JP3651708B2 - モータ速度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ速度制御装置に関し、詳細には、速やかに、かつ、安定して目標速度に制御するモータ速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータの速度制御方式としては、いわゆる位相同期制御方式(PLL制御方式)が知られており、このPLL(Phase Locked Loop )制御方式は、一定の周波数の基準信号と、モータの速度に比例したエンコーダパルス等の速度信号と、の位相差を位相比較器により検出して、その位相差に比例した制御量(例えば、電圧)をフィードバックすることにより、モータの速度制御を行うものである。
【0003】
ところが、PLL制御でのみモータの制御を行うと、定トルク加速を行うことができず、加減速時間が長くなるだけでなく、使用する位相比較器によっては、基準信号の周波数の整数倍あるいは整数分の1の周波数でも位相がロックして、目標速度に適切に制御することができないという問題があった。
【0004】
そこで、モータの回転速度を検出するエンコーダの周波数誤差をフィードバックする制御方式を併用するのが、従来からの一般的なモータ制御方法である。
【0005】
具体的には、エンコーダの検出信号を周波数/電圧変換(F/V変換)し、このF/V変換した電圧と、目標速度に対応する電圧と、比較して、フィードバックするアナログサーボ速度制御をPLL制御に併用することが行われている。
【0006】
この制御方式によると、周波数同期過程、すなわち、モータの速度が目標速度に到達するまでの過程においては、PLL制御方式により周波数誤差制御方式のフィードバック量が大きくなるようにゲインを設定して、速度を周波数誤差制御方式により目標速度に加減速し、その後、位相同期過程においては、周波数誤差制御方式の出力が一定になるので、PLL制御方式のフィードバック量が相対的に大きくなって、位相同期状態、すなわち、位相ロック状態に入る。
【0007】
また、従来、周波数同期過程と位相同期過程で、制御系を切り換えるモータ速度制御方式がある。すなわち、モータの速度制御においては、周波数同期過程では周波数誤差制御方式が、位相同期過程ではPLL制御方式が、適切な制御を行うことができるので、周波数同期を判別して、それぞれ制御系を切り換えて制御している。
【0008】
ところが、一般に基準信号と速度信号(すなわち、エンコーダ信号)の位相は相互に何等制約がなく、上記制御系を切り換える制御方式において、PLL制御方式に切り換えた直後の基準信号の位相と速度信号の位相とに位相差が発生することがあるが、この位相差があると、その位相差によっては、位相同期が速やかに完了しない場合があり、応答が遅くなり、目標速度に安定するまでに時間がかかるという問題があった。
【0009】
この問題に解決するものとして、従来、特開平5−292776号公報に記載された直流モータ速度制御装置が提案されている。
【0010】
この直流モータ速度制御装置は、モータを加速させる手段と、検出されたモータの速度信号と基準信号との位相誤差信号に基づいてモータの速度を制御する第1の制御手段と、前記速度信号と基準信号との周波数誤差信号に基づいてモータの速度を制御する第2の制御手段とを備え、前記モータを加速させる手段によりモータの速度を加速し、目標速度に到達したら前記モータを加速させる手段から第1、第2の制御手段の出力信号の加算信号による制御、あるいは第1の制御手段の出力信号のみによる制御に切り換える直流モータ速度制御装置において、モータの速度が目標速度に到達した場合に、前記第1の制御手段に対して速度信号と位相が一致し、かつ、目標速度に対応した周波数の信号を基準信号として入力することを特徴としている。
【0011】
すなわち、モータの速度が目標速度に達した場合に、第1の制御手段(位相フィードバック手段といえる。)と第2の制御手段(周波数フィードバック手段といえる。)の出力の加算信号による制御、あるいは、位相フィードバック手段のみによる制御に切り換えるとともに、速度信号(エンコーダ信号)と位相が一致し、かつ、目標速度に対応した周波数の信号を基準信号として入力することで、移相差が0になって、位相同期を速やかに完了させ、応答をすみやかに行わせることを目的としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のモータ速度制御装置にあっては、目標到達速度に達した後の速度信号と基準信号の位相差に基づく過渡応答特性を速やかに解決するには、なお不十分であり、目標速度に安定するまでになお時間がかかるという問題があった。
【0013】
すなわち、特開平5−292776号公報の請求の範囲に記載されている条件として、「モータの速度が目標速度に到達した場合に、第1の制御手段に対して速度信号と位相が一致し、かつ、目標速度に対応した周波数の信号を基準信号として入力する」ことを要求し、実施例において、基準周波数信号に対してエンコーダパルスの位相が進んでいるときには、その位相差に応じた位相進み信号を出力し、位相が遅れているときには、同様の位相遅れ信号を出力する位相比較回路を使用することにより、図22に示すように、位相比較範囲が−2π〜2πの範囲となって、基準信号と速度信号の位相が一致、すなわち、位相差が0となって、位相同期が完了するとしている。
【0014】
ところが、位相比較回路として、例えば、EXOR(EXclusive OR)型の位相比較器を用いると、位相比較範囲は、図23に示すように、0〜πの範囲であり、かつ、位相差が0の点は、特異点となる。その結果、モータの制御が不安定となる。
【0015】
すなわち、特開平5−292776号公報に記載されている直流モータ速度制御装置は、実施例に記載されているような位相比較回路を用いて始めて達成される技術である。
【0016】
例えば、図24に示すようなPLL制御系を考えた場合、位相比較回路1には、基準信号Rとエンコーダ2からモータ3の回転速度を検出した速度信号VE が入力され、位相比較回路1は、基準信号Rと速度信号VE を比較して、その位相差δθに対応する誤差信号Vθをフィルタ4を介して加算器5に出力する。加算器5には、オフセット電圧V0 が入力されており、加算器5は、誤差信号Vθにオフセット電圧V0 を加算して、入力制御電圧V(V=V0 +Vθ)をモータドライバ6に出力する。モータドライバ6は、この入力制御電圧Vに基づいてモータ3を駆動する。
【0017】
いま、説明を簡単化するために、モータドライバ6入力される入力制御電圧Vとエンコーダ2の出力する速度信号VE の周波数fvとの間には、図25に示すような直線関係があるものとすると、位相比較回路1は、図22に示す特性をもつものとする。
【0018】
ここで、frを基準信号Rの周波数とし、図25から分かるように、オフセット電圧V0 に対応する周波数をf0 とすると、位相同期状態においては、次式が成立するような位相差δθの定常偏差が存在する。
【0019】
f0 =K×V0
Vθ=Kθ×δθ
fr=K×(V0 +Vθ)=f0 +K×Kθ×δθ・・・(1)
すなわち、通常は、位相差δθを有した状態で位相同期し、この位相差δθは、オフセット電圧V0 その他によって種々変化するものである。
【0020】
ところが、上記特開平5−292776号公報においては、あたかも位相差0で位相同期が完了するかのごとく記載されているが、実際には、当該公報記載の第1の制御手段と第2の制御手段の出力信号の加算信号による制御と、第1の制御手段の出力信号のみの制御と、では、位相の定常偏差δθは、同じではあり得ない。
【0021】
すなわち、上記加算信号による制御の場合には、周波数フィードバック手段(第1の制御手段)の信号が、図24のオフセット電圧V0 の役割を果たしており、オフセット電圧V0 の効果で、fr≒f0 となるため、δθ≒0付近で位相同期する。
【0022】
また、第1の制御手段のみによる制御の場合には、V0 =0となるので、上記(1)式から分かるように、δθ≒fr/(K×Kθ)付近で位相同期する。
【0023】
なお、オフセット電圧V0 を別に加算するような制御系を組み込んだ場合には、定常偏差、すなわち、位相差δθは、さらに異なったものとなる。
【0024】
上述のように、同期時の定常偏差(位相差δθ)によっては、上記第1の制御手段と第2の制御手段を切り換えるとき、位相差δθを0にすることは、応答を早めるどころか、逆に応答を不安定にして、位相同期を遅くする原因にもなる。
【0025】
したがって、上記特開平5−292776号公報に記載されている直流モータ速度制御装置では、目標到達速度に達した後の速度信号と基準信号の位相差に基づく過渡応答特性を速やかに解決するには、なお不十分であり、目標速度に安定するまでになお時間がかかるという問題があった。
【0026】
そこで、請求項1記載の発明は、モータの速度が目標速度に到達すると、制御系を位相同期制御手段に切り換えてモータの速度制御を行わせするとともに、位相同期制御手段に、目標速度に対応した周波数で、かつ、速度信号に対して位相同期後と同じ位相差を有した基準信号を入力することにより、速度信号と基準信号の位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を大幅に向上させて、目標速度に安定するまでの時間を短縮するとともに、速度制御系を安定化させることのできるモータ速度制御装置を提供することを目的としている。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1の場合に、モータが目標速度に到達するまでオープンループ制御することにより、速度制御系全体の構成を簡単化するモータ速度制御装置を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のモータ速度制御装置は、
モータの速度を検出して速度信号として出力する検出手段と、
前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力する位相同期制御手段と、
所定の速度制御信号を出力して、前記モータを加減速させる速度制御手段と、
前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を択一的に選択して出力する選択手段と、
