JP3673017B2 - 蒸気タービン起動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラー、蒸気タービン、蒸気流量調節弁およびその弁開度を制御するタービン制御装置を少なくとも有するプラントの蒸気タービン起動制御装置に係り、特に発電用中間負荷運転プラント等、急速かつ頻繁な起動停止運用が要求されるようなプラントの蒸気タービン起動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、蒸気タービンの起動時には、流入蒸気温度の上昇、および蒸気流量増大による蒸気・ロータ間の熱伝達率の向上に従って、タービンロータの表面メタル温度が上昇する。そして、タービンロータの内部はロータ表面からの熱伝導によって表面温度より遅れて温度上昇するため、タービンロータの内部で温度分布に偏差が現れ、熱応力が発生する。このとき、過大な熱応力はタービンロータの寿命を著しく縮めてしまうので、発生熱応力の値は適正値に抑えられなければならない。また、蒸気タービンの1回の起動に対する寿命消費はその時の熱応力のピークの大きさと回数により定量的把握が行なえることが知られている。
【0003】
ところで、近年、発電用プラントでは、急速かつ頻繁な起動停止運用が蒸気タービンに要求されている。必要以上の急速な起動は、過大な熱応力をタービンロータに発生さる虞がある。したがって、蒸気タービン起動時には上記熱応力を制限値以内に抑制し、かつ1回の起動に対するロータ寿命消費も適正にするような起動方法が必要である。
【0004】
次に、従来の蒸気タービンの起動方法の一例を示す。
【0005】
一般に、蒸気タービン起動時に、熱応力的に最も厳しい状況下にあるのは、高圧タービン第1段後、および再熱部第1段後の各ロータ表面部分である。そして、運転中にタービンロータに発生している熱応力の値を実測することは一般的に非常に困難であるため、ロータ内部のメタル温度を伝熱計算により求め、その温度分布から熱応力の値を推定する。
【0006】
伝熱計算には、ロータの表面温度を計測する必要があるが、運転中にロータ表面温度を計測することは、困難である。しかしながら、ロータ表面温度は、ケーシング内面メタル温度にほぼ等しく、代替が可能であることが知られている。したがって、以下、ロータ表面温度は、蒸気タービンのケーシング内面ルタル温度の計測値で代替するものとし、計測可能な量であるとして扱う。
【0007】
そして、従来の蒸気タービンの起動方法では、図5に示すような起動スケジュールに沿って蒸気タービンの自動起動を行なう。つまり、起動開始から定格回転数になるまでは、回転数が指令値に等しくなるように回転数制御を行なう。蒸気タービンが定格回転数に達した後、このタービンにより駆動される発電機が負荷をとり始めると、負荷を指令値に等しくするように、負荷制御が行なわれる。
【0008】
このように、図5中に折れ線で示されたような回転数と負荷の指令値のスケジュールに沿って蒸気タービンを制御し、起動を行なう。このスケジュールを決定するパラメータは昇速率、つまり、ロータ回転数の変化率と、負荷上昇率、つまり、負荷の変化率と、ヒートソーク時間、つまり、負荷や回転数を保持する時間である。発生熱応力の値を規定値に抑えるため、これらのパラメータを適当な値に定める必要がある。
【0009】
これらのパラメータの値はミスマッチチャートにより決定される。ミスマッチチャートでは、起動時の主蒸気温度から求めた高圧第1段蒸気温度を推定値とし、この推定値と、高圧第1段落後のケーシング内面メタル温度計測値との温度差であるミスマッチ温度から昇速率、負荷上昇率等の全てのパラメータを幾つかのパターンから選出することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の蒸気タービン起動制御装置では、タービン起動時に、有限個のパターンから起動スケジュールを選択する方法により行なっている。このため、タービンロータの最大熱応力が規定されている時に、必ずしも起動時間が最短になるような起動スケジュールを構成できず、この意味で最適な制御ではなかった。なお、以下、タービンロータの熱応力がその規定値以下に制限されているときに、起動時間が最短になるような起動を最適な起動と表現する。
【0011】
また、タービン起動開始時に全ての起動スケジュールを決定してしまうため、ボイラー条件等の変化により蒸気条件が変化した場合、その変化に対応して起動スケジュールを調整することができない。このため、タービンロータに発生する熱応力は、起動時に予測した値と大きく異なる値をとることがあり、場合によっては過大な熱応力が発生する可能性もあるという課題があった。
【0012】
さらに、従来の方法では、起動中のボイラー条件の変化を予め正確に予測することが困難であるので、予測値と実際の値の不確定性を考慮し、余裕をもった起動スケジュールを作成する必要があった。このような理由からも、起動完了まで必要以上に長い時間を要していた。
【0013】
