JP3669738B2 - 多人数用重炭酸透析液調整装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、血液透析に使用する重炭酸透析液を得るための装置であり、重炭酸ナトリウム粉末と水とから透析液を調整するための多人数用重炭酸透析液調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、透析に用いられる透析液は、重炭酸ナトリウムを含まないもの(以下、A剤という)と、重炭酸ナトリウムを含むもの(以下、B剤という)の2種類の透析用剤から調整される重炭酸透析液が多用されている。
【0003】
通常行われている重炭酸透析液の調整は、所定濃度に調整されたA剤、B剤の各液(以下、A液、B液という)を透析液調整手段に移送し、透析液調整手段でA液、B液、水をそれぞれ所定の比率(通常、A液:B液:水=1:1.26:32.74)で混合する方法で行われている。
【0004】
最近、B剤として、所定濃度に調整されたB液を購入しないで、重炭酸ナトリウムのみを粉末製剤化したB粉末(以下、B末という)を購入し、透析設備において、重炭酸ナトリウム溶解手段(以下、B末溶解手段という)を使用して、溶解希釈したものをB液として使用する場合が多くなってきている。
【0005】
透析には、多量の透析液が必要であり、多量のB液(通常、患者1人当り1回の透析で約5l)が消費される。加えて、多数の患者のために、1回約5時間の透析治療を1日に2回行うことは、通常であり、1日に3回の透析治療を行っている設備もある。
【0006】
従って、1回に消費されるB液を1度に調整するには、非常に大きなタンクを必要とし、またB液は安定性に問題があるので、1日に2〜3回、B末を溶解してB液を調整することが行われている。このB末溶解手段は、100〜300lのタンクに所定量の水とB末を入れ、攪拌して所定濃度(7W/V%の場合が多く、5.8W/V%の場合もある)のB液を得る方法である。
【0007】
多人数の患者の透析では、透析毎に透析治療を受ける患者数が同一とは限らず、1回に調整するB液の量も変化させる必要がある。従って、前記の溶解方法では、大きなスペースが必要であると共に、溶解毎に水およびB末量の計量に神経を使うことになり、煩わしい作業となっている。
【0008】
B末溶解手段で、一度に調整するB液量が少ない方が、省スペースの面で有利である。このような観点から、透析中、随時自動的にB末を溶解し、所定濃度のB液を得るものとして、重炭酸ナトリウム連続溶解装置が提案されている(特公平1−55893号公報)。
【0009】
この連続溶解装置は、粉末フィーダ等の粉末供給手段によりB末を、また給水手段により水を、それぞれ希釈タンクに供給し、攪拌後の濃度に応じて粉末供給手段または給水手段を制御して、重炭酸ナトリウムまたは水を分注することにより、所定濃度のB液を得るように構成したものである。B液は希釈タンクから貯蔵タンクに移され、B液は貯蔵タンクから次工程の透析液調整装置に供給される。これら一連の動作が透析中繰り返される。
【0010】
しかしながら、これはバッチ方式により溶解、濃度調整を行うため、構造、動作が複雑であり、それと共に希釈タンクで調整されるB液量より多い容量の貯蔵タンクが必要である。
【0011】
近年、大規模な透析設備も増え、占有スペースを小さくした上で、さらに多くのB液を供給できるB末溶解手段が望まれている。前記提案のバッチ方式では、B液供給量を多くすればする程、希釈タンクおよび貯蔵タンク等のスケールアップ、溶解および濃度調整に要する時間に制約を受ける。
【0012】
また、本発明の技術的な背景として、透析中にB末を溶解しながら、それにより得られたB液濃厚液濃度が変化する場合に対応して、透析液調整時に濃厚液の混合量を調整して、所定濃度の混合液を得るものとして、医療処置用流体を調整するためのシステムと、それに使用するカートリッジが提案されている(特開昭63−194666号公報)。
【0013】
これは、1回の透析に十分な量のB末が入ったカートリッジ入口に、水源より水が供給され、供給された水がB末と接触することにより溶解し、カートリッジ出口においてほぼ飽和濃度の濃厚液となる。この濃厚液は、カートリッジの下流側に設けられた流量調整手段を介して混合点で水と混合され、この混合点の下流に位置する計測手段により、混合液の溶液濃度を測定し、この濃度測定値に応じて前記流量調整手段を制御し、所定濃度の溶液を得ようとするものである。しかしながら、この種の提案は、1人の患者のために透析液を調整する機能と透析装置の機能を有する単身用透析装置への適用を意図したものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前述した従来の透析液調整装置においては、多数の患者のために透析液を調整するための装置(多人数用透析液調整装置)として適用することは困難である。特に、以下の点に問題がある。