前記選択手段から出力される信号に基づいて前記モータの駆動を行う駆動手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記モータの加減速時には、前記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を選択し、前記モータの速度が所定の目標速度に到達すると、前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択し、前記駆動手段に出力するモータ速度制御装置において、
前記位相同期制御手段は、EXOR型の位相比較回路であって、前記検出手段の出力する速度信号および予め推定した位相同期後の位相差を有する基準信号を、前記EXOR型の位相比較回路に入力する。
【0036】
ここで、検出手段は、モータの回転速度を適切に検出して、当該速度に対応したパルス等の速度信号を適切に出力できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、エンコーダ等が利用される。
【0037】
位相同期制御手段は、この検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との位相誤差信号に基づいて、駆動手段に速度制御信号を出力することにより、モータの速度制御を行い、この基準信号は、例えば、目標速度に対応する速度信号である。
【0038】
選択手段は、例えば、スイッチ等を利用することができるが、これに限るものでないことは言うまでもない。
【0040】
上記構成によれば、速度信号と基準信号の位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を大幅に向上させることができ、目標速度に安定するまでの時間を短縮することができるとともに、速度制御系を安定化させることができる。
【0041】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、
前記速度制御手段は、
前記モータが許容する一定電圧、一定電流、あるいは、予め設定された制御信号を前記速度制御信号として出力するオープンループ制御により前記モータを加減速制御するものであってもよい。
【0042】
上記構成によれば、速度制御系全体の構成を簡単なものとすることができ、ハード的に回路を組み込む場合には、回路構成が簡単なものとなり、コストを低減させることができ、また、ソフト的に構成する場合には、ソフト処理が簡単になり、計算処理等の負荷を小さくして、処理速度を向上させることができる。
【0043】
また、モータ駆動系のイナーシャ等が小さく、位相同期過程の応答が速い系では、上記速度制御手段から位相同期制御手段への制御系の切換時の不安定性が少なくなっているので、従来、速度フィードバックループにより加減速していた制御系をオープンループ制御手段により、モータの加減速を行うことができ、適用範囲を広げることができる。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0067】
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0068】
図1〜図5は、本発明のモータ速度制御装置の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、モータが目標速度に到達するまでは、一定電圧でモータを加減速するものである。
【0069】
図1は、本発明のモータ速度制御装置の第1の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図である。
【0070】
図1において、モータ速度制御装置10は、位相比較回路11、スイッチ12、加算器13、オフセット電圧発生回路14、スイッチ15、立ち上げ電圧発生回路16、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU(Micro Processing Unit )21及びカウンタ22等を備えており、例えば、ファクシミリ装置、複写機あるいはプリンタ等に用いられるモータの速度制御を行うのに利用される。
【0071】
MPU(制御手段)21は、モータ速度制御装置10の各部を統括的に制御し、スイッチ17の切換信号を出力する端子SC1、スイッチ12及びスイッチ15の切換信号を出力する端子SC2及び基準信号Rをスイッチ12を介して位相比較回路11に出力する端子Rを備えている。
【0072】
スイッチ12及びスイッチ(切換手段)15は、MPU21の制御下で動作して、モータ19が所定速度に達するまでは、(イ)側に接続されており、所定の速度に達すると、(ロ)側に切り換えられる。
【0073】
また、スイッチ17は、MPU21からモータ19を回転させるための切換信号が入力されると、オンし、停止させるための切換信号が入力されると、オフする。
【0074】
エンコーダ(検出手段)20は、モータ19の回転速度を検出して、当該回転速度に対応するエンコーダパルス信号EをMPU21、スイッチ12及び位相比較回路11に出力する。
【0075】
カウンタ22は、エンコーダ20からのエンコーダパルス信号Eに基づいてモータ19の回転速度を検出及び図示しない主制御手段から指示されたモータ19の目標速度に対応する基準信号Rを生成等するために用いられるカウンタである。
【0076】
MPU21は、エンコーダ20からのエンコーダパルス信号Eに基づいてカウンタ22を利用して、モータ19の回転速度を検出し、当該検出したモータ19の回転速度と目標速度とを比較して、モータ19の回転が目標速度に到達したかどうかを判断する。
【0077】
MPU21は、モータ19の回転速度が目標速度に到達すると、スイッチ12及びスイッチ15に切換信号を出力して、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り換える。
【0078】
また、MPU21は、目標速度から同期時の速度信号に対する基準信号の位相差δθを予測して、エンコーダパルス信号Eに対して当該位相差δθを持ち、かつ、目標速度に対応した周波数の基準信号を生成して、R端子からスイッチ12を介して位相比較回路11へ基準信号Rとして出力する。この速度検出動作及び信号生成動作については、後で詳述する。
【0079】
上記位相比較回路(位相同期制御手段)11は、図2に示すように回路構成されており、位相比較器31、カウント信号発生器32、スイッチ33、34、カウンタ35及びD/A変換器36等を備えている。
【0080】
位相比較器31には、上記エンコーダパルス信号Eと基準信号Rが入力され、この位相比較器31に入力される基準信号Rは、モータ19の回転速度が目標速度に到達するまでは、スイッチ12が(イ)側であるので、エンコーダパルス信号Eであり、その後、モータ19の回転速度が目標速度に到達すると、スイッチ12が(ロ)側に切り換えられるので、MPU21からの基準信号である。
【0081】
位相比較器31は、このエンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相を比較して、進み信号あるいは遅れ信号を対応するスイッチ33、34に出力する。すなわち、位相比較器31は、基準信号Rに対してエンコーダパルス信号Eの位相が進んでいるときには、当該位相差に対応した位相進み信号をスイッチ33に出力し、基準信号Rに対してエンコーダパルス信号Eの位相が遅れているときには、当該位相差に対応した位相遅れ信号をスイッチ34に出力する。
【0082】
具体的には、位相比較器31は、図3(a)に示す基準信号Rと図3(b)に示すエンコーダパルス信号Eを比較し、いま、図3では、エンコーダパルス信号Eの方が、基準信号Rよりも、その位相が進んでいるので、図3(c)に示すように、当該位相差分の幅に対応する期間だけローレベルとなる位相進み信号をスイッチ33に出力する。このとき、エンコーダパルス信号Eの方が位相が進んでいるので、位相遅れ信号は、図3(d)に示すように、ハイレベルの状態のままである。
【0083】
スイッチ33及びスイッチ34は、位相比較器31からの進み信号あるいは遅れ信号によりオン/オフするスイッチであり、ローレベルの進み信号あるいは遅れ信号が入力されると、オンして、カウント信号発生器32から入力されるカウント信号をカウンタ35に出力する。
【0084】
カウント信号発生器32は、図3(e)に示すように、一定の高周波数のカウント信号を発生し、スイッチ33及びスイッチ34に出力する。
【0085】
カウント信号発生器32の出力するカウント信号は、スイッチ33あるいはスイッチ34がオンしているときにのみ、スイッチ33あるいはスイッチ34を介して、カウントUP信号あるいは、カウントDOWN信号としてカウンタ35に入力される。
【0086】
図3では、基準信号Rよりもエンコーダパルス信号Eの方が位相が進んでいるので、図3(c)に示すように、ローレベルの進み信号がスイッチ33に出力されて、スイッチ33がオンし、カウンタ35には、図3(f)に示すように、カウントUP信号が、進み信号がオンしている期間だけ、カウント信号のパルス列として入力される。このとき、カウントDOWN信号は、図(g)に示すように、0レベルを維持している。
【0087】
カウンタ35は、スイッチ33あるいはスイッチ34から入力されるカウントUP信号あるいはカウントDOWN信号のパルス列の数を逐次カウントアップ、あるいは、カウントダウンして、D/A変換器36に出力する。D/A変換器36は、図3(h)に示すように、カウンタ35のカウント結果をD/A(ディジタル−アナログ)変換して、上記エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差に対応するアナログの位相誤差信号Vθとして、図1に示した加算器13に出力する。
【0088】
すなわち、位相比較回路11は、エンコーダパルス信号Eの位相が基準信号Rよりも進んでいる場合には、位相比較器31から位相差に対応した位相進み信号がスイッチ33に出力され、スイッチ33がオンとなって、カウント信号発生器32の出力するカウント信号がスイッチ33を介してカウントUP信号としてカウンタ35に入力される。カウンタ35は、カウントUP信号が位相進みに対応するカウント信号のパルス列として入力されると、カウント信号をカウントアップして、カウント結果をD/A変換器36に出力し、D/A変換器36は、カウンタ35のカウント結果をD/A変換して、位相差に対応するアナログの位相誤差信号Vθとして図1に示した加算器13に出力する。
【0089】
