JP3641619B2 - 生体試料検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はDNA検出、遺伝子診断、一塩基変異検出などDNAの検出、遺伝子のタイピングあるいはタンパク質やATPなどの生体物質検出装置システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトゲノム配列解析がほぼ完了し、遺伝子情報を診断など医療分野に活用しようとする動きが活発化している。ゲノム配列解析に続いて注目されているのは遺伝子発現プロフィール分析や遺伝子中の1塩基置換(SNPs:single nucleotide polymorphisms)の分析である。種々条件下で発現している遺伝子を調べたり、種々固体の遺伝子変異を調べたりすることで遺伝子の機能や遺伝子と病気あるいは医薬品感受性との関連が調べられている。また、これらの蓄積された遺伝子に関する知識を用いて病気の診断などが行われつつある。
【0003】
病気の診断では未知遺伝子の解析と異なり、既に知られた遺伝子やその変異の有無が検査対象である。これには安いコストで検査できることが望ましく、種々の方法が開発されている。医療診断では単一の遺伝子による病気の診断から種々遺伝子と環境が影響して起こる病気や医薬品に対する感受性に関連した複数の遺伝子の検査が重要になりつつある。ここでは何種類もの遺伝子を同時に検査することが重要である。従って一つの遺伝子や変異を検査するのでなく複数の遺伝子を検査する必要があり、遺伝子の検査部位の増幅プロセスを含めて安価にSNPsなどを測定するシステムが求められている。SNPs分析や遺伝子のプローブ検査に使用できるシステムとしては、Invader assay (Science 260, 778(1993)), Taqman assay(J. Clin. Microbiol.34, 2933(1996)), DNA マイクロアレイ(Nature Gent. 18, 91(1998), pyrosequencing(Science281, 363(1998)) などが報告されている。前3者は蛍光標識を用いた検出システムであり、励起レーザ光源と光検出システムを持つ。一方、pyrosequencingは段階的相補鎖合成と化学発光を用いたシステムで、微量の核酸基質を順次注入するシステムと光検出システムを持ち、励起光源を必要としない。
【0004】
図1に従来法を用いた化学発光の測定装置の構成例を示す。試料プレート100上の複数の反応槽101からの発光検出する機構として検出器260として例えば光電子増倍管を用いる。試料DNAの入った容器133からピペット135により試料プレート100の各反応槽101に試料が分注される。次いで複数の測定項目に対応するプライマーを含む試薬溶液を容器131からピペット134によって分注する。異なる試薬の混入防止のためピペット134は容器132の洗浄液で洗浄される。試薬と試料のマッチングに応じて反応槽で誘起される発光を検出するため移動機構136により検出器260が反応槽をスキャンする。ここでは検出器あるいは試料プレートを移動させる機構が不可欠であるため、装置の小型化、低コスト化、高スループット化が困難であった。
【0005】
微弱光を計測する光検出器としては光電子増倍管、電荷結合素子(CCD)やMOS型半導体センサなどが一般に多く使用される。光電子増倍管は大きな利得が得られるが高電圧が必要な上、集積化が困難であることから小型の装置には適さない。一方、半導体センサは大規模な集積化が可能な上、低電圧、低電流で動作するため装置の小型化に適している。半導体センサは、製造プロセスが複雑で集積化には適しないアバランシェフォトダイオードの場合は別として、一般に利用されるCCDやフォトダイオードの量子効率は高々1であり、光電子増倍管に比べて低い。S/N比を向上するためには化学発光を効率的に利用する方策が必要である。
【0006】