【0015】
多数の患者の透析では、透析中に治療を受けている患者数が増減することにより、単位時間当りの透析液の消費量は変化する。
【0016】
これに対応するため、多人数用透析液調整装置では、調整した透析液を一旦貯槽に溜め、貯槽から透析液を透析装置に移送し、貯槽内の透析液が少なくなると、透析液の調整を再開して貯槽に透析液を補充するシステムを採用している。
【0017】
しかしながら、前記システムにおいては、連続して透析液を調整する機能となっており、しかも多人数用透析液調整装置では、1回の透析で使用するB末量は変化する場合が多く、従って1回の透析に十分なB末をカートリッジに入れておくものでは、多人数用透析液調整装置への適用は不具合である。
【0018】
さらに、B液(濃厚液)は、CO2 を遊離し易いが、前記の提案されたシステムにおいては、フィルタの下流側で発生したCO2 の脱ガス手段について考慮されていない。しかるに、フィルタの下流側で発生したCO2 は、B濃厚液と共に流量制御手段を流れることになり、濃度制御に支障を生じる。特に、大きな気泡が前記流量制御手段を流れる場合には、問題が大きい。
【0019】
そこで、本発明の目的は、溶解槽において重炭酸ナトリウム粉末と水とを供給して所要濃度の重炭酸ナトリウム液B液)を作成し、この重炭酸ナトリウム液を随時希釈して所定濃度の重炭酸ナトリウム溶液を得ることにより、小型の設備により多量の重炭酸ナトリウム溶液の供給を可能とし、しかも透析中においても溶解槽における重炭酸ナトリウム液の追加作成を簡便に達成することができる多人数用重炭酸透析液調整装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置は、重炭酸ナトリウム粉末と水とを導入してこれらを攪拌混合し、未溶解の重炭酸ナトリウム溶液がフィルタ上にある状態でフィルタを介して画室に所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るように構成した溶解槽と、前記溶解槽に連通接続する制御弁を備えた給水手段と、前記溶解槽の画室と連通接続されて未溶解の重炭酸ナトリウム溶液が溶解槽のフィルタ上にある状態のまま、フィルタ下部に存在する重炭酸ナトリウム濃厚液を直接透析液調整部へ送り出すための重炭酸ナトリウム液取出手段と、前記重炭酸ナトリウム液取出手段と連通接続されることにより直接所要濃度の重炭酸ナトリウム液が送られる透析液調整手段とから構成することを特徴とする。
【0021】
この場合、透析液調整手段は、重炭酸ナトリウム液取出手段に重炭酸ナトリウム液制御手段と濃度測定手段とを設けると共に、この重炭酸ナトリウム液取出手段を、前記濃度測定手段による濃度測定値に応じて重炭酸ナトリウム液の濃度調整を行う水制御手段を備えた給水手段と結合し、さらに重炭酸ナトリウム液を含まない透析液を供給する手段を結合して透析液を調整し、得られた透析液の所定量を貯槽に貯留するように構成することができる。
【0022】
また、透析液調整手段は、重炭酸ナトリウムを含まない透析液の所定量と、重炭酸ナトリウム液取出手段から供給される重炭酸ナトリウム液および水供給手段から供給される水の所定量とを混合槽に導入して、透析液を調整し、得られた透析液の所定量を貯槽に貯留するように構成することもできる。
【0023】
一方、溶解槽は、その底部にフィルタを介して所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るための画室を画成し、前記フィルタの上方に攪拌手段を設け、さらにその上方に上限レベル設定器と下限レベル設定器とを設けた構成とすることができる。
【0024】
また、攪拌手段は、スクリュの回転、超音波の発信、ポンプによる液循環を行う手段により構成することができる。
【0025】
さらに、フィルタを介して所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るための画室を画成した溶解槽に対し、前記画室に制御弁を備えた給水手段を連通接続し、さらに前記画室とポンプを介して前記フィルタの上部に配置した攪拌手段としての吐出手段とを連通接続する分岐給水手段を設けた構成とすることができる。
【0026】
【作用】
本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置によれば、B末を連続して水に溶解すると共に、それによって得られた重炭酸ナトリウム液(以下、B液という)を透析液調整手段に供給し、この透析液調整手段で水と希釈して所定濃度の重炭酸ナトリウム溶液を得ると共に重炭酸ナトリウムを含まない透析液(以下、A液という)と混合して、それぞれ所定の混合比率からなる透析液を調整することができる。
【0027】