また、位相比較回路11は、エンコーダパルス信号Eの位相が基準信号Rよりも遅れている場合には、位相比較器31から位相差に対応した位相遅れ信号がスイッチ34に出力され、スイッチ34がオンとなって、カウント信号発生器32の出力するカウント信号がスイッチ34を介してカウントDOWN信号としてカウンタ35に入力される。カウンタ35は、カウントDOWN信号が位相遅れに対応するカウント信号のパルス列として入力されると、カウントUP信号の場合とは逆に、カウント信号をカウントダウンして、カウント結果をD/A変換器36に出力し、D/A変換器36は、カウンタ35のカウント結果をD/A変換して、位相差に対応するアナログの位相誤差信号Vθとして図1に示した加算器13に出力する。
【0090】
すなわち、上述のように、位相比較回路11は、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差を検出し、その位相差に対応したアナログの位相誤差信号Vθを生成して、加算器13に出力する。
【0091】
なお、上記位相比較回路11の位相比較器31の機能は、MPU21が行うようにしてもよく、また、D/A変換器36の代わりに、CR能動フィルタを用いてもよい。
【0092】
オフセット電圧発生回路(速度制御手段)14は、所定のオフセット電圧V0 を発生し、加算器13に出力する。
【0093】
加算器13は、オフセット電圧発生回路14から入力されるオフセット電圧V0 と位相比較回路11から入力される位相誤差信号Vθを加算して、加算出力をスイッチ15及びスイッチ17を介してモータドライバ18に出力する。
【0094】
スイッチ15(選択手段)には、加算器13の加算出力と立ち上げ電圧発生回路16の立ち上げ電圧Vが入力されており、スイッチ15は、これらの加算器13の加算出力と立ち上げ電圧発生回路16の立ち上げ電圧Vの一方を択一的に選択して、スイッチ17を介してモータドライバ18に速度制御信号として出力する。
【0095】
モータドライバ(駆動手段)18は、スイッチ17を介して入力される速度制御信号に基づいてモータ19を回転駆動する。
【0096】
次に、動作を説明する。
【0097】
まず、図示しない制御装置からモータを回転させる指令が出たとき、MPU21は、初期設定を行う。
【0098】
すなわち、MPU21は、初期状態において、図4に示すように、A点でスイッチ12及びスイッチ15を(イ)側に接続し、スイッチ17をオンにして、初期設定が完了すると、位相比較回路11は、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rから誤差信号Vθを生成して、加算器13に出力する。
【0099】
なお、図4は、図1の信号各部の波形を示した図であり、図4(a)は、エンコーダパルス信号E、(b)は、位相比較回路11に入力される基準信号R、(c)は、位相比較回路11の出力する誤差信号Vθ、(d)は、モータ19の回転速度である。
【0100】
まず、図示しない主制御装置からモータ回転の指令が出ると、MPU21は、目標速度から同期時の位相差δθ、具体的には、位相差δθに相当する待ち(wait)時間を設定する。
【0101】
いま、位相比較回路11は、上述のように、図22に示した特性を持つフリップフロップ型で、その位相比較範囲(動作範囲)は、−2π〜2πである。
【0102】
したがって、同期後の位相差δθは、図25に示した場合と同様に考えることができ、次式で与えられる。
【0103】
但し、δθは、基準信号Rに対して速度信号が遅れている場合を、+、進んでいる場合を、−、としている。
【0104】
また、位相差δθ分のwait時間は、次式で与えられる。
【0105】
δT=δθ/(2πfr)・・・(3)
ここで、オフセット電圧V0 の役割は、同期可能な回転速度の速度帯域を設定することにあり、理想的には、次式の周波数範囲で同期可能となる。
【0106】
f0 +K×Kθ×2π>f>f0 −K×Kθ×2π・・・(4)
初期設定の後、図4に示す初期状態A点でMPU21は、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側に接続するとともに、スイッチ17をオンする。これらのスイッチ12、15、17の初期設定は、上述のように、MPU21により、その端子SC1及び端子SC2から出力される切換信号により行われる。
【0107】
これによりモータ19は、立ち上げ電圧Vの一定電圧で加速され、この立ち上げ電圧Vは、所定速度に到達できる電圧でなければならないが、モータ19の仕様内であれば、これに限るものではない。
【0108】
モータ19が始動を開始すると、モータ19の回転速度は、逐一エンコーダ20により検出され、位相比較回路11にエンコーダパルス信号Eとして入力されるとともに、MPU21及びスイッチ12に入力される。
【0109】
いま、スイッチ12は、(イ)側に接続されているので、エンコーダ20の出力するエンコーダパルス信号Eは、スイッチ12を介して、基準信号Rとして位相比較回路11に入力される。
【0110】
したがって、モータの加速時には、位相比較回路11にエンコーダパルス信号E及び基準信号Rとしてエンコーダ20の出力する同じエンコーダパルス信号Eが入力されるので、位相差が発生せず、位相比較回路11は、図4(c)に示すように、0レベルの位相誤差信号Vθを出力し、加算器13は、この位相誤差信号Vθとオフセット電圧V0 を加算して出力するが、いま、スイッチ15が(イ)側、すなわち、立ち上げ電圧発生回路16側に接続されているため、加算器13の加算出力はモータドライバ18には、出力されずに、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vがスイッチ17を介して速度制御信号としてモータドライバ18に入力される。
【0111】
モータドライバ18は、この速度制御信号である立ち上げ電圧Vに基づいてモータ19を加減速して、回転駆動する。
【0112】
この加速中においては、MPU21は、図5に示すように、加速制御処理を行う。
【0113】
すなわち、MPU21は、モータ19が始動すると、まず、最初のエンコーダパルス信号Eのエッジが立ち上がりで始まるのか、立ち下がりで始まるのかを検出し(ステップS1)、例えば、立ち下がりエッジで始まるとすると、カウンタ22をスタート、すなわち、カウント動作を開始して(ステップS2)、次の半周期の立ち上がりエッジを検出するまで待つ(ステップS3)。
【0114】
ステップS3で、次の立ち上がりエッジを検出すると、MPU21は、カウンタ22をストップ、すなわち、カウント動作を停止させ(ステップS4)、カウンタ22のカウント値と予め内部メモりに格納されている目標速度に対応した周波数Tの1/2周期(T/2)に相当する値(以下、1/2周期値という。)とを比較して、一致するかどうかチェックする(ステップS5)。
【0115】
MPU21は、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到達したと判断して、出力端子Rの出力信号、すなわち、基準信号Rをハイレベル(High)に立ち上げ(ステップS6)、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り換える(ステップS7)。
【0116】
いま、立ち上げ開始直後であるので、目標速度に到達していないため、ステップS5で、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致せず、MPU21は、ステップS8に移行して、再度、カウンタ22のカウント動作を開始し(ステップS8)、次の半周期のエンコーダパルス信号Eの立ち下がりエッジを検出するまで待つ(ステップS9)。
【0117】
ステップS9で、次の立ち下がりエッジを検出すると、MPU21は、カウンタ22のカウント動作を停止させ(ステップS10)、これによりエンコーダパルス信号Eの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの半周期分の時間を測定し、カウンタ22のカウント値と上記1/2周期値とを比較して、一致するか、すなわち、モータ19の速度が目標速度に到達したかチェックする(ステップS11)。
【0118】
MPU21は、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到達したと判断して、出力端子Rの出力信号(基準信号R)をローレベル(Low)に立ち下げ(ステップS6)、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り換える(ステップS7)。
【0119】
また、ステップS11で、目標速度に到達していおらず、ステップS11で、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致しないときには、MPU21は、ステップS2に移行して、上記同様の処理を行う。
【0120】
すなわち、MPU21は、エンコーダパルス信号Eの半周期の時間を測定し、かつ、その都度、目標速度と比較して、モータ19が目標速度に到達したかどうか判別している(ステップS2〜ステップS5、ステップS8〜ステップS11)。
【0121】
この間、モータ19は、図4(d)に示すように、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vに基づくモータドライバ18のドライブ動作により目標速度に向かって、回転速度を上げていく。
【0122】
また、MPU21は、検出した直前のエンコーダパルス信号Eが立ち上がりであれば、これに応じて、出力端子Rの出力信号(基準信号R)をハイレベルに立ち上げ(ステップS6)、直前のエンコーダパルス信号Eが立ち下がりであれば、これに応じて、出力信号(基準信号R)をローレベルに立ち下げる(ステップS12)。
【0123】
このようにして、半周期毎にモータ19の速度が目標速度に到達したかチェックして、目標速度に到達すると(ステップS5、ステップS11)、上記出力端子Rの出力信号(基準信号R)の立ち上げ(ステップS6)、あるいは、立ち下げ(ステップS12)を行って、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り換えて、接続する(ステップS7)。
【0124】
