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JP3668965B2 - 防護ネット及び防護柵 - Google Patents

防護ネット及び防護柵 Download PDF

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JP3668965B2
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吉田博
南和夫
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有限会社吉田構造デザイン
南 和夫
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、落石や雪崩等の落下物が保有する落下エネルギーを減衰させ、停止させる落石防護柵、雪崩防護柵、雪崩の発生を予防する雪崩予防柵等の防護ネット及び防護柵に関する。
【0002】
【従来の技術】
落石や雪崩等の落下物から道路や民家等を防護するために、斜面上に落石防護柵、雪崩防護柵を設置し、また雪崩の発生を予防するための雪崩予防策を設置している。
これらの防護柵としては、斜面aに所定の間隔を隔てて立設した支柱b間に防護ネットcを張り巡らしたものが知られている(図6参照)。支柱bの斜面a谷側への傾倒を阻止するために斜面a山側と支柱b上部との間をロープd1等で接続し、また山側への傾倒を阻止するために谷側と支柱b上部との間をロープd2等で接続している。さらに、両端の支柱b上部と防護柵面内の側方地盤との間をロープd3等で接続している。
この防護柵によれば、落石の保有する衝撃エネルギーを張り巡らした防護ネットc及び支柱bの強度で吸収、停止させるものである。また、斜面a上に複数列設置することにより、雪崩の発生を予防するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら従来の防護柵にあっては、次のような問題点がある。
<イ>防護ネットは、両端を支柱に架設した複数の水平ロープによって吊り下げられているので、落石等の衝突時には衝突した支柱間のスパンのみでエネルギーを吸収しようとするので、変形量が大きくなるとともに損傷や破損しやすい。
<ロ>防護柵を設置する斜面が平坦であることはまれで、通常は起伏がある。このような現場において、一枚ものの長尺ネットを斜面の起伏に対応させながら設置することが技術的に難しい。また、支柱に高低差がある場合、防護ネットを平行四辺形に張る必要があるが、無理に張るとしわが発生し、受撃性能の低下や景観性悪化の問題がある。
<ハ>一般に防護ネットは大きく、重量があり、この防護ネットを斜面へ運搬して張り巡らせるのは、危険が伴うとともに作業が極めて困難であり、施工性が悪い。
<ニ>防護ネットの両端が保持されているため、落石等が衝突するとネットの上下縁がネット中央へ接近するように撓み、受撃面となるべき防護ネットの縦幅が減少する。そのため、次の落石が落下してくると防護ネットの上側または下側を通過してしまい、防護柵としての役目をなさなくなる。
<ホ>一枚の防護ネットを広い範囲にわたって張設しているので、防護ネットが損傷した場合は、損傷していない箇所も含めてネット一式を交換することになり、不経済である。
【0004】
【発明の目的】
本発明の防護ネット及び防護柵は、上記の課題を解決するためになされたもので、局部的に作用する衝撃力や荷重に対し、張り巡らされた防護柵全体でエネルギーを吸収し、荷重に抵抗する防護ネット及び防護柵を提供することを目的とする。
また本発明は、斜面の起伏に合わせて性能を減少することなく、自由にネット面を形成することが可能な防護ネット及び防護柵を提供することを目的とする。
また本発明は、急斜面でも安全で施工性のよい防護ネット及び防護柵を提供することを目的とする。
また本発明は、必要とする高さに応じて防護ネットを任意の高さにすることができる防護ネット及び防護柵を提供することを目的とする。