また、本発明によれば、随時B末を溶解槽に追加投入することにより、長時間に亘り多量のB末を溶解し、少なくとも1台の透析液調整手段にB液を円滑に供給して透析液の調整を円滑に達成することができる。
【0028】
さらに、透析開始前に、透析中に消費が予想されるB液に相当するB末を計量する必要はなく、適当量投入することができる上に、透析中においても随時B末の追加投入が可能である。
【0029】
従って、本発明によれば、バッチ方式によりB末の溶解およびB液の調整を繰り返して行う構成としたものと比較して、構造および操作が簡単となり、小型で多量のB液の供給が可能となる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0031】
実施例1
図1は、本発明装置の一実施例を示す概略系統図である。図1において、参照符号10は溶解槽を示し、この溶解槽10に重炭酸ナトリウム(NaHCO3 )のみを粉末製剤化したB末(PB )と水(W)とを供給する。この場合、B末(PB )は、開口部12より適当量を投入する。なお、この開口部には、通常開閉蓋を設ける。また、水(W)は、ROユニット等の給水源14と連通する給水ライン16により、制御弁18を介して導入し、溶解槽10の所定レベルまで水位が達した際に上限レベル検出器20aによりこの状態を検出して、この上限レベル検出器20aの検出動作により前記制御弁18を閉じて給水を完了する。なお、この場合に使用する水の温度は、10℃でも十分な攪拌により所要濃度のB液を得ることができるが、溶解速度または制御を容易にするためには、従来と同様に20〜30℃の水温とするのが好適である。
【0032】
また、溶解槽10には攪拌手段22が設けられており、この攪拌手段22を動作させることにより、前記溶解槽10に供給したB末の溶解を促進させる。なお、攪拌手段22としては、スクリュの回転、超音波の発信、ポンプによる液循環等を利用した手段を使用することができる。
【0033】
しかるに、現在流通している透析用剤AF−2P〔扶桑薬品工業(株)製〕のB末を電子顕微鏡で観察すると、大きさが100μm以下の粒子であるものも多く含まれている。従って、溶解槽10内には、これらのB末が実用上問題ない程度に通過しないフィルタ24を適宜選択して設ける。従って、このフィルタ24は、大きな開口部を有しておらず、フィルタ24の上部から給水する場合には、前記フィルタ24により画成された画室26内の空気は殆ど逃がすことができない。
【0034】
そこで、前記溶解槽10の外部に、前記画室26と所定の水位レベルより上方位置とを連通するよう脱ガス手段28を設けた排気ライン30を配設する。この脱ガス手段28としては、通常電磁制御弁、ポンプ等が使用されるが、ポンプを使用して速やかに画室26内の空気を逃がすようにすることが好ましい。従って、例えば攪拌手段22を動作させた後、脱ガス手段28を動作させることにより、排気ライン30より空気を逃がすと共に、B液が画室26内に流れ込むことになる。
【0035】
このようにして画室26内に滞留したB液は、B液取出ライン32を介して適宜透析液調整手段40へ送液を行うように構成される。この場合、前記画室26内におけるB濃厚液の取出しに伴い、適宜攪拌手段22を動作させることにより、フィルタ24を介してB濃厚液が画室26内へ補給される。
【0036】
透析液調整手段40においてB液が消費され、溶解槽10の画室26に滞留したB液が取出されて、溶解槽10の水位が下限レベル検出器20bの設定レベルまで低下した際には、前記下限レベル検出器20bの作用下に制御弁18を開いて給水ライン16より溶解槽10内へ給水を行う。次いで、溶解槽10内の水位が上限レベル検出器20aの設定レベルまで上昇した際に、前記上限レベル検出器20aの作用下に前記制御弁18を閉じて給水を完了する。
【0037】
溶解槽10内にB末が十分存在し、攪拌によりB末の溶解が促進された状態では、透析液調整手段40に送液されるB液はほぼ飽和濃度の濃厚液となる。しかしながら、透析液調整手段40へは、ほぼ飽和濃度のB液として送液する必要はなく、透析液調整手段40で正常濃度の透析液を調整するのに支障のない範囲で、薄い濃度のB液として送液することができる。
【0038】
B液は、CO2 を遊離し易く、多量のB末の溶解、B濃厚液の消費に伴い、画室26内にCO2 が溜まり、この結果CO2 が大きな気泡となって液取出ライン32に流出し、B液の調整に支障を来すことになる。そこで、本実施例においては、適宜脱ガス手段28を作動し、画室26内のCO2 を溶解槽10の外部へ逃がし、B液取出ライン32に多量のCO2 が流出しないように構成される。
【0039】
また、B液の消費に伴い、溶解槽10内のB末は減少するが、随時溶解槽10にB末を追加投入することにより、連続して長時間に亘り多量のB液の調整およびその供給を行うことができる。なお、溶解槽10へのB末投入は、その他粉体フィーダ等で行うことも可能であるが、簡便には人手によりB末投入作業を行うようにしてもよい。