すなわち、図4に示すように、A点で初期設定を完了して、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vに基づいてモータ19の回転を開始し、B点でモータ19の回転速度が目標速度に到達したとすると、B点においては、いま、エンコーダパルス信号Eは、図4(a)に示すように、立ち上がりエッジであるので、MPU21は、これに合わせて、図4(b)に示すように、出力端子Rからハイレベルの基準信号Rをスイッチ12を介して位相比較回路11に出力する。
【0125】
その後、MPU21は、上記(3)式に示したように、目標速度に対応する周期の1/2周期(T/2)と位相差δθから求めたδT時間から算出される待ち時間(wait)時間(T/2−δT)だけ待って(ステップS13)、出力端子Rの出力信号、すなわち、基準信号Rを、図4(b)に示すように、反転させる(ステップS14)。いま、図4では、B点で基準信号Rを立ち上げたので、待ち時間だけ待った後、基準信号Rを立ち下げる。
【0126】
このように、MPU21は、予め同期後の位相差δθを推定して基準信号Rの位相差δθを作製しているので、切り換え直後に、PLL速度制御系、すなわち、位相比較回路11において強制的に位相がロックされる。
【0127】
その後は、MPU21は、目標速度に対応する周期の1/2周期(T/2)だけ待って(ステップS15)、出力信号(基準信号R)を反転させる(ステップS14)。すなわち、MPU21は、目標速度に到達して、基準信号Rの位相の調整を行うと、図4に示すように、目標速度に対応した周波数の1/2周期毎に出力信号(基準信号R)を反転させて、位相比較回路11に出力する。
【0128】
したがって、MPU21は、図4(b)に示すように、C点以降は、エンコーダパルス信号Eに対して、−δθの位相差を持ち、目標速度に対応した周波数の基準信号Rを位相比較回路11に出力する。なお、基準信号Rに対するエンコーダパルス信号Eの位相差をδθとしているので、基準信号Rの位相差には、−が付与される。
【0129】
そして、MPU21から上記基準信号Rが位相比較回路11に入力されると、位相比較回路11は、上述の動作処理を行って、図4(c)に示すように、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差δθに対応する位相誤差信号Vθを加算器13に出力する。
【0130】
加算器13は、この誤差信号Vθとオフセット電圧発生回路14から供給されるオフセット電圧V0 を加算して、スイッチ15及びスイッチ17を介して、モータドライバ18に出力し、モータドライバ18は、この加算器13からの加算出力に基づいてモータ19を駆動する。
【0131】
したがって、従来のように、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差δθによるモータ19の速度のオーバーシュートを、図4(d)に示すように、抑制することができ、速度制御手段としての立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vによるオープンループにより立ち上げを行っても、位相同期制御手段としてのPLL速度制御(位相比較回路11)系の過渡応答特性を向上させることができる。
【0132】
その結果、モータ19を速やかに目標速度に上昇させることができるとともに、目標速度に到達すると、速やかに安定させることができる。
【0133】
図6〜図11は、本発明のモータ速度制御装置の第2の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、位相比較回路の位相比較器にEXOR型を使用したものである。
【0134】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様のモータ速度制御装置に適用したものであり、本実施の形態の説明において、上記図1及び図2と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0135】
図6において、モータ速度制御装置40は、位相比較回路41、スイッチ42、加算器13、オフセット電圧発生回路14、スイッチ15、立ち上げ電圧発生回路16、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU43及びカウンタ22等を備えており、上記第1の実施の形態とは、位相比較回路41、スイッチ42及びMPU43が異なっている。
【0136】
すなわち、位相比較回路(位相同期制御手段)41は、図7に示すように構成され、位相比較器44、カウント信号発生器32、スイッチ45、カウンタ46及びD/A変換器36等を備えている。
【0137】
位相比較器44は、いわゆるEXOR型の位相比較回路であり、位相比較器44には、図8(a)に示すエンコーダパルス信号Eと、図8(b)に示す基準信号Rが入力されている。
【0138】
位相比較器44は、この入力されるエンコーダパルス信号Eと基準信号RのEXOR(排他的論理和)を取って、図8(c)に示すハイとローに切り換わる位相検出信号Pをスイッチ45に出力し、スイッチ45は、ハイの位相検出信号Pが入力されると、オンして、カウント信号発生器32から入力されるカウント信号をカウンタ46に出力する。
【0139】
カウント信号発生器32は、上記第1の実施の形態と同様に、図8(d)に示すように、一定の高周波数のカウント信号を発生して、スイッチ45に出力し、スイッチ45は、カウント信号発生器32から入力されるカウント信号を図8(e)に示すカウントUP信号としてカウンタ46に出力する。
【0140】
カウンタ46は、スイッチ45を介して入力されるカウントUP信号を計数して、D/A変換器36に出力する。
【0141】
D/A変換器36は、カウンタ46のカウント結果をD/A変換して、図8(f)に示す位相差に対応するアナログの位相誤差信号Vθとして、図7に示した加算器13に出力する。
【0142】
したがって、位相比較回路41は、図23に示したように、位相比較範囲(動作範囲)として、0〜πの範囲を持つような特性を有するが、位相比較回路41においては、その信号の取扱上の理由から、図9に示すように、位相差π/2における誤差信号Vθが0になるように、D/A変換器36にオフセットを設定している。
【0143】
その結果、図9からも明らかなように、同期時の位相差δθ’は、次式で与えられるような値となる。
【0144】
δθ’=δθ+π/2
また、モータ速度制御装置40においては、フィードバック係数K、Kθを同じに設定しており、図22に示した位相差δθと図9に示した位相差δθは、同じ位相差になるが、実際に同期する位相差δθ’は、π/2だけ異なる。また、位相差δθ’に相当する待ち(wait)時間δT’は、次式のようになる。
【0145】
したがって、具体的な初期位相の待ち(wait)時間は、(5)式を用いて計算すると、以下の式のようになる。
【0146】
T/2−δT’=T/2−(δT+T/4)=T/4−δT・・・(6)
MPU43は、上記第1の実施の形態と同様の動作を行うが、上記待ち時間の算出等において、異なる処理を行う。
【0147】
また、スイッチ42は、MPU43の制御下でオン/オフし、オンのとき、MPU43の出力端子Rから入力される基準信号Rを位相比較回路41に出力する。
【0148】
次に、本実施の形態の動作を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0149】
なお、図10の説明において、上記図5と同様の処理ステップにおいては、同一のステップナンバーを付して、その詳細な説明を省略する。
【0150】
モータ速度制御装置40のMPU43は、その加速段階での制御は、上記図5の場合と同様に行い(ステップS1〜S6、ステップS8〜S12)、モータ19の速度が同期速度に到達すると、スイッチ42をオンにして(ステップS21)、位相比較回路41に基準信号Rを入力する。
【0151】
すなわち、図11のA点で初期設定を完了して、立ち上げ電圧発生回路16からの立ち上げ電圧Vに基づいてモータ19の回転を開始し、B点でモータ19の回転速度が目標速度に到達したとすると、スイッチ42をオンにして(ステップS21)、位相比較回路41に基準信号Rを入力する。
【0152】
このとき、MPU43は、エンコーダパルス信号Eがハイレベルであると、ハイレベルの誤差信号Vθを、エンコーダパルス信号Eがローレベルであると、ローレベルの誤差信号Vθを、出力端子Rから出力する(ステップS6、ステップS12)。
【0153】
その後、MPU43は、上記(6)式に示した初期位相分の待ち時間(T/4−δT)だけ待つと(ステップS22)、出力端子Rから出力している誤差信号Vθを反転させ(ステップS14)、位相比較回路41の特性から、T/2だけ待って(ステップS15)、スイッチ15を(イ)側から(ロ)側に切り換える(ステップS23)。
【0154】
すなわち、位相比較回路41の特性からT/2を待つ間に始めの誤差信号Vθの出力がある。具体的には、図11(c)に示すように、C点で誤差信号Vθが出力されることになる。
【0155】
したがって、図11に示すD点で制御系を立ち上げ電圧発生回路16から位相比較回路41に切り換えると、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rがほぼ同期状態の位相差になるので、PLL速度制御(位相比較回路41)系において、強制的に位相がロックされる。
【0156】
その後、MPU43は、出力端子Rから出力する基準信号Rを反転させた後(ステップS24)、目標速度に対応した周波数の1/2周期(T/2)待って(ステップS25)、ステップS24に戻って、同様に誤差信号Vθを反転させる(ステップS24)。すなわち、その後は、MPU43は、目標速度の周波数の1/2周期毎に出力端子Rの出力信号、すなわち、基準信号Rを反転させる。
【0157】
したがって、、MPU43は、図11(b)に示すように、D点以降は、エンコーダパルス信号Eに対して、−δθ’の位相差を持ち、目標速度に対応した周波数の基準信号Rを出力する。
【0158】
その結果、図11(d)に示すように、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差によるモータ19の速度のオーバーシュートは低減され、一定電圧である立ち上げ電圧Vのオープンループで立ち上げても、PLL速度制御系の過渡応答特性を向上させることができる。
【0159】
