JP3666170B2 - 斜板型圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜板型圧縮機に関するもので、二酸化炭素(CO2 )等を冷媒とする吐出圧力の高い冷凍サイクルに適用される冷凍サイクル用圧縮機として有効である。
【0002】
【従来の技術】
近年、空調装置(冷凍サイクル)の脱フロン対策として、二酸化炭素(CO2 )を冷媒とする冷凍サイクル(以下、CO2 サイクルと呼ぶ。)の研究が盛んに行われている。このCO2 サイクルは、フロンを冷媒とする通常の冷凍サイクル(以下、冷凍サイクルと略す。)に比べて圧縮機の吐出圧力が高いので、冷凍サイクルに用いられている圧縮機をそのまま使用することができない。
【0003】
ところで、斜板型圧縮機では、揺動板(斜板)とピストンとは、ピストンの先端に形成された球面状の摺動面とシューとが接触しながら摺動することにより揺動可能に連結しており、シューと摺動面とには、圧縮反力が集中的に作用する。このため、CO2 サイクルのごとく、高い吐出圧力を必要とする場合には、特に、摺動面とシューとの間の潤滑を十分に図る必要性がある。
【0004】
因みに、フロンの場合の吐出圧力は約1.6MPaであり、CO2 の場合の吐出圧力は、CO2 の臨界圧力(7.4MPa)を越える約12MPaである。
なお、油圧ポンプ等の非圧縮性流体を吸入圧縮するものにおいては、上記必要性を満たすために、例えば、特開平5−113173号公報に記載のごとく、作動室(圧縮室)側から摺動面までピストンの長手方向に貫通する連通路を設け、作動室内に吸入された作動油を摺動面に導くという手段を採用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載の手段を、CO2 サイクルのごとく、圧縮性流体を吸入圧縮する斜板型圧縮機に適用した場合には、以下に述べるような不具合が発生する。
すなわち、上記公報に記載の手段では、図10に示すように、ピストン6に連通路aが形成されているために、ピストン6が上死点に到達しても、揺動板10とシュー8との隙間から斜板室内に洩れ出した作動油、および連通路a、b、cの体積分だけ吐出流量が減少してしまう。
【0006】
ところで、減少する吐出流量は体積流量に換算して僅かであるので、油圧ポンプのごとく非圧縮性流体を吸入圧縮するものでは、その減少する吐出流量による効率の低下は殆ど無視できる。
しかし、CO2 サイクルに含む冷凍サイクルに適用される圧縮機は、冷媒としてフロンやCO2 等の圧縮性流体を吸入圧縮しているので、吐出時の冷媒密度が高く、減少する吐出流量が体積流量換算では僅かであっても、質量流量に換算すると大きくなってしまう。したがって、上記公報に記載の手段を冷凍サイクル(CO2 サイクルに含む)用の圧縮機に適用すると、圧縮機の効率が大きく低下してしまうという不具合が発生する。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、圧縮性流体を吸入圧縮する斜板型圧縮機において、圧縮機の効率の低下を抑制しつつ、シューと摺動面とに潤滑油を供給することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1〜7に記載の発明では、圧縮性流体を吸入圧縮する斜板型圧縮機において、シリンダボア(5)の内壁(5a)に開口するとともに、潤滑油が導かれるシリンダポート(51)と、ピストン(6)の側壁(6b)に開口するピストンポート(63)と、ピストンポート(63)からピストン(6)の内部を経て摺動面(6a)まで連通
する連通路(64、65)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、シリンダボア(5)の内壁(5a)に形成されたシリンダポート(51)から、ピストン(6)の側壁(6b)に形成されたピストンポート(63)を経由して潤滑油が摺動面(6a)に導かれるので、上記公報に記載のように潤滑油を作動室側から供給するものと異なり、斜板型圧縮機から吐出する圧縮性流体の吐出流量が減少することを防止することができる。したがって、斜板型圧縮機の効率の低下を抑制しつつ、シュー(8)と摺動面(6a)とに潤滑油を供給することができる。