【0040】
すなわち、本実施例においては、溶解槽10に投入するB末は、特に計量して投入する必要はない上に、透析中においても追加投入することができるので、B末の投入作業は煩わしい作業ではなく、人手によりこの作業を行うのに支障はない。
【0041】
前述したように、透析液調整手段40には、B液取出ライン32を介してB液が送液されるが、さらに給水源14と連通する給水ライン34を介して水が送液されるよう構成されている。そして、透析液調整手段40においては、多人数の患者のために透析液を調整する。なお、この透析液調整手段40の構成については後述する。
【0042】
実施例2
図2は、本発明装置の別の実施例を示す概略系統図である。なお、図2において、説明の便宜上、前記図1に示す実施例と同一の構成部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0043】
すなわち、図2に示す実施例においては、溶解槽10への給水はフィルタ24により画成された底部の画室26に、制御弁18を介して連通接続した給水ライン16により行うよう構成する。この場合、前記前記画室26に分岐給水ライン36を連通接続し、この分岐給水ライン36の先端を2つに分岐して、その一方の分岐流路38aを画室26の上部(例えば、フィルタ24の近く)に位置させると共に、他方の分岐流路38bを画室26の下部(例えば、底部)に位置させる。さらに、溶解槽10には、上限レベル検出器20aおよび下限レベル検出器20bが設けられ、その設定レベルまで前記給水ライン16により給水が行われる。
【0044】
また、前記分岐給水ライン36は、送液ポンプ42を接続配置して吐出ライン44を形成し、この吐出ライン44を溶解槽10のフィルタ24の上側に投入されたB末(PB )の中に埋設された吐出手段46と連通するように接続配置する。
【0045】
なお、本実施例においては、溶解槽10内のB末(PB )の溶解は、吐出ライン44に設けたポンプ42を駆動することにより、分岐給水ライン36の分岐流路38a、38bから画室26内の液を吸込み、この液を吐出ライン44を介して吐出手段46から吐出することにより、促進される。
【0046】
しかるに、前記吐出手段90の具体的な構成を示せば、図5に示す通りである。図5において、吐出手段46は、吐出ライン44の先端部を形成する吐出管48をフィルタ24の中心部を支持しながら挿通配置し、この挿通先端部の外周に集液室50を形成するようにしてロータ52を回転自在に装着する。また、前記ロータ52の外周部には、前記吐出管48を中心として放射方向延在する噴射パイプ54、54をそれぞれ対称的に接続配置する。なお、参照符号51は吐出管48に設けた前記集液室50と連通するための通孔を示し、53は前記ロータ52の脱落を防止するためのストッパを示し、そして55は前記噴射パイプ54に設けた噴射孔を示すものである。
【0047】
このように構成された吐出手段46は、ポンプ42の駆動により昇圧された液が、吐出管48に設けた通孔51よりロータ52の集液室50に流入し、さらに噴出バイプ54の噴出孔55より溶解槽10内のB末(PB )に向けて、液が噴出されることにより、B末の溶解が促進される。
【0048】
なお、この場合、溶解槽10内のB末量が少なくなり、液の噴出に対する抵抗が小さくなった時に、噴流の反力によりロータ52が回転するように、前記噴射孔55を配置すると共に、フィルタ24上に残っているB末に向けて液が円滑に噴出されるように、前記噴射孔55を斜め下方に指向して設けることが好ましい。
【0049】
また、B末が溶解して得られたB液は、フィルタ24を透過して画室26に流入する。この結果、ポンプ42の駆動により、前記B液が溶解槽10内に循環されることになり、運転開始時の画室26の水は、B液に置換されることになる。
【0050】
このようにして得られたB液は、前記実施例と同様に、B液取出ライン32を介して適宜透析液調整手段40へ送液される。
【0051】
また、B液の消費に伴い、溶解槽10内の液位が下限レベル検出器20bの設定レベルまでに低下すると、制御弁18を開いて、給水ライン16より給水を開始し、溶解槽10内の液位が上限レベル検出器20aの設定レベルに達した時点で、制御弁18を閉じて追加給水を停止する。
【0052】
ポンプ42の駆動に際して吸込側となる一方の分岐流路38aは、B液取出ライン32の溶解槽10への開口部より高い位置で、フィルタ24の近くに開口しており、また他方の分岐流路38bは、溶解槽10の底部に接続されている。従って、ポンプ42の駆動によって、画室26の上部と下部の両方から液が吸込まれることになり、画室26で発生したCO2 の殆どは、吐出ライン44に吸込まれることになり、この結果B液取出ライン32には多量のCO2 が流れ込むことはない。
