JP3648377B2 - Atmセル伝送方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(Asynchronous Transfer Mode)方式に従い、ATM交換機またはATM端末にて入出力されるATMセルを、1つのベースノード装置と1以上の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体(例えば、無線回線)を介して伝送されるATMセル伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代の広帯域マルチメディアパーソナル通信を実現するための方式の一つとして、ワイヤレスATMシステムが有望視されている。ワイヤレスATMシステムでは、無線基地局と無線モジュールとの間の無線回線上での通信も、ATM方式に従い行うものである。なおATM方式では、セルと呼ばれる固定長(53バイト;すなわち、ヘッダ部5バイトおよびペイロード部48バイト)パケットにて、通信情報の転送を行う。
【0003】
図11に、ワイヤレスATMシステムの基本構成例を示す。図11において、11−1〜11−nはATM端末、12−1〜12−nは無線モジュール、1300は無線基地局、14はATM交換機であり、また、110−1〜110−nは、ATM端末より無線モジュール宛に送出される通信情報の伝送路、111−1〜111−nは、無線モジュールよりATM端末宛に送出される通信情報の伝送路、121−1〜121−nは、無線モジュールより無線基地局宛に送出される通信情報の伝送路、120−1〜120−nは、無線基地局より無線モジュール宛に送出される通信情報の伝送路、130は、無線基地局よりATM交換機宛に送出される通信情報の伝送路、131は、ATM交換機より無線基地局宛に送出される通信情報の伝送路である。なお、ATM端末と無線モジュール、無線基地局とATM交換機は、有線回線(110−1〜110−n、111−1〜111−n、130、131)による接続がなされ、無線モジュールと無線基地局は、無線回線(120−1〜120−n、121−1〜121−n)による接続がなされている。また、図11では無線モジュールにはATM端末が接続される例を示しているが、ATM端末の代わりにATM交換機を無線モジュールに接続するといったワイヤレスATMシステムの構成例も考えることができる。
【0004】
図12に、図11に示したワイヤレスATMシステムにおけるUプレーン(ユーザプレーン)プロトコルの一構成例を示す。図12に示すように、ATM端末より送出されるアプリケーションデータは、AALレイヤ(ATMアダプテーションレイヤ)、ATMレイヤ、PHYレイヤ(物理レイヤ)での処理が行われた後に、無線モジュールに到着する。無線モジュールでは、受信したデータに対してATMレイヤでの処理を行った後に、WALレイヤ(無線アクセスレイヤ;例えば、無線メディア上でのMAC(Medium Access Control)プロトコル)処理を行い、無線回線を介して無線基地局宛に送信する。無線回線よりデータを受信した無線基地局では、本データに対してATM処理を行った後に、ATM交換機宛に送信する。図12に示すように、ワイヤレスATMシステムでは、中継ノード(無線モジュール、無線基地局、ATM交換機)においては、ATMレイヤを介して受信データの交換処理を行い、PHYレイヤもしくはWALレイヤを介して次段ノード(もしくは宛先端末)に対してデータの送信を行う。
【0005】
WALレイヤにて行われる処理の一つである、無線モジュールと無線基地局間での通信を行う際の無線回線へのアクセス方式としては、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式が存在するが、ATM通信を提供する際に必要となる、高速広帯域通信、動的な帯域の割当を無線回線上においても可能とするためには、無線回線速度の柔軟な調整が容易に可能であるTDMA方式を用いるのが最も適していると考えられる。TDMA方式では、一つの無線基地局に多数の無線モジュールが同一の搬送周波数で、時間的に信号が重ならないようにデータ信号の送信が行われる。データ信号の送受信の基本周期となる固定長のTDMAフレーム(以下では、単にフレームと呼ぶ)を定め、このフレーム内に割り当てられたタイムスロットを用いて通信を行う。図13に、TDMA方式にて用いるフレームの一構成例を示す。図13では、フレームを上りリンク(無線モジュールから無線基地局への送信用)と下りリンク(無線基地局から無線モジュールへの送信用)に時分割している(TDMA/TDD(Time Division Duplex)方式)。
【0006】
ところで、ATM方式を用いた通信においては、マルチメディアアプリケーションの要求する様々な通信品質に応えるため、セル損失、セル遅延などの様々なQoS(サービス品質)の要求に対応できるように、いくつかのサービスクラスが定義されている。このサービスクラスの一つにABR(Available Bit Rate)サービスクラスがある。図14に、ABRサービスの概要を示す。ABRサービスでは、送信端末(21)より、通信情報が含まれるセル(データセル)の他に、一定周期毎にRMセル(Resource Management セル;資源管理セル)が受信端末(22)宛に送出され(フォワードRMセル)、受信端末では、受け取ったRMセルを折り返し送信端末宛に送信する(バックワードRMセル)。その際、本RMセル上には、通過するATM網(23)内のATMスイッチ(24)や、折り返される受信端末により、ATM網における輻輳状況が上書きされ、これらの情報は最終的にはバックワードRMセルを受信する送信端末宛に伝わることとなり、送信端末では、ATM網内の輻輳状況に応じて、セル送出速度の変更を行う。なお、図14において、RMセルは網掛けのブロックにて図示している。
【0007】
ATMスイッチや受信端末では、輻輳の発生、継続を防ぐために、RMセル内の以下の情報を更新することにより、送信端末に対してセル送出速度の制御を以来する。
・ER(Expllicit Cell Rate):2バイト情報
明示的セル速度。送出可能なセル速度が記載。送信端末では、本値を越える速度でのセル送出は許されない。
・CI(Congestion Indication):1ビット情報
輻輳表示ビット。本ビット値の設定時には、送信端末では、セル送出速度を減少しなければならない。
・NI(No Increase):1ビット情報
速度増加禁止ビット。本ビット値の設定時には、送信端末では、セル送出速度を増加してはならない。
【0008】
図11に示したワイヤレスATMシステムにおいてABRサービスを提供する場合、送信先より折り返されたバックワードRMセルを受信した、データの送信元であるATM端末では、当該RMセル内に記載されているER値、CIビット、NIビットをもとに、以降におけるATMセルのセル転送速度を算出し、本速度を越えない範囲にてATMセルの転送を行うこととなる。このとき、有線回線部分(送信元ATM端末と無線モジュールとの間、無線基地局より先)では、セル転送速度の変更に伴う仮想コネクションの帯域再割当を実行する必要はないが、無線モジュールと無線基地局との間における無線回線部分においては、セル転送速度の変更に伴い、1フレーム内のタイムスロット数の変更を行い、データ転送速度を陽に変更する必要がある。しかしながら、上記タイムスロット数の変更を行う無線回線部分では、ATM端末にて新たに算出されたセル転送速度を認識することが難しく、そのため、本速度に基づくタイムスロット数の変更は非常に困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のワイヤレスATMシステムにおいてABRサービスを提供する場合、送信元であるATM端末のセル転送速度の変化に伴い、無線回線部分の帯域再割当を実行する必要があるが、無線回線部分の帯域再割当を管理、実行する無線基地局もしくは無線モジュールにおいては、上述したATM端末でのセル転送速度の変化を認識することが困難であった。これは、ワイヤレスATMシステムに関わらず、ATMセルの転送に際して、回線容量を陽に確保する必要のある伝送媒体を介して実現されるATMシステム全てにおいて共通した課題である。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、回線容量を陽に確保する必要のある伝送媒体を介してベースノード装置と複数の通信モジュールとの間でATMセルを双方向伝送する際に、各仮想コネクションもしくは各通信モジュールに係るセル転送速度に応じた回線容量の再割当を可能とするATMセル伝送方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、各通信モジュール毎および通信モジュールと自装置とのセル転送方向毎に、同一の通信モジュールとの間で送受信する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルを送受信する通信モジュールにおいて前記共通の伝送媒体上の該当するセル転送方向にて提供すべきセル転送速度を求め、前記共通の伝送媒体の該当するセル転送方向に前記通信モジュールに対して少なくとも前記セル転送速度を提供するために確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、該共通の伝送媒体の該当するセル転送方向に対して該帯域をあらためて割り当てることを特徴とする。
好ましくは、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)に等しいようにしてもよい。
好ましくは、前記セル転送速度は、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルの送信装置での現在のセル転送速度(例えば、CCR値)に等しいようにしてもよい。
好ましくは、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)と、輻輳に関連する情報を伝えるためのビット情報(例えば、CIビット情報、NIビット情報、もしくは両ビット情報)とを参照して求められ、現在、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供しているセル転送速度に対して、前記ビット情報が輻輳があることを示す値に設定されている場合(例えば、CIビット情報が1に設定されている場合)には前記セル転送速度を減少させた値を前記セル転送速度として求め、前記ビット情報が輻輳がないことを示しかつセル送出速度の増加が禁止されていないことを示す値に設定されている場合(例えば、CIビット情報およびNIビット情報が共に0に設定されている場合)には前記セル転送速度を増加させた値を前記セル転送速度として求め、該セル転送速度が前記許容セル転送速度(例えば、ER値)を上回る場合には、該セル転送速度を前記許容セル転送速度に置き換えるようにしてもよい。
また、本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、同一の仮想コネクションに属する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供すべきセル転送速度を求めるステップと、前記仮想コネクション上でのATMセルの転送において少なくとも前記セル転送速度が提供されるように、前記仮想コネクションに対して前記伝送媒体上にて確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、前記仮想コネクションに対して該帯域をあらためて割り当てるステップとを有し、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)に等しいことを特徴とする。
また、本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、同一の仮想コネクションに属する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供すべきセル転送速度を求めるステップと、前記仮想コネクション上でのATMセルの転送において少なくとも前記セル転送速度が提供されるように、前記仮想コネクションに対して前記伝送媒体上にて確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、前記仮想コネクションに対して該帯域をあらためて割り当てるステップとを有し、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)と、輻輳に関連する情報を伝えるためのビット情報とを参照して求められ、現在、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供しているセル転送速度に対して、前記ビット情報が輻輳があることを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を減少させた値を前記セル転送速度として求め、前記ビット情報が輻輳がないことを示しかつセル送出速度の増加が禁止されていないことを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を増加させた値を前記セル転送速度として求め、該セル転送速度が前記許容セル転送速度を上回る場合には、該セル転送速度を前記許容セル転送速度に置き換えることを特徴とする。
