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JP3677920B2 - 酸素濃度検出器 - Google Patents

酸素濃度検出器 Download PDF

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JP3677920B2
JP3677920B2 JP02329097A JP2329097A JP3677920B2 JP 3677920 B2 JP3677920 B2 JP 3677920B2 JP 02329097 A JP02329097 A JP 02329097A JP 2329097 A JP2329097 A JP 2329097A JP 3677920 B2 JP3677920 B2 JP 3677920B2
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  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,自動車内燃機関等の吸気及び排気系に設置する酸素濃度検出器に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,自動車内燃機関等の吸気及び排気系には,空燃比を検知することができるガス検出器が設置されている。上記ガス検出器において検知された空燃比を元に,上記自動車内燃機関は,その燃焼状態が制御されている。これにより,上記内燃機関等より排出される排気ガスの浄化効率や燃料消費効率を高めることができる。
そして,上記ガス検出器としては,ZrO2 固体電解質を有する酸素濃度検出素子と,該酸素濃度検出素子を保持するハウジングとよりなる酸素濃度検出器が使用されている。なお,上記酸素濃度検出素子としては,限界電流式,または酸素濃淡起電力式のものがある。
【0003】
ところで,上記酸素濃度検出素子において,特に有底円筒形の固体電解質を有する酸素濃度検出素子としては,例えば,図28,図29に示すものが挙げられる。
上記酸素濃度検出素子9は,有底円筒形の固体電解質90と,該固体電解質90の外側面に設けた外側電極95と,その内側面に設けた内側電極96とよりなり,かつ上記外側電極95の表面には絶縁層91が設けてある。
【0004】
また,上記酸素濃度検出素子9の内部には基準ガスが導入される内室92が設けてあり,該内室92には棒状のヒータ99が挿入配置されている。
なお,上記絶縁層91は,外側電極95の保護層としての役割も有しており,セラミックコーティング層より形成されている。または,上記絶縁層91はセラミックコーティング層の上に例えばγ−Al2 3 層を形成した複合層より形成されることもある。
【0005】
【解決しようとする課題】
ところで,年々厳しくなる排気ガス規制への対応として,上記自動車内燃機関においては,より一層精密な空燃比による燃焼制御を行うことが求められ,よって,精度の高い酸素濃度検出素子の開発が要求されている。
上記精度の高い酸素濃度検出素子としては,例えば,自動車内燃機関の始動後,短時間で酸素濃度の検出が可能となる,即ち速熱性に優れた酸素濃度検出素子が挙げられる。
【0006】
これは,上記酸素濃度検出素子が,素子活性温度以上に加熱されないと正確な酸素濃度検出ができないという性質を有するためである。従って,上記内燃機関の始動直後,排気系とその周辺の温度があまり高くない状態においては,上記内室に挿入したヒータにより上記酸素濃度検出素子を加熱し,これを速やかに素子活性温度となす必要がある。
【0007】
ところで,上記酸素濃度検出素子の加熱にあたり,熱効率の面を考慮すると,酸素濃度検出素子に対し,別体のヒータを設けるよりは,一体化したヒータを設けたほうが好ましい。
このような酸素濃度検出素子としては,例えば,特開昭58−76757号に示される,固体電解質の表面(ただし,外側電極を形成した部分は除く。)に通電により発熱するヒータ層を設けた酸素濃度検出素子が挙げられる。
【0008】
しかしながら,上記酸素濃度検出素子においては,ヒータ層が固体電解質の表面に直接設けてある。よって,固体電解質の温度が高く,固体電解質の電気抵抗が低い場合に,上記ヒータ層への印加電圧が高くなった場合,上記固体電解質を構成するZrO2 等が,電位と熱により還元分解するという問題が発生する。このような場合には,固体電解質が劣化するのみならず,ヒータ層からの漏れ電流が酸素濃度検出回路に流れ込むため酸素濃度検出に支障をきたす。
【0009】
なお,上記酸素濃度検出回路とは,酸素濃度検出素子において得られた出力(電圧又は電流)に基づいて,被測定ガス中の酸素濃度を判定するための電気回路である。上記酸素濃度検出素子における外側電極,内側電極,後述する外側電極リード部,内側電極リード部,外側電極端子部,内側電極端子部は上記酸素濃度検出回路の一部を構成する。
【0010】
また,上記酸素濃度検出素子においても,ヒータと外側電極及び内側電極との間の距離が,従来の別体のヒータを有する酸素濃度検出素子と比較して,大きく狭まったとはいえず,速熱性の面でもまだまだ不充分である。
【0011】
更に,ヒータが一体的に設けられた他の酸素濃度検出素子としては,実公昭59−95257号に示される,酸素濃度検出素子の表面外周に,コイル状に構成したヒータを設ける酸素濃度検出素子が挙げられる。
しかしながら,上記酸素濃度検出素子においては,ヒータが表面外周に設けられているため,外部に多くの熱量が放出されてしまう。この放出された熱量の分,酸素濃度検出素子への伝熱量が少なくなってしまい,よって,このものにおいても速熱性は不充分である。
【0012】
本発明は,かかる問題点に鑑み,固体電解質のヒータ層への電圧印加による劣化や,漏れ電流による検出不良が生じることがなく,かつ速熱性に優れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を提供しようとするものである。
【0013】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,一端が閉塞し他端が開口した有底円筒形の固体電解質と,該固体電解質の外側面に設けた被測定ガスに接触する外側電極と,該固体電解質の内側面に,上記固体電解質を介して上記外側電極と対向する位置に設けられた内側電極とよりなる酸素濃度検出素子と,該酸素濃度検出素子を保持するハウジングとからなる酸素濃度検出器において,
上記外側電極の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一絶縁層を設けてなり,
更に,該第一絶縁層の外方には,電気的に絶縁性を有する第二絶縁層を設けてなり,
かつ,上記第一絶縁層と上記第二絶縁層との間にはヒータ層を設けてなり,
更に,上記第一絶縁層の厚みは10〜900μm,気孔率は1〜50%であることを特徴とする酸素濃度検出器にある。
【0014】
本発明の作用につき,以下に説明する。
本発明の酸素濃度検出器を構成する酸素濃度検出素子においては,第一絶縁層と第二絶縁層との間にヒータ層を設けてある。
上記ヒータ層と上記固体電解質との間の距離は,たかだか数百μmである。このため,上記ヒータ層において発生した熱の多くが,速やかに外側電極側に伝導することができる。よって,速熱性に優れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0015】
また,上記ヒータ層は酸素濃度検出素子の表面に露出しておらず,上記第二絶縁層によって覆われている。このため,上記ヒータ層にて生じた熱が外部に放出されることを抑制することができる。
【0016】
また,上記ヒータ層は固体電解質に対して,直接設けられていない。よって,固体電解質が還元劣化されたり,ヒータ層を流れる電流が酸素濃度検出回路に漏洩することを防止することができる。
【0017】
従って,本発明によれば,固体電解質のヒータ層への電圧印加による劣化や,漏れ電流による検出不良が生じることがなく,かつ速熱性に優れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0018】
次に,上記ヒータ層は,上記外側電極の面積の0.1〜0.8倍を被覆するよう設けてあることが好ましい。
上記ヒータ層は,上記外側電極の上に設けてあることが,速熱性の点からは好ましい。ただし,上記ヒータ層の真下にある外側電極については,該ヒータ層が酸素の通過を阻害するため,酸素濃度検出の機能を果たし難い状態にある。
【0019】
よって,上記ヒータ層が上記外側電極の面積の0.1倍未満を被覆している場合には,ヒータ層と外側電極との距離が遠くなり,酸素濃度検出素子の速熱性が悪化するおそれがある。
一方,上記ヒータ層が上記外側電極の面積の0.8倍より広い部分を被覆している場合には,該ヒータ層により酸素の移動が阻害され,酸素濃度検出の精度が悪化する。
なお,上記外側電極の面積とは,外側電極において特に酸素濃度検出に寄与する部分の面積を示している。具体的には,例えば,後述の図4に示すごとく,被測定ガス室と対面した部分を示す。
