時には、停止温度が高めに設定されるので、圧縮機が停止しやすくなって、車両の加速性能を向上できるとともに、ある程度の冷房能力(除湿能力)を確保できる。
また、特に請求項2記載の発明では、圧縮機制御手段(1a、12)は、停止温度(TEoff )を高めに設定されたのち、車両の加速させる条件に係わらず所定時間(T2)中は、停止温度(TEoff )を高めに設定された状態を保持することを特徴としている。
これにより、例えば短時間に停止温度が高められたのち、停止温度が元に戻ると、蒸発器6を通過した直後の温度が頻繁に変動してしまう不具合があるが、一旦停止温度が高められた後、所定時間経過するまでは停止温度が高められた状態が保持されるので、上記のような不具合は未然に防止できる。
また、特に請求項3記載の発明では、車室内の冷房負荷の大きさを検出する冷房負荷検出手段(S30)を有し、冷房負荷検出手段(S30)が検出する冷房負荷が所定値より小さいときに停止温度(TEoff )を高めに設定することを特徴としている。
これにより、冷房負荷が所定値より小さいときのみに停止温度を高めに設定するので、冷房負荷が所定値より大きいときの冷却能力を確保できる。
また、特に請求項5記載の発明では、圧縮機(1)の回転数(Ne)に相当する物理量を検出する回転数検出手段(11)を有し、この回転数検出手段(11)が検出する前記物理量が大きくなるほど、停止温度(TEoff )を高めに設定することを特徴としている。
これにより、一般的な車両用空調装置の圧縮機は、図4に示すように実使用での稼働回転数頻度を考慮し、低中回転域で最高効率となるように設計されていることに着目し、本発明では図4に示すように圧縮機効率が低い高回転数になるほど、圧縮機は停止されやすくなるので、効率良く圧縮機を作動させることができる。
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