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JP3666267B2 - 荷電粒子ビーム走査式自動検査装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム走査式自動検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビームを走査することにより検査を行うビーム走査式検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平5-258703号公報には、X線マスクや他の導電基板の自動検査装置が記載されている。この検査システムではマスクをスキャンすることにより導かれる電子ビーム像を基準と比較することにより欠陥を検出しており、この検出モードとして2つのダイの間で比較を行うダイ・ダイモードと、ダイとCADのデータベースとを比較するダイ・データベースモードとを有している。
また、この検査システムは、電子ビームを走査するために、偏向器コントローラとアナログ偏向回路を備えている。偏向器コントローラはステージの望ましい移動を計算してその対応する信号をステージサーボに送り、またビームの所望の偏向を計算してそのデータをアナログ偏向回路に送る。偏向器コントローラからアナログ偏向回路に送られるデータはランプ波の傾斜量であるスロープ値を示しており、このディジタル信号はアナログ偏向回路でアナログ電圧に変換され、このアナログ電圧に基づいてランプ発生器でランプ波が発生される。この検査システムにおいて制御可能な状態量は、ランプ波の傾斜量であるスロープ値、ランプ波の振り戻し量であるリトレース値である。また、スロープ値で指定されるアナログ信号の傾斜量は、調整値であるラインサイズ値と比較され、リトレース値で指定されるオフセットは調整値である片寄り値と比較されそれぞれアナログフィードバックされる。また、外部の検査スタート、エンド信号を用いて情報の取り込み位置を規定している。
以後、この検査システムのように、偏向回路部をアナログ積分回路で構成する方式をアナログ方式と呼ぶ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
集積回路では微細化技術が進歩し、現在では例えば、256 メガDRAMは0.25μm程度の線幅で設計されている。この微細化に伴い、検査装置においては、パーティクル、パターン欠陥などの検査がこれまで以上に重要となる。
しかし、従来の検査システムで採用されていたアナログ偏向方式では以下のような問題がある。
アナログ偏向方式は、高い直線性が要求される一定動作する高精度アナログ積分回路を構成し、前記積分回路のオペアンプ、コンデンサや抵抗のリーク電流によって直線性に歪みが生じ、これを補正することが困難である。また、外部の検査スタート、エンド信号を用いて直線性誤差が少ない部分のみを使用しているため、スタート、エンド信号発生回路とアナログ信号発生回路の時刻精度のずれにより位置ずれが生じる問題がある。また、アナログフィードバックループにより精度の補償を行なっていることもあり、設定を変更した直後、安定するまでは誤差が生じるため高速な設定変更には対応できないという問題がある。更に、一般に偏向器や検査装置鏡体内の不均一な電界、磁界に起因する偏向歪が存在するが、前記偏向歪の補正をアナログ方式で行うことは困難である。
特に、チップ比較検査に代表されるように、離れた個所のパターン比較を行う場合、誤差の積算による大きな位置ずれや、比較を行う2つのパターンに描画されるときに生じる配置(回転やサイズ)の誤差や歪みの相違が補正できないことによる位置精度に問題があるため、比較検査がうまく行かないという問題がある。また、歪み補正が困難であるため、ウェハ外周に代表されるように、偏向歪の不均一な個所の検査ができないという問題もある。更に、前記設定の変更や前記補正を行わずに上記離れた個所のパターン比較検査を行なうにあたり、精度を装置全体にわたって、特に、光学系装置、偏向装置及び偏向器とステージ及びその制御系に対して歪みが無く高精度なものが要求され、全体として高価格、歪みや誤差による精度確保の困難さからチューニングに関わる製造期間の長期化など問題を生じさせる。
またウェハサイズの大型化、例えばウェハ直径の12インチ化により検査面積が増大すれば、更に高速高精度化の要求が高まる。
【0004】
一方、高速高精度のデジタル演算処理装置を実現するための課題として、以下に示すような課題がある。
高精度高速演算を行うためには、実数演算処理を並列パイプライン的に実行する必要があるが、非常に多くのトランジスタを必要とする。さらに、リアルタイムで動作する制御部と連動するため、レイテンシを小さく保つ必要があり、配線短縮の点からもコンパクトに構成する必要性が生ずる。このため、非常に高集積なLSI又は電子基板を実現しなければならず、高度な論理設計技術やトランジスタ数削減技術が要求される。
上記要求を満足させようとすると、多くのトランジスタが小さなエリアで大量にスイッチング動作を行うため、それに伴って大量の発熱が生ずる恐れがある。発熱を押さえる回路設計上の工夫が必要となる。
しかしながら、これでは回路構成の大規模化及び複雑化を伴い、高価格となってしまう。
また、マスタプロセッサと高速デジタル演算処理装置との間で高速クロックに同期してスムーズな情報のやり取りが必要となる。従来の2ポートメモリを用いた手段では、メモリデバイスのアクセススピードの制限や、アクセス競合の問題があり、高速化が困難である。
さらに、制御対象に指令値を与えるため高精度な高速制御出力演算データを、所定のアナログ信号に変換する必要がある。
しかしながら、デジタルアナログ変換に際して、高速高精度のデジタルアナログ変換器には制限があり、誤差成分も補正した形で演算処理結果を高精度なデジタルデータとして例えば12ビット精度以上で10ns以下のクロック周期で出力するのは困難であり、それ以上の演算速度の高速化が出来なかった。
【0005】
本発明の目的は、種々の補正を容易に行えるようにすることにより、高速かつ高精度のビーム走査式検査装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のような手段により実現する。
(1)荷電粒子ビームの走査位置を制御する偏向制御手段を備え、被検査物の所定のビーム走査位置に荷電粒子ビームを照射し、被検査物の情報を取り込み、該情報を処理して被検査物の検査を行う荷電粒子ビーム走査式検査装置において、前記偏向制御手段は、画像取り込み周期以内の時間で前記荷電粒子ビームの走査位置を制御するディジタル信号を出力し、前記ディジタル信号を画像取り込み周期以内の時間でアナログ電圧に変換し、前記荷電粒子ビームの走査位置を制御することを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
(2)荷電粒子ビームを照射し、所定のビーム走査位置における被検査物の情報を取り込み、前記情報を処理して検査を行う荷電粒子ビーム走査式検査装置において、ビームの走査位置と被検査物上の検査位置を計測し、装置誤差の補正処理を施したビーム目標座標の算出と誤差補正定数、偏向歪補正定数の算出を行う手段と、前記ビーム走査を行う偏向制御手段を備え、前記偏向制御手段において、外部から予め又は適宜設定される前記ビーム目標座標、前記誤差補正定数、走査定数と、検査台の現在座標を用い、被検査物上の検査位置を正確に走査するための偏向座標系での検査位置演算を行う偏向位置演算回路と、外部から予め又は適宜設定される前記偏向歪定数と前記偏向位置を用いて偏向歪の補正を行い前記偏向位置に正確にビームを照射するため偏向制御量演算を行う偏向歪演算回路を、集積回路を用いたパイプラインで構成する。
これにより、前記被検査物の情報の取り込みの周期以下の時間で偏向走査位置の補正が可能となる。
(3)偏向制御手段に与える偏向歪補正定数を連続検査中に逐次変更する手段を備え、ウェハ外周近傍すなわち偏向歪の不均一な部分において、前記偏向歪補正定数は予め計測したウェハ位置に対応する偏向歪補正定数を使用する。
これにより、歪の不均一な部分における歪の補正が可能となる。
(4)予め第1のパターンと第2のパターンの位置、回転、サイズ及び光学系歪みを計測して走査定数及び補正定数を算出しておき、連続検査中に、逐次走査パラメータと補正定数を変更する。
これにより、比較を行うパターンに配置の誤差や歪みの相違があっても走査により補正することで比較可能な正確なパターン情報を得ることが可能となる。
(5)前記周期を10ns以下で行う。
これにより、検査時間及び被検査物の電荷のチャージをコントロールするビームの照射時間の関係から要求される画像情報取り込み周波数100MHz以上の偏向出力が可能となる。
(6)ディジタル信号の有効桁数を16ビット以上とする。
これにより、500μm角以上の要求偏向領域と20nm以下の要求精度が実現できる。
(7)ビーム光源と、ビーム状態を制御する光学系制御部と、ビーム光源からのビームを偏向する偏向器と、被検査物の位置を検出し制御する検査台及び検査台制御部と、前記検査台からの位置又は速度情報と外部から適宜設定されるか又は予め設定された定数に従いデジタル演算によって目的のビーム偏向位置に対応したデジタル偏向制御値を生成する偏向制御部と、前記ビーム走査のタイミングに対応して前記被検査物のビーム走査位置におけるデジタル画像情報を得る画像検出部と、前記デジタル画像情報を処理して被検出物の検査を行う画像処理部とを備えたビーム走査式検査装置であって、前記偏向制御部は、前記偏向制御部と周期の異なる前記検査台からの位置又は速度情の入力を行う検査台位置データ入力手段と、1本のビーム走査を定義する走査定数に従って、走査シーケンスの実行管理及び前記画像取り込みタイミングなどのタイミング管理を行う走査シーケンス及びタイミング管理手段と、被検査物上の検査位置を正確に走査するための偏向座標系での検査位置演算を行う偏向位置補正手段と、外部から予め又は適宜設定される前記定数と前記偏向位置を用いて偏向歪の補正を行い前記偏向位置に正確にビームを照射するため偏向制御量演算を行う偏向歪補正手段と、前記偏向制御量のデジタルデータを所定のアナログ値に対応させるため、前記デジタルデータを加工し、1つ又は複数のデジタルアナログ変換器(DAC)に与えるデータを生成するDAC入力データ生成手段と、前記データをアナログ値に変換するDA変換手段と、外部からの情報のやり取りと、前記偏向制御部のシステム管理と、パラメータの設定や変更を行うパラメータ管理を行うパラメータ管理とシステム管理手段と、第1の周期で高速動作する前記偏向位置補正手段及び偏向歪補正手段と、第1の周期よりは低速で動作するパラメータ管理とシステム管理手段の間で定数のやり取りを行うレジスタ部により構成する。
これにより、ビーム走査式検査装置の偏向制御回路として画像取り込み周期以内の時間で補正信号を出力できる高速高精度デジタル演算処理装置が実現できる。
(8)前記偏向制御部は、センサ入力手段もしくはウェハ位置による高さ分布情報入力手段と焦点補正演算手段を具備し、前記パラメータ管理手段により偏向歪補正手段に設定する偏向歪に関する定数を高さ変化に伴い変更し、また、高さ変動に伴う焦点変動を前記焦点補正演算手段により演算し、前記焦点補正手段によって補正を行う。
これにより、ウェハ上のどの領域においても、高さ変動によるビームの位置ずれとビーム径の変動の補正が可能となり、取り込む画像情報が常に均一となり、離れた個所のパターン比較を行う場合の画像比較精度が向上する。
(9)偏向制御部は、非点補正演算手段と焦点補正演算手段を具備し、前記偏向位置補正演算により算出される偏向位置に従って、非点と焦点の補正を行う。
これにより、拡大した広い偏向領域のどの領域においても、ビーム径及びビーム形状が正しく保て、取り込む画像情報が常に均一となり、離れた個所のパターン比較を行う場合の画像比較精度が向上する。
(10)偏向歪補正手段は、高速なクロック周期に同期してデジタル演算処理を行うデジタル演算処理装置において、その演算処理の基本単位となる演算を、パイプライン化した実数乗算器と実数加算器とを融合手段により1つに結合して構成したMAC演算器を用いて行い、前記融合手段は、実数乗算器の出力段である最終段のパイプラインレジスタと実数加算器の入力段である初段のパイプラインレジスタとを同レベルにそろえ、実数乗算器の最終ステージの処理と、実数加算器の初段ステージの1部とを並列に動作させる。