なお、上記第1の実施の形態の位相比較回路11は、その比較範囲が−2π〜2πと広いが、過去の状態に強く左右されるメモリ(フリップフロップ)型であるので、ノイズに弱い。これに対して、本実施の形態の位相比較回路41は、その比較範囲が0〜πと狭いが、非メモリ型であるので、ノイズに強いという特徴を有している。上記位相比較回路11と位相比較回路41の相違は、主にその位相比較器31と位相比較器44の性質による。
【0160】
上述のように、本発明においては、上記位相比較回路11と位相比較器44のいずれを用いても、十分発明の目的を達成することができる。
【0161】
図12は、本発明のモータ速度制御装置の第3の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上記第1の実施の形態のモータドライバの出力を電流フィードバックして、一定電流で立ち上げるものである。
【0162】
そこで、本実施の形態の説明において、第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0163】
すなわち、図12において、モータ速度制御装置50は、位相比較回路11、スイッチ12、加算器13、オフセット電圧発生回路14、スイッチ15、立ち上げ電圧発生回路16、スイッチ17、モータドライバ18、電流フィードバック回路51、モータ19、エンコーダ20、MPU21及びカウンタ22等を備えており、図1のモータ速度制御装置10と同様の回路構成を有しているが、ただ、モータドライバ18の出力をモータドライバ18に電流フィードバックさせる電流フィードバック回路51が設けられている。
【0164】
すなわち、本実施の形態においては、立ち上げ電圧発生回路16と電流フィードバック回路51を含めた回路が速度制御手段として機能する。
【0165】
したがって、本実施の形態のモータ速度制御装置50においては、モータ19が目標速度に到達するまでの加速過程において、電流フィードバック回路51によりフィードバックされる電流に基づいてモータ19に供給する駆動電流を一定に制御することができ、加速過程において、モータ19を一定電流で加速制御することができる。
【0166】
図13は、本発明のモータ速度制御装置の第4の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上記第3の実施の形態の立ち上げ電圧発生回路の立ち上げ電圧を徐々に上昇させて滑らかな加速を行うものである。
【0167】
そこで、本実施の形態の説明においては、図12のモータ速度制御装置50と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0168】
図13において、モータ速度制御装置60は、図12と同様の構成を相しているが、ただ、立ち上げ電圧発生回路61が異なる。
【0169】
すなわち、立ち上げ電圧発生回路61は、MPU21から加速命令が入力されると、予め設定された電圧上昇プログラムに基づいて、図13中にグラフで示すように、立ち上げ電圧Vを徐々に上昇させる。
【0170】
このMPU21からの加速命令は、その端子SC1からスイッチ17に出力するスイッチ17の切換信号が利用されている。
【0171】
また、モータ速度制御装置60は、上記第3の実施の形態の場合と同様に、モータドライバ18の出力が電流フィードバック回路51によりモータドライバ18にフィードバックされている。
【0172】
したがって、本実施の形態のモータ速度制御装置60においては、MPU21は、モータ19の回転が開始が指示されると、スイッチ17及び立ち上げ電圧発生回路61に切換信号を出力して、スイッチ17をオンするとともに、スイッチ15及びスイッチ12を(イ)側に接続させ、立ち上げ電圧発生回路61から徐々に上昇する立ち上げ電圧Vをスイッチ15及びスイッチ17を介してモータドライバ18に出力する。
【0173】
モータドライバ18は、この徐々に上昇する立ち上げ電圧Vに基づいてモータ19を回転駆動するが、電流フィードバック回路51によりモータ19に出力する電流がフィードバックされているので、当該徐々に上昇する立ち上げ電圧Vに対応させて電流を徐々に上昇させることができ、モータ19を滑らかに加速させることができる。
【0174】
なお、この場合、電流フィードバック回路51を設けなくても、モータドライバ18からモータ19に供給する電圧を徐々に上昇させることができ、滑らかにモータ19を加速させることができる。
【0175】
図14及び図15は、本発明のモータ速度制御装置の第5の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上記第1の実施の形態において、速度制御手段として、立ち上げ電圧発生回路の代わりに周波数誤差フィードバックを適用したものである。
【0176】
そこで、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0177】
図14において、モータ速度制御装置70は、位相比較回路11、スイッチ12、スイッチ71、加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU72、カウンタ22及びD/A変換器73等を備えており、位相比較回路11、スイッチ12、加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20及びカウンタ22は、上記第1の実施の形態と同様のものである。
【0178】
加算器13には、MPU72からの周波数誤差フィードバック信号Vfとスイッチ71を介して位相比較回路11からの位相誤差信号Vθが入力され、モータ19が目標速度に到達するまでは、スイッチ71がオフして、周波数誤差フィードバック信号Vfのみが加算器13に入力される。
【0179】
スイッチ71は、MPU72の端子SC2からスイッチ12に出力される切換信号によりオン/オフし、スイッチ12が(イ)側から(ロ)側に切り換えられるタイミングで、オンとなる。
【0180】
MPU72には、第1の実施の形態の場合と同様に、エンコーダ20のエンコーダパルス信号Eが入力されており、MPU72は、エンコーダパルス信号Eの半周期をカウンタ22を用いてカウントして、目標速度に対応した半周期分のカウントとの誤差をD/A変換器73にカウンタ誤差信号として出力する。
【0181】
D/A変換器73は、このカウンタ誤差信号をD/A変換して、周波数誤差フィードバック信号Vfとして加算器13に出力する。
【0182】
したがって、MPU72及びD/A変換器73は、検出手段としてのエンコーダ20の出力する検出信号(エンコーダパルス信号E)と所定の基準信号である目標速度の周波数誤差信号に基づく速度信号(周波数誤差フィードバック信号Vf)を出力して、モータ19の速度をフィードバック制御する周波数同期制御手段として機能し、加算器13は、この周波数同期制御手段と位相同期制御手段である位相比較回路11の出力する速度制御信号(誤差信号Vθ)を加算して出力する選択手段として機能する。
【0183】
次に、本実施の形態の動作を、図15のフローチャートに基づいて、以下、説明する。
【0184】
なお、以下の説明においては、上記第1の実施の形態の図5の処理ステップと同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付して、その詳細な説明を省略する。
【0185】
MPU72は、モータ19が始動すると、上記同様に、最初のエンコーダパルス信号Eのエッジが立ち上がりか、立ち下がりかを検出し(ステップS1)、立ち下がりエッジで始まるとすると、カウンタ22のカウント動作を開始して(ステップS2)、次の立ち上がりエッジを検出するまで待つ(ステップS3)。ステップS3で、次の立ち上がりエッジを検出すると、MPU21は、カウンタ22のカウント動作を停止させ(ステップS4)、カウンタ誤差信号をD/A変換器73に出力する(ステップS31)。
【0186】
そして、D/A変換器73は、このカウンタ誤差信号をD/A変換して、周波数誤差フィードバック信号Vfとして加算器13に出力し、いま、スイッチ71はオフであるので、加算器13は、この周波数誤差フィードバック信号Vfをスイッチ17を介してモータドライバ18に出力する。
【0187】
モータドライバ18は、周波数誤差フィードバック信号Vfに基づいてモータ19を駆動させる。
【0188】
次に、MPU72は、カウンタ22のカウント値と予め内部メモりに格納されている目標速度に対応した周波数Tの1/2周期値とを比較して、一致するかどうかチェックする(ステップS5)。MPU72は、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到達したと判断して、出力端子Rの出力信号をハイレベル(High)に立ち上げ(ステップS6)、スイッチ12を(イ)側から(ロ)側に切り換えるとともに、スイッチ71をオンさせる(ステップS33)。
【0189】
いま、立ち上げ開始直後であるので、目標速度に到達していないため、ステップS5で、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致せず、MPU21は、ステップS8に移行して、再度、カウンタ22のカウント動作を開始し(ステップS8)、次のエンコーダパルス信号Eの立ち下がりエッジを検出するまで待つ(ステップS9)。ステップS9で、次の立ち下がりエッジを検出すると、MPU72は、カウンタ22のカウント動作を停止させ(ステップS10)、上記同様に、カウンタ誤差信号をD/A変換器73に出力する(ステップS32)。
【0190】
次に、MPU72は、エンコーダパルス信号Eの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの半周期分の時間を測定し、カウンタ22のカウント値と上記1/2周期値とを比較して、一致するかチェックする(ステップS11)。MPU72は、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致すると、目標速度に到達したと判断して、出力端子Rの出力信号をローレベル(Low)に立ち下げ(ステップS6)、スイッチ12を(イ)側から(ロ)側に切り換えるととに、スイッチ71をオンさせる(ステップS33)。
【0191】
したがって、この時点で、加算器13には、周波数誤差フィードバック信号Vfと位相比較回路11からの誤差信号Vθが入力され、加算器13は、この周波数誤差フィードバック信号Vfと誤差信号Vθを加算して、速度制御信号としてスイッチ17を介してモータドライバ18に出力する。
