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JP3648787B2 - 内燃機関の排気還流制御装置 - Google Patents

内燃機関の排気還流制御装置 Download PDF

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JP3648787B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、排気通路の排気ガスの一部を吸気通路に還流させる内燃機関の排気還流制御装置に関し、特に、モータによって弁体を開閉させる排気還流制御弁を備えた内燃機関の排気還流制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の内燃機関には、排気ガスの一部を吸気通路に戻して混合気に加えることにより燃焼温度を下げてNOxの発生を抑制等するための排気還流制御装置が設けられている(以下、「排気還流」をEGRと略記する)。
【0003】
この種のEGR制御装置は、排気通路と吸気通路との間を連通して設けられたEGR通路と、EGR通路の途中に設けられたEGR制御弁とを備え、EGR制御弁の弁開度を調整することによりEGR率を制御するようになっている。このEGR制御弁としては、例えば特開平2−78765号公報等に示す如く、吸入負圧を利用してダイヤフラムを変位させることにより弁体を開閉させる機械式ないし負圧式のものと、例えば特開平2−238162号公報等に記載の如く、ステッピングモータによって電気的に弁体を駆動する電気制御式のものとが知られているが、近年は、機関回転数及び機関負荷に応じた適切なEGR率を簡易なオープンループで実現等すべく、ステッピングモータを利用するものが比較的広く使用されている。
【0004】
そして、従来技術によるEGR制御装置では、機関回転数と機関負荷とに基づいて適切なEGR率を求め、このEGR率を達成する弁開度を演算してEGR制御弁の弁開度を制御するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、EGR制御弁を開弁させて排気ガスの一部を吸気に還流させる際には、排気ガスが弁体の周囲を通って吸気通路に流入するため、排気ガス中のオイル分やカーボン等が徐々に弁体の外面(より詳しくは弁軸の表面)に付着し、やがて焼き固まって固着することがある(いわゆるデポジットの発生)。そして、EGR制御弁では、弁体と該弁体の外側に設けられたシール部との間のクリアランスが小さいため、弁体に付着し固化した異物がシール部との間の微小なクリアランス内に入り込むと、これにより噛み込み現象(シャフトスティック)が生じて、弁体の円滑な開閉動作を阻害するおそれがある。
【0006】
ここで、オイル分やカーボン等が弁体の表面に付着しても、それが高温によって焼き固まる前であれば付着力が小さいため、弁体が全開、全閉動作を繰り返す過程で、大半の異物は弁体がシール部を通過する際に削ぎ落とされる。従って、もともと駆動力が大きく、全開、全閉を繰り返す頻度が高い負圧式のEGR制御弁では、弁体に付着したカーボン等を除去し易いため、上述した噛み込み現象が生じる可能性は低い。
【0007】
しかし、ステッピングモータを使用した電気制御式のEGR制御弁では、機関回転数及び機関負荷に基づいて弁開度をより細かく制御するため、運転者によっては、弁体が中間の開度までしか開かない場合があり、この場合は、弁体に付着したカーボン等の異物を部分的にしか除去することができない。従って、電気制御式のEGR制御弁を用いたEGR制御装置では、機関の運転条件に応じた適切なEGR率を実現できる反面、弁体に付着したカーボン等の異物を十分に除去できないおそれがあり、噛み込み現象を生じる可能性がある。
【0008】
一方、排気ガス中のオイル分やカーボン等は弁体のシート部や弁座の表面にも付着するが、このシート部に付着したカーボン等により弁体と弁座とが接着されて、いわゆる「はり付き現象」を生じ、弁体の円滑な開閉動作が阻害される可能性がある。つまり、機関停止後には、EGR制御弁を閉弁させてシート部を弁座に密着させるため、機関運転中に付着したカーボン等によって、シート部が弁座に接着されてしまい、開弁に要するトルクが増大したり、開弁動作が円滑に行われない可能性がある。
【0009】
また、機関停止後には、温度が低下して弁座が収縮するため、シート部の角度(テーパ角)によっては、この収縮する弁座によって弁体が噛み込まれてしまうことがある。このため、一般的には、シート部の角度を大きく、つまり鈍角にして弁体を形成しているが、弁体噛み込み防止対策としてシート部の角度を大きくすると、弁開度が僅かに変化しても、EGR量が大きく変動するため、適切な流量特性を得ることができず、使い勝手が低いという欠点もある。換言すれば、収縮による弁体噛み込み防止の見地から、設定可能な流量特性が定まってしまうため、流量特性の自由度が低い。
【0010】
