JP3658222B2 - インクタンク、及び該インクタンクを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクなどの液体を吐出して記録を行なう液体吐出記録装置用のインクタンク及び該インクタンクを用いるインクジェット記録装置に関し、特に、大量のインクを消費するインクジェットプリントシステムに用いられる複数の結合部を有するインクタンク、及び該インクタンクを用いるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置に用いられるインクタンク(液体収容容器)は、インク消費時の交換を容易にするため、記録装置のインクタンク収納部であるインクタンクユニットに対して着脱自在に構成されている。インクタンクにはゴム栓などで栓をされたインク供給口が設けられ、単体で存在する場合のインク漏れなどを防止するとともに、インクタンクユニットにはインクタンクとの接続部に中空針等が設けられ、インクタンクのインク供給口と接続することで、インクタンクからのインクの供給を可能としている。
【0003】
このような構成のインクタンクをインクジェット記録装置に搭載させるインクタンクユニットの具体的な構成、及びインクタンクの結合の方法としては、例えば特開平01-141750号公報などに記載されているように、インクタンクのインク供給口を、インクタンクユニットに対する挿入方向前方に設け、インクタンクをインクタンクユニットに装着する方向と、インクタンクのインク供給口とインクジェット記録装置のインク供給経路との接続方向とを同一の方向とするものが知られている。このようなインクタンクユニットとインクタンクとの結合は、インクタンクのユニットへの位置決め及びインク供給口への中空針の挿入とが、ワンアクションで行われる。
【0004】
インクタンクのインクタンクユニットに対する挿入方向は、インクタンクの形状、大きさによって異なるが、上述の特開平01-141750号公報のように水平方向に挿入するものや、特開平09-076525号公報のように、鉛直方向上方から挿入するものがあるが、いずれの場合も針の挿入方向とインクタンクの挿入方向とが反対方向となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、印字デューティが高く、大量のインクを消費する大型のインクジェット記録装置においては、インクタンクの交換頻度を押さえるため、例えばインク収容量が200cc以上、より好ましくは500cc以上の大容量インクタンクを使用することが多い。
【0006】
このように容器が大型化すると、インクタンクユニットとの装着に関しても、容器が大型化したことに伴う以下のような特有の課題が生じる。
【0007】
すなわち、上述の容器は容器の大きさが大きいために、記録装置へ装着する際の位置決め位置を結合部から離れたところに設けると、確実な結合を実現するためには、容器を精度よく製造することが求められる。特に、インクの漏れ出し防止のために、大気連通口をインク供給口と同様にゴム栓などで封止し、記録装置に装着した時に、インク供給口と同様、中空針などをゴム栓に突き刺すことで外部と連通可能とするような場合などは、インクタンクと記録装置との結合箇所が複数箇所に増えるため、この要求が一層高まることになる。
【0008】
また、針の挿入方向とインクタンクのインクタンクの挿入方向とが反対方向の場合、仮にインクタンクが所定の位置からずれて固定されていると、針とインク供給口との接続が確実に行われない状態で結合部に余計な力がかかるため、結合部からインク漏れが生じたり、最悪の場合針が曲がってしまうなど結合部を壊す恐れがある。
【0009】
本発明者らは、上述の技術課題に対して、インクタンクの挿入動作の影響を受けないようインク供給針の挿入方向とインクタンクの挿入方向とを直交させるとともに、タンク全体の精度によらずタンク装着時の位置精度を高めるために、装置との結合部分の精度のみを高め、結合部で位置決めを行なうという、従来とは異なる観点からこの課題を解決したインクジェット記録装置及びインクタンクに関する発明を既に行なっている。本発明は、上述の発明を基礎として、発明者等による以下のより好ましい着想により想起されたものである。
【0010】
すなわち、容器を低価格で提供するために、インクタンク全体の精度を向上させることなく、より信頼性の高い装着及び結合動作を実現できるインクタンク及びインクジェット記録装置について検討した結果、針のタンクへの装着時に針の挿入による力を受けることになるインクタンクの底面について着目することで、製品によるばらつきの影響を受けにくいインクタンクを想起するに至った。
【0011】
本願発明の目的は、結合時の信頼性に関して、容器全体の製造ばらつきによる精度の影響を受けにくいインクタンク、及びそのインクタンクを用いるインクジェット記録装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のインクタンクは、インクを収納するインク収納部を備えたインクタンクにおいて、タンクを支持するための3つの突起部を備える底面部と、外部に前記インク収納部内のインクを導出するためのインク供給部と、を有するとともに前記底面部と対向する上面部と、前記底面部と前記上面部と隣接するとともにタンクの長手方向に一組の対向面を備える複数の側面部と、タンクの長手方向の一方の端部に把手部と、を備え、前記底面部の突起部のうち2つはそれぞれ前記側面部の対向面の近傍領域に対向して設けられるとともに、前記3つの突起部を結ぶ線上もしくはそれより内側の領域内に対向する上面部の領域内に前記インク供給部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明のインクタンクによれば、3点の突起部によりタンクを支持することで、針のタンクへの装着時に針の挿入による力をタンク底面全体で受けるのではなく、突起部で受けることができ、針の挿入に対して製品によるばらつきの影響を受けにくいインクタンクを提供することができる。
【0014】
上述のインクタンクにより本願の課題は解決できるものであるが、より好ましい条件として、以下の諸条件を満たすことにより、それぞれに記載されている特有の効果を有することができる。
【0015】
