JP3682845B2 - 排気ガス浄化システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関や燃焼器等から排出される排気ガスを浄化するシステムに係り、特に、リーンバーン内燃機関からの排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を高効率で浄化する排気ガス浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の内燃機関から排出される排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素類(HC)及び窒素酸化物(NOx)等を浄化する触媒やシステムとしては、理論空燃比で働く三元触媒やそれを用いた排気浄化システムが知られている。
また、内燃機関の排気ガスが酸素過剰のときのように、窒素酸化物の浄化が三元触媒では不可能な場合の窒素酸化物の浄化方法としては、特許掲載第2600429号公報に示されているように、排気ガスが酸素過剰の時にNOxを吸収させ、吸収させたNOxをNOx吸収剤に流入する排気ガス中の酸素濃度を低下させて放出させ、浄化処理するという浄化システムが用いられている。
【0003】
しかし、かかる三元触媒を用いた排気浄化システムや特許掲載第2600429号公報に記載されているような浄化システムでは、吸収させたNOxを脱離して浄化する際に、還元剤としてHCやCOを用いており、これら従来技術では、NOxを反応浄化させるためにはHCやCOをNOx浄化触媒に供給する必要がある。このため、NOx浄化触媒には、HCやCOの一部が残ってしまうことがあり、より高いレベルで排気ガスを浄化することが困難であった。
また、消費されなかったHCやCOを浄化する方法として、NOx触媒上で同時に酸化反応させる方法やNOx浄化触媒の後段に三元触媒を配置する方法が採用されているが、NOx浄化触媒やその後段の三元触媒が排気流路のエンジンから離れた位置に配置されるため排気ガスの排気温度が低下してしまい、十分なHCやCO、NOx浄化性能が得られない。特にエンジン始動直後に排出されるHCやCO成分浄化が困難であるという問題もあった。
【0004】
一方、特開平6−126174号公報及び特開平8−10574号公報には、NOx浄化に利用する還元剤として、水素を用いる排気ガス浄化触媒等が開示されている。
具体的には、特開平6−126174号公報では、希土類金属、貴金属及び水素からなる水素貯蔵活性を備えた合金(Mn−Pd系、Ce−Ru系、Ce−Pd系、La−Ru系及びLa−Pd系合金)を用いて、排気ガスの熱によりかかる合金が加熱される際に、排出される水素とNOxとを選択的に反応させる排気ガス浄化用触媒が開示されている。
【0005】
また、特開平8−10574号公報では、酸素過剰の排気ガスであって水素が共存する排気ガスを、多孔質担体貴金属及びモリブデンを含んだ窒素酸化物浄化触媒によって、90℃〜250℃の範囲でNOxを反応除去する窒素酸化物浄化方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる水素を用いる触媒等では、以下のような課題があった。
即ち、特開平6−1216174号公報に開示されている触媒では、水素吸蔵合金に吸蔵された水素を用いて、酸素過剰状態(リーン域)の還元性ガスを含まない排気ガス中で、水素吸蔵合金自体のNOx浄化機能によりNOxを浄化するため、十分な触媒性能が得られないという課題があった。
【0007】
また、特開平8−10574号公報に開示されている方法では、水素を還元剤として作用させるには、ガス通路を250℃以下にしなければ窒素酸化物を有効に還元できないが、実際の排気ガス浄化では、暖気後はガス通路の温度が300℃以上となる領域が殆どであるため、従来システムではNOxを有効に還元することが不充分であるという課題があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン始動時でも、優れたHC・CO浄化能を有し、暖気後も優れたNOx浄化能を発揮し、酸素過剰走行による燃費向上効果を十分に享受し得る排気ガス浄化システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化触媒、水素吸脱着部及びNOx浄化触媒を順次配置すること、及び上記水素吸脱着部に適度なタイミングでH2を放出できる吸脱着制御手段を設けることにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関又は燃焼装置の排気通路の上流側から、少なくとも炭化水素類及び一酸化炭素を酸化処理する酸化触媒、水素を吸着する水素吸着材を有する水素吸脱着部、及び少なくとも水素を還元剤として窒素酸化物を還元処理するNOx浄化触媒を順次配置して成る排気ガス浄化システムであって、