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、カーボン等の異物が弁体に付着した場合でも排気還流制御弁の開閉動作を円滑化できるようにした内燃機関の排気還流制御装置の提供にある。また、本発明の他の目的は、弁体に付着した異物を定期的、自動的に除去することにより、排気還流制御弁の開閉動作を安定化することにある。本発明の更なる目的は、弁体と弁座との接着状態を回避すると共に、流量特性の自由度を向上できるようにした内燃機関の排気還流制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係る内燃機関の排気還流制御装置が採用する構成は、機関の排気通路と吸気通路とを連通して設けられた排気還流通路と、この排気還流通路の途中に設けられ、ステッピングモータによって環状部材に挿通された弁体を開閉させる排気還流制御弁と、この排気還流制御弁に制御信号を出力することにより前記弁体の開度を制御する排気還流制御手段とを備えた内燃機関の排気還流制御装置であって、機関を停止したときには、前記ステッピングモータのトルクを通常時のトルクよりも増大させた状態で、弁体に付着した異物を前記環状部材によって除去可能な方向に移動させる停止処理手段を設け、前記停止処理手段は、前記弁体を全開位置から全閉位置まで移動させている停止処理中に機関が再始動したときには、通常時におけるステッピングモータの駆動速度をもって全閉させることを特徴としている。
【0012】
また、具体的には、前記停止処理手段は、機関を停止したときに、前記ステッピングモータの駆動速度を通常時の駆動速度よりも遅くした状態で、前記弁体を全開位置から全閉位置まで移動させるのが好ましい。
【0013】
さらに、前記停止処理手段は、機関を停止したときに、前記ステッピングモータの駆動速度を通常時の駆動速度よりも遅くした状態で、前記弁体を全開位置から全閉位置まで移動させた後、所定の小開度をもって停止させるのがより好ましい。
【0015】
さらに、前記排気還流制御弁は、ハウジングと、このハウジング内に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、前記ハウジングの一側に設けられ、前記弁体を軸方向に移動させることにより弁座に離着座させるステッピングモータと、前記弁体の外周側に近接して外嵌された略円錐筒状のダストカバーとを有してなることが好ましい。
【0016】
【作用】
機関運転中には排気ガスが弁体の周囲を通って吸気通路内に流入するため、排気ガス中のオイル分やカーボン等の異物が弁体外面に付着することがある。しかし、停止処理手段は、機関停止後に、ステッピングモータのトルクを増大させて、環状部材で異物を除去できる方向に弁体を移動させるため、この弁体に付着した異物を機関停止の度毎に除去することができ、これにより、弁体とシール部との間の噛み込み現象を未然に防止することができる。つまり、弁体がシール部内に収容される方向に移動すると、この弁体に付着した異物は、シール部の先端面に接触して擦り落とされる。即ち、「環状部材で異物を除去可能な方向」とは、弁座を外側から開く外開き式の場合にあっては閉弁方向となり、弁座を内側から開く内開き式の場合にあっては開弁方向となる。換言すれば、「環状部材内に弁体を収容する方向」として定義することもできる。また、弁体を全開位置から全閉位置まで移動させている間に機関が再始動したときには、通常時におけるステッピングモータの駆動速度をもって弁体を全閉させるので、弁体の清掃を行いつつも、この清掃作業が機関の再始動に影響を与えることがなく、使い勝手が向上する。
【0017】
また、ステッピングモータの駆動速度を通常時よりも遅くした状態で、弁体を全開位置から全閉位置まで移動させる請求項2の構成によれば、駆動速度を遅くすることによってトルクを増大させることができ、このトルクが増大した状態で弁体表面の清掃を行うことができる。
【0018】
さらに、ステッピングモータの駆動速度を通常時よりも遅くした状態で、弁体を全開位置から全閉位置まで移動させた後、所定の小開度をもって停止させる請求項3の構成によれば、弁体の表面(弁軸の表面)に付着した異物を除去できると共に、弁体先端のシート部に付着した異物によって、弁体と弁座とが接着状態になるのを未然に防止することができる。
【0020】
さらに、ハウジングと、このハウジング内に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、ハウジングに一側に設けられ、弁体を軸方向に移動させることにより弁座に離着座させるステッピングモータと、弁体の外周側に近接して外嵌された略円錐筒状のダストカバーとを有する排気還流制御弁を用いる請求項の構成によれば、具体的に、略円錐筒状のダストカバーによって弁体表面に付着した異物を掻き落とすことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1〜図13に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず、図1〜図7は本発明の第1の実施例に係る内燃機関の排気還流制御装置に係り、図1は、EGR制御装置の全体構成を示す構成説明図であって、内燃機関のシリンダ1はシリンダヘッド2によって気液密に施蓋され、このシリンダヘッド2とピストン3とによって形成された燃焼室4には、吸気通路5及び排気通路6が接続されている。この吸気通路5には、その上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ7、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ8、燃料噴射弁9が設けられている。一方、排気通路6の下流側には図示せぬ触媒コンバータ及び空燃比センサ等が設けられている。
【0023】
吸気通路5と排気通路6とは排気還流通路としてのEGR通路10によって接続されている。このEGR通路10は、例えば耐熱性チューブから構成され、その流入側接続口10Aが排気ポートと触媒コンバータとの間で排気通路6の途中に接続される一方、流出側接続口10BはEGR制御弁11を介して吸気通路5の途中に接続されている。つまり、より正確には、EGR通路10は、排気通路6側に位置する排気側通路10C(流入側接続口10AからEGR制御弁11までの間の部分)と、吸気通路5側に位置する吸気側通路10D(EGR制御弁11から流出側接続口10Bまでの間の部分)とから構成されている。