本構成において、実数乗算器の出力段と、実数加算器の入力段とのレベルが同レベルであるので、これらの信号を並列に処理可能であり、実数乗算器の最終段の次段で、IEEE形式に変換するステージを設ける必要が無く、内部形式のまま、次段の実数加算器にデータを引き渡すことができる。
従って、実数加算器の初段で、乗算器からの結果に対してIEEE形式からの変換ステージを実行する必要も無くなる。また、実数演算器により構成することで、24ビットの有効桁数が常に確保できる。
(11)前記レジスタ部は、1つの高速クロックに同期し、デジタル処理を行う、前記検査台位置データ入力手段、前記走査シーケンス及びタイミング管理手段、前記偏向位置補正手段、前記偏向歪補正手段、前記DAC入力データ生成手段、前記DA変換手段を構成するデジタル演算処理装置において、前記高速クロックと非同期とみなせる第2のクロックに同期して動作する、前記パラメータ管理とシステム管理手段を構成する1つ又は複数のプロセッサを設けて、そのプロセッサからデジタル演算処理装置に対して任意の時刻にデータを与える手段として、2段構造のラッチレジスタを設け、1段目のラッチレジスタはプロセッサからのデータを第1のゲート信号に応答してラッチする機能を有し、2段目のラッチレジスタは、1段目のラッチレジスタからのデータを第2のゲート信号に応答してラッチして、前記デジタル演算処理装置に与える機能を有し、第1のゲート信号はプロセッサからのライトアクセス信号を基に生成し、第2のゲート信号は前記デジタル演算処理装置にデータを与えるタイミングを規定するプロセッサからのトリガ信号を前記高速クロックに同期化した信号を基に生成する。
第1の周期で高速に変化する情報を処理する演算処理装置に、第2の周期で低速に変化する情報を処理するプロセッサを設けることにより、低速で制御する部分と、高速で制御する部分を分割して、制御の適切化を可能とし、前記2種類の周期で動作する部分のスムーズな情報のやり取りが実現できる。これにより、情報のやり取り周期が問題にならずに、高速なデジタル演算処理可能な演算手段を用いることができ、高速で高精度なデータ処理が可能な前記検査装置のデジタル形式の偏向制御装置に必要なデジタル演算処理を実現することができる。
(12)前記DAC入力データ生成手は、高速なクロック周期に同期してデジタルデータをアナログデータとして出力するデジタル演算処理装置であって、デジタルデータを連続的なビット列で構成された少なくとも2つの出力データに分割する手段と、その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、前記少なくとも2つの出力データと補正データに対応したアナログデータを出力する少なくとも3つのデジタルアナログ変換器と、前記少なくとも2つの出力データを対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、前記少なくとも2つの出力データと補正データの出力タイミングを合わせる手段とを設け、前記少なくとも3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータをアナログ的に加算することにより、高精度なアナログ出力を生成する。
本構成により、高速で演算処理されたデジタル信号を、適切に高精度かつ高速にアナログ信号に変換可能な前記デジタル形式の偏向制御装置に必要なデジタル演算処理を実現することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
[本発明に係る検査装置の実施例における構成]
図1は、本発明の荷電粒子ビーム走査式検査装置の偏向制御の概念について単純に示す実施例である。但し、本発明は、特に前記検査装置について画期的な効果が見い出されるため、前記検査装置について示したものであるが、ビーム光源からのビームを偏向してビーム走査を行う全ての装置、例えば描画装置、顕微鏡(SEM)などにも応用可能である。
【0008】
図1に示す装置は、荷電粒子ビーム101を被検査物102に照射し、そのとき発生する2次電子及び反射電子を被検査物の情報として情報処理手段103に取り込み、前記情報をパターン比較を行う処理をして欠陥の有無及び分析などの検査を行う荷電粒子ビーム走査式検査装置を示している。
【0009】
上位制御手段104にて、指定したビームの走査位置と情報処理手段103より得られる被検査物の画像情報から、検査位置と走査位置の誤差を統計処理などの演算を行うことで装置誤差と画像歪の算出を行ない、補正処理を施したビーム目標座標の算出と誤差補正定数、偏向歪補正定数の算出を行う。更にこれらの定数は、偏向制御手段105において補正演算を行なうために予め又は適宜送信される。
【0010】
偏向手段109によるビーム走査の制御を行う偏向制御手段105は、前記歪補正機能の実現のため、偏向走査信号も補正もすべてデジタルで演算を行ない、デジタル制御信号の時系列により、デジタル値を逐次アナログ値に変換し、偏向走査波形106を形成するデジタル偏向制御方式で行なう。
【0011】
前記デジタル偏向制御方式での補正演算を構成する、偏向制御手段105の中で最も速い周波数で動作するデジタル演算は、大きく分けて偏向位置演算回路105aと偏向歪演算回路105bにより実時間の補正演算を可能とする。
【0012】
まず偏向位置演算回路105aは、上位制御手段104から予め又は適宜設定される前記装置誤差などの補正処理がなされたビーム目標座標と、ドリフトなどの誤差補正定数と、ビーム走査方法の規定を行なう走査定数、検査台制御手段107から検査台108の現在座標を受け取り、被検査物上の検査位置を正確に走査するための偏向座標系での検査位置演算を行う。
【0013】
更に偏向歪演算回路105bは、上位制御手段104から予め又は適宜設定される前記偏向歪定数と前記偏向位置演算回路の演算結果である前記偏向位置を用いて偏向歪の補正を行い前記偏向位置に正確にビームを照射するため偏向制御量演算を行う。
【0014】
前記2つの演算回路を集積回路を用いたパイプラインで構成することにより、前記被検査物の情報の取り込みの周期以下の時間で偏向走査位置の補正を可能とする。パイプライン手法の詳細は後述する。
【0015】
[ウェハ検査装置構成概要]
荷電粒子ビーム走査式検査装置の更に詳細な実施例として、図10に電子ビーム走査式ウェハ外観検査装置の全体の概要を示す。図10に示す制御装置を大きく分けると、電子光学系装置110、画像処理系装置111、偏向制御系装置112、ステージ制御系装置113がある。前者3つと高さセンサ114は、VMEバス115により上位制御CPU116に接続され、統括制御される。さらにステージ制御系113と上位制御CPU116は、LAN117によりシステム制御CPU118に接続され、システム全体の動作に関わる制御が行われる。ここでは、図1において前記情報処理手段103は画像処理系装置111、上位制御手段104は上位制御CPU116及びシステム制御CPU118、偏向制御手段105は偏向制御系装置112、検査台制御手段107はステージ制御系装置113に対応している。
【0016】
電子光学系装置110は、各種電源や電流の制御を行い、電子ビームの状態制御を行なう。例えば、電子銃119からのビーム120を、加速し、焦点コイル128などによるレンズ作用を利用して、ウェハ121上に照射される電子ビーム120の光軸調整、焦点・非点調整と照射強度を制御する。検査欠陥のサイズや分解能に関連するビーム径の拡大縮小は、焦点絞りで行い、照射強度の制御は、ビーム電流、加速電圧やリターディング電圧等で制御する。ビーム電流は、後述するブランキング電極に電圧が印加されているときにファラデーカップ127に流れ込む電流値で計測される。
【0017】
検出器122は、ウィーンフィルタ偏向器123により偏向されたウェハ121から発生する2次電子を取り込み、2次電子量を濃淡デジタル情報に変換し、画像処理系装置111へ送る。
【0018】
画像処理系装置111は、ウェハ121上に形成された同パタ−ンの情報の比較検査によってウェハ上に形成された欠陥の種類と欠陥位置等の検出を行う。システム制御CPU118は前記欠陥のデータを直接受け取り、検査結果の表示やオペレータの操作に従った制御を行なう。
【0019】
ビームを偏向するタイミングと、画像を取り込むタイミングを一致させる為、偏向制御系装置112は、画像処理系装置111及び検出器122にタイミング信号を伝送している。
【0020】
ステージ制御系装置113は、レーザ干渉計によるステージ位置情報を基にステージ129つまり検査対象であるウェハ等の試料121の位置及び移動速度を制御する。レーザ測長情報は、位置追従補正を行うため偏向制御系装置112にも同時に伝送する。
【0021】
偏向制御系装置112は、まず被検査時以外は電子ビーム120をウェハに照射させないようにブランキング電極124のオン/オフを行う。また非点の補正制御とビームの偏向制御を行う偏向器125と、焦点補正を行う動焦点コイル126を制御する。偏向器125は、8極板もしくはそれ以上の極数を持つ静電偏向器で構成され、電圧制御にて電子ビーム120を偏向させてウェハ121上のビーム照射位置を制御する。偏向制御系装置112は検査シーケンスに従いビームを走査する機能に加え、偏向歪み、ドリフト等の補正演算と、ステージ位置の追従演算を行い、偏向器125に与える制御値に反映させる。
【0022】
[検査方法の説明(チップ比較含む)]
図11は、図10に示す検査装置の走査シーケンスの例を説明した図である。走査シーケンスは、ユーザの要求及び被検査物の電気的特性、要求精度との関係で決定すべきであり、図に示す方法がすべてではない。図11(a)及び(b)はスキャン方法、(c)、(d)はステージ移動方法、(e)、(f)は比較方法の例を示す。スキャン方法130は、1方向にスキャンする方法で、点線部分は帰線部分でウェハにビームを照射しないようにブランクを行う。スキャン方法131は往復方向にスキャンする方法で、帰線及びブランクが不必要なため高速動作に適するが、往路と復路での比対称性があるので位置精度がスキャン方法130に劣る。図11(c)はステージ連続移動方式でのウェハ上の前記スキャンの軌跡132で、(d)はステップアンドリピート方式でのスキャンの軌跡133である。ステップアンドリピート方式は、1回にステージ停止状態で偏向領域分の画像を取得し、ステージのステップ動作で次の検査位置まで移動し、次の偏向領域分の画像を取得する動作を繰り返すことにより、前記複数の偏向領域分の画像をつなぎ合わせることでウェハの画像を得る。ステージ連続移動方式は、1スキャンのウェハ上のビームの移動距離と、1スキャン時間のステージ移動距離をマッチングさせることで、偏向領域から逸脱せずにステージを停止しないで連続した画像を得る。図11(c)、(d)に示すようにビーム走査方向は、ステージの往復方向について行われ、ウェハ全面についての検査を行う。ステージのステップ動作時間がないステージ連続移動方式の方が高速にかつ連続した検査が可能であるが、目標の位置が偏向領域から逸脱しないように、偏向制御あるいはステージの制御が必要となる。ステージ移動方向及びビームスキャン方向は、比較検査が可能などのような方向でもよいが、チップのパターンは矩形であることから、チップパターン方向に合わせてスキャンするのが良い。この場合、ステージ移動方向は、基本的にビーム走査方向とほぼ直交する。ステージ移動精度の観点からは、2軸連動で動作するより1軸単独で動作する方が精度が良い。このため、チップ方向すなわちウェハの向きをステージ軸に合わることも行われる。
【0023】
本発明の偏向制御装置は、スキャン方法をスキャン開始位置と出力周期でのビーム移動距離を1スキャン毎にデジタル値で指定するので、前記全ての走査方法について対応可能である。
【0024】
図12(a)は、従来のアナログ方式のランプ波を説明した図である。図に示すように、ランプ波134は正確には直線ではなく実際には直線に近い領域を使用するためにスタート信号とエンド信号を規定している。