【0020】
ところで,上記酸素濃度検出素子において,上記ヒータ層より発生した熱は,酸素濃度検出素子の閉塞端側から胴部,そして開口端側へと伝導する。このため,より閉塞端側の温度が高くなり,胴部の温度が低くなるという温度分布が酸素濃度検出素子に生じてしまう。
【0021】
そこで,上記ヒータ層は,その幅が,酸素濃度検出素子の胴部へ向かう程細くなるよう形成することが好ましい。
または,上記ヒータ層は,その厚みが上記胴部へ向かう程薄くなるよう形成することが好ましい。
更には,上記ヒータ層のパターンを胴部側へ集中化させて,胴部側がより高温度となるよう形成することが好ましい。
以上の構成により,より胴部側に設けたヒータ層の発熱量が増大するため,上述の温度分布を解消することができる。
【0022】
また,上記ヒータ層の周囲には空間層を形成することが好ましい。
上記第二絶縁層と上記ヒータ層の熱膨張差が大きい場合には,上記ヒータ層の発熱時に熱応力が発生し,上記第二絶縁層に割れが生じることがある。上記空間層を設けることにより,該空間層において,熱応力を緩和することができる。
なお,上記空間層は,例えば,上記ヒータ層の周囲に形成された中空部分である(図9参照)。
【0023】
また,本発明にかかる酸素濃度検出器は,酸素濃度検出素子と該酸素濃度検出素子を保持するハウジングとよりなる。
上記酸素濃度検出器の構成としては,種々の構成が考えられるが,例えば,後述の図4に示すごとく,酸素濃度検出素子を保持するハウジングと該ハウジングの下端に設けられ,上記酸素濃度検出素子の下部を保護する素子保護カバーと,上記ハウジングの上端に設けられた大気側カバーとよりなる構成が挙げられる。
【0024】
また,上記酸素濃度検出素子は,例えば,ハウジングに対し直接当接することにより保持されている。または,例えば,ハウジングに対しワッシャ等を介して当接することにより保持されている。
また,上記酸素濃度検出素子とハウジングとの間には,例えばタルク,絶縁碍子等を設置することができる。これにより,酸素濃度検出素子とハウジングとの間を気密封止,絶縁封止することができる。
また,本発明にかかる酸素濃度検出器の構成は以上の構成に限定されるものではない。
【0025】
次に,請求項2の発明のように,上記第二絶縁層はガス透過性の多孔質であることが好ましい。
これにより,第二絶縁層を被測定ガスが速やかに通過し,外側電極に到達することができる。このため応答性に優れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0026】
次に,上記第二絶縁層はガス不透過性であることが好ましい。
これにより,上記第二絶縁層を経由して,被測定ガスがヒータ層に直接接触することを防止することができる。
仮に,上記被測定ガスが上記ヒータ層に接触した場合には,上記被測定ガス中に含まれる酸素がヒータ層に吸着され,外側電極への酸素の到達が遅れ,酸素濃度検出素子の応答性が低下するおそれがある。
【0027】
次に,上記第一絶縁層の厚みは10〜900μm,気孔率は1〜50%である。
これにより,絶縁不良の防止を図り,優れた応答性を有する酸素濃度検出素子を得ることができる。
【0028】
上記第一絶縁層の厚みが10μm未満である場合には,ヒータ層と固体電解質との距離が狭まり,外側電極とヒータ層との間で絶縁不良が生じ,酸素濃度検出に支障をきたすおそれがある。
一方,第一絶縁層の厚みが900μmより厚い場合には,ヒータ層と外側電極との距離が遠くなるため,速熱性が悪化するおそれがある。
【0029】
上記気孔率が1%未満である場合には,上記第一絶縁層におけるガス拡散性が悪化するおそれがある。一方,50%より大きい場合には,上記第一絶縁層の強度低下を招き,振動,衝撃等により亀裂が発生したり,該第一絶縁層が剥離するおそれがある。
【0030】
また,上記第一絶縁層及び第二絶縁層は,例えばアルミナ,スピネル等の耐熱性金属酸化物の粉末をプラズマ溶射することにより形成することができる。
更に,上記第一絶縁層の耐熱性金属酸化物としては,高熱伝導材料を使用し,一方,上記第二絶縁層の耐熱性金属酸化物としては,低熱伝導材料を使用することが好ましい。これにより,ヒータ層より発生した熱が酸素濃度検出素子の表面に放出されることを抑制することができる。
なお,上記高熱伝導材料としては,例えば,MgO,BeO等を,上記低熱伝導材料としては,例えば,コーディエライト,ムライト等を用いることができる。
【0031】
次に,請求項の発明のように,上記ヒータ層は,導電材料とガラス質とよりなることが好ましい。
上記導電材料が通電により発熱する働きを有し,上記ガラス質が上記導電材料を第一絶縁層の表面に付着させる働きを有することから,第一絶縁層に対して強い付着力を有するヒータ層を得ることができる。
なお,上記ガラス質としては,ホウケイ酸ガラス及び鉛ガラス等を使用することができる。
【0032】
また,上記ヒータ層の形成に当たっては,例えば,上記導電材料とガラス質を有機溶媒を用いて混合し,導電性塗布液となし,これを印刷等の手段により所定のパターンにて第一絶縁層の表面に形成後,焼き付けて設けることが好ましい。
これにより,所望の形状を有するヒータ層を容易に得ることができる。
【0033】
また,上記導電性塗布液の調整に当たっては,上記導電材料50〜90重量%と,上記ガラス質を1〜20重量%を混合し,この混合物に,上記有機溶媒及び,必要に応じ有機バインダを添加し100重量%とすることが好ましい。
これにより,均一な厚みを有し,かつ上記第一絶縁層に対して強い付着力を有するヒータ層を得ることができる。
上記導電材料が50重量%未満である場合,焼付時の収縮が大きくなりヒータ層に亀裂が発生する恐れがあり,安定した層を得ることができない。一方,90重量%よりも多い場合には,上記導電性塗布液の粘度が高くなり,印刷等による第一絶縁層の表面への塗布の際に,カスレやムラが生じる恐れがある。
【0034】
また,上記ガラス質が1重量%未満である場合には,熱処理後に,ヒータ層の付着力が低下するおそれがある。一方,20重量%よりも多い場合には,ヒータ層の抵抗値が高くなりすぎるおそれがある。
【0035】
また,上記導電材料は粒径が0.1〜5μmである粉末であることが好ましい。
これにより,優れたヒータ層を得ることができる。
上記粒径が0.1μm未満である場合には,熱処理後に導電材料の粒子が凝集するおそれがある。一方,上記粒径が5μmより大きい場合には,熱処理後にヒータの抵抗が高くなりすぎるおそれがある。
【0036】
また,上記ヒータ層を形成する際の印刷方法としては,例えば,スクリーン印刷,パッド印刷,ロール転写等の手法を挙げることができる。
また,上記導電性塗布液の層と該層に積層形成した粘着層とを有する転写紙を準備し,該転写紙を粘着層を下にして,上記第一絶縁層に対し張り付け,ヒータ層を形成することもできる。
このような転写紙を利用する方法を採用した場合には,厚みにばらつきのないヒータ層を得ることができる。仮にヒータ層の厚みにばらつきが生じた場合には,ヒータの初期抵抗値にばらつきが生じやすい。更に,ヒータ層の耐久性が悪化するおそれがある。上記方法は以上の問題点を解消することができる。
【0037】
次に,請求項の発明のように,上記ヒータ層は,導電材料よりなり,該導電材料は貴金属粉末,ペロブスカイト型酸化物粉末の一方または双方よりなることが好ましい。
これにより,耐久性に優れたヒータを得ることができる。
また,上述するごとく,ペロブスカイト型酸化物粉末を用いることにより,ヒータ層の材料コストを削減することができる
【0038】
なお,上記貴金属粉末としては,Pt,Rh,Pd等を使用することができる。上記ペロブスカイト型酸化物粉末としては,LaCrO3 ,La0.5 Sr0.5 CoO3 等を使用することができる。
【0039】
次に,請求項の発明のように,上記ヒータ層は,金属線または金属箔よりなることが好ましい。
これにより,ヒータ層の材料コストを削減することができる。更に,抵抗バラツキを低減することができる。
また,上記金属線を用いる際には,該金属線を予めコイル状に巻き,コイル状の金属線に対し,第一絶縁層を設けた固体電解質を挿入,焼成することにより上記ヒータ層を形成することができる。
なお,上記金属線としては,カンタル等を使用することができる。
【0040】
次に,請求項の発明のように,上記有底円筒形の固体電解質は,上記ヒータ層に接続したヒータリード部を,また上記外側電極に接続した外側電極リード部を,更に,上記内側電極に接続した内側電極リード部をそれぞれ有していることが好ましい。
これにより,必要な部分にのみヒータ層,内側電極,外側電極を形成することができ,性能,コストに優れ,また,外部への出力取出,及びヒータ層への電力供給を容易に行うことができる。
【0041】
次に,請求項の発明のように,上記有底円筒形の固体電解質には,その閉塞端側に上記ヒータ層が設けてあり,またその開口部側の胴部にはヒータリード部を介して上記ヒータ層と接続したヒータ端子部を設けてあり,かつ上記第一絶縁層は上記ヒータ端子部を設けた位置まで形成されていることが好ましい。