上記水素吸脱着部が水素の吸脱着制御手段を備え、この吸脱着制御手段により、上記水素吸着材に吸着した水素を、空燃比A/Fがストイキ〜リッチであるときであって且つその際の排気ガスに含まれる還元剤がNOx浄化のための量論比以下のときに放出して、上記NOx浄化触媒における排気ガスの水素濃度を増大する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の排気ガス浄化システムの好適形態は、上記吸脱着制御手段が、上記排気通路に対するバイパス通路とこれを遮断・開放する弁、及び/又はヒータを備えることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の排気ガス浄化システムの他の好適形態は、上記水素吸着材が、水素吸蔵合金及び/又はカーボンナノチューブであることを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明の排気ガス浄化システムの更に他の好適形態は、上記NOx浄化触媒が、セシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ランタン及びカルシウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素とを含む、NOx吸蔵/吸着型三元触媒であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の排気ガス浄化システムの他の好適形態は、上記NOx浄化触媒が、銅、コバルト、ニッケル、鉄、ガリウム、ランタン、セリウム、亜鉛、チタン、カルシウム、バリウム及び銀から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素、及び/又は白金、イリジウム、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含むゼオライト若しくはアルミナを含有する、NOx選択還元触媒であることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明の排気ガス浄化システムの更に他の好適形態は、上記NOx浄化触媒が、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素と、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジム及びサマリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の希土類元素、ジルコニウム並びにバリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種のものとを含有する、三元触媒であることを特徴とする。
【0016】
【作用】
本発明においては、排気ガスの上流側に少なくともHC、COを酸化処理する酸化触媒を配置して排気ガス中のHC、CO成分を浄化した後、その下流側に配置されたNOx浄化触媒でNOxを浄化するようにした。
また、NOxを浄化する際の還元剤成分として主としてH2を用いることとし、そのH2として水素吸着材に吸着させたH2を用いることとした。
更に、水素吸着材に吸着されたH2を、空燃比A/Fがストイキ〜リッチであるときであって且つその際の排気ガスに含まれる還元剤がNOx浄化のための量論比以下のときに、下流側のNOx浄化触媒に放出するように制御し、効率的に排気ガスの水素濃度を増大することとした。
このように、本発明の排気ガス浄化システムでは、下流側のNOx浄化触媒がNOx浄化の際の還元剤としてH2を用いることにより、より高いレベルの排気ガス浄化を行うことができる。
【0017】
ここで、排気ガスに含まれる主な還元成分としては、HC、CO及びH2が知られており、特許掲載第2600429号公報に記載の手法では、リーン域においてNOxを吸収し、理論空燃比又は燃料過剰領域においてNOxを放出させ還元剤により還元浄化する場合の還元剤として、主にHCが用いられている。また、リーン域でNOxを還元浄化する触媒においても、還元剤としては主にHCが用いられている。
【0018】
しかしながら、大気環境保全の意味から、昨今、内燃機関から排出される排出ガス成分をよりいっそう浄化することが必要とされている。そのために、内燃機関の改良や排気ガス浄化用触媒の改良が進められているが、HC、COの還元成分をあまり減らしてしまうと、NOx浄化を行う還元成分が無くなり、充分なNOx浄化が行えない。そこで、HC、COをある程度排気ガス中に残した状態でNOx浄化触媒に排出する必要があるが、NOxと反応せずに残ったHC、COを浄化することが充分に行えず、より高いレベルの排気ガス浄化を行うことが困難であった。これに対し、本発明では上述の如くH2を還元剤とするため、このような問題も回避され得る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化システムについて、詳細に説明する。