そこで本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、タービンロータの熱応力を規定値以下に抑えつつ、蒸気タービンを最小時間で起動できるうえに、ボイラー条件の変化等環境変化に対応することができる蒸気タービン起動制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出すると共に、その最適推移パターンのうちの現時刻での値を実際の操作量として上記タービン制御装置に与える最適パターン演算手段と、を具備していることを特徴とする。
【0015】
本請求項1によれば、最適パターン演算手段により、タービンロータの予測熱応力が規定値以下であることと、プラントの運転条件を満足させることと、タービンの起動時間が最小となることを全て満足させる操作量の最適推移パターンを線形計画法等で算出し、この最適推移パターンの操作量に基づいて調節弁を開度制御するので、タービンロータの熱応力を規定値以下に抑えつつ、タービンを最小時間で起動することができる。
【0016】
また、上記操作量の最適推移パターンを求める演算を所定の周期毎に繰り返すので、ボイラーの蒸気条件等が急変した場合でも、常にその環境変化に対応した最適起動を行なうことができる。
【0017】
請求項2の発明は、ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出する最適パターン演算手段と、上記最適推移パターンのうちの現時刻での値を状態量の設定値として設定し、これに対応する状態量の測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように上記操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段と、を具備していることを特徴とする。
【0018】
本請求項2によれば、上記請求項1の発明と同様の作用効果を有するうえに、操作量調整手段により、操作量の最適推移パターンの現在値と、これに対応する測定値との偏差を解消させるように最適推移パターンをフィードバック制御するので、種々の不確定要素やモデル化誤差の影響を低減し、起動制御精度を向上させることができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項2記載の操作量調整手段を、最適推移パターンのうちの現時刻での変化率を状態量の変化率設定値として設定し、これに対応する状態量の測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段に、置換したことを特徴とする。
【0020】
本請求項3によれば、上記請求項2の発明とほぼ同様に操作量調整手段により、操作量の最適推移パターンをフィードバック制御するので、請求項2の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0021】
請求項4の発明は、ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件の一部を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出する最適パターン演算手段と、上記最適推移パターンを上記最適化で考慮した以外の運転上の制約条件を満足させるように修正すると共に、この修正パターンのうちの現時刻での値を実際の操作量として所定の制御周期毎に上記タービン制御装置に与えるパターン修正手段と、を具備していることを特徴とする。
【0022】
本請求項4によれば、プラントの種々の運転条件のうち、最適パターン演算手段により容易に演算することができる一部をこの最適パターン演算手段で演算させ、この制約条件以外の特定の制御条件を満足させるようにパターン修正手段により上記最適推移パターンを修正するので、パターン演算手段での演算の速度と精度とを共に高めることができる。
【0023】
請求項5の発明は、ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件の一部を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出する最適パターン演算手段と、上記最適推移パターンを上記最適化で考慮した以外の運転上の制約条件を満足させるように修正するパターン修正手段と、この修正パターンのうちの現時刻での値を状態量の設定値として設定し、これに対応する測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段と、を具備していることを特徴とする。
【0024】
本請求項5によれば、上記請求項4の発明とほぼ同様の作用効果を有するうえに、修正パターンの現在値と、これに対応する測定値との偏差を解消させるように修正パターンをフィードバック制御するので、種々の不確定要素やモデル化誤差の影響を低減し、起動制御精度を向上させることができる。
【0025】
請求項6の発明は、請求項5記載の操作量調整手段を、上記修正パターンのうちの現時刻での変化率を状態量の変化率設定値として設定し、これに対応する状態量の測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段に、置換したことを特徴とする。