【0011】
ところで、摺動面(6a)とシュー(8)との接触面に作用する力(F1 )が最大となるのは、ピストン(6)に作用する圧縮反力が最大となるときである。そして、請求項1に記載の発明では、シリンダポート(51)およびピストンポート(63)は、ピストン(6)に作用する圧縮反力が最大となったときに、両ポート(51、61)の開口面が面するように形成されていることを特徴としている。
【0012】
したがって、請求項1に記載の発明では、摺動面(6a)とシュー(8)との接触面を効率的に潤滑することができる。また、潤滑油は、請求項2に係る発明のように、冷凍サイクル内に設けられた気相状態の冷媒と液相状態の冷媒とを分離するタンク手段(140)から直接シリンダポートに導かれるようにすることができる。また、請求項2に記載の斜板型圧縮機において、請求項3に記載の発明のように、潤滑油が、外部配管(150、25)を介して直接シリンダポート(51)に導かれるようにすることができる。また、請求項2に記載の斜板型圧縮機において、請求項4に記載の発明のように、タンク手段は、冷凍サイクルにおける放熱器(110)と蒸発器(130)との間に配設されたレシーバであってもよい。また、請求項5に記載のごとく、シリンダボア(5)の内壁(5a)のうちシリンダポート(51)に対応する部位に、前記内壁(5a)の全周に渡って潤滑油を導くシリンダ溝(51a)を形成してもよい。また、請求項6に記載のごとく、ピストン(6)の側壁(6b)のうちピストンポート(63)に対応する部位に、前記側壁(6b)の外壁全周に渡って潤滑油を導くピストン溝(61a)を形成してもよい。請求項7に記載の発明では、圧縮性流体の臨界圧力以上まで圧縮する圧縮機として請求項1ないし6のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機を用いたことを特徴とする。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、CO2 を冷媒とする蒸気圧縮式冷凍サイクル(CO2 サイクル)の圧縮機に適用した場合を示しており、図1は本発明に係る斜板型圧縮機(以下、単に圧縮機と呼ぶ。)を用いたCO2 サイクルを車両用空調装置に適用したものでる。
【0015】
図1中、100は、車両走行用エンジン(図示せず)から駆動力を得て駆動される圧縮機であり、気相状態のCO2 を圧縮する。110は圧縮機100で圧縮されたCO2 を外気等との間で熱交換して冷却する放熱器(ガスクーラ)であり、120は、放熱器110の出口側でのCO2 温度に応じて放熱器110の出口側圧力を制御する圧力制御弁である。なお、圧力制御弁120は、放熱器110の出口側圧力を制御するとともに減圧器を兼ねており、CO2 は、この圧力制御弁120にて減圧されて低温低圧の気液2相状態のCO2 となる。
【0016】
130は、車室内の空気冷却手段をなす蒸発器(吸熱器)で、気液2相状態のCO2 は蒸発器130内で気化(蒸発)する際に、車室内空気から蒸発潜熱を奪って車室内空気を冷却する。140は、気相状態のCO2 と液相状態のCO2 とを分離するとともに、気相状態のCO2 を一時的に蓄えるアキュームレータ(タンク手段)である。
【0017】
図2は、圧縮機100の軸方向断面を示しており、1は図示されていない電磁クラッチを介して外部駆動源(車両走行用エンジン等)からの駆動力を得て回転するシャフトで、このシャフト1はフロントハウジング2およびシリンダブロック3内に配設されたラジアル軸受101によって回転可能に保持されている。ここで、ラジアル軸受101はシャフト1の垂直方向の荷重に対抗している。
【0018】
また、シャフト1のうちフロントハウジング2とシリンダブロック3とによって形成される空間(以下、斜板室と呼ぶ。)2aには、シャフト1に対して所定の角度を有して傾いた傾斜面4aが形成された斜板4がシャフト1に圧入されており、これにより、シャフト1と斜板4とは一体に回転する。さらに、斜板4のうち傾斜面4aと反対側には、シャフト1と直角な面4bが形成されており、この面4bとフロントハウジング2との間には、スラスト軸受102が配設されて斜板4に作用する圧縮反力に対向している。