上述の如く、本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関又は燃焼装置の排気通路の上流側から、酸化触媒、水素吸脱着部及びNOx浄化触媒を順次配置して成る。
【0020】
ここで、上記酸化触媒としては、少なくとも炭化水素類(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化処理できるものであれば使用できるが、例えば、Pt、Rh又はPd及びこれらの任意の組合せに係る元素を含む三元触媒を用いることが好ましい。この場合には、HC・COを浄化し、H2を効率良く生成することに加えて、NOxも同時に浄化できるからである。なお、上記三元触媒以外の酸化触媒としては、Pt又はPd及びこれらの組合せによるHC、COのみを酸化処理する酸化触媒などを例示できる。
【0021】
一方、上記水素吸脱着部は、水素(H2)を吸着できる水素吸着材を含んで構成される。かかる水素吸着材としては、水素吸蔵合金及び/又はカーボンナノチューブを用いることができる。
水素吸蔵合金としては、Mn−Ni系、Ti−Cr−Mn系、La−Ni系、Mn−Pd系及びLa−Pd系合金を例示できる。カーボンナノチューブとしては、外径が4〜30nmで長さが0.5〜2μmであるものを例示できる。また、かかる水素吸蔵合金とカーボンナノチューブとを併用することもできる。
更に、かかる水素吸着材は、経済性や性能向上効果などを考慮し、一体構造型担体1L容量当たりに酸化触媒100〜300gを担持した触媒に対し、10〜100g程度の割合で含有させることが好ましい。
なお、本システムにおける上記水素吸着材は、排気ガス中に含まれる水素(H2)の他、排気ガス中から酸化触媒により改質・生成される水素(H2)を吸着することができる。また、上記水素吸蔵合金は、吸蔵した水素を合金の温度やH2の分圧により放出させることができるが、本発明では、主として上記水素吸脱着部の温度を制御することによりH2の放出を行う。
【0022】
次に、排気通路の下流側に設置するNOx浄化触媒につき説明する。
かかるNOx浄化触媒としては、少なくともH2を含む還元成分によってNOxを還元浄化できれば十分であるが、本システムでは、この還元成分は、上述の特定酸化触媒及び水素吸脱着部の作用によりHCやCOが低減しており、主成分がH2ということになる。但し、水素吸脱着部へのH2吸着時、即ち、代表的にはバイパス通路への排気ガスを遮断した場合やヒータを作動させない場合はこの限りでない。
【0023】
また、かかるNOx浄化触媒としては、NOx吸蔵/吸着型三元触媒、NOx選択還元触媒又は所定の三元触媒を挙げることができ、NOx吸蔵/吸着型三元触媒は、空燃比A/Fが酸素過剰状態(リーン状態)においてNOxを一時的に吸収・吸着し理論空燃比(ストイキ)及び/又は燃料過剰状態(リッチ状態)でNOxを放出して還元成分によりNOxを浄化し、NOx選択還元触媒は、リーン状態においてNOxを還元成分と選択的に反応させて浄化し、所定の三元触媒は、ストイキ近傍のリーン条件下でNOxを還元浄化する機能を有する。
【0024】
上記NOx吸蔵/吸着型三元触媒としては、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)又はカルシウム(Ca)及びこれらの混合金属元素、並びに白金(Pt)、パラジウム(Pd)又はロジウム(Rh)及びこれらの混合貴金属元素を含む触媒を例示することができる。
【0025】
また、上記NOx選択還元触媒としては、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)又は銀(Ag)及びこれらの混合元素、及び/又は白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)又はロジウム(Rh)及びこれらの混合貴金属元素を含むゼオライト若しくはアルミナを用いてなる触媒を例示することができる。
【0026】
更に、上記所定の三元触媒としては、Pt、Pd又はRh及びこれらの混合貴金属元素と、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)又はサマリウム(Sm)及びこれらの混合希土類元素、Zr又はBa及びこれらの任意の組合せにかかるものとを含有する触媒を例示することができる。
【0027】
なお、上述したNOx吸蔵/吸着型三元触媒、NOx選択還元触媒又は所定の三元触媒を任意に組合せた触媒として用いることもでき、この場合には、内燃機関等におけるリーン運転の条件に応じて、各触媒を選択することがよい。
また、上述したNOx浄化触媒又は酸化触媒(三元触媒など)に含まれる貴金属の量は、これら触媒の機能が十分に得られる限り、特に限定されないが、代表的には、一般の三元触媒で採用されているように、触媒1L当たり1〜10gの割合で貴金属元素を含んでいることが好ましい。
【0028】