より好ましい条件の一つは、前記底面部は前記2つの突出部近傍が最底面となるような傾斜を備えるとともに、前記インク供給部から前記最底面に延在する供給管を備えることで、インクの使用効率を高めることが可能となる。
【0016】
また、前記3つの突起部を結ぶ線上もしくはそれより内側の領域内に対向する上面部の領域内に、前記インク収納部を外部に対して連通させるための大気連通部をさらに有するとともに、前記上面部は前記大気連通部を備える第一の突出部と、前記インク供給部を備え前記第一の突出部とは異なる第二の突出部と、インクタンクの種類を識別するための誤装着防止部と、を備え、前記誤装着防止部は前記把手部と対向するタンクの長手方向の他端部に設けられるとともに、前記誤装着防止部よりも上方に前記大気連通部及び前記インク供給口を備えることで、インクタンクの誤装着の防止を効果的に行うことができるとともに、インク供給部及び大気連通部を利用したインクタンクの位置決めを容易に行なうことができる。
【0017】
特に、前記底面部の突起部の残りの一つは、前記側面部の対向面から互いに等距離離れた中央部近傍に設けられるとともに、3つの突起部を結んで形成される3角形の、前記中央部近傍に設けられた突起部からの中線と対向する上面部の領域に、前記インク供給部及び前記大気連通部が設けられることで、針の挿入による力をより安定した位置で受けることができ、結合動作時の信頼性をより一層高めることができる。この場合、より好ましくは、前記中央部近傍に設けられた突起部は、前記把手部とは反対側の端部近傍に設けられていることが望ましい。
【0018】
また、前記3つの突起部を結んで形成される3角形の、前記中央部近傍に設けられた突起部からの中線上に、前記3つの突起部より突出量の小さいリブが設けられていることで、針の挿入による力を突起部で支持する際に、底面の変形により3点の位置がずれることをと防止することができる。
【0019】
本発明は、前述した第一及び第二の突起部を備えるインクタンクを搭載するインクジェット記録装置についても提供するものであり、本発明のインクジェット記録装置は、さらに、前記インクタンクの第一の突出部を固定するための前記インクタンクの装着方向と直交する第一の基準面と、前記インクタンクの第二の突出部を固定するための前記インクタンクの装着方向と平行な第二の基準面と、前記第二の基準面に前記第二の突出部を付勢するクリック部材と、前記第一及び第二の突出部とそれぞれ結合可能な第一及び第二の結合針と、該第一及び第二の結合針を前記インクタンクのインクジェット記録装置への装着方向と直交かつ前記第一及び第二の基準面と平行に所定の位置まで移動させる移動手段と、を備え、前記第一の突出部が前記第二の基準面と前記クリック部材とに囲まれる位置で前記インクタンクの記録装置への装着が完了することを特徴とする。
【0020】
上述のインクジェット記録装置によれば、インクタンクの装着方向と移動手段によるインク供給針の移動方向とが直交することにより、インクタンクの位置がずれやすいインクタンクの挿入方向に関して、インク供給針の影響を受けないので、結合がより確実になるほか、インクタンクの外部との接続部を上部に配置することが可能となるので、インク漏れなどを効果的に防止できる。また、記録装置との結合部である突出部により位置決めを行ない、インクタンクの底面部に設けられた突起部で針の挿入に対する力を受けることで、タンク全体の精度によらず、インクタンクとインクタンクユニットの結合部の位置精度を向上させるとともに装着及び結合の信頼性を高めることができる。そして、第一の突出部が前記第二の基準面と前記クリック部材とに囲まれる位置で前記インクタンクの記録装置への装着が完了することで、大型化したインクタンクに特有な装着方向側のがたつきに対し、結合に関与する突出部近傍でそのがたつきを抑えることができるので、より一層結合の信頼性を高めることができる。
【0021】
なお、本願発明における「インク」とは、インクジェット記録ヘッドから吐出される液体の総称であり、例えば記録紙へのインクの浸透性を向上させるために使用される処理液などのプリント性向上液なども含むものとして用いている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
まずはじめに、本願発明のインクタンクを搭載可能なインクジェット記録装置について図1を用いて説明する。図1は、本発明を適用可能な液体吐出記録装置の一実施形態である、インクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、互いに平行に配設された2本の主走査レール107には、ヘッドキャリッジ104及び供給キャリッジ105が矢印A方向に摺動自在に嵌合されている。ヘッドキャリッジ104には、記録信号に基づいてインクを吐出する吐出ヘッド部101が搭載されている。
【0025】
吐出ヘッド部101は、濃シアン、淡シアン、濃マゼンタ、淡マゼンタ、イエロー及びブラックの6色のインクに対応して、それぞれの色ごとに複数個ずつ配列されたノズルを有し、各ノズルにはそれぞれインク吐出用の熱エネルギーを発生する電気熱変換体が設けられている。吐出ヘッド部101内には、ノズルでの毛管現象によりインクが供給され、インクは吐出ヘッド部101のノズルが開口した面(以下、「ノズル面」という)でメニスカスを形成してノズルを満たした状態を保つ。また、吐出ヘッド部101は、吐出ヘッド部101を駆動するための駆動基板とともに、ヘッドカバー106で覆われている。吐出ヘッド部101の駆動基板は、フラットケーブル113を介して、この記録装置全体の動作を制御する制御基板等を収納する基板ボックス114と接続されている。
【0026】
一方、供給キャリッジ105には、吐出ヘッド部101にインクを供給するためのサブタンク103が搭載されている。サブタンク103の内部は各色インクに対応して6つの室に分けられており、それぞれの室が、対応する吐出ヘッド部101に樹脂製のチューブで接続されている。さらに、サブタンク103の下方には、サブタンク102に供給するインクを収容する6つのインクタンク102が後述するインクタンクユニット120内に保持されている。第一図では、インクタンクユニットの詳細な構造については省略している。
【0027】