【0019】
また、シリンダブロック3内には、シャフト1と平行、かつ、シャフト1を中心として周方向に6等分する位置に(図3参照)、シリンダブロック3をシャフト1の軸方向に貫通するシリンダボア5が6個形成されており、各シリンダボア5内には、各シリンダボア5の内壁と接触しながらシャフト1の軸方向に往復運動するピストン6が挿入れている。
【0020】
そして、ピストン6と斜板4との間には、シャフト1を中心としてシャフト1の軸方向に揺動運動する揺動部材7が配設されており、この揺動部材7は、ピストン6の端部に形成された球面状の摺動面6aに摺動可能に連結する真鍮製のシュー8を介してピストン6と揺動可能に連結している。また、このシュー8は、シュー8の保持部材をなすリテーナ9と、斜板4に配設されたスラスト軸受103の転動体103aに接触して斜板4と回転可能に連結する揺動板10とによって挟み込まれ、揺動板10に対して摺動可能に保持されている。
【0021】
因みに、揺動板10は、スラスト軸受103の軸受レースを兼ねており、このスラスト軸受103は、ピストン6を介して揺動部材7に作用する圧縮反力に対抗するものである。
また、リテーナ9とシャフト1との間には、リテーナ9と回転可能に接触するスペーサ11が配設されており、このスペーサ11とリテーナ9との接触面は、斜板4の傾斜角の変化に対応し得るように斜板4側が凸として略球面状に形成されている。なお、12はスペーサ11を斜板4側に押圧する弾性力を発生するスプリングであり、スペーサ11とシャフト1との間には、空隙11aが形成されている。そして、この空隙11aによりスペーサ11とシャフト1との間の摩擦抵抗を防止している。
【0022】
ところで、シリンダブロック3の端部には、ピストン6と対向してシリンダボア5の一端側を閉塞するバルブプレート13が配設されており、このバルブプレート13には、シリンダボア5に連通する複数個の吸入ポート14および吐出ポート15が形成されている。
そして、バルブプレート13とリアハウジング16との間には、図示されていない圧縮機の吸入口から吸入された冷媒を各吸入ポート14に分配する吸入室17と、各吐出ポート15から吐出した冷媒を集合させて圧縮機の吐出口(図示せず)に導く吐出室18とが形成されている。
【0023】
また、各吸入ポート14のピストン6側には、リード弁状の吸入弁19が配設されており、各吐出ポート15の吐出室18側にも同様にリード弁状の吐出弁20が配設されている。なお、吐出弁20は、ストッパ21によって最大開度が規制されており、両弁19、20およびストッパ21は、バルブプレート13とともにシリンダブロック3とリアハウジング16とによって挟まれて固定されている。
【0024】
因みに、22は斜板室2a内の冷媒が、圧縮機外に漏れだすことを防止するリップシールであり、23はニトリルゴムからなるOリングである。
ところで、ピストン6は、円柱状のピストン本体部61と、摺動面6aが形成された連結部62とから構成されており、両者61、62は、図2に示すように、高炭素クロム軸受鋼鋼材(SUJ−2)から一体成形されている。
【0025】
そして、ピストン本体部61(ピストン6)うちシリンダボア5の内壁に面する側壁6bには、ピストンポート63が開口しており、このピストンポート63は、ピストン6の内部に形成されたピストン連通路64、65を通じて摺動面6aまで連通している。
また、各シリンダボア5の内壁5aには、シリンダポート51がそれぞれ開口しており、このシリンダポート51には、CO2 サイクルに設けられたアキュームレータ140内でCO2 から分離された潤滑油が外部配管150(図1参照)を介して導かれている。
【0026】
因みに、CO2 サイクルに限らず、フロンを用いた冷凍サイクルにおいても、通常、潤滑油と冷媒とは混合されており、潤滑油は冷媒とともにサイクル内循環している。このため、アキュームレータ140内に余剰CO2 (冷媒)が蓄えられたCO2 は、両者の密度差により、CO2 と潤滑油とに分離する。