【0192】
また、ステップS11で、目標速度に到達していおらず、ステップS11で、カウンタ22のカウント値と1/2周期値とが一致しないときには、MPU72は、ステップS2に移行して、上記同様の処理を行う。
【0193】
すなわち、MPU72は、エンコーダパルス信号Eの半周期の時間を測定し、かつ、カウンタ誤差をD/A変換器73に出力するとともに、その都度、目標速度と比較して、モータ19が目標速度に到達したかどうか判別している(ステップS2〜ステップS4、ステップS31、ステップS5、ステップS8〜ステップS10、ステップS32、ステップS11)。
【0194】
この間、モータ19は、MPU72からD/A変換器73を介して加算器13に供給される周波数誤差フィードバック信号Vfに基づいてモータドライバ18のドライブ動作により目標速度に向かって、回転速度を上げていく。
【0195】
すなわち、MPU72は、エンコーダパルス信号Eの半周期をカウンタ22によりカウントし、また、目標速度に対応した半周期分をカウントして、エンコーダパルス信号Eの半周期分のカウントと目標速度の半周期分のカウントとの誤差をD/A変換器73に出力し、D/A変換器73でD/A変換して、周波数誤差フィードバック信号Vfとして加算器13に出力する。
【0196】
いま、目標速度の半周期分のカウント数をN0 、エンコーダパルス信号Eのカウント数をNe とすると、本来の周波数誤差は、次式のようになる。
【0197】
1/Ne −1/N0 =(N0 −Ne )/(N0 ×Ne )・・・(6)
ところが、本実施の形態においては、計算を簡単にするため、
(N0 −Ne )/(N0 ×Ne )≒KN ×(N0 −Ne )・・・(7)
としている。
【0198】
したがって、本実施の形態においては、周波数誤差フィードバック信号Vfによりモータ19の回転速度が目標速度に収束するので、イナーシャが大きくて応答速度の遅い制御対象についても、安定して周波数同期を起こさせることができるとともに、同期後の位相差δθを持つ(本実施の形態においては、δθ=0)基準信号Rを位相比較回路11に入力しているので、制御系を切り換えた直後に位相同期に引き込まれ、モータ19の速度がオーバーシュートすることをより一層抑制することができ、PLL速度制御系の過渡応答特性をより一層向上させることができる。
【0199】
また、本実施の形態においては、モータ19の立ち上げだけでなく、回転速度を変化させる場合においても、同様の動作を行うことにより、良好な過渡特性を得ることができる。
【0200】
すなわち、図示しない制御手段から速度変更の命令がMPU72に入ると、MPU72内で目標速度の周期Tの設定を変更し、次に、スイッチ71をオフにするとともに、スイッチ12を(イ)側に戻して、周波数誤差フィードバック信号Vfだけの制御系、すなわち、周波数同期制御手段の制御系に切り換える。
【0201】
その後は、上記図15のフローチャートに基づいて、上記同様に制御を行い、モータ19の回転速度が変更後の目標速度に到達すると、上記同様に、初期位相を合わせて、位相同期制御を行う。
【0202】
したがって、本実施の形態は、モータ19の回転速度を加減速して変更するような場合においても、モータ19の回転速度の変更時の応答特性を向上させることができる。
【0203】
図16は、本発明のモータ速度制御装置の第6の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上記第5の実施の形態の位相比較回路11を上記第2の実施の形態の位相比較回路41に置き換えたものである。
【0204】
そこで、本実施の形態の説明においては、上記図14、図6及び図7と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0205】
図16において、モータ速度制御装置80は、位相比較回路41、スイッチ42、スイッチ71、加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU72、カウンタ22及びD/A変換器73等を備えており、上記第5の実施の形態とは、位相比較回路41が異なっている。
【0206】
すなわち、位相比較回路41は、上述のように、図7に示したように構成され、位相比較器44、カウント信号発生器32、スイッチ45、カウンタ46及びD/A変換器36等を備えている。
【0207】
位相比較器44は、いわゆるEXOR型の位相比較回路であり、上記同様の処理を行って、誤差信号Vθをスイッチ71を介して加算器13に出力する。
【0208】
したがって、この場合、初期位相は、δθ’=π/2でなければならず、初期位相の待ち(wait)時間、すなわち、目標速度に到達したときの待ち時間は、T/4である。
【0209】
すなわち、本実施の形態においては、モータ19の立ち上げ動作は、図15のフローチャートに示した処理と同様に行われ、回転速度は、上記第5の実施の形態の場合と同様に、周波数誤差フィードバック信号Vfの作用により目標速度に収束する。
【0210】
その後、スイッチ71がオンすることにより、位相誤差信号Vθを加算器13で加算する制御系に切り換えるが、この初期位相の待ち時間をT/4に設定して、上記第2の実施の形態の場合と同様にその後の処理を行う。
【0211】
したがって、本実施の形態によれば、非メモリ型の位相比較回路41を使用しているので、ノイズに強く、また、周波数誤差をフィードバックしているので、位相比較範囲が広くなくて適切に動作させることができ、第5の実施の形態のようにメモリ型の位相比較回路11を使用した場合よりも、安定した制御系を形成することができる。
【0212】
図17は、本発明のモータ速度制御装置の第7の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、上記第5の実施の形態と同様に周波数誤差のフィードバックを行うが、周波数誤差のフィードバックをMPUを介さないで行うものである。
【0213】
そこで、本実施の形態の説明において、図14と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0214】
図17において、モータ速度制御装置90は、位相比較回路11、スイッチ12、スイッチ71、加算器13、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU91、カウンタ22、周波数同期制御回路92及び電流フィードバック回路93等を備えており、周波数同期制御回路92(周波数同期制御手段)は、基準電圧発生器94、F/V変換器95及び電圧比較器96等を備えている。
【0215】
モータ速度制御装置90では、周波数誤差のフィードバックをMPU91を介さないで行っているため、MPU91は、第1の実施の形態のMPU21と同様の機能を備えたものである。ただ、MPU91の端子SC2からの切換信号がスイッチ12とスイッチ71入力され、スイッチ12の切り換えタイミングでスイッチ71がオンされる。
【0216】
周波数同期制御回路92は、その基準電圧発生器94により、基準周波数に対応する周波数の基準電位V0 (V0 =fr/K)を発生させて、電圧比較器96に出力し、電圧比較部96には、さらに、F/V変換器95の出力電圧が入力されている。
【0217】
F/V変換器95には、エンコーダ20からのエンコーダパルス信号Eが入力され、F/V変換器95は、エンコーダパルス信号Eの周波数を電圧に変換、すなわち、F/V変換して、電圧比較器96に出力する。
【0218】
電圧比較器96は、上記基準電圧発生器94からの基準電位V0 とF/V変換器95からの電圧を比較することにより、エンコーダパルス信号Eと基準電位V0 の差、すなわち、エンコーダパルス信号Eの周波数と基準信号の周波数の差に対応する周波数誤差信号を生成して、加算器13に出力する。
【0219】
また、モータ速度制御装置90には、電流フィードバック回路93が設けられておりこの電流フィードバック回路93は、図12あるいは図13に示した電流フィードバック回路51と同様であり、モータドライバ18によりモータ19を一定電流で加速制御するためのものである。
【0220】
そして、モータ速度制御装置90では、位相比較回路11がメモリ型であるため、初期位相の待ち(wait)時間は、T/2である。
【0221】
したがって、上記第6の実施の形態と同様に、周波数誤差をフィードバックしているので、位相比較範囲が広くなくても適切に速度制御を行うことができ、安定した制御系を形成することができるとともに、周波数誤差フィードバックループをMPU91を介さないで行っているので、MPU91の負担を軽減することができる。
【0222】
また、本実施の形態は、制御切換時の初期位相に着目したもので、周波数同期制御手段(速度制御手段)としての周波数同期制御回路92を、MPU91から切り離して、別回路としても、適切に処理することができる。
【0223】
また、本実施の形態においては、エンコーダパルス信号Eの周波数と基準周波数の周波数差に基づいて、周波数誤差フィードバック処理を行っているが、周波数誤差フィードバック処理は、これに限るものではなく、例えば、回転速度に対して、いわゆるPI制御、あるいは、PID制御を行うことにより、回転速度を目標速度に到達させてもよい。
【0224】
図18は、本発明のモータ速度制御装置及びモータ速度制御方法の第8の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、周波数誤差フィードバックによりモータ回転速度を目標速度に向かって加減速するとともに、目標速度に到達すると、目標速度に設定した基準電圧と位相誤差信号との加算信号による位相同期制御に切り換えるものである。
【0225】
本実施の形態の説明において、上記図1、図6、あるいは、図14と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0226】
図18において、モータ速度制御装置100は、位相比較回路41、スイッチ12、加算器13、D/A変換器102、スイッチ15、17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU101、カウンタ22及びD/A変換器73等を備えている。
【0227】