好ましくは、求められた前記セル転送速度を前記仮想コネクションにおいて提供するために必要な帯域の確保が前記共通の伝送媒体上では不可能である場合、確保が可能な帯域のみを前記仮想コネクションに対して割り当て、該確保が可能な帯域を割り当てることにより前記仮想コネクションにおいて提供可能である第2のセル転送速度(この場合、請求項1〜6夫々におけるセル転送速度を第1のセル転送速度とする)を求め、受信された前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される許容セル転送速度(例えば、ER値)が、前記第2のセル転送速度を上回る場合には、前記資源管理セル内の許容セル転送速度として、前記第2のセル転送速度を上書きするようにしてもよい。
また、本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、仮想コネクション毎に、該仮想コネクション上を送出される第1のセル転送速度を算出し、該第1のセル転送速度と前記共通の伝送媒体上にて使用可能な帯域に基づいて、該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて求め、前記仮想コネクションに対応する資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、求められた前記帯域を確保することにより提供可能となる第2のセル転送速度と、該資源管理セル内に記載されている許容セル転送速度(例えば、ER値)との大小関係を比較し、該第2のセル転送速度が該許容セル転送速度を上回る場合には、該許容セル転送速度との差が大きくならないように該第2のセル転送速度を修正し、修正された該第2のセル転送速度に基づいて該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて割り当てることを特徴とする。
好ましくは、前記伝送媒体は無線回線であるようにしてもよい。
【0017】
好ましくは、求められた前記セル転送速度を前記仮想コネクションにおいて提供するために必要な帯域の確保が前記共通の伝送媒体上では不可能である場合、確保が可能な帯域のみを前記仮想コネクションに対して割り当て、該確保が可能な帯域を割り当てることにより前記仮想コネクションにおいて提供可能である第2のセル転送速度(この場合、請求項1〜6夫々におけるセル転送速度を第1のセル転送速度とする)を求め、受信された前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される許容セル転送速度(例えば、ER値)が、前記第2のセル転送速度を上回る場合には、前記資源管理セル内の許容セル転送速度(例えば、ER値)として、前記第2のセル転送速度を上書きするようにしてもよい。
【0019】
本発明(請求項8)は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、仮想コネクション毎に、該仮想コネクション上を送出される第1のセル転送速度を算出し、該第1のセル転送速度と前記共通の伝送媒体上にて使用可能な帯域に基づいて、該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて求め、前記仮想コネクションに対応する資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、求められた前記帯域を確保することにより提供可能となる第2のセル転送速度と、該資源管理セル内に記載されている許容セル転送速度(例えば、ER値)との大小関係を比較し、該第2のセル転送速度が該許容セル転送速度(例えば、ER値)を上回る場合には、該許容セル転送速度(例えば、ER値)との差が大きくならないように該第2のセル転送速度を修正し、修正された該第2のセル転送速度に基づいて該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて割り当てるようにしてもよい。
【0022】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0023】
本発明によれば、ワイヤレスATMシステムをはじめとする1つのベースノード装置と1以上の通信モジュールとの間にて共通の伝送媒体を介してATMセルを双方向伝送する通信システムにおいて、ベースノード装置(無線基地局)内にて、資源管理セル(例えば、RMセル)内に記載されている情報を収集し、本情報に基づいて該資源管理セルが資源管理を行う仮想コネクションに対して提供すべきセル転送速度を算出し、この値に基づいて共通の伝送媒体における回線容量(例えば、無線回線容量)の再割当を行うことにより、ABRサービスのような動的にセル転送速度が変更されるATMサービスに対する回線容量の割り当てが、該仮想コネクションの送信装置でのセル転送速度の変化を認識した上で行うことができるため、回線容量の不足によるサービス品質の劣化を防ぐことができ、また、冗長な回線容量の割当を防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
なお、本実施形態においては、伝送媒体として無線回線を用いた場合のワイヤレスATMシステムにおける発明の実施の形態について説明し、また、ベースノードは無線基地局とし、通信モジュールは無線モジュールとして説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の一構成例である。図1の無線基地局は、例えば本発明を図11のワイヤレスATMシステムに適用した場合における図11の無線基地局13の一構成例に該当する。
【0026】
図1に示されるように、本実施形態に係る無線基地局は、ATM処理部31、無線フレーム処理部32、フレームスケジューラ33を備えている。
ATM処理部31では、有線回線より受信したATMセル、もしくは無線フレーム処理部32より抽出されたATMセルを処理し、本ATMセルを無線フレーム処理部32に引き渡すか、もしくは有線回線上へ送出する処理を行うとともに、仮想コネクション(VC)毎のセルトラヒック情報(蓄積セル数、セル到着速度、等)や、RMセル内の情報をフレームスケジューラ33へ引き渡す処理を行う。
【0027】
無線フレーム処理部32では、ATM処理部31より引き渡されたATMセルを、フレームスケジューラ33にて求められたスロット割当に基づいて無線フレーム内に組み込み、無線回線上へ送出するという処理と、無線回線より受信した無線フレームよりATMセルを抽出して、ATM処理部31へ引き渡すという処理を行う。
【0028】
フレームスケジューラ33では、コネクション設定時に得られる各種パラメータ、ATM処理部31より引き渡されるVC毎のセルトラヒック情報やRMセル内情報をもとに、無線フレームのスロット割当を行い、このスロット割当情報を無線フレーム処理部32へ通知するという処理を行う。
【0029】
ATM処理部31では、受信したATMセルのうちRMセルに関しては、RMセル内情報を抽出してフレームスケジューラ33へ引き渡し、また、必要に応じてフレームスケジューラ33の指示に従いRMセル内情報を修正するRMセル処理部311,312を具備する場合がある。なお、RMセル処理部311は有線回線より受信したRMセルの処理を行い、RMセル処理部312は無線回線より受信したRMセルの処理を行う。また、ATM処理部31では、必要に応じて、有線回線より到着するセルに関する、VC毎のセルトラヒック情報や、無線回線より到着し、無線フレーム処理部より引き渡されるセルに関する、VC毎のセルトラヒック情報を収集し、フレームスケジューラ33へ引き渡すという処理が行われる。
【0030】
無線フレーム処理部32では、フレームスケジューラ33にて求められた無線フレーム内のスロット割当方法に基づいて、ATM処理部31より引き渡されたセルを該当するスロット位置に挿入することで無線フレームを生成した後に、無線回線上へ当該フレームを送出するフレーム生成部321、受信した無線フレーム内よりセルを抽出し、本セルをATMセル処理部31へ引き渡すATMセル抽出部322とを具備する。
【0031】
図2に、ATMにおいて規定されるサービスクラスに対して、フレームスケジューラ(図1の33)にて行われる無線スロットの割当方法の一例を示す。
CBR(Constant Bit Rate)サービスに対しては、コネクション設定時に得られるパラメータであるPCR(ピークセル速度)でのセル転送が可能となるように、無線スロットを固定的に割り当てる。
【0032】
VBR(Variable Bit Rate)サービスに対しては、リアルタイムVBRサービス、ノンリアルタイムVBRサービス共に、コネクション設定時に得られるパラメータであるPCR、SCR(平均セル速度)、MBS(最大バーストサイズ)に従ったセル転送が可能となるように無線スロットを割り当てる。その際、フレームスケジューラでは、これらのパラメータに従う最低限のセル転送が可能となるよう、無線スロットをあらかじめ固定的に割り当てておき、これに加えて、サービス中におけるセルトラヒックのバーストの度合いに従い、さらに無線スロットを動的に割り当てることにより、VBRサービスを提供する。
【0033】
そして、ABR(Available Bit Rate)サービス、UBR(Unspecified Bit Rate)サービスに対しては、送出すべきセルトラヒックの特性に基づいて、動的に無線スロットを割り当てる。
【0034】
上述したように、CBRサービス、VBRサービスに対しては、各種パラメータに基づいた無線スロットの固定的な割当を行うことで、各々のサービスにおいて保証されるべきセル転送速度を提供する必要がある。そのため、動的な無線スロットの割当が行われるABRサービス、UBRサービスが使用できる無線回線容量は、無線基地局と無線モジュールとの間にて提供される無線回線容量から、CBRサービス、VBRサービスを提供する仮想コネクションに対して固定的に確保された無線回線容量を差し引いた無線回線容量に等しくなり、本容量を越えない範囲において、ABRサービス、UBRサービスを提供する仮想コネクションに対する無線スロットの割当を行うこととなる。
【0035】
以下では、本発明を実施した際にフレームスケジューラにおいて行われる、ABRサービスに対する無線スロットの割当方法の幾つかの例を詳述する。
フレームスケジューラ(図1の33)では、RMセル処理部(図1の311,312)より引き渡されるRMセル内の情報に基づき、ABRサービスに割り当てる無線スロット数を動的に決定する。このとき、用いられるRMセル内の情報とは、以下の通りである。
・バックワードRMセル内のER値(後述する手順1)
・フォワードRMセル内のCCR値(後述する手順2)
・バックワードRMセル内のCIビット、NIビット(後述する手順3)
以降では、上述したRMセル内情報を用いることによる、ABRサービスへ割り当てる無線スロットの変更方法について述べる。
【0036】
図3に、無線基地局において行われる、上りリンクを転送されるABR VCに対する無線スロットの再割当に対して参照される上記情報の関係を示す。なお、以下の記述において用いる各パラメータの説明は、次の通りである。
・Rr : RMセルより求めたセル転送速度
・RL : 無線回線容量の制限等より求められるセル転送速度の上限値
・Rm : 現在のセル転送速度の測定値
・Rs : 現在無線回線上にて確保しているセル転送速度
・ERnew : 新しいER値
・Rsnew : 新たに無線回線上にて確保するセル転送速度
さて、最初の例として、手順(1)について説明する。
【0037】
この手順(1)は、バックワードRMセル内のER値に基づき、無線フレームのスロット割当を変更するものである。
ABRサービスにおいて、バックワードRMセル内のER値には、RMセルが通過したノード(もしくは宛先端末)が輻輳に陥ることのないセル転送が可能なセル転送速度が上書きされている。本無線基地局では、当該バックワードRMセル内のER値を調べることにより、本RMセルが資源管理を行うABRコネクションに対する(つまり、本コネクションが設定されている無線モジュールに対する)無線フレームの割当スロット数の増減の必要性を判断し、その結果に基づき当該スロット数の再割当を行う。