【0024】
機関を電気的に集中制御する「排気還流制御手段」としてのコントロールユニット12は、CPU等の演算回路、ROM,RAM等の記憶回路、入出力回路を含んだマイクロコンピュータシステムとして構成されている。このコントロールユニット12の入力側には、エアフローメータ7と、スロットルバルブ8のスロットル開度を検出するためのスロットルセンサ13と、機関回転数を検出するためのクランク角センサ14と、機関の冷却水温を検出するための水温センサ15と、イグニッションスイッチ16等とが接続され、コントロールユニット12の出力側には、燃料噴射弁8と、EGR制御弁11と、混合気に点火するための点火栓17等とが接続されている(燃料噴射弁8及び点火栓17との間の配線は図示省略)。また、このコントロールユニット12は、記憶回路内に形成されたEGR制御マップ(図示せず)を参照することにより機関回転数及び機関負荷に基づいてEGR率(EGR制御弁11の弁開度)を制御する通常制御部12Aと、後述する機関停止後の清掃動作を制御するための「停止処理手段」としての停止処理部12Bとを、その内部機能として備えている。
【0025】
次に、図2及び図3を参照しつつ、EGR制御弁11の好ましい具体例を説明する。即ち、図2は閉弁状態におけるEGR制御弁11の拡大図、図3は開弁状態における拡大図をそれぞれ示し、EGR制御弁11は、それぞれ後述するハウジング21,弁体26,ステッピングモータ31等から電気制御式の流量制御弁として構成されている。なお、図中上側を「一側」と、図中下側を「他側」として説明する。
【0026】
ハウジング21は、ステッピングモータ31を収容した一側ハウジング21Aと、弁体26を収容した他側ハウジング21Bと、これら各ハウジング21A,21Bを軸方向(上下方向)に連結する中間ハウジング21Cとから3分割で構成され、各ハウジング21A,21B,21Cはボルト22によって組み付けられている。また、他側ハウジング21Bには、EGR通路10の排気側通路10Cに接続される流入口23と、EGR通路10の吸気側通路10Dに接続される流出口24とが、上下に離間して直交するように径方向からそれぞれ形成され、これら流入口23と流出口24とは、他側ハウジング21Bの軸方向に形成された弁体収容孔25を介して接続されている。
【0027】
他側ハウジング21Bの弁体収容孔25内には、弁体26が軸方向に移動可能に設けられている。この弁体26は、弁体収容孔25内に同軸に挿通された小径棒状の弁軸26Aと、この弁軸26Aの他端側に一体的に形成された弁部26Bと、この弁部26Bの外面に所定のテーパ角をもって一体的に形成されたシート部26Cとから外開き式のポペット弁として構成されている。
【0028】
また、弁体26の弁軸26Aは、弁体収容孔25の一側に嵌装されたガスシール27及び後述のダストカバー43内に図示せぬ微小クリアランスを介して挿通され、シート部26Cは、弁体収容孔25の他側に嵌着された弁座部材28に軸方向他側から当接するようになっている。さらに、弁軸26Aの一端側には、薄肉な円盤状のばね受け部材29が固着され、このばね受け部材29とガスシール27の一端側との間には、弁体26を常時閉弁方向(一側方向)に所定のばね力で付勢する弁ばね30が配設されている。
【0029】
一側ハウジング21A内にはステッピングモータ31が収容されており、このステッピングモータ31は、弁体26と同軸に配設されたロータ32と、このロータ32の外周側に上下に離間して設けられた2個のステータ33とからPM型ステッピングモータとして構成されている。
【0030】
ロータ32は、その他端側がベアリング34によって回転可能に支持された略筒状のホルダ32Aと、このホルダ32Aの外周側に設けられた筒状の永久磁石32Bとからなり、この永久磁石32Bには、複数の磁極(N極,S極)が周方向に互い違いで着磁されている。そして、ホルダ32Aの内周側にはロータシャフト35が軸方向に移動可能に設けられ、このロータシャフト35の他端側はブッシュ36に挿通されて弁軸26Aの一端側に当接している。即ち、ロータシャフト35は、スパイラル溝を介してロータ32の回転運動を軸方向運動に変換するもので、スプリングピン37によって自転が規制されている。また、ロータシャフト35の略中間部には、小径のばね受け部材38が設けられ、このばね受け部材38とブッシュ36の一端側との間には、ロータシャフト35のねじ部のバックラッシュによるがたつきを防止するためのばね39が配設されている。
【0031】
一方、上下に離間してロータ32の外周側に設けられた各ステータ33は、ボビン33Aと、このボビン33Aに巻回された巻線33Bと、ボビン33Aの外側を囲むように半断面略U字状に形成された第1のステータプレート33Cと、この第1のステータプレート33Cの開口部側を略施蓋するように環状に形成された第2のステータプレート33Dとから構成されている。また、各巻線33Bは、それぞれ例えば3個の独立巻線からなり、各ステータ33は位相差90°で組み合わされている。さらに、これら各ステータ33の間には環状のセンタプレート40が設けられ、このセンタプレート40は、各ステータ33を位置決めすると共に互いの磁気干渉を防止している。そして、各ステータ33の巻線33Bはターミナル41にそれぞれ接続され、これら各ターミナル41は、一側ハウジング21Aに一体的に形成されたコネクタ部42内に延びている。
【0032】