【0053】
すなわち、ポンプ42の吸込側となる一方の分岐流路38aを、画室26の上部に開口することによって、図1の実施例において説明した攪拌手段22および脱ガス手段28の機能を1台のポンプ42で兼用することができる。
【0054】
前述した実施例における溶解槽10で構成されるB末溶解手段によれば、溶解槽10に投入するB末量を特に計量する必要もないので、煩わしい作業とはならず、また透析中に随時B末を追加投入することが可能であり、また通常B液は濃厚液として供給できるので、溶解槽10は小形に構成することができる。
【0055】
さらに、本実施例においては、バッチ方式でB末を溶解する方法ではなく、B末を溶解し透析中常に溶解槽10にB液が準備され、適宜B液の供給が可能であるので、複雑な構造や操作を必要としないばかりでなく、溶解槽10の他にB液を貯留しておくための大きな貯槽を必要としないので、小型に構成することができると共に、多量のB液の供給が可能である。
【0056】
次に、前述した実施例1および実施例2における透析液調整手段40の構成について説明する。
【0057】
図3および図4は、透析液調整手段40の概略構成を示す系統図である。なお、これら透析液調整手段40においては、図示しないが、従来の多人数用透析液調整装置に設けられている機能、例えば加温手段、濃度測定手段、脱気手段、ポンプ等を適宜追加設定し得ることは勿論である。
【0058】
透析液調整手段(その1)
まず、図3に示す透析液調整手段40においては、外部から導入されるB液取出ライン32に、定量ポンプ等からなるB液制御手段60と、電導度計等からなるB液濃度測定手段62とが設けられ、前記B液制御手段60を駆動することにより、画室26(図1および図2参照)からB液をB液取出ライン32へ導出し、このB液の濃度をB液濃度測定手段62により測定する。一方、外部から導入される給水ライン34には、定量ポンプ等からなる水制御手段64を設けて、その下流に前記B液濃度測定手段62より下流の前記B液取出ライン32を接続配置する。
【0059】
従って、前記給水ライン34とB液取出ライン32との合流点35においては、前記B液濃度測定手段62により測定されたB液の濃度に応じて、逐次前記B液制御手段60および必要に応じてを水制御手段64調整し、B液取出ライン32からのB液流量および必要に応じて給水ライン34からの給水流量を調整する。
【0060】
さらに、前記給水ライン34の下流において、A液をA液制御手段66を介して送液するA液供給ライン68を接続配置する。従って、前記給水ライン34とA液供給ライン68との合流点37においては、水とB液の混合液にA液を注入して透析液が調整される。
【0061】
このようにして調整された透析液は、貯槽70に導入されて貯留される。貯槽70には、上限レベル検出器71aと下限レベル検出器71bとが設けられ、常に所要量の透析液が貯留され、排出流路72を介して各透析装置へ送液される。この場合、各透析装置に対する透析液の供給流量は、透析治療を受けている患者数の増減により変化する。
【0062】
貯槽70は、通常エアフィルタ(図示せず)を介して大気に開放されており、貯槽70内の液位が下限レベル検出器71bの位置まで低下すると、透析液の調整動作を開始し、上限レベル検出器71bの設定レベルまで液位が上昇すると、透析液の調整動作を停止するように構成される。従って、透析中の透析液の調整は間欠的に行われる。
【0063】
また、本実施例において、給水ライン34に設ける水制御手段64としては、例えば図6に示すように構成したものを使用することができる。この場合、給水源14(図1および図2参照)からの給水の圧力変化等によって水流量が透析液の調整中に変化することが多い。
【0064】
しかるに、図6において、水制御手段64は、シリンダ80内を往復動作するピストン82を挿通配置し、このピストン82およびピストンロッド84、84のシリンダ80との挿通部にそれぞれシール83および85、85を設けて、前記ピストン82の両側のシリンダ80内部に、それぞれ液密なポンプ室86、88を構成する。そして、これらポンプ室86、88と連通する流路90、92に対して、それぞれ上流側と下流側に制御弁91a、93bおよび93a、91bを介して給水ライン34と接続される。
【0065】
このように構成された水制御手段64は、まず図6に示す状態において、制御弁91a、91bを開くと、給水の圧力によってピストン60は右方向に移動すると共に、水は制御弁91aを介して流路90からポンプ室86に流入し、一方ポンプ室88内の水は、流路92から制御弁91bを経て、給水ライン34の下流側へ送液される。次いで、制御弁91a、91bを閉じ、制御弁93a、93bを開くと、ピストン60は左方向に移動し、ポンプ室86内の水が流路90から制御弁93bを経て、給水ライン34の下流側へ送液される。従って、前記制御弁91a、91bおよび93a、93bを適宜開閉操作することにより、継続して給水ライン34に水を流すことができる。