【0038】
図4に、バックワードRMセルのER値に基づく、フレームスケジューラ33での無線スロット再割当手順の一例を示す。
無線基地局内のRMセル処理部311、312においてRMセルが受信され、本RMセル内の情報をフレームスケジューラにて受け取れば(ステップS11)、本RMセルのDIRビットを調べて、本RMセルがバックワードRMセルであるか否か(DIR=1であるか否か)を判断する(ステップS12)。これがバックワードRMセルであれば、本RMセルのER値を抽出し(ステップS13)、Rr値としてER値を設定する(ステップS14)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rr値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS15)、本Rsnew値とER値の最小値をERnew値とし、バックワードRMセル内のER値として上書きする(ステップS16)。最後に無線回線上において、当該仮想コネクションに対してRsnew値でのセル転送を提供可能とするように無線フレームスロットの再割当を行い(ステップS17)、フレームスケジューラでの動作を終了する(ステップS18)。
【0039】
なお、上りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部311にて受信されるバックワードRMセルに基づき、下りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部312にて受信されるバックワードRMセルに基づいて、図4に示した手順に従う再割当が行われる。
【0040】
本手順(1)を実行することにより、無線基地局は、無線モジュールとの間にて通信を行うABR仮想コネクションのセル転送速度の上限値を、バックワードRMセル内のER値を参照することにより知ることができるため、無線回線上において必要以上の無線回線容量を本仮想コネクションに割り当てることがなくなる。
【0041】
次に、第2の例として、手順(2)について説明する。
この手順(2)は、フォーワードRMセル内のCCR値に基づき、無線フレームのスロット割当を変更するものである。
【0042】
ABRサービスにおいて、フォーワードRMセル内のCCR値には、送信端末におけるABRコネクション上への現在のセル送出速度が上書きされている。本無線基地局では、当該フォワードRMセル内のCCR値を調べることにより、本ABRコネクションに対する(つまり、本コネクションが設定されている無線モジュールに対する)無線フレームの割当スロット数の増減の必要性を判断し、その結果に基づき当該スロット数の再割当を行う。
【0043】
図5に、フォワードRMセルのCCR値に基づく、フレームスケジューラ33での無線スロット再割当手順の一例を示す。
無線基地局内のRMセル処理部311,312においてRMセルが受信され、本RMセル内の情報をフレームスケジューラにて受け取れば(ステップS21)、本RMセルのDIRビットを調べて、本RMセルがフォーワードRMセルであるか否か(DIR=0であるか否か)を判断する(ステップS22)。これがフォワードRMセルであれば、本RMセルのCCR値を抽出し(ステップS23)、Rr値としてCCR値に定数αを乗じた値を設定する(ステップS24)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rr値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS25)、本Rsnew値とER値の最小値をERnew値とし、バックワードRMセル内のER値として上書きする(ステップS26)。最後に、無線回線上において、当該仮想コネクションに対してRsnew値でのセル転送を提供可能とするように無線フレームスロットの再割当を行い(ステップS27)、フレームスケジューラでの動作を終了する(ステップS28)。
【0044】
なお、上りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部312にて受信されるフォーワードRMセルに基づき、下りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部311にて受信されるフォワードRMセルに基づいて、図5に示した手順に従う再割当が行われる。
【0045】
ステップS24において、Rr値としてCCR値に定数αを乗じた値を設定したが、このとき、Rr値として現在のセル転送速度であるCCR値をそのまま設定した場合、ステップS26においてバックワードRMセル内のER値としてCCR値をそのまま上書きすることとなるが、これは、本RMセルを受信した送信端末において、現在のセル転送速度(CCR値)を上回る速度でのセル転送を許容しないこととなる。そのため、1を上回る定数αをCCR値に乗じた値をRr値と設定するようにした。
【0046】
本手順(2)を実行することにより、無線基地局は、無線モジュールとの間にて通信を行うABR仮想コネクションの現在のセル転送速度値を、フォワードRMセル内のCCR値を参照することにより知ることができるため、無線回線上において必要以上の無線回線容量を本仮想コネクションに割り当てることがなくなる。
【0047】
次に、手順(3)について説明する。
この手順(3)は、バックワードRMセル内のCIビット情報、NIビット情報に基づき、無線フレームのスロット割当を変更するものである。
【0048】
ABRサービスにおいて、バックワードRMセル内のCIビット、NIビットには、RMセルが通過したノード(もしくは宛先端末)が輻輳に陥っているか否かを示す情報が上書きされている。本無線基地局では、当該バックワードRMセル内のCIビット、NIビットを調べることにより、本RMセルが資源管理を行うABRコネクションに対する(つまり、本コネクションが設定されている無線モジュールに対する)無線フレームの割当スロット数の増減の必要性を判断し、その結果に基づき当該スロット数の再割当を行う。
【0049】
図6に、バックワードRMセルのCIビット、NIビットに基づく、フレームスケジューラ33での無線スロット再割当手順の一例を示す。
無線基地局内のRMセル処理部311,312においてRMセルが受信され、本RMセル内の情報をフレームスケジューラにて受け取れば(ステップS31)、本RMセルのDIRビットを調べて、本RMセルがバックワードRMセルであるか否か(DIR=1であるか否か)を判断する(ステップS32)。これがバックワードRMセルであれば、本RMセルのCIビット、NIビット、ER値を抽出し(ステップS33)、これらの値を基に、Rr値を算出する(ステップS34)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rr値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS35)、本Rsnew値とER値の最小値をERnew値とし、バックワードRMセル内のER値として上書きする(ステップS36)。最後に、無線回線上において、当該仮想コネクションに対してRsnew値でのセル転送を提供可能とするように無線フレームスロットの再割当を行い(ステップS37)、フレームスケジューラでの動作を終了する(ステップS38)。
【0050】
なお、上りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部311にて受信されるバックワードRMセルに基づき、下りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部312にて受信されるバックワードRMセルに基づいて、図6に示した手順に従う再割当が行われる。
【0051】
図7に、図6のステップS34にて行われる、Rr値の再計算手順の一例を示す。
バックワードRMセルのCIビット、NIビット、ER値を抽出した後に、Rr値の再計算を開始する。初期値として、現在無線回線上にて確保している速度Rs値を、Rr値として設定する(ステップS41)。CIビットが1であれば(ステップS42)、本無線基地局より先にて輻輳が生じていることを示しているので、Rr値の減少を行う(ステップS43)。減少の方法としては、例えば、ABRサービスのSource Behaviorにて規定されいている式に従い、
Rr=Rr−Rr×RDF
により算出する手段が考えられる。なお、RDFはセル転送速度減少時の速度減少ファクタ(定数)である(例えば、1/16)。
【0052】
次に、抽出したCIビットが0であり、かつNIビットが0であれば(ステップS44)、本無線基地局より先にて輻輳が生じていないことを示しているので、Rr値の増加を行う(ステップS45)。増加の方法としては、例えば、ABRサービスのSource Behaviorにて規定されいている式に従い、
Rr=Rr+RIF×PCR
により算出する手段が考えられる。なお、RIFはセル転送速度増加時の速度増加ファクタ(定数)である(例えば、1/16)。また、PCRは本ABRサービスにおいて提供可能な最大セル転送速度であり、ABRコネクション設定時に規定されるパラメータである。
【0053】
ステップS43、もしくはステップS45にて算出されたRr値をER値と比較し(ステップS46)、Rr値がER値を上回っていれば、本仮想コネクションにおいて提供可能なセル転送速度(ER値)を越えたRr値を無線回線上に確保しようとしていることを表すので、Rr値をER値に置き換え、Rrの減少を行う(ステップS47)。また、Rr値がER値を下回っていれば、本仮想コネクションのボトルネックが本無線回線区間であることが分かり、バックワードRMセル内のER値をRr値に置き換える(ステップS48)。
【0054】
上記手順により得られたRr値が、ステップS34にて算出される新たなRr値となる(ステップS49)。
本手順(3)を実行することにより、無線基地局は、無線モジュールとの間にて通信を行うABR仮想コネクションのセル転送速度値がバックワードRMセルを受信することによりどのように変化するかを、当該バックワードRMセル内のCIビット情報、NIビット情報、ER値を参照することにより知ることができるため、変化した後の前記セル転送速度を提供するのに必要な無線回線容量を、本仮想コネクションに対して即座に割り当てることができる。また、本手順(3)により算出されたRr値を必要に応じてバックワードRMのER値として上書きすることで、本無線回線区間でのセル転送速度の上限値を本仮想コネクション送信端末に通知することができ、本上限値を越えないようなセル転送速度の設定が可能となる。
【0055】
ところで、上記の手順(1)と手順(3)は共に、受信したバックワードRMセル内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行っている。例えば、手順(1)ではバックワードRMセル内のER値に等しくなるよう無線回線容量を割り当てているが、これは、仮想コネクションが通過するATMスイッチノードにおける輻輳通知手段として、バックワードRMセル内のER値を修正するという手段が採用されている場合に有効な手順となる。また、手順(3)ではバックワードRMセル内のCIビット情報、NIビット情報、ER値に基づいて無線回線容量を割り当てているが、これは、仮想コネクションが通過するATMスイッチノードにおける輻輳通知手段として、バックワードRMセル内のCIビット、NIビットを修正するという手段が採用されている場合に有効な手順となる。一般に、仮想コネクションが通過するATMスイッチノードにおいていずれの輻輳通知手段がおこなわれているかを無線基地局においては把握できないため、本無線基地局では、バックワードRMセル受信時には上記手順(1)と(3)を並行して実行し、得られた無線回線容量のうち、より小さな容量を当該仮想コネクションに割り当てる無線回線容量とし、本容量に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行うことが望ましい。なお、上記手順(2)は、受信したフォワードRM内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順であり、上記手順(1)や(3)とは独立に実行される手順である。
【0056】
さて、上記手順(1)〜(3)では、無線基地局にて受信したRMセル内の情報(ER値、CCR値、CIビット、NIビット)に基づいて無線フレームスロットの再割当を行うという手段について説明した。この他に、無線基地局におけるATMセルの到着過程に基づいて無線フレームスロットの再割当を行う手段も考えられる(手順(4))。