【0025】
図12(b)は1スキャン中のビーム走査の偏向出力信号と代表的なタイミング信号との関係を説明した図である。偏向出力信号は図では1軸しか示していないが、X軸とそれにほぼ直行するY軸についてアナログ信号にて出力する。図の例のように、X軸方向あるいはY軸方向のアナログ出力はおおむねランプ波135の形状を呈す。スタート入力とスキャン開始信号141、同期信号である画像取り込みタイミング信号136、画像取り込み有効信号137及びブランク信号138は、図のような関係となる。図の例では前記画像処理系装置111は、前記画像取り込み有効信号137がアクティブであるときに前記画像取り込みタイミング信号の立ち上がりでウェハ情報を画素として取り込み、ウェハパターン画像を得る。本発明の偏向制御装置は、前記各種タイミングをデジタル値として設定する。実際のタイミングは、各回路の遅れ時間及び信号伝播時間の差異など微妙なタイミングを反映して設定するため、図の関係とは位置関係が異なる。本実施例のスキャンを定義する定数は前記以外に1画素の取り込み間隔、1スキャンの画素数、ウェハ上の画素間隔などがあり、本実施例においてその代表値は1画素の取り込み間隔は10ns、1スキャンは1024画素、ウェハ上の画素間隔は0.1μmである。本設定により前記ランプ波の幅139及び高さ140が規定される。
【0026】
図12(c)は本発明のデジタル方式偏向制御装置である偏向出力信号を説明した図であり、図12(b)の拡大図である。スキャンの目標位置の連続曲線144上の出力目標に対し、画像取り込み周期で出力するデジタル偏向出力信号143に対し、デジタルアナログ変換器(DAC)通過後のアナログ偏向出力信号142は、所定の静定時間をもって目標電圧に静定する。
【0027】
デジタル偏向出力信号143の階段形状の1ステップは、画像取り込み周期と偏向出力周期を一致させた場合は、1画素間隔の距離に対応する電圧となる。偏向位置許容誤差が10分の1画素程度であるとすると、静定時間は目標電圧つまり1画素に対応する電圧の約90%に到達する時間で規定される。
【0028】
また、出力周期を画像取り込み周期の2分の1にすると、 1ステップの電圧が約2分の1になり、静定時間は目標電圧つまり約2分の1画素に対応する電圧の約80%に到達する時間で規定される。
【0029】
従って、前記仕様の場合を例とすると、画像取り込み周期と偏向出力周期を一致させた場合は、目標電圧の約90%の規定の静定時間が10ns以内、出力周期を画像取り込み周期の2分の1にした場合は、目標電圧の約80%の規定の静定時間が5ns以内であればよい。DAC以降のアナログ回路は、例えば前記目標精度の場合は本仕様を満たせばよい。
【0030】
[時刻変動]
アナログ方式の場合、タイミング信号は別回路にて生成し、コンパレータやスイッチング素子等のアナログ素子を用いて同期を取る為、時刻変動つまりジッタが数ns程度と大きく、これが位置ずれを生じさせる結果となる。
【0031】
デジタル方式の場合、画像取り込み信号136やデジタル偏向出力信号143等の各種出力信号は同一のクロックによりタイミングが規定される為、前記ジッタは生じない。また、たとえ伝播中にジッタが生じた場合でも、図に示した様に、位置ずれの影響が少なく、位置精度向上が図れる。更に、同期信号の設定は、静定時間後であれば良いため、調整が容易である。
【0032】
図11(e)はパターン欠陥検査の例を説明した図である。パターン欠陥検査は、パターン画像の比較により行う。比較は、デザインデータとウェハ上のパターンの比較を行う手法と、ウェハ上において同パターンが描かれている位置の画像情報の比較を行う手法がある。比較単位はセル単位とチップ単位で比較するものがある。前者はメモリ等の微小なセルを規則正しく配列された素子に、後者はCPU、ASIC等のチップ全体に非繰り返しの複雑なパターンを形成したものに対応する。
【0033】
図11(e)の例でセル145とセル146比較を行う場合、ステージ制御装置及び偏向制御装置は連動してストライプ155の走査を開始し、画像処理装置はライン148の画像取得後、既に取得されているライン147と比較を行い、その差異から欠陥判定を行い、これをセル全域にわたって行う。従って偏向走査は前記セル比較においては、少なくともライン147とライン148の位置精度が確保されなければならない。同様にチップ比較検査の場合、チップ149とチップ150の比較検査に対し、ストライプ156の走査が行われ、ライン151とライン152の比較が行われる。ここで、ステージ移動方向のウェハ上の検査領域をストライプ、1スキャンのウェハ上の検査領域をラインと呼ぶ。セルの幅はせいぜい10μmであるのに対して現在チップの幅は最大約3×10↑4μmあり、チップ比較はセル比較検査に比べ、最悪約3000倍の精度が要求される。
【0034】
更に、チップ比較の場合、ウェハ上のパターンの描画手法に依っては位置誤差及びチップ位置回転誤差が発生しており、この場合チップ150の実際の場所はチップ153、ライン152はライン154にある事になり、単純にストライプ156のように直線的な走査のみでは、チップ比較検査が実現出来ない問題があり、ストライプ157のようにチップ位置により補正を行わなければならない。
【0035】
例えば具体的には、ステッパで描画されたチップは、位置誤差は最大約0.05μm程度、回転誤差は最大約0.05μm程度あり、これは前記検査条件の約0.5画素に相当し、無視できない状況である。従って、チップ比較検査を前記精度で行うには、チップ位置の補正が要求される。チップ位置データは、本実施例においては、図10のシステム制御CPU118がチップ及びセルの位置を設計データ及び計測データより事前に算出して、ビーム走査用データと比較検査用データとしてそれぞれ偏向制御装置112、画像処理装置111に転送する。
【0036】
[誤差、歪の説明(ウェハ外周含む)]
前記電子ビーム走査式ウェハ検査装置を例に、偏向走査の検査位置精度低下の問題を引き起こす、目標検査位置の誤差や歪を主に4つ挙げ、本発明での解決方法について以下に具体的に述べる。
【0037】
・目標検査位置の誤差(アライメント関連の座標補正)
本発明では、以下に示す方法によって、目標検査位置の誤差の補正を可能とする。
【0038】
目標検査位置の誤差は、主にチップ製造時の製造装置起因の誤差とウェハ装着後検査時の検査装置起因の誤差である。
【0039】
前記製造装置起因のダイの位置誤差は、描画装置によって全く異なる。例えば、前記ステッパではレンズ精度及びレンズ取り付け精度に起因した一括露光領域単位での位置誤差や、ウェハ装着位置のずれや描画装置のステージの位置精度に起因するダイ配列の誤差がある。これに対して、電子ビーム直接描画装置によるものは比較的精度が良い。
【0040】
前記描画誤差の結果、実際にウェハ上に描画されるダイは、描画されるべき設計上のダイ位置に対して、オフセット、回転、直交度、伸縮(縮小率)、トラペゾイドやディストーションと呼ばれるダイ単体もしくは一括露光領域単位での歪といった誤差が生じる。
【0041】
また、前記検査装置起因の誤差には、偏向器の回転や光軸中心のずれなどの取り付け誤差、ステージ位置を計測する為の平面鏡の取り付け誤差やその平面度の誤差、ウェハの装着位置の誤差などがある
前記誤差は、基本的に検査前に、アライメントと呼ばれる、基準位置に配置されたマーク等基本図形の検出位置とステージ位置を計測し比較を行うことで計測可能である。
【0042】
ダイの位置誤差を算出するアライメントの場合、マークを検出する箇所及び個数などを決定するアライメントのシーケンスは、検査を行うウェハの製造状況により異なる。例えば、ウェハ製造方法によってマークの描画箇所が違う為、すべてのウェハで同じマーク検出方法は取れない。また、誤差算出アルゴリズムによる違いもある。例えば、精度の良い描画装置により製造されたウェハについては、ウェハ上の数箇所のダイ位置検出を行い、前記チップのずれをチップの配列としてまとめて統計処理し、チップ配列のオフセット、回転、チップ間隔のずれ、直交度の誤差を算出する補正で十分な場合もある。しかし、精度の悪い描画装置で製造されたウェハは、位置精度確保のため全チップにつき計測を行う場合も考えられる。この場合チップに1つまたは複数配置されたマークを検出し、チップの位置、回転、伸縮、歪などウェハ上の実装位置状態を算出する事になるが、チップの位置を知るためには少なくともマーク1つ、回転、伸縮は2つ、歪みは4つ以上のマークが必要である。従って、チップ位置を検出するアルゴリズムは装置の精度及び検査するウェハの製造状況を熟知する検査者により指定される。
【0043】
検査装置誤差を算出するアライメントは、マーク位置が既知の基準ウェハ、所定の位置にマークが描かれたウェハ保持部等の基準マークを用いて行う。前記偏向器取り付け誤差は、偏向走査データと、実際のビーム走査軌跡を走査偏向領域内の数箇所の基準マークによる位置情報から得たデータを比較することで算出可能である。前記平面鏡及びステージ関連の誤差は、ステージを移動させながら、測長部の位置データとウェハ上マークの検出結果を画像処理したビーム位置の比較を行うことで算出する。
【0044】
この様に前記位置誤差及び装置誤差は、1例として前記マーク検出の位置データから算出される。本実施例では、システム制御装置により、算出された誤差から比較検査対象の補正後の位置を算出し、ビーム走査位置やスキャンの幅、方向等を決定する。
【0045】
本発明にて実施するデジタル方式の偏向制御系装置は、1走査分のビーム軌跡を定義する偏向走査パラメータ、例えばビーム走査開始位置やスキャンの幅と方向、歪等のパラメータをライン単位で指定することができ、どのようなビーム走査にも対応可能であり、前記誤差を補正したビーム走査パラメータをシステム制御装置から偏向制御系装置に転送することで、前記チップ比較等に要求される、検査位置に対するビーム走査位置精度の向上を実現できる。但し、指定はライン単位で行うが、補正は、画素単位あるいはそれ以上の周期で行う。これに対して従来のアナログ式偏向装置では、前記デジタル方式の様に検査中連続的にスキャン幅や方向などのビーム走査の変更は、対応が困難である。
【0046】
本発明では、前記誤差を補正したビーム走査パラメータを算出する手段を有することが重要であり、その方法はここで例として示す方法に限るものではない。
【0047】
(ドリフト)
また、前記チップ比較検査に置いて位置精度確保を困難にする要因の1つに、ドリフトがある。ドリフトはアナログ回路の温度変化に伴う出力信号の変動、電子ビーム経路の帯電、磁化状態の変化などにより生じる電子ビーム偏向位置の変動である。後述するステージの変動はここには含まない。検査はセル比較では約数ミリ秒、チップ比較では約数秒の間隔で取得した画像データの比較により行うため、チップ比較検査では位置精度の安定性が問題となる。チップ比較検査においては位置精度安定性の向上を行うと同時に、積算されるドリフト誤差を補正するため、検査中に適宜ドリフトの補正を行う必要がある。
【0048】
ドリフトの補正は、ドリフト量算出手段によりドリフトを算出し、システム制御装置が補正の実施を指定する時に、ドリフト量データを偏向制御系装置へ転送することで行う。前記ドリフト量の算出方法の1例としては、検査中に前記マーク検出を行うことで実現できる。前記データは、純粋に偏向制御系装置の演算部において、後述するステージ追従演算直後の偏向位置データに対して加算される場合と、後述する偏向歪み補正後の偏向制御データに対して加算される場合がある。後者は同一制御出力に対してビームの偏向位置がドリフトする場合に使用し、上記ドリフト要因に挙げたものに相当する。前者は目標の位置そのものがドリフトする場合に使用し、例えばウェハのずれなどがある。
【0049】
・ 光学系装置の歪み補正
本発明では、以下に示す方法によって、光学系装置の歪みの補正を可能とする。
【0050】
前記歪みは、ビーム経路上の電場および磁場の不均一な分布により生じる。歪みの主な要因には偏向器電場の不均一性により生じる制御電圧に対するビーム偏向位置の歪み、リターディング電圧の電界歪みにより生じるウェハ内歪み、その他各種コイル及び電極の磁界、電界による歪み、鏡体各部の磁化や帯電により生じる歪みがある。
【0051】