更に、本発明の排気ガス浄化システムにおいて、上記水素吸脱着部は酸化触媒とNOx浄化触媒との間に配置され、H2の吸脱着制御手段を備える。この吸脱着制御手段により、下流側のNOx浄化触媒には、空燃比A/Fがストイキ〜リッチであるとき、且つその際のNOx浄化触媒における排気ガス中の還元剤がNOx浄化のための量論比以下のとき、上記水素吸着材が吸着したH2が放出される。これにより、上記NOx浄化触媒に供給される排気ガス中の水素濃度が増大するため、NOxの浄化がより効率良く行われる。
【0029】
ここで、上記「NOxを浄化すべきとき」としては、上述したNOx浄化触媒の種類によって適宜変換できるが、NOx浄化触媒が、吸蔵・吸着したNOxを放出するときや吸蔵・吸着したNOxで飽和状態にあるときなど、具体的には、リーンバーン内燃機関等の空燃比A/Fがストイキ〜リッチであるときを例示できる。
また、上記「量論比以下のとき」としては、具体的には、リーンバーン内燃機関等の空燃比A/Fや排ガス温度などの変化によりNOx浄化触媒に要求される還元剤量が変動し、排ガス中の還元成分がNOx浄化(触媒)に必要な還元剤量に達していないときであって、高速走行中の酸化触媒(三元触媒)における排ガス温度が高い状態でHC、COが殆ど浄化されたときなどを例示できる。
【0030】
上記吸脱着制御手段としては、排気通路に対して設けたバイパス通路を採用することが好ましく、更にこのバイパス通路に弁を設けることが望ましい。バイパス通路を設ける場合には、上記水素吸脱着部において、上流側の酸化触媒から供給される排気ガス中のH2の存在比率が高いときに、かかる排気ガスを水素吸着材と積極的に接触させることができる。また、更にバイパス通路に弁を設ければ、弁を遮断・開放することにより水素吸着材に接触する排気ガス量を調整できるとともに、水素吸着材から脱離したH2を適切なタイミングで放出できる。
【0031】
一方、上記吸脱着制御手段として、水素吸着材を加熱できるヒータを設置することが好ましい。水素吸脱着部に含まれる水素吸着材が水素吸蔵合金であれば、水素吸蔵合金の温度を上昇させ、吸着しているH2を容易に放出させることができるからである。また、水素吸着材としてカーボンナノチューブを使用するときも、同様にして、カーボンナノチューブの温度を上昇させ、吸着しているH2を放出させることができる。なお、ヒーターを設置しさえすれば、上記バイパス通路は省略できる。
【0032】
本発明においては、かかるヒータ及び弁付きのバイパス通路を併用したシステムとすることが望ましく、この場合には、H2をより適切なタイミングで放出できるとともに、下流側の排気ガス中の水素濃度を増大し易くなる。
【0033】
ここで、上述した本発明の排気ガス浄化システムの一実施形態を示す。
図1に示すシステムでは、エンジン1に排気通路が接続され、この排気通路の上流側から酸化/三元触媒10、水素吸脱着部20及びNOx浄化触媒30が順次設けられている。また、上記水素吸脱着部20は、酸化/三元触媒−NOx浄化触媒間の排気通路に接続されるバイパス通路21上に、水素吸着材22、及びこの吸着材を加熱できるヒータ23を設けて成る。上記バイパス通路21において、排気通路との接続部付近には、上記弁の一例である制御弁24(上流側)及び制御弁25(下流側)が設けられている。
更に、かかるシステムには、エンジン制御装置(ECU)2が設けられ、このECU2は、上記エンジン1、排気通路(ガス通路)、HC・CO浄化触媒10、NOx浄化触媒30及び水素吸着材22の随所に配置されたセンサー等により、エンジンの空気流入量、排気ガスのA/F、HC・CO濃度、排気ガス温度及び吸着材温度を検知し、水素吸脱着部20からのH2放出を制御することができる。従って、上記制御弁24及び25の遮断・開放もECU2により制御できる。
【0034】
一方、図4に示す他の実施形態のシステムは、水素吸着材22を排気通路上に設置した(バイパス通路を設置しない)以外は、上記図1示すシステムと同様の構成をなすものである。
【0035】
上述のように、図1に示すシステムでは、水素吸着材22をバイパス通路上に設置するため、上記制御弁24によりバイパスに取り込む排気ガスの量を制御して吸着材に吸着するH2量を調整でき、また、制御弁25により、ヒーター23が吸着材22から脱離させたH2を含む排気ガスの放出量を制御して、所望の還元剤をNOx浄化触媒30に供給できる。
一方、図4に示すシステムでは、酸化/三元触媒10、水素吸脱着部20及びNOx浄化触媒30を同一の排気通路上に設置するため、構成が簡単であり、設置容積などの節約化も実現できる。
【0036】
また、上記実施形態では、上述のように酸化触媒、水素吸脱着部及びNOx浄化触媒を一体構造型担体に担持して用いることができる。
かかる一体構造型担体としては、耐熱性材料から成るモノリス担体やメタル担体などを挙げることができ、これらに各種触媒成分や水素吸着材をコートして用いることが好ましい。特に、自動車の排気ガス浄化システムにおいては、ハニカム状担体にコートすることにより、触媒と排気ガスとの接触面積を大きくでき、圧力損失も制御できるため、より有効となる。また、かかるハニカム構造は、バイパス上に水素吸着材を設置する場合にも採用できる。但し、上記水素吸着材としてカーボンナノチューブを使用する場合には、カーボンナノチューブが熱で酸化されないようにハニカム状担体にコートすることが好ましく、例えば、ハニカム状担体にコーティング後、不活性ガス中で乾燥してコートすることができる。