【0057】
以下、手順(4)について説明する。
この手順(4)は、無線基地局におけるATMセルの到着過程を監視し、これにより得られる到着速度をもとに無線フレームのスロット割当を変更するものである。
【0058】
ABRサービス(UBRサービスも同様)を提供する仮想コネクションにおいては、セルの転送に必要な帯域は常に確保することなく(なお、ABRサービスに関しては、保証すべき最小セル転送速度でのセル転送を提供するため、ある程度の帯域を常に確保する場合がある)、使用可能な帯域が存在すれば、それを利用してセルの転送を行う。本手順では、無線基地局に到着するセルの転送速度を常に監視し、この速度値に基づいた無線回線容量の再割当を行う。
【0059】
図8に、無線基地局で監視して得られたセル到着速度に基づいた、フレームスケジューラ33で無線スロット再割当手順の一例を示す。
あらかじめ規定した一定時間が経過する毎、もしくはあらかじめ規定したセル数が到着する毎に(ステップS61)、ATM処理部31において得られた到着セル情報により、仮想コネクション毎にセル到着速度(Rm)を計測する(ステップS62)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rm値に定数αを乗じた値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS63)、本Rsnew値と、以降に受信するバックワードRMセル内のER値の最小値をERnew値と設定し(ステップS64)、本値をバックワードRMセル内の新たなER値として上書きする。最後に、算出されたRsnew値でのセル転送が可能となるよう、無線フレーム内スロットの再割当を行う(ステップS65)。
【0060】
なお、ステップS63においてRsnew値を算出する際に、Rm値に定数αを乗じた値をRL値と比較したが、このとき、Rm値をそのまま用いて比較を行う場合、ステップS64においてバックワードRMセル内のER値としてRm値をそのまま上書きすることとなるが、これは、本RMセルを受信した送信端末において、現在のセル転送速度(Rm値)を上回る速度でのセル転送を許容しないこととなる。これを防ぐため、1を上回る定数αをRm値に乗じた値をRL値と比較させるようにした。
【0061】
以上、バックワードRMセル内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順(1)および手順(3)、フォワードRMセル内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順(2)、ならびに無線基地局におけるATMセルの到着過程に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順(4)といった、独立実施可能な4つの手順の例を示してきたが、手順(1)と手順(2)と手順(3)は任意の2つまたは3つを組み合わせて実施可能であり、またこれらのうち手順(2)を含む組み合わせにおいて手順(2)を手順(4)に代えた形態も実施可能である。なお、上記の2以上の手順を組み合わせて実施する場合には、例えば、各手順を並行して実行し、並行実行される各手順が独立してそれぞれ無線フレームのスロット割当を変更していく。
【0062】
さて、上述したように、ABRサービス、UBRサービスを提供する仮想コネクションに対して割り当てる無線回線容量の総和は、無線基地局と無線モジュールとの間の無線回線容量より、CBRサービス、VBRサービスを提供する仮想コネクションに対して固定的に確保した無線回線容量を差し引いた無線回線容量を超過しないようにする必要がある。
【0063】
例えば、図9に示すような、ABRサービス、UBRサービスを要求する仮想コネクションと、当該コネクションに対して割り当てる無線回線容量との対応表を、無線基地局において保持することにより、無線回線容量の割当を管理する。本無線基地局において管理するABRサービス、UBRサービスを要求する仮想コネクションの識別子(41)に対応して、セルトラヒックの監視により得られたセル転送速度(42)と無線フレーム内スロットの再割当により得られたセル転送速度(43)とが少なくとも記載される。なお、本表に記載されている仮想コネクションにおける現在のセル転送速度の総和と(44)、ABRサービス、UBRサービスに対して提供可能な無線回線容量も併せて記載されている(45)。
【0064】
ABRサービス、UBRサービスを提供する仮想コネクションに対する無線フレーム内スロットの再割当方法として、例えば各仮想コネクションにおける現在のセル転送速度(監視により得られるセル転送速度)に比較した無線回線容量が得られるように行う方法が考えられる。図9の例では、仮想コネクション#1、#2、#3における現在のセル転送速度の比率が2:4:3となっているので、この比率と等しくなるよう、無線回線でのセル転送速度を割り当てている。
【0065】
なお、上記においては仮想コネクション毎のセル転送速度の監視、無線回線容量の割当について述べたが、これを無線回線部分の相手先である無線モジュール毎にセル転送速度を監視し、無線回線容量を割り当ててもよい。その場合、図9では、無線モジュールに対応させて各値を記載することとなる。
【0066】
上記した手順(1)〜(4)もしくはそれらを組み合わせたもの、により算出された無線回線容量に基づいて無線フレーム内においてスロットを割り当てる手段として、仮想コネクション毎にスロット割当を行う手段と、無線モジュール毎にスロット割当を行う手段とが考えられる。
【0067】
なお、無線モジュール毎にスロット割当を行う場合には、例えば、まず前述の方法で仮想コネクション毎にスロット割当を行い、次のこの結果を無線モジュール毎に取り纏める。
【0068】
図10に、各々の手段に従ったスロット割当の一例を示す。(a)は仮想コネクション毎にスロットを割り当てる例であり、(b)は無線モジュール毎にスロットを割り当てる例である。
【0069】
無線回線容量の効率的な使用を実現するためには、無線モジュール毎にスロット割当を行う手段を採用すると好ましい。これは、本無線基地局では、CBRサービス、VBRサービスを要求する仮想コネクションに対しては、送信すべきセルの有無に関わらず固定的に無線回線容量を割り当てているため、仮想コネクション毎にスロット割当を行った場合、送信すべきセルが存在しない、CBRサービス、VBRサービスを要求する仮想コネクションに対して割り当てられた無線フレームスロットは未使用な状態のまま送信されることとなる。これに対して、無線モジュール毎にスロット割当を行った場合は、上述したような仮想コネクションが存在する場合、無線モジュール内において他のサービスを要求する仮想コネクションに属するセルを挿入することが可能となり、その結果、無線回線より効率的な使用が可能となる。
【0070】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、ベースノード装置内にて、資源管理セル内に記載されている情報を収集し、本情報に基づいて該資源管理セルが資源管理を行う仮想コネクションに対して提供すべきセル転送速度を算出し、この値に基づいて共通の伝送媒体における回線容量の再割当を行うことにより、動的にセル転送速度が変更されるATMサービスに対する回線容量の割り当てが、該仮想コネクションの送信装置でのセル転送速度の変化を認識した上で行うことができるため、回線容量の不足によるサービス品質の劣化を防ぐことができ、また、冗長な回線容量の割当を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線基地局の構成例を示す図
【図2】ATMでの各種サービスに対する無線スロット割当の際のポリシーを説明するための図
【図3】RMセル内情報に基づいた無線スロット割当のシステム概念を説明するための図
【図4】スロット数再割当手順の一例を示すフローチャート
【図5】スロット数再割当手順の他の例を示すフローチャート
【図6】スロット数再割当手順のさらに他の例を示すフローチャート
【図7】Rr値算出手順の一例を示すフローチャート
【図8】スロット数再割当手順のさらに他の例を示すフローチャート
【図9】仮想コネクションと現在のセル転送速度と無線回線上にて割り当てられたセル転送速度との対応を示す図
【図10】無線フレーム内のスロット割当の一例を示す図
【図11】ワイヤレスATMシステムの基本構成例を示す図
【図12】ワイヤレスATMシステムのUプレーンプロトコルの一構成例を示す図
【図13】TDMA方式にて用いる無線フレームの一構成例を示す図
【図14】ABRサービスの概要を説明するための図
【符号の説明】
11−1〜11−n…ATM端末
12−1〜12−n…無線モジュール
13…無線基地局
14…ATM交換機
31…ATM処理部
32…無線フレーム処理部
33…フレームスケジューラ
311,312…RMセル処理部
321…フレーム生成部
322…ATMセル抽出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(Asynchronous Transfer Mode)方式に従い、ATM交換機またはATM端末にて入出力されるATMセルを、1つのベースノード装置と1以上の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体(例えば、無線回線)を介して伝送されるATMセル伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代の広帯域マルチメディアパーソナル通信を実現するための方式の一つとして、ワイヤレスATMシステムが有望視されている。ワイヤレスATMシステムでは、無線基地局と無線モジュールとの間の無線回線上での通信も、ATM方式に従い行うものである。なおATM方式では、セルと呼ばれる固定長(53バイト;すなわち、ヘッダ部5バイトおよびペイロード部48バイト)パケットにて、通信情報の転送を行う。
【0003】
図11に、ワイヤレスATMシステムの基本構成例を示す。図11において、11−1〜11−nはATM端末、12−1〜12−nは無線モジュール、1300は無線基地局、14はATM交換機であり、また、110−1〜110−nは、ATM端末より無線モジュール宛に送出される通信情報の伝送路、111−1〜111−nは、無線モジュールよりATM端末宛に送出される通信情報の伝送路、121−1〜121−nは、無線モジュールより無線基地局宛に送出される通信情報の伝送路、120−1〜120−nは、無線基地局より無線モジュール宛に送出される通信情報の伝送路、130は、無線基地局よりATM交換機宛に送出される通信情報の伝送路、131は、ATM交換機より無線基地局宛に送出される通信情報の伝送路である。なお、ATM端末と無線モジュール、無線基地局とATM交換機は、有線回線(110−1〜110−n、111−1〜111−n、130、131)による接続がなされ、無線モジュールと無線基地局は、無線回線(120−1〜120−n、121−1〜121−n)による接続がなされている。また、図11では無線モジュールにはATM端末が接続される例を示しているが、ATM端末の代わりにATM交換機を無線モジュールに接続するといったワイヤレスATMシステムの構成例も考えることができる。
【0004】
図12に、図11に示したワイヤレスATMシステムにおけるUプレーン(ユーザプレーン)プロトコルの一構成例を示す。図12に示すように、ATM端末より送出されるアプリケーションデータは、AALレイヤ(ATMアダプテーションレイヤ)、ATMレイヤ、PHYレイヤ(物理レイヤ)での処理が行われた後に、無線モジュールに到着する。無線モジュールでは、受信したデータに対してATMレイヤでの処理を行った後に、WALレイヤ(無線アクセスレイヤ;例えば、無線メディア上でのMAC(Medium Access Control)プロトコル)処理を行い、無線回線を介して無線基地局宛に送信する。無線回線よりデータを受信した無線基地局では、本データに対してATM処理を行った後に、ATM交換機宛に送信する。図12に示すように、ワイヤレスATMシステムでは、中継ノード(無線モジュール、無線基地局、ATM交換機)においては、ATMレイヤを介して受信データの交換処理を行い、PHYレイヤもしくはWALレイヤを介して次段ノード(もしくは宛先端末)に対してデータの送信を行う。
【0005】