【0042】
ところで,本発明にかかる酸素濃度検出器を,自動車内燃機関における排気系,特に高温の排気ガス等に曝される自動車内燃機関の燃焼室の近傍に設置した場合には,該酸素濃度検出器に設けられた酸素濃度検出素子の酸素濃度検知部分,即ち外側電極が設けられた固体電解質の閉塞端側が排気ガスの熱や自己のヒータ層への通電による発熱により特に加熱され高温となるが,該閉塞端側の熱が胴部へと伝導し,胴部もまた加熱され高温となる。
【0043】
以上により,上記ヒータ層への通電のための電圧が印加される上記ヒータ端子部まで上記第一絶縁層を延長形成することにより,胴部における固体電解質がかなりの高温状態となる様な場合でも,該固体電解質に還元劣化が発生すること,また,上記固体電解質とヒータ層との間に絶縁不良が発生することを防止することができる。
【0044】
なお,上記延長形成され,胴部に形成された第一絶縁層は,閉塞端側に形成された第一絶縁層と必ずしも同一のものとする必要はない。
これは,閉塞端側においては,固体電解質に対し被測定ガスを透過させる必要があることから,上記第一絶縁層においても被測定ガスを透過する機能を必要とするが,胴部においては,被測定ガスを透過させる必要はないためである。
従って,胴部に設けた第一絶縁層を,閉塞端側に設けた第一絶縁層よりも緻密なものとすることもできる。
【0045】
次に,請求項の発明によれば,上記酸素濃度検出素子は,上記ハウジングに対して当接した状態で保持されていることが好ましい。
これにより,酸素濃度検出素子の組付け姿勢を傾くことなくまっすぐに安定させることが容易となり,酸素濃度検出素子の表面に組付けられる複数の出力を取出すための部材や,ヒータ層に対して通電するための部材(図4参照)が,酸素濃度検出器における各種カバー等(図4参照)と接触する様な不具合発生を防止することができる。
【0046】
次に,請求項の発明によれば,上記酸素濃度検出素子を,上記ハウジングに対して金属製のワッシャを介して当接した状態で保持することが好ましい。
これにより,組付時に固体電解質に直接大きな衝撃が加えられることを防ぐことができる。
【0047】
また,請求項10の発明によれば,上記酸素濃度検出素子を,上記ハウジングに対して絶縁碍子を介して当接した状態で保持することが好ましい。
これにより,外部からのノイズ信号が,検出器の酸素濃度検出回路に侵入することを防ぐことができる。また,ハウジングへのヒータ層の熱ひけを抑制することができる。
【0048】
次に,請求項11の発明によれば,上記第二絶縁層は,上記ハウジングに当接保持される酸素濃度検出素子の保持当接面まで形成されていることが好ましい。 これにより,上記ヒータ層の熱が保持当接面を通じてハウジング側へ放出されることを抑制することができると共に,ヒータ層とハウジングとの間の電気的絶縁をとるための各種構成等が不要となり,部品点数を減らすことができ,酸素濃度検出器の構成を簡素化することができる。
【0049】
次に,請求項12の発明によれば,上記第一絶縁層の表面には平滑面を設けてなり,該平滑面に対し上記ヒータ層を設けてなることが好ましい。
【0050】
ところで,上記第一絶縁層はプラズマ溶射等により設けることが多いが,このようにして設けた上記第一絶縁層の表面は凹凸状態にある。このような第一絶縁層にヒータ層を設けた場合には,該ヒータ層の厚みが不均一となるおそれがあり,この場合,ヒータ層の厚みの薄い部分,即ち抵抗の高い部分に発熱が集中する。よって,上記ヒータ層の温度が部分的に高温となり,この部分のヒータ層の劣化が加速される。
【0051】
また,上記第一絶縁層の表面が凹凸状態であることから,上記ヒータ層と上記第一絶縁層との間に気泡がはいることもある。気泡が入った場合には,上記ヒータ層を第一絶縁層に対し焼付けた後,該ヒータ層に浮きが生じる。
この場合には,上記ヒータ層にて発生した熱がスムーズに固体電解質に伝熱せず,浮きを生じた部分に溜まるおそれがある。このため,熱の溜まった部分が異常な高温に曝されることとなり,この部分においてヒータ層が早々に劣化する。
【0052】
従って,第一絶縁層の表面に平滑面を設けることにより,厚みが均一であり,第一絶縁層への密着性の高いヒータ層を得ることができ,このことから耐久性に優れたヒータ層を得ることができる。
【0053】
また,上記平滑面を第一絶縁層の表面に設けるには,例えば,第一絶縁層を形成後,砥石等を用いてこの表面を研磨する,またはバイト等を用いてこの表面を切削すること等の手法を挙げることができる。
更に,このようにして平滑面を得る場合には,平滑面とそうでない面との間に段差が生じるおそれがある。上記段差が生じた場合には,第一絶縁層の表面に設けるヒータ層,ヒータリード部等が,その段差の部分で断線し易くなる。このため,平滑面とそうでない面との間にはテーパ部を設け,段差をなくすように構成することが好ましい(図15参照)。
【0054】
次に,請求項13の発明のように,上記第一絶縁層の平滑面は,その表面粗さが十点平均粗さ(JIS B0601−1982)にて0〜30μmであることが好ましい。
これにより,厚みが均一であり,第一絶縁層への密着性の高いヒータ層を得ることができ,このことから耐久性に優れたヒータ層を得ることができる。
上記十点平均あらさが30μmを越えた場合には,ヒータ層の耐久性が低くなるおそれがある。
【0055】
次に,請求項14の発明のように,上記ヒータ層は上記外側電極よりも酸素吸着力が弱いことが好ましい。
ところで,本発明にかかる酸素濃度検出素子において,被測定ガス中に含まれる酸素は第二絶縁層,次いで第一絶縁層を経由して(ただし,第一絶縁層が直接被測定ガスと接触する部分を有する場合には,この限りではない。)外側電極に到達する。
【0056】
このため,被測定ガス中の酸素が上記ヒータ層の周囲を経由して,外側電極へと到達することもある。
仮にヒータ層の酸素吸着力が外側電極よりも大きい場合には,被測定ガス中の酸素はヒータ層においてトラップされてしまう。この場合には,被測定ガス中の酸素の外側電極への到達時間が遅れることとなるため,酸素濃度検出素子の応答性が低下してしまう。
以上により,上記ヒータ層の酸素吸着力を上記外側電極よりも弱くすることにより,被測定ガス中の酸素のヒータ層でのトラップを防止でき,応答性に優れた酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器を得ることができる。
【0057】
次に,請求項15のように,上記ヒータ層は,白金と金とよりなる混合または合金材料よりなり,かつ上記混合または合金材料における金の含有率は,0.5〜50重量%であることが好ましい。
これにより,上記ヒータ層の酸素吸着力を上記外側電極よりも弱くすることができる。
なお,上記外側電極は白金をはじめとする金以外の貴金属により構成されている。
【0058】
上記金の含有率が0.5重量%未満である場合には,ヒータ層の酸素吸着力を十分弱くすることができず,酸素濃度検出素子の応答性が低下するおそれがある。また,上記含有率が50重量%を越えた場合には,ヒータ層の融点が著しく低下し,ヒータ層の使用温度とヒータ層の融点の差が小さくなるため,該ヒータ層の耐久性が低下するおそれがある。
【0059】
なお,上記ヒータ層を設けるに当たっては,上述したごとく,例えば,上記導電材料とガラス質に有機溶媒を添加し,また,必要に応じ,有機バインダを添加することにより,導電性塗布液となし,これを印刷等の手段により第一絶縁層の表面に設けることが好ましい。
この場合に用いる導電性塗布液の調整方法であるが,例えば以下に示す方法を挙げることができる。
白金及び金の粉末を所望の比で混合し,この混合粉末に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
また,白金及び金を所望の成分比にて合金化し,該合金よりなる粉末を作成する。その後,この粉末に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
【0060】
白金粉末に対し,金を有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
また,白金と金とをそれぞれ有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
また,白金粉末に,白金と金とを有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
【0061】
次に,請求項16の発明のように,上記ヒータ層は白金と,Pd,Rh,Irより選ばれる少なくとも一種よりなることが好ましい。
これにより,上記ヒータ層の酸素吸着力を上記外側電極よりも弱くすることができる。
【0062】
次に,請求項17の発明のように,上記ヒータリード部及び上記外側電極リード部は,上記外側電極よりも被測定ガスの酸化,還元の触媒作用が小さいことが好ましい。
【0063】