インクタンク102はサブタンク103よりも大きな容量を有するものであり、本例の場合、500〜1000cm3のインクを収容することができる。各インクタンク102も、各色インクに対応するもので、それぞれ樹脂製のチューブによってサブタンク103の各室に接続されている。これにより、インクタンク2に収容されたインクはサブタンク103に供給されてサブタンク103内に保持され、さらにサブタンク103から吐出ヘッド部101に供給される。
【0028】
ヘッドキャリッジ104及び供給キャリッジ105は、それぞれタイミングベルトに結合され、主走査モータ108によってタイミングベルトを回転させることで、矢印A方向に往復走査される。吐出ヘッド部101のノズルに対向する位置には、プラテン109が設けられる。記録紙115は、プラテン109上を矢印B方向に搬送される。記録紙115の搬送は、ヘッドカート部の一走査ごとに所定のピッチで間欠的に行われ、この間に吐出ヘッド部101からインクを吐出して記録が行われる。
【0029】
また、吐出ヘッド部101の走査領域内で、かつ、記録紙115への記録領域外には、吐出ヘッド部101のインクの吐出特性を良好に維持するためのヘッド回復系110が、吐出ヘッド部101と対向して配置されている。ヘッド回復系110は、吐出ヘッド部101をキャッピングするキャップ117と、吐出ヘッド部101のノズル面を清浄にするためのブレード111とを有する。吐出ヘッド部107がキャップ117と対向するときの吐出ヘッド部101の位置を、ホームポジションという。
【0030】
次に、本願発明のインクタンクに好適な、液体吐出記録装置のインクタンクを収容する保持手段としてのインクタンクユニットについて図2〜図5を用いて説明する。図2及び図3は、本発明のインクタンクユニット全体を説明するための説明図であり、図2はインクタンクユニット20の正面図、図3は側面断面説明図である。また、図3に示すインクタンクの構造のうち、要部を図4に示し、図3のA−A断面図及びB−B断面図をそれぞれ図5(a)及び図5(b)に示す。
【0031】
本実施形態のインクタンクユニット20は、インクタンク1を1個あるいは複数個(ここでは6個収納する場合を例にとる)収納する。インクタンクユニット20の筐体底部には底板プレート21、上部には上面プレート24が設けられ、これらは各々の両端を左シャーシ22、右シャーシ23によってつながれている。底板プレート21、上面プレート24の間には中央プレート25が左シャーシ22、右シャーシ23間に渡され、後述するリアシャーシ32などとともに筐体の剛性を高めている。
【0032】
26はインクタンク1の底部を案内する下ガイドで、27は上部を案内する上ガイドである。下ガイド26のインクタンクが収納される凹部の右側には後述する第二の基準面へ付勢する第二の付勢手段としても機能するタンク付勢バネ28、29が設けられ、インクタンク1を左側に押しつけてインクタンク1の下部の位置決めが行なわれる。隣接するインクタンク収納部間はフロントガイド30によって仕切られ、操作者が、インクタンク1を挿入するときに、挿入場所が一目でわかるようになっている。
【0033】
31はタンクロックレバーであり、インクタンク1が収納されていない状態では上方に持ち上げられているが、インクタンク1を挿入した後、操作者が下方に押し下げてインクタンク1が引き抜かれないようにロックすることができる。
【0034】
このように、複数色を収納するインクタンクユニットに対し、インクタンクは、その長手方向と、インクタンクユニットへの挿入方向とが一致することで、スペースの効率を高めている。
【0035】
このタンクロックレバー31は、主に操作者が操作するレバーグリップ33とレバー本体34から構成される。タンクロックレバー31は、レバー支持部材35に設けられたレバー軸36を中心に回動可能に支持されている。レバー支持部材35は中央プレート25に固定されている。レバー本体34のレバーグリップ33と反対側の端部34aと、左シャーシ22、右シャーシ23間に設けられたバネフック37の間には、引っ張りバネ38が設けられている。したがって、タンクロックレバー31は、レバー軸36を中心に常に時計回り方向に付勢され、インクタンク1を挿入していないときには、フロントガイドの突き当て部30aに当たった状態で保持されている。
【0036】
41,42はそれぞれ管状で先端が細くとがった針で、針41はインクタンク1のインク供給口部と接続し、タンク内のインクを吸い上げるために設けられたインク供給針であり、針42はインクタンク1の大気連通部と接続し、タンク内を大気に連通させるために用いられる大気連通針である。それぞれの針41,42は針ホルダ43によって保持されており、針ホルダ43は中央プレート25に植設された円柱状のガイド軸44,45に沿って移動可能である。
【0037】
針ホルダ43の両側には一対のピン46とその外側で回動可能なコロ47が設けられており、このコロ47が、レバー本体34の両側に設けられた軸受部材49にはめ込まれている。このような構成により、タンクロックレバー31を押し下げることで、針ホルダ43および針41,42を下降させることができる。
【0038】
針41,42は針ホルダ43内でL字に曲げられ、ゴム製の針ジョイント60によって各々チューブ61,62につながっている。チューブ61は、サブタンク側からのインクの逆流を防止するための逆止弁63、チューブ64を介してサブタンクとつながっている。なお、チューブ64の途中にはインク送液用のポンプが設けられている。チューブ62はリアシャーシ32の後方まで這い回されてチューブ端部が大気に開放されている。したがって、ポンプを動作させると逆止弁63が開き、インクタンク1内のインクがサブタンクへ送られ、そのかわりチューブ62を通って空気がインクタンク1内へ補給される。
【0039】
下ガイド26のインクタンク収納部の中央にはインクタンクの入り口から奥側にかけて傾斜溝65が設けられており、さらに奧側にはインクタンク1の並び方向につながったインク吸収体66が設けられている。インク吸収体66は少なくともインクタンク1個分のインクが吸収できるようになっており、万が一インクタンク1が破損してインクが漏れだしたとしてもユニット外へインクが溢れることはない。傾斜溝65の角度は漏れだしたインクが速やかに吸収体66方向へ流れるように本実施例では1.5°となっている。
