JP3666509B2 - 玉軸受 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、少なくとも一方の軌道輪が板材の絞り加工で形成される玉軸受に係り、特にこの絞り加工される軌道輪の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の玉軸受としては、例えば図3に示すようなものがある。図には保持器を用いない総玉軸受を示している。図例の玉軸受では、内輪50を一般的な軸受鋼で形成し外輪51を絞り加工により形成しており、内・外輪50,51間に複数の玉52が介入されている。外輪51は径方向内外に重ねた内リング53および外リング54からなり、その軌道部(玉52が接触する部分)は円筒形に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例の場合、外輪51が絞り加工品であるため、玉52との接触部分すなわち荷重負荷点の強度が不十分な場合がある。この場合には、外輪51を構成する内外両リング53,54を硬化することにより対処することが考えられるが、この硬化処理のための工数を増やすことから必然的に製造コストアップを余儀なくされる。
【0004】
また、玉52は、内輪50と2点で接触し、外輪51と1点で接触する3点接触であり、摺り部を伴うため、特にアキシャル荷重が作用した際にがたつきが発生する。
【0005】
実願昭52−43447号公報に、絞り加工品である内外輪間に玉を介装してなるアンギュラ玉軸受が開示されている。しかし、予圧の付与または取付けに際しては、軌道部を押圧する必要がある。軌道部の局面に対して押圧するので接触位置が定まらず、所定の予圧を付与するための軸受の位置精度が低いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、絞り加工品となる軌道輪の軌道部の硬化をコストアップすることなく実現できると共に、玉のがたつきを防止でき、かつ、軸受の位置精度を向上できることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の玉軸受は、一対の軌道輪間に転動可能に複数の玉を介装してなり、一方の軌道輪が板材を絞り加工することにより成形される玉軸受において、前記一方の軌道輪は、円筒形リングおよび該円筒形リングの円筒度維持部材としての円板形リングを含み、前記円筒形リングはオーステナイト系ステンレスとされると共に、大径円筒部と、小径円筒部と、この両円筒部間を連絡する軌道部とからなり、その軌道部が絞り加工時にマルテンサイト化され、かつ、前記軌道部に前記玉が斜接してアンギュラ型に構成しているとともに、前記小径円筒部または前記大径円筒部は他方の軌道輪の肩部に微小隙間を有して対向し、前記一方の軌道輪の板材の軸方向端面に予圧が付与されており、前記円板形リングは前記円筒形リングの周面に圧入嵌合される円筒鍔と円板部を有することに特徴がある。
【0008】
【作用】
オーステナイト系ステンレスを曲げ加工すると、この曲げ部分がマルテンサイト変態を起こし硬度がアップすることに着目し、本発明ではこれを前述の絞り加工品である軌道輪の軌道部に応用している。つまり、軌道輪の絞り加工と同時にその軌道部が硬化されるから、従来のように硬化処理のための工程をわざわざ増やす必要がなくなる。また、大径円筒部と小径円筒部とを連絡する軌道部に玉が斜接するアンギュラ型に構成していることで、ラジアル荷重とアキシャル荷重とを受けることができ、玉のがたつきを防止できる。また、一方の軌道輪の小径円筒部または大径円筒部は他方の軌道輪の肩部に微小隙間を有して対向するから、ラビリンスとして密封性を高めることができる。また、一方の軌道輪の板材の軸方向端面に予圧が付与されているので、所定の予圧を付与することが容易となる。さらに、一方の軌道輪の円筒形リングの周面に、円筒度維持部材としての円板形リングを圧入嵌合したので、軌道輪の円筒度を適正に維持することができる。
【0009】
【実施例】
図1に本発明の一実施例を示している。ここでは保持器を用いない総玉軸受を例に挙げている。図中、1は内輪、2は外輪、3は玉である。内輪1は軸受鋼で形成されており、外輪2はオーステナイト系ステンレス(例えばSUS304)からなる板材を絞り加工することにより形成されている。
【0010】
この外輪2は、円筒形リング4および円板形リング5の二つの要素からなる。円筒形リング4は軸方向途中で円弧の1/4程度の部分円弧状の軌道部4aが屈曲形成されており、円板形リング5は外周側に軸方向に外方に向かう円筒鍔5aが形成されている。この円筒形リング4の大径円筒部4bの内周に円板形リング5の円筒鍔5aが圧入嵌合されることにより組み合わされている。円筒鍔5aにより外輪2の大径円筒部4bの円筒度は適正に維持される。なお、円筒形リング4に対する円板形リング5の圧入しろにより、玉3の遊びすなわち転がり軸受の内部隙間を調整することができる。さらに、円板形リング5の円板部5bは玉3と非接触配置されている。したがって、玉3は外輪軌道部4aと内輪1との間に所定予圧でもって配置されることになり、従来の軸受のように3点接触状態は回避され摺り部を伴わない。円板部5bの内周端は内輪1に近接し、ラビリンス密封部を形成している。
【0011】