ところで,本発明にかかる酸素濃度検出素子においては,ヒータリード部,外側電極リード部の部分まで被測定ガスが到達することがある。
そして,上記被測定ガス中に含まれるHC,CO,CO2 等は,上記ヒータリード部及び外側電極リード部の温度がヒータ層と比較して低いことから,ここにおいて酸化または還元され,Cとなって析出し,ヒータリード部,外側電極リード部を劣化,断線させることがあった。
そこで,ヒータリード部および外側電極リード部の触媒作用を小さくすることにより,Cの析出が抑制され,ヒータリード部,外側電極リード部の劣化,断線を防止することができる。
【0064】
次に,請求項18の発明のように,上記ヒータリード部は,金または金とPt,Pd,Rh,Irより選ばれる少なくとも一種を混合した金合金よりなることが好ましい。
これにより,ヒータリード部および外側電極リード部の触媒作用を小さくすることにより,Cの析出が抑制され,ヒータリード部,外側電極リード部の劣化,断線を防止することができる。
【0065】
更に,上記ヒータ層と比較して,上記ヒータリード部の電気抵抗を小さくすることができる。仮に,上記ヒータ層と上記ヒータリード部が共に同材質である場合には,その電気抵抗値も共に同程度となる。この場合には,通電により,ヒータ層,ヒータリード部が共に発熱するが,ヒータリード部における発熱は外側電極の加熱に寄与しないため,通電した電力が無駄になる。
上記ヒータリード部を上述の金または金合金にて構成することにより,発熱はより電気抵抗の高いヒータ層に集中する。このため,ヒータ層,ヒータリード部に供給された電力を効率よく外側電極の加熱に消費することができる。
【0066】
なお,上記ヒータリード部を設けるに当たっては,上述したごとく,例えば,上記導電材料とガラス質に有機溶媒を添加し,必要に応じ,有機バインダを添加することにより,導電性塗布液となし,これを印刷等の手段により第一絶縁層の表面に設けることが好ましい。
この場合に用いる導電性塗布液の調整方法であるが,例えば以下に示す方法を挙げることができる。
【0067】
金に,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
金及びPt,Pd,Rh,Irのいずれかを所望の成分比にて合金化し,該合金よりなる粉末を作成する。その後,この粉末に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
【0068】
金の粉末に対し,上記Pt等を有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
また,金と上記Pt等をそれぞれ有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
また,金粉末に,金と上記Pt等を有機塩の形で混合し,この混合物に対し,各種フリット成分よりなる粉末を有機バインダ,有機溶剤と共に混練法によりペースト化する方法がある。
【0069】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる酸素濃度検出器につき,図1〜図8を用いて説明する。
図1〜図4に示すごとく,本例の酸素濃度検出器2は,有底円筒形の固体電解質10と,該固体電解質10の外側面に設けた被測定ガスに接触する外側電極15と,その内側面に上記固体電解質10を介して上記外側電極15と対向する位置に設けた内側電極16とよりなる酸素濃度検出素子1と,該酸素濃度検出素子1を保持するハウジング20(図4参照)とからなる。
そして,上記外側電極15の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,以下に示す絶縁層18が設けてある。
【0070】
図3に示すごとく,上記絶縁層18は,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一絶縁層11と,該第一絶縁層11の外方に設けた,電気的に絶縁性を有する第二絶縁層12とよりなる。
そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13を設けてなる。
なお,上記第二絶縁層12はガス透過性の多孔質体である。
【0071】
上記固体電解質10は,図1に示すごとく,上記外側電極15を帯状に設けた閉塞端側101と,該閉塞端側101より径の太い胴部102とよりなる。また,上記胴部102の中央には,半径方向外向きに突出形成された鍔部19が設けてある。
また,上記固体電解質10には,上記外側電極15より延設された外側電極リード部150及び外側電極端子部151とが設けてある。
【0072】
上記ヒータ層13は,図3に示すごとく,上記外側電極15の上に第一絶縁層11を介して設けてある。また,上記固体電解質10の胴部102にヒータリード部130を介して上記ヒータ層13と接続したヒータ端子部131,132が設けてある。
【0073】
図1,図2に示すごとく,上記ヒータリード部130及びヒータ端子部131,132の幅は上記ヒータ層13より広く形成されている。また,上記ヒータ端子部131と132は一本のヒータ層13を形成するそれぞれの末端部分であり,一方のヒータ端子部131には正,他方のヒータ端子部132には負の電位が印加される。
なお,上記第一絶縁層11及び第二絶縁層12は,固体電解質10における鍔部19の下方にのみ設けてある。これは,図5に示すような,酸素濃度検出素子1とハウジング20との間に絶縁碍子216及びワッシャパッキン217を介し構成されたものの場合に適する。
【0074】
次に,酸素濃度検出器2につき説明する。
図4に示すごとく,上記酸素濃度検出器2は,酸素濃度検出素子1を保持固定するためのハウジング20と該ハウジング20の下端に設けられ,上記酸素濃度検出素子1の下部を保護する二重の素子保護カバー231,232と,上記ハウジング20の上端に設けられた大気側カバー241,242,243とを有する。
【0075】
上記素子保護カバー231,232により,上記酸素濃度検出素子1の周囲に被測定ガス室239が形成され,またその側面には複数の被測定ガス導入口230,233が設けてある。
上記大気側カバー241は上記ハウジング20に対し金属リング215を介してかしめ固定されている。また,上記大気側カバー242は大気側カバー241に対しかしめ固定され,上記大気側カバー243は大気側カバー242に対しかしめ固定されている。
【0076】
また,上記酸素濃度検出素子1は鍔部19において,ハウジング20の内部に設けられたテーパ部にワッシャ211を介して保持されている。そして,上記鍔部19の上面と上記ハウジング20との間は,タルク212,パッド213,絶縁碍子214が設置され,気密封止されている。なお,上記大気側カバー241の下端は上記絶縁碍子214と当接している。
【0077】
上記酸素濃度検出素子1の出力取出経路につき説明する。
図1に示すごとく,上記固体電解質10において,上記外側電極15には,外側電極リード部150を介して外側電極端子部151が設けてある。上記酸素濃度検出素子1の出力は,外側電極端子部151に取付けた出力取出部263によって外部に取出されている。なお,上記出力取出部263は外側電極端子部151と直接接触する接触片と,該接触片に対し導通形成された端子片とよりなる。
【0078】
一方,固体電解質10において,上記内側電極16にも,内側電極リード部160を介して内側電極端子部161が設けてある。上記内側電極リード部160及び内側電極端子部161は固体電解質10の内側面に対し形成されている(後述の図11,図12,図13参照)。
そして,上記内側電極端子部161は外側電極15の外側電極端子部151とは別体として設けてあり,該内側電極端子部161に接触するよう出力取出部264が酸素濃度検出素子1に対し取付けてある。上記出力取出部264は,外側電極15の外側電極端子部151に対し接触するよう取付けた出力取出部263とは別体の部品である。
【0079】
次に,上記ヒータ層13に対する通電経路につき説明する。
図1に示すごとく,上記固体電解質10において,ヒータ層13には,ヒータリード部130を介して接続されたヒータ端子部131,132が設けてある。上記ヒータ層13への通電は,上記ヒータ端子部131,132に対し,正負の通電端子261,262を取付けることにより行なわれている。なお,上記通電端子は261,262は,上記ヒータ端子部131,132に接触する接触片と,該接触片に対し導通形成されたリード部266,267とよりなる。
【0080】
そして,上記出力取出部263,264及び通電端子261,262にはそれぞれリード線271〜274が接続されている。そして,それぞれのリード線271〜274は酸素濃度検出器2の大気側カバー241〜243の内部を経由して,外部に設けられたコネクタ29に対し接続されている。
なお,上記酸素濃度検出器2はハウジング20に設けられたネジ201により,自動車内燃機関における排気系に取り付けられている。
【0081】
次に,上記酸素濃度検出素子1の製造方法につき説明する。