そして、各シリンダポート51に対応する各シリンダボア5の内壁5aには、シリンダボア5の内壁5a全周に渡ってシリンダ溝51aが形成されており、このシリンダ溝51aによってシリンダポート51に導かれた潤滑油をシリンダボア5の内壁全周(ピストン6の側壁全周)に循環させている。
【0027】
なお、各シリンダポート51は、図3に示すように、シリンダブロック3に形成された3つのシリンダ連通路52によって連通しており、外部配管150からの潤滑油は、流入口53に導かれている。因みに、53a、53bは、シリンダ連通路52を形成後、蓋部材によって閉塞されている。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0028】
本実施形態によれば、上記公報に記載の手段のごとく、作動室(シリンダボアおよびピストンによって形成される空間)側から摺動面6aまで貫通する連通路を設けて作動室内の流体を摺動面6aまで導くものと異なり、図2に示すように、潤滑油は、各シリンダボア5の内壁5aに形成された各シリンダポート51、ピストン6の側壁6b、ピストン連通路64、65を経由して摺動面6aに導かれる。
【0029】
これにより、シリンダボア5の内壁5aに形成されたシリンダポート51から、ピストン6の側壁6bに形成されたピストンポート63を経由して潤滑油が摺動面6aに導かれるので、上記公報に記載のように潤滑油を作動室側から供給するものと異なり、圧縮機100から吐出するCO2 (圧縮性流体)の吐出流量が減少することを防止することができる。したがって、圧縮機100の効率の低下を抑制しつつ、シュー8と摺動面6aとに潤滑油を供給することができる。
【0030】
因みに、摺動面6aに導かれた潤滑油は、摺動面6aとシュー8との接触面を潤滑するとともに、シュー8に形成された潤滑穴8aより揺動板10に至り、揺動板10とシュー8との接触面を潤滑する。
ところで、摺動面6aとシュー8との接触面に作用する力F1 が最大となるのは、ピストン6に作用する圧縮反力が最大となるときである。したがって、本実施形態では、摺動面6aとシュー8との接触面を効率的に潤滑すべく、圧縮反力が最大となったときに、両ポート51、63の開口面が直接的に面するように、両ポート51、63がそれぞれ形成されている。
【0031】
以下、両ポート51、63の位置について詳述する。
図4は、ピストン6の変位(以下、ピストン変位と略す。)Xと、作動室内の圧力(以下、内圧と略す。)Pおよびピストン6の端面位置(以下、ピストン端面位置と略す。)Lとの関係を示すグラフであり、実線は内圧Pを示し、一点鎖線はピストン端面位置Lを示している。なお、ここで、ピストン6の端面位置(L)とは、図5に示すように、シリンダブロック3の斜板室23a側端部から、作動室側のピストン6の端面までの距離を言う。
【0032】
そして、図4から明らかなように、ピストン端面位置L(ピストン変位X)の上昇に応じて内圧Pが上昇していき、吐出圧力に達した時(この時のピストン端面位置Lを吐出端面位置L1 と呼び、ピストン変位Xを吐出開始変位X1 と呼ぶ。)に吐出弁20が開き、ピストン端面位置L(ピストン変位X)が上死点に達するまで、CO2 が放熱器110に向けて吐出される。
【0033】
したがって、圧縮反力が最大となるのは、内圧Pが吐出圧力に達したときであるので、ピストン端面位置L(ピストン変位X)が、吐出端面位置L1 (吐出開始変位X1 )から最大ピストン端面位置Lmax (上死点)の間に位置するときに、両ポート51、63の開口面が面するようにすればよい。
具体的には、吐出端面位置L1 は、ピストン6のストロークLs (=Lmax −Lmin )を、吐出圧力Pd と吸入圧力Ps との比である圧縮比Pr (=Pd /Ps )で除したものである(L1 =Ls /Pr )。因みに、CO2 サイクルの圧縮比Pr は、通常、2〜3であるので、L1 =Ls /3〜Ls /2となる。
【0034】
なお、両ポート51、63に位置を決定するに当たっては、上記した点に加えて、ピストン6が下死点に達したときであっても、シリンダポート51が作動室に直接連通しないようにする、すなわちピストン6が下死点に達したときであっても、シリンダポート51がピストン端面位置Lより斜板室2a側に位置させることが必要である。
