JP3651489B2

JP3651489B2 - Magnetic recording medium

Info

Publication number: JP3651489B2
Application number: JP27893793A
Authority: JP
Inventors: 克己木内; 栄進山川; 善透北本; 真渡辺
Original assignee: Fujitsu Ltd
Current assignee: Fujitsu Ltd
Priority date: 1993-09-12
Filing date: 1993-09-12
Publication date: 2005-05-25
Anticipated expiration: 2020-05-25
Also published as: JPH0785461A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、コンピュータの外部記憶装置として用いられている磁気ディスク装置や磁気テープ装置における磁気記録媒体に関し、特に長期的信頼性の高い磁気記録媒体に関する。
【０００２】
近年、情報量の増大に伴い、磁気ディスク装置に対して、より一層の高密度、大容量化が切望されている。この大容量化、高密度化を促進する上で、現在のキーテクノロジーとなっているのが、ヘッド・媒体系の高性能化とヘッド・媒体間の浮上隙間の低減である。実際、各メーカでは、ヘッド・媒体系で磁気抵抗効果型ヘッドや垂直記録用ヘッド・媒体の新規適用を図る一方、ヘッド・媒体間の低浮上化は０.1μｍレベルに至っている。
【０００３】
【従来の技術】
図１１は磁気ディスク装置の内部構造の全容を示す平面図であり、磁気ディスクＤが高速回転している状態で、その半径方向に磁気ヘッド７が移動してシーク動作し、情報の記録／再生が行なわれる。この磁気ヘッド７の位置で磁気ディスクＤ切断し拡大すると、図９のようになる。
【０００４】
薄膜型の磁気ディスクＤにおいて、１はアルミニウムやガラスなどの非磁性体からなる基板であり、その表面に形成したNiＰめっき層２上に、下地膜３としてＣｒなどをスパッタする。そして、CoCrTaまたはCoNiCrなどの磁性体をスパッタして薄膜磁性膜４を形成した後、保護膜５としてカーボンなどをスパッタし、最後にパーフロロポリエーテルなどの潤滑剤６を塗布して、完成する。この磁気ディスクを矢印a₁方向に高速回転させ、風力によって磁気ヘッド７が浮上した状態で、情報の記録／再生を行なう。
【０００５】
図10は従来の薄膜型の磁気ディスクの製造方法を工程順に示す断面図であり、本発明の出願人が先に出願した特願平３−336495号においても開示されている。工程 (1)において、１はアルミニウムなどの非磁性体からなるドーナツ状の基板であり、作製しようとする磁気ディスクと同じサイズに形成されている。例えば、2.５インチの小径磁気ディスクを製造する場合は、非磁性円板１も2.５インチのものを用いる。
【０００６】
そして、工程(2) において、非磁性円板１の両面に、NiＰメッキ下地層２を形成し、その上に工程(3) において、回転している非磁性基板の板面に研摩テープを押し当てて、円周方向に微細なテクスチャー溝８を形成する。
【０００７】
次に、工程(4) において、テクスチャー溝８の上に、Co合金の水平配向性を高めるためのCr下地層３を1000Å程度成膜し、その上に工程(5) において、例えばCo合金などから成る磁性膜４が５00Å程度成膜される。この磁性膜４の上に、工程(6) のように、保護膜として水素含有炭素膜５を３00Å程度形成し、最後にフッ素系の潤滑層６が塗布される。Cr層３、薄膜型の磁性膜４およびカーボン膜５は、スパッタなどの薄膜技術で成膜される。
【０００８】
工程(3) で形成したテクスチャー溝８は、情報を記録／再生する際の電磁変換特性が向上するように、磁気異方性を付与するためのものである。
【０００９】
また、テクスチャー溝８に沿ってカーボン膜５も凹凸となるため、潤滑剤で磁気ヘッドが磁気ディスク面に吸着されるのを抑制でき、かつ磁気ヘッドと磁気ディスク面との間の摩擦を小さくすることができる。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のようにヘッド・媒体間が低浮上化することにより、ヘッドが媒体と接触する確率が必然的に高くなるため、その実現には優れた耐久性を示す保護・潤滑処理を開発することが不可欠となる。
【００１１】
この耐久性を向上させる手法としては、従来のアモルファス炭素膜をスパッタ成膜する手法から、水素を炭素膜中に導入してダイヤモンドライク化することにより、膜硬度・耐衝撃性を高め機械的特性を改善することや、潤滑剤として下地との官能基をもつパーフロロポリエーテルを適用すること等が提案され、一部実用化されている。
【００１２】
水素含有炭素膜の適用は、前記のように機械的特性の改善には有効であることが確認されている。しかしながら、本発明の発明者らが鋭意調査した結果、特定以上の水素量を含むと潤滑剤との付着力が低下してしまうことが判明した。保護膜と潤滑剤との付着力低下は、ＣＳＳ(Cotact Start Stop )方式や高速回転が採用される磁気ディスク装置においては、潤滑層の膜減りが顕著となり、耐久性、信頼性の低下を招いてしまう。
【００１３】
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、保護膜の機械的強度が高く、しかも保護膜と潤滑剤との付着力が向上する磁気記録媒体を実現することにある。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
請求項１〜２は磁気記録媒体の発明である。
【００１５】
請求項１の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、情報を記憶する磁気記録層と該磁気記録層の損傷を防止する炭素系保護層および潤滑層を順次形成した磁気記録媒体において、該炭素系保護層は、磁気記録層４側がＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3以上の第１水素含有炭素膜５１、潤滑層６側がＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3未満の第２水素含有炭素膜５２、からなる２層構成になっており、前記潤滑層６を構成する潤滑剤が、水酸基あるいは芳香族をもつ官能基を有するパーフロロポリエーテルであることを特徴とする。