【0040】
72はレバーロック部材で支持軸73を中心に揺動可能に支持され、トーションスプリング74によって時計方向に付勢されている。インクタンク1が収納されていない場合には、レバーロック部材72は、突き当て部72aが中央プレート25に突き当たった状態(図2参照)で保持されており、レバーロック部材72の上部の端部72bは、レバー本体34の開口部34bを貫通している。従って、この状態でタンクロックレバー31を押し下げようとすると、レバー本体34の折り曲げ部34cがレバーロック部材72の肩部72cに当たり、これ以上タンクロックレバー31は下がらない。
【0041】
75は検出プレートで、支持軸76を中心に回動可能に支持され、トーションスプリング77によって反時計方向に付勢されている。検出プレート75の当接部75aは針ホルダ43に植設されたホルダピン78に当接しており、針ホルダ43が下降し所定の最下位位置まで下がると反時計方向へ回転し、突出部75bがマイクロスイッチ79の検出部79aを押し、針41,42の所定位置への移動を検出する。
【0042】
81は針41をインクタンク1から抜いたときに針41に付着したインクをふき取る吸収体で、吸収体押さえ82によって保持されている。83はレバー本体34に設けられた凸部材で、中央プレート25に固定された凹部材84と係合する。凸部材83と凹部材84はともにポリアセタール、ポリプロピレンなどのバネ性を有する材料で作られ、タンクロックレバー31を押し下げると係合し、その位置にタンクロックレバー31を保持でき、所定以上の力で引き上げるとその係合を解除できるものである。また、レバー本体にはタンクの付勢手段としての板バネ85、ローラ86、及び回転軸87が設けられている。板バネ85は一端がレバーグリップ33に固定され、他端にはアイドラーのローラ86と回転軸87が設けられている。
【0043】
ストッパ91は中央プレート25から上方に植設された回動軸92を中心に回動可能で、トーションスプリング93によって、反時計方向に付勢されている(第5図(a)参照)。インクタンク1が収納されていないときには針ホルダ43の脚部43aの下方にストッパ91がちょうどあるため、針ホルダ43はこれ以上下降できないようになっている。
【0044】
94はクリック部材で中央プレート25から下方に植設された回動軸95を中心に回動可能で、圧縮バネ96によって、時計方向に付勢されている(第5図(b)参照)。
【0045】
また、27cは、第一の基準面としての突き当て面、27bは第二の基準面としての突き当て面であり、それぞれ上ガイド27に設けられている。第一の基準面と第二の基準面とは直交しており、第一の基準面は、インクタンクの挿入方向と直交する。従って、第二の基準面は、インクタンクの挿入方向及び針の移動手段としての針ホルダ43の移動方向の双方に平行になっている。また、クリック部材94によって、後述するインクタンクの突出部としてのインク供給口部及び大気連通部は前記突き当て面27b及び27cに当接される。このようにすることで、第一キャップのbb方向への移動可能両域を図5(b)に示すddにすることができる。
【0046】
また、本実施例では、クリック部材94は、その高さ方向については、端部94aでは後述するタンクに設けられた円筒2aに相当する部分のみ設けられており、アーム部94bでは、後述するタンクに設けられた円筒2a及び2bの双方に相当する部分に設けられている。従って、後述する第一の突出部が端部94aを通過する際には、クリック部材はクリック動作を行なわないようになっている。
【0047】
本実施例では、インクタンク1の挿入時に、クリック部材94が第一の突出部に対してはクリック動作を行なわず、第二の突出部に対してのみクリック動作を行うことで、タンクが所定の位置に位置決めされたことをユーザは1回のクリック動作でより一層容易に確認することができる。また、本実施例では、移動可能量ddは、クリック部材のアーム部と第一の突出部の円筒2aとの距離となるので、移動量を規制し、安定した結合を実現することが可能となる。
【0048】
このように、大型容器においてはインク供給口部により結合部の位置決めを行うことで、位置決めの精度を高めることができる。また、ユーザはこの変化をクリック感として容易に検知することができるので、挿入が確実に行われたことを確認することができる。また、挿入方向に複数の突出部を有するインクタンクを結合する場合、インクタンクの挿入方向と直交する第一の基準面に対しては挿入方向前方の突出部を当接させ、第一の基準面と直交する第二の基準面に対しては、複数の突出部を当接させて位置決めを行うことで、複数色を使用するインクジェット記録装置において、スペースの無駄をとることなく挿入方向に対するがたつきを押え、より確実な結合を実現することができる。
【0049】
本願発明のインクタンクは上述した記録装置及びインクタンクユニットに好適に利用されるものであり、その具体的な構成について、以下の実施例1及び2で説明する。
【0050】
(第一実施例)
図6は本発明の第一実施例のインクタンクを説明するための説明図であり、(a)はメインタンクユニットの針との接続部を上面にした時(使用時姿勢)の立体斜視図、(b)はインクタンクの底面部を説明するための立体斜視図である。
【0051】
インクタンク1は、剛性のある筐体内部に直接インクなどの液体を収容可能であり、筐体は底面部と、底面部と対向する面部(上面部)9と、底面部と上面部とに隣接し、タンクの長手方向に一組の対向面を備える複数の側面部4と、を備えている。
【0052】
本実施例の上面部9は、段差を有する平面部9a、9b,9cを備えており、インクタンクに接合された時に最も底面から離れる平面部9aに、筐体内部に大気を導入するための大気連通口12を有する第一の突出部2と筐体内部の液体を外部に導出するためのインク供給口13を有する第二の突出部3が設けられている。平面部9aに隣接し、平面部9aより一段低い平面部9bには、第二の誤装着防止部10c及び10dが設けられ、平面部9bより更に一段低く、前述したインクタンクユニットへの装着方向前方の端部となる平面部9cには、第一の誤装着防止部10a及び10bが設けられている。
【0053】