なお、このハニカム状担体としては、一般にセラミック等のコージェライト質のものが多く用いられるが、フェライト系ステンレス等の金属材料からなるハニカム材料を用いることも可能であり、更には触媒成分粉末そのものをハニカム状に成形してもよい。
【0037】
また、本発明において、酸化触媒、三元触媒及びNOx浄化触媒の触媒成分を担持するのに用いる多孔質基材としては、アルミナ、シリカアルミナ又はゼオライト及びこられを任意に組合せてなる材料を用いることが好ましく、特に活性アルミナを用いることが好ましい。更に希土類元素やジルコニウムなどを添加することもでき、これらの場合は断熱効果(耐熱比表面積)を高めることができる。なお、かかる多孔質基材は触媒1L当たり50〜300gの割合で使用することが好ましい。
【0038】
以上に説明した排気ガス浄化システムにおける水素吸脱着部(水素吸着材)によるH2の吸着及び脱離・放出は、包括的に行うことが好ましく、代表的には図2、図3及び図5に示すフローチャートに従って実行することができる。なお、以下のフロー制御は、水素吸着材が水素吸蔵合金である場合に限らず、カーボンナノチューブである場合にも適用できる。
以下、それぞれのフローチャートをプロセス順に説明する。
【0039】
図2は、図1に示す構成を有し、NOx浄化触媒としてNOx吸蔵/吸着型三元触媒を用いた排気ガス浄化システムによる制御フローを示す図である。
まず、プロセス1(以下、「P1」と略す)では、エンジン始動時かどうかが判定される。このとき、エンジン始動直後であれば、エンジン始動時からの時間パラメーターがT(0)に設定され[P3]、始動直後でなければ時間パラメーターT(n)が1つ加算され、T(n+1)に設定される[P2]。
【0040】
次いで、A/Fが読み込まれ[P4]、A/Fがリーン状態かどうかが判定される[P5]。このとき、リーン状態であれば(YESのとき)、排気ガス中にH2があまり含まれず、即ち含まれていても過剰のO2によって大部分がH2Oに変換されてしまい、H2吸着材22に少量しか吸着されないため、制御弁24を閉じてH2吸着材22と排気ガスとの接触が遮断される[P6]。また、リーン以外であれば、T(n)の時点で排気ガスがリーン状態かどうかが判定される[P7]。この際、T(n)時に排気ガスがリーン状態でなければ、ストイキ〜リッチの状態が続いていることとなるので、制御弁24を開き、排気ガスを流通し吸着材22にH2を吸着させる[P8]。
【0041】
一方、上記判定によりT(n)時に排気ガスがリーン状態であれば(YESのとき)、リーンからリッチ〜ストイキに変動した直後であるので、NOx浄化触媒30でNOxを浄化すべきときであり還元剤が必要となるため、H2を供給する準備が行われる。
まず吸着材22の温度が読み込まれ[P9]、次いでHC・CO濃度が読み込まれ[P10]、更に吸入空気量が読み込まれ[P11]、これらに基づきNOx浄化触媒30が必要とするH2供給量がECU2により算出される[P12]。
【0042】
更に、算出されたH2供給量から、吸着材22よりH2を放出させるために必要なヒータ23の加熱電流量が計算され[P13]、その計算値に応じてヒータ23が加熱される[P14]。なお、吸着材22、特に水素吸蔵合金におけるH2の吸着・放出量は、吸着材温度又はH2分圧により制御できるが、本実施形態では、吸着材温度により制御される。
更にまた、制御弁25の開度を制御すれば、NOx浄化触媒30に対するH2の供給を詳細に調製できる[P15]。
【0043】
次に、図3は、図1に示す排気ガス浄化システムであって、NOx浄化触媒として、リーン状態でNOxを還元浄化可能なNOx選択還元触媒を用いたシステムによる制御フローを示す図である。
制御方法は、図2の場合とほぼ同様であるが、NOx浄化のために排気ガスをストイキ〜リッチに変動させる必要がなく、T(n)とT(n+1)の空燃比A/Fを比較するプロセス(図2中の[P1〜3]、[P7])が不要となる。
【0044】
即ち、まず、A/Fが読み込まれ[P1]、A/Fがリーン状態かどうかが判定される[P2]。このとき、リーン状態以外のときには(NOのとき)、排気ガス中にH2が含まれるので、H2吸着材22に吸着させるために、制御弁24及び制御弁25を開き、H2吸着材22と排気ガスとを接触させる[P3、P5]。 NOx浄化選択還元触媒の場合には、リーン状態でNOXを還元剤を用いて浄化するので、A/Fがリーン状態の場合にH2を脱離させる。そこで、A/Fがリーン状態であれば、まず吸着材22の温度が読み込まれ[P4]、次いでHC・CO濃度が読み込まれ[P6]、更に吸入空気量が読み込まれ[P7]、これらに基づきNOx浄化触媒30が必要とするH2供給量がECU2により算出される[P8]。