生体試料からの発光計測においては、バックグラウンド光強度の高い測定条件下で目的信号だけを増幅することが必要とされる。また、検出器としてフォトダイオードを用い、電荷蓄積方式で測定する場合は1〜5V程度の充電電位からの電位減少分が信号出力となるため、微小信号に対して大きな増幅をするには増幅器の飽和を避けるために、充電電位をキャンセルするための機構が必要になる。こうした必要性から、目的試料からの信号とともに参照信号を測定し、これらの差動増幅を行ってS/N比を向上する手法が用いられる。このとき、試料プレート上の特定の場所を定めてコントロールピクセルとし、これを基準として目的サンプルからの信号の差動増幅をとる方式、あるいはセンサに光を照射しない状態で信号を読み取りこれを一時記録用キャパシタに蓄積し次に信号光を照射して先に蓄積した信号との間で差動増幅をとる方式(IEEE Transactions on electron devices vol.41, 452(1994))がある。前者の方式ではコントロールピクセルの選択において柔軟性がなく、異なる複数試料からの相対発光強度を測定するには使い勝手の点で難点があり、後者については数秒にわたる信号蓄積に対しても電荷を保持できるキャパシタの形成や暗電流変動の影響を排除して高い測定精度を得ることが困難であった。そこでこれらの課題を解決するより高度な補正方法が必要とされていた。
【0007】
高スループット計測の実現は、SNP等DNA診断の利用拡大に向けて必須である。そこで複数項目の同時計測は有力であるが、化学発光を利用した測定では従来、試料プレート上の各反応槽について一種類の試料とプローブの反応が行なわれており、多数の検査項目や多数の試料について高スループットを得ることが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
医療診断のためのDNA検査システムとしては(1)必要とする試料が少量で、試薬のコストが安いこと、(2)同時に複数のDNA部位の検査ができること、(3)1塩基の変異を識別検出できること、(4)信号検出装置が小型かつ低コストであること、が必要である。
【0009】
多くの部位を検査できるDNAマイクロアレイを利用した検出システムにおいては一般に蛍光分析法が用いられる。そこでは信号検出部はレーザあるいはハロゲンランプ等の励起光源、蛍光検出部、光学系及び試料台の移動機構からなるが、励起光源と関連する光学系は検出部を小型化する上で大きな障害となる。先に提案されているpyrosequence法あるいはBAMPER (bioluminometric assay with modified primer extension reactions)法(Nucleic Acid Research vol.29, e93(2001))等の化学発光による検出法は励起のための光源を必要とせず、検出部の小型化が可能である。例えばBAMPER法によるSNPs検出フローを図2に示す。ターゲット301に野生型プローブDNA302及び変異型プローブDNA304をハイブリダイズせしめ、ターゲットが野生型かあるいは変異型かによって相補鎖合成が進行したり303、しなかったりさせる(あるいはその逆)ものである。相補鎖合成に伴って生成されるピロリン酸307をATPに変え、ルシフェリンとの反応による化学発光を測定するものである。これは非常に簡便な方法であるが、検出器については従来同様、高感度が要求されていた。信号検出手段としては光電子増倍管や冷却CCD(電荷結合素子)がすでに広く用いられているが、高い感度を維持しながら低価格化や小型化を図ることが困難であった。その上、従来の信号検出方法では2つの試料間のわずかな信号強度の差を正確に測定するにはそれぞれの信号を別々に測定した後、その測定値を比較する手順が必要であった。これらの課題を解決するために、簡便、高速に2つの試料間の信号を高感度の測定ができる新しい方法及び検査システムが望まれていた。また、複数項目の同時測定によって高スループットの検査を実現するため、同時に多数の検査項目あるいは試料を簡便に処理できる構造が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決する手段として、(1)複数の試料からの発光を効率よく捕捉するためにフォトダイオードアレイで光検出器を構成して夫々の生体試料と光検出器のピクセルを一対一に対応させ、かつ試料プレートに密着して配置した構造、(2)試料固有の微弱発光を正確に測定するため、任意のピクセルを選んで出力の差動増幅を行うためのピクセル選択手段として2個以上のデコーダーを備え、目的試料からの発光信号とコントロール試料からの発光信号を同時に検出して、その検出信号を差動増幅する機構、(3)少量の試料で迅速な測定を実現するために試料を入れる試料プレート上の各反応槽の中に小さな区画を複数設けてサブセルとして一回の試料分注により異なるプローブとの反応を行う機構、を特徴的に取り入れた。