本実施例では、第一の突出部2は、第二の突出部3より径の小さい円筒2aと、第二の突出部3と同じ径の円筒2bとが同心円的に配置されており、その高さは第二の突出部と同じになっている。また、本実施例では第一の突出部及び第二の突出部の配置は、インクタンクの挿入方向から見ると、第一の突出部及び第二の突出部の中心軸がほぼ一致した形で、第一の突出部が手前にくるように配置されている。
【0054】
ここで、インク供給口及び大気連通口を底面と対向する面に備え、前述したメインタンクユニットの針が上方から挿入されることで、万一結合時に不確実な結合が行なわれたとしても、結合部からインクが漏れ、インクタンクユニットを汚すことがない。大気連通口12及びインク供給口13はそれぞれ突出部内のゴム栓(不図示)により密閉されており、内部の液体が不用意に外部に漏れ出ないようになっている。
【0055】
また、インクタンクの挿入方向前方の端部に設けられている第一の誤装着防止部には、爪部10bが4箇所、爪部を保護するようにインクタンクの長手方向(インクタンクのインクタンクユニットへの装着方向)に平行な保護壁10aが設けられ、爪部の不要部分を取り除くことによってインクタンクユニットにおける誤装着の防止を行っている。本実施例では第一の誤装着防止部の4ヶの爪のうち、3ヶの爪を取り除くことで4種類のインクタンク種に対応できるようになっている。第二の誤装着防止部には、前述の第一の誤装着部と同様、爪部10dと保護壁10cが設けられている。本実施例では第二の誤装着防止部の爪部は2列にわたって6箇所設けられ、このうち合計3ヶの爪を取り除くことで20種類のインクタンク種に対応している。本実施例では、誤装着防止部の組み合わせによって80種類(20×4)のインクタンク種に対応できるようになっているが、誤装着防止部の爪部の数は、上述した数量に限定されるものではなく、要求されるタンク種の必要数量にあわせ、自由に選択することができる。
【0056】
なお、上述した平面部9bと平面部9cは平面部9aより図6(a)に示す状態で低い位置にあるが、本実施例の平面部9b及び平面部9cの側面部には、平面部9aとほぼ同じ高さとなる側壁14が形成されている。誤装着防止部10a,10b,10c,10dはそれぞれ図6(a)に示す状態で、側壁と同じ高さか、それより低く形成されているので、操作者が万一誤ってインクタンクを落下させてしまった場合でも、第一、第二の誤装着防止部はこの側壁14により保護される。
【0057】
また、第一の誤装着防止部は第二の誤装着防止部に比べて一段低い面に形成されているため、第二の誤装着防止部を識別するためのインクタンクユニット側の識別部材の凸形状が第一の誤装着防止部に対して干渉することがない。また、第二の誤装着防止部は第一の突出部及び第二の突出部に比べて一段低い面に設けられているので、インクタンクの位置決め及び結合のためのインクタンクユニットの基準面や結合部が第二の誤装着防止部に干渉することがない。したがって、スムーズにインクタンクを挿入することができるとともにインクタンクの高さ方向のスペースを効率的に利用することで、幅方向(インクタンクの挿入方向と直交する方向)を大きくすることなく、多数の種類のインクタンクの識別、すなわち、色による違いの識別や、搭載される記録装置の違いの識別などを可能にすることができる。本実施例では、誤装着防止部を2段にわたって設けたが、識別するインクタンクの種類が少ない場合は、1段のみ設けてもよい。
【0058】
一方、底面と対向する面の第二の突出部側(挿入方向後方)にはそれぞれの突出部の開口部の端面の高さより高い傾斜面が設けられるとともに、落下の際に前述の第二の突出部3の破損を防止するための保護用リブ5が設けられている。そして、傾斜面の高い方の端部(挿入方向後方の端部)は、インクタンクをメインタンクユニットのレバーに固定させるための垂直面部6を有している。垂直面部6は、底面に対し、ほぼ直交する面となっており、第一の突出部及び第二の突出部の柱状の部分と平行になっている。垂直面部の下端は、第一の突出部及び第二の突出部の柱状の部分より鉛直方向やや下方まで延在し、上端は第一の突出部及び第二の突出部の開口部より上方まで延在している。
【0059】
ここで、第二の突出部の高さは、第一の突出部の大気連通口を有する面と垂直面部上部とを結ぶ線より下方に位置するようになっている。従って、仮にタンクを落下させたとしても、第二の突出部は地面に直接接することはないので、落下により第二の突出部が破壊されることはない。このように、本実施例のインクタンクでは、インクタンクのインク供給口を保護することで、後述するインクタンクを搭載可能な記録装置との結合をより確実に行なうことを実現している。なお、上述の保護用リブは、必ずしも必須の構成ではないが、リブを設けることで第二の突出部の保護をより確実に行なうことができる。
【0060】
この垂直面部の下方には、それぞれ筐体を貫通する貫通穴により垂直面部から突出した把手部7及び引掛け穴15が設けられており、それぞれ持ち運び時やインクタンクユニットからタンクを取り外す際にユーザのハンドリング性を向上させている。本実施例では、これら把手部及び引掛け穴部はインク収容可能な筐体内部と連通する中空体で構成されており、これらの中にも液体を充填することができるので、その分インクタンクのインク収納量を増大させることが出来るようになっている。
【0061】
次に、本実施例の底面部の形状について説明する。
【0062】
本実施例では、図6(b)に示すように、底面部は突起部11a,11b,14と、突起部より突出量の小さい補強リブ8と、を備えている。ここで、突起部11a、11bは、側面部4の対向面近傍に対向して設けられ、突起部14は、側面部の対向面から互いに等しい距離離れた中央部の、インクタンクの挿入方向前方の端部に設けられている。補強リブ8は側面部の対向面から互いに等しい距離離れた中央部の、突起部14から突起部11a,11bが設けられている位置の近傍まで延在している。
【0063】
なお、本実施例のインクタンクはブロー成形により製造されているため、成形時のバリが突起部に残らないように突起部14の中央部14bは突起部14a、14bに対して凹んでいる。ただし、14aと14bとの距離は11aと11bとの間の距離よりも近いため、一つの突起部14として扱うことができる。
【0064】