【0045】
更に、算出されたH2供給量から、吸着材22よりH2を放出させるために必要なヒータ23の加熱電流量が計算され[P9]、その計算値に応じてヒータ23が加熱される[P10]。なお、吸着材22、特に水素吸蔵合金におけるH2の吸着・放出量は、吸着材温度又はH2分圧により制御できるが、本実施形態では、吸着材温度により制御される。
更にまた、制御弁25の開度を制御すれば、NOx浄化触媒30に対するH2の供給を詳細に調製できる[P11]。
【0046】
次に、図5は、図4に示す排気ガス浄化システムの制御フロー図である。このシステムは、バイパス通路を設置せず、ヒータのオン/オフによりH2の吸着・放出を行うプロセス(図2中の[P6]及び[P8])を採用する。なお、これ以外の制御プロセスは図2と同様である。
【0047】
即ち、まず、P1では、エンジン始動時かどうかが判定される。このとき、エンジン始動直後であれば、エンジン始動時からの時間パラメーターがT(0)に設定され[P3]、始動直後でなければ時間パラメーターT(n)が1つ加算され、T(n+1)に設定される[P2]。
【0048】
次いで、A/Fが読み込まれ[P4]、A/Fがリーン状態かどうかが判定される[P5]。このとき、リーン状態であれば(YESのとき)、排気ガス中にH2があまり含まれず、即ち含まれていても過剰のO2によって大部分がH2Oに変換されてしまい、H2吸着材22に少量しか吸着されないため、ヒーター23がOFFにされる[P6]。リーン以外であれば、T(n)の時点で排気ガスがリーン状態かどうかが判定される[P7]。この際、T(n)時に排気ガスがリーン状態でなければ、ストイキ〜リッチの状態が続いていることとなるので、H2を脱離させずに吸着材22に吸着させるため、ヒーター23がOFFにされる[P8]。
【0049】
一方、上記判定によりT(n)時に排気ガスがリーン状態であれば(YESのとき)、リーンからリッチ〜ストイキに変動した直後であるので、NOx浄化触媒30でNOxを浄化すべきときであり還元剤が必要となるため、H2を供給する準備が行われる。
まず吸着材22の温度が読み込まれ[P9]、次いでHC・CO濃度が読み込まれ[P10]、更に吸入空気量が読み込まれ[P11]、これらに基づきNOx浄化触媒30が必要とするH2供給量がECU2により算出される[P12]。
【0050】
更に、算出されたH2供給量から、吸着材22よりH2を放出させるために必要なヒータ23の加熱電流量が計算され[P13]、その計算値に応じてヒータ23が加熱される[P14]。なお、吸着材22、特に水素吸蔵合金におけるH2の吸着・放出量は、吸着材温度又はH2分圧により制御できるが、本実施形態では、吸着材温度により制御され、NOx浄化触媒30に対するH2の供給を詳細に調製できる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
以下の実施例及び比較例では、まず酸化触媒、水素吸脱着部(吸着材)及びNOx浄化触媒を調製し、その後これらを組み合わせて上述の実施形態(図1及び図4)と同様の構成である排気ガス浄化システムを構築し、このシステムにおけるHC、CO及びNOの転化率を測定した。
【0053】
(実施例1)
[酸化(HC・CO浄化)触媒の調製]
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持活性アルミナ粉末(粉末1)を得た。この粉末1のPd濃度は17.0重量%であった。
硝酸Rh水溶液をセリウム、ジルコニウムを添加した活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥空気中、400℃で1時間焼成して、Rh担持活性アルミナ粉末(粉末2)を得た。この粉末2のRh濃度は3.0重量%であった。
上記粉末1を377.6g、粉末2を107.6g、酸化セリウム粉末を49g、活性アルミナ粉末を265.8g及びアルミナゾルを1000g磁性ボールミルに投入し、1時間混合・粉砕してスラリ液を得た。このスラリ液をコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて、130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。更に、この担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行い、120℃で乾燥後400℃で焼成を行い、酸化(HC・CO浄化)触媒を得た。このときの貴金属担持量は、Pd/Rhの比を20/1とし、トータルの貴金属量が14g/Lとなるようにした。
【0054】
[水素吸脱着部(吸着材)の調製]
本実施例では、水素吸着材として、水素吸蔵合金であるMn−Ni系合金を用いた。
なお、これ以外の装置(ヒーター及びECUなど)については、上述した実施形態と同様のものを用いた。
【0055】
[NOx浄化触媒(NOx吸蔵/吸着型三元触媒)の調製]