WALレイヤにて行われる処理の一つである、無線モジュールと無線基地局間での通信を行う際の無線回線へのアクセス方式としては、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式が存在するが、ATM通信を提供する際に必要となる、高速広帯域通信、動的な帯域の割当を無線回線上においても可能とするためには、無線回線速度の柔軟な調整が容易に可能であるTDMA方式を用いるのが最も適していると考えられる。TDMA方式では、一つの無線基地局に多数の無線モジュールが同一の搬送周波数で、時間的に信号が重ならないようにデータ信号の送信が行われる。データ信号の送受信の基本周期となる固定長のTDMAフレーム(以下では、単にフレームと呼ぶ)を定め、このフレーム内に割り当てられたタイムスロットを用いて通信を行う。図13に、TDMA方式にて用いるフレームの一構成例を示す。図13では、フレームを上りリンク(無線モジュールから無線基地局への送信用)と下りリンク(無線基地局から無線モジュールへの送信用)に時分割している(TDMA/TDD(Time Division Duplex)方式)。
【0006】
ところで、ATM方式を用いた通信においては、マルチメディアアプリケーションの要求する様々な通信品質に応えるため、セル損失、セル遅延などの様々なQoS(サービス品質)の要求に対応できるように、いくつかのサービスクラスが定義されている。このサービスクラスの一つにABR(Available Bit Rate)サービスクラスがある。図14に、ABRサービスの概要を示す。ABRサービスでは、送信端末(21)より、通信情報が含まれるセル(データセル)の他に、一定周期毎にRMセル(Resource Management セル;資源管理セル)が受信端末(22)宛に送出され(フォワードRMセル)、受信端末では、受け取ったRMセルを折り返し送信端末宛に送信する(バックワードRMセル)。その際、本RMセル上には、通過するATM網(23)内のATMスイッチ(24)や、折り返される受信端末により、ATM網における輻輳状況が上書きされ、これらの情報は最終的にはバックワードRMセルを受信する送信端末宛に伝わることとなり、送信端末では、ATM網内の輻輳状況に応じて、セル送出速度の変更を行う。なお、図14において、RMセルは網掛けのブロックにて図示している。
【0007】
ATMスイッチや受信端末では、輻輳の発生、継続を防ぐために、RMセル内の以下の情報を更新することにより、送信端末に対してセル送出速度の制御を以来する。
・ER(Expllicit Cell Rate):2バイト情報
明示的セル速度。送出可能なセル速度が記載。送信端末では、本値を越える速度でのセル送出は許されない。
・CI(Congestion Indication):1ビット情報
輻輳表示ビット。本ビット値の設定時には、送信端末では、セル送出速度を減少しなければならない。
・NI(No Increase):1ビット情報
速度増加禁止ビット。本ビット値の設定時には、送信端末では、セル送出速度を増加してはならない。
【0008】
図11に示したワイヤレスATMシステムにおいてABRサービスを提供する場合、送信先より折り返されたバックワードRMセルを受信した、データの送信元であるATM端末では、当該RMセル内に記載されているER値、CIビット、NIビットをもとに、以降におけるATMセルのセル転送速度を算出し、本速度を越えない範囲にてATMセルの転送を行うこととなる。このとき、有線回線部分(送信元ATM端末と無線モジュールとの間、無線基地局より先)では、セル転送速度の変更に伴う仮想コネクションの帯域再割当を実行する必要はないが、無線モジュールと無線基地局との間における無線回線部分においては、セル転送速度の変更に伴い、1フレーム内のタイムスロット数の変更を行い、データ転送速度を陽に変更する必要がある。しかしながら、上記タイムスロット数の変更を行う無線回線部分では、ATM端末にて新たに算出されたセル転送速度を認識することが難しく、そのため、本速度に基づくタイムスロット数の変更は非常に困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のワイヤレスATMシステムにおいてABRサービスを提供する場合、送信元であるATM端末のセル転送速度の変化に伴い、無線回線部分の帯域再割当を実行する必要があるが、無線回線部分の帯域再割当を管理、実行する無線基地局もしくは無線モジュールにおいては、上述したATM端末でのセル転送速度の変化を認識することが困難であった。これは、ワイヤレスATMシステムに関わらず、ATMセルの転送に際して、回線容量を陽に確保する必要のある伝送媒体を介して実現されるATMシステム全てにおいて共通した課題である。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、回線容量を陽に確保する必要のある伝送媒体を介してベースノード装置と複数の通信モジュールとの間でATMセルを双方向伝送する際に、各仮想コネクションもしくは各通信モジュールに係るセル転送速度に応じた回線容量の再割当を可能とするATMセル伝送方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、各通信モジュール毎および通信モジュールと自装置とのセル転送方向毎に、同一の通信モジュールとの間で送受信する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルを送受信する通信モジュールにおいて前記共通の伝送媒体上の該当するセル転送方向にて提供すべきセル転送速度を求め、前記共通の伝送媒体の該当するセル転送方向に前記通信モジュールに対して少なくとも前記セル転送速度を提供するために確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、該共通の伝送媒体の該当するセル転送方向に対して該帯域をあらためて割り当てることを特徴とする。
好ましくは、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)に等しいようにしてもよい。
好ましくは、前記セル転送速度は、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルの送信装置での現在のセル転送速度(例えば、CCR値)に等しいようにしてもよい。
好ましくは、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)と、輻輳に関連する情報を伝えるためのビット情報(例えば、CIビット情報、NIビット情報、もしくは両ビット情報)とを参照して求められ、現在、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供しているセル転送速度に対して、前記ビット情報が輻輳があることを示す値に設定されている場合(例えば、CIビット情報が1に設定されている場合)には前記セル転送速度を減少させた値を前記セル転送速度として求め、前記ビット情報が輻輳がないことを示しかつセル送出速度の増加が禁止されていないことを示す値に設定されている場合(例えば、CIビット情報およびNIビット情報が共に0に設定されている場合)には前記セル転送速度を増加させた値を前記セル転送速度として求め、該セル転送速度が前記許容セル転送速度(例えば、ER値)を上回る場合には、該セル転送速度を前記許容セル転送速度に置き換えるようにしてもよい。
また、本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、同一の仮想コネクションに属する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供すべきセル転送速度を求めるステップと、前記仮想コネクション上でのATMセルの転送において少なくとも前記セル転送速度が提供されるように、前記仮想コネクションに対して前記伝送媒体上にて確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、前記仮想コネクションに対して該帯域をあらためて割り当てるステップとを有し、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)に等しいことを特徴とする。
また、本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、同一の仮想コネクションに属する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供すべきセル転送速度を求めるステップと、前記仮想コネクション上でのATMセルの転送において少なくとも前記セル転送速度が提供されるように、前記仮想コネクションに対して前記伝送媒体上にて確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、前記仮想コネクションに対して該帯域をあらためて割り当てるステップとを有し、前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度(例えば、ER値)と、輻輳に関連する情報を伝えるためのビット情報とを参照して求められ、現在、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供しているセル転送速度に対して、前記ビット情報が輻輳があることを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を減少させた値を前記セル転送速度として求め、前記ビット情報が輻輳がないことを示しかつセル送出速度の増加が禁止されていないことを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を増加させた値を前記セル転送速度として求め、該セル転送速度が前記許容セル転送速度を上回る場合には、該セル転送速度を前記許容セル転送速度に置き換えることを特徴とする。
好ましくは、求められた前記セル転送速度を前記仮想コネクションにおいて提供するために必要な帯域の確保が前記共通の伝送媒体上では不可能である場合、確保が可能な帯域のみを前記仮想コネクションに対して割り当て、該確保が可能な帯域を割り当てることにより前記仮想コネクションにおいて提供可能である第2のセル転送速度(この場合、請求項1〜6夫々におけるセル転送速度を第1のセル転送速度とする)を求め、受信された前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される許容セル転送速度(例えば、ER値)が、前記第2のセル転送速度を上回る場合には、前記資源管理セル内の許容セル転送速度として、前記第2のセル転送速度を上書きするようにしてもよい。
また、本発明は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、仮想コネクション毎に、該仮想コネクション上を送出される第1のセル転送速度を算出し、該第1のセル転送速度と前記共通の伝送媒体上にて使用可能な帯域に基づいて、該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて求め、前記仮想コネクションに対応する資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、求められた前記帯域を確保することにより提供可能となる第2のセル転送速度と、該資源管理セル内に記載されている許容セル転送速度(例えば、ER値)との大小関係を比較し、該第2のセル転送速度が該許容セル転送速度を上回る場合には、該許容セル転送速度との差が大きくならないように該第2のセル転送速度を修正し、修正された該第2のセル転送速度に基づいて該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて割り当てることを特徴とする。
好ましくは、前記伝送媒体は無線回線であるようにしてもよい。
【0017】
好ましくは、求められた前記セル転送速度を前記仮想コネクションにおいて提供するために必要な帯域の確保が前記共通の伝送媒体上では不可能である場合、確保が可能な帯域のみを前記仮想コネクションに対して割り当て、該確保が可能な帯域を割り当てることにより前記仮想コネクションにおいて提供可能である第2のセル転送速度(この場合、請求項1〜6夫々におけるセル転送速度を第1のセル転送速度とする)を求め、受信された前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される許容セル転送速度(例えば、ER値)が、前記第2のセル転送速度を上回る場合には、前記資源管理セル内の許容セル転送速度(例えば、ER値)として、前記第2のセル転送速度を上書きするようにしてもよい。
【0019】