前記光学系歪みの計測は、上記の様な基準ウェハを用い、偏向領域内の走査時において、目標とするウェハ位置と実際の照射位置との差を算出することにより可能である。上記位置誤差でのアライメントは、検査するウェハのマークを検出し、ウェハ上のチップ配置の算出を行ったのに対し、光学系歪みの場合はマーク位置が既知となっている基準ウェハを用い、ウェハ上の所定の箇所での偏向制御領域全体における制御目標位置に対し、ビーム位置との対応を示す座標変換式1(数1)を求める。
【0052】
【数1】
Figure 0003666267
【0053】
上記光学系の歪みは、樽型、糸巻き型歪みなどに代表されるように、3次方程式近似の座標変換式で表され、目標の位置を偏向器への制御値に対応させる前記変換式1の演算を行うことにより補正可能である。図13の左は、偏向歪を視覚的に示した図であり、前記式1での偏向歪補正後は図13の右になる。
【0054】
(ウェハ外周)
図14はウェハ外周の歪の原因の1例を説明する図である。ウェハパターンが破壊しないようにビームの衝突エネルギを減少させるため、前記リターディング電圧をウェハにかけるが、特にウェハ外周において、ウェハ121とウェハ保持部158との段差159及び突起物により、ビームを大きく歪ませる。LSIチップ(ダイ)は、ウェハの縁近辺まで描画され、前記歪みは、ウェハ外周近傍、現状では外周から約15mm程度の範囲の比較検査を困難にしている。この様なウェハ位置によって異なる光学系の歪みは、ウェハ上の複数箇所、特に外周近傍にマークを描いた基準ウェハを用いて歪みを計測することにより、ウェハ位置による歪みの分布データが得られる。ウェハ外周近傍の大きな歪みは、前記データを基に歪みの補正演算である前記3次方程式の係数をウェハ位置に対応した係数に適宜変更してビーム位置を補正することで、ウェハ外周近傍においても比較検査が可能となる。
【0055】
また、ビームは焦点コイルの作用によりコイル中心を基準に回転しながらウェハに到達するため、ウェハ面の高さ変動により、取得画像での像回転、像シフトなどの位置ずれが生じる。そのため、前記変換式1の係数はウェハ保持部に造られた高さ基準面HI面とLO面の2つの高さについて偏向補正式の係数を求め、高さ変動に対する前記係数の変化量を導出する。
【0056】
本実施例では、システム制御装置により、前記係数の高さ変動に対する変化量データと前記マーク検出によりマーク位置高さでの係数算出を複数のウェハ位置により行い、偏向制御装置に転送する。あるウェハ位置のデータは、外部から得る高さデータとの演算を簡単にするため、式2(数2)の1次近似形式に変更して転送してもよい。
【0057】
【数2】
Figure 0003666267
【0058】
偏向制御装置は、走査を行うウェハ位置に対応した前記2つの係数のセットと高さデータにより、高さを含めたビーム照射位置の係数をパラメータ及びシステム管理手段にて算出し、偏向歪み演算部に係数をセットする。本発明では、偏向歪み演算部に転送する係数データはライン単位で変更可能であることから、ウェハ位置や高さ変動に伴う係数変更が可能であり、偏向歪み演算は、100MHz以上の周波数のパイプライン構成で、1画素以上の周期で補正可能であるため、前記3次式で表現できる偏向歪みの補正が実現可能である。上記1実施例では、偏向歪み補正係数の高さ補正を式2の1次近似で演算したが、パラメータ及びシステム管理手段はプロセッサで構成するため、演算式に制限はない。
【0059】
・ステージの追従とステージ・測長系変動の実時間補正
検査実行時、ステージはステップ動作もしくは連続移動動作を行う。前記ステージ動作のため、ウェハ上の目標位置は偏向領域内を移動し、偏向制御装置は常にステージ位置を追従し、各種誤差を補正してビーム走査を行う。前記チップ比較検査を行うためには、追従及び補正演算処理を行わなければ所定の精度が得られない。
【0060】
前記ステージ関連装置の誤差には、再現性のある固定的な誤差と再現性の無い変動誤差がある。固定的な誤差には移動鏡平面度及び取り付け誤差やステージのガイドの誤差に起因する、ステージの斜行、ヨーイング、ピッチング、さらに、レーザによる測定位置と実際の位置ずれにより生じる測定位置誤差等があり、また、前記変動誤差には、速度変動、振動、ガイドガタに起因する変動がある。また、測長系の誤差には、レーザ光軸取り付け誤差、測定から走査までの遅れ時間による誤差等がある。
【0061】
前記固定的誤差は、レーザ測長系による計測データとその時の実際のステージ位置の比較を行うことで、誤差データとして計測できる。前記実際のステージ位置は、例えば基準ウェハ上のビーム走査による画像処理結果から得られる。補正を行う場合は、保持されている誤差データを用いて、ある目標位置に対して、その目標位置が偏向中心にくるときの測長データを新しい目標位置データとして偏向制御装置に転送すればよい。
【0062】
前記変動誤差は、ステージ位置の計測手段による測長値を用い、偏向制御装置により偏向位置の追従演算を行い補正する。
【0063】
前記測長系の誤差は、光軸誤差等の固定的なものは、前記固定的誤差として補正する。また、遅れ時間の補正は、偏向制御装置により、ステージ位置の時系列から外挿補間演算し補正する。現状、±1mm/sの速度変動幅のとき、1kHz周期の変動の補正が可能である。
【0064】
・回路歪み
回路歪みとは、目標位置を示すデジタル信号に対するアナログ出力信号の非直線性誤差と、温度変動誤差である。要因としてはオペアンプの非直線性誤差やDA変換器の微分直線性誤差等がある。非連続的な誤差は、DA変換装置部の補正メモリを用いて補正を行う。偏向位置に対して静的かつ連続的な誤差は、上記偏向補正の偏向歪誤差中に含まれる。
【0065】
[非点、焦点の説明]
数2は偏向制御装置での非点及び焦点の演算式を示す。
【0066】
焦点変動は、ビーム径の変動であり、検出物の解像度に変動を生じさせるため、比較検査での欠陥の見逃しや誤検出等の影響を及ぼす。焦点変動は、ビーム照射位置の高さ変動と偏向領域内の位置により生じる。前記ビーム照射位置の高さ変化は、Zセンサにより計測を行い、偏向位置は常に偏向制御装置がデータを保持している。焦点補正は、実施例では補正用の変動領域の微少な動焦点コイルを制御することにより行う。焦点回路歪み、焦点レンズ歪み、コイルによるヒステリシス等があるが微少領域では直線及び2次式での近似が可能である。
【0067】
また、ビーム入射角及び電界の非対称性によりビーム形状が楕円に変化する現象を非点収差と呼ぶ。非点収差は、焦点変動と同様に検出物の解像度に変動を生じさせ、比較検査での欠陥の見逃しや誤検出等の影響を及ぼす。非点は偏向位置が偏向中心から離れるに従い、大きくなり、偏向制御装置は保持している偏向位置データをもとに、非点補正量を演算する。非点補正は直線及び2次式での近似が可能である。非点補正は、実施例では偏向器の対角線上にある電極に同電位を加えることにより、ビーム形状の調整を行う。
【0068】
[本発明の基本構成]
本願は、前記最も速い周波数で動作するデジタル演算である第1の周期で高速に変化する情報と第2の周期で低速に変化する情報との組み合わせ演算を行い、第1の周期毎に高速に結果を出力するデジタル数値演算システムに適用し、効果が得られるデジタル演算ユニットの構成の提案を1つの目的としている。
【0069】
上記数値演算システムを必要とする装置の例として、図1に示すビーム走査型の画像情報取り込み装置の1例である荷電粒子ビーム走査式検査装置が挙げられる。
【0070】
現状、ビーム走査方向の1ピクセルに相当する画像を得る時間を第1の周期とし、f1=100MHz〜200MHz程度、ビーム走査方向に1ライン走査する時間を第2の周期とし、f2=100KHz〜200KHz程度を設定している。この値は、例えば、被検出試料が半導体のウェハ上のLSIチップであり、そのチップ上のパターン画像を得てそれが正しいか否か検査する装置として用いる場合の画像処理分解能及びタクトタイム等から計算した現実的に必要とされるスペックの1つである。
【0071】
図1の装置において本願が提案する数値演算システムを必要とする重要部分は偏向制御手段105である。偏向制御手段105では、具体的に次に示す2つの誤差対象に対して補正制御演算を行う必要がある。
【0072】
(1)レンズ部等の光学的歪みに代表される固定的誤差であり、連続的な誤差関数により事前定義可能なもの。これらは、変換関数を用いた座標変換等の数値計算や事前の形状計測情報、又は両者の組み合わせ等によって補正処理を行い、制御出力に反映する。
【0073】
(2)ステージ部5の位置ずれ、速度むら等の機械的変動、温度等の環境変化に呼応した変動、径時変化に対する補正であり、ステージ部からのセンシング情報を用いて補正処理を行い、制御出力に反映する。
【0074】
ここで制御出力とは、ビームを正しく制御するためのビーム走査部に対する指令に相当する。
【0075】
図2は、本発明の偏向制御装置の基本システム構成である。
【0076】
図2において、関数演算部12が上記(1)に相当する処理部であり、制御情報演算部11が上記(2)に相当する処理部である。レジスタ部a14は、制御情報演算部11に前記第2の周期で変化する情報g(PCD0…)を保持しており、レジスタ部b15は、関数演算部12に前記第1の周期で変化する情報h(FCD0…)を保持している。これらのレジスタ部は、いずれもマスタプロセッサ部16によってその情報が変更され、各演算部の処理に変数又は定数として用いられる。外部情報入力部10はステージ制御部17の測長部から得る位置情報等のステージの状態を監視するための情報aを得て、計算処理可能な様に情報bを生成する前処理を行う。ここでの入力情報は、ステージを駆動する制御情報のフィードバック情報でも良いし、ステージに装備されるセンサからのフィードフォワード情報を使用しても良い。制御情報演算部11は、外部情報入力部10からの前処理済情報を得て、関数演算部12に与えるための情報cを第2の周期にて生成する。
【0077】
関数演算部12は、例えば試料20に対してビームを走査する際の位置(X、Y)の関数として、例として式1に示す様な3次式で表される座標変換式で表現される、光学系の歪みを補正して平面等方化するための投影処理を行い、ビーム制御のための基本情報dを生成する。
【0078】
Xがライン方向だとすると、画像処理部での1ラインあたりの画素数n個分を走査する時間がY方向の変化する最小の周期となる。Xの変化周期は1画素分の走査時間に相当し、従って、Yの変化周期はおよそ(Xの変化周期)×n+αとできる。1ラインあたりの走査時間をおよそ10μs/X方向1ライン当たりの画素数をおよそ1000と仮定すると、Xの変化周期はおよそ10μs/1000=10ns(f=100MHz)となり、Yの変化周期は10μs+αとなる。情報dは、Xの変化周期に応答するため、10nsの周期の高速な変化情報となる。これを前記第1の周期と定義し、10μs+αを前記第2の周期と定義する。
【0079】
制御情報出力部13は、DAC部22にて、ビーム走査部18に与える指令情報f(アナログ制御情報)を生成するための元となるデジタル制御情報eを生成する。これについては後に詳しく述べる。
【0080】
マスタプロセッサ部16は、制御情報演算部11、関数演算部12、画像処理部19、ステージ制御部17等からの情報を集約して、総合的な判断処理、管理処理、レジスタ部a14、b15上のパラメータ変更処理等を、前記第2の周期を基本周期として行う。すなわち、ビーム走査制御部21の総合制御/管理部と位置づける事ができる。
【0081】
本発明のビーム走査式ウェハ検査装置の高速/高精度デジタル化によって、概略以下の性能を強化できる。
【0082】
(1)アナログ方式では不可能であった光学系起因によるのビームの歪みや、電子回路起因の歪み等、歪みに対する複雑な補正処理を実現でき、精度向上と偏向走査領域の拡大が可能になる。
【0083】
(2)微細なレベルの制御信号に対する補正処理(線形性、ビットの誤差等の補正)が可能となり精度向上と走査領域の拡大が可能になり、かつ精度やチューニングに関わるコストと製造期間を大幅に低減できる。
【0084】
(3)制御信号を操る自由度が飛躍的に向上し、パラメータ設定や変更等によって、補正処理の変更を検査中に逐次実行でき、大幅に機能を向上させる事ができ、精度向上と非検出物の検査領域の拡大ができる。