【0011】
複数個の試料からの発光を高感度で検出する従来の装置では、検出器として光電子増倍管を用い、試料プレートあるいは受光光学系を移動して試料プレート上の反応槽と受光部を順次光学的に結合させて信号を読み出している。DNAを対象とした計測ではマイクロアレイをはじめとして蛍光が多く用いられ、励起光が必要となる。励起光は信号光検出に対してはバックグランドノイズとなるため、これを除去するために光センサの前にはフィルタや分光器などを設置する必要があり、検出器と試料の間には一定のスペースを確保せねばならなかった。
【0012】
これに対し、化学発光による検査法は励起光が不要なため光学系が大幅に単純化できる上に光センサと試料を近接させることができる。化学発光による検出法として、例えばBAMPER法があり、これはターゲットにプローブDNAをハイブリダイズせしめ、ターゲットが野生型であるかあるいは変異型であるかによって相補鎖合成が進行したり、しなかったりさせる(あるいはその逆)。相補鎖合成が起こった場合に生成されるピロリン酸をATPに変え、ルシフェリンと反応させて化学発光を得てこれを計測するものである。本発明では、複数の光センサが集積された光センサアレイを用い、前記反応槽と光センサアレイのピクセルとが垂直方向で1対1に対応するように、前記試料プレートと前記光センサアレイ基板とを固定する。これに密着して配置された反応槽内で生成する光を、選択された前記ピクセルの前記光センサによって読出す構造を提供する。これにより試料プレートあるいは光学系の移動機構が不要になり、装置は大幅に単純化される。更に試料と光センサの光結合が強くなり、検出感度を向上することができる。
【0013】
複数の光センサが集積された光センサアレイを用い、目的試料とコントロール試料からの発光の差を増幅することで実効的な測定感度を大幅に向上することができる。化学発光による遺伝子検査では、試料間の微小な差異を高精度に検出することが要求される。そこで試料プレート上の任意位置の試料ピクセルとコントロールピクセルを同時に選択し、両者の信号の間で差動増幅を行う構成を開示する。ここでは目的試料の信号を検出するピクセルを選択するデコーダー(Sデコーダーと呼ぶ)及びコントロール試料の信号を検出するピクセルを選択するデコーダー(Cデコーダーと呼ぶ)、からなる2個の独立したデコーダーを搭載した光センサアレイを用い、目的試料に対応するピクセルからの信号とコントロール試料に対応するピクセルからの信号をそれぞれ独立の信号線に出力する。これにより、選択セル間の共通のオフセット成分をキャンセルでき、高倍率増幅を可能にすることによって、微弱光の検出感度を向上できる。 BAMPER法は非常に簡便な方法であるが、多数のDNA部位を検査するときにはそれぞれの部位を独立に測定するので省力化に向けた改良が必要であった。すなわち種々のプローブ領域を同時に簡便に検査できるようにする必要があった。本発明はこれを解決するために、反応槽の中に複数の小さなサブ反応セルを設けて測定対象の種々DNA部位毎に行うシステムを提供する。ハイブリダイゼーション反応は一括して行うが、相補鎖合成反応と複数反応による発光反応を同時に、しかし区別して行うシステムを実現するものである。各サブセルには異なるプローブあるいはターゲットが保持され、ターゲットあるいはプローブのハイブリダイゼーションに続いて相補鎖合成反応が進行する。この相補鎖合成反応は各セル毎にほぼ孤立した状態で行われる。そのために、相補鎖合成とそれに伴う化学発光反応液はセルの外には漏れない構造あるいは条件で使用される。相補鎖合成反応の副産物として生成したピロリン酸(ppi; inorganic pyrophosphate)が他のセルへ流入するとどこで相補鎖合成が起こったか、すなわちターゲットがあったのか否か分からなくなってしまう。ターゲットをハイブリダイズさせるときにはターゲットを含む液は全てのセルの間を行き来できるがハイブリダイゼーション後にサブセルはそれぞれ隔離された状態として相補鎖合成を進行させる。これはサブセルの上部に分離板を密着させることにより行う。それぞれのサブセルからの化学発光を区別して検出し、複数のDNA部位の検査を同時に行う。