【0066】
なお、この場合、水流量の値は、ピストン速度計測手段94を設けて、ピストン速度を計測することにより、逐次演算して求めることができる。そして、この水流量の値によって、逐次図3に示すB液制御手段60およびA液制御手段66の動作すべき速度を演算制御することができる。
【0067】
次に、前記構成からなる透析液調整手段40の動作について説明する。図1および図2に示すB末溶解手段によって作成されたB液がB液取出ライン32より供給されるが、このB液の濃度は変化する。またA液は、所定濃度に調整されたものが供給される。
【0068】
そこで、B液は、B液濃度測定手段62により濃度が測定され、この濃度測定値(および水流量)に応じて、所定濃度の透析液が得られるように、B液制御手段60およびA液制御手段66の動作速度を調整する。しかるに、B液の濃度が安定して供給されている間は、水とB液とA液との混合量比率も変化しないが、B液の濃度が変化した場合には、逐次B液の濃度測定値の変化に応じて、B液制御手段60を制御すると共に、A液制御手段66も制御し、水流量に対して所定濃度の透析液となるように、B液取出ライン32およびA液供給ライン68を流れるB液およびA液の各流量を変化させる。
【0069】
透析液調整手段(その2)
図4は、透析液調整手段の別の実施例を示すものである。なお、説明の便宜上、前記図3に示す実施例と同一の構成部分については同一の参照符号を付して説明する。
【0070】
すなわち、図4に示す実施例において、B液取出ライン32から供給されるB液とA液供給ライン66から供給されるA液は、混合槽74に導入される。なお、この場合、A液は、予め計量槽(図示せず)に一定量を計量した後に、混合槽74に供給するように構成することもできる。また、前記混合槽74には、制御弁62を介して給水ライン64を接続して、給水を行うように構成する。このようにして、混合槽74内の液位がレベル検出器75による設定レベルに到達した時点で、制御弁62を閉じて給水を停止するようにする。従って、この場合、1回の透析液の調整で、混合槽74のレベル検出器75により設定される容量分の透析液が調整される。
【0071】
しかるに、本実施例においては、B液取出ライン32にB液濃度測定手段62を設けている。そこで、B末溶解手段(図1および図2参照)から供給されるB液の濃度は変化するが、この場合、透析液の調整毎に所定濃度の透析液を調整するには、調整毎に供給されたB液中に溶解された重炭酸ナトリウムの量が一定となるように設定すればよい。
【0072】
従って、B液の供給に要する時間は、透析液の調整毎に一定の時間Tとする。この時間Tの間、B液濃度測定手段62の測定値に応じて、逐次B液制御手段60を制御し、単位時間ΔTの間に供給するB液の中に含まれた重炭酸ナトリウム量が一定となるように動作させる。すなわち、B液濃度測定値(例えば電導度)に対して、そのB液にどの位の重炭酸ナトリウムを含有しているかは、前もって知ることができ、濃度測定値に対応してB液制御手段60の制御データは、前もって装置に保持させておくことができる。このようにして、B液濃度測定手段62による濃度測定値に応じて、前記制御データを使用することにより、殆ど時間遅れなく、B液制御手段60を制御することができる。
【0073】
また、前記混合槽74の外側部には、ポンプ76を設けた循環流路77を配設し、混合槽74内の液を攪拌しながら透析液濃度を測定する。そして、透析液濃度が正常濃度であることが確認されれば、前記循環流路77の一部より制御弁78を介して導出される排出流路72により透析液貯槽70に移送して貯留し、貯留した透析液を多人数の透析装置に対して適宜供給し得るように構成する。
【0074】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前述した実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得ることは勿論である。
【0075】
例えば、図1および図2に示す実施例において、B液取出ライン32を分岐することにより、B末溶解手段から複数の透析液調整手段40にB液の供給を行うように構成することができる。
【0076】
また、従来のように、B末溶解手段と透析液調整手段40とを別ユニットとして構成した場合、透析施設で必ず両ユニットが近くに配置されるものではなく、従って、必要に応じて、図1およひ図2に示すB液取出ライン32にポンプ手段を設けたり、断熱処理を施すことが好ましい。
【0077】
さらに、クリーンなB液の供給を目的として、本発明のB末溶解手段に、洗浄および消毒機能の追加、殺菌灯の設置、除菌を目的としたフィルタの設置等は容易に実施することができる。