まず,ZrO2 等の原料粉末を加圧成形した後,温度1400〜1600℃にて焼成し,有底円筒形の固体電解質10を得る。
上記固体電解質10の内側面及び外側面に対し,Pt等の貴金属のスパッタもしくはメッキ等により,内側電極16及び外側電極15,外側電極リード部150,外側電極端子部151を形成する。
その後,上記固体電解質10の鍔部19より下方の外側面及び外側電極15の表面に対し,耐熱性金属酸化物の粉末をプラズマ溶射することにより,第一絶縁層11を形成する。
【0082】
次いで,上記固体電解質10の鍔部19より上方の外側面及び第一絶縁層11の表面に,図1及び図2に示すごとく,導電性塗布液を印刷,温度900℃〜1100℃にて熱処理し,ヒータ層13,ヒータリード部130,ヒータ端子部131,132となす。
次いで,上記ヒータ層13及び第一絶縁層11の表面に,上記耐熱性金属酸化物の粉末をプラズマ溶射することにより,第二絶縁層12を形成する。
以上により,酸素濃度検出素子1を得る。
【0083】
本例の作用効果につき,以下に説明する。
本例の酸素濃度検出器2が有する酸素濃度検出素子1は,第一絶縁層11と第二絶縁層12との間にヒータ層13を設けてある。上記ヒータ層13と固体電解質10との間の距離は,たかだか数百μmである。このため,ヒータ層13より発生した熱の多くが,速やかに固体電解質10に伝導することができる。
【0084】
また,上記ヒータ層13は固体電解質10に直接設けられていない。よって,上記ヒータ層13からの漏れ電流による固体電解質10の還元劣化を防止できる。
従って,本例によれば,外側電極15及び内側電極16とヒータ層13の間にて絶縁不良が生じることがなく,かつ速熱性に優れた酸素濃度検出素子1を有する酸素濃度検出器2を得ることができる。
このため,上記酸素濃度検出素子1を用いた本例の酸素濃度検出器2は,自動車内燃機関の始動直後より,正確な空燃比を検知することができる。
【0085】
また,図6に,本例にかかる酸素濃度検出素子1(後述の表1における試料1−2)及び従来の棒状のヒータ99が挿入された酸素濃度検出素子9(後述の表1における試料1−9)において,限界電流と空燃比との間に成立する関係を示した。同図によれば,本例と従来例との間には特性上の差異が殆ど存在しないことが分かった。
【0086】
次に,本例にかかる酸素濃度検出素子1の性能評価につき,表1を用いて,以下に説明する。
まず,表1における試料1−1〜試料1−8の酸素濃度検出素子は,本例にかかる酸素濃度検出素子である。ただし,上記各酸素濃度検出素子はそれぞれ,第一絶縁層の厚み及びH/Dの値が異なる。
なお上記Hとは,外側電極を覆うヒータ層の面積である。上記Dとは,酸素濃度検出にかかる外側電極の面積を示している。
【0087】
また,試料1−9は,図28,図29に示す,固体電解質90と,該固体電解質90の外側面に設けた外側電極95と,その内側面に設けた内側電極96とよりなり,かつ上記外側電極95の表面には絶縁層91が設けてある酸素濃度検出素子9である。また,上記酸素濃度検出素子9は,その内部に基準ガスが導入される内室92が設けてあり,該内室92には棒状のヒータ99が挿入配置されている。
なお,上記ヒータ99は窒化珪素に発熱体を埋設することよりなる。
【0088】
次に,上記性能評価の詳細につき説明する。
上記性能評価は,『絶縁性』『応答性』『速熱性』の三点より行った。
上記『絶縁性』の評価においては,ヒータ層及び外側電極(試料1−9においてはヒータと内側電極)との間の常温(20プラスマイナス1℃)における抵抗値を測定し,1MΩ以上であるものを○,1MΩ未満であるものを×とした。
【0089】
上記『応答性』の評価においては,試料1〜9にかかる酸素濃度検出素子を有する酸素濃度検出器(図4参照)を取りつけた排気系を有する2000ccの6気筒エンジンにて,1100rpmにおけるインジェクタの燃料噴射時間を変えて,A/Fを14から15へ,または15から14へと切り換えた。この時の上記酸素濃度検出器の応答時間を測定し,200ms以下であるものを○,200msより大きいものを×とした。
【0090】
なお,上記応答時間とは,上記酸素濃度検出器(限界電流式)の出力電流値において,その値が変化した幅を100とした場合の,上記変化の幅100に対して,その63%の変化に,上記A/Fを切り換えてから要した時間である。
【0091】
上記『速熱性』の評価は,以下に示すごとく行った。
まず,試料1−1〜1−9における酸素濃度検出素子のヒータ層の常温抵抗を1Ωとなし,これを取りつけた酸素濃度検出器を排気系に取り付けたエンジンを準備する。このエンジンの始動と同時に,上記酸素濃度検出素子に14Vの電圧を印加した。この時の酸素濃度検出素子の内部抵抗を,内側電極と外側電極との間に0.1Vを印加することにより測定した。この値が150Ω以下であるものを○,150Ωより大きいものを×とした。
【0092】
また,上記同様に内部抵抗を測定し,この値が150Ωに到達した時間を測定した。この値が10秒未満の場合には,『速熱性』にすぐれているといえる。
以上の結果を表1に記した。
【0093】
同表より,試料1−1〜試料1−5については,『絶縁性』,『応答性』,『速熱性』のいずれにおいても○が記され,優れた酸素濃度検出素子であることが分かった。
試料1−6については,H/Dの値が大きすぎるため『応答性』に劣っていた。試料1−7については,第一絶縁層の厚みが薄すぎるため『絶縁性』に劣っていた。試料1−8については,第一絶縁層の厚みが厚すぎるため『速熱性』に劣っていた。試料1−9については,酸素濃度検出素子とは別体の,棒状のヒータを使用しているため,『速熱性』に劣っていた。
【0094】
以上により,第一絶縁層の厚みが10〜900μmの範囲内にあり,かつH/Dの値が0.1〜0.8の範囲内ある場合に,特に優れた酸素濃度検出素子を得ることができることが分かった。
【0095】
なお,上述した本例の酸素濃度検出素子は限界電流式の酸素濃度検出素子である。図7に示すごとき,理論空燃比を境目にして階段状に変化する特性を有する酸素濃淡起電力式の酸素濃度検出素子においても,本例のごときヒータ層を設けることができる。また,この酸素濃度検出素子も,上述と同様の作用効果を有する。
【0096】
また,上述した本例の酸素濃度検出素子1においては,外側電極15が固体電解質10の側面に帯状に設けられていた。しかし,図8に示すごとく,固体電解質10の下方から底部にかけた全体を被覆するように外側電極15を設けることもできる。
このような酸素濃度検出素子においても,上述と同様の作用効果を有する。
【0097】
【表1】
Figure 0003677920
【0098】
実施形態例2
本例は,図1に示す形状の酸素濃度検出素子の実施形態例1とは異なる製造方法につき説明する。
まず,ZrO2 等の原料粉末を加圧成形した後,温度1200℃にて仮焼し,有底円筒形の固体電解質を得る。
【0099】
次いで,粒子径が0.1〜5μmである白金粉末50〜90重量%と,ガラス粉末1〜20重量%を混合し,得られた混合物に,有機バインダ3〜10重量%及び,有機溶媒を添加し,100重量%とした導電性塗布液を準備する。
次いで,上記固体電解質の内側面及び外側面に対し,上記導電性塗布液を印刷,乾燥し,内側電極及び外側電極,電極リード部,電極端子部を形成する。
【0100】
その後,上記固体電解質の鍔部より下方の外側面及び外側電極の表面に対し(図1参照),耐熱性金属酸化物の粉末をスラリー化したものをディップ,乾燥することにより,第一絶縁層を形成する。なお,上記耐熱性金属酸化物としては,アルミナ,スピネルが挙げられる。
【0101】
次いで,上記電解質の鍔部より上方の外側面及び第一絶縁層の表面に(図1参照),上記電極形成に使用したものと同様の導電性塗布液を印刷,乾燥し,ヒータ層,ヒータリード部,ヒータ端子部となす。
次いで,上記ヒータ層及び第一絶縁層の表面に,第一絶縁層と同様にして,第二絶縁層を形成する。
最後に,この固体電解質を温度1400℃〜1600℃にて焼成し,酸素濃度検出素子となす。
その他は実施形態例1と同様である。
また,本例の方法により得られた酸素濃度検出素子も,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0102】
実施形態例3
本例は,図9に示すごとく,ヒータ層の周囲に空間層を設けた酸素濃度検出素子である。
上記酸素濃度検出素子における絶縁層18は,外側電極15の表面に設けた第一絶縁層11と,該第一絶縁層11の外方に設けた第二絶縁層12とよりなり,かつ上記第一絶縁層11と第二絶縁層12との間には,ヒータ層13が設けてある。
【0103】
そして,上記ヒータ層13の周囲には,空間層139が設けられている。
この空間層139は以下のように形成される。
即ち,形成されたヒータ層13上に,樹脂を塗布する。そしてこの樹脂の上より,第二絶縁層12をプラズマ容射によって形成する。その後,焼成されることによって,樹脂が飛ばされ,その結果,いままで樹脂が設けられたところが空間となり,ヒータ層13の周囲に空間層139が形成されることになる。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0104】