【0026】
本請求項6によれば、上記請求項5の発明とほぼ同様に操作量の修正パターンをフィードバック制御するので、請求項5の発明とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0027】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気タービン起動制御装置において、操作量を調整する際は、予め設定した操作量データテーブルから、算出された操作量を超えない範囲での最大の近似値を選択し、その選択値をタービン制御装置に与える操作量とする手段、を具備していることを特徴とする。
【0028】
本請求項7によれば、操作量の算出値は各作動条件により複雑な変化となるが、その算出値の近似値を、データテーブルの最も不都合のない数種の値で代表させているので、複雑化を避けることができると共に、昇速率と負荷上昇率を操作量とする従来のタービン制御装置に適用させることができる。
【0029】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱応力予測手段を、タービンロータの寿命消費またはタービンロータ内部の温度差の最大値の少なくとも一方を予測する手段に、置換したことを特徴とする。
【0030】
本請求項8によれば、タービンロータの寿命消費またはタービンロータ内部の温度差の最大値の少なくとも一方の予測によっても、熱応力予測とほぼ同様にタービンロータの健全性ないし信頼性を評価することができる。
【0031】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蒸気タービン起動制御装置において、起動時間を最小にする条件を、所定時間後のタービンロータメタル温度最大、タービンロータメタル温度変化率最大、蒸気流量最大、蒸気流量の変化率最大の各条件のうちの少なくともいずれかに置換することを特徴とする。
【0032】
本請求項9によれば、蒸気タービンの起動時間を直接評価することが困難であるときは、タービンロータメタル温度最大、その変化率最大、蒸気流量最大、その変化率最大の少なくともいずれかにより起動時間を評価することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図1〜図4中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0034】
図1は本発明の第1実施形態の全体構成を示すブロック図であり、この図において、蒸気タービン起動制御装置1は蒸気タービン2を最適起動させるための制御装置である。
【0035】
この蒸気タービン2を有するプラントPは蒸気タービン2の蒸気入口に主蒸気管3を介して図示しないボイラー出口を接続し、この主蒸気管3の途中に介在された蒸気流量調節弁4と、その開度を操作量5に応じて制御する既存のタービン制御装置6と、蒸気タービン2の実際のプラント状態量を測定するセンサーTとを具備している。
【0036】
蒸気タービン起動制御装置1は、このタービン制御装置6に入力される操作量5を制御して蒸気タービン2を最適起動させるために、最適パターン演算手段7、熱応力予測手段8、パターン修正手段9および操作量調整手段10を具備している。
【0037】
蒸気タービン起動制御装置1は、最適パターン演算手段7と熱応力予測手段8とパターン修正手段9で算出された値が操作量調整手段10の設定値となるようなカスケード構成となっている。
【0038】
熱応力予測手段8はロータ表面温度等のプラント状態量を入力とし、将来のある期間に亘って蒸気タービン2のロータ(以下タービンロータという)に発生する熱応力を予測するものであり、数学モデルの熱応力予測モデル11を構築するものである。この熱応力予測モデル11を用いると、現在から未来の所定の予測区間に亘るモデル入力(プラント状態量)を仮定したとき、その区間内に発生する熱応力を計算することができる。
【0039】
逆に、熱応力予測手段8の出力である予測熱応力に対して、それが規定値を超えないという制限を設定したとき、起動時間が最小になるようなプラント状態量の推移パターンを計算することができる。
【0040】
最適パターン演算手段7では、このようなプラント状態量最適推移パターン12を最適化手法により計算する。最適推移パターン通りにプラント状態量が変化した場合、熱応力が規定値以下で、なおかつ起動時間が最小になるような、最適な起動が実現される。
【0041】
一般的に最適パターン演算手段7では、数理計画法を利用し、熱応力予測モデル11による予測熱応力計算を繰り返し行なうことにより、最適な推移パターンを探索する方法が用いられるが、その他の手法によって最適推移パターンを計算する場合もある。
【0042】
一方、プラントPには、「回転数・負荷設定値が単調増加であること」や「昇速率・負荷上昇率あるいは規定値以下であること」等のような幾つかの運転上の制約条件が存在する。最適パターン演算手段7では、これらの制約条件を考慮して最適化演算を行なわなければならない。これらの制約条件のうち、最適パターン演算手段7で容易に取り扱うことができない特定の制約条件が存在する場合、この特定の制約条件以外の制約条件を最適パターン演算手段7でまず最適演算を行い、プラント状態量最適推移パターンを出力する。パターン修正手段9はこのプラント状態量最適推移パターンを特定制約条件を満足するように修正する。こうして得られた状態量の推移パターンは、全ての運転上の制約条件を満たす、準最適なパターンとなっている。