【0078】
溶解槽10へのB末投入は、粉体フィーダ等で行うことも可能であるが、簡便には人手によりB末の投入作業を行うこともできる。すなわち、投入するB末は、特に計量して投入する必要はない上に、透析中においても、追加投入することができるので、B末の投入作業は、煩わしい作業ではなく、人手によりこの作業を行うことに支障はない。また、この場合、B末の追加投入が必要であることを報知する機能を持つように構成することが好ましい。
【0079】
すなわち、溶解槽10内のB末が残り少なくなった時には、追加給水の結果、透析液調整手段40に送液されるB液の濃度は低下する。その結果、B液濃度測定手段62の測定値は低下する。この測定値が、設定濃度(通常、透析液調整に支障のない範囲で薄い濃度)以下になった時、ブザーまたは表示機能を有する警報手段により報知するように構成する。この場合、さらに追加給水をしないように構成することもできる。この警報報知により、人手により必要に応じてB末を追加投入すればよい。
【0080】
また、B末溶解手段に、適宜別のB液濃度測定手段を設け、このB液濃度測定手段の測定値によって、前記報知を行ってもよい。
【0081】
このようにして、本発明におけるB末溶解手段では、溶解槽10に随時B末を追加投入することにより、長時間に亘り多量のB液を透析液調整手段40に供給し、透析液の円滑な調整を行うことが可能である。
【0082】
図3および図4に示す透析液調整手段の実施例において、A液は所定濃度に調整されたものが供給される場合について説明したが、A液濃度も変化する場合については、次のように操作することもできる。
【0083】
例えば、A剤として、粉末(あるいは顆粒剤)のもの(A末)を、透析設備において溶解してA液とする場合、A剤は複数の主に電解質化合物を含んだ組成であるので、A液の調整は、所定量の水に所定量のA末を溶解して行われるのが通常である。なお、水あるいはA末の計量間違い等により、必ずしもA液の調整毎に所定濃度にならない場合がある。
【0084】
一方、A液の濃度が変化する場合には、図3および図4に示すA液供給ライン68に、適宜A液濃度測定手段を設ける。そして、このA液濃度測定手段による測定値の変化とB液濃度測定値の変化とに応じて、所定濃度の透析液となるように、逐次B液制御手段60およびA液制御手段66を制御するように構成することができる。
【0085】
【発明の効果】
前述した実施例から明らかなように、本発明によれば、重炭酸ナトリウム粉末と水とを導入してこれらを攪拌混合し、未溶解の重炭酸ナトリウム溶液がフィルタ上にある状態でフィルタを介して画室に所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るように構成した溶解槽と、前記溶解槽に連通接続する制御弁を備えた給水手段と、前記溶解槽の画室と連通接続されて未溶解の重炭酸ナトリウム溶液が溶解槽のフィルタ上にある状態のまま、フィルタ下部に存在する重炭酸ナトリウム濃厚液を直接透析液調整部へ送り出すための重炭酸ナトリウム液取出手段と、前記重炭酸ナトリウム液取出手段と連通接続されることにより直接所要濃度の重炭酸ナトリウム液が送られる透析液調整手段とから構成することにより、溶解槽において重炭酸ナトリウム粉末と水とを供給して所要濃度の重炭酸ナトリウム液を作成し、この重炭酸ナトリウム液を随時希釈して所定濃度の重炭酸ナトリウム溶液を得ることにより、小型の設備により多量の重炭酸ナトリウム溶液の供給を可能とし、しかも透析中においても溶解槽における重炭酸ナトリウム液の追加作成を簡便に達成することができる多人数用重炭酸透析液調整装置を得ることができる。
【0086】
本発明の多人数用重炭酸透析液調整装置によれば、随時B末を溶解槽に追加投入することにより、長時間に亘り多量のB末を溶解し、B液を調整して、少なくとも1台の透析液調整装置にB液を円滑に供給することができる。
【0087】
さらに、透析開始前に、透析中に消費が予想されるB液に相当するB末を計量する必要はなく、適当量投入することができる上に、透析中においても随時B末の追加投入が可能である。
【0088】
従って、本発明装置においては、人手によりB末を溶解槽に投入することは、煩わしい作業ではなく、しかもB液が占める割合は小さいので、従来の多人数透析液供給装置へB液を供給するB末溶解手段と比較して、小型に構成し得ると共に、その調整作業も簡便に達成することができる。すなわち、溶解槽では、B液を調整するのではなく、透析中において溶解槽内はB末と所要濃度のB液となるように構成すると共に、常に溶解槽に準備されているB液を随時希釈して所定濃度のB液を調整することができるので、B液を貯えておくための大きな貯槽を必要とせず、小型で多量のB液の供給が可能となる。
【0089】