本例の酸素濃度検出素子の第二絶縁層12は,スピネル材料よりなり,一方上記ヒータ層13は導電材料よりなる。このため両者の間の熱膨張差は大きい。しかし,上記ヒータ層13の周囲には,上記空間層139が設けてあるため,上記ヒータ層13に熱による体積膨張が生じても,該体積膨張は上記空間層139にて吸収されてしまう。以上により,上記第二絶縁層12における,熱応力による割れ等の発生を防止することができる。
その他は,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0105】
実施形態例4
本例は,図10〜図13に示すごとく,第一絶縁層をヒータ端子部を設けた位置まで形成した酸素濃度検出素子である。
図10〜図12に示すごとく,本例の酸素濃度検出素子1は,有底円筒形の固体電解質10と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15,外側電極リード部150及び外側電極取出部151と,その内側面に設けた内側電極16,内側電極リード部160及び内側電極取出部161とよりなる。そして,上記固体電解質10の閉塞端側101から胴部102の上記外側電極リード部151のすぐ真下までを被覆するように第一絶縁層11が設けてある。
【0106】
そして,上記第一絶縁層11の表面で固体電解質10の閉塞端側101,かつ上記外側電極15の第一絶縁層11を挟んだすぐ外方にはヒータ層13が設けてあり,また該ヒータ層13にヒータリード部130を介して接続されたヒータ端子部131が,上記固体電解質10の胴部102に設けてある。
そして,上記ヒータ層13を被覆するよう第一絶縁層11に対し第二絶縁層12が設けてある。なお,上記第二絶縁層12は固体電解質10の鍔部19より下方にのみ設けてある。
その他は実施形態例1と同様である。
【0107】
本例の酸素濃度検出素子においては,上記ヒータ端子部131まで上記第一絶縁層11を延長形成してある。これにより,熱と電位とを原因とする胴部102における固体電解質10の還元劣化,絶縁不良の発生を防止することができる。その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0108】
なお,上記酸素濃度検出素子1を固定するハウジング(図4参照)は通常金属製である。本例においては,上記ハウジングに対し,上記酸素濃度検出素子1を直接接触させないために,該酸素濃度検出素子1のヒータ端子部131以外の部分に対して,厚さ50μm程度のセラミック層を設けてある。
【0109】
なお,本例における第二絶縁層12は,固体電解質10の鍔部19の下方まで設けてあった。しかし,図13に示す酸素濃度検出素子1は,上記第二絶縁層12を鍔部19まで設けてある。
これにより,上記ハウジングに対しヒータリード部が直接接触することを防止することができる。
【0110】
実施形態例5
本例は,第二絶縁層がガス不透過性の層よりなる酸素濃度検出素子である。
図14に示すごとく,本例の酸素濃度検出素子は,固体電解質10と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内側電極16とよりなり,上記外側電極11の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質よりなり,電気的に絶縁性を有する第一絶縁層11が設けてある。
また,該第一絶縁層11の外方には,電気的に絶縁性を有し,かつガス不透過性の第二絶縁層12が設けてある。
【0111】
そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13を設けてなり,上記第二絶縁層12は,上記ヒータ層13と対面する場所にのみ部分的に設けてある。
その他は実施形態例1と同様である。
【0112】
本例にかかる酸素濃度検出素子において,上記第二絶縁層12は被測定ガスを透過させない。このため,上記第二絶縁層12が設けられていない部分,即ち,図14の矢線aに示されるごとく,第一絶縁層11が直接被測定ガスと接触している部分より上記被測定ガスは導入される。
そして,上記第二絶縁層12はヒータ層13と対面する部分にのみ設けられていることから,上記被測定ガスは上記ヒータ層13に殆ど接触することなく,上記外側電極15に達することができる。
以上により,上記ヒータ層13に対する被測定ガス中の酸素の吸着を防止でき,よって応答性に優れた酸素濃度検出素子を得ることができる。
【0113】
実施形態例6
本例は,第一絶縁層の表面に平滑面を設け,該平滑面に対しヒータ層を設けた酸素濃度検出素子である。
図15(a)〜(d)に示すごとく,本例にかかる酸素濃度検出素子は,固体電解質10と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内側電極16とよりなる。
そして,上記外側電極11の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には第二絶縁層12が設けてあり,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13が設けてある。
【0114】
上記第一絶縁層11の表面には十点平均粗さにて25μmである平滑面110が設けてある。そして,上記平滑面110と第一絶縁層11の非平滑面111との間にはテーパ部119が設けてある。
【0115】
本例にかかる酸素濃度検出素子の製造方法につき説明する。
まず,実施形態例1と同様に,有底円筒形の固体電解質10を作成する。
上記固体電解質10の内側面及び外側面に対し,内側電極16及び外側電極15等を形成する。
その後,上記固体電解質10の外側面及び外側電極15の表面に対し,第一絶縁層11を形成する。
【0116】
次いで,図15(a)に示すごとく,上記固体電解質10の下方における第一絶縁層11の表面をダイヤモンド砥石を用いて研削加工する。これにより,図15(b)に示すごとく,上記第一絶縁層11の表面部分118が除去され,平滑面110が形成される。なお,上記研削加工の際には,平滑面110と非平滑面118との間に段差が生じないよう,テーパ部119を設ける。
その後,実施形態例1と同様に,図15(c)に示すごとく,ヒータ層13等を形成する。その後,図15(d)に示すごとく,第二絶縁層12を設ける。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0117】
次に,本例にかかる平滑面110を有する酸素濃度検出素子とヒータ層13の耐久性との関係について,試料a〜試料c,比較試料C−a,C−bと図16を用いて説明する。
試料a〜試料cにかかる酸素濃度検出素子は,本例に示す方法にて設けた十点平均粗さ25μmの平滑面110を有し,該平滑面110に対し,ヒータ層13を設けてある。
比較試料C−a,C−bは第一絶縁層11の表面に対してなんの処理も行っていない酸素濃度検出素子である。そして,第一絶縁層11の表面の十点平均粗さは45μmである。
【0118】
上記各試料に対して,ヒータ層への通電耐久試験をヒータ層の発熱部の温度900℃にて行った。この試験において,ヒータ端子部間の抵抗変化率を室温(20℃+1℃)中にてデジタルマルチメータを用いて測定し,この測定結果につき図16に記した。
【0119】
同図によれば,平滑面110を有する試料a〜cは1000時間経過後も抵抗が殆ど変化しなかったことから,耐久性に優れた酸素濃度検出素子であることがわかった。
また,試料C−a,C−bは,50〜200時間経過後,抵抗変化率が大きくなったことから,耐久性が低いことがわかった。
以上により,第一絶縁層の表面に平滑面を設け,該平滑面に対しヒータ層を設けることにより,耐久性に優れた酸素濃度検出素子を得られることが分かった。
【0120】
実施形態例7
本例も,第一絶縁層の表面に平滑面を設け,該平滑面に対しヒータ層を設けた酸素濃度検出素子である。
図17に示すごとく,本例にかかる酸素濃度検出素子の第一絶縁層11における平滑面110は,該第一絶縁層11に設けた表面層115により構成されている。
【0121】
上記酸素濃度検出素子の製造方法につき説明する。
実施形態例1と同様に,固体電解質10の表面に上記外側電極15,内側電極16,第一絶縁層11を設ける。次いで,上記第一絶縁層11の表面に平滑面110を設ける。
【0122】
上記平滑面110を設けるに当たり,まず上記第一絶縁層11を作成する際に使用したものと同じ耐熱性金属酸化物を含有してなるペーストまたはスラリーを準備する。上記ペーストまたはスラリーを第一絶縁層11における所望の部分に印刷,吹き付けまたはディッピングを利用して塗布する。その後,上記ペーストまたはスラリーを焼成,表面層115となす。
その後,実施形態例1と同様にして,ヒータ層13等を設け,更にその外方に第二絶縁層12を設け,酸素濃度検出素子となす。
その他は実施形態例1と同様である。