【0085】
(4)ステージ等のメカニカルな部分の制御と高速にリンケージできることにより、ビームによる目的とする位置への追従制御が可能となり、メカ部の精度やチューニングに関わるコストと製造期間を大幅に低減できる。
【0086】
ウェハには大量のLSIチップが形成されており、これらのチップをタクトタイムを短縮して出来るだけ早く検査することが望まれている。また、デザインルールの微細化による欠陥検出サイズの微細化(現状0.05um)、ウェハサイズの大型化(現状12インチ)により、検査領域に対する相対精度の向上、検査すべきチップ数もそれに伴って面積的に増加する為、高速化高精度化の要求は高まる一方である。本発明のデジタル処理方式のビーム走査式検査装置はこの要求に応えるものである。
【0087】
現状要求されているビームの走査速度は、画像で1024画素分のラインを走査するのに10μs程度とされており、1ピクセル当たり10ns以上、周波数にして100MHz以上の高速性に加えて、ビーム走査領域とビーム位置指定精度の関係から少なくとも16bit以上の精度(分解能ではない)のスペックが要求されている事になる。
【0088】
(演算精度)
偏向位置算出後の演算有効桁数は、偏向可能領域500μmであることから、LSBを約0.6nmとして約20bitとなる。演算を固定小数点で行うことは、数値の演算丸め誤差や必要となる数値の有効範囲を考慮した桁合わせのための固定回路が必要となり、汎用性を失う。これに対して演算を単精度実数で行うと、実用的に数値の上限や下限に制約や演算誤差が無く、幅広い補正演算が可能となる。また、単精度実数は符号ビット以外に23bitの仮数部があり、演算精度に関しては全く問題ない。
【0089】
[偏向制御装置の構成]
図15は、本発明の偏向制御装置の補正演算処理の概略を説明する図である。
まず上位制御手段104は、偏向制御装置が実時間で補正演算を行う為の各種パラメータを算出し、偏向制御装置に転送する。ここで行う演算は、前述した、検査前のアライメント結果を基に偏向歪、非点、焦点など偏向制御系が補正演算に用いる各種補正係数の抽出、ウェハ位置や検査パターンの配置抽出のための統計処理、ミラー歪やステージガイド歪、アッベ誤差、偏向器取り付け誤差などの装置誤差の算出、装置誤差及び検査箇所の位置誤差の補正後の検査目標位置の算出、検査中にマーク検出を行いドリフトの算出などである。
【0090】
前記各種補正係数は、偏向補正係数、非点補正係数、動焦点補正係数、焦点補正係数がある。偏向補正係数は、3次近似式の係数テーブルで、HI面とLO面のセットを数セット持ち、ウェハ領域によって選択される。偏向補正係数を適宜変更することにより、歪の一様でない例えばウェハ外周での偏向歪の補正が可能となる。非点補正、動焦点補正係数は、偏向位置により算出される2次近似式の係数で、焦点補正係数は、高さ情報にしたがって焦点補正値を算出する1次及び2次式の係数である。以上の補正係数を、事前に上位制御手段104がアライメント等の計測及びデータ処理を行い算出する。従って、図15の各処理の演算内容は、上位制御手段に依って決定される。検査中は、この補正係数を用い、偏向制御装置において演算が行われる。
【0091】
上位制御系は、補正係数同様検査前に、装着したウェハの誤差、チップ配列の誤差、装置誤差を計測し各種誤差データを保持している。このデータを基に、検査を行う目標位置に対し補正処理を施した後、検査目標位置221として偏向制御装置にデータを転送する。
【0092】
検査目標位置221は、通常はデータ数を少なくする目的で、検査の始点目標位置、終点目標位置もしくはライン数、ラインピッチ、画素ピッチのデータとしてストライプ毎に偏向制御装置に転送する。誤差補正が直線近似出来ない場合は、ストライプを幾つかのブロックに分けるか、ライン毎のデータ群を転送してもよい。
【0093】
ドリフトは、検査中に基準マークの検出を行うか、検査前に測定及び算出した関数に従って、上位制御系が変更の必要と判断した場合に偏向制御系に転送を行う。ドリフトには、偏向ドリフト220(オフセット、回転)、焦点ドリフト、非点ドリフトがあり、前者は数ライン毎の変更が予想され、後者の2つは変更頻度が低いことが予想されるため事前にユーザにより検査シーケンスで定めた頻度で変更を行う。
【0094】
偏向制御装置は、前記検査目標位置221、ドリフト220の演算結果を上位制御手段104から受け取る。なお、偏向制御装置で行う各演算処理で用いる各種補正係数は、前述したように適宜、上位制御手段より受け取る。
【0095】
追従補正処理224では、上位制御手段104からの検査目標位置すなわちビーム目標位置のウェハ位置換算値とドリフト値とステージ位置センサ222からのステージの現在値を基に、偏向中心からの差分(偏向位置)を演算する。
【0096】
偏向歪係数算出処理225は、上位制御手段104からウェハ内の偏向歪変動に対応した3次関数で近似される偏向補正演算式の係数を受け取り、ウェハ位置により係数を選択し、かつ高さセンサからの高さ情報から前記HI面とLO面の係数セットから現在使用する係数を算出し、偏向歪補正処理226へ転送する。
【0097】
偏向歪補正処理226は、3次関数で近似される偏向補正演算式の係数を偏向歪係数算出処理225より受け取り、位置変動追従補正処理224で算出した偏向位置に対する偏向補正演算を行う。補正後の信号は、デジタル値に対応したアナログ信号が出力されるように回路歪の補正処理230を行い、偏向回路231へ出力される。
【0098】
偏向補正処理の各処理はそれぞれ前の処理の演算結果を使用するため、精度を要求する場合それぞれを並列に演算すべきでなく、ウェハ位置換算処理、追従補正、偏向歪補正、回路歪は順で行わなければならない。そのためには高速のデジタル演算が必要となるが、本発明の高速デジタル演算装置では、後述するパイプライン構成のLSIにより実現している。
【0099】
位置変動追従補正処理224で算出された偏向位置情報は、偏向位置による非点収差補正処理227と偏向位置による動焦点補正処理228に使用され、それぞれ偏向回路、動焦点回路へ制御値を出力する。また、高さ変動による動焦点補正処理229において、高さセンサ情報から動焦点補正値の変換を行い、動焦点回路へ制御値を出力する。
【0100】
図16は、基本システムである図3の前記数値演算システムを更に発展させ、前記補正演算及び前記ビーム走査を行うための本発明の偏向制御装置の構成を説明する図である。
【0101】
データ入力手段200は、ステージ位置情報213つまりレーザの測長データの入力を行う。レーザ測長値の変換レートは100nsであるので測長値を使用する演算はハードロジックで行っている。データ数は、32ビットデータが3軸あり96必要であるが、本発明の場合、データ入力手段200では、データを取り込むインタフェースに加えて、データを分割して取り込みデータ数を物理的に削減する機能を備えている。偏向位置補正演算手段201は、パラメータ管理手段及びシステム管理手段207より、装置定数のような1度設定すれば普遍の定数は直接指定され、検査目標位置の1つであるスキャンの開始偏向位置などの逐次指定されるデータは、データ変更タイミングの管理を行うためレジスタ部a205を介して行う。前記普遍の定数は、偏向歪補正演算手段204、DAC入力データ生成及び補正手段208、走査シーケンス及びタイミング管理手段202へも直接指定される。偏向位置補正演算手段201は、前記位置追従補正処理224を行い、レジスタ部aから得る偏向ドリフトの補正と検査目標位置とデータ入力手段200から得るレーザ測長値からステージ位置追従とヨーイング補正を行い、ウェハ上のスキャン開始位置を算出する。但し、ステージ位置追従では、測長の遅れ時間補正のためステージ速度算出も行う。本偏向制御装置の演算遅れ時間(レイテンシ)は、100MHz動作時、レーザ入力段で200ns、位置追従補正処理224で200ns、偏向歪補正処理226で220ns、回路歪補正処理230で60nsである。特に画素周期で動作する部分は位置追従補正処理224の後半50nsからの330nsであり、遅れ時間に与える影響は少ない。前記検査目標位置は、前述したように検査の始点目標位置とラインピッチとからシステム管理手段207にて演算するか、上位制御手段からの値をパラメータ管理手段207、レジスタa205経由で指定される。また偏向位置補正演算手段201は、スキャン方向を、画素ピッチとレーザ測長値からのステージのヨーイング角、偏向ドリフトの回転成分から算出し、ウェハ上のスキャン開始位置とスキャン方向の演算結果から、走査シーケンス及びタイミング管理手段202からの出力シーケンスに従い、各画素のウェハ上目標位置を算出する。偏向歪補正演算手段204は、前記各画素のウェハ上目標位置と偏向歪係数を受け取り、前記偏向歪補正処理226つまり各画素での偏向歪補正演算を行う。この時使用する偏向歪係数は、前述したように、ウェハ位置と高さにより変化する補正がなされたもので、レジスタ部bより設定される。前記偏向係数算出処理225は、パラメータ管理及びシステム管理手段207にて行う。DAC入力データ生成及び補正手段208は、前記偏向歪補正後の画素単位の目標位置を受け取り、前記回路歪補正処理230つまりビームを目標位置へ移動させるためのDA変換器への制御値を算出する。前記回路歪補正処理23
0を行うためには、事前にアナログ出力特性のデータを得なければならないが、ここでは測定手段210によりデータを取り、パラメータ管理及びシステム管理手段207によりデータが処理されてDAC入力データ生成及び補正手段208に設定する経路が示されている。
【0102】
画素単位の目標位置及び偏向歪演算は10ns単位で行うため、走査シーケンス及びタイミング管理手段202、偏向位置補正演算手段201、偏向歪補正演算手段204、DAC入力データ生成及び補正手段208は、LSIにて構成することが必要である。本発明では、ピン数、ゲート数、発熱、コスト等の問題から、セレクト信号により指定する2つの機能が選択できる1種類のLSIを用い、1つの装置に使用するLSIの個数は、データ入力手段200、偏向位置補正演算手段201、走査シーケンス及びタイミング管理手段、レジスタ部aを1つの機能とするLSI218、偏向歪補正演算手段204、DAC入力データ生成及び補正手段208、レジスタ部b206で、偏向座標のX及びY方向それぞれに1つのLSI219、の合計3つのLSIで構成されている。
【0103】
非点補正及び焦点補正演算手段211は、前記非点補正処理227、偏向位置による動焦点補正処理228と高さ変動による動焦点補正処理229を行う。補正データはDA変換手段212によりアナログ信号に変換され、偏向器及び焦点レンズ217にて制御される。非点補正227と偏向位置による動焦点補正228は、偏向の位置により変動する非点現象および焦点ボケを自動的に補正し、現状、補正値の変更間隔は偏向位置が50μm程度移動した時で、ステージのステップアンドリピート方式で5ms、連続移動方式では数秒以上の非常にゆっくりした周期である。このため、非点補正及び焦点補正演算手段211に入力する偏向位置情報は、本発明ではパラメータ及びシステム管理手段207が偏向位置演算手段201からデータを読み出して、非点補正及び焦点補正演算手段211に受け渡しているが、偏向位置演算手段201から直接受け渡してもよい。
【0104】
同様に高さ変動による動焦点補正演算229は、高さセンサ215からの1ms周期の入力は、本発明ではパラメータ及びシステム管理手段207がセンサ入力手段203からデータを読み出して、非点補正及び焦点補正演算手段211に受け渡しているが、センサ入力手段203から直接受け渡してもよい。
【0105】
データ変更時間が100ns以下の部分は、プロセッサでは演算時間が追いつかないためハードウェアで構成する必要がある。特に10ns以下の部分は基板上で構成することが困難であるのでLSIを製作し、実施する。プロセッサには、1つ又は複数のLSI制御プロセッサとそれ以外の演算を行う1つ又は複数のプロセッサが必要である。後者は、上位制御系とのインタフェース、 LSI制御プロセッサとのインタフェース、 非点、焦点補正演算、 高さ位置に対する偏向補正係数の算出、検査動作状態の管理などの機能を必要とする。