【0043】
上記各演算は、所定の制御周期毎に繰り返され、常に最適な状態量パターンが計算される。このため、図示しないボイラーの蒸気条件等環境が急変した場合でも、その環境変化に応じた最適な推移パターンを得ることができる。
【0044】
パターン修正手段9で修正されたプラント状態量最適推移パターン12は、プラント状態量設定値13として比較部14に操作量調整手段10のための設定値データとして与えられる。
【0045】
比較部14は蒸気タービン2の制御の結果得られたプラント状態量測定値15を、パターン修正手段9で得られたプラント状態量設定値13と比較し、その偏差を求めて操作量調整手段10に与えられる。
【0046】
操作量調整手段10は比較部14で得られたプラント状態量偏差をゼロにするための操作量5を演算し、これを既存のタービン制御装置6に与える。タービン制御装置6は与えられた操作量5に基づいて蒸気流量調節弁4の開度を制御して蒸気タービン2の状態量、例えば昇速率や負荷上昇率をフィードバック制御する。
【0047】
以上のルーチンによりプラント状態量はパターン修正手段9により修正されたプラント状態量設定値13に従って推移し、熱応力が規定値以下で、かつ最短時間起動という意味で最適な蒸気タービン2の起動を行なうことができる。
【0048】
図2は本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図であり、この蒸気タービン起動制御装置1Aは上記第1実施形態におけるプラント状態量として蒸気タービン2のロータ表面温度を使用する点に特徴がある。
【0049】
つまり、蒸気タービン2のロータの温度分布に基づくロータ熱応力計算は、一般的にタービンロータの形状が無限円筒に近似可能であるため、ロータ表面熱応力δs とロータボア熱応力δb とを次の数(1)式で表されることが知られている。
【0050】
【数1】
【0051】
一方、タービンロータ内部の温度分布はロータ軸方向の分布を無視し、半径方向のみの一次元熱伝達問題で近似できる。この熱伝達微分方程式を解くために様々な手法が提案されているが、差分法による計算方法を用いるのが一般的である。
【0052】
ロータの表面温度を入力とすると、差分法による監視熱応力演算は、次の数(2)式の線形数学モデルで表現することが可能である。
【0053】
式中のロータ表面温度Tn をプラント運転中に実測することは非常に困難であるが、この値は第1段落後のケーシングメタル温度とほぼ等しく、通常はこれで代替できることが知られている。よってロータ表面温度は計測可能であるとして以下の説明を続ける。
【0054】
実際にはロータ表面温度の代りに第1段落後のケーシングメタル温度を用いる。
【0055】
次の数(2)式の線形数学モデルを変形すると、熱応力予測モデル11Aは下記の数(3)式に示すように導出できる。
【0056】
【数2】
【0057】
【数3】
【0058】
熱応力予測手段8Aにより算出された熱応力予測モデル11Aは、未来のある区間のロータ表面温度変化を仮定したとき、その区間に発生する熱応力の値を計算する機能を有する。
【0059】
最適パターン演算手段7Aでは、この熱応力予測モデル11Aを用いることにより、熱応力の値を規定値以下に抑えつつ、起動時間が最短になるような、未来のロータ表面温度の最適推移パターン12Aを算出する。算出方法は、線形計画法が利用できる。そのときの制約条件は「予測区間内の熱応力の値が規定値を超えないこと」であり、評価関数は「起動時間が最小」である。起動時間を直接評価することが困難であるときは、起動時間最短化を、「ある時間区間内のロータ温度の最高化」という条件に置き換えて計算を行なう。例えば、制約条件と評価関数とを次の数(4)式のように設定する。
【0060】
【数4】
【0061】
また、ボイラーの蒸気条件は刻々と変化していくので、常に最適なロータ表面温度推移パターンを求めるために、この最適化計算はある制御周期毎に行なう。
【0062】
一方、プラント運転には、「昇速率・負荷上昇率はある値以下でなければならない」や、「回転数・負荷設定値は単調増加しなければならない」等の数々の制約条件が存在する。この制約条件を満たしながら、ロータ表面温度最適推移パターン12Aを最適化演算によって算出する。このとき、特定の制約条件を最適化演算を行なった後、算出されたロータ表面温度の最適推移パターン12Aに対して、特定の制約条件を満足するように、パターン修正手段9Aにてパターン修正を行なう。ここでは、「回転数・負荷設定値が単調増加する」ための修正について、以下、図3を参照して説明する。
【0063】
蒸気タービン2の回転数と負荷は蒸気流量に比例するので、上記の制約条件は「蒸気流量が単調増加すること」と等価である。また蒸気・ロータ間の熱伝達率を考えると、その値は蒸気流量に対して単調増加関数となっている。したがって、「熱伝達率が単調増加する」ようにロータ表面温度推移パターンを修正すればよい。