ここで、本発明のインクタンクでは、図7(a)のインクタンクの上面図に示すように、3つの突起部14,11a,11bを結ぶ線の内部の領域(3角形を形成する)に対向する上面部の領域内に、大気連通口12及びインク供給口13が設けられている。特に、本実施例の場合、突起部14は側面部の対向面から互いに等しい距離離れた中央部の、インクタンクの挿入方向前方の端部に設けられており、インクタンクは突起部14からの中線を通る切断面(図7(a)の一点鎖線で示される)に対して誤装着防止部を除いて対称となっている。そして、大気連通口12及びインク供給口13はこの切断面上にその中心部を有している。
【0065】
さらに、本実施例のインクタンクは、把手部にもインクを収容可能となっているが、インクの収容の有無に関わらず、図6(a)に示す使用時の姿勢では、インクタンクの重心は、上面部から見ると図7(a)に示す3つの突起部で形成される領域内に位置している。
【0066】
また、本実施例のインクタンクは、ブロー成形により製造されているので、図7(b)に示す側面図に点線で示すように、タンクの内面形状は誤装着防止部や大気連通部、インク供給口部を除いて、筐体の内面は外面と対応した形状になっている。本実施例の場合、底面部のうち把手部及び補強リブが設けられている領域は、その内部に傾斜面が形成されており、突起部11a及び11bが設けられる領域近傍が最底面となっている。
【0067】
なお、図7(b)に示すように、インク供給口には筐体内を底部近傍まで延在するチューブ18が設けられており、図6(a)に示す姿勢においても、インク供給口と接続され外部から吸引されることで、筐体内部に収納された液体を確実に外部に導出し、インク残りを少なくすることが可能となっている。
【0068】
次に、本実施例におけるインクタンクのインクタンクユニットへの装着、及び結合動作について説明する。
【0069】
まず、インクタンク1を上ガイド27と下ガイド26にガイドされた状態にて図3に示す、J方向へ挿入する。すると、インクタンク1は、下ガイド26に取り付けられた、タンク付勢バネ28により下ガイド26、上ガイド27に設けられた基準面(不図示)に押し付けられ、インクタンク1の挿入方向と直交する方向における、インクタンクユニット20に対する位置が決まる。すなわち、基準面に押し付けることにより、着脱動作中及び装着完了後のインクタンクの揺動(インクタンク1の挿入方向と直交する方向)を防止することができる。
【0070】
さらにメインタンク1をメインタンクユニット20へ挿入していくと、凸形状の識別部材(不図示)により、この凸形状に対応する部分の爪を取り除いたインクタンク以外のインクタンクの挿入を防止する。このようにインクタンクのインク供給口がインクタンクユニット内に入る前にこの識別部材と誤装着防止部とによって、インクタンクの誤装着を確実に防止することができる。一方、第1の針の移動防止手段としてのロックレバーの解除がタンクの挿入により行われる。
【0071】
このように、第1の針の移動防止手段としてのロックレバーを解除をタンクの挿入により行うことにより、タンク挿入動作以外の余計な動作をユーザに強いることなく、タンク以外のものが挿入された場合の誤動作を防ぐことができる。従って、ユーザが不用意にメインタンクユニット内に手を入れたとしても、針により手を傷つけることはない。このように本実施例ではタンクの側面を基準面に当接させ、さらに誤装着防止部材による誤装着の確認を行なうまではレバーの押し下げすら禁止する構成となっており、確実な誤装着検知後に第1の針の移動防止手段を解除することになるので、異なる種類のタンクを誤って装着することがない。
【0072】
さらにメインタンク1をメインタンクユニット20へ挿入していくと、前述のクリック部材により第一及び第二の突出部が位置決めされる。このように大型容器においてはキャップにより結合部の位置決めを行うことで、位置決めの精度を高めることができる。また、ユーザはこの変化をクリック感として容易に検知することができるので、挿入が確実に行われたことを確認することができる。
【0073】
このクリック部材によるインクタンクの位置決めと同時に、インクタンク1の第1の突出部がストッパ91の舌部204を押し、ストッパ91は、回動軸92を回動中心として回動することで、針ホルダ43のロックが解除され、針ホルダ43は、中央プレート25の穴を通過することが可能となる。
【0074】
従って、ユーザはクリック感があれば第2の針の移動防止手段としての針ホルダのロックが解除されるので、後述する針の結合動作を安心して行うことができる。このようにクリック部材によるクリック感を第2の針の移動防止手段の解除と兼ねるためには、本実施例のようにクリック部材の回動によりインクタンクの挿入が促進される状態になる前は、針ホルダのロックの解除動作は行われない方が望ましい。
【0075】
本実施例では、第1の針の移動防止手段としてのレバーロック部材72及び第2の針の移動防止手段としてのストッパ部材91という2部材により針ホルダのロックを行なっている。従って、万一誤ってユーザがインクタンクユニット内に手などを挿入し、レバーロック部材を解除してレバーを押し下げようとしても、針ホルダに設けられた針により怪我をすることはないと同時に、異物がインクタンクユニット内に挿入された場合の、針の保護を行なうことができる。また、針の移動防止手段を1つだけ設ける場合には、本実施例のストッパ部材91のように、針の挿入位置に近い所で行うことが、確実な挿入を実現するために望ましい。また、本実施例のように針の移動防止手段を2箇所設けることで、一方の解除手段は針の挿入位置近くでなくてもよいため、解除手段の強度を高めることができる。また、インクタンクのキャップによる位置決めが完了した状態では、図5(b)に示すように第一の突出部は、クリック部材と横方向基準面27bとに囲まれており、第一の突出部とクリック部材との間の隙間はddで示されている。従って、インクタンク1がユーザにより不図示のタンク付勢バネ28の付勢力に抗して図5(b)に示したbb方向に移動しようとしても、ddで示された隙間分しか移動することができず、ddの寸法をクリック部材の形状により小さくすることで、インクタンク1のbb方向への移動量を規制し、安定した結合を実現することが可能となる。
