JP3669955B2 - 扉用ヒンジ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、扉を扉枠に蝶着する扉用ヒンジに関し、詳しくは扉の取付位置を微調整できるようにした扉用ヒンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
扉用ヒンジは一般的に一対の羽根板によって、扉を扉枠に蝶着するものである。両方の羽根板の基端縁には、たとえば羽根板の半分の長さの管部が交互に形成され、両方の管部に軸芯が挿通されることによって、一対の羽根板が回動自在に一体化される。一方の羽根板が扉枠にネジ止めされ、他方の羽根板が扉にネジ止めされた後、両方の羽根板の管部が連続した状態で、両方の管部に軸芯が挿通されることによって、扉が扉枠に蝶着される。
【0003】
ところが、扉枠は現場作業で製作され、扉は既製品を使用することが多いため、理想的な状態で扉が扉枠に蝶着されることが殆どなく、現場で手直し作業が行われることが多い。このため、扉の装着位置を上下(扉の長さ)方向あるいは左右(扉の幅)方向に調整可能にした蝶番が実開昭62−16672号公報や特開平3−187486号公報などに開示されている。
【0004】
実開昭62−16672号公報に開示された蝶番は、座板に取り付けられた一方の羽根板と座板との間隙を、調整ネジ部材の螺進量によって調整し、扉の左右方向の調整を行い、さらに上下軸受部の上下端に取り付けられた止ネジによって、軸ピンを上下させ、他方の羽根板を上下させることによって、扉の上下方向の調整を行うものである。
【0005】
特開平3−187486号公報に開示された蝶番は、上下方向の中央に突壁を設けた調整ベースに一方の羽根板を取り付け、この羽根板の傾きを調整することによって、扉の左右方向の調整を行い、さらにヒンジ軸に嵌着された雌ネジ体を上下させて、他方の羽根板を上下させることによって、扉の上下方向の調整を行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
扉の装着位置を調整することができるようにした従来の蝶番は、上下方向あるいは左右方向にしか調整することができない。したがって、従来の蝶番では前後(扉の厚さ)方向に取付位置を調整することができないといった不具合があった。
【0007】
そこで、本発明は扉の取付位置を前後方向に微調整することができるようにした扉用ヒンジを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、2以上の羽根板が揺動可能に結合された扉用ヒンジにおいて、該羽根板の少なくとも一方は、調整板と、固定部材と、調整カムを備え、調整カムは円盤部と該円盤部の表面および裏面に係合突起を持ち、当該係合突起は、いずれも前記円盤部に対して偏心すると共に両係合突起同士も互いに偏心位置にあり、固定部材には前記円盤部が装着されて移動しつつ回動する幅方向にのびる長穴と、一方の係合突起が摺動する上下方向にのびる長穴を有し、調整板には調整カムの係合突起が摺動する長穴が設けられており、調整板は、固定部材によって幅方向にガイドされ、調整カムを回動することにより調整板が幅方向に移動することを特徴とする扉用ヒンジである。
【0009】
上記目的を達成するための請求項2の発明は、上記請求項1に記載の手段に記載の扉用ヒンジであって、固定部材は、調整板の表側あるいは裏側の少なくとも一方に配されていることを特徴とする扉用ヒンジである。
【0010】
上記目的を達成するための請求項3の発明は、上記の扉用ヒンジであって、固調整カムには係合部が設けられ、該係合部にはネジ回し等の回転道具が係合されることを特徴とする扉用ヒンジである。
【0011】
【作用】
また上記の請求項1に記載の発明によれば、扉用ヒンジは調整板と固定部材を有し、調整板は固定部材によって幅方向にガイドされる。そして本手段の扉用ヒンジは、調整カムを備え、この調整カムは調整板と固定部材の双方と係合する。従って調整カムを回動することにより、調整板は幅方向に移動し、取り付け位置が微調整される。
【0012】
また本発明の扉用ヒンジは、調整カムがクランク的作用を持つ。本手段では、調整カムは2つの係合突起を持ち、これらは互いに偏心位置にある。従って調整カムの回動により、調整板側の係合突起は、円弧軌跡を描いて回動する。ここで本手段の扉用ヒンジでは、係合突起は調整板の長孔内に配されているので、前記した円弧軌跡の内、上下方向の成分はこの長孔によって吸収される。従って調整板は幅方向に移動する。
【0013】