本発明(請求項8)は、ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置(例えば、無線基地局)におけるATMセル伝送方法であって、仮想コネクション毎に、該仮想コネクション上を送出される第1のセル転送速度を算出し、該第1のセル転送速度と前記共通の伝送媒体上にて使用可能な帯域に基づいて、該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて求め、前記仮想コネクションに対応する資源管理セル(例えば、RMセル)を受信した場合、求められた前記帯域を確保することにより提供可能となる第2のセル転送速度と、該資源管理セル内に記載されている許容セル転送速度(例えば、ER値)との大小関係を比較し、該第2のセル転送速度が該許容セル転送速度(例えば、ER値)を上回る場合には、該許容セル転送速度(例えば、ER値)との差が大きくならないように該第2のセル転送速度を修正し、修正された該第2のセル転送速度に基づいて該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて割り当てるようにしてもよい。
【0022】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0023】
本発明によれば、ワイヤレスATMシステムをはじめとする1つのベースノード装置と1以上の通信モジュールとの間にて共通の伝送媒体を介してATMセルを双方向伝送する通信システムにおいて、ベースノード装置(無線基地局)内にて、資源管理セル(例えば、RMセル)内に記載されている情報を収集し、本情報に基づいて該資源管理セルが資源管理を行う仮想コネクションに対して提供すべきセル転送速度を算出し、この値に基づいて共通の伝送媒体における回線容量(例えば、無線回線容量)の再割当を行うことにより、ABRサービスのような動的にセル転送速度が変更されるATMサービスに対する回線容量の割り当てが、該仮想コネクションの送信装置でのセル転送速度の変化を認識した上で行うことができるため、回線容量の不足によるサービス品質の劣化を防ぐことができ、また、冗長な回線容量の割当を防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
なお、本実施形態においては、伝送媒体として無線回線を用いた場合のワイヤレスATMシステムにおける発明の実施の形態について説明し、また、ベースノードは無線基地局とし、通信モジュールは無線モジュールとして説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の一構成例である。図1の無線基地局は、例えば本発明を図11のワイヤレスATMシステムに適用した場合における図11の無線基地局13の一構成例に該当する。
【0026】
図1に示されるように、本実施形態に係る無線基地局は、ATM処理部31、無線フレーム処理部32、フレームスケジューラ33を備えている。
ATM処理部31では、有線回線より受信したATMセル、もしくは無線フレーム処理部32より抽出されたATMセルを処理し、本ATMセルを無線フレーム処理部32に引き渡すか、もしくは有線回線上へ送出する処理を行うとともに、仮想コネクション(VC)毎のセルトラヒック情報(蓄積セル数、セル到着速度、等)や、RMセル内の情報をフレームスケジューラ33へ引き渡す処理を行う。
【0027】
無線フレーム処理部32では、ATM処理部31より引き渡されたATMセルを、フレームスケジューラ33にて求められたスロット割当に基づいて無線フレーム内に組み込み、無線回線上へ送出するという処理と、無線回線より受信した無線フレームよりATMセルを抽出して、ATM処理部31へ引き渡すという処理を行う。
【0028】
フレームスケジューラ33では、コネクション設定時に得られる各種パラメータ、ATM処理部31より引き渡されるVC毎のセルトラヒック情報やRMセル内情報をもとに、無線フレームのスロット割当を行い、このスロット割当情報を無線フレーム処理部32へ通知するという処理を行う。
【0029】
ATM処理部31では、受信したATMセルのうちRMセルに関しては、RMセル内情報を抽出してフレームスケジューラ33へ引き渡し、また、必要に応じてフレームスケジューラ33の指示に従いRMセル内情報を修正するRMセル処理部311,312を具備する場合がある。なお、RMセル処理部311は有線回線より受信したRMセルの処理を行い、RMセル処理部312は無線回線より受信したRMセルの処理を行う。また、ATM処理部31では、必要に応じて、有線回線より到着するセルに関する、VC毎のセルトラヒック情報や、無線回線より到着し、無線フレーム処理部より引き渡されるセルに関する、VC毎のセルトラヒック情報を収集し、フレームスケジューラ33へ引き渡すという処理が行われる。
【0030】
無線フレーム処理部32では、フレームスケジューラ33にて求められた無線フレーム内のスロット割当方法に基づいて、ATM処理部31より引き渡されたセルを該当するスロット位置に挿入することで無線フレームを生成した後に、無線回線上へ当該フレームを送出するフレーム生成部321、受信した無線フレーム内よりセルを抽出し、本セルをATMセル処理部31へ引き渡すATMセル抽出部322とを具備する。
【0031】
図2に、ATMにおいて規定されるサービスクラスに対して、フレームスケジューラ(図1の33)にて行われる無線スロットの割当方法の一例を示す。
CBR(Constant Bit Rate)サービスに対しては、コネクション設定時に得られるパラメータであるPCR(ピークセル速度)でのセル転送が可能となるように、無線スロットを固定的に割り当てる。
【0032】
VBR(Variable Bit Rate)サービスに対しては、リアルタイムVBRサービス、ノンリアルタイムVBRサービス共に、コネクション設定時に得られるパラメータであるPCR、SCR(平均セル速度)、MBS(最大バーストサイズ)に従ったセル転送が可能となるように無線スロットを割り当てる。その際、フレームスケジューラでは、これらのパラメータに従う最低限のセル転送が可能となるよう、無線スロットをあらかじめ固定的に割り当てておき、これに加えて、サービス中におけるセルトラヒックのバーストの度合いに従い、さらに無線スロットを動的に割り当てることにより、VBRサービスを提供する。
【0033】
そして、ABR(Available Bit Rate)サービス、UBR(Unspecified Bit Rate)サービスに対しては、送出すべきセルトラヒックの特性に基づいて、動的に無線スロットを割り当てる。
【0034】
上述したように、CBRサービス、VBRサービスに対しては、各種パラメータに基づいた無線スロットの固定的な割当を行うことで、各々のサービスにおいて保証されるべきセル転送速度を提供する必要がある。そのため、動的な無線スロットの割当が行われるABRサービス、UBRサービスが使用できる無線回線容量は、無線基地局と無線モジュールとの間にて提供される無線回線容量から、CBRサービス、VBRサービスを提供する仮想コネクションに対して固定的に確保された無線回線容量を差し引いた無線回線容量に等しくなり、本容量を越えない範囲において、ABRサービス、UBRサービスを提供する仮想コネクションに対する無線スロットの割当を行うこととなる。
【0035】
以下では、本発明を実施した際にフレームスケジューラにおいて行われる、ABRサービスに対する無線スロットの割当方法の幾つかの例を詳述する。
フレームスケジューラ(図1の33)では、RMセル処理部(図1の311,312)より引き渡されるRMセル内の情報に基づき、ABRサービスに割り当てる無線スロット数を動的に決定する。このとき、用いられるRMセル内の情報とは、以下の通りである。
・バックワードRMセル内のER値(後述する手順1)
・フォワードRMセル内のCCR値(後述する手順2)
・バックワードRMセル内のCIビット、NIビット(後述する手順3)
以降では、上述したRMセル内情報を用いることによる、ABRサービスへ割り当てる無線スロットの変更方法について述べる。
【0036】
図3に、無線基地局において行われる、上りリンクを転送されるABR VCに対する無線スロットの再割当に対して参照される上記情報の関係を示す。なお、以下の記述において用いる各パラメータの説明は、次の通りである。
・Rr : RMセルより求めたセル転送速度
・RL : 無線回線容量の制限等より求められるセル転送速度の上限値
・Rm : 現在のセル転送速度の測定値
・Rs : 現在無線回線上にて確保しているセル転送速度
・ERnew : 新しいER値
・Rsnew : 新たに無線回線上にて確保するセル転送速度
さて、最初の例として、手順(1)について説明する。
【0037】
この手順(1)は、バックワードRMセル内のER値に基づき、無線フレームのスロット割当を変更するものである。
ABRサービスにおいて、バックワードRMセル内のER値には、RMセルが通過したノード(もしくは宛先端末)が輻輳に陥ることのないセル転送が可能なセル転送速度が上書きされている。本無線基地局では、当該バックワードRMセル内のER値を調べることにより、本RMセルが資源管理を行うABRコネクションに対する(つまり、本コネクションが設定されている無線モジュールに対する)無線フレームの割当スロット数の増減の必要性を判断し、その結果に基づき当該スロット数の再割当を行う。
【0038】
図4に、バックワードRMセルのER値に基づく、フレームスケジューラ33での無線スロット再割当手順の一例を示す。
無線基地局内のRMセル処理部311、312においてRMセルが受信され、本RMセル内の情報をフレームスケジューラにて受け取れば(ステップS11)、本RMセルのDIRビットを調べて、本RMセルがバックワードRMセルであるか否か(DIR=1であるか否か)を判断する(ステップS12)。これがバックワードRMセルであれば、本RMセルのER値を抽出し(ステップS13)、Rr値としてER値を設定する(ステップS14)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rr値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS15)、本Rsnew値とER値の最小値をERnew値とし、バックワードRMセル内のER値として上書きする(ステップS16)。最後に無線回線上において、当該仮想コネクションに対してRsnew値でのセル転送を提供可能とするように無線フレームスロットの再割当を行い(ステップS17)、フレームスケジューラでの動作を終了する(ステップS18)。
【0039】
なお、上りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部311にて受信されるバックワードRMセルに基づき、下りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部312にて受信されるバックワードRMセルに基づいて、図4に示した手順に従う再割当が行われる。
【0040】
本手順(1)を実行することにより、無線基地局は、無線モジュールとの間にて通信を行うABR仮想コネクションのセル転送速度の上限値を、バックワードRMセル内のER値を参照することにより知ることができるため、無線回線上において必要以上の無線回線容量を本仮想コネクションに割り当てることがなくなる。
【0041】
次に、第2の例として、手順(2)について説明する。
この手順(2)は、フォーワードRMセル内のCCR値に基づき、無線フレームのスロット割当を変更するものである。
【0042】
ABRサービスにおいて、フォーワードRMセル内のCCR値には、送信端末におけるABRコネクション上への現在のセル送出速度が上書きされている。本無線基地局では、当該フォワードRMセル内のCCR値を調べることにより、本ABRコネクションに対する(つまり、本コネクションが設定されている無線モジュールに対する)無線フレームの割当スロット数の増減の必要性を判断し、その結果に基づき当該スロット数の再割当を行う。
【0043】
図5に、フォワードRMセルのCCR値に基づく、フレームスケジューラ33での無線スロット再割当手順の一例を示す。
無線基地局内のRMセル処理部311,312においてRMセルが受信され、本RMセル内の情報をフレームスケジューラにて受け取れば(ステップS21)、本RMセルのDIRビットを調べて、本RMセルがフォーワードRMセルであるか否か(DIR=0であるか否か)を判断する(ステップS22)。これがフォワードRMセルであれば、本RMセルのCCR値を抽出し(ステップS23)、Rr値としてCCR値に定数αを乗じた値を設定する(ステップS24)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rr値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS25)、本Rsnew値とER値の最小値をERnew値とし、バックワードRMセル内のER値として上書きする(ステップS26)。最後に、無線回線上において、当該仮想コネクションに対してRsnew値でのセル転送を提供可能とするように無線フレームスロットの再割当を行い(ステップS27)、フレームスケジューラでの動作を終了する(ステップS28)。