本発明装置は、バッチ方式によりB末の溶解およびB液の調整を繰り返して行う構成としたものと比較して、構造および操作が簡単となり、小型で多量の透析液の供給が可能となる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置の一実施例を示す概略系統図である。
【図2】本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置の別の実施例を示す概略系統図である。
【図3】本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置に適用する透析液調整手段の一実施例を示す概略系統図である。
【図4】本発明に係る多人数用重炭酸透析液調整装置に適用する透析液調整手段の別の実施例を示す概略系統図である。
【図5】図2に示す多人数用重炭酸透析液調整装置における吐出手段の構成例を示す要部拡大断面図である。
【図6】図3に示す透析液調整手段における水制御手段の構成例を示す要部拡大断面説明図である。
【符号の説明】
10 溶解槽
12 開口部
14 給水源
16 給水ライン
18 制御弁
20a 上限レベル検出器
20b 下限レベル検出器
22 攪拌手段
24 フィルタ
26 画室
28 脱ガス手段
30 排気ライン
32 液取出ライン
34 給水ライン
35 合流点
36 分岐給水ライン
37 合流点
38a 上限レベル検出器
38b 下限レベル検出器
39 制御弁
40 透析液調整手段
42 ポンプ
44 吐出ライン
46 吐出手段
48 吐出管
50 集液室
51 通孔
52 ロータ
53 ストッパ
54 噴射パイプ
55 噴射孔
60 B液制御手段
62 濃度測定手段
64 水制御手段
66 A液制御手段
68 A液供給ライン
70 貯槽
71a 上限レベル検出器
71b 下限レベル検出器
72 排出流路
74 混合槽
75 レベル検出器
76 ポンプ
77 循環流路
78 制御弁
80 シリンダ
82 ピストン
83 シール
84 ピストンロッド
85 シール
86、88 ポンプ室
90、92 流路
91a、91b 制御弁
93a、93b 制御弁
94 ピストン速度計測手段
Claims (6)
- 重炭酸ナトリウム粉末と水とを導入してこれらを攪拌混合し、未溶解の重炭酸ナトリウム溶液がフィルタ上にある状態でフィルタを介して画室に所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るように構成した溶解槽と、前記溶解槽に連通接続する制御弁を備えた給水手段と、前記溶解槽の画室と連通接続されて未溶解の重炭酸ナトリウム溶液が溶解槽のフィルタ上にある状態のまま、フィルタ下部に存在する重炭酸ナトリウム濃厚液を直接透析液調整部へ送り出すための重炭酸ナトリウム液取出手段と、前記重炭酸ナトリウム液取出手段と連通接続されることにより直接所要濃度の重炭酸ナトリウム液が送られる透析液調整手段とから構成することを特徴とする多人数用重炭酸透析液調整装置。
- 透析液調整手段は、重炭酸ナトリウム液取出手段に重炭酸ナトリウム液制御手段と濃度測定手段とを設けると共に、この重炭酸ナトリウム液取出手段を、前記濃度測定手段による濃度測定値に応じて重炭酸ナトリウム液の濃度調整を行う水制御手段を備えた給水手段と結合し、さらに重炭酸ナトリウム液を含まない透析液を供給する手段を結合して透析液を調整し、得られた透析液の所定量を貯槽に貯留するよう構成してなる請求項1記載の多人数用重炭酸透析液調整装置。
- 透析液調整手段は、重炭酸ナトリウムを含まない透析液の所定量と、重炭酸ナトリウム液取出手段から供給される重炭酸ナトリウム液および水供給手段から供給される水の所定量とを混合槽に導入して、透析液を調整し、得られた透析液の所定量を貯槽に貯留するよう構成してなる請求項1記載の多人数用重炭酸透析液調整装置。
- 溶解槽は、その底部にフィルタを介して所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るための画室を画成し、前記フィルタの上方に攪拌手段を設け、さらにその上方に上限レベル設定器と下限レベル設定器とを設けてなる請求項1記載の多人数用重炭酸透析液調整装置。
- 攪拌手段は、スクリュの回転、超音波の発信、ポンプによる液循環を行う手段からなる請求項1記載の多人数用重炭酸透析液調整装置。
- フィルタを介して所要濃度の重炭酸ナトリウム液を得るための画室を画成した溶解槽に対し、前記画室に制御弁を備えた給水手段を連通接続し、さらに前記画室とポンプを介して前記フィルタの上部に配置した攪拌手段としての吐出手段とを連通接続する分岐給水手段を設けてなる請求項1記載の多人数用重炭酸透析液調整装置。
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