【００１６】
請求項２の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、情報を記憶する磁気記録層と該磁気記録層の損傷を防止する炭素系保護層および潤滑層を順次形成した磁気記録媒体において、該炭素系保護層は、磁気記録層４側がＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3以上であり、潤滑層６側がＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3未満であるように、磁気記録層側と潤滑層側との間の水素含有量が徐々に変化するように連続的に成膜されており、前記潤滑層６を構成する潤滑剤が、水酸基あるいは芳香族をもつ官能基を有するパーフロロポリエーテルであることを特徴とする。
【００２７】
【作用】
本発明の磁気記録媒体は、請求項１に記載のように、炭素系保護層の磁気記録層４側がＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3以上の第１水素含有炭素膜５１からなるため、磁気ヘッドが衝突した時の耐衝撃性などの機械的特性が高く、耐久性にすぐれている。一方、炭素系保護層の潤滑層６側は、Ｃ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3未満の第２水素含有炭素膜５２からなるため、潤滑剤との付着力が強く、潤滑作用を長期間維持できる。さらに、潤滑層６を構成する潤滑剤が、水酸基あるいは芳香族をもつ官能基を有するパーフロロポリエーテルからなるため、化学反応性が高く、反応時間を短縮でき、磁気記録媒体製造の所要時間を短縮できる。しかも、潤滑剤と第２水素含有炭素膜５２間の結合力も高まる。
【００２８】
また、請求項２に記載のように、炭素系保護層は、磁気記録層４側がＣ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3 以上であり、潤滑層６側がＣ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3 未満であるように、磁気記録層側と潤滑層側との間の水素含有量が徐々に変化するように連続的に成膜されており、前記潤滑層６を構成する潤滑剤が、水酸基あるいは芳香族をもつ官能基を有するパーフロロポリエーテルであるように構成することで、請求項１と同様の作用効果に加え、炭素系保護層の膜内結合力を高めることができるという利点が得られる。
【００３５】
【実施例】
次に本発明による磁気記録媒体とその製造方法が実際上どのように具体化されるかを実施例で説明する。
【００３６】
〔磁気記録媒体について〕
図１(a)(b)は本発明による磁気記録媒体の実施例を、従来の磁気記録媒体と比較して示した模式断面図である。そして、両者の炭素系保護層５、51・52の水素含有量をパラメータとして、潤滑層６との付着性を調査した結果を図２に示す。
【００３７】
図１（ｂ）に示す従来構成の評価サンプルは、スパッタリング装置を用いて、Ni-Pめっき処理を施したアルミニウムからなる非磁性ディスク基板上に、Ｃｒ下地層３を1000Å、CoCrTa記録層４を５00Å、水素含有炭素保護膜５を３00Å順次積層形成した後、その上に芳香族を官能基にもつパーフロロポリエーテル（商品名：フォンブリンＡＭ3001、モンテカチーニ社製) を約25Åの厚さで塗布し、完成した。なお、炭素系保護膜５の水素含有量は、Arとメタンガスの混合比を変えることによって制御し、また潤滑剤の付着性は、フッ素系溶剤によるリンス後の残存量によって評価した。
【００３８】
図２から明らかなように、炭素膜５中の水素含有量が20％を越え、33％、52％、54％となると、初期膜厚25Åの潤滑層がリンス後は５Å程度しか残っておらず、官能基をもつ潤滑剤といえども、その付着性が著しく低下してしまうことが分かる。つまり、従来の水素含有量20％以上の炭素系保護層は、機械的特性はすぐれているが、潤滑剤との付着力が弱い。なお、本明細書において水素含有量の％とは、炭素と水素の組成比率を述べる場合に一般的に使われているａｔ％を意味する。
【００３９】
図３は図２の測定結果をグラフ化して、炭素系保護層中の水素含有量と潤滑剤の付着性との関係を示したものである。この図からも明らかなように、炭素系保護層中の水素含有量が減少するほど、溶媒リンス後の残存潤滑剤の膜厚が厚くなる傾向にあり、潤滑剤付着性の効果が現れている。
【００４０】
図４は第１６回日本応用磁気学会学術講演概要集（１９９２年）第５２９頁で紹介されている内容であり、横軸は炭素系膜中の水素含有量（％）、縦軸はビッカース硬度である。この図からも明らかなように、水素含有量が５２％程度以下では、水素含有量が増えるほどカーボン膜硬度が増し、耐摩耗性、摺動特性が向上する。
【００４１】
図１（ａ）のように、本発明の磁気記録媒体も、スパッタリング装置を用いて、Ni-Pめっき処理を施したアルミニウムからなる非磁性ディスク基板１上に、Cr下地層３を1000Å、CoCrTa記録層４を５00Åを順次積層形成するまでは、従来と同じである。
【００４２】
そして、本発明の実施例では、水素含有炭素保護膜が、水素含有量の異なる２層構成になっている。すなわち、磁気記録層４側の第１水素含有炭素膜51は水素含有量が20％（あるいはＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3）以上であり、潤滑層６側の第２水素含有炭素膜52は水素含有量20％（あるいはじＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3）未満である。そして、潤滑層６は官能基を有するパーフロロポリエーテルで構成されている。
【００４３】
図２から明らかなように、水素含有量が20％を越えると、潤滑剤の付着性は劣るが、機械的特性にすぐれている。一方、水素含有量が20％未満、すなわち16％の場合は、溶媒でリンス後でも、10Åの潤滑剤が残っており、付着性にすぐれていることが分かる。
【００４４】
したがって、本発明のように水素含有量が20％以上で機械的特性にすぐれた第１水素含有炭素膜５１上に、水素含有量が20％未満で潤滑剤との付着性にすぐれた第２水素含有炭素膜５２を積層した２層構造にすると、機械的特性がよく耐久性にすぐれ、かつ前潤滑剤との付着性がよく潤滑作用の持続する磁気記録媒体を実現でき、耐久性と信頼性との双方の要望を実現できる。