【0035】
ところで、摺動面6aとシュー8との接触面に作用する力F1 が最大となるときには、ピストン6の側壁6bとシリンダボア5の内壁5aとの間に作用する力F2 (図5参照)も最大となる。
そして、本実施形態では、力F1 が最大となるとき、すなわち圧縮反力が最大となるときに、両ポート51、63の開口面が直接的に面するように両ポート51、63がそれぞれ形成されているので、力F2 が最大になるときに潤滑油を側壁6bと内壁5aとに潤滑油を供給することができ、側壁6bと内壁5aとの潤滑をより効果的に行うことができる。
【0036】
(第2実施形態)
本実施形態は、シリンダ溝51aを廃止し、図6に示すように、ピストン6の側壁6bのうちピストンポート63に対応する部位に、側壁6bの外壁全周に渡って潤滑油を導くピストン溝63aを形成したものである。
(第3実施形態)
本実施形態は、図7、8に示すように、シリンダ溝51aおよびピストン溝63aの溝幅(ピストン6の往復方向の寸法)Wを大きくし、圧縮反力が最大となるときのみならず、ピストン6の往復運動の全行程で両ポート51、63の開口面が面するようにしたものである。
【0037】
ところで、上述の実施形態では、アキュームレータ140から潤滑油をシリンダポート51に導いていたが、例えば、図9に示すように、オイルセパレータ(冷媒(CO2 )と潤滑油とを密度差を利用して分離するもの)24を有している圧縮機100においては、オイルセパレータ24から潤滑油をシリンダポート51に導いてもよい。
【0038】
なお、図9では、オイルセパレータ24からシリンダポート51まで外部配管25を用いて潤滑油を導いたが、シリンダブロック3およびリアシリンダ16内にオイルセパレータ24からシリンダポート51まで潤滑油を導く連通路を設けてもよい。
また、シリンダ溝51aとピストン溝63aとの両者を同時に設けてもよく、また、両溝51a、63aを廃止して、シリンダポート51とピストンポート63のみとしてもよい。
【0039】
また、上述の実施形態では、アキュームレータ140から潤滑油をシリンダポート51に導いていたが、レシーバ(放熱器110と蒸発器130との間に配設されて気相CO2 (冷媒)と液相CO2 (冷媒)とを分離して気相CO2 (冷媒)を蒸発器130に向けて流出するもの)から導いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】CO2 サイクルの模式図である。
【図2】第1実施形態に係る斜板型圧縮機の断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】ピストン変位Xと、内圧Pおよびピストン端面位置Lとの関係を示すグラフである。
【図5】第1実施形態に係る斜板型圧縮機のピストン部分の拡大図である。
【図6】第2実施形態に係る斜板型圧縮機のピストン部分の拡大図である。
【図7】第3実施形態に係る斜板型圧縮機のピストン部分の拡大図である。
【図8】第3実施形態に係る斜板型圧縮機のピストン部分の拡大図である。
【図9】変形例を示す斜板型圧縮機の断面図である。
【図10】「発明が解決しようとする課題」を説明するための説明図である。
【符号の説明】
5…シリンダボア、6…ピストン、6a…摺動面、8…シュー、
51…シリンダポート、51a…シリンダ溝、63…ピストンポート、
63a…ピストンポート、64、65…ピストン連通路。
Claims (7)
- 圧縮性流体を吸入圧縮する斜板型圧縮機であって、
駆動力を得て回転するシャフト(1)と、
前記シャフト(1)を収納するとともに、前記シャフト(1)を回転可能に保持するハウジング(2、3、16)と、
前記ハウジング(2、3、16)に前記シャフト(1)の軸方向と平行に形成されたシリンダボア(5)と、
前記シリンダボア(5)内で往復運動するピストン(6)と、
前記ハウジング(2、3、16)内に配設され、前記シャフト(1)の回転と連動して揺動する揺動部材(10)と、
前記ピストン(6)のうち前記揺動部材(10)側に形成された球面状の摺動面(6a)と、