そして、このステッピングモータ31は、コントロールユニット12からターミナル41を介してパルス信号が印加されると、所定の通常時速度SN及び所定の通常時トルクTNをもって、このパルス数に応じた分だけ正逆回転し、この回転力がロータシャフト35によって直線運動に変換されることにより、弁体26が開閉する。より正確には、通常、閉弁時と開弁時とでは、通常時の速度及びトルクは異なり、閉弁時の速度の方が速くなっているが、本実施例では、特に区別せず、開弁時も閉弁時も同一の通常時速度SN及びトルクTNで駆動する場合を例に挙げて説明する。また、図4の特性図に示す如く、このステッピングモータ31は、速度の上昇に応じてトルクが低下する特性を有し、無励磁時には所定のディテントトルクTDを発生させるものである。なお、図4中のTHはホールディングトルクである。
【0033】
なお、清掃時の速度SC及びトルクTCは、弁体26の弁軸26A表面に付着したオイル分やカーボン等の異物をダストカバー43で掻き落とすのに必要なトルクであって、最小限の時間で清掃処理を終了できるように設定されている。つまり、例えば、カーボン等の付着直後は固化していないため、0.1kg程度の弱いトルクで除去できるが、時間が経過して異物が焼き固まると、0.5kg程度のトルクを要する。従って、清掃時のトルクTCは、0.5kg程度以上に設定する必要がある反面、トルクTCを高めるために速度SCを低下させると、清掃作業の時間が長くなり、機関の再始動に影響を与える可能性等も考えられる。
【0034】
このため、清掃時の速度SC及びトルクTCは、異物除去に必要な最小限のトルクを目標に設定される(例えば、速度SC=50〜60pps)。但し、異物除去に要するトルクは、ロータシャフト35の直径寸法等により異なり、また、速度とトルクの具体的関係は、ステッピングモータ31の大きさや駆動方式等によって相違するため、上記各数値は、単なる例示であって、本発明はこれに限定されない。また、トルク−速度特性はある程度の温度依存性を有するので、これを考慮して清掃時の速度SC及びトルクTCを設定するのがより好ましい。
【0035】
ガスシール27の他端側には、弁軸26Aの外周側に位置して略円錐筒状のダストカバー43が設けられている。このダストカバー43は、弁軸26Aに付着した異物を除去してガスシール27内への異物侵入を防止するためのもので、例えばステンレス鋼等の少なくとも耐熱性を備えた材料から弁軸26Aの外径寸法よりも僅かに大きい内径寸法を有する略円錐筒状に形成され、その小径の他端面43Aが弁体26の弁部26B側に対面するようにしてガスシール27の他端側に固着されている。換言すれば、このダストカバー43は、その小径の他端面43Aが弁部26Bに対向するように、逆円錐筒状に形成されている。また、このダストカバー43は、排気導入系(排気側通路10C、流入口23、弁体収容孔25、流出口24、吸気側通路10Dからなる)の流路抵抗の増大を防止等すべく、他端面43Aが流出口24の一側近傍にかかる程度に、その高さ寸法が設定されている。ここで、本実施例では、ダストカバー43が「環状部材」を構成するが、ダストカバー43を省略する場合には、ガスシール27が「環状部材」となる。
【0036】
なお、プラグ44は、弁体収容孔25を穿設する際に生じた開口部を気液密に施蓋するもので、図示せぬノックピン等によって他側ハウジング21Bに固定されている。ホルダ32Aの一端側と一側ハウジング21Aの内面側との間に設けられたアッパプレート45は、ホルダ32Aをガイドするガイド板としての役割を果たしている。また、ベアリング34の他端側と中間ハウジング21Cとの間には波形ワッシャ46が設けられ、この波形ワッシャ46は、ベアリング34のアウタレースを軸方向で支持している。さらに、中間ハウジング21Cの外面側から径方向外側に突出して形成されたニップル47は、冷却水通路を形成するためのものである。
【0037】
次に、図5のフローチャートに基づいて、本実施例による停止処理動作について説明する。
【0038】
まず、最初に、ステップ(図中「S」と略記する)1では、イグニッションスイッチ(図中「IGスイッチ」と略す)16の状態を読込み、次のステップ2では、イグニッションスイッチ16がオフされたか否かを監視する。このステップ2で「YES」と判定したときは、機関が停止した場合のため、ステップ3に移ってステッピングモータ31の駆動トルクを設定する。即ち、このステップ3では、図4中に示す如く、ステッピングモータ31の速度を通常時の速度SNから清掃時の速度SCに上昇させることにより、トルクを通常時のトルクTNから清掃時のトルクTCに増大させる。
【0039】
そして、ステップ4では、トルクを増大させた状態で、弁体26を全開位置まで移動させ、続くステップ5では、同様にトルクを増大させた状態で、弁体26を全開位置から全閉位置まで移動させる。この弁体26の往復動作に伴って、弁体26の表面に付着したオイル分やカーボン等の異物が、ダストカバー43により擦り落とされて、除去、清掃される。但し、異物の除去範囲は弁体26のリフト範囲に限られるが、リフト範囲外の弁軸26Aがガスシール27内に入ることはないため、特に不都合はない。なお、後述の通り、図5に示す停止処理中に機関が再始動した場合には、速やかに停止処理は中断され、通常処理部12Aによる通常処理が行われる。
【0040】
次に、本実施例の作用について図6の動作説明図を参照しつつ説明する。
【0041】