【0123】
本例によれば,実施形態例6と同様に,耐久性に優れた酸素濃度検出素子を得られることが分かった。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0124】
実施形態例8
本例は,ヒータ層が白金と金とよりなる酸素濃度検出素子である。
本例の酸素濃度検出素子は,実施形態例1と同様,前述の図1〜図3に示すごとく,固体電解質10と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内側電極16とよりなり,上記外側電極11の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には,電気的に絶縁性を有する第二絶縁層12が設けてある。そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13が設けてある。
【0125】
そして,上記ヒータ層13は白金と金との合金よりなる。
なお,上記合金の合計重量に対し,ガラス質0.5〜20重量%,金属酸化物(Al2 3 等の耐熱性絶縁酸化物,LaSrMnO3 ,LaSrCrO3 等の酸化物導電体材料)0.5〜20重量%添加することもできる。
上記ガラス質を添加することにより,第一絶縁層11に対するヒータ層13の密着性を高めることができる。また,上記金属酸化物を添加することにより,ヒータ層13の耐熱性を高めることができる。
その他は実施形態例1と同様である。
【0126】
次に,上記ヒータ層の材質と酸素濃度検出素子の応答性との関係につき,表2を用いて説明する。
同表において,各試料はそれぞれ白金と金との重量比との異なる合金にてヒータ層13を作成した酸素濃度検出素子である。なお,試料2−5は比較のためにヒータ層13を第一絶縁層11と第二絶縁層12との間に設けなかった酸素濃度検出素子である。そして,各試料の応答性については実施形態例1と同様に測定し,その結果を表2に記した。
【0127】
同表に示すごとく,試料2−3,試料2−4にかかる酸素濃度検出素子は,応答性がヒータ層13を設けていない試料2−5と同程度に優れていることが分かった。しかし,試料2−1,試料2−2は応答性に劣っていることが分かった。以上により,ヒータ層を白金と金とを所定の重量比で混合した合金にて作成することにより,応答性に優れた酸素濃度検出素子を得られることが分かった。
【0128】
実施形態例9
本例はヒータ層を多層構造とした酸素濃度検出素子である。
図18に示すごとく,本例にかかる酸素濃度検出素子は,固体電解質と外側電極と内側電極とよりなり,上記外側電極の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には第二絶縁層12が設けてある。
そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13が設けてある。
【0129】
そして,上記ヒータ層13は第一絶縁層11側に設けられた厚みが5μm程度の第一ヒータ層31と,その上に積層された厚さが10〜60μm程度の第二ヒータ層32とよりなる。
上記第一ヒータ層31及び第二ヒータ層32は共に白金と金との合金よりなり,該合金の重量に対し,第一ヒータ層31はガラス質が10重量%程度添加され,第二ヒータ層32はガラス質が5重量%程度添加された材料よりなる。
その他は実施形態例1と同様である。
【0130】
本例にかかる酸素濃度検出素子において,第一絶縁層11と接触する第一ヒータ層31はガラス質の添加量が多く,また,第一絶縁層11と非接触である第二ヒータ層32はガラス質の添加量が少ない。
元来ガラス質はヒータ層13の第一絶縁層11に対する密着性を高めるために添加しているが,該ガラス質は導電物質でないことから,ヒータ層13の発熱性を低下させる原因となる。
【0131】
このため,密着性の要求される第一ヒータ層31に対し,ガラス質を多く添加し,密着性のさほど要求されない第二ヒータ層32に対し,ガラス質の添加量を減ずることにより,発熱性と第一絶縁層11に対する密着性の双方に優れた酸素濃度検出素子を得ることができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0132】
なお,上述した酸素濃度検出素子のヒータ層13は,第一ヒータ層31の上に第二ヒータ層32を積層した二層構造を有していたが,図19に示すごとく,第一ヒータ層31の上に第二ヒータ層32を積層し,更にその上に再度第一ヒータ層31を設けた三層構造のヒータ層13とすることもできる。
【0133】
更に,図20に示すごとく,第二ヒータ層32の全外周を第一ヒータ層31にて被覆した構造のヒータ層13とすることもできる。
双方共に上述の図18にかかる酸素濃度検出素子と同様の作用効果を得ることができる。
また,本例にかかるような多層構造をヒータ層13のみならず,ヒータリード部に対し施してもよい。
【0134】
実施形態例10
本例は,ヒータリード部が金よりなる酸素濃度検出素子である。
本例の酸素濃度検出素子は,実施形態例1と同様,前述の図1〜図3に示すごとく,固体電解質10と,該固体電解質10の外側面に設けた外側電極15と,その内側面に設けた内側電極16とよりなり,上記外側電極11の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一絶縁層11が,該第一絶縁層11の外方には,電気的に絶縁性を有する第二絶縁層12が設けてある。そして,上記第一絶縁層11と上記第二絶縁層12との間にはヒータ層13が設けてある。
【0135】
また,上記固体電解質10には,その閉塞端側101に上記ヒータ層13が設けてあり,またその胴部102にはヒータリード部130を介して上記ヒータ層13と接続したヒータ端子部131,132を設けてある。そして,上記ヒータ層13は金と白金との合金よりなり,上記ヒータリード部130及びヒータ端子部131,132は金よりなる。
【0136】
なお,上記ヒータリード部130を構成する金に対し,ガラス質0.5〜20重量%,金属酸化物(Al2 3 等の耐熱性絶縁酸化物,LaSrMnO3 ,LaSrCrO3 等の酸化物導電体材料)0.5〜20重量%添加することもできる。
上記ガラス質を添加することにより,第一絶縁層とヒータ層との密着性を高めることができる。また,上記金属酸化物を添加することにより,ヒータ層の耐熱性を高めることができる。
その他は実施形態例1と同様である。
【0137】
本例の酸素濃度検出素子は,ヒータリード部130が金により構成されているため,ヒータリード部130における触媒作用が小さくなる。このため,ヒータリード部130におけるCの析出を原因とするヒータリード部130の劣化,断線を防止できる。
また,本例の素子においては,ヒータリード部130が金,ヒータ層が白金と金との合金よりなる。このため,発熱はより電気抵抗の高いヒータ層13に集中する。このため,ヒータ層13,ヒータリード部130に供給された電力を効率よく外側電極15の加熱に消費することができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0138】
実施形態例11
本例は様々な形状を有するヒータ層,ヒータリード部,ヒータ端子部について説明するものである。
図21〜図27に示すごとく,本発明の酸素濃度検出素子としては,さまざまな形状のヒータ層を有することができる。なお,すべての図面は円筒形の固体電解質の側面に形成したヒータ層13等を平面展開した状態について示したものである。
すべての図において,符号13はヒータ層,符号130はヒータリード部,符号131,132はヒータ端子部である。
【0139】
図21〜23にかかるヒータ層13は,該ヒータ層13の幅を細くして,該ヒータ層13を櫛歯状に適宜並べて形成した例である。
図24はヒータ層13を面状としたもの,図25〜図27は,図24に示した面状のヒータ層13に対し複数のスリット138を設けた例を示したものである。
その他は実施形態例1と同様である。
【0140】
以下に本例の各ヒータ層につき作用効果につき説明する。
図21〜図23に示すごとく,上記ヒータ層13が櫛歯状である場合には,ヒータ層13間に間隙が形成されるため,該間隙より被測定ガスを導入することができる。このため,被測定ガスの第二の絶縁層から,ヒータ層の隙間,第一の絶縁層を経て外側電極までの拡散導入すること,また逆に,外側電極近傍の被測定ガスを上記と逆方向に外部への拡散導出することを速やかに行うことができ,応答性に優れたガス検出素子を得ることができる。
【0141】
また,図24にかかるヒータ層13においては,これが面状に形成されていることから,外側電極を均一に加熱することができる。このため,絶縁層内部の応力を低減することができ,よって該応力を原因とする絶縁層の亀裂発生を防止することができ,酸素濃度検出素子の信頼性を高めることができる。
【0142】