また本発明の扉用ヒンジは、固定部材に長孔を有し、調整カムの円盤部はこの長孔に配される。また係合突起は固定部材と調整板の長孔に配される。そして本手段の扉用ヒンジでは、調整カムが回転した際の幅方向以外の移動成分は、円盤部又は係合突起が長孔内を長手方向に移動し、係合突起がそれぞれの長孔内を長手方向に移動することにより吸収される。そのため調整カムを回動させると、調整板は幅方向に移動する。
【0014】
請求項3に記載の手段によると、調整カムには係合部が設けられ、この係合部にはネジ回し等が係合される。そのため本手段の扉用ヒンジでは、調整カムに直接ネジ回し等を押し当てて、幅方向の微調整を行うことができる。
【0015】
【実施例】
本発明の実施例の説明に先立って、本発明が完成されるに至った基礎となる構成を図1ないし図4を参照して説明する。図1は、参考構成の扉用ヒンジを下側から見たときの分解斜視図である。図2は、参考構成に係る扉用ヒンジの正面図である。図3は、図2のA−A線拡大断面図である。図4は、表板の斜視図である。
【0016】
参考構成に係る扉用ヒンジは、例えば、扉枠(図示せず)側に従来と同様の一般的な羽根板60をネジ止めし、扉(図示せず)側に羽根板1をネジ止めするものである。扉側に固定する羽根板は、調整板10、裏板20、表板30そして調整カム40を組み合わせて構成する。
【0017】
調整板10は扉枠側に固定する羽根板60と同じ長さの基端部11と、基端部11の中央から延出する中間部12および遊端部13より構成される。基端部11の上半分には管部14が形成され、管部14内に軸方向に移動する軸芯2が挿通される。遊端部13の中央には、長さ(縦)方向に長い長円形の作動穴15が穿設される。この作動穴15内に後述する調整カム40のカム本体41が回動自在に収納される。作動穴15を挟んで遊端部13の上下両側には、固定手段50を構成する長穴16,16が幅(横)方向に長く穿設される。調整板10は取付位置が微調整された後、固定手段50によって裏板20に強固に固定される。
【0018】
裏板20は調整板10の裏面に摺動可能に接合されるものである。裏板20の上下部21,22は調整板10から食み出し、この食み出している上下部21,22の中央に小穴23,23が上下の2箇所に穿設され、この小穴23,23の両側に取付穴24,24,24,24が四隅の4箇所に穿設される。裏板20の中心には、調整カム40の裏側に突設した回動軸42を嵌挿する軸受25が穿設される。この軸受25の上下両側には、調整板10の長穴16,16と連通し、固定手段50を構成するネジ穴26,26が2箇所に形成される。
【0019】
調整板10の表面側には、厚板状の表板30が摺動自在に接合される。表板30の外周には裏板20の周縁と接合する折曲部31が調整板の方へ形成される。ただし、図4に示すように、調整板10の中間部12と接合する部分には折曲部31を形成せず、表板30が調整板10に対して幅方向に摺動できるようにする。表板30の上下部は調整板10から食み出し、裏板20の上下部21,22と接合する厚肉部32,33が形成され、この厚肉部32,33の間には調整板10を嵌合状態で配置する凹部38が凹設される。
【0020】
厚肉部32,33の中央には、図4に示すように、ピン34,34が突設される。このピン34,34は裏板20に穿設した小穴23,23から突出する長さとする。さらにピン34,34の両側の厚肉部32,33には、図1に示すように、裏板20の取付穴24,24,24,24と連通する取付穴35,35,35,35が4箇所に穿設される。
【0021】
表板30の中間に凹設した凹部38は調整板10を嵌合状態で配置するため、凹部38の上下の壁面と調整板10の上下の端面とが接合し、表板30は偏向することなく幅方向に摺動する。逆に表板30の中心には調整カム40の表側に突設した回動軸43を挿入する調整穴36が穿設される。調整穴36の裏側は、後述する偏平なドーナツ盤状のスラスト部材45を嵌合する窪部が凹設される。調整穴36の上下両側には裏板20のネジ穴26,26と螺合する固定ネジ51の頭部52を露出させる締付穴37,37が2箇所に穿設される。締付穴37,37は固定ネジ51とともに固定手段50を構成し、締付穴37,37から固定ネジ51を締めつける。
【0022】