モータ速度制御装置100では、図6に示したメモリ型の位相比較回路41が使用されており、位相比較回路41は、エンコーダパルス信号Eとスイッチ12を介して入力されるエンコーダパルス信号E自身、あるいは、MPU101から入力される基準信号Rの位相を比較して、誤差信号Vθを加算器13に出力する。
【0228】
MPU101は、目標速度に対応したディジタル出力をD/A変換器102に出力し、D/A変換器102は、このディジタル出力をD/A変換して、目標速度に対応した基準電圧V0 を加算器13に出力する。
【0229】
また、MPU101は、エンコーダパルス信号Eの半周期をカウンタ22によりカウントするとともに、目標速度に対応した半周期分をカウントして、エンコーダパルス信号Eの半周期分のカウントと目標速度の半周期分のカウントとの誤差をD/A変換器73に出力し、D/A変換器73でD/A変換して、周波数誤差フィードバック信号Vfとしてスイッチ15に出力する。
【0230】
本実施の形態においては、加減速時、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側に接続し、MPU101からD/A変換器73を介してスイッチ15に入力される周波数誤差フィードバック信号Vfによりモータ19を目標速度へ加減速制御する。すなわち、モータ速度制御装置100は、加減速時においては、周波数誤差同期制御によりモータ10の加減速制御を行って、モータ10を目標速度に加減速する。
【0231】
モータ19の回転速度が目標速度に到達すると、スイッチ12及びスイッチ15を(ロ)側に切り換え、位相比較回路41の出力する位相誤差信号VθとMPU101からD/A変換器102を介して出力する目標速度に対応した基準電圧V0 を加算器13で加算して、この加算結果に基づいて、モータ19の回転制御を行う。
【0232】
そして、基準電圧V0 を用い、位相比較回路41としてメモリ型を使用しているので、位相差δθは、δθ=0であり、初期位相の待ち(wait)時間は、T/2である。
【0233】
このように、本実施の形態においては、PLL制御が位相同期状態に引き込もうとするとき、位相誤差信号Vθにより周波数を微妙に変えることができ、位相をずらして、位相同期を実現することができる。
【0234】
このとき、周波数は、微妙ではあるが、変化するので、制御対象(モータ19)の特性やフィードバックゲインによっては、無視できない程度の大きさで周波数誤差信号が発生することがあり、位相同期制御を不安定にする。
【0235】
このような場合は、本実施の形態のように、基準電圧V0 を設けて、位相同期過程では、周波数誤差フィードバック信号Vfを切り離すことにより、対応することができる。
【0236】
また、本実施の形態によれば、MPU101内の目標速度を変えることで、容易にモータ19の回転速度を変えることができ、目標速度が変化するモータ19の制御にも適用することができる。
【0237】
さらに、本実施の形態においては、メモリ型の位相比較回路41を使用しているが、非メモリ型のものにも容易に変更することができる。
【0238】
図19〜図21は、本発明のモータ速度制御装置の第9の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、周波数誤差信号に基づくフィードバック制御により目標速度まで加減速して、モータの回転速度が目標速度に到達したときに、位相同期制御に制御系を切り換えるとともに、モータドライバに供給する制御信号が連続になるようにするものである。
【0239】
本実施の形態においては、位相比較回路としてメモり型のものを使用しているので、本実施の形態の説明においては、上記図1及び図2と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0240】
図19において、モータ速度制御装置110は、位相比較回路11、スイッチ12、加算器13、スイッチ15、スイッチ17、モータドライバ18、モータ19、エンコーダ20、MPU111、カウンタ22、D/A変換器112、制御信号発生器113、F/V変換器114及びA/D変換器115等を備えている。
【0241】
位相比較回路11は、上記図1及び図2に示したものと同様のメモリ型であり、図20(a)に示すようなエンコーダパルス信号Eと図20(b)に示すような基準信号Rから位相誤差信号Vθを生成して、加算器13に出力する。
【0242】
加算器13は、これらの位相誤差信号Vθと基準電圧V0 を加算して、加算信号をスイッチ15に出力する。
【0243】
MPU111は、目標速度に対応したディジタル出力をD/A変換器112に出力し、D/A変換器112は、このディジタル出力をD/A変換して、目標速度に対応した基準電圧V0 を加算器13及び制御信号発生器113に出力する。
【0244】
F/V変換器114には、エンコーダ20からのエンコーダパルス信号Eが入力され、F/V変換器114は、このエンコーダパルス信号Eの周波数を電圧信号に変換して、制御信号発生器113に出力する。
【0245】
制御信号発生器113は、PI方式あるいはPID方式の制御信号発生器であり、このF/V変換器114から入力される電圧信号と、D/A変換器112を介してMPU111から入力される基準電圧V0 に基づいて、図20(d)に示すような速度制御信号を発生して、スイッチ15に出力する。すなわち、制御信号発生器113は、F/V変換器114から入力される電圧信号と基準電位V0 の差に対応する速度制御信号を生成する。
【0246】
スイッチ15は、上記各実施の形態と同様に、MPU6によりその動作が制御され、モータ19が目標速度に到達するまでは、(イ)側に接続されて、モータ19が目標速度に到達して、所定の待ち時間経過すると、(ロ)側に切り換えられる。
【0247】
スイッチ15からの出力は、スイッチ17を介してモータドライバ18に入力されるとともに、A/D変換器115にも入力され、A/D変換器115は、このモータドライバ18に供給されるアナログの信号をディジタル変換して、MPU111に出力する。
【0248】
したがって、上記D/A変換器112、制御信号発生器113及びF/V変換器114は、所定の基準信号としての基準電位V0 と検出手段としてのエンコーダ20の検出信号であるエンコーダパルス信号Eの周波数誤差信号に基づく速度制御信号を出力する周波数同期制御手段として機能する。
【0249】
そして、MPU111は、この速度制御信号をA/D変換器115を介して取り込んで、モータ10の速度が目標速度に到達した後で、加算器13から出力される速度制御信号が連続したものとなるように、基準信号を設定して、出力端子Rから出力する。
【0250】
位相比較回路11は、モータ10の回転速度が目標速度に達すると、スイッチが(ロ)側に切り換えられて、上記MPU11からの基準信号が基準信号Rとして入力されるので、この基準信号Rとエンコーダパルス信号Eから、図20(c)に示す誤差信号Vθを生成して、加算器13に出力し、加算器13は、この誤差信号Vθと基準電位V0 を加算して、図20(d)に示す速度制御信号をスイッチ15、17を介してモータドライバ18に出力する。
【0251】
したがって、モータドライバ18に供給される速度制御信号は、図20(d)に示すように、連続したものとなる。
【0252】
次に、本実施の形態の動作を、図21に示すフローチャートに基づいて、以下説明する。
【0253】
なお、図21において、上記図5と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付して、その詳細な説明を省略する。
【0254】
モータ速度制御装置110のMPU111は、加速段階での制御は、上記図5の場合と同様に行い(ステップS1〜S6、ステップS8〜S12)、モータ19の速度が同期速度に到達すると、スイッチ42をオンにして(ステップS21)、位相比較回路41に基準信号Rを入力する。
【0255】
すなわち、図20のA点で、スイッチ12及びスイッチ15を(イ)側に接続し、スイッチ17をオンにして、初期設定を完了すると、制御信号発生器113からの速度制御信号に基づいてモータ19の回転を開始し、B点でモータ19の回転速度が目標速度に到達すると、出力端子Rから出力する基準信号Rをエンコーダパルス信号Eがハイレベルであるか、ローレベルであるかに応じて、ハイレベルあるいはローレベルに設定して、出力する(ステップS6、ステップS12)。
【0256】
その後、MPU43は、A/D変換器115を介して取り込(ステップS41)、初期位相δθ及び待ち(wait)時間δTを算出して(ステップS42)、スイッチ12及びスイッチ15を(ロ)側に切り換える(ステップS43)。これにより、位相比較回路11の出力する誤差信号VθとMPU111の出力する基準電位V0 を加算器13で加算した加算出力が、スイッチ15及びスイッチ17を介して、速度制御信号としてモータドライバ18に供給され、モータドライバ18は、この速度制御信号により速度制御を開始する。
【0257】
その後、MPU111は、初期位相分の待ち時間(T/2−δT)だけ待つと(ステップS44)、図20(b)に示すように、出力端子Rから出力している基準信号Rを反転させ(ステップS14)、目標速度に対応した周波数の1/2周期(T/2)待って(ステップS15)、図20のD点において、出力信号(基準信号R)を反転させる処理を順次繰り返す(ステップS14)。すなわち、MPU111は、目標速度に到達して、基準信号Rの位相の調整を行うと、図20に示すように、目標速度に対応した周波数の1/2周期毎に基準信号Rを反転させて、位相比較回路11に出力する。
【0258】
したがって、MPU111は、図20(b)に示すように、D点以降は、エンコーダパルス信号Eと同期し、目標速度に対応した周波数の基準信号Rを位相比較回路11に出力する。
【0259】
そして、MPU111から上記基準信号Rが位相比較回路11に入力されると、位相比較回路11は、上述の動作処理を行って、図4(c)に示すように、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差に対応する位相誤差信号Vθを加算器13に出力する。
【0260】
加算器13は、この誤差信号VθとD/A変換器112を介してMPU111から供給されるオフセット電圧V0 を加算して、スイッチ15及びスイッチ17を介して、モータドライバ18に出力し、モータドライバ18は、この加算器13からの加算出力に基づいてモータ19を駆動する。
【0261】