更に本発明は、防護ネットが損傷した場合、損傷した箇所のみを交換すればよい防護ネット及び防護柵を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的のうち少なくとも一つを達成するようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の防護ネットは、所定の間隔を隔てて立設した支柱間に正立三角形の防護ネットと逆三角形の防護ネットを連続して組み合わせて張り巡らした防護柵の防護ネットであって、前記防護ネットは、三角形状の分割ネットを多数組み合わせて三角ネットとし、前記した分割ネットは、ロープを斜めに張り渡して菱形の網目を形成し、前記分割ネット同士の隣り合う対向辺の間を力の分散伝達が可能なように第1の連結具を介して連結したことを特徴としている。また本発明の防護ネットは、分割ネットが複数のロープの交差部を相互に固定した菱形の網目に形成したことを特徴としている。また本発明の防護ネットは、分割ネットが複数のロープを交差して網目を菱形に形成し、交差部の一部または全てに緩衝具を取り付けて、設定した把持力を超えた力がロープの交差部に作用したとき、該交差部においてロープが相互に摺動を許容するようにしたことを特徴としている。また本発明の防護ネットは、多数の分割ネットを夫々同一形状かつ同一寸法に形成したことを特徴としている。また本発明の防護ネットは、第1の連結具が緩衝機能を有することを特徴としている。また本発明の防護柵は、前記の防護ネットを使用し、正立三角形の防護ネットと逆三角形の防護ネットを連続して組み合わせ、前記防護ネット同士の隣り合う対向辺の間を第2の連結具を介して連結して帯状に形成したことを特徴としている。また本発明の防護柵は、第2の連結具が緩衝機能を有することを特徴としている。また本発明の防護柵は、前記防護ネットを斜面谷側が凸になるようにして支柱上部と斜面山側との間に配置したことを特徴としている。また本発明の防護柵は、前記防護ネットを斜面山側が凸になるようにして支柱上部と斜面谷側との間に配置したことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態1】
以下、図面を参照しながら本発明に係る一実施の形態について説明する。
【0007】
<イ>防護ネット
図1に防護ネットの一例を示す。
防護ネット1は、三角形状の分割ネット3を正立三角形と逆三角形に交互に組み合わせて三角形状の大きな三角ネットとしている。
防護ネット1の一辺は、分割ネット3の整数倍となっており、分割ネット3の大きさを小さくしたり、組み合わせる枚数を増やしたりすることで、任意の大きさの防護ネット1とすることができる(図2(a)、(b)参照)。
【0008】
防護ネット1の周囲を枠ロープ2で囲う。枠ロープ2は省略してもよい。
枠ロープ2は、例えば複数(3束)の素線束をより合わせて構成する。複数の素線をより合わせて構成する素線束や、複数の素線束の編成方法等については従来技術と同様である。
枠ロープ2が形成する三角形状の各頂点に取付ロープ21を取り付ける。取付ロープ21は、防護ネット1を三角形状に張設するためのものである。
枠ロープ2を省略した場合は、防護ネット1の各頂点に取付ロープ21を取り付ける。
分割ネット3同士の隣り合う対向辺の間を第1の連結具7を介して連結して防護ネット1を構成する。
【0009】
<ロ> 分割ネット
分割ネット3は、ワイヤロープ、PC鋼線、PC鋼より線、炭素繊維等の線材を交差して編成したネットで、全体の形状を略正三角形状または略二等辺三角形状に形成する。
各分割ネット3は、同じ形状及び同じ寸法で形成してもよい。
分割ネット3の周辺は枠ロープ32で枠を形成し、内側はロープ33を左右に斜めに張り渡して菱形の網目を形成する。枠ロープ32は、ロープ33より太く形成する。
【0010】
菱形の交差部34、即ち左右のロープ33、33の交差部34は、締結治具等で固定するか、ロープ33を相互に編み込んでロープ33の相互の移動を拘束する。
あるいは交差部34を固定することなく、交差部34においてロープ33が相互に摺動可能なように、交差部34の一部または全てにクロス緩衝金具35を取り付けて衝撃エネルギーを吸収する機能を付加することもできる(図1参照)。
クロス緩衝金具35は、例えばロープ33が交差する方向に溝37、37を設けた2枚の板片36、36と、この2枚の板片36を締め付けるボルト38、ナット39等からなる。溝37にロープ33を夫々収容し、ボルト38及びナット39でロープ33を所定の摩擦力で把持し、この摩擦力を超えたときに、ロープ33の相互の摺動を許容するものである。
クロス緩衝金具35を取り付けることによって、落石14が衝突した場合にロープ33がクロス緩衝金具35において摺動し、衝撃エネルギーをより一層効果的に吸収することがことができる。
【0011】
<ハ> 第1の連結具