【0044】
なお、上りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部312にて受信されるフォーワードRMセルに基づき、下りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部311にて受信されるフォワードRMセルに基づいて、図5に示した手順に従う再割当が行われる。
【0045】
ステップS24において、Rr値としてCCR値に定数αを乗じた値を設定したが、このとき、Rr値として現在のセル転送速度であるCCR値をそのまま設定した場合、ステップS26においてバックワードRMセル内のER値としてCCR値をそのまま上書きすることとなるが、これは、本RMセルを受信した送信端末において、現在のセル転送速度(CCR値)を上回る速度でのセル転送を許容しないこととなる。そのため、1を上回る定数αをCCR値に乗じた値をRr値と設定するようにした。
【0046】
本手順(2)を実行することにより、無線基地局は、無線モジュールとの間にて通信を行うABR仮想コネクションの現在のセル転送速度値を、フォワードRMセル内のCCR値を参照することにより知ることができるため、無線回線上において必要以上の無線回線容量を本仮想コネクションに割り当てることがなくなる。
【0047】
次に、手順(3)について説明する。
この手順(3)は、バックワードRMセル内のCIビット情報、NIビット情報に基づき、無線フレームのスロット割当を変更するものである。
【0048】
ABRサービスにおいて、バックワードRMセル内のCIビット、NIビットには、RMセルが通過したノード(もしくは宛先端末)が輻輳に陥っているか否かを示す情報が上書きされている。本無線基地局では、当該バックワードRMセル内のCIビット、NIビットを調べることにより、本RMセルが資源管理を行うABRコネクションに対する(つまり、本コネクションが設定されている無線モジュールに対する)無線フレームの割当スロット数の増減の必要性を判断し、その結果に基づき当該スロット数の再割当を行う。
【0049】
図6に、バックワードRMセルのCIビット、NIビットに基づく、フレームスケジューラ33での無線スロット再割当手順の一例を示す。
無線基地局内のRMセル処理部311,312においてRMセルが受信され、本RMセル内の情報をフレームスケジューラにて受け取れば(ステップS31)、本RMセルのDIRビットを調べて、本RMセルがバックワードRMセルであるか否か(DIR=1であるか否か)を判断する(ステップS32)。これがバックワードRMセルであれば、本RMセルのCIビット、NIビット、ER値を抽出し(ステップS33)、これらの値を基に、Rr値を算出する(ステップS34)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rr値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS35)、本Rsnew値とER値の最小値をERnew値とし、バックワードRMセル内のER値として上書きする(ステップS36)。最後に、無線回線上において、当該仮想コネクションに対してRsnew値でのセル転送を提供可能とするように無線フレームスロットの再割当を行い(ステップS37)、フレームスケジューラでの動作を終了する(ステップS38)。
【0050】
なお、上りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部311にて受信されるバックワードRMセルに基づき、下りリンク方向のABR仮想コネクションに対して割り当てられる無線スロットはRMセル処理部312にて受信されるバックワードRMセルに基づいて、図6に示した手順に従う再割当が行われる。
【0051】
図7に、図6のステップS34にて行われる、Rr値の再計算手順の一例を示す。
バックワードRMセルのCIビット、NIビット、ER値を抽出した後に、Rr値の再計算を開始する。初期値として、現在無線回線上にて確保している速度Rs値を、Rr値として設定する(ステップS41)。CIビットが1であれば(ステップS42)、本無線基地局より先にて輻輳が生じていることを示しているので、Rr値の減少を行う(ステップS43)。減少の方法としては、例えば、ABRサービスのSource Behaviorにて規定されいている式に従い、
Rr=Rr−Rr×RDF
により算出する手段が考えられる。なお、RDFはセル転送速度減少時の速度減少ファクタ(定数)である(例えば、1/16)。
【0052】
次に、抽出したCIビットが0であり、かつNIビットが0であれば(ステップS44)、本無線基地局より先にて輻輳が生じていないことを示しているので、Rr値の増加を行う(ステップS45)。増加の方法としては、例えば、ABRサービスのSource Behaviorにて規定されいている式に従い、
Rr=Rr+RIF×PCR
により算出する手段が考えられる。なお、RIFはセル転送速度増加時の速度増加ファクタ(定数)である(例えば、1/16)。また、PCRは本ABRサービスにおいて提供可能な最大セル転送速度であり、ABRコネクション設定時に規定されるパラメータである。
【0053】
ステップS43、もしくはステップS45にて算出されたRr値をER値と比較し(ステップS46)、Rr値がER値を上回っていれば、本仮想コネクションにおいて提供可能なセル転送速度(ER値)を越えたRr値を無線回線上に確保しようとしていることを表すので、Rr値をER値に置き換え、Rrの減少を行う(ステップS47)。また、Rr値がER値を下回っていれば、本仮想コネクションのボトルネックが本無線回線区間であることが分かり、バックワードRMセル内のER値をRr値に置き換える(ステップS48)。
【0054】
上記手順により得られたRr値が、ステップS34にて算出される新たなRr値となる(ステップS49)。
本手順(3)を実行することにより、無線基地局は、無線モジュールとの間にて通信を行うABR仮想コネクションのセル転送速度値がバックワードRMセルを受信することによりどのように変化するかを、当該バックワードRMセル内のCIビット情報、NIビット情報、ER値を参照することにより知ることができるため、変化した後の前記セル転送速度を提供するのに必要な無線回線容量を、本仮想コネクションに対して即座に割り当てることができる。また、本手順(3)により算出されたRr値を必要に応じてバックワードRMのER値として上書きすることで、本無線回線区間でのセル転送速度の上限値を本仮想コネクション送信端末に通知することができ、本上限値を越えないようなセル転送速度の設定が可能となる。
【0055】
ところで、上記の手順(1)と手順(3)は共に、受信したバックワードRMセル内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行っている。例えば、手順(1)ではバックワードRMセル内のER値に等しくなるよう無線回線容量を割り当てているが、これは、仮想コネクションが通過するATMスイッチノードにおける輻輳通知手段として、バックワードRMセル内のER値を修正するという手段が採用されている場合に有効な手順となる。また、手順(3)ではバックワードRMセル内のCIビット情報、NIビット情報、ER値に基づいて無線回線容量を割り当てているが、これは、仮想コネクションが通過するATMスイッチノードにおける輻輳通知手段として、バックワードRMセル内のCIビット、NIビットを修正するという手段が採用されている場合に有効な手順となる。一般に、仮想コネクションが通過するATMスイッチノードにおいていずれの輻輳通知手段がおこなわれているかを無線基地局においては把握できないため、本無線基地局では、バックワードRMセル受信時には上記手順(1)と(3)を並行して実行し、得られた無線回線容量のうち、より小さな容量を当該仮想コネクションに割り当てる無線回線容量とし、本容量に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行うことが望ましい。なお、上記手順(2)は、受信したフォワードRM内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順であり、上記手順(1)や(3)とは独立に実行される手順である。
【0056】
さて、上記手順(1)〜(3)では、無線基地局にて受信したRMセル内の情報(ER値、CCR値、CIビット、NIビット)に基づいて無線フレームスロットの再割当を行うという手段について説明した。この他に、無線基地局におけるATMセルの到着過程に基づいて無線フレームスロットの再割当を行う手段も考えられる(手順(4))。
【0057】
以下、手順(4)について説明する。
この手順(4)は、無線基地局におけるATMセルの到着過程を監視し、これにより得られる到着速度をもとに無線フレームのスロット割当を変更するものである。
【0058】
ABRサービス(UBRサービスも同様)を提供する仮想コネクションにおいては、セルの転送に必要な帯域は常に確保することなく(なお、ABRサービスに関しては、保証すべき最小セル転送速度でのセル転送を提供するため、ある程度の帯域を常に確保する場合がある)、使用可能な帯域が存在すれば、それを利用してセルの転送を行う。本手順では、無線基地局に到着するセルの転送速度を常に監視し、この速度値に基づいた無線回線容量の再割当を行う。
【0059】
図8に、無線基地局で監視して得られたセル到着速度に基づいた、フレームスケジューラ33で無線スロット再割当手順の一例を示す。
あらかじめ規定した一定時間が経過する毎、もしくはあらかじめ規定したセル数が到着する毎に(ステップS61)、ATM処理部31において得られた到着セル情報により、仮想コネクション毎にセル到着速度(Rm)を計測する(ステップS62)。そして、無線回線における使用可能な帯域の上限等により求められるセル転送速度RL値と前記Rm値に定数αを乗じた値との最小値を、無線回線上にて新たに確保するセル転送速度Rsnew値とすると共に(ステップS63)、本Rsnew値と、以降に受信するバックワードRMセル内のER値の最小値をERnew値と設定し(ステップS64)、本値をバックワードRMセル内の新たなER値として上書きする。最後に、算出されたRsnew値でのセル転送が可能となるよう、無線フレーム内スロットの再割当を行う(ステップS65)。
【0060】
なお、ステップS63においてRsnew値を算出する際に、Rm値に定数αを乗じた値をRL値と比較したが、このとき、Rm値をそのまま用いて比較を行う場合、ステップS64においてバックワードRMセル内のER値としてRm値をそのまま上書きすることとなるが、これは、本RMセルを受信した送信端末において、現在のセル転送速度(Rm値)を上回る速度でのセル転送を許容しないこととなる。これを防ぐため、1を上回る定数αをRm値に乗じた値をRL値と比較させるようにした。
【0061】
以上、バックワードRMセル内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順(1)および手順(3)、フォワードRMセル内の情報に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順(2)、ならびに無線基地局におけるATMセルの到着過程に基づいて無線フレーム内スロットの再割当を行う手順(4)といった、独立実施可能な4つの手順の例を示してきたが、手順(1)と手順(2)と手順(3)は任意の2つまたは3つを組み合わせて実施可能であり、またこれらのうち手順(2)を含む組み合わせにおいて手順(2)を手順(4)に代えた形態も実施可能である。なお、上記の2以上の手順を組み合わせて実施する場合には、例えば、各手順を並行して実行し、並行実行される各手順が独立してそれぞれ無線フレームのスロット割当を変更していく。
【0062】
さて、上述したように、ABRサービス、UBRサービスを提供する仮想コネクションに対して割り当てる無線回線容量の総和は、無線基地局と無線モジュールとの間の無線回線容量より、CBRサービス、VBRサービスを提供する仮想コネクションに対して固定的に確保した無線回線容量を差し引いた無線回線容量を超過しないようにする必要がある。
【0063】