【0064】
ロータ表面温度の推移パターンから、熱伝達率の推移パターンを算出する。この熱伝達率の推移パターンを単調増加するように修正する。ここで注意する点は、図3にも示すように制御に用いるのは推移パターンのうちのk+1時刻の値のみである点である。なお、ここでkは現在時刻を示す。最適推移パターンを単調増加するように頭切りして修正したとき、熱伝達率のk+1時刻の値は予測区間内での最小値になっている。よって、熱伝達率の推移パターンのうち、予測区間内での最小値を設定値とする。この熱伝達設定値からロータ表面温度を逆に算出する。これをロータ表面温度設定値13Aとする。
【0065】
操作量調整手段10Aでは、ロータ表面温度測定値15Aと、ロータ表面温度設定値13Aを比較部14Aで比較させ、両者を一致させるように操作量5Aの昇速率・負荷上昇率を調節する。蒸気タービン2の昇速中は、昇速率を調節し、定格回転数に達した後は負荷上昇率を調節する。
【0066】
これにより、プラント状態量はパターン修正手段9Aで算出された、運転条件を満足する準最適な推移パターンに従って変化するので、タービンロータの熱応力の値を規定値以下に抑えつつ、起動時間が最短な起動を行なうことができる。
【0067】
また、ボイラ条件の変化等によって、蒸気条件が変化した場合でも、最適パターン演算手段7Aによってその時に最適なロータ表面温度推移パターンを常時算出するので、ボイラー等環境の変化に柔軟に対応できる。
【0068】
図4は本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック図であり、この蒸気タービン起動制御装置1Bは上記第2の実施形態に差分演算手段20を設けた点に特徴がある。
【0069】
つまり、差分演算手段20は最適なロータ表面温度の推移パターンから現在時刻のロータ表面温度変化21を算出する。そして、プラント状態量の設定値として、ロータ表面温度変化21を用いる。ロータ表面温度変化設定値13Bと実際の表面温度測定値から計算されるロータ表面温度変化21を比較部14Bで比較し、両者を一致させるように操作量5Aである昇速率と、負荷上昇率を操作量調整手段10Aで調節する。その調節のアルゴリズムは例えば、次の数(5)式に従うものを用いる。
【0070】
【数5】
【0071】
なお、本発明は昇速率と負荷上昇率のデータテーブルを使用してもよい。つまり、上記各実施例において、昇速率・負荷上昇率を算出した後、予め別に用意した昇速率・負荷上昇率のデータテーブルから算出値を超えない範囲で一番近い値を選択し、操作量5Aとして用いる。例えば、昇速率に対して、0,60,120,180,240,360 rpm/min というデータテーブルが用意されており、昇速率の算出値が155 rpm/min のときは、その算出値を超えないテーブル内の最大値120 rpm/min をテーブルルックアップして実際の操作量5Aとしてタービン制御装置6に与えてもよい。
【0072】
以上説明したように、各実施形態によれば、プラント状態量の設定値と実際の測定値との偏差をゼロにするようにフィードバック制御するので、様々な不確定要素やモデル化誤差の影響を低減することができる。
【0073】
また、ボイラー条件等の急変が起こった場合でも、その環境変化に応じたプラント状態の最適推移パターンを毎周期毎に再計算し、更新するので、蒸気タービン2を常に最適起動することができる。
【0074】
また、蒸気タービンの起動時には複数のタービンロータに発生する熱応力が問題になるときがあるが、一般の火力発電所においても、高圧タービンと中圧タービンの両方のロータに発生する熱応力が問題になる。このよなう場合、本実施形態によれば、問題になるタービンロータそれぞれに対して熱応力予測モデルを構築し、状態量の最適推移パターン計算も双方の予測モデルに従って行ない、同じ現時刻において、それぞれに対してプラント状態量の設定値を算出し、それに応じた昇速率・負荷上昇率を計算する。そして、蒸気タービン2の実際の起動時に用いる昇速率または負荷上昇率は、それらの値の最小値を用いる。このような、保守的な選択を行なうことによって、複数のタービンに発生する熱応力を全て規定値以下に抑えることができる。
【0075】
また、複数の蒸気タービン2の熱応力予測モデル11に対して、それぞれ異なった値の熱応力規定値を設定し、最適化演算を行なうことも可能である。これによって、異なる箇所の熱応力と規定値をタービン部材や形状の違い等から決定される適正値に設定することが可能となる。
【0076】
そして、本発明の他の変形例としては、既存のタービン制御装置6への融合を容易にするために、上記各実施形態では、昇速率・負荷上昇率の値を調節する場合について説明したが、本発明では、蒸気流量を直接制御したり、回転数や負荷の設定値を変更することとしても同様であり、本質的には変りはない。
【0077】
また、タービンロータの熱応力の最大値からロータの寿命消費率は即座に計算可能である。よって熱応力予測モデルの代りにロータ寿命消費、またはタービンロータ内部の温度差の最大値の少なくとも一方を予測する予測モデルを構築し、その規定値を設定してもよい。