調整板10に穿設した作動穴15内で回動する調整カム40は、円盤状のカム本体41と、カム本体41の裏面に偏心して突設した回動軸42と、カム本体41の表面に偏心して突設した回動軸(係合突起)43とから構成される。カム本体41の厚さは作動穴15の深さと同じであり、カム本体41の直径は作動穴15の短径よりも若干短く、カム本体41が作動穴15内で回動できるようにする。裏側に突設した回動軸42と表側に突設した回動軸43とは同軸かつ同径であり、側面の接線はカム本体41の側面の接線と連続する。裏側に突設した回動軸42の端面は、図3に示すように、裏板20の露出面と同一面とする。ただし、裏側に突設した回動軸42を短くし、裏板20の軸受25を貫通穴ではなく、窪みとすることもできる。表側に突設した回動軸43の端面は、ドライバーの先端部と嵌合する溝や六角レンチと嵌合する六角穴のような係合部44が形成され、表板30の露出面と同一面またはやや窪んだ状態になるようにする。
【0023】
表側に突設した回動軸43の係合部44にドライバーなどの先端部を差込み、ドライバーを回動することによって、調整カム40が裏側に突設した回動軸42および表側に突設した回動軸43を中心に回動する。調整カム40が回動すると、カム本体41の側面が調整穴36の側面を押圧し、図2の仮想線に示すように、裏板20は幅方向に移動する。カム本体41と裏板20の接合面との間には、貫通穴を穿設したスラスト部材45を介在させ、カム本体41が円滑に回動できるようにする。
【0024】
羽根板1を構成する調整板10、裏板20、表板30および調整カム40は以上のように構成され、次にこの羽根板1を組み立てる方法について説明する。まず、調整カム40の裏側に突設した回動軸42を裏板20の軸受25に挿入して、カム本体41を作動穴15内に収納し、カム本体41の上面にスラスト部材45を重ねた状態で、表板30の凹部38内に調整板10を嵌合状態で配置する。すると、カム本体41の表側に突設した回動軸43が表板30の調整穴36内に挿入されるとともに、表板30のピン34,34が裏板20の小穴23,23を貫通し、ピン34,34の先端部が小穴23,23から突出する。この突出したピン34,34の先端部をカシメて押し潰すと、裏板20と表板30とが調整板10を挟んだ状態で一体化される。したがって、ピン34,34が押し潰される量を考慮して、小穴23,23の露出面は皿穴状にしておくことが望ましい。
【0025】
このような状態で固定ネジ51を表板30の締付穴37,37から調整板10の長穴16,16を貫通し、裏板20のネジ穴26,26に固定ネジ51,51を螺合する。ただし、固定ネジ51,51は緩めた状態で裏板20のネジ穴26,26に螺合し、裏板20と表板30との間で調整板10が幅方向に移動できるようにする。調整板10は、調整カム40だけでなく、長穴16,16を貫通した固定ネジ51,51によって、裏板20と表板30との間から抜け出ないようにされる。このようにして組み立てられた羽根板1が出荷されることにより、現場での作業が低減される。
【0026】
組み立てられた羽根板1は取付ネジ(図示せず)によって扉にネジ止めされる。取付ネジが表板30の取付穴35,35…から裏板20の取付穴24,24…を貫通して、羽根板1は扉にネジ止めされる。扉は中実であるため、扉が重くても取付ネジを扉の奥までねじ込むことによって、扉は羽根板1に固定される。
【0027】
他方、扉枠に固着する羽根板60は基端部61の下半分に軸芯2の先端部を挿通する管部62が形成され、遊端部63の5箇所に取付穴64,64…が千鳥状に穿設され、裏面側から皿穴65,65が2箇所に穿設されるものである。皿穴65,65と扉枠との間に丸ネジ(図示せず)を介在し、丸ネジの螺進量によって、この羽根板60と扉枠との傾斜角度を調整する。取付穴64,64…から取付ネジ(図示せず)を貫通し、羽根板60を扉枠にネジ止めする。
【0028】
扉枠に取り付けられた羽根板60の管部62と、扉に取り付けられた羽根板1の管部14とを上下に連続させ、軸芯2を両管部62,14に挿通すると、扉が扉枠に蝶着される。そして、表板30の調整穴36から露出している回動軸43の係合部44にドライバーなどの先端部を差込み、調整カム40のカム本体41を調整穴36内で回動させる。すると、カム本体41の側面が調整板10の作動穴15の側面を押圧する。調整板10は表板30の凹部38に嵌合状態で配置されており、基端部11が管部14によって扉枠に蝶着されているため、作動穴15の側面を押圧した反作用の力によって、一体の裏板20と表板30とが幅方向、すなわち扉の厚さ方向に移動する。
【0029】
すると、裏板20と表板30とにネジ止めされた扉は管部14,62から若干、離隔または近接し、扉の取付位置が微調整される。扉の取付位置が微調整された後、固定ネジ51によって調整板10を裏板20にきつく固定すると取付作業が終了する。
【0030】