第1の連結具7は、例えば分割ネット3同士の対向辺(32,32)にまたがって巻き付けるコイル部材を使用できる。コイル部材7を巻きつけて連結することにより連結機能だけでなく、コイル部材7の弾性変形による緩衝効果を併有させることができる。
また第1の連結具7は、ワイヤクリップ等を分割ネット3同士の対向辺にまたがって取り付けて連結してもよい。
また、分割ネット3のロープ33を延長して隣り合う分割ネット3の枠32につないで分割ネット3同士を接続してもよい。
要は、第1の連結具7は、分割ネット3同士の対向辺を連結する連結機能を有するものであれば、どのような連結手段を用いてもよい。
【0012】
<ニ> 防護柵
図3に前記した防護ネット1を使用した防護柵10の一例を示す。
防護柵10は、斜面11に所定の間隔で立設した支柱4の間に防護ネット1を谷側が凸になるようにして帯状に張り巡らせてなる。
即ち、正立三角形の防護ネット1A(正面から見て頂点が上方で、底辺が水平となった状態の防護ネット1)と逆三角形の防護ネット1B(正面から見て頂点が下方で、底辺が水平となった状態の防護ネット1)を連続して交互に組み合わせて帯状に形成する(図1、図3参照)。
3本の取付ロープ21を支柱4上部と斜面11の地盤上の固定点(アンカー等)12に夫々接続し、防護ネット1を三角形状に張設する。
なお、取付ロープ21に、例えばターンバックル等のような調節可能な連結金具を介在し、防護ネット1の弛みや張力を調節できるようにしてもよい。
また、取付ロープ21を取り付けることなく、防護ネット1の各頂点を直接支柱4上部や地盤上の固定点12に接続してもよい。
防護ネット2を支柱4上部に対してその頂点と底辺が交互に位置するように順次配設して、正立三角形の防護ネット1Aと逆三角形の防護ネット1Bとを連続して交互に組み合わせることができる。
隣り合う防護ネット1の対向辺同士を第2の連結具8で連結する。
このように防護ネット1を組み合わせて帯状に形成した防護柵10を設置する。
【0013】
<ホ> 支柱
支柱4は鋼材、コンクリート柱等の公知の各種剛性材からなる。
支柱4の下部を基礎コンクリート(プレキャストのコンクリート版)42を敷いた上に設置する。あるいは支柱4の下部を直接斜面地盤上に回転自在に設置する。
支柱4の下部に下部控えロープ45を取り付け、斜面11に沿って下部控えロープ45の他端を斜面11の山側のアンカー12、12及び斜面11の谷側のアンカー13に結ぶ。
支柱4を中心にして下部控えロープ45をY字形に張設することによって、支柱4の下部が安定する。
【0014】
一方、支柱本来の機能をはたすために、支柱4は斜面11の山側あるいは谷側へ傾倒するのを阻止する必要がある。
従来は、支柱4の斜面11の谷側への傾倒を阻止するために、斜面11の山側と支柱4上部との間を控えロープ等で接続していた。
本発明では、前記したように防護ネット1の上端部を支柱4上部に接続するとともに、防護ネット1の下端部を斜面11の固定点(アンカー)12に接続しているので、支柱4は斜面11谷側への傾倒を阻止されており、控えロープ等を省略することができる。
また、斜面11の山側へ向けての強風や衝撃の反動等による支柱4の斜面11の山側への傾倒を阻止するため、斜面11の谷側において控えロープ5を支柱4上部に接続し、他端を斜面11の固定点(アンカー等)13に接続する。控えロープ5をアンカー13に接続する際、後述する緩衝具6を介在してもよい。
【0015】
支柱4の強度は、落石14等の衝撃が防護ネット1を介して間接的に受けたとき、または支柱4に直接的に衝撃を受けたとき、塑性変形が限界値を越えない程度の強度に設定しておく。
また、支柱4をヒンジ43等を介して積極的に傾倒するようにしてもよく、この場合は控えロープ5が緩衝具6に対して摺動することにより衝撃を吸収するものであるから、分割ネット3を組み合わせて大きな防護ネット1を形成したとしても支柱4に大きな剛性を必要としない。
またこのように支柱4を設置することにより、支柱4には曲げモーメントが発生せず、軸圧縮力のみが作用し、経済的な断面とすることができる利点がある。
さらに支柱4が損傷してもヒンジ43の箇所で支柱4を取り外し、簡単に交換することができる利点がある。
【0016】
<ヘ> 控えロープ用緩衝具
控えロープ5をアンカー13に接続する際、緩衝具6を介在して行う。
緩衝具6の一例としては、Uボルト62、控えロープ5を収容する2つの挟持体61、締付用のボルト63などで構成するものが挙げられる(図4(a)参照)。
一端に挟持体61を取り付けたUボルト62をアンカー13に接続する。