【００４５】
炭素系保護層が厚くなるほど、磁気ヘッドと磁気記録層４間の距離が増大して電磁変換効率が低下するので、２層構造の水素含有炭素膜５１、５２を合わせた膜厚は、500 Å以下とするのがよい。なお、潤滑層６側の第２水素含有炭素膜５２は、潤滑剤の付着力が高まる程度の膜厚で足り、一方機械的強度を高めるための磁気記録層４側の第１水素含有炭素膜51は、厚めに成膜するのがよい。
【００４６】
本実施例では、炭素系保護層の形成法として、メタンガスを混合したスパッタリング法を用いているが、水素を含む混合ガスならよく、またスパッタリング法に代わってＣＶＤ法などを利用してもよい。さらに、潤滑剤も、フォンブリンＡＭ3001だけでなく、フォンブリンZdolといった他の官能基をもつパーフロロポリエーテルを用いても、同様な効果が得られる。
【００４７】
図１（ａ）の説明では、第１水素含有炭素膜５１と第２水素含有炭素膜５２との境界面で水素含有量が変化しているが、水素含有量を少しずつ変化させることもできる。この場合は、磁気記録層４側の水素含有量を20％以上とし、次第に水素含有量を減らすことで、潤滑層６側の水素含有量を20％以下とする。このように、水素含有量が次第に減少する炭素系保護層とし、境界を無くすことで、炭素系保護層内部の密着強度を高めることができる。
【００４８】
図１（ａ）におけるＣｒ下地膜３、記録層４、第１及び第２水素含有炭素膜51、52の成膜は、図５（ａ）に示すように基板ホルダー８に円板１を保持させた状態で、キャリヤ９を図５（ｂ）に示すようなＣｒターゲットｔ１、磁性材ターゲットｔ２、水素含有炭素ターゲットｔ３、ｔ４の前を通過させて、各円板１の両面に順次積層していく。
【００４９】
図５（ｂ）において、スパッタ室１０中の水素含有炭素ターゲットｔ３は、図１における第１水素含有炭素膜５１を形成するためのもので、水素含有量が20％以上となるように、スパッタ室１０中のメタンガス混合比は１０％以上に設定される。次のスパッタ室１１中の水素含有炭素ターゲットｔ４は、図１における第２水素含有炭素膜５２を形成するためのもので、水素含有量が20％未満となるように、スパッタ室１１中のメタンガス混合比は10％未満に設定される。
【００５０】
そして、両スパッタ室１０、１１間の仕切り開口１２を可能な限り狭くしておくと、図１（ａ）のように第１水素含有炭素膜51と第２水素含有炭素膜52との間で水素含有量の異なった成膜が行なわれる。
【００５１】
〔磁気記録媒体の製造方法について〕
図６(a)(b)は本発明による磁気記録媒体の製造方法の実施例を、従来の製造方法と比較して示した模式断面図である。そして、両者の炭素系保護層の水素含有量および紫外線照射時間をパラメータとして、潤滑剤との付着性を調査した結果を図７に示す。
【００５２】
図６（ｂ）に示す従来構成の評価サンプルは、スパッタリング装置を用いて、Ni-Pめっき処理を施したアルミニウムからなる非磁性ディスク基板１上に、Ｃｒ下地層３を1000Å、CoCrTa記録層４を５00Å、水素含有炭素保護膜５を３00Å順次積層形成した後、その上に芳香族を官能基にもつパーフロロポリエーテル（商品名：フォンブリンＡＭ3001、モンテカチーニ社製) を約25Åの厚さで塗布し、完成した。なお、炭素系保護膜５の水素含有量は、Arとメタンガスの混合比を変えることによって制御し、また潤滑剤の付着性は、フッ素系溶剤によるリンス後の残存量によって評価した。
【００５３】
図７から明らかなように、炭素膜５中の水素含有量が20％を越えて33％となると、初期膜厚25Åの潤滑剤がリンス後は５Å程度しか残っておらず、官能基をもつ潤滑剤といえども、その付着性が著しく低下してしまうことが分かる。
【００５４】
これに対し、図６（ａ）のように、スパッタリング装置を用いて、Ni-Pめっき処理を施したアルミニウムからなる非磁性ディスク基板１上に、Ｃｒ下地層３を1000Å、CoCrTa記録層４を 500Åを順次積層形成し、パーフロロポリエーテルからなる潤滑剤に紫外線照射すると、図７のように水素含有量が33％の場合でも、潤滑剤の残量は２倍以上に増えている。しかし、図７から明かなように水素含有量が 20 ％未満の場合と比べると潤滑剤の残量は少ない。なお、紫外線として 185nmと 254nmの波長成分のものを用いた。
【００５５】
図８は別の測定結果であり、横軸は紫外線照射時間、縦軸は潤滑層の厚さで、斜線領域は溶媒リンス後に残った膜厚である。（１）図と（２）図とでは潤滑層の膜厚は異なるが、水素含有量が20％未満のノーマルカーボンの例である。この場合でも、紫外線を30秒間以上照射すると、潤滑剤の付着性が向上している。
【００５６】
（３）図と（４）図とでは潤滑層の膜厚は異なるが、水素含有量が20％以上のダイヤモンドライクカーボンの例である。この場合も、紫外線を30秒間以上照射すると、潤滑剤の付着が良くなっている。しかし、水素含有量が 20 ％未満の（１）図と（２）図のノーマルカーボンの場合と比べると潤滑剤の厚さは薄くなっている。
【００５７】
本発明は、上記の調査結果をふまえ、図６（ａ）のように、従来の水素含有量20％以上の炭素系保護層５を有する磁気記録媒体において潤滑剤を塗布した後、紫外線照射を行ない、磁気記録媒体を完成した。付着力の指標として、“溶媒リンス後の潤滑膜厚／リンス前の潤滑膜厚”の比率を用いた場合、従来の純Ａｒ雰囲気でスパッタ成膜した炭素膜上の潤滑剤は約40％であり、本発明の磁気記録媒体も紫外線照射の条件により、その比率を40％以上に設定することが可能となる。なお、磁気ヘッドと磁気記録層４間の距離が増大し信号品質が低下しないように、炭素系保護層５の膜厚は、５00Å以下とするのがよい。
【００５８】
図５のスパッタ装置を用いて、磁気記録層側の水素含有量20％以上の第１水素含有炭素膜51の上に水素含有量20％未満の第２水素含有炭素膜52を積層し、潤滑剤を塗布した後に紫外線照射すると、紫外線照射と第２水素含有炭素膜52の潤滑剤付着の作用が相まって、潤滑剤と水素含有炭素系保護層との付着力がより向上する。
【００５９】
本実施例では、炭素系保護層の形成法として、メタンガスを混合したスパッタリング法を用いているが、水素を含む混合ガスならよく、またスパッタリング法に代わってＣＶＤ法などを利用してもよい。さらに、潤滑剤も、フォンブリンＡＭ3001だけでなく、フォンブリンZdolといった他の官能基をもつパーフロロポリエーテルを用いても、同様な効果が得られる。潤滑剤の層の膜厚は、20Å以上で評価したが、20Å以下の膜厚も可能であり、特に本発明により潤滑剤の付着力が高くなると１０Å以下も可能である。