まず、ある時刻t1で機関が始動すると、コントロールユニット12の通常制御部12Aは、機関の回転数N及び負荷TP(詳しくは、基本噴射量TP=吸入空気量Q/回転数N)に基づいてEGR制御マップから弁開度(EGR率)を読み出し、ある時刻t2で機関の運転が停止されるまでの間、通常時の速度SN及び通常時のトルクTNをもって、EGR制御弁11の弁開度を機関の運転条件に応じてオープンループ制御する。なお、機関の運転条件がEGR制御領域から外れている場合は、EGRは行われない。
【0042】
そして、ある時刻t2でイグニッションスイッチ16がオフされて機関の運転が停止すると、コントロールユニット12は、通常時の速度SCで一旦EGR制御弁11を閉弁させ、その後、停止処理部12Bにより、図5と共に上述した停止処理をオープンループで行う。即ち、停止処理部12Bは、時刻t3でEGR制御弁11が全閉した後、ステッピングモータ31の速度を通常時の速度SNよりも遅い清掃時の速度SCに設定することにより、ステッピングモータ31のトルクを清掃時のトルクTCに高め、この状態で、図7の要部拡大図に示す如く、EGR制御弁11の弁体26を全開位置まで移動させる。
【0043】
次に、時刻t4で弁体26が全開位置に達すると、停止処理部12Bは、ステッピングモータ31を逆転させ、トルクTCを増大させた状態で、弁体26を全閉位置まで移動させる。これにより、図7に示す如く、弁体26の弁軸26Aに付着したカーボン等の異物DPがダストカバー43の他端面43Aに接触して掻き落とされつつ、弁体26は時刻t5で閉弁する。
【0044】
一方、停止処理中に、ある時刻t6で機関が再始動した場合には、図6中に二点鎖線で示す如く、ステッピングモータ31の速度が通常時の速度SNに戻されて、弁体26は速やかに閉弁方向に変位し、時刻t7で閉弁する。そして、その後は、図示しないが、通常制御部12Aによる通常制御が行われる。
【0045】
このように構成される本実施例によれば、以下の効果を奏する。
【0046】
第1に、機関が停止したときには、モータ31のトルクを通常時のトルクTNよりも増大させた状態で、環状部材たるダストカバー43に挿通された弁体26を、ダストカバー43で異物を除去可能な方向(閉弁方向)に移動させる停止処理部12Bを設ける構成のため、図7に示す如く、機関が停止される毎に、弁体26の弁軸26Aの表面に付着したカーボン等の異物を除去し、清掃することができる。この結果、弁軸26Aに付着した異物がガスシール27内に侵入して噛み込み現象が生じるのを未然に防止することができ、弁体26の円滑な開閉動作を維持することができる。
【0047】
第2に、停止処理部12Bは、機関が停止したときに、ステッピングモータ31の駆動速度を通常時の駆動速度SNよりも遅くした状態で、弁体26を全開位置から全閉位置まで移動させる構成のため、機関停止時には、容易に、トルクを通常時のトルクTNよりも増大させて弁体26を往復動作させることができ、これにより異物を除去することができる。
【0048】
第3に、停止処理部12Bは、弁体26を全開位置から全閉位置まで移動させている停止処理中に機関が再始動したときには、通常時の速度SNをもって弁体26を閉弁させる構成のため、停止処理による清掃作業が機関の再始動に影響を与えることがなく、使い勝手が向上する。
【0049】
第4に、EGR制御弁11を、ハウジング21と、このハウジング21内に軸方向に移動可能に設けられた弁体26と、ハウジング21の一側に設けられ、弁体26を軸方向に移動させることにより弁座部材28に離着座させるステッピングモータ31と、弁体26の外周側に近接して外嵌された略円錐筒状のダストカバー43とを有して構成したため、機関停止後に高いトルクTCをもって弁体26を往復動作させることにより、弁軸26Aに付着した異物をダストカバー43によって効果的に擦り落とすことができる。
【0050】
第5に、本実施例では、ダストカバー43を略円錐筒状に形成すると共に、小径の他端面43Aを弁体26の弁部26Bに対面させる構成のため、異物が他端面43Aに接触したときに生じる応力を大径の一端面側に分散させて、確実に異物を掻き落とすことができ、ダストカバー43の耐久性等を向上できる。
【0051】
次に、図8〜図12に基づいて本発明の第2の実施例を説明する。なお、本実施例では、上述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施例の特徴は、弁体の清掃作業終了後に、弁体を完全に閉弁させず、所定の小開度で保持する点にある。
【0052】
即ち、図8は、本実施例によるEGR制御装置の全体構成を示す説明図であって、本実施例のコントロールユニット51も第1の実施例で述べたコントロールユニット12と同様に、マイクロコンピュータシステムとして構成され、その内部機能として、図示せぬEGR制御マップに基づく通常制御部51Aと、「停止処理手段」としての停止処理部51Bとを備えている。しかし、本実施例の停止処理部51Bは、後述の通り、機関停止後の清掃作業を完了した後に、EGR制御弁11の弁開度を所定の小開度に保持する点で、前記実施例と相違する。
【0053】
次に、図9のフローチャートを参照して本実施例の停止処理を説明すると、ステップ11〜15は、図5と共に説明したステップ1〜5と同様の処理を行うもので、ステップ11でイグニッションスイッチ16を読み込んだ後、ステップ12ではイグニッションスイッチ16がオフされているか否かを判定し、次のステップ13では、ステッピングモータ31の速度を通常時の速度SNから清掃時の速度SCに上昇させる。
【0054】
これにより、ステッピングモータ31のトルクは、通常時のトルクTNから清掃時のトルクTCに増大し、この状態で、ステップ14では弁体26を全開位置まで移動させ、次のステップ15では弁体26を全閉位置まで移動させる。この結果、第1の実施例で述べたと同様に、図11に示す如く、弁軸26Aに付着した異物DPは、ダストカバー43の他端面43Aに接触して掻き落とされ、弁軸26Aの清掃作業が自動的に行われる。