挟持体61に、控えロープ5を収容する溝を刻設し、ここに控えロープ5を収容してボルト63を締め付け、控えロープ5を把持する。
控えロープ5を所定の摩擦力で把持し、控えロープ5に設定以上の張力が作用したときに、摺動を許容する。
【0017】
<ト> 第2の連結具
第2の連結具8は、例えば連結金具や複数(3束)の素線束をより合わせて構成した接続ロープ(ワイヤロープ)等である。接続ロープ8を用いる場合には、防護ネット1の枠ロープ2に引っ掛けてワイヤクリップで固定する。
接続ロープ8で防護ネット1の隣り合う対向辺をつなぐことによって、防護ネット1同士の間隔が一定以上広がらない。
また接続ロープ8でつなぐことによって、一つの防護ネット1に落石14等が衝突した場合、その衝撃エネルギーは接続ロープ8を介して隣り合う防護ネット1へ順次伝達され、その結果、衝撃エネルギーは分散されて吸収されることになる。
なお、第2の連結具8は接続ロープに限らず、防護ネット1の隣り合う対向辺をつなぐものであれば、例えばコイル部材やワイヤクリップ等の連結具を用いてもよい。
【0018】
【作用】
以下、本発明の防護ネット及び防護柵の作用について説明する。
【0019】
<イ> 防護柵の設置
分割ネット3を設置現場に搬入し、第1の連結具7で相互に連結し、防護ネット1を形成する。
防護ネット1を支柱4の上部と斜面11山側の固定点(アンカー12)に接続して、谷側に凸となるようにし、正立三角形の防護ネット1Aと逆三角形の防護ネット1Bが連続した帯状の防護柵10を設置する。
控えロープ5を支柱4上部と斜面11のアンカー13に接続する。
防護柵10は、支柱4に接続した防護ネット1と控えロープ5により斜面11の山側にも谷側にも傾倒することなく設置される。
【0020】
<ロ> 落石時の衝撃力の吸収作用
落石14等が分割ネット3に衝突すると、分割ネット3は落石14等を包み込むように変形して受け止める。
本発明では、分割ネット3をロープ33を左右に斜めに張り渡して菱形の網目を形成しているので、落石14等の衝撃を受けると菱形が広がって四角に変形するため、大きく撓み変形して衝撃エネルギーを減衰することになる。
この場合、衝撃を受けた範囲の菱形が全て広がって四角に変形し、大きく撓み変形することができるので、大規模な落石があっても、十分に衝撃エネルギーを減衰することができる。
また、一つの分割ネット3に落石14等が衝突した場合、その衝撃エネルギーは第1の連結具7を介して隣り合う分割ネット3へ順次伝達され、枠ロープ2で囲んだ大きな三角形状の防護ネット1全体で衝撃エネルギーを吸収する。
第1の連結具7にコイル部材を使用した場合は、弾力性を有するため、衝撃エネルギーを効果的に吸収する。
さらに第2の連結具8を介して隣り合う防護ネット1へと順次伝達されることになり、伝達される際に衝撃エネルギーは分散されてより効果的に吸収されることになる。
また、落石14等が分割ネット3に衝突すると、分割ネット3が変形し、これによって分割ネット3と分割ネット3の間隔が広がろうとするが、第1の連結具7で連結しているので、間隔が一定以上広がったりすることはなく、衝突物が通過するようなことはない。
【0021】
一方、衝撃力は、防護ネット1の各頂点の取付ロープ21から最終的に支柱4に作用する。
支柱4に作用する衝撃力(衝撃エネルギー)は、支柱4を斜面11の山側へ傾倒させる方向である。
支柱4に控えロープ5を接続している場合は、支柱4が山側に傾倒しようとすることによって控えロープ5には引張り力が作用する。この引張り力が緩衝具6の把持力を越えると控えロープ5が摺動を開始する。この摺動抵抗により衝撃エネルギーが減衰される。
大きな落石14等で分割ネット3が損傷した場合は、第1の連結具7を取り外して、損傷した分割ネット3を交換することができる。防護ネット1を構成する大部分の分割ネット3が大きく損傷した場合は、取付ロープ21を支柱4及びアンカー12から取り外し、防護ネット1ごと簡単に交換することができる。
このように本発明では、落石、雪崩等があった場合、衝撃エネルギーによる変形は分割ネット3単位あるいは防護ネット1単位で行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態2】
次に、本発明に係る他の実施の形態について説明する。
【0023】
実施の形態1では、防護ネット1同士を第2の連結具8で連結するだけであったが、連結具として接続ロープ8を使用した場合は、接続ロープ8の途中に緩衝具9を介在してもよい(図1参照)。