上記参考構成においては一方の羽根板にのみ調整板、裏板、表板、調整カムなどを備えた場合について説明したが、両方の羽根板に調整板などを備えることもできる。また、上記参考構成においては、調整板を嵌合状態で配置する凹部を表板に凹設した場合について説明したが、凹部は裏板に凹設することもできる。また本参考構成では、裏板と表板の双方を有する構成を説明したが、裏板と表板の双方を有することは必須ではなく、裏板だけ、或いは表板だけを有するものであっても構わない。ただし調整板を幅方向にガイドする構成は必須であり、もし裏板だけを有する構成を採用する場合には、調整板10を嵌合状態で配置する凹部38等のガイド手段を裏板に形成する必要がある。
【0031】
次に他の参考構成及び本発明の実施例について、図5乃至図7を参照しつつ説明する。
以下に説明する構成例は、いずれも裏板だけを有し、該裏板をもって固定部材の機能を発揮させる構成である。以下の構成例において、先の参考構成と同一の作用を果たす部位には先の参考構成と同一の番号を付して、重複した説明を略する。また図5、7の構成例の説明においては、図6の構成例と同一の作用を果たす部位には先の参考構成と同一の番号を付して、重複した説明を略する。
図5は、第3参考構成に係る扉用ヒンジの裏板と調整板および調整カムの分解斜視図である。図6は、第2参考構成に係る扉用ヒンジの裏板と調整板および調整カムの分解斜視図である。図7は、本発明の実施例に係る扉用ヒンジの裏板と調整板および調整カムの分解斜視図である。
【0032】
図6に示した扉用ヒンジは、先の参考構成の作動穴15と軸穴25の位置関係を置き換えたものである。すなわち先の参考構成では、長孔たる作動穴15を
調整板10に設け、丸穴たる軸穴25を裏板20に設けた。これに対して、本参考構成は、長孔70を裏板71に設け、丸穴72を調整板73に設けたものである。本参考構成では、長孔70の形状は先の参考構成と同一であり、また方向が上下に長く設けられている点も同一であるが、本長孔70は窪み状の穴であり裏板71を貫通しない。また裏板71には、上下にガイド部75が設けられ、調整板73は、このガイド部75の間に配されて幅方向にのみ移動可能である。
【0033】
調整カム77は、円盤状の本体部78の表面だけに係合突起79が設けられている。係合突起79は、円盤状の本体部78に対して偏心した位置にあり、その先端には係合部44が形成されている。調整カム77の裏面は平坦であって、回動軸等は無い。
【0034】
本参考構成の扉用ヒンジは、長孔70内に調整カム77の本体部78が配され、係合突起79は調整板73の穴72によって支持される。
また調整板73は長孔16に図示しないネジが挿通され、該ネジによって裏板71に取り付けられる。
【0035】
本参考構成の扉用ヒンジにおいて、係合突起79の係合部44にネジ回しを当てて、調整カム77を回動させると、調整カム77は回転し、係合突起79は回動する。しかしながら係合突起79は、調整板73の丸穴72内にあり、かつ調整板73には上下方向の自由度は無い。一方、調整カム77は裏板71の長孔70内にあり、上下方向の自由度をもっている。従って調整カム77の回動に伴って発生する係合突起79の上下方向の移動成分は、調整カム77自身が上下方向に移動することによって吸収される。
【0036】
また調整カム77の回動によって幅方向の成分も発生する。幅方向への成分については、調整カム77が幅方向への平行移動ができないので、係合突起79を介して調整板73に負荷される。従って調整板73は調整カム77の回動に伴って幅方向に移動する。
【0037】
図5の参考構成は、第1の参考構成と同様に調整板80に長孔81を設けて調整カム86の回動に伴う垂直成分を吸収するものであるが、第1の参考構成は長孔によって本体部を支持したのに対して、本参考構成は長孔81によって係合突起79を支持した点が異なる。
すなわち本構成では、裏板82に丸穴83が設けられている。また丸穴83の中心にはさらに貫通穴84が設けられている。
調整カム86は裏面の中心に回動軸となる係合突起85を持ち、表面の偏心位置にも係合突起79を持つ。そして調整カム86の円盤状の本体部77は丸穴83内に配され、裏面の係合突起79は裏板82の丸穴83に、表面の係合突起79は調整板80の長孔81に支持されている。
【0038】
本参考構成の扉用ヒンジでは、係合部44にネジ回しを当てて、調整カム86を回動させると、調整カム86の係合突起79は回転する。本参考構成では、調整カム86は丸穴83内にあり、上下方向にも幅方向にも自由度は無い。一方、調整カム86の係合突起79は、調整板80の長孔81内にあるので、係合突起79の上下方向成分は、長孔81によって吸収される。結局調整カム86の幅方向への成分だけが係合突起79を介して調整板80に負荷される。従って調整板80は調整カム86の回動に伴って幅方向に移動する。