【0055】
そして、ステップ16では、全閉位置にある弁体26を僅かに開弁させて停止させ、所定の小開度を保持した後、ステッピングモータ31への通電を停止してプログラムを終了する。なお、その後に機関が再始動した場合は、一度、弁体26を全閉位置に移動させてから通常時のEGR制御を行うのが位置情報の初期化等の関係上好ましい。しかし、仮に、弁体26を小開度θで僅かに開弁させたままで通常のEGR制御を開始しても、弁開度θは微小なため、機関の再始動に与える影響は殆どない。
【0056】
また、本実施例では、清掃時の速度SC及びTCをもって、弁体26を僅かに開弁させる場合を例示したが、これに限らず、通常時の速度SN及びTNで僅かに開弁させてもよい。但し、清掃時の速度SC等で開弁させる場合は、ステッピングモータ31の速度を切換える必要がない分だけ、制御構造を簡素化できる。
【0057】
次に、本実施例の作用について図10の動作説明図を参照しつつ説明すると、まず、時刻t1で機関が始動してから時刻t2で機関が停止するまでは通常制御部51Aによる通常のEGR制御が行われ、EGR制御弁11が時刻t3で閉弁した後に、清掃時の速度SC及びトルクTCをもって全開位置から全閉位置まで往復動作させる点は、第1の実施例と同様である。
【0058】
しかし、本実施例では、時刻t5で弁体26が全閉位置に達した後、ステッピングモータ31を僅かに逆転させて弁体26を開弁方向に移動させ、所定の小開度θを保持した状態で処理を終了する。より詳しくは、時刻t5で弁体26が全閉位置に達した後、停止処理部51Bは、ステッピングモータ31を例えば3ステップ程度(ここにいう「ステップ」とはパルス数のことである)だけ逆転させて、弁体26を全閉位置から引き離し、図11に示す如く、所定の小開度θで僅かに開弁した状態を生成する。ここで、この所定の小開度θは、弁体26のシート部26Cがオイル分やカーボン等の粘着成分によって弁座部材28に接着されてしまうのを予防するのに必要最低限な開度として設定するのが好ましいため、前記3ステップに限定されず、例えば1〜10ステップ等の適宜な値を採用することができる。
【0059】
そして、所定の小開度θで弁体26を僅かに開弁させた後、停止処理部51Bは、ステッピングモータ31への通電を停止して処理を終了するが、この通電停止後に、弁ばね30のばね力によって弁体26が全閉位置に復帰したのでは、弁体26が弁座部材28にはり付くのを防止できない。そこで、本実施例では、ステッピングモータ31が無励磁状態で発生させるディテントトルクTDを利用して、通電停止後に弁体26の開度を小開度θに保持している。
【0060】
即ち、図12の特性図に示す如く、弁ばね30のばね力と弁ばね30によって生じる閉弁方向のトルクTSとは比例関係にあり、このトルクTSに対して、ステッピングモータ31のディテントトルクTD(永久磁石32Bによって生じる保持力)と、ベアリング34の起動トルクTB(より詳しくは、ベアリング34の摩擦力による保持力と、その他の各可動部分で生じる摩擦力との合計値)とが対抗している。
【0061】
従って、下記数1に示す如く、ディテントトルクTDと起動トルクTBとの合計値Ttが、例えば1000g程度に設定された弁ばね30のばね力によって生じる閉弁方向のトルクTSを上回れば、ステッピングモータ31への通電を停止しても弁体26の開度は小開度θに保持され、この開弁方向のトルクの合計値Ttと閉弁方向のトルクTSとの差分が弁体26の保持力となる。
【0062】
【数1】
t=TD+TB>TS
また、ディテントトルクTDは下記数2によって、閉弁方向のトルクTSは下記数3によって示される。
【0063】
【数2】
D=(1/2)・(Bg 2/μ0)・g・Ag・P
但し、Bg:空隙の磁束密度
μ0:空隙の透磁率
g:空隙長
g:1極あたりの磁極断面積
P:極対数
【0064】
【数3】
S=(L/2π)・η2・F
η2=(tanθ−μ)/(tanθ(1+μtanθ))
但し、L:直線運動への変換ねじのピッチ
F:弁ばね30のばね力
θ:変換ねじのリード角
μ:摩擦係数
このように構成される本実施例も、上述した第1の実施例と同様の効果を得ることができる。これに加えて本実施例では、以下の効果を奏する。
【0065】
第1に、停止処理部51Bは、機関が停止したときに、ステッピングモータ31の駆動速度を通常時の駆動速度SNよりも遅くした状態で、弁体26を全開位置から全閉位置まで移動させた後、所定の小開度θをもって停止させる構成としたため、弁軸26Aに付着した異物をダストカバー43によって擦り落とすことができる上に、シート部26Cに付着した異物によって弁体26が弁座部材28に接着されてしまうのを確実に防止することができる。
【0066】
この結果、弁体26と弁座部材28との「はり付き現象」を未然に防止して、EGR制御弁11の円滑な開閉動作を維持することができる。換言すれば、従来技術のように、機関停止後に弁体26を全閉させる場合は、弁体26と弁座部材28とがはり付いてしまうため、この接着力に抗して弁体26を開弁させる必要がある。従って、従来技術では、「はり付き現象」に備えてステッピングモータ31のトルクを増大させる必要があるが、これには例えば1.5kg程度の強いトルクが必要となるため、ステッピングモータ31が大型化し、取付自由度等が低下する。これに対し、本実施例では、機関停止後に弁体26を僅かに開弁させるため、本質的に「はり付き現象」を生じることがなく、何ら機械的構成に修正を加えずに、低コストでEGR制御を安定化することができる。