【００６０】
【発明の効果】
本発明の磁気記録媒体によると、炭素系保護層の磁気記録層４側がＣ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3 以上の第１水素含有炭素膜５１からなるため、耐衝撃性などの機械的特性が高く、耐久性にすぐれており、しかも潤滑層６側のＣ−Ｈ量が 0.4×10²²ｃｍ^-3未満の第２水素含有炭素膜５２からなるため、潤滑剤との付着力が向上し、潤滑作用を長期間維持できる。さらに、潤滑層６を構成する潤滑剤が、水酸基あるいは芳香族をもつ官能基を有するパーフロロポリエーテルからなるため、化学反応性が高く、反応時間を短縮でき、磁気記録媒体製造の所要時間を短縮できる。しかも、潤滑剤と第２水素含有炭素膜５２間の結合力も高まる。したがって、保護層としての機械的強度と潤滑剤の付着力の両方の要望を満たすことができ、長期的信頼の高い磁気記録媒体を実現できる。
【００６１】
また、炭素系保護層と潤滑層との付着力が向上することで、潤滑膜の膜減りが抑制されるので、膜減りを考慮した量分だけ潤滑層や炭素系保護層の膜厚を薄くできる。その結果、磁気ヘッドと磁気記録層との距離を短縮することができ、電磁変換特性が改善され、信号品質が向上するほか、磁気記録媒体の薄型化も実現される。
【００６２】
さらに、炭素系保護層は、磁気記録層４側がＣ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3 以上であり、潤滑層６側がＣ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3 未満であるように、磁気記録層側と潤滑層側との間の水素含有量が徐々に変化するように連続的に成膜され、かつ潤滑層６を構成する潤滑剤が、水酸基あるいは芳香族をもつ官能基を有するパーフロロポリエーテルであるように構成すると、炭素系保護層内部の膜結合力も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による磁気記録媒体の実施例を従来構成と比較して示す模式断面図である。
【図２】図１に示した従来構成と本発明の実施例との特性を比較して示す図である。
【図３】図２の結果をグラフ化した図である。
【図４】水素含有量と炭素系保護層の膜硬度の関係を示す図である。
【図５】水素含有量の異なる２層を連続スパッタする装置を例示する図である。
【図６】本発明による磁気記録媒体製造方法の実施例を従来方法と比較して示す、磁気記録媒体の模式断面図である。
【図７】図６に示した従来方法と本発明方法との特性を比較して示す図である。
【図８】紫外線照射時間と潤滑剤付着量との関係を示した測定結果である。
【図９】従来の薄膜磁気ディスクの断面構造を示す図である。
【図１０】従来の薄膜磁気ディスクの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図１１】磁気ディスク装置の内部構造の全容を示す平面図である。
【符号の説明】
Ｄ磁気ディスク
１非磁性基板
２ NiＰめっき層
３Ｃｒ下地層
４磁気記録層（薄膜磁性膜）
５炭素系保護層（保護膜）
51 第１水素含有炭素膜（Ｃ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3以上）
52 第２水素含有炭素膜（Ｃ−Ｈ量が 0.4 × 10 ²² ｃｍ ^-3未満）
６潤滑剤の層（潤滑層）
７磁気ヘッド
10,11 スパッタ室
12 スパッタ室間の開口
ｔ１〜ｔ４ターゲット[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a magnetic recording medium in a magnetic disk device or a magnetic tape device used as an external storage device of a computer relates especially long-term reliable magnetic recording medium body.
[0002]
In recent years, as the amount of information increases, there is a strong demand for higher density and larger capacity for magnetic disk devices. In order to promote this increase in capacity and density, the current key technologies are to improve the performance of the head / medium system and to reduce the clearance between the head and the medium. In fact, each manufacturer attempts to newly apply a magnetoresistive head and a perpendicular recording head / medium in the head / medium system, while the low flying height between the head and the medium has reached the 0.1 μm level.
[0003]
[Prior art]
FIG. 11 is a plan view showing the entire internal structure of the magnetic disk apparatus. When the magnetic disk D is rotating at high speed, the magnetic head 7 moves in the radial direction to perform a seek operation, and information is recorded / reproduced. Is done. When the magnetic disk D is cut and enlarged at the position of the magnetic head 7, it becomes as shown in FIG.