緩衝具9で接続ロープ8を所定の摩擦力で把持し、接続ロープ8に設定以上の張力が作用したときに、余長部81の摺動を許容するものである。
緩衝具9を介在することによって、接続ロープ8が緩衝具9に対して摺動するので、衝撃エネルギーを効果的に吸収する。
【0024】
【発明の実施の形態3】
斜面11の起伏に合わせて防護柵10を設置する必要がある。防護ネット1を正三角形、二等辺三角形等に形成し、これを適宜組み合わせたり、正立三角形と逆三角形を適宜組み合わせることによって斜面11の起伏に合った防護柵10を設置することができる。
また、防護柵10は一つの平面で構成する必要はなく、樹木の位置や斜面11の起伏を考慮して支柱4の位置を上下にずらすことも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態4】
これまでの実施の形態では,斜面11の山側に防護ネット1を配置し、谷側に控えロープ5を設けたが、これとは逆に、防護ネット1を斜面11の谷側に配置し、山側に控えロープ5を設けることも考えられる(図5(a)参照)。
防護ネット1を斜面11の谷側に配置したこと以外は、全て実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
【0026】
<イ> 防護柵の設置
防護ネット1を支柱4の上部と斜面11谷側の固定点(アンカー12)に接続して、山側に凸となるようにし、正立三角形の防護ネット1Aと逆三角形の防護ネット1Bが連続した帯状の防護柵10を設置する。
控えロープ5を支柱4上部と斜面11のアンカー13に接続する。
防護柵10は、支柱4に接続した防護ネット1と控えロープ5により斜面11の山側にも谷側にも傾倒することなく設置される。
【0027】
<ロ> 落石時の衝撃力の吸収作用
防護ネット1を斜面11山側に凸になるように谷側に配置したことが大きな特徴で、次のような衝撃吸収作用がある。
▲1▼ 落石14が防護ネット1に衝突する場合、落石14が防護ネット1のネット面と形成する角度Θ(図5(a)参照)は、山側に配置した防護ネット1に衝突する場合の角度Θ1(図5(c)参照)に比べて小さい角度である。
落石14が防護ネット1のネット面と形成する角度が直角の場合、防護ネット1に対して衝撃力が最も大きく作用し、角度が小さくなるほど小さく作用する。
落石14が防護ネット1に対して斜めに衝突し、即ち小さい角度Θで衝突するので、防護ネット1に衝撃力が大きく作用することはなく,衝突後は落石14は防護ネット1のネット面に沿って下方に誘導されるか、斜面11の地盤に誘導され、地盤に衝突してエネルギーを減衰し、防護ネット1と斜面11との接続部で停止する(図5(b)参照)。または、防護ネット1と斜面11との隙間を通過して谷側で停止するようにしてもよい。
したがって、支柱4に作用する軸方向力および斜面11の山側の控えロープ5に作用する引張り力も小さくなり、アンカー13の引き抜き抵抗力も小さくてよい。
▲2▼ 防護ネット1と斜面11の角度α(図5(a)参照)が小さいため、雪崩が発生した場合でも、単位面積当たりの雪圧が小さくなり、支柱4に作用する軸方向力および斜面山側の控えロープ5に作用する引張り力も小さくなり、アンカー13の引き抜き抵抗力も小さくてよい。
▲3▼ 道路の路側に設置しても張出量が小さく、落石14または雪圧によって防護ネット1が道路の建築限界を犯すことがない。
【0028】
【発明の効果】
本発明の防護ネット及び防護柵は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ> 防護ネットは、三角形状の分割ネットを組み合わせて大きな三角ネットとし、分割ネット同士の隣り合う対向辺を緩衝機能を有する第1の連結具で連結しているので、落石の衝突等局部的に作用する衝撃力や荷重に対し、第1の連結具を介して吸収しながら分割ネット間を伝達し、防護ネット単位でエネルギーを吸収することができる。
<ロ> 防護柵を設置する斜面に起伏がある場合や、支柱に高低差がある場合でも、防護ネットを組み合わせて帯状に防護柵を形成するので、斜面の起伏や支柱の高低差に応じて自由にネット面を形成することが可能な防護柵とすることができる。
<ハ> 分割ネットの内側をロープを左右に斜めに張り渡して菱形の網目を形成しているので、落石等の衝撃を受けると菱形が広がって四角に変形するため、大きく撓み変形して衝撃エネルギーを減衰することになる。また、衝撃を受けた範囲の菱形が全て広がって四角に変形し、大きく撓み変形することができるので、大規模な落石があっても、十分に衝撃エネルギーを減衰することができる。