【0067】
さらに、換言すれば、通常、EGR制御弁11に限らず、およそ全ての制御弁は、その駆動力(例えば電流、圧力等)が失われたときに、全閉させるか又は全開させるのが、従来の一般的な技術常識であり、たとえ駆動中に中間開度や小さい開度を経ることがあっても、本発明の如く、駆動力喪失時に「実質的な閉弁状態ではあるが全閉状態ではない小開度θ」という特異な開度に設定するという思想、視点を全く欠いていた。従って、従来技術では、上述の如く、はり付き現象を防止するために、シート部26Cのテーパ角調整やステッピングモータ31の駆動力増強という直接的で機械的な解決手段に訴えることが多いが、これでは、コストが増大し、使い勝手(例えば、モータの取付の自由度や流量特性の設定の自由度等)が低下する。これに対し、本発明は、「駆動力喪失時にはEGR制御弁11を全閉又は全開させるべき」との従来の一般的固定観念を打破し、これにより、低コストながらも本質的にはり付き現象を解決している。
【0068】
第2に、弁体26を弁座部材28から引き離して停止させるため、機関停止後の温度低下によって弁座部材28が収縮しても、これにより弁体26の弁部26Bが噛み込まれることがない。従って、シート部26Cのテーパ角を小さくして鈍角とする必要がないため、テーパ角に自由度を持たせて、適切なEGR流量特性を実現することができる。つまり、テーパ角を鋭角とすれば、1ステップ信号当たりの流路面積の変化を小さくできるため、適切なEGR流量特性を容易に実現することができる。
【0069】
第3に、本実施例では、ステッピングモータ31が無励磁状態で発するディテントトルクTDを利用して小開度θを維持する構成のため、バッテリ電力を消費することなく、弁体26を弁座部材28から引き離しておくことができる。
【0070】
第4に、本実施例では、ステッピングモータ31のディテントトルクTDのみならず、各可動部分の摩擦力を含んだ意味でのベアリング34の起動トルクTBを利用して、弁体26を所定の小開度θに保持する構成のため、必要以上にステッピングモータ31を大型化、高コスト化することなく、弁体26を小開度θに保持する構成を最適化できる。
【0071】
即ち、図4及び図12に示す如く、ディテントトルクTDは小さいため、このディテントトルクTDのみに依存して小開度θを保持しようとする場合には、高価な材料を用いて永久磁石32Bの磁力を著しく増したり、ステッピングモータ31自体を大型化する等の必要がある。これに対し、本実施例では、弁体26の駆動メカニズムを総合的に検討し、起動トルクTBをも利用しているため、ディテントトルクTDを大きくする必要がなく、簡易かつ低コストに小開度θを保持することができる。
【0072】
従って、本実施例を「停止処理手段51Bは、機関を停止したときに、ステッピングモータ31のトルクを増大させた状態で、弁体26を環状部材43で異物を除去可能な方向に移動させた後、所定の小開度θをもって停止させ、ステッピングモータ31への通電を停止した状態で、ステッピングモータ31のディテントトルクTD及び各可動部分における起動トルクTBによって、この小開度θを保持することを特徴とする内燃機関の排気還流制御装置」として把握することも可能である。
【0073】
なお、前記各実施例では、機関停止後に、弁体26を遅い清掃時の速度SCで往復させる場合を例示したが、外開き式の場合には、主として弁体26が閉弁方向に移動する際にダストカバー43の他端面43Aで異物を擦り落とすため、図13の変形例に示す如く、閉弁方向のみ遅い速度SCで移動させ、開弁方向には通常時の速度SNで移動させてもよい(内開き式の場合は、これとは逆に、開弁方向のみを遅くすればよい)。
【0074】
また、前記各実施例では、弁体26を1回だけ往復動作させる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば機関再始動時に与える影響等を考慮しつつ、複数回移動させてもよい。
【0075】
さらに、EGR制御弁11の駆動源としては、制御の容易性、無励磁状態におけるディテントトルクTDの利用、トルク変更の容易性、製造コスト等を考慮すると、永久磁石を用いたPM型のステッピングモータ31が好ましいが、これに限らず、トルク変更が可能なモータであればよく、例えばハイブリッド型ステッピングモータ等を用いてもよい。
【0076】
従って、第2の実施例を「停止処理手段51Bは、機関を停止したときに、モータ31のトルクを増大させた状態で、弁体26を環状部材43で異物を除去可能な方向に移動させた後、所定の小開度θをもって停止させることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装置」として把握することもできる。このように把握した場合は、必ずしもディテントトルクTDを利用できるとは限らないので、弁体26の小開度θを保持するために、多少の通電を要する可能性があり、電力消費の面での効果を十分得られない。しかし、この場合でも、低消費電力型モータの採用、太陽光発電装置や大容量電池等の副次的電力供給手段の採用等によって、機関停止後に、比較的低いエネルギ消費で弁体26を小開度θに維持することが可能となる。
【0077】
また、前記各実施例では、環状部材としてのダストカバー43で異物を掻き落とす場合を例に挙げて説明したが、ダストカバー43を廃止し、環状部材としてのガスシール27の他端面で異物を除去してもよい。
【0078】