【0076】
このように、インクタンクのキャップによる位置決めが確実に行なわれた後に、レバーを押し下げることによりメインタンクが固定保持されると共に不図示のインク供給経路との接続が行なわれる。図8及び図9はレバーの押し下げ動作を時系列的に示すメインタンク及びメインタンクユニットの側面断面図である。
【0077】
タンクロックレバー31を押し下げると、針ホルダ43がガイド軸44,45に沿って下降し針41,42も下降する。このときレバーロック部材72は、メインタンク1の上部によって支持軸73を中心に反時計方向に回転し、肩部72cがちょうど開口部34bに対応する位置にくるのでレバーロック部材72はタンクロックレバー31の押し下げの妨げとはならない。図8の位置よりさらにタンクロックレバー31を押し下げると折り曲げ部34cがレバーロック部材72を押してレバーロック部材72をさらに反時計方向に回転させる。
【0078】
図8の位置ではローラ86はメインタンク1の垂直面部6の上部に接する位置にくる。タンクロックレバー31を押し下げるとき、仮にメインタンク1が最後まで挿入されずにわずかに手前側に位置していたとしても(例えばクリック部材によるタンク引き込み動作中の位置)、この付勢手段としてのローラ86が板バネ85により回転しながらメインタンク1を奥側に押し込むため、メインタンクが所定の位置にきていないまま、針41,42が挿入されることはない。もちろん、針41,42がそれぞれ第1キャップ2、第2キャップ3に接触する前にメインタンク1の位置が補正されるように、ローラ86はロックレバーの下端部に配置され、垂直面部の上端は2つのキャップ部材の柱状部より上に配置されている。
【0079】
図8の位置よりさらにタンクロックレバー31を押し下げると、針41,42がメインタンク1のインク供給口及び大気連通口のゴム栓(不図示)のほぼ中央に挿入され、貫通する。図9はタンクロックレバー31が最後まで押し下げられた状態の図である。タンクロックレバー31が最後まで押し下げられると凸部材83と凹部材84が係合して、タンクロックレバー31は引っ張りバネ38の付勢力に抗して、この位置で保持される。このとき針ホルダ43のホルダピン78に接した検出プレート75は、針ホルダ43が下降するにつれ支持軸76を中心に反時計方向へ回転し、針ホルダ43が最下位位置まできたとき、つまり針41,42が最下位位置まできたときに、突出部75bがマイクロスイッチ79の検出部79aを押す。このマイクロスイッチ79は例えばポンプの駆動回路につないで、マイクロスイッチ79が押されたとき、つまり針41,42が所定の位置まで下降したときにのみ、ポンプが動作してメインタンクからのインク吸引が可能となる。
【0080】
このとき、ロックレバーのローラは、図9に示すように垂直面部の端部、2つのキャップの柱面の位置と同等もしくは重力方向やや下方に位置して固定されている。本実施例のようにタンクを挿入方向に付勢する場合、タンクの位置決め位置であるキャップの柱面を支点として、付勢力によりモーメントが発生する恐れがある。このとき、図8、図9に示す断面図において、反時計まわりのモーメントは、タンクホルダーの底面プレートにより受け止めることができるが、時計まわりのモーメントは、受け止める部分がないので位置ずれが起こる恐れがある。しかし、本実施例では上記構成をとることにより、上方へのモーメントを発生させないようになっているので、位置ずれが起きないようになっている。
【0081】
上述の実施例では、3つの突起部14,11a,11bを結ぶ線の内部の領域(3角形を形成する)に対向する上面部の領域内に、大気連通口12及びインク供給口13が設けられていることで、針41、42が挿入の際に発生する挿入力を、底面全体ではなく前述した3つの突出部11a、11b及び14で確実に受けることができる。従って、針の挿入時のインクタンクの変形を最小限に抑えることができるとともに、針の挿入に対してインクタンクの製品によるばらつきの影響を受けにくいので、針の変形や曲がりをより一層防止することができる。
【0082】
特に、本実施例の場合、突起部14は側面部の対向面から互いに等しい距離離れた中央部の、インクタンクの挿入方向前方の端部に設けられており、インクタンクは突起部14からの中線を通る切断面(図7(a)の一点鎖線で示される)に対して誤装着防止部を除いて対称となっている。そして、大気連通口12及びインク供給口13はこの切断面上にその中心部を有している。このような配置とすることで、インクタンクの結合時の安定性をより一層優れたものとしている。
【0083】
なお、インク供給口及び大気連通口の位置は、前述の突起部の領域内と対向する領域上であれば、線上と対向する領域にあっても構わない。本実施例の場合、インク供給口と対向する領域の近傍に突起部11a,11bを対称に設けているので、結合時に受ける力をより安定的に受けることができる。
【0084】
さらに、本実施例では、補強リブ8を設けているため、針の挿入による挿入力を突起部で受ける際に、突起部の相互の位置が変形により変化することを防ぐとともに、インクタンクのインクタンクユニットへの挿入時に、突起部が引っかかることによる装着のミスを防止することができる。
【0085】
(第二実施例)
図10(a)及び(b)に第2実施例のインクタンクの斜視図を示す。上記第一実施例では、結合部が上面部に対して突出しているものについて説明したが、本実施例では、逆に上面部に凹部を設け、凹部内に突出部を設けることで、突出部の高さを上面部の高さと同じにしてもよい。
【0086】
図10(a)に示すインクタンク300では、インク供給口303、大気連通口302のそれぞれを一つの突出部301内に設けた場合、図10(b)に示すインクタンク350は、それぞれ対応する2つの突出部352,353を設けた場合を示す。このような形状の場合、インクタンクとしては略直方体形状に近くなるので、輸送時などのスペース効率に優れるという利点がある。
【0087】