例えば、図9に示すような、ABRサービス、UBRサービスを要求する仮想コネクションと、当該コネクションに対して割り当てる無線回線容量との対応表を、無線基地局において保持することにより、無線回線容量の割当を管理する。本無線基地局において管理するABRサービス、UBRサービスを要求する仮想コネクションの識別子(41)に対応して、セルトラヒックの監視により得られたセル転送速度(42)と無線フレーム内スロットの再割当により得られたセル転送速度(43)とが少なくとも記載される。なお、本表に記載されている仮想コネクションにおける現在のセル転送速度の総和と(44)、ABRサービス、UBRサービスに対して提供可能な無線回線容量も併せて記載されている(45)。
【0064】
ABRサービス、UBRサービスを提供する仮想コネクションに対する無線フレーム内スロットの再割当方法として、例えば各仮想コネクションにおける現在のセル転送速度(監視により得られるセル転送速度)に比較した無線回線容量が得られるように行う方法が考えられる。図9の例では、仮想コネクション#1、#2、#3における現在のセル転送速度の比率が2:4:3となっているので、この比率と等しくなるよう、無線回線でのセル転送速度を割り当てている。
【0065】
なお、上記においては仮想コネクション毎のセル転送速度の監視、無線回線容量の割当について述べたが、これを無線回線部分の相手先である無線モジュール毎にセル転送速度を監視し、無線回線容量を割り当ててもよい。その場合、図9では、無線モジュールに対応させて各値を記載することとなる。
【0066】
上記した手順(1)〜(4)もしくはそれらを組み合わせたもの、により算出された無線回線容量に基づいて無線フレーム内においてスロットを割り当てる手段として、仮想コネクション毎にスロット割当を行う手段と、無線モジュール毎にスロット割当を行う手段とが考えられる。
【0067】
なお、無線モジュール毎にスロット割当を行う場合には、例えば、まず前述の方法で仮想コネクション毎にスロット割当を行い、次のこの結果を無線モジュール毎に取り纏める。
【0068】
図10に、各々の手段に従ったスロット割当の一例を示す。(a)は仮想コネクション毎にスロットを割り当てる例であり、(b)は無線モジュール毎にスロットを割り当てる例である。
【0069】
無線回線容量の効率的な使用を実現するためには、無線モジュール毎にスロット割当を行う手段を採用すると好ましい。これは、本無線基地局では、CBRサービス、VBRサービスを要求する仮想コネクションに対しては、送信すべきセルの有無に関わらず固定的に無線回線容量を割り当てているため、仮想コネクション毎にスロット割当を行った場合、送信すべきセルが存在しない、CBRサービス、VBRサービスを要求する仮想コネクションに対して割り当てられた無線フレームスロットは未使用な状態のまま送信されることとなる。これに対して、無線モジュール毎にスロット割当を行った場合は、上述したような仮想コネクションが存在する場合、無線モジュール内において他のサービスを要求する仮想コネクションに属するセルを挿入することが可能となり、その結果、無線回線より効率的な使用が可能となる。
【0070】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、ベースノード装置内にて、資源管理セル内に記載されている情報を収集し、本情報に基づいて該資源管理セルが資源管理を行う仮想コネクションに対して提供すべきセル転送速度を算出し、この値に基づいて共通の伝送媒体における回線容量の再割当を行うことにより、動的にセル転送速度が変更されるATMサービスに対する回線容量の割り当てが、該仮想コネクションの送信装置でのセル転送速度の変化を認識した上で行うことができるため、回線容量の不足によるサービス品質の劣化を防ぐことができ、また、冗長な回線容量の割当を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線基地局の構成例を示す図
【図2】ATMでの各種サービスに対する無線スロット割当の際のポリシーを説明するための図
【図3】RMセル内情報に基づいた無線スロット割当のシステム概念を説明するための図
【図4】スロット数再割当手順の一例を示すフローチャート
【図5】スロット数再割当手順の他の例を示すフローチャート
【図6】スロット数再割当手順のさらに他の例を示すフローチャート
【図7】Rr値算出手順の一例を示すフローチャート
【図8】スロット数再割当手順のさらに他の例を示すフローチャート
【図9】仮想コネクションと現在のセル転送速度と無線回線上にて割り当てられたセル転送速度との対応を示す図
【図10】無線フレーム内のスロット割当の一例を示す図
【図11】ワイヤレスATMシステムの基本構成例を示す図
【図12】ワイヤレスATMシステムのUプレーンプロトコルの一構成例を示す図
【図13】TDMA方式にて用いる無線フレームの一構成例を示す図
【図14】ABRサービスの概要を説明するための図
【符号の説明】
11−1〜11−n…ATM端末
12−1〜12−n…無線モジュール
13…無線基地局
14…ATM交換機
31…ATM処理部
32…無線フレーム処理部
33…フレームスケジューラ
311,312…RMセル処理部
321…フレーム生成部
322…ATMセル抽出部
Claims (9)
- ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置におけるATMセル伝送方法であって、
各通信モジュール毎および通信モジュールと自装置とのセル転送方向毎に、同一の通信モジュールとの間で送受信する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セルを受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルを送受信する通信モジュールにおいて前記共通の伝送媒体上の該当するセル転送方向にて提供すべきセル転送速度を求め、
前記共通の伝送媒体の該当するセル転送方向に前記通信モジュールに対して少なくとも前記セル転送速度を提供するために確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、該共通の伝送媒体の該当するセル転送方向に対して該帯域をあらためて割り当てることを特徴とするATMセル伝送方法。 - 前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度に等しいことを特徴とする請求項1に記載のATMセル伝送方法。
- 前記セル転送速度は、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルの送信装置での現在のセル転送速度に等しいことを特徴とする、請求項1に記載のATMセル伝送方法。
- 前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度と、輻輳に関連する情報を伝えるためのビット情報とを参照して求められ、現在、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供しているセル転送速度に対して、前記ビット情報が輻輳があることを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を減少させた値を前記セル転送速度として求め、前記ビット情報が輻輳がないことを示しかつセル送出速度の増加が禁止されていないことを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を増加させた値を前記セル転送速度として求め、該セル転送速度が前記許容セル転送速度を上回る場合には、該セル転送速度を前記許容セル転送速度に置き換えることを特徴とする請求項1に記載のATMセル伝送方法。
- ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置におけるATMセル伝送方法であって、
同一の仮想コネクションに属する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セルを受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供すべきセル転送速度を求めるステップと、
前記仮想コネクション上でのATMセルの転送において少なくとも前記セル転送速度が提供されるように、前記仮想コネクションに対して前記伝送媒体上にて確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、前記仮想コネクションに対して該帯域をあらためて割り当てるステップとを有し、
前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度に等しいことを特徴とするATMセル伝送方法。 - ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置におけるATMセル伝送方法であって、
同一の仮想コネクションに属する前記ATMセルのデータ列に対応して、前記ATMセルの送信装置より受信装置宛にもしくは前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セルを受信した場合、該資源管理セルを参照して、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供すべきセル転送速度を求めるステップと、
前記仮想コネクション上でのATMセルの転送において少なくとも前記セル転送速度が提供されるように、前記仮想コネクションに対して前記伝送媒体上にて確保すべき帯域を求め、該帯域の確保が可能である場合には、前記仮想コネクションに対して該帯域をあらためて割り当てるステップとを有し、
前記セル転送速度は、前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される、前記ATMセルが属する仮想コネクションが通過するATMノードもしくは前記ATMセルの受信装置において上書きされる、許容セル転送速度と、輻輳に関連する情報を伝えるためのビット情報とを参照して求められ、現在、前記ATMセルが属する仮想コネクションにおいて前記共通の伝送媒体上にて提供しているセル転送速度に対して、前記ビット情報が輻輳があることを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を減少させた値を前記セル転送速度として求め、前記ビット情報が輻輳がないことを示しかつセル送出速度の増加が禁止されていないことを示す値に設定されている場合には前記セル転送速度を増加させた値を前記セル転送速度として求め、該セル転送速度が前記許容セル転送速度を上回る場合には、該セル転送速度を前記許容セル転送速度に置き換えることを特徴とするATMセル伝送方法。 - 求められた前記セル転送速度を前記仮想コネクションにおいて提供するために必要な帯域の確保が前記共通の伝送媒体上では不可能である場合、確保が可能な帯域のみを前記仮想コネクションに対して割り当て、該確保が可能な帯域を割り当てることにより前記仮想コネクションにおいて提供可能である第2のセル転送速度を求め、受信された前記ATMセルの受信装置より送信装置宛に送信される資源管理セル内に記載される許容セル転送速度が、前記第2のセル転送速度を上回る場合には、前記資源管理セル内の許容セル転送速度として、前記第2のセル転送速度を上書きすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のATMセル伝送方法。
- ATMセルを、複数の通信モジュールとの間にて、共通の伝送媒体を介して双方向伝送するためのベースノード装置におけるATMセル伝送方法であって、
仮想コネクション毎に、該仮想コネクション上を送出される第1のセル転送速度を算出し、該第1のセル転送速度と前記共通の伝送媒体上にて使用可能な帯域に基づいて、該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて求め、
前記仮想コネクションに対応する資源管理セルを受信した場合、求められた前記帯域を確保することにより提供可能となる第2のセル転送速度と、該資源管理セル内に記載されている許容セル転送速度との大小関係を比較し、該第2のセル転送速度が該許容セル転送速度を上回る場合には、該許容セル転送速度との差が大きくならないように該第2のセル転送速度を修正し、修正された該第2のセル転送速度に基づいて該仮想コネクションに対して前記共通の伝送媒体上にて確保すべき帯域をあらためて割り当てることを特徴とするATMセル伝送方法。 - 前記伝送媒体は無線回線であることを特徴とする請求項1、5、6または8に記載のATMセル転送方法。
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