さらに、前記各実施例では、いわゆる外開き式のEGR制御弁11を例示したが、これに限らず、内開き式のEGR制御弁にも容易に適用できる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係る内燃機関の排気還流制御装置によれば、機関停止後に、モータのトルクを増大させて、環状部材で異物を除去できる方向に弁体を移動させる構成としたため、弁体に付着した異物を機関停止の度毎に自動的に除去することができ、「噛み込み現象」を未然に防止して、円滑な開閉動作を維持することができる。また、弁体を全開位置から全閉位置まで移動させている間に機関が再始動したときには、通常時におけるステッピングモータの駆動速度をもって弁体を全閉させる構成としたため、弁体の清掃を行いつつも、この清掃作業が機関の再始動に影響を与えることがなく、使い勝手が向上する。
【0080】
また、ステッピングモータの駆動速度を通常時よりも遅くした状態で、弁体を全開位置から全閉位置まで移動させる構成としたため、駆動速度を遅くすることによって容易にトルクを増大させることができ、このトルクが増大した状態で弁体表面の清掃を行うことができる。
【0081】
さらに、ステッピングモータの駆動速度を通常時よりも遅くした状態で、弁体を全開位置から全閉位置まで移動させた後、所定の小開度をもって停止させる構成としたため、弁体の表面(弁軸の表面)に付着した異物を除去できると共に、弁体先端のシート部に付着した異物によって、弁体と弁座とが接着状態になるのを未然に防止することができる上に、テーパ角に自由度を持たせて適切な流量特性を容易に得ることができる。
【0083】
さらに、ハウジングと、このハウジング内に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、ハウジングに一側に設けられ、弁体を軸方向に移動させることにより弁座に離着座させるステッピングモータと、弁体の外周側に近接して外嵌された略円錐筒状のダストカバーとを有する排気還流制御弁を用いる構成としたため、略円錐筒状のダストカバーによって弁体表面に付着した異物を効率的に掻き落とすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る内燃機関の排気還流制御装置の全体構成を示す構成説明図である。
【図2】閉弁状態の排気還流制御弁を拡大して示す断面図である。
【図3】開弁状態の排気還流制御弁を拡大して示す図2と同様の断面図である。
【図4】ステッピングモータの速度とトルクとの関係を示す特性図である。
【図5】停止処理を示すフローチャートである。
【図6】弁体の動作を示す動作説明図である。
【図7】排気還流制御弁の弁体等を拡大して示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る内燃機関の排気還流制御装置の全体構成を示す構成説明図である。
【図9】停止処理を示すフローチャートである。
【図10】弁体の動作を示す動作説明図である。
【図11】小開度で開弁した状態における排気還流制御弁の要部拡大図である。
【図12】弁ばねのばね力と閉弁方向のトルク等との関係を示す特性図である。
【図13】本発明の変形例に係る内燃機関の排気還流制御装置の動作説明図である。
【符号の説明】
5…吸気通路
6…排気通路
10…EGR通路(排気還流通路)
11…EGR制御弁(排気還流制御弁)
12,51…コントロールユニット(排気還流制御手段)
12A,51A…通常制御部
12B,51B…停止処理部(停止処理手段)
21…ハウジング
26…弁体
28…弁座部材
31…ステッピングモータ
43…ダストカバー
43A…他端面

Claims (4)

  1. 機関の排気通路と吸気通路とを連通して設けられた排気還流通路と、この排気還流通路の途中に設けられ、ステッピングモータによって環状部材に挿通された弁体を開閉させる排気還流制御弁と、この排気還流制御弁に制御信号を出力することにより前記弁体の開度を制御する排気還流制御手段とを備えた内燃機関の排気還流制御装置であって、
    機関を停止したときには、前記ステッピングモータのトルクを通常時のトルクよりも増大させた状態で、弁体に付着した異物を前記環状部材によって除去可能な方向に移動させる停止処理手段を設け、
    前記停止処理手段は、前記弁体を全開位置から全閉位置まで移動させている停止処理中に機関が再始動したときには、通常時におけるステッピングモータの駆動速度をもって全閉させることを特徴とする内燃機関の排気還流制御装置。
  2. 記停止処理手段は、機関を停止したときに、前記ステッピングモータの駆動速度を通常時の駆動速度よりも遅くした状態で、前記弁体を全開位置から全閉位置まで移動させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流制御装置。
  3. 記停止処理手段は、機関を停止したときに、前記ステッピングモータの駆動速度を通常時の駆動速度よりも遅くした状態で、前記弁体を全開位置から全閉位置まで移動させた後、所定の小開度をもって停止させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流制御装置。
  4. 前記排気還流制御弁は、ハウジングと、このハウジング内に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、前記ハウジングの一側に設けられ、前記弁体を軸方向に移動させることにより弁座に離着座させるステッピングモータと、前記弁体の外周側に近接して外嵌された略円錐筒状のダストカバーとを有してなることを特徴とする請求項1〜3に記載のいずれかに内燃機関の排気還流制御装置。
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