前記摺動面(6a)に接触し、前記揺動板(10)と前記ピストン(6)とを揺動可能に連結するシュー(8)と、
潤滑油が導かれ、前記シリンダボア(5)の内壁(5a)に開口するシリンダポート(51)と、
前記ピストン(6)のうち前記シリンダボア(5)の内壁(5a)に面する側壁(6b)に開口するピストンポート(63)と、
前記ピストンポート(63)から前記ピストン(6)の内部を経て前記摺動面(6a)まで連通する連通路(64、65)とを備え、
前記シリンダポート(51)および前記ピストンポート(63)は、前記ピストン(6)に作用する圧縮反力が最大となったときに、前記両ポート(51、61)の開口面が面するように形成されていることを特徴とする斜板型圧縮機。 - 圧縮性流体を吸入圧縮する斜板型圧縮機であって、
駆動力を得て回転するシャフト(1)と、
前記シャフト(1)を収納するとともに、前記シャフト(1)を回転可能に保持するハウジング(2、3、16)と、
前記ハウジング(2、3、16)に前記シャフト(1)の軸方向と平行に形成されたシリンダボア(5)と、
前記シリンダボア(5)内で往復運動するピストン(6)と、
前記ハウジング(2、3、16)内に配設され、前記シャフト(1)の回転と連動して揺動する揺動部材(10)と、
前記ピストン(6)のうち前記揺動部材(10)側に形成された球面状の摺動面(6a)と、
前記摺動面(6a)に接触し、前記揺動板(10)と前記ピストン(6)とを揺動可能に連結するシュー(8)と、
潤滑油が導かれ、前記シリンダボア(5)の内壁(5a)に開口するシリンダポート(51)と、
前記ピストン(6)のうち前記シリンダボア(5)の内壁(5a)に面する側壁(6b)に開口するピストンポート(63)と、
前記ピストンポート(63)から前記ピストン(6)の内部を経て前記摺動面(6a)まで連通する連通路(64、65)とを備え、
前記潤滑油は、前記冷凍サイクル内に設けられた気相状態の冷媒と液相状態の冷媒とを分離するタンク手段(140)から直接前記シリンダポート(51)に導かれることを特徴とする斜板型圧縮機。 - 前記潤滑油は、外部配管(150、25)を介して直接前記シリンダポート(51)に導かれることを特徴とする請求項2に記載の斜板型圧縮機。
- 前記タンク手段は、前記冷凍サイクルにおける放熱器(110)と蒸発器(130)との間に配設されたレシーバであることを特徴とする請求項2に記載の斜板型圧縮機。
- 前記シリンダボア(5)の内壁(5a)のうち前記シリンダポート(51)に対応する部位には、前記内壁(5a)の全周に渡って潤滑油を導くシリンダ溝(51a)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機。
- 前記ピストン(6)の側壁(6b)のうち前記ピストンポート(63)に対応する部位には、前記側壁(6b)の外壁全周に渡って潤滑油を導くピストン溝(61a)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機。
- 圧縮性流体の臨界圧力以上まで圧縮する圧縮機として請求項1ないし6のいずれか1つに記載の斜板型圧縮機を用いたことを特徴とする冷凍サイクル用圧縮機。
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JP04918197A JP3666170B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 斜板型圧縮機 |
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JPH10246182A JPH10246182A (ja) | 1998-09-14 |
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- 1997-03-04 JP JP04918197A patent/JP3666170B2/ja not_active Expired - Fee Related
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