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持活性アルミナ粉末(粉末A)を得た。この粉末AのPd濃度は5.0重量%であった。
硝酸Rh水溶液をセリウム、ジルコニウムを添加した活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持活性アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末BのRh濃度は3.0重量%であった。
上記粉末Aを347g、粉末Bを58g、活性アルミナ粉末を496g及び水を900g磁性ボールミルに投入し、1時間混合・粉砕してスラリ液を得た。このスラリ液をコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量200g/L−担体を得た。更に、この担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行い、120℃で乾燥後400℃で焼成を行い、NOx浄化触媒(NOx吸蔵/吸着型三元触媒)を得た。
【0056】
[排気ガス浄化システムの構築]
上記酸化触媒、水素吸脱着部及びNOx浄化触媒を組み合わせて、図1に示すようなシステムを構築した。このシステムの水素吸着材及びNOx浄化触媒の構成成分を表1に示す。
【0057】
(実施例2)
水素吸着材としてカーボンナノチューブを用いた以外は、実施例1と同様の構成を採用し(図1及び表1)、排気ガス浄化システムを構築した。このシステムの水素吸着材及びNOx浄化触媒の構成成分を表1に示す。
【0058】
(実施例3)
NOx浄化触媒としてNOx選択還元触媒を用いた以外は、実施例1と同様の構成を採用し(図1及び表1)、排気ガス浄化システムを構築した。このNOx選択還元触媒の調製方法を以下に示す。また、このシステムの水素吸着材及びNOx選択還元触媒の構成成分を表1に示す。
【0059】
[NOx選択還元触媒の調製]
セリウムを3モル%、ジルコニウムを3モル%、及びランタンを2モル%含むセリウム−ジルコニウム−ランタン担持活性アルミナ粉末1000gに対して、硝酸パラジウム溶液を用いてパラジウム2.0重量%になるように加え、よく攪拌した後、オーブン中150℃で3時間乾燥し、400℃で2時間空気雰囲気中で焼成を行った。このパラジウム担持活性アルミナを1500g、セリウムを3モル%、ジルコニウムを3モル%、ランタンを2モル%含むセリウム−ジルコニウム−ランタン担持活性アルミナ粉末を800g、10重量%HNO3(硝酸)を460g及び水を1840gボールミルポットに投入し、8時間粉砕してスラリを得た。得られたスラリをモノリスハニカム担体基材(1.3L、400セル)に塗布し乾燥した後、400℃で2時間、空気雰囲気中で焼成した。このときの塗布量は、焼成後に52g/個になるように設定した。
【0060】
次に、γ−アルミナを主たる成分とし、セリウムを3モル%、ジルコニウムを3モル%及びランタンを2モル%含むセリウム−ジルコニウム−ランタン担持活性アルミナ粉末を2000g、10重量%硝酸を400g及び水を1600gボールミルポットに投入し、8時間粉砕してスラリを得た。このスラリを焼成後に52g/個になるように塗布し乾燥した後、400℃で2時間、空気雰囲気中で焼成した。
【0061】
更に、0.2モル/Lの硝酸銅又は酢酸銅溶液を5.2kgとゼオライト粉末2kgを混合し、攪拌した後、濾過した。この操作を3回繰り返した後、乾燥、焼成を行い、Cuをイオン交換したゼオライト粉末を調製した。このCuをイオン交換したゼオライト粉末を1890g、シリカゾル(固形分20%)を1150g及び水を1100g磁性ボールミルに投入し、粉砕して得たスラリを上記担体に、焼成後の塗布量が325g/個になるように塗布し乾燥した後、400℃で2時間空気中で焼成しNOx選択還元触媒を調製した。
【0062】
(実施例4)
図4に示すように水素吸着材を酸化触媒及びNOx浄化触媒と同一の排気通路に配置した以外は、実施例1と同様の構成を採用し(図1及び表1)、排気ガス浄化システムを構築した。このシステムの水素吸着材及びNOx浄化触媒の構成成分を表1に示す。
【0063】
(比較例1)
水素吸着材を用いなかった以外は、実施例1と同様の構成を採用し(図1及び表1)、排気ガス浄化システムを製造した。このシステムのNOx浄化触媒の構成成分を表1に示す。
【0064】
(比較例2)
水素吸着材を用いなかった以外は、実施例3と同様の構成を採用し(図1及び表1)、排気ガス浄化システムを製造した。このシステムのNOx浄化触媒の構成成分を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
次に、実施例1〜4及び比較例1、2で得られた排気ガス浄化システムに排気ガスを流通し、排気ガス成分(HC、CO及びNO)の残存率(%)を測定した。 この性能評価には、排気量1.8Lの直噴ガソリンエンジンを搭載した乗用車を用いた。この評価結果を表2に示す。なお、評価モードとしては、北米のLA4−Chとした。