[0004]
In the thin-film magnetic disk D, reference numeral 1 denotes a substrate made of a non-magnetic material such as aluminum or glass, and Cr or the like is sputtered as a base film 3 on the NiP plating layer 2 formed on the surface thereof. Then, after a thin film magnetic film 4 is formed by sputtering a magnetic material such as CoCrTa or CoNiCr, carbon or the like is sputtered as a protective film 5, and finally a lubricant 6 such as perfluoropolyether is applied to complete. . Information is recorded / reproduced while the magnetic disk is rotated at high speed in the direction of arrow a ₁ and the magnetic head 7 is floated by wind force.
[0005]
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a conventional method of manufacturing a thin film type magnetic disk in the order of steps, which is also disclosed in Japanese Patent Application No. 3-336495 filed earlier by the applicant of the present invention. In step (1), reference numeral 1 denotes a donut-shaped substrate made of a nonmagnetic material such as aluminum, and is formed in the same size as the magnetic disk to be manufactured. For example, when a 2.5-inch small-diameter magnetic disk is manufactured, the non-magnetic disk 1 is also 2.5 inches.
[0006]
Then, in step (2), the NiP plating underlayer 2 is formed on both surfaces of the nonmagnetic disc 1, and the polishing tape is pressed on the surface of the rotating nonmagnetic substrate in step (3). The fine textured grooves 8 are formed in the circumferential direction.
[0007]
Next, in step (4), about 1000 mm of Cr underlayer 3 for enhancing the horizontal orientation of the Co alloy is formed on the texture groove 8, and in step (5), for example, a Co alloy or the like is formed. A magnetic film 4 made of about 500 mm is formed. On the magnetic film 4, a hydrogen-containing carbon film 5 is formed as a protective film in an amount of about 300 mm as in step (6), and finally a fluorine-based lubricating layer 6 is applied. The Cr layer 3, the thin film type magnetic film 4 and the carbon film 5 are formed by a thin film technique such as sputtering.
[0008]
The texture grooves 8 formed in the step (3) are for imparting magnetic anisotropy so as to improve electromagnetic conversion characteristics when information is recorded / reproduced.
[0009]
Further, since the carbon film 5 is also uneven along the texture groove 8, it is possible to suppress the magnetic head from being attracted to the magnetic disk surface by the lubricant, and to reduce the friction between the magnetic head and the magnetic disk surface. be able to.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, as the distance between the head and the medium becomes low as recently, the probability that the head will come into contact with the medium inevitably increases. To achieve this, a protection and lubrication process with excellent durability will be developed. It is essential.
[0011]
As a technique to improve this durability, mechanical hardness and impact resistance are improved by introducing diamond into a carbon film by introducing hydrogen into the carbon film from the conventional technique of sputtering an amorphous carbon film. Improvement of the above, and the application of perfluoropolyether having a functional group with the base as a lubricant have been proposed and some have been put into practical use.
[0012]
Application of the hydrogen-containing carbon film has been confirmed to be effective in improving the mechanical properties as described above. However, as a result of intensive investigations by the inventors of the present invention, it has been found that if the amount of hydrogen exceeds a specific level, the adhesion with the lubricant is reduced. The decrease in the adhesion between the protective film and the lubricant causes a significant decrease in the thickness of the lubricant layer in magnetic disk devices that employ the CSS (Cotact Start Stop) method and high-speed rotation, leading to a decrease in durability and reliability. I will.
[0013]
The technical problem of the present invention focuses on these problems, the mechanical strength of the protective film is high and is to realize a magnetic recording medium body adhesion between the protective film and the lubricant is improved.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
Claims 1 and 2 are inventions of a magnetic recording medium .
[0015]
The magnetic recording medium according to claim 1 is a magnetic recording medium in which a magnetic recording layer for storing information, a carbon-based protective layer for preventing damage to the magnetic recording layer, and a lubricating layer are sequentially formed on a nonmagnetic substrate. system protective layer, magnetic recording layer 4 side C -H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more first hydrogen-containing carbon film 51, the lubricating layer 6 side C -H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 The second hydrogen-containing carbon film 52 is a two-layer structure, and the lubricant constituting the lubricating layer 6 is a perfluoropolyether having a functional group having a hydroxyl group or an aromatic group. And
[0016]
The magnetic recording medium according to claim 2 is a magnetic recording medium in which a magnetic recording layer for storing information, a carbon-based protective layer for preventing damage to the magnetic recording layer, and a lubricating layer are sequentially formed on a nonmagnetic substrate. system protective layer is a magnetic recording layer 4 side is C -H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more, as a lubricating layer 6 side is C -H amount is less than 0.4 × 10 ²² cm ^-3, the magnetic recording The film is continuously formed so that the hydrogen content between the layer side and the lubricating layer side gradually changes, and the lubricant constituting the lubricating layer 6 has a functional group having a hydroxyl group or an aromatic group. It is a perfluoropolyether .
[0027]
[Action]
The magnetic recording medium of the present invention, as described in claim 1, the magnetic recording layer 4 side of the carbon-based protective layer is from C -H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more first hydrogen-containing carbon film 51 becomes therefore, mechanical properties such as impact resistance when the magnetic head collides is high, and excellent durability. On the other hand, the lubricating layer 6 side of the carbon-based protective layer is composed of the second hydrogen-containing carbon film 52 having a C— H amount of less than 0.4 × 10 ²² cm ⁻³ , and therefore has a strong adhesion to the lubricant and provides a lubricating action. Can be maintained for a long time. Further, since the lubricant constituting the lubricating layer 6 is made of perfluoropolyether having a hydroxyl group or an aromatic functional group, the chemical reactivity is high, the reaction time can be shortened, and the time required for manufacturing the magnetic recording medium can be reduced. Can be shortened. In addition, the bonding force between the lubricant and the second hydrogen-containing carbon film 52 is also increased.