【0078】
さらに、上記各実施形態では、熱応力予測モデルとして線形数学モデルを用い、線形計画法により最適プラント状態量推移パターンを算出したが、熱応力予測モデルとしては非線形な数学モデルを用いることも可能である。この場合、最適プラント状態量推移パターンを算出するための最適化手法としては、公知の種々の非線形最適化手法を用いることができる。
【0079】
さらにまた、最適プラント状態量推移パターンの計算周期と操作量調整の制御周期とを異なった値に設定することも可能である。
【0080】
また、蒸気タービン2の起動時間を最小にする条件を直接評価することが困難であるときは、所定時間後のロータメタル温度最大、その変化率最大、蒸気流量最大、その変化率最大のうちの少なくともいずれかの条件に置換して計算してもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、最適パターン演算手段により、タービンロータの予測熱応力が規定値以下であることと、プラントの運転条件を満足させることと、タービンの起動時間が最小となることを全て満足させる操作量の最適推移パターンを線形計画法等で算出し、この最適推移パターンの操作量に基づいて調節弁を開度制御するので、タービンロータの熱応力を規定値以下に抑えつつ、タービンを最小時間で起動することができる。
【0082】
また、上記操作量の最適推移パターンを求める演算を所定の周期毎に繰り返すので、ボイラーの蒸気条件等が急変した場合でも、常にその環境変化に対応した最適起動を行なうことができる。
【0083】
請求項2の発明によれば、上記請求項1の発明と同様の作用効果を有するうえに、操作量調整手段により、操作量の最適推移パターンの現在値と、これに対応する規定値との偏差を解消させるように最適推移パターンをフィードバック制御するので、種々の不確定要素やモデル化誤差の影響を低減し、起動制御精度を向上させることができる。
【0084】
請求項3の発明によれば、上記請求項2の発明とほぼ同様に操作量制御手段により、操作量の最適推移パターンをフィードバック制御するので、請求項2の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0085】
請求項4の発明によれば、プラントの種々の運転条件のうち、最適パターン演算手段により容易に演算することができる一部をこの最適パターン演算手段で演算させ、この制約条件以外の特定の制御条件を満足させるようにパターン修正手段により上記最適推移パターンを修正するので、パターン演算手段での演算の速度と精度とを共に高めることができる。
【0086】
請求項5の発明によれば、上記請求項4の発明とほぼ同様の作用効果を有するうえに、修正パターンの現在値と、これに対応する測定値との偏差を解消させるように修正パターンをフィードバック制御するので、種々の不確定要素やモデル化誤差の影響を低減し、起動制御精度を向上させることができる。
【0087】
請求項6の発明によれば、上記請求項5の発明とほぼ同様に操作量の修正パターンをフィードバック制御するので、請求項5の発明とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0088】
請求項7の発明によれば、操作量の算出値は各作動条件により複雑な変化となるが、その算出値の近似値を、データテーブルの最も不都合のない数種の値で代表させているので、複雑化を避けることができると共に、昇速率と負荷上昇率を操作量とする従来の制御装置に適用させることができる。
【0089】
請求項8の発明によれば、タービンロータの寿命消費またはタービンロータ内部の温度差の最大値の少なくとも一方の予測によっても、熱応力予測とほぼ同様にタービンロータの健全性ないし信頼性を評価することができる。
【0090】
請求項9の発明によれば、蒸気タービンの起動時間を直接評価することが困難であるときは、タービンロータメタル温度最大、その変化率最大、蒸気流量最大、その変化率最大の少なくともいずれかにより起動時間を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るタービン起動制御装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るタービン起動制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2で示すパターン修正手段の機能を示す概念図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るタービン起動制御装置の構成を示すブロック図。
【図5】従来技術によるタービン起動スケジュールの一例を示す図。
【符号の説明】
1,1A,1B 蒸気タービン起動制御装置
2 蒸気タービン
3 主蒸気管
4 蒸気流量調節弁
5,5A 操作量
6 タービン制御装置
7,7A 最適パターン演算手段
8,8A 熱応力予測手段
9,9A パターン修正手段
10,10A 操作量調整手段
11,11A 熱応力予測モデル
12 プラント状態量最適推移パターン