【0067】
【表2】
【0068】
表1に示すように、実施例1〜4で得られたシステムでは、本発明の好適範囲内にある構成としたため、下流側のNOx浄化触媒へH2を含む還元剤が適切に供給され、NOx浄化能に優れていることがわかる(表2)。
一方、比較例で得られたシステムでは、水素吸着材を使用しなかったため、実施例に対してNO残存率が著しく高いことがわかる(表2)。
【0069】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、酸化触媒、水素吸脱着部及びNOx浄化触媒を順次配置すること、及び上記水素吸脱着部に適度なタイミングでH2を放出できる吸脱着制御手段を設けることとしたため、エンジン始動時でも、優れたHC・CO浄化能を有し、暖気後も優れたNOx浄化能を発揮し、酸素過剰走行による燃費向上効果を十分に享受し得る排気ガス浄化システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化システムの一実施形態(バイパス通路あり)を示す概略図である。
【図2】図1のシステム(NOx吸蔵/吸着型三元触媒)におけるH2放出の制御フローを示す図である。
【図3】図1のシステム(NOx選択還元触媒)におけるH2放出の制御フローを示す図である。
【図4】本発明の排気ガス浄化システムの一実施形態(一体構造型)を示す概略図である。
【図5】図4のシステムにおけるH2放出の制御フローを示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ECU(エンジン制御装置)
10 酸化/三元触媒(HC、CO浄化触媒)
20 水素吸脱着部
21 バイパス通路
22 H2吸着材
23 ヒータ
24 制御弁(上流側)
25 制御弁(下流側)
30 NOx浄化触媒
Claims (6)
- 内燃機関又は燃焼装置の排気通路の上流側から、少なくとも炭化水素類及び一酸化炭素を酸化処理する酸化触媒、水素を吸着する水素吸着材を有する水素吸脱着部、及び少なくとも水素を還元剤として窒素酸化物を還元処理するNOx浄化触媒を順次配置して成る排気ガス浄化システムであって、
上記水素吸脱着部が水素の吸脱着制御手段を備え、この吸脱着制御手段により、上記水素吸着材に吸着した水素を、空燃比A/Fがストイキ〜リッチであるときであって且つその際の排気ガスに含まれる還元剤がNOx浄化のための量論比以下のときに放出して、上記NOx浄化触媒における排気ガスの水素濃度を増大する、ことを特徴とする排気ガス浄化システム。 - 上記吸脱着制御手段が、上記排気通路に対するバイパス通路とこれを遮断・開放する弁、及び/又はヒータを備えることを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化システム。
- 上記水素吸着材が、水素吸蔵合金及び/又はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1又は2に排気ガス浄化システム。
- 上記NOx浄化触媒が、セシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ランタン及びカルシウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素とを含む、NOx吸蔵/吸着型三元触媒であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
- 上記NOx浄化触媒が、銅、コバルト、ニッケル、鉄、ガリウム、ランタン、セリウム、亜鉛、チタン、カルシウム、バリウム及び銀から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素、及び/又は白金、イリジウム、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含むゼオライト若しくはアルミナを含有する、NOx選択還元触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
- 上記NOx浄化触媒が、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素と、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジム及びサマリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の希土類元素、ジルコニウム及びバリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種のものとを含有する、三元触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
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