なお、本参考構成において、調整カムの裏面の係合突起85および裏板82の貫通した穴84は、無くても良い。また逆に、調整カムの裏面の係合突起85を設ける場合には、円盤状の本体部77は必要無く、当該部分の形状は任意である。本体部77に他の形状の平板を採用する場合には、丸穴83内はその形状が回転可能な大きさにする必要がある。
【0039】
次に本発明の実施例について図7を参照しつつ説明する。
図7の実施例は、裏板(固定部材)87に設けた長孔88の向きを幅方向に配した場合の構成を示すものである。本実施例では、長孔88は先のそれと異なり、幅方向に延びている。長孔88内には、上下方向に長孔89が設けられている。
調整カム90は、本体部77の裏表に係合突起79、92が設けられている。係合突起79、92はいずれも本体部77に対して偏心しており、また係合突起79、92同士も偏心位置にある。そして調整カム90の本体部77は、長孔88内にあり、裏面の係合突起92は裏板87の長孔89内に配され、表側の係合突起79は、調整板80の長孔81内に配されている。
【0040】
本実施例の扉用ヒンジでは、係合部44にネジ回しを当てて、調整カム90を回動させると、本体部77は上下方向の自由度を持たないので上下方向にはその位置で回転する。また幅方向には、ある程度の自由度をもつものの、裏側の係合突起92と長孔89の係合により、規制を受ける。したがって調整カム90の表側の係合突起79は、調整カム90の回動によって上下方向と幅方向の成分をもって振れ回る。ここで表側の係合突起79は、長孔81内にあるので、係合突起79の上下方向成分は、長孔81によって吸収される。結局調整カム90の幅方向への成分だけが係合突起79を介して調整板80に負荷される。従って調整板80は調整カム90の回動に伴って幅方向に移動する。
【0041】
本実施例によれば、扉の前後方向の装着位置の調整が容易になり、多種多様の扉厚の扉に対して、扉用ヒンジを取り付ける作業性が向上する。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、扉の前後方向の装着位置の調整が容易になり、多種多様の扉厚の扉に対して、扉用ヒンジを取り付ける作業性が向上する。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考構成に係る扉用ヒンジを下側から見たときの分解斜視図である。
【図2】 本発明の第1の参考構成に係る扉用ヒンジの正面図である。
【図3】 図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】 表板の斜視図である。
【図5】 本発明の第3参考構成に係る扉用ヒンジの裏板と調整板および調整カムの分解斜視図である。
【図6】 本発明の第2参考構成に係る扉用ヒンジの裏板と調整板および調整カムの分解斜視図である。
【図7】 本発明の実施例に係る扉用ヒンジの裏板と調整板および調整カムの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 羽根板
77 本体部
79 係合部
80 調整板
81 長孔
82 裏板
83 丸穴
87 裏板(固定部材)
88 長孔
89 長孔
90 調整カム
92 係合突起
Claims (3)
- 2以上の羽根板が揺動可能に結合された扉用ヒンジにおいて、該羽根板の少なくとも一方は、調整板と、固定部材と、調整カムを備え、調整カムは円盤部と該円盤部の表面および裏面に係合突起を持ち、当該係合突起は、いずれも前記円盤部に対して偏心すると共に両係合突起同士も互いに偏心位置にあり、固定部材には前記円盤部が装着されて移動しつつ回動する幅方向にのびる長穴と、一方の係合突起が摺動する上下方向にのびる長穴を有し、調整板には調整カムの係合突起が摺動する長穴が設けられており、調整板は、固定部材によって幅方向にガイドされ、調整カムを回動することにより調整板が幅方向に移動することを特徴とする扉用ヒンジ。
- 固定部材は、調整板の表側あるいは裏側の少なくとも一方に配されていることを特徴とする請求項1記載の扉用ヒンジ。
- 調整カムには係合部が設けられ、該係合部にはネジ回し等の回転道具が係合されることを特徴とする請求項1又は2記載の扉用ヒンジ。
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