ところで、外輪2の円筒形リング4において部分円弧状の軌道部4aは、絞り加工により得られるものであり、絞り加工の際に、この軌道部4aおよびその周壁の屈曲部分がマルテンサイト変態を起こして硬化されている。オーステナイト系ステンレスの硬さは生材でHv300以下であるが、マルテンサイト変態によりHv400程度にと飛躍的に向上することになる。
【0012】
このような玉軸受は、例えば図2に示すような形態で使用される。図中、A,Bは玉軸受、6はハウジング、7は回転軸、8は波ばね、9は押さえリングである。つまり、回転軸7の外周の環状凸部7aの両側に図1の玉軸受A,Bをそれらの各円板形リング5が対向するようにそれぞれ配置し、図中右側の玉軸受Aの円筒形リング4の小径円筒部4cの端面をハウジング6の一端側の径方向内向き鍔6aに当接させておいて、図中左側の玉軸受Bの円筒形リング4の小径円筒部4cの端面に波ばね8をあてがい、押さえリング9をハウジング6の他端側の受け座6bに装着して波ばね8を圧縮させることにより、両玉軸受A,Bに対して予圧を与える。この予圧により両玉軸受A,Bの内部隙間が調整されることになる。この場合、両玉軸受A,Bにおいて、玉3の内・外輪1,2に対する接触は図中の仮想線のように斜めになる。また、小径円筒部4cの端面は軸方向に垂直な切断面で形成されているので、波ばね8やハウジング鍔6aに対して軸受の位置精度を高くすることができるとともに、小径円筒部4cと波ばね8、ハウジング鍔6aとの接触面積が小さくなり小径円筒部4cの全周にわたり均等に予圧を加えることができる。なお、押さえリング9は受け座6bに接着剤、ねじなどを用いたりあるいは圧入したりすることにより装着してもよい。
【0013】
そして、図1の玉軸受において、外輪2の円筒形リング4の小径円筒部4cと内輪1の外周面の肩部との間の隙間Hを狭くしてここにラビリンス密封部を形成することもできる。なお、図3に示す従来例でも内・外リング53,54の端面53a,54aと内輪50の外周面との間にラビリンス密封部を形成できるけれども、従来例の場合だとラビリンス密封部の幅は外輪51の両リング52,53の肉厚分しか確保できない。これに対して、本実施例の場合、ラビリンス密封部の幅を小径円筒部4cの軸方向長さに設定できるから、ラビリンス密封部の幅を従来例よりも大きく設定できて、十分な密封効果が得られるようになっている。
【0014】
なお、本発明は上記実施例のみに限定されない。上記実施例とは逆に、外輪2を軸受鋼で形成し、内輪1をオーステナイト系ステンレスからなる板材を絞り加工により形成してもよい。また、上記実施例では、外輪2を二つの要素(リング4,5)で構成した例を挙げているが、単一の要素で構成することもできる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、軌道輪の素材をオーステナイト系ステンレスからなる板材とし、それを絞り加工して軌道輪の軌道部をマルテンサイト化させて硬化するようにしている。つまり、軌道輪の絞り加工と同時にその軌道部を硬化することができて、従来のように硬化処理のための工程をわざわざ増やさずに済むから、低廉な玉軸受を構成できるようになる。また、大径円筒部と小径円筒部とを連絡する軌道部に玉が斜接するアンギュラ型に構成していることで、ラジアル荷重とアキシャル荷重とを受けることができ、玉のがたつきを防止できる。また、一方の軌道輪の小径円筒部または大径円筒部は他方の軌道輪の肩部に微小隙間を有して対向するから、ラビリンスとして密封性を高めることができる。また、一方の軌道輪の板材の軸方向端面に予圧が付与されているので、予圧の付与に際して、軸受の位置精度が向上し、安定した予圧の付与が可能になる。さらに、一方の軌道輪の円筒形リングの周面に、円筒度維持部材としての円板形リングを圧入嵌合したので、軌道輪の円筒度を適正に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の玉軸受の縦断面図。
【図2】 図1の玉軸受の使用形態を示す縦断面図。
【図3】 従来例の玉軸受の縦断面図。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 玉
4 円筒形リング
4a 軌道部
4b 大径円筒部
4c 小径円筒部
5 円板形リング
H 微小隙間
Claims (1)
- 一対の軌道輪間に転動可能に複数の玉を介装してなり、一方の軌道輪が板材を絞り加工することにより成形される玉軸受において、
前記一方の軌道輪は、円筒形リングおよび該円筒形リングの円筒度維持部材としての円板形リングを含み、前記円筒形リングはオーステナイト系ステンレスとされると共に、大径円筒部と、小径円筒部と、この両円筒部間を連絡する軌道部とからなり、その軌道部が絞り加工時にマルテンサイト化され、かつ、前記軌道部に前記玉が斜接してアンギュラ型に構成しているとともに、前記小径円筒部または前記大径円筒部は他方の軌道輪の肩部に微小隙間を有して対向し、
前記一方の軌道輪の板材の軸方向端面に予圧が付与されており、前記円板形リングは前記円筒形リングの周面に圧入嵌合される円筒鍔と円板部を有することを特徴とする玉軸受。
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- 1992-11-05 JP JP29580792A patent/JP3666509B2/ja not_active Expired - Fee Related
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