この場合、対応するインクタンクユニットは、それぞれ突出部周囲の凹部を利用してクリック感を作用させ、突出部外周を位置決めに利用すればよい。なお、ブロー成形で製造する場合、それぞれ突出部については、キャップ状にして複数部材で製造してもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、3点の突起部によりタンクを支持することで、針のタンクへの装着時に針の挿入による力をタンク底面全体で受けるのではなく、突起部で受けることができ、針の挿入に対して製品によるばらつきの影響を受けにくいインクタンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な液体吐出記録装置の一実施形態である、インクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明のインクタンクを搭載可能なメインタンクユニットの正面図である。
【図3】本発明のインクタンクを搭載可能なメインタンクユニットの側面断面説明図である。
【図4】図3に示す本発明のインクタンクを搭載可能なメインタンクユニットの要部を説明するための側面断面図である。
【図5】(a)及び(b)はそれぞれ図2に示す本発明のインクタンクを搭載可能なメインタンクユニットのA−A断面図及びB−B断面図である。
【図6】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の第1実施例のインクタンクを説明するための立体斜視図である。
【図7】(a)は本発明の第1実施例のインクタンクの上面図、(b)は本発明の第1実施例のインクタンクの側面図である。
【図8】レバーの押し下げ動作を示す第1実施例のインクタンク及びメインタンクユニットの側面断面図である。
【図9】レバーの押し下げ動作を示す第1実施例のインクタンク及びメインタンクユニットの側面断面図である。
【図10】(a)、(b)のそれぞれは、本発明のインクタンクの第2の実施例を説明するための立体斜視図である。
【符号の説明】
1 インクタンク
2 第1の突出部
3 第2の突出部
6 垂直面部
7 把手部
10a、10b、10c、10d 誤装着防止部
11a,11b,14 突起部
12 大気連通口
13 インク供給口
20 インクタンクユニット
34 レバー
72 レバーロック部材
85 板バネ
86 ローラ
94 クリック部材
100 インクジェット記録装置
101 吐出ヘッド
Claims (9)
- インクを収納するインク収納部を備えたインクタンクにおいて、
タンクを支持するための3つの突起部を備える底面部と、
外部に前記インク収納部内のインクを導出するためのインク供給部と、を有するとともに前記底面部と対向する上面部と、
前記底面部と前記上面部と隣接するとともにタンクの長手方向に一組の対向面を備える複数の側面部と、
タンクの長手方向の一方の端部に把手部と、を備え、
前記底面部の突起部のうち2つはそれぞれ前記側面部の対向面の近傍領域に対向して設けられるとともに、前記3つの突起部を結ぶ線上もしくはそれより内側の領域内に対向する上面部の領域内に前記インク供給部が設けられていることを特徴とするインクタンク。 - 前記底面部は前記2つの突出部近傍が最底面となるような傾斜を備えるとともに、前記インク供給部から前記最底面に延在する供給管を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
- 前記3つの突起部を結ぶ線状もしくはそれより内側の領域内に対向する上面部の領域内に、前記インク収納部を外部に対して連通させるための大気連通部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
- 前記上面部は前記大気連通部を備える第一の突出部と、前記インク供給部を備え前記第一の突出部とは異なる第二の突出部と、インクタンクの種類を識別するための誤装着防止部と、を備え、
前記誤装着防止部は前記把手部と対向するタンクの長手方向の他端部に設けられるとともに、前記誤装着防止部よりも上方に前記大気連通部及び前記インク供給口を備えることを特徴とする請求項3に記載のインクタンク。 - 前記底面部の突起部の残りの一つは、前記側面部の対向面から互いに等距離離れた中央部近傍に設けられるとともに、3つの突起部を結んで形成される3角形の、前記中央部近傍に設けられた突起部からの中線と対向する上面部の領域に、前記インク供給部及び前記大気連通部が設けられることを特徴とする請求項3に記載のインクタンク。
- 前記中央部近傍に設けられた突起部は、前記把手部とは反対側の端部近傍に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクタンク。
- 前記3つの突起部を結んで形成される3角形の、前記中央部近傍に設けられた突起部からの中線上に、前記3つの突起部より突出量の小さいリブが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクタンク。
- 請求項4に記載のインクタンクを着脱自在に搭載し、前記インク収容部内のインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置において、
前記インクタンクの第一の突出部を固定するための前記インクタンクの装着方向と直交する第一の基準面と、
前記インクタンクの第二の突出部を固定するための前記インクタンクの装着方向と平行な第二の基準面と、
前記第二の基準面に前記第二の突出部を付勢するクリック部材と、
前記第一及び第二の突出部とそれぞれ結合可能な第一及び第二の結合針と、
該第一及び第二の結合針を前記インクタンクのインクジェット記録装置への装着方向と直交かつ前記第一及び第二の基準面と平行に所定の位置まで移動させる移動手段と、を備え、
前記第一の突出部が前記第二の基準面と前記クリック部材とに囲まれる位置で前記インクタンクの記録装置への装着が完了することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記針の移動手段に、インクタンクが装着されるまで前記移動手段による第一及び第二のインク供給針の移動を防止する移動防止手段が備えられるとともに、該移動防止手段は前記インクタンクの記録装置への装着が完了することで解除されることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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