【0106】
現状、プロセッサがあるメモリ上のデータをLSIのレジスタへ転送する時間は280nsであり、1ライン中すなわち約10μsで35データの転送が可能である。偏向係数はXとY軸の合計で20データであり、1ライン中にすべてのデータを書き換えることが可能である。もし演算時間などの処理が多数必要となり、約10μsでデータの書き換えができない場合は、ライン開始タイミングを書き換えが終了するのを待って走査シーケンス及びタイミング管理手段202に指定することにより対応可能である。この場合1ラインを10μs以上の間隔で走査する。また、バスクロックを高速にすることや、本出願人の出願である、特願(ダイナミックバスプロトコル)記載のバスを高速にアクセスする方法を用いれば、前記レジスタへ転送する時間を短縮することが可能となる。
【0107】
走査シーケンス及びタイミング管理手段202は、主にカウンタ回路で構成され、各部のタイミングの管理を行う。タイミングの設定は上位制御手段104からとパラメータ及びシステム管理手段207により行われる。外部への信号は、主に画像処理とブランク214に出力される。画像処理へは、正確な位置検出を行うため、2次電子検出系との同期と、画像処理系への検査位置受け渡しの目的で、ストライプ方向の検査有効区間のタイミング制御を行い、ライン(スキャン)方向の画像取り込み有効区間のタイミング制御、本偏向制御装置によりビームが偏向され検出器に信号が伝播するタイミングつまり画素取り込みのタイミング制御を行う。内部への信号は、レジスタ部205、206へのデータ変更タイミングの制御、偏向位置補正演算手段201、偏向歪補正演算手段204、DAC入力データ生成及び補正手段208へのパイプライン構成データの流れるタイミングの制御、画素データの変更タイミングと画素数の制御を行う。
【0108】
[偏向歪補正演算手段]
さて、本例においてデジタル処理を行う上で重要かつ実現困難なビーム走査制御部21の第1の構成要素は、式1にて示した関数処理をf=100MHz以上のスループットにて動作しなければならない関数演算部12である。単純に式1を実行するだけで36個の加算、乗算が必要であり、正規化する等も含めると40演算以上のオペレーション要求される。また、これらの演算は、式1と同様の汎用的な記述に基づいて実行するとなると、浮動小数点型の実数演算処理を1秒間に4G回(4GFLOPS)処理する能力が要求される。その他前処理演算及び補正演算を組み合わせて実行する必要が生ずる場合もあり、総合すると10G回/s(10GFLOPS)程度の処理能力が必要となるケースも予想される。
【0109】
関数演算部12を構成する上で、問題となる事項を以下にまとめておく。
【0110】
(a)このような高速演算を行うためには、実数演算処理を並列パイプライン的に実行する必要があるが、非常に多くのトランジスタを必要とする。さらに、リアルタイムで動作する制御部と連動するため、レイテンシを小さく保つ必要があり、配線短縮の点からもコンパクトに構成する必要性が生ずる。すなわち、非常に高集積なLSI又は電子基板を実現しなければならず高度な論理設計技術やトランジスタ数削減技術が要求される。
【0111】
(b)(a)の点を実現しようとすると、多くのトランジスタが小さなエリアで大量にスイッチング動作を行うため、それに伴って大量の発熱が生ずる恐れがある。発熱を押さえる回路設計上の工夫が必要となる。
【0112】
(c)レジスタ部からの情報等、異なる周期で変化する情報をスムーズに高速処理の中に取り込んだり、処理情報をリアルタイムでマスタプロセッサへ読みだしたりする必要がある。すなわち、回路動作上の高度な同期化処理技術が要求される。
【0113】
上記の理由からビーム走査制御部21は、DAC部22を除いては、LSIで構成するのが良い。実施の例では、ゲート量とピン数の制約から、外部情報入力部10、制御情報演算部11、レジスタ部a14を1チップに、関数演算部12と制御情報出力部13とレジスタ部b15を1チップで実現し、かつ1種類のLSI上でセレクト信号により切り替えられる様になっている。
【0114】
上記(a)の実現方法の一例として、前記式1の演算を、乗算器と加算器を積和型に一体化したMAC演算器を基本演算器として構成し、それを組み合わせて最も効率良く並列に実行する方式を図3に示す。MAC演算器は、実数入力に対して所望の数値範囲で結果が得られる様、例えばIEEE規格の実数フォーマットに準拠した汎用の実数演算器として構成する。
【0115】
上記図3に示した式1の演算器30は、2つの制御方向(x、y)のうち1方向のみの演算について構成したものである。式1を実現するためには、図3の構成を2つ並列に動作させれば良い。
【0116】
MAC演算器31〜39を構成した場合の利点を以下に示す。
【0117】
1)中間フォーマットを自由に設定できるため、乗算器を加算器に単純に接続する場合より省ゲート化が可能である(少なくとも1000ゲート以上の省ゲート化が可能)。
【0118】
2)丸め処理が少なくなり、精度を高く保つことができる。
【0119】
3)後述するパイプライン化の際、1)、2)等の効果と合いまって、演算レイテンシの短縮が図れるため、パイプライン段数を少なくできる。この事も省ゲート化、省電力化に大きく貢献する。
【0120】
ところで、図3の構成を透過タイプのスカラ演算器で構成した場合、CMOSプロセスのLSIとして設計すると、MAC演算1段当たりのレイテンシは50ns程度かかる。すべての演算を処理するためのレイテンシは、このような最適な並列処理構造を採っても200ns程度かかることになり、10ns(f=100MHz)以下の計算周期を得ることは不可能である。そこで、前記(a)で述べた様に、パイプライン並列型の演算器構造をとる必要がある。しかし、単純にパイプライン化しても、中間データを保持するためのパイプラインレジスタが増大し、前記(b)に示したパイプラインレジスタでのスイッチングに伴う発熱とトランジスタ数(ゲート数)の増加が発生する。
【0121】
そこで、図5に示す5段のパイプライン構造を有するMAC演算器40を提案する。図5で示した点線で示した部分が単純にパイプライン化した時に演算ステージを合わせるために必要となっていたパイプラインレジスタ41であり、トランジスタ換算でMAC演算器1つ当たり約1600トランジスタ分の省ゲート化とスイッチングパワーの除去が可能である。
【0122】
しかし、MAC演算器に入力される数値パラメータcの入力タイミングがパラメータa、bと異なるため、演算ステージ段数が合わなくなってしまう可能性がある。しかし、図4に示す様に、f=100MHz以上で変化する入力変換(Xb、Yb)の整合用パイプラインパスのみを調整すれば全体の処理を矛盾なく実行させることが可能である。図4は、図3の構成に対し、図5のパイプライン化されたMAC演算器を適用して、全体的にパイプライン化を図ったものである。各モジュールの下及び上に示したXX→YYは、その出力段までのトータルパイプライン段数を示し、XXが図5の点線部分を含む場合、YYが本方式の省ゲートタイプMAC演算器を用いた場合である。トータルレイテンシはもちろん整合用のパイプライン段数も減らせることがわかる。結局、トータルレイテンシとして20段から18段に短縮され、パイプラインレジスタの本数も総合で22段も省略できたことになる。単純に、乗算器と加算器を組み合わせると、MAC処理当たり6段のパイプライン段数となり、結果的に本方式よりも57段ものパイプラインレジスタが余分に必要となる。
【0123】
図5に、パイプライン構造のMAC演算器40の演算分割配分を示す。
【0124】
上記MAC演算器40は、約10nsの周期(f=100MHz)で動作できる。すなわち、入力パラメータa、b、cは、10ns周期でクロックに同期して投入可能であり、パイプライン的に処理(S=a×b+c)された結果Sは、10ns周期で出力される。入力段のステージMPYSTG1A(42)及びADDSTG1A(46)では、IEEE規格で入力されたデータ(a、b、c)を、演算処理を施し易い内部形式(2進形式)に変更する必要がある。この処理に約1.5〜3nsかかるが、乗算器と加算器を融合した本願のMAC演算器では、乗算の最終ステージMPYSTG3A(45)と、加算のc入力部の内部形式への変化ステージADDSTG1A(46)とを並列に処理可能である。また、乗算ステージの最終段MPYSTG3A(45)の次段で、 IEEE形式に変換するステージ( MPYSTG3Bに相当する)を設ける必要が無く、内部形式のまま加算器のステージADDSTG1B(47)にデータを引き渡すことができる。従って、加算ステージの初段で、乗算器からの結果に対してIEEE形式からの変換ステージ(ADDSTG1Aに相当する)を実行する必要もなくなる。次の演算器へIEEE形式に変換(丸め処理も行う)して出力する出力段ステージ(ADDSTG3Bに相当する)についても、加算器の最終段にのみ設けるだけで良い。
【0125】
以上から、乗算ステージMPYSTG1A(42)、1B(43 )が合計9ns、乗算ステージMPYSTG2(44 )が9ns、乗算ステージ MPYSTG3A( 45)が3ns、加算ステージADDSTG1A(46)が乗算ステージ3Aと並列に3ns、加算ステージADDSTG1B(43)が9ns、加算ステージADDSTG2(48)が9ns、加算ステージADDSTG3A(49)が3ns、加算ステージADDSTG3B(50)が3ns、というレイテンシの配分となっている。最終段ステージADDSTG3A(49)、3B(50)は、合計6nsとなっているが、次段の演算器に送るために約3nsの余裕(伝送路の遅延マージン)を持たせているためである。なお、IEEEの形式に圧縮してデータの入出力を行う必要があるのは、外部からの汎用データ入力形式と整合性をとる目的もあるが、
a)加算器と乗算器とで有効な内部形式がそれぞれ異なる、
b)内部形式のビット幅はIEEE形式よりも広く、ゲート数、スイッチングパワー、演算器間の結線量のいずれも内部形式の方が不利である、
等の理由からである。
【0126】
以上から、本願のMAC演算器は、5段のパイプラインで構成可能となっており、単純に汎用乗算器を組み合わせた場合より、パイプライン段数で1〜2段、トータルゲート数で15〜20%程度削減できている。
【0127】
[レジスタ部]
次に、前記(c)に示した外部との入出力に関わる同期化の問題についての解決策について述べる。外部とは、主としてマスタプロセッサとのやり取りを指す。
【0128】
まず、関数処理部に与えるパラメータ(図3、図4の実数パラメータa0〜a9に相当する)を保持するレジスタ部b(15)へのデータセット方法について、本願では以下のレジスタ構成と手法を採る。
【0129】
(ア)マスタプロセッサを動作させるクロックとビーム走査制御部の基準クロック(f=100MHz以上)とは非同期と考えるべきであり、マスタプロセッサ側から、ビーム走査制御部内のレジスタに対し、自在にアクセスするためには、マスタプロセッサからのアクセス判断信号と、前記基準クロックとの間で同期化を図る必要がある。これは、図7に示した様に、マスタプロセッサからのライトコマンド(/CPUWT)を、CLK(f=100MHz以上)を用いて、2段以上のフリップフロップでシフトすることにより、 /WTaを生成する非同期信号の同期化処理を施す。さらに/WTaを1段分以上シフトして/WTbを生成すれば、/WTa=Hiかつ/WTb=Loの期間を取り出し、CLKに同期したWTEが生成可能である。例えば、図6に示すラッチレジスタA51に、WTE53に応答してマスタプロセッサからのデータをラッチすれば、ラッチされたデータLDATA−A(80)はCLKに同期して出力できる。
【0130】