[0028]
Further, as described in claim 2, the carbon-based protective layer is a magnetic recording layer 4 side is C-H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more, the lubricating layer 6 side is C-H weight 0.4 × 10 ^The lubricant forming the lubricating layer 6 is formed continuously so that the hydrogen content between the magnetic recording layer side and the lubricating layer side gradually changes so as to be less than ²² cm ^−3. Is a perfluoropolyether having a functional group having a hydroxyl group or an aromatic group, in addition to the same function and effect as in claim 1, the in-film bonding force of the carbon-based protective layer can be increased. The advantage is obtained.
[0035]
【Example】
Next, practical examples of how the magnetic recording medium and the manufacturing method thereof according to the present invention are embodied will be described.
[0036]
[About magnetic recording media]
1A and 1B are schematic cross-sectional views showing an embodiment of a magnetic recording medium according to the present invention in comparison with a conventional magnetic recording medium. And the result of having investigated the adhesiveness with the lubricating layer 6 by making into a parameter the hydrogen content of both carbon-type protective layers 5, 51 * 52 is shown in FIG.
[0037]
The evaluation sample of the conventional configuration shown in FIG. 1B is a nonmagnetic disk substrate made of aluminum that has been subjected to Ni-P plating using a sputtering apparatus, with a Cr underlayer 3 of 1000 mm and a CoCrTa recording layer 4. After 500 nm of hydrogen-containing carbon protective film 5 is sequentially laminated, perfluoropolyether having an aromatic functional group (trade name: Fomblin AM3001, manufactured by Montecatini Co.) is applied in a thickness of about 25 mm. And completed. The hydrogen content of the carbon-based protective film 5 was controlled by changing the mixing ratio of Ar and methane gas, and the adhesion of the lubricant was evaluated by the residual amount after rinsing with a fluorine-based solvent.
[0038]
As is clear from FIG. 2, when the hydrogen content in the carbon film 5 exceeds 20% and becomes 33%, 52%, and 54%, the lubricating layer with an initial film thickness of 25 mm remains only about 5 mm after rinsing. First, it can be seen that even a lubricant having a functional group significantly decreases its adhesion. That is, the conventional carbon-based protective layer having a hydrogen content of 20% or more has excellent mechanical properties, but has a low adhesion to the lubricant. In the present specification,% of hydrogen content means at% generally used when describing the composition ratio of carbon and hydrogen.
[0039]
FIG. 3 is a graph showing the measurement results of FIG. 2, and shows the relationship between the hydrogen content in the carbon-based protective layer and the adhesion of the lubricant. As is clear from this figure, as the hydrogen content in the carbon-based protective layer decreases, the film thickness of the remaining lubricant after solvent rinsing tends to increase, and the effect of lubricant adhesion appears. .
[0040]
FIG. 4 shows the contents introduced in the 16th Annual Meeting of the Japan Society of Applied Magnetics (1992), page 529. The horizontal axis represents the hydrogen content (%) in the carbon-based film, and the vertical axis represents the Vickers hardness. It is. As is apparent from this figure, when the hydrogen content is about 52% or less, the carbon film hardness increases as the hydrogen content increases, and the wear resistance and sliding characteristics are improved.
[0041]
As shown in FIG. 1 (a), the magnetic recording medium of the present invention also has a Cr underlayer 3 of 1000 mm on a non-magnetic disk substrate 1 made of aluminum subjected to Ni-P plating using a sputtering apparatus. The process is the same as before until the recording layer 4 is sequentially laminated to 500 mm.
[0042]
In the embodiment of the present invention, the hydrogen-containing carbon protective film has a two-layer structure with different hydrogen contents. That is, the first hydrogen-containing carbon film 51 on the magnetic recording layer 4 side has a hydrogen content of 20% (or a C—H amount of 0.4 × 10 ²² cm ⁻³ ) or more, and the second hydrogen-containing carbon film on the lubricating layer 6 side. The carbon film 52 has a hydrogen content of less than 20% (or the same CH content is 0.4 × 10 ²² cm ⁻³ ). The lubricating layer 6 is composed of perfluoropolyether having a functional group.
[0043]
As is apparent from FIG. 2, when the hydrogen content exceeds 20%, the adhesion of the lubricant is inferior, but the mechanical properties are excellent. On the other hand, when the hydrogen content is less than 20%, that is, 16%, it can be seen that even after rinsing with a solvent, 10% of the lubricant remains and the adhesion is excellent.
[0044]
Therefore, on the first hydrogen-containing carbon film 51 having a hydrogen content of 20% or more and excellent mechanical properties as in the present invention, the hydrogen content is less than 20% and the adhesion to the lubricant is excellent. The two-layer structure in which the hydrogen-containing carbon film 52 is laminated makes it possible to realize a magnetic recording medium that has excellent mechanical properties, excellent durability, and good adhesion to the pre-lubricant and maintains the lubricating action. Both demands can be realized.
[0045]
The thicker the carbon protective layer, the greater the distance between the magnetic head and the magnetic recording layer 4 and the lower the electromagnetic conversion efficiency. Therefore, the total thickness of the two-layered hydrogen-containing carbon films 51 and 52 is 500 mm. The following is recommended. The second hydrogen-containing carbon film 52 on the lubricating layer 6 side needs only to have a film thickness sufficient to increase the adhesion of the lubricant, while the first hydrogen-containing carbon film on the magnetic recording layer 4 side for increasing the mechanical strength. 51 is preferably formed thicker.
[0046]
In this embodiment, a sputtering method in which methane gas is mixed is used as a method for forming the carbon-based protective layer. However, a mixed gas containing hydrogen may be used, and a CVD method or the like may be used instead of the sputtering method. Further, the same effect can be obtained by using a perfluoropolyether having other functional groups such as Fomblin Zdol as well as Fomblin AM3001.