そして、図20(d)に示すように、速度制御信号は、モータ19の回転速度が目標速度に近づくと、モータ19の回転を抑制する方向に反転するが、上述のように、モータ19の回転が目標速度に到達した時点で、この速度制御信号が連続するように、制御系の切り換えが行われるので、制御量の連続性が保たれ、速度制御系の過渡応答特性を大幅に向上させることができる。
【0262】
したがって、エンコーダパルス信号Eと基準信号Rの位相差によるモータ19の速度のオーバーシュートを、図4(d)に示すように、抑制することができ、位相同期制御手段としてのPLL速度制御(位相比較回路11)系の過渡応答特性を向上させることができる。
【0263】
その結果、目標速度に安定するまでの時間を大幅に短縮させることができるとともに、速度制御系を安定させることができる。
【0264】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0265】
例えば、上記第1の実施の形態から第4の実施の形態においては、モータ19の回転速度が目標速度に到達したとき、目標速度に対応した周波数で、かつ、エンコーダパルス信号Eの位相同期後の位相差と同じ位相差を有した基準信号Rを生成して、位相比較回路11あるいは位相比較回路41に供給するようにしているが、このとき、初期位相差が位相同期手段である位相比較回路11あるいは位相比較回路41の動作範囲の中心になるように基準信号Rを生成して、供給するようにしてもよい
この場合、ハード的構成は、上記各実施の形態と同様であるが、ただ、各MPUは初期位相差δθが全て動作範囲の中心にくるように、初期位相の待ち(wait)時間を決定する。
【0266】
すなわち、図1あるいは図2に示したメモリ型の位相比較回路11においては、δθ=0、すなわち、待ち時間をT/2に決定し、図6あるいは図7に示した非メモリ型の位相比較回路41においては、δθ’=π/2、すなわち、待ち時間をT/4に決定する。
【0267】
具体的には、例えば、第2の実施の形態においては、図9に示したように、最終的に位相同期して安定するのは、安定点として示した位相差δθ’の点であり、モータ19の回転速度が目標速度に到達して、制御系を位相比較回路41に切り換えた直後では、第2の実施の形態においては、位相差がδθ’であるので、安定点に引き込み易い。
【0268】
ところが、モータ19の負荷のイナーシャが大きい場合など、応答が遅い場合には、直に安定点に収束するとは限らず、安定点の回りを振動しながら収束する。当然のことながら、振動の振り幅は、制御系を切り換えた直後が最も大きい。すなわち、図9のように安定点が位相比較範囲の端にある場合、振り幅によっては、位相比較範囲を外れるおそれがあり、位相比較範囲を外れると、一旦大きく位相をくずしてから同期するので、同期するまでに、かえって長く時間を要することとなる。
【0269】
そこで、上述のように、初期位相差が位相同期手段である位相比較回路11あるいは位相比較回路41の動作範囲の中心になる位相タイミングで基準信号Rを生成して、供給すると、位相比較範囲の中心から同期過程が開始されるので、位相比較範囲を外れることを防止することができ、より一層確実に、かつ、速やかに安定させることができる。
【0270】
また、初期位相の設定を単純化することができ、制御手段であるMPUを簡単に構成することができる。
【0271】
上記第5の実施の形態から第9の実施の形態においては、周波数誤差をフィードバックしており、あるいは、基準電位V0 を目標速度に対応させている効果により、すでに初期位相が、位相比較回路11あるいは位相比較回路41の動作範囲の中心に存在しており、上記効果を有している。
【0272】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のモータ速度制御装置によれば、
速度信号と基準信号の位相差に基づく速度制御系の過渡応答特性を大幅に向上させることができ、目標速度に安定するまでの時間を短縮することができるとともに、速度制御系を安定化させることができる。
【0273】
請求項2記載の発明のモータ速度制御装置によれば、
速度制御系全体の構成を簡単なものとすることができ、ハード的に回路を組み込む場合には、回路構成が簡単なものとなり、コストを低減させることができ、また、ソフト的に構成する場合には、ソフト処理が簡単になり、計算処理等の負荷を小さくして、処理速度を向上させることができる。
【0274】
また、モータ駆動系のイナーシャ等が小さく、位相同期過程の応答が速い系では、上記速度制御手段から位相同期制御手段への制御系の切換時の不安定性が少なくなっているので、従来、速度フィードバックループにより加減速していた制御系をオープンループ制御手段により、モータの加減速を行うことができ、適用範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータ速度制御装置の第1の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図2】図1の位相比較回路の詳細な回路構成図。
【図3】図1のモータ速度制御装置の各部の信号のタイミング図。
【図4】図1及び図2の位相比較回路の各部の信号のタイミング図
【図5】図1のモータ速度制御装置によるモータの速度制御処理を示すフローチャート。
【図6】本発明のモータ速度制御装置の第2の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図7】図6の位相比較回路の詳細な回路構成図。
【図8】図6のモータ速度制御装置の各部の信号のタイミング図。
【図9】図6のモータ速度制御装置の位相比較回路の動作特性図。
【図10】図6のモータ速度制御装置によるモータの速度制御処理を示すフローチャート。
【図11】図6及び図7の位相比較回路の各部の信号のタイミング図
【図12】本発明のモータ速度制御装置の第3の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図13】本発明のモータ速度制御装置の第4の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図14】本発明のモータ速度制御装置の第5の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図15】図14のモータ速度制御装置によるモータの速度制御処理を示すフローチャート。
【図16】本発明のモータ速度制御装置の第6の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図17】本発明のモータ速度制御装置の第7の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図18】本発明のモータ速度制御装置の第8の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図19】本発明のモータ速度制御装置の第9の実施の形態を適用したモータ速度制御装置の回路構成図。
【図20】図19の位相比較回路の各部の信号のタイミング図
【図21】図19のモータ速度制御装置によるモータの速度制御処理を示すフローチャート。
【図22】メモリ型の位相比較回路の動作特性図。
【図23】非メモリ型の位相比較回路の動作特性図。
【図24】従来のPLL制御系を用いたモータ速度制御装置の回路構成図。
【図25】図24のモータドライバへの入力電圧とエンコーダの出力するエンコーダパルス信号の周波数との関係を示す図。
【符号の説明】
10 モータ速度制御装置
11 位相比較回路
12、15、17、33、34 スイッチ
13 加算器
14 オフセット電圧発生回路
16 立ち上げ電圧発生回路
18 モータドライバ
19 モータ
20 エンコーダ
21 MPU
22、35 カウンタ
31 位相比較器
32 カウント信号発生器
36 D/A変換器
40 モータ速度制御装置
41 位相比較回路
42、45 スイッチ
43 MPU
44 位相比較器
46 カウンタ
50 モータ速度制御装置
51 電流フィードバック回路
60 モータ速度制御装置
61 立ち上げ電圧発生回路
70 モータ速度制御装置
71 スイッチ
72 MPU
73 D/A変換器
80 モータ速度制御装置
90 モータ速度制御装置
91 MPU
92 周波数同期制御回路
93 電流フィードバック回路
94 基準電圧発生回路
95 F/V変換器
96 電圧比較器
100 モータ速度制御装置
101 MPU
102 D/A変換器
110 モータ速度制御装置
111 MPU
112 D/A変換器
113 制御信号発生器
114 F/V変換器
115 A/D変換器
R 基準信号
E エンコーダパルス信号
Vθ 誤差信号
δθ 位相差
Claims (2)
- モータの速度を検出して速度信号として出力する検出手段と、
前記検出手段の出力する速度信号と所定の基準信号との位相誤差信号に基づく速度制御信号を出力する位相同期制御手段と、
所定の速度制御信号を出力して、前記モータを加減速させる速度制御手段と、
前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号と前記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を択一的に選択して出力する選択手段と、
前記選択手段から出力される信号に基づいて前記モータの駆動を行う駆動手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記モータの加減速時には、前記速度制御手段の出力する前記速度制御信号を選択し、前記モータの速度が所定の目標速度に到達すると、前記位相同期制御手段の出力する前記速度制御信号を選択し、前記駆動手段に出力するモータ速度制御装置において、
前記位相同期制御手段は、EXOR型の位相比較回路であって、前記検出手段の出力する速度信号および予め推定した位相同期後の位相差を有する基準信号を、前記EXOR型の位相比較回路に入力することを特徴とするモータ速度制御装置。 - 前記速度制御手段は、
前記モータが許容する一定電圧、一定電流、あるいは、予め設定された制御信号を前記速度制御信号として出力するオープンループ制御により前記モータを加減速制御することを特徴とする請求項1記載のモータ速度制御装置。
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