(イ)事前に変更しておいたパラメータのみをあるタイミング(例えばサンプリング周期の初め)で一斉に変更して関数演算部12に与えたいケースがある。これは、図6に示した様に、もう1つのラッチレジスタBをラッチレジスタAの後段に設け、前記一斉に変更すべきタイミングを示す信号(REPTRG)に応答してラッチレジスタAの内容をラッチレジスタBにコピーする方法を採る。REPTRG信号に対応するレジスタ群のラッチレジスタBに共通して接続すれば、そのレジスタ群の内容を適切なタイミングで同時に変更可能である。その場合の出力としてはLDATA−Bを用いる。なお、REPTRG信号は、マスタプロセッサからのアクセス制御信号(/CPUWT、/CPURD)に応答して、WTEの生成と同様の非同期信号の同期化手法を用いてCLKに同期化させて生成するのが一般的であるが、外部からのリプレースコマンドをCLKに同期化して用いて生成しても良い。
【0131】
(ウ)図6に示すレジスタの構成の中で、ラッチレジスタA(51)、B(52)は、ゲートラッチを用いて構成する。ゲートラッチとはこの場合、G入力に与える信号(ここではWTE53、REPTRG54)がHiレベルのときD入力のデータを透過してQ出力(LDATA−A(80)、LDATA−B(81))に出力し、G入力に与える信号がLoレベルに遷移するタイミングでD入力のデータをラッチし保持する機能を有している。ゲートラッチを用いれば、フリップフロップを用いる場合の約1/2のゲート数で構成可能であり、消費電力的にも有利である。
【0132】
次に関数演算部を含むビーム走査制御部内のCLK(F=100MH以上)に同期したデータ群を、マスタプロセッサ側に読み出す際の同期化手段について述べる。
【0133】
(ア)図7に示した様に、マスタプロセッサ側から生成されるリードコマンド(/CPURD)を、/WTa生成時と同様の同期化手段にてCLKに同期化し、/RDa信号を生成する。
【0134】
(イ)図8に示す内部レジスタをラッチするためのラッチレジスタ55を設け、生成した/RDa信号56の立ち上がりタイミングに応答してマルチプレクサMUX57を介して選択信号SEL59により選択されたCLK同期した内部データ58を前記ラッチレジスタにラッチする。これにより、マスタプロセッサに対しては、/RDaが立ち下がる約1CLK程度以上前のタイミングから、/CPURDが立ち上がる(終了する)少なくとも1CLK以上先のタイミングまでの期間、所望の内部データを正しく表示することができる。マスタプロセッサはこの表示データを読み込めば良い。なお、マルチプレクサMUX57を切り換え、所望の内部データをラッチレジスタ55に対して与えるための選択信号SEL59には、一般的にマスタプロセッサからのアドレス信号か、それに応答してモディファイされた信号を用いれば良い。
【0135】
次に、関数演算部12からの結果を高精度なアナログ情報に直して100MHz以上のレートで出力する制御情報出力部13について述べる。
【0136】
[DAC入力データ生成及び補正手段]
図9に、f=100MHz以上の周期で高精度なアナログ情報に変更する手段を示す。FI(60)は、浮動小数点データ(実数)を整数値(32bit)に変換する演算器、MUXH(61)、 MUXL(62)及びMUXA(63)は、それぞれ選択信号SELH(64)、 SELL(65)及びSELA(66)に対応して、FI(60)から出力される32ビットデータのうち上位20ビットから16ビット分を選択するマルチプレクサである。マルチプレクサMUXH(61)、MUXL(62)の出力は、FFで構成されるパイプラインレジスタ(67)(68)を介して、DAC(デジタルアナログ変換器)の入力フォーマットに変換するロジックFM(69)(70)を経由し、さらにパイプラインレジスタ(71)(72)を介してそれぞれ100MHz以上のサンプリング周波数性能を有するDACH(73)、DACL(74)に入力される。一方、MUXA(66)の出力は、パイプラインレジスタ(75)を介して、メモリユニット(76)のアドレス入力に与えられ、メモリユニット(76)からは対応するデータが出力されて、パイプラインレジスタ(77)を介した後、100MHz以上のサンプリング周波数性能を有するDACADJ(78)(補正用DAC)に入力される。
【0137】
本例では、DACH(73)とDACL(74)からのアナログ出力をアナログ的に加算することにより、最大32ビット分解能レベルのアナログ出力が得られる。しかし、DACの非線形性や、基準オフセット誤差等を補正しないと十分な精度が得られないため、精度的にネックとなるDACH部の補正を主眼として、DACADJ(78)により補正加算値を出力する。補正加算値は、DACH(73)とDACL(74)の加算値を高精度電圧測定器で事前に測定しておき、誤差の補正分を加算値として、メモリ書き込み手段(79)によって予めメモリユニット(76)に保持させておけば良い。従って、DACH、DACL、DACADJの各アナログ出力をアナログ的に加算して用いれば、高精度なアナログ情報を出力することができる。
【0138】
上述のように、アナログ方式では偏向走査波形をアナログ回路により生成するのに対して、偏向走査信号の補正もすべてデジタルで演算を行ない、デジタル制御信号の時系列により、デジタル値を逐次アナログ値に変換し、偏向走査波形を形成するデジタル方式で偏向制御装置を構成することが可能となると、以下のような利点がある。
【0139】
ビーム走査式検査装置において偏向制御装置を前記デジタル方式で実現した場合、光学系起因によるのビームの歪みや、電子回路起因の歪み等、歪みに対する補正処理をデジタル値で補正式や補正テーブルを用いて演算することで実現でき、精度向上と偏向走査領域の拡大が可能になり、前記直線性や歪みに関する課題は解決できる。
【0140】
また、前記タイミングに関する課題は、デジタル演算自体がクロックに同期した動作を行なうため、前記スタート、エンド等の画像取り込み同期タイミングの時刻精度が管理でき、さらにタイミング設定をデジタル値で容易に設定することが可能となり、解決できる。
【0141】
また、ビーム走査式検査装置において偏向制御装置を前記デジタル方式で実現した場合、制御信号を操る自由度が飛躍的に向上し、パラメータ設定や変更等によって、補正処理の変更や走査信号設定値の変更を検査中に逐次実行でき、大幅に機能を向上させる事ができ、精度向上と被検査物の検査領域の拡大ができることと、前記歪みに関する補正が可能になることで、前記離れた個所のパターン比較を行う場合の位置精度の問題や、前記偏向歪の不均一な個所の検査ができないという問題は解決できる。
【0142】
更に、デジタルデータにより、ステージ等のメカニカルな部分の制御や、システム全体を管理する制御装置と高速にリンケージできることにより、ビームによる目的とする位置への追従制御や装置誤差等の測定や補正が可能となり、前記高価格や製造期間の長期化など問題を解決できる。
【0143】
但し、デジタル方式を実現する場合、ビームを少なくとも画像情報取り込み周期で、すなわち1画素毎に目標の偏向位置に移動させなければならないため、画像情報取り込み周期以内の時間で補正信号を出力できることが好ましい。1画素毎に補正する場合に比べて精度は落ちるものの、1ラインの中での補正を可能にすれば、少なくとも1ライン毎にしか補正できないアナログ方式に比べて精度を向上することができる。
【0144】
尚、要求される高速性は、制御出力が検査時間及び被検査物の電荷のチャージをコントロールするビームの照射時間の関係から100MHz以上であり、高精度化のために、制御出力が500μm角以上の要求偏向領域と20nm以下の要求精度の関係から16bit以上が要求される。
【0145】
一方、電子線描画装置では、例えば特開平5-226234号公報に記載されているように、デジタル方式による偏向制御方式が採用されている。しかし、電子線描画装置の偏向は多段偏向方式で、検査装置とは偏向方式自体が異なっている。また検査装置ほど高速性が要求されないのに対して、検査装置のデジタル方式では画像取り込み周期以内の時間で補正信号を出力しなければならず、両者の制御思想は大きく異なっており、電子線描画装置のデジタル方式をそのまま採用することは困難である。
【0146】
本発明に係る検査装置の実施例によって得られる効果は以下の通りである。
(1)偏向歪の補正及び偏向歪係数が逐次変更が可能となり、ウェハ外周に代表されるように、電場の不均一な個所の検査が可能となる。
(2)位置精度向上により、チップ比較検査に代表されるように、離れた個所のパターン比較検査が可能となる。
【0147】
また本発明に係る偏向制御装置の実施例としての効果は以下の通りである。
(1)アナログ方式では不可能であった光学系起因によるのビームの歪みや、電子回路起因の歪み等、歪みに対する複雑な補正処理を実現でき、精度向上と偏向走査領域の拡大が可能となる。
(2)デジタル演算自体がクロックに同期した動作を行なうため、画像取り込み同期タイミングの時刻精度の向上と設定の簡易化による位置精度の向上。
(3)制御信号を操る自由度が飛躍的に向上し、パラメータ設定や変更等によって、補正処理の変更を検査中に逐次実行でき、大幅に機能を向上させる事ができ、精度向上と被検査物の検査領域の拡大ができる。
(4)ステージ等のメカニカルな部分の制御と高速にリンケージできることにより、ビームによる目的とする位置への追従制御が可能となり、メカ部の精度やチューニングに関わるコストと製造期間を大幅に低減できる。
【0148】
【発明の効果】
本発明によれば、画像取り込み周期以内の時間で偏向を制御する信号をディジタル信号として出力することにより、ビームの偏向制御における種々の補正が容易になり、高速かつ高精度のビーム走査式検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の荷電粒子ビーム走査式検査装置の偏向制御の概念について単純に示す図。
【図2】 ビーム走査制御部の基本システム構成を示した図。
【図3】 式1をMAC演算器で構成した例を示した図。
【図4】 図3の構成に対し、図5のパイプライン化されたMAC演算器を適用した場合のパイプライン段数の削減を説明した図。
【図5】 パイプライン構造のMAC演算器の演算分割配分を示した図。
【図6】 ライト時の同期化手段であるライトデータ用レジスタの構成を説明した図。
【図7】 マスタプロセッサからのアクセス信号と、基準クロックとの同期化を説明した図。
【図8】 リード時の同期化手段であるリードデータ用レジスタの構成を説明した図。
【図9】 デジタルデータを100MHz以上の周期で高精度なアナログ情報に変更する手段を説明する図。
【図10】 電子ビーム走査式ウェハ外観検査装置全体の概要図。
【図11】 検査装置の走査シーケンスの例を説明した図。
【図12】 ビーム走査の偏向出力信号と代表的なタイミング信号との関係を説明した図。
【図13】 偏向歪を視覚的に示した図。
【図14】 ウェハ外周の歪の原因の1例を説明する図。
【図15】 本発明の偏向制御装置の補正演算処理の概略を説明する図。
【図16】 補正演算及びビーム走査を行うための本発明の偏向制御装置の構成を説明する図。
【符号の説明】