12A ロータ表面温度最適推移パターン
13 プラント状態量設定値
13A ロータ表面温度設定値
13B ロータ表面温度変化設定値
14,14A,14B 加算部
15 プラント状態量測定値
15A ロータ表面温度測定値
20 差分演算手段
Claims (9)
- ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、
上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出すると共に、その最適推移パターンのうちの現時刻での値を実際の操作量として上記タービン制御装置に与える最適パターン演算手段と、
を具備していることを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、
上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出する最適パターン演算手段と、上記最適推移パターンのうちの現時刻での値を状態量の設定値として設定し、これに対応する状態量の測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように上記操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段と、を具備していることを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - 請求項2記載の操作量調整手段を、
最適推移パターンのうちの現時刻での変化率を状態量の変化率設定値として設定し、これに対応する状態量の測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段に、
置換したことを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、
上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件の一部を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出する最適パターン演算手段と、
上記最適推移パターンを上記最適化で考慮した以外の運転上の制約条件を満足させるように修正すると共に、この修正パターンのうちの現時刻での値を実際の操作量として所定の制御周期毎に上記タービン制御装置に与えるパターン修正手段と、
を具備していることを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - ボイラーから蒸気タービンへ流入される蒸気流入量を制御する調節弁の開度を操作量に対応して制御するタービン制御装置を有するプラントについて、所定の予測時間区間内で上記タービンのロータに発生する熱応力を予測する熱応力予測手段と、
上記予測熱応力を規定値以下に抑えると共に、上記プラントの運転条件の一部を満足させ、かつ上記タービンの起動時間が最小となるように上記操作量の最適推移パターンを所定周期毎に算出する最適パターン演算手段と、
上記最適推移パターンを上記最適化で考慮した以外の運転上の制約条件を満足させるように修正するパターン修正手段と、
この修正パターンのうちの現時刻での値を状態量の設定値として設定し、これに対応する測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段と、
を具備していることを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - 請求項5記載の操作量調整手段を、
上記修正パターンのうちの現時刻での変化率を状態量の変化率設定値として設定し、これに対応する状態量の測定値をこの設定値と比較し、これら両者の偏差が解消するように操作量を所定の制御周期毎に調整して上記タービン制御装置に与える操作量調整手段に、
置換したことを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気タービン起動制御装置において、
操作量を調整する際は、予め設定した操作量データテーブルから、算出された操作量を超えない範囲での最大の近似値を選択し、その選択値をタービン制御装置に与える操作量とする手段、
を具備していることを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱応力予測手段を、
タービンロータの寿命消費またはタービンロータ内部の温度差の最大値の少なくとも一方を予測する手段に、
置換したことを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の蒸気タービン起動制御装置において、
起動時間を最小にする条件を、所定時間後のタービンロータメタル温度最大、タービンロータメタル温度変化率最大、蒸気流量最大、蒸気流量の変化率最大の各条件のうちの少なくともいずれかに置換することを特徴とする蒸気タービン起動制御装置。
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