[0047]
In the description of FIG. 1A, the hydrogen content changes at the boundary surface between the first hydrogen-containing carbon film 51 and the second hydrogen-containing carbon film 52, but the hydrogen content can be changed little by little. . In this case, the hydrogen content on the magnetic recording layer 4 side is set to 20% or more, and the hydrogen content on the lubricating layer 6 side is set to 20% or less by gradually reducing the hydrogen content. Thus, the adhesion strength inside the carbon-based protective layer can be increased by forming a carbon-based protective layer with a gradually decreasing hydrogen content and eliminating the boundary.
[0048]
1A, the Cr underlayer 3, the recording layer 4, and the first and second hydrogen-containing carbon films 51 and 52 are formed by holding the disc 1 on the substrate holder 8 as shown in FIG. 5A. In this state, the carrier 9 is passed sequentially in front of the Cr target t1, the magnetic material target t2, the hydrogen-containing carbon targets t3 and t4 as shown in FIG. To go.
[0049]
In FIG. 5B, the hydrogen-containing carbon target t3 in the sputtering chamber 10 is for forming the first hydrogen-containing carbon film 51 in FIG. 1, and the sputtering is performed so that the hydrogen content is 20% or more. The methane gas mixture ratio in the chamber 10 is set to 10% or more. The hydrogen-containing carbon target t4 in the next sputtering chamber 11 is for forming the second hydrogen-containing carbon film 52 in FIG. 1, and the methane gas in the sputtering chamber 11 is set so that the hydrogen content is less than 20%. The mixing ratio is set to less than 10%.
[0050]
If the partition opening 12 between the sputter chambers 10 and 11 is made as narrow as possible, the gap between the first hydrogen-containing carbon film 51 and the second hydrogen-containing carbon film 52 as shown in FIG. Film formation with different hydrogen contents is performed.
[0051]
[About manufacturing method of magnetic recording medium]
6 (a) and 6 (b) are schematic cross-sectional views showing an embodiment of a method for manufacturing a magnetic recording medium according to the present invention in comparison with a conventional manufacturing method. And the result of having investigated the adhesiveness with a lubrication agent using the hydrogen content of both carbon-type protective layers and ultraviolet irradiation time as a parameter is shown in FIG.
[0052]
The evaluation sample of the conventional configuration shown in FIG. 6B is a non-magnetic disk substrate 1 made of aluminum that has been subjected to Ni-P plating using a sputtering apparatus, with a Cr underlayer 3 of 1000 mm and a CoCrTa recording layer 4. And a hydrogen-containing carbon protective film 5 are sequentially laminated, and a perfluoropolyether having an aromatic functional group (trade name: Fomblin AM3001, manufactured by Montecatini Co., Ltd.) with a thickness of about 25 mm. Applied and finished. The hydrogen content of the carbon-based protective film 5 was controlled by changing the mixing ratio of Ar and methane gas, and the adhesion of the lubricant was evaluated by the residual amount after rinsing with a fluorine-based solvent.
[0053]
As is clear from FIG. 7, when the hydrogen content in the carbon film 5 exceeds 20% and becomes 33%, the lubricant having an initial film thickness of 25 mm remains only about 5 mm after rinsing and has a functional group. It can be seen that even with a lubricant, its adhesion is significantly reduced.
[0054]
On the other hand, as shown in FIG. 6 (a), a Cr underlayer 3 and a CoCrTa recording layer 4 are formed on a nonmagnetic disk substrate 1 made of aluminum subjected to Ni-P plating using a sputtering apparatus. When 500 liters of layers are sequentially laminated and the lubricant made of perfluoropolyether is irradiated with ultraviolet rays, the remaining amount of the lubricant increases more than twice even when the hydrogen content is 33% as shown in FIG. However, as is clear from FIG. 7 , the remaining amount of the lubricant is small as compared with the case where the hydrogen content is less than 20 %. Note that ultraviolet rays having wavelength components of 185 nm and 254 nm were used.
[0055]
FIG. 8 shows another measurement result. The horizontal axis represents the ultraviolet irradiation time, the vertical axis represents the thickness of the lubricating layer, and the hatched area represents the film thickness remaining after the solvent rinse. (1) FIG. (2) is an example of normal carbon with a hydrogen content of less than 20%, although the lubricating layer thickness is different. Even in this case, when the ultraviolet rays are irradiated for 30 seconds or more, the adhesion of the lubricant is improved.
[0056]
(3) FIG. 4 and FIG. 4 (4) are examples of diamond-like carbon having a hydrogen content of 20% or more, although the lubricating layer thickness is different. Also in this case, when the ultraviolet rays are irradiated for 30 seconds or more, the adhesion of the lubricant is improved. However, the thickness of the lubricant is thinner compared to the case of normal carbon in the cases (1) and (2) where the hydrogen content is less than 20 %.
[0057]
In the present invention, based on the above investigation results, as shown in FIG. 6A, a conventional magnetic recording medium having a carbon-based protective layer 5 having a hydrogen content of 20% or more is coated with a lubricant and then irradiated with ultraviolet rays. The magnetic recording medium was completed. When the ratio of “lubricating film thickness after solvent rinsing / lubricating film thickness before rinsing” is used as an index of adhesion, the lubricant on the carbon film sputter-deposited in a conventional pure Ar atmosphere is about 40%. In addition, the ratio of the magnetic recording medium of the present invention can be set to 40% or more depending on the conditions of ultraviolet irradiation. The film thickness of the carbon-based protective layer 5 is preferably 500 mm or less so that the distance between the magnetic head and the magnetic recording layer 4 does not increase and the signal quality does not deteriorate.