<ニ> 多数の分割ネットを組み合わせて防護ネットを構成し、さらに防護ネットを組み合わせて防護柵を構成してなるから、分割ネットが損傷した場合、損傷した分割ネットのみを交換する等、修復時は分割ネット単位または防護ネット単位での交換が可能であり、経済的であるとともに維持管理が容易である。
<ホ> 防護ネットは、多数の分割ネットを組み合わせてなるので、分割ネット単位で運搬し、作業することができ、危険な斜面でも安全で、施工性がよい。
<ヘ> 分割ネットを組み合わせて大きな防護ネットとしているので、防護ネットの高さを任意に高くすることができ、衝突物が防護ネットの上方を通過するようなことはない。
<ト>防護ネットを斜面山側に凸となるように谷側に設置した場合は、落石の衝突する方向と防護ネット面とで形成する角度は小さくなるので、大きい衝撃力が発生することはない。したがって、衝突後の落石は、防護ネットまたは斜面に誘導されてエネルギーを減衰し、斜面上で停止する。また、支柱に作用する軸方向力および斜面山側の控えロープに作用する引張り力も小さくなり、アンカーの引き抜き抵抗力も小さくてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防護ネットの正面図。
【図2】本発明の他の防護ネットを示す説明図。
【図3】本発明の防護柵を示す斜視図。
【図4】本発明の防護柵の側面図。
【図5】(a)は防護ネットを斜面谷側に配置した本発明の防護柵の側面図。(b)は落石が停止した状態を示す説明図。(c)は斜面山側に配置した防護ネットに落石が衝突する場合を示す説明図。
【図6】従来の防護柵を示す説明図。
【符号の説明】
1・・・防護ネット
10・・防護柵
11・・斜面
2・・・取付ロープ
3・・・分割ネット
34・・交差部
4・・・支柱
5・・・控えロープ
7・・・第1の連結具
8・・・第2の連結具

Claims (9)

  1. 所定の間隔を隔てて立設した支柱間に正立三角形の防護ネットと逆三角形の防護ネットを連続して組み合わせて張り巡らした防護柵の防護ネットであって、
    前記防護ネットは、三角形状の分割ネットを多数組み合わせて三角ネットとし、
    前記した分割ネットは、ロープを斜めに張り渡して菱形の網目を形成し、
    前記分割ネット同士の隣り合う対向辺の間を力の分散伝達が可能なように第1の連結具を介して連結したことを特徴とする、
    防護ネット。
  2. 請求項1に記載する防護ネットにおいて、分割ネットは複数のロープの交差部を相互に固定した菱形の網目に形成したことを特徴とする、
    防護ネット。
  3. 請求項1及び請求項2に記載する防護ネットにおいて、分割ネットは複数のロープを交差して網目を菱形に形成し、交差部の一部または全てに緩衝具を取り付けて、設定した把持力を超えた力がロープの交差部に作用したとき、該交差部においてロープが相互に摺動を許容するようにしたことを特徴とする、
    防護ネット。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載する防護ネットにおいて、多数の分割ネットは夫々同一形状かつ同一寸法に形成したことを特徴とする、
    防護ネット。
  5. 請求項1乃至請求項4に記載する防護ネットにおいて、第1の連結具は緩衝機能を有することを特徴とする、
    防護ネット。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載する防護ネットを使用し、正立三角形の防護ネットと逆三角形の防護ネットを連続して組み合わせ、前記防護ネット同士の隣り合う対向辺の間を第2の連結具を介して連結して帯状に形成したことを特徴とする、
    防護柵。
  7. 請求項6に記載する防護柵において、第2の連結具は緩衝機能を有することを特徴とする、
    防護柵。
  8. 請求項6または請求項7に記載する防護柵において、前記防護ネットを斜面谷側が凸になるようにして支柱上部と斜面山側との間に配置したことを特徴とする、
    防護柵。
  9. 請求項6または請求項7に記載する防護柵において、前記防護ネットを斜面山側が凸になるようにして支柱上部と斜面谷側との間に配置したことを特徴とする、
    防護柵。
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