また,図25〜図27にかかるヒータ層13においては,スリット138が設けてなるため,該スリット138より被測定ガスを導入することができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
なお,上記ヒータ層の形状及び大きさは,本例のみに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,酸素濃度検出素子の(a)右側面図,(b)左側面図。
【図2】実施形態例1における,ヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図3】実施形態例1における,酸素濃度検出素子の要部断面図。
【図4】実施形態例1における,酸素濃度検出器の断面説明図。
【図5】実施形態例1における,絶縁碍子を有する酸素濃度検出器の断面図。
【図6】実施形態例1における,本例及び従来例にかかる酸素濃度検出素子の空燃比及び限界電流の関係を示す線図。
【図7】実施形態例1における,酸素濃淡起電力式の酸素濃度検出素子の空燃比及び起電力の関係を示す線図。
【図8】実施形態例1における,他の酸素濃度検出素子の(a)要部右側面図,(b)要部左側面図。
【図9】実施形態例3における,空間層を有する酸素濃度検出素子の要部断面図。
【図10】実施形態例4における,第一絶縁層を胴部まで延長形成させた酸素濃度検出素子の(a)右側面図,(b)左側面図。
【図11】実施形態例4における,図10にかかる酸素濃度検出素子の上面図。
【図12】実施形態例4における,図11のA−A矢視断面図。
【図13】実施形態例4における,第二絶縁層を鍔部の上方まで形成した酸素濃度検出素子の縦断面図。
【図14】実施形態例5における,第二絶縁層がガス不透過性の多孔質よりなる酸素濃度検出素子の要部断面図。
【図15】実施形態例6における,第一絶縁層に平滑面を設け,該平滑面にヒータ層を設けるための説明図。
【図16】実施形態例6における,平滑面の有無と抵抗変化率の時間変動との関係を示す線図。
【図17】実施形態例7における,第一絶縁層に表面層を設け平滑面とした酸素濃度検出素子の要部断面説明図。
【図18】実施形態例9における,二層構造を有するヒータ層の要部断面説明図。
【図19】実施形態例9における,三層構造を有するヒータ層の要部断面説明図。
【図20】実施形態例9における,第一ヒータ層にて被覆された第二ヒータ層を有するヒータ層の要部断面説明図。
【図21】実施形態例11における,ヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図22】実施形態例11における,他のヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図23】実施形態例11における,他のヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図24】実施形態例11における,他のヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図25】実施形態例11における,他のヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図26】実施形態例11における,他のヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図27】実施形態例11における,他のヒータ層の形状を示す展開説明図。
【図28】従来例における,酸素濃度検出素子の側面図。
【図29】従来例における,酸素濃度検出素子の要部断面図。
【符号の説明】
1,9...酸素濃度検出素子,
10...固体電解質,
101...閉塞端側,
102...胴部,
11...第一絶縁層,
110...平滑面,
12...第二絶縁層,
13...ヒータ層,
130...ヒータリード部,
131...ヒータ端子部,
15...外側電極,
150...外側電極リード部,
16...内側電極,
160...内側電極リード部,
2...酸素濃度検出器,
20...ハウジング,
211...ワッシャ,
216...絶縁碍子,
【表2】
Figure 0003677920

Claims (18)

  1. 一端が閉塞し他端が開口した有底円筒形の固体電解質と,該固体電解質の外側面に設けた被測定ガスに接触する外側電極と,該固体電解質の内側面に,上記固体電解質を介して上記外側電極と対向する位置に設けられた内側電極とよりなる酸素濃度検出素子と,該酸素濃度検出素子を保持するハウジングとからなる酸素濃度検出器において,
    上記外側電極の少なくとも酸素濃度検出に供される表面には,ガス透過性の多孔質よりなる電気的に絶縁性を有する第一絶縁層を設けてなり,
    更に,該第一絶縁層の外方には,電気的に絶縁性を有する第二絶縁層を設けてなり,
    かつ,上記第一絶縁層と上記第二絶縁層との間にはヒータ層を設けてなり,
    更に,上記第一絶縁層の厚みは10〜900μm,気孔率は1〜50%であることを特徴とする酸素濃度検出器。
  2. 請求項1において,上記第二絶縁層はガス透過性の多孔質であることを特徴とする酸素濃度検出器。
  3. 請求項1又は2のいずれか一項において,上記ヒータ層は,導電材料とガラス質とよりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  4. 請求項1において,上記ヒータ層は,導電材料よりなり,該導電材料は貴金属粉末,ペロブスカイト型酸化物粉末の一方または双方の焼結体よりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  5. 請求項1において,上記ヒータ層は,金属線または金属箔よりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  6. 請求項1〜のいずれか一項において,上記有底円筒形の固体電解質は,上記ヒータ層に接続したヒータリード部を,また上記外側電極に接続した外側電極リード部を,更に上記内側電極に接続した内側電極リード部をそれぞれ有していることを特徴とする酸素濃度検出器。
  7. 請求項1〜のいずれか一項において,上記有底円筒形の固体電解質には,その閉塞端側に上記ヒータ層が設けてあり,またその胴部にはヒータリード部を介して上記ヒータ層と接続したヒータ端子部を設けてあり,
    かつ上記第一絶縁層は上記ヒータ端子部を設けた位置まで形成されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
  8. 請求項1において,上記酸素濃度検出素子は,上記ハウジングに対して当接した状態で保持されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
  9. 請求項1において,上記酸素濃度検出素子は,上記ハウジングに対して金属製のワッシャを介して当接した状態で保持されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
  10. 請求項1において,上記酸素濃度検出素子は,上記ハウジングに対して絶縁碍子を介して当接した状態で保持されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
  11. 請求項1において,上記第二絶縁層は,上記ハウジングに当接保持される酸素濃度検出素子の保持当接面まで形成されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
  12. 請求項1において,上記第一絶縁層の表面には平滑面を設けてなり,該平滑面に対し上記ヒータ層を設けてなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  13. 請求項12において,上記第一絶縁層の平滑面は,その表面粗さが十点平均粗さ(JIS B0601−1982)にて0〜30μmであることを特徴とする酸素濃度検出器。
  14. 請求項1において,上記ヒータ層は上記外側電極よりも酸素吸着力が弱いことを特徴とする酸素濃度検出器。
  15. 請求項14において,上記ヒータ層は,白金と金とよりなる混合または合金材料よりなり,かつ上記混合または合金材料における金の含有率は,0.5〜50重量%であることを特徴とする酸素濃度検出器。
  16. 請求項14において,上記ヒータ層は白金と,Pd,Rh,Irより選ばれる少なくとも一種よりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
  17. 請求項において,上記ヒータリード部及び上記外側電極リード部は,上記外側電極よりも被測定ガスの酸化,還元の触媒作用が小さいことを特徴とする酸素濃度検出器。
  18. 請求項17において,上記ヒータリード部は,金または金とPt,Pd,Rh,Irより選ばれる少なくとも一種を混合した金合金よりなることを特徴とする酸素濃度検出器。
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