[0058]
By using a sputtering apparatus of FIG. 5, laminating a second hydrogen-containing carbon film 52 of the hydrogen content of less than 20% on the magnetic recording layer side of the hydrogen content of more than 20% the first hydrogen-containing carbon film 51, When the ultraviolet ray is irradiated after the lubricant is applied, the ultraviolet ray irradiation and the adhesion of the lubricant to the second hydrogen-containing carbon film 52 are combined to further improve the adhesion between the lubricant and the hydrogen-containing carbon-based protective layer.
[0059]
In this embodiment, a sputtering method in which methane gas is mixed is used as a method for forming the carbon-based protective layer. However, a mixed gas containing hydrogen may be used, and a CVD method or the like may be used instead of the sputtering method. Further, the same effect can be obtained by using a perfluoropolyether having other functional groups such as Fomblin Zdol as well as Fomblin AM3001. The film thickness of the lubricant layer was evaluated at 20 mm or more, but a film thickness of 20 mm or less is also possible. In particular, when the adhesive strength of the lubricant is increased according to the present invention, it can be 10 mm or less.
[0060]
【The invention's effect】
According to the magnetic recording medium of the present invention, the carbon-based protective layer on the magnetic recording layer 4 side is composed of the first hydrogen-containing carbon film 51 having a C—H amount of 0.4 × 10 ²² cm ⁻³ or more. Since the second hydrogen-containing carbon film 52 has high mechanical properties, excellent durability, and the C— H amount on the lubricating layer 6 side is less than 0.4 × 10 ²² cm ⁻³ , the adhesion to the lubricant is high. improved, it is possible to maintain a smooth action Jun a long period of time. Further, since the lubricant constituting the lubricating layer 6 is made of perfluoropolyether having a hydroxyl group or an aromatic functional group, the chemical reactivity is high, the reaction time can be shortened, and the time required for manufacturing the magnetic recording medium can be reduced. Can be shortened. In addition, the bonding force between the lubricant and the second hydrogen-containing carbon film 52 is also increased. Therefore, it is possible to satisfy the demands of both the mechanical strength as the protective layer and the adhesive force of the lubricant, and to realize a magnetic recording medium with high long-term reliability.
[0061]
In addition, since the adhesion between the carbon-based protective layer and the lubricating layer is improved, the film thickness of the lubricating film is suppressed, so the thickness of the lubricating layer and the carbon-based protective layer is reduced by an amount that takes into account the film thickness reduction. it can. As a result, the distance between the magnetic head and the magnetic recording layer can be shortened, the electromagnetic conversion characteristics are improved, the signal quality is improved, and the magnetic recording medium is thinned.
[0062]
Further, the carbon-based protective layer is a magnetic recording layer 4 side is C-H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more, as a lubricating layer 6 side is C-H content is less than 0.4 × 10 ²² cm ^-3 The lubricant formed continuously so that the hydrogen content between the magnetic recording layer side and the lubricating layer side gradually changes, and the lubricant constituting the lubricating layer 6 has a functional group having a hydroxyl group or an aromatic group. If it is configured to be a perfluoropolyether, the film-bonding force inside the carbon-based protective layer is also increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing an embodiment of a magnetic recording medium according to the present invention in comparison with a conventional configuration.
FIG. 2 is a diagram showing a comparison of characteristics between the conventional configuration shown in FIG. 1 and an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a graph showing the results of FIG.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between the hydrogen content and the film hardness of the carbon-based protective layer.
FIG. 5 is a diagram illustrating an apparatus for continuously sputtering two layers having different hydrogen contents.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view of a magnetic recording medium showing an embodiment of a method for producing a magnetic recording medium according to the present invention in comparison with a conventional method.
FIG. 7 is a diagram showing a comparison of characteristics between the conventional method shown in FIG. 6 and the method of the present invention.
FIG. 8 is a measurement result showing a relationship between an ultraviolet irradiation time and a lubricant adhesion amount.
FIG. 9 is a diagram showing a cross-sectional structure of a conventional thin film magnetic disk.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a conventional method of manufacturing a thin film magnetic disk in the order of steps.
FIG. 11 is a plan view showing the entire internal structure of the magnetic disk device.
[Explanation of symbols]
D Magnetic disk 1 Nonmagnetic substrate 2 NiP plating layer 3 Cr underlayer 4 Magnetic recording layer (thin film magnetic film)
5 Carbon protective layer (protective film)
51 First hydrogen-containing carbon film (CH content is 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more)
52 Second hydrogen-containing carbon film ( C—H content is less than 0.4 × 10 ²² cm ^-3 )
6 Lubricant layer (lubricant layer)
7 Magnetic head
10,11 Sputtering chamber
12 Opening between sputtering chambers t1-t4 target

Claims

In a magnetic recording medium in which a magnetic recording layer for storing information, a carbon-based protective layer for preventing damage to the magnetic recording layer, and a lubricating layer are sequentially formed on a nonmagnetic substrate,
The carbon-based protective layer, the magnetic recording layer side C -H weight 0.4 × 10 ²² cm ^-3 or more first hydrogen-containing carbon film, the lubricating layer side is C -H of less than 0.4 × 10 ²² cm ^-3 Of the second hydrogen-containing carbon film ,
A magnetic recording medium, wherein the lubricant constituting the lubricating layer is a perfluoropolyether having a functional group having a hydroxyl group or an aromatic group .

In a magnetic recording medium in which a magnetic recording layer for storing information, a carbon-based protective layer for preventing damage to the magnetic recording layer, and a lubricating layer are sequentially formed on a nonmagnetic substrate,
The carbon-based protective layer has a C— H amount of 0.4 × 10 ²² cm ⁻³ or more on the magnetic recording layer side,
The film is continuously formed so that the hydrogen content between the magnetic recording layer side and the lubricating layer side gradually changes so that the C— H amount on the lubricating layer side is less than 0.4 × 10 ²² cm ^−3. and,
A magnetic recording medium, wherein the lubricant constituting the lubricating layer is a perfluoropolyether having a functional group having a hydroxyl group or an aromatic group .