10…外部情報入力部、11…制御情報演算部、12…関数演算部、13…制御情報出力部、14…レジスタ部a、15…レジスタ部b、16…マスタプロセッサ部、17…ステージ制御部、18…ビーム走査部、19…画像処理部、20…被検出試料、21…ビーム走査制御部、31〜39、40…MAC演算器、41…レジスタ、42… MPYSTG1A、43… MPYSTG1B、44… MPYSTG2、45… MPYSTG3A、46… ADDSTG1A、47…ADDSTG1B、48… ADDSTG2、49… ADDSTG3A、50… ADDSTG3B、51…ラッチレジスタA、52…ラッチレジスタB、53… WTE、54… REPTRG、80… LDATA−A、81… LDATA−B、55…ラッチレジスタ、56…/RDa信号、57… MUX、58… 内部データ、59… SEL、60… FI、61… MUXH、62… MUXL、63… MUXA、64… SELH、65… SELL、66… SELA、67、68、71、72、75、77…パイプラインレジスタ、69、70… FM、73… DACH、74… DACL、76…メモリユニット、78… DACADJ、79…メモリ書き込み手段、101…荷電粒子ビーム、102…被検査物、103…情報処理手段、104…上位制御手段、105…偏向制御手段、105a…偏向位置演算回路、105b…偏向歪演算回路、106…偏向走査波形、107…検査台制御手段、108…検査台、109…偏向手段、110…電子光学系装置、111…画像処理系装置、112…偏向制御系装置、113…ステージ制御系装置、114…高さセンサ、115…VMEバス、116…上位制御CPU、117…LAN、118…システム制御CPU、119…電子銃、120…ビーム、121…ウェハ、122…検出器、123…ウィーンフィルタ偏向器、124…ブランキング電極、125…偏向器、126…動焦点コイル、127…ファラデーカップ、128…焦点コイル、129…ステージ、130、131…スキャン方法、132…ステージ連続移動方式でのウェハ上のスキャンの軌跡、133…ステップアンドリピート方式でのスキャンの軌跡、134、135…アナログ出力のランプ波、136…画像取り込みタイミング信号、137…画像取り込み有効信号、138…ブランク信号、139…ランプ波の幅、140…ランプ波の高さ、141…スキャン開始信号、142……デジタルアナログ変換器(DAC)通過後のアナログ偏向出力信号、143…画像取り込み周期で出力するデジタル偏向出力信号、144…スキャンの目標位置の連続曲線、145、146…セル、147、148…ライン、149、150、153…チップ、151、152、154…ライン、155、156、157…ストライプ、158…ウェハ保持部、159…段差、200…データ入力手段、201…偏向位置補正演算手段、202…走査シーケンス及びタイミング管理手段、203…センサ入力手段、204…偏向歪補正演算手段、205…レジスタ部a、206…レジスタ部b、207…パラメータ管理手段及びシステム管理手段、208…DAC入力データ生成及び補正手段、209…DA変換手段、210…測定手段、211…非点補正及び焦点補正演算手段、212…DA変換手段、213…ステージ位置情報、214…とブランク、215…高さセンサ、217…偏向器及び焦点レンズ、218、219…LSI、220…偏向ドリフト、221…検査目標位置、222…ステージ位置センサ、223…高さセンサ、224…位置変動追従補正処理、225…偏向歪係数算出処理、226…偏向歪補正処理、227…偏向位置による非点収差補正処理、228…偏向位置による動焦点補正処理、229…高さ変動による動焦点補正処理、230…回路歪の補正処理、231…偏向回路、232…焦点回路。

Claims (12)

  1. 荷電粒子ビームの走査位置を制御する偏向制御手段を備え、被検査物の所定のビーム走査位置に荷電粒子ビームを照射し、被検査物の情報を取り込み、該情報を処理して被検査物の検査を行う荷電粒子ビーム走査式検査装置において、
    前記偏向制御手段は、画像取り込み周期以内の時間で前記荷電粒子ビームの走査位置を制御するディジタル信号を出力し、前記ディジタル信号を画像取り込み周期以内の時間でアナログ電圧に変換し、前記荷電粒子ビームの走査位置を制御することを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  2. 荷電粒子ビームを照射し、所定のビーム走査位置における被検査物の情報を取り込み、前記情報を処理して検査を行う荷電粒子ビーム走査式検査装置において、ビームの走査位置と被検査物上の検査位置を計測し、装置誤差の補正処理を施したビーム目標座標の算出と誤差補正定数、偏向歪補正定数の算出を行う手段と、前記ビーム走査を行う偏向制御手段を備え、前記偏向制御手段は、外部から予め又は適宜設定される前記ビーム目標座標、前記誤差補正定数、走査定数と、検査台の現在座標を用い、被検査物上の検査位置を正確に走査するための偏向座標系での検査位置演算を行う偏向位置演算回路と、外部から予め又は適宜設定される前記偏向歪定数と前記偏向位置を用いて偏向歪の補正を行い前記偏向位置に正確にビームを照射するため偏向制御量演算を行う偏向歪演算回路を、集積回路を用いたパイプラインで構成することにより、前記被検査物の情報の取り込みの周期以下の時間で偏向走査位置の補正を可能とすることを特徴とした荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置において、偏向制御手段に与える偏向歪補正定数を連続検査中に逐次変更する手段を備え、ウェハ外周近傍すなわち偏向歪の不均一な部分において、前記偏向歪補正定数は予め計測したウェハ位置に対応する偏向歪補正定数を使用することで、歪の不均一な部分における歪の補正を可能とすることを特徴とした荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  4. 荷電粒子ビームを照射し、所定のビーム走査位置における被検査物の情報を取り込み、基板上に形成された第1のチップと第2のチップを比較することで半導体パターン欠陥を検査する荷電粒子ビーム走査式検査装置において、予め前記第1のチップに形成されたパターンと第2のチップに形成されたパターンの位置、回転、サイズ及び光学系歪みを計測して走査定数及び補正定数を算出しておき、連続検査中に、逐次走査パラメータと補正定数を変更することにより、比較を行うパターンに配置の誤差や歪みの相違があっても走査により補正することで比較可能な正確なパターン情報を得ることを可能とすることを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  5. 請求項1又は2に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置おいて、前記周期は10ns以下であることを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置において、前記ディジタル信号の有効桁数が16ビット以上であることを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  7. ビーム光源と、ビーム状態を制御する光学系制御部と、ビーム光源からのビームを偏向する偏向器と、被検査物の位置を検出し制御する検査台及び検査台制御部と、前記検査台からの位置又は速度情報と外部から適宜設定されるか又は予め設定された定数に従いデジタル演算によって目的のビーム偏向位置に対応したデジタル偏向制御値を生成する偏向制御部と、前記ビーム走査のタイミングに対応して前記被検査物のビーム走査位置におけるデジタル画像情報を得る画像検出部と、前記デジタル画像情報を処理して被検出物の検査を行う画像処理部とを備えたビーム走査式検査装置であって、前記偏向制御部は、前記偏向制御部と周期の異なる前記検査台からの位置又は速度情の入力を行う検査台位置データ入力手段と、1本のビーム走査を定義する走査定数に従って、走査シーケンスの実行管理及び前記画像取り込みタイミングなどのタイミング管理を行う走査シーケンス及びタイミング管理手段と、被検査物上の検査位置を正確に走査するための偏向座標系での検査位置演算を行う偏向位置補正手段と、外部から予め又は適宜設定される前記定数と前記偏向位置を用いて偏向歪の補正を行い前記偏向位置に正確にビームを照射するため偏向制御量演算を行う偏向歪補正手段と、前記偏向制御量のデジタルデータを所定のアナログ値に対応させるため、前記デジタルデータを加工し、1つ又は複数のデジタルアナログ変換器(DAC)に与えるデータを生成するDAC入力データ生成手段と、前記データをアナログ値に変換するDA変換手段と、外部からの情報のやり取りと、前記偏向制御部のシステム管理と、パラメータの設定や変更を行うパラメータ管理を行うパラメータ管理とシステム管理手段と、第1の周期で高速動作する前記偏向位置補正手段及び偏向歪補正手段と、第1の周期よりは低速で動作するパラメータ管理とシステム管理手段の間で定数のやり取りを行うレジスタ部、を具備することを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  8. 請求項7に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置において、高さ計測手段と焦点補正手段を備え、前記偏向制御部は、センサ入力手段もしくはウェハ位置による高さ分布情報入力手段と焦点補正演算手段を具備し、前記パラメータ管理手段により偏向歪補正手段に設定する偏向歪に関する定数を高さ変化に伴い変更し、高さ変動に伴う焦点変動を前記焦点補正演算手段により演算し、前記焦点補正手段によって補正を行うことを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
  9. 請求項7に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置において、前記偏向制御部は、非点補正演算手段と焦点補正演算手段を具備し、前記偏向位置補正演算により算出される偏向位置に従って、非点と焦点の補正を行うことを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置
  10. 請求項7において、前記偏向歪補正手段は、高速なクロック周期に同期してデジタル演算処理を行うデジタル演算処理装置を備え、その演算処理の基本単位となる演算を、パイプライン化した実数乗算器と実数加算器とを融合手段により1つに結合して構成したMAC演算器を用いて行い、前記融合手段は、実数乗算器の出力段である最終段のパイプラインレジスタと実数加算器の入力段である初段のパイプラインレジスタとを同レベルにそろえ、実数乗算器の最終ステージの処理と、実数加算器の初段ステージの1部とを並列に動作させることを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置
  11. 請求項7に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置において、前記レジスタ部は、1つの高速クロックに同期し、デジタル処理を行う、前記検査台位置データ入力手段、前記走査シーケンス及びタイミング管理手段、前記偏向位置補正手段、前記偏向歪補正手段、前記DAC入力データ生成手段、前記DA変換手段を構成するデジタル演算処理装置であって、前記高速クロックと非同期とみなせる第2のクロックに同期して動作する、前記パラメータ管理とシステム管理手段を構成する1つ又は複数のプロセッサを設けて、そのプロセッサからデジタル演算処理装置に対して任意の時刻にデータを与える手段として、2段構造のラッチレジスタを設け、1段目のラッチレジスタはプロセッサからのデータを第1のゲート信号に応答してラッチする機能を有し、2段目のラッチレジスタは、1段目のラッチレジスタからのデータを第2のゲート信号に応答してラッチして、前記デジタル演算処理装置に与える機能を有し、第1のゲート信号はプロセッサからのライトアクセス信号を基に生成し、第2のゲート信号は前記デジタル演算処理装置にデータを与えるタイミングを規定するプロセッサからのトリガ信号を前記高速クロックに同期化した信号を基に生成することを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置
  12. 請求項7に記載の荷電粒子ビーム走査式検査装置において、前記DAC入力データ生成手は、高速なクロック周期に同期してデジタルデータをアナログデータとして出力するデジタル演算処理装置において、デジタルデータを連続的なビット列で構成された少なくとも2つの出力データに分割する手段と、その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、前記少なくとも2つの出力データと補正データに対応したアナログデータを出力する少なくとも3つのデジタルアナログ変換器と、前記少なくとも2つの出力データを対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、前記少なくとも2つの出力データと補正データの出力タイミングを合わせる手段とを設け、前記少なくとも3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータをアナログ的に加算することにより、高精度なアナログ出力を生成することを特徴とする荷電粒子ビーム走査式検査装置。
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