【0014】
【発明の実施の形態】
本説明では、最初に複数のターゲット領域あるいはDNAを同時に検査する化学発光検出において有効な高感度、小型の検出装置の構成を開示する。ここでは反応槽と光検出器のピクセルを1対1に対応させ、密着して配置することにより検出系の感度向上と装置の小型化を図る手段を開示する。次に塩基の伸長反応に伴う発光信号を高い検出感度で測定するため、光センサアレイとして2系統のピクセル選択手段を備え、片方をコントロールピクセル、他方を目的試料を選択させて、同時に2個のピクセルの信号を出力してその差動出力をとることにより、真に塩基伸長すなわち遺伝子変異に基づく信号を抽出する手段を示す。
【0015】
最後に多くのターゲット領域あるいはDNAを同時に検査する時にはターゲット毎にPCR増幅し、1本鎖DNAとした後、各反応セルに注入してBAMPERの測定を行うシステムを開示する。すなわち従来はターゲットの数だけBAMPERあるいはSNPsの測定をする必要があった。ここではターゲットの増幅を同時に行い、複数のターゲットが混合状態にあるサンプルからそれぞれのSNPsを測定する手段を明らかにする。
【0016】
(実施例1)
図3(A)は本発明の実施例を示す試料プレートと光センサアレイの断面図である。複数の反応槽とピクセルを1対1させ、互いに近接して配置している。ここで試料プレート100はガラス基板上に複数個の反応槽直径(2mm、深さ2mm)101a-cを形成したものである。反応槽の底面は透明で、試料から発した光の一部は試料プレートの下に配置された光センサアレイに到達する。光センサアレイ200はシリコン基板上に形成されたフォトダイオード210a-cによって構成される。ここでフォトダイオードと反応槽の位置関係が重要となる。従来、DNA検査装置では蛍光標識による測定が多く利用され、そこでは励起光が必要であった。励起光強度に比較して信号である蛍光は微弱なため、励起光の影響を除去するためにフィルタあるいは分光装置を試料と光検出器の間に設置する必要があった。これに対し、化学発光による検出系では励起光を除く光学系が不要であり、試料と検出器の距離を最小限にすることができる。図4は試料プレート100とフォトダイオードアレイ201を密着させた構造の鳥瞰図を示す。フォトダイオードアレイ201は図4(B)に示すように透明キャップ251で封止されたパッケージ250に収められ、試料プレート100は透明キャップ251に密着して配置されている(図4(C))。光の強度は光源からの距離の2乗に反比例して減衰し、反応槽の光が隣のピクセルに到達する比率は試料プレートと光センサの距離とともに増加する。従って、フォトダイオードアレイと試料プレートの距離は短いことが望ましい。ただし、距離の短縮にあたってはフォトダイオードアレイのパッケージ実装上の制限と、試料からの静電的ノイズによる制限を考慮せねばならない。フォトダイオードアレイ上の電極パッドとパッケージピン253の間はワイヤボンディング252によって接続され、ボンディング工程におけるワイヤ形状ばらつきを考慮して約1mmのスペースが必要である。静電ノイズは反応溶液300とフォトダイオード210の静電結合に起因し、結合の強さは距離の逆数の2乗に比例して増加する。これは距離を拡大することで回避できるが、ここでは、光センサアレイ251を収納するパッケージ250の透明キャップ251の表面に導電膜を形成してシールド効果によってフォトダイオードの雑音を低減する手段をとった。具体的には厚さ1mmの透明キャップ251表面に厚さ120-160nm、抵抗率2x10-4Ωcmの酸化インジウムスズ膜(ITO)を抵抗加熱型蒸着装置により基板温度300℃で蒸着する。光センサアレイのパッケージを装置に取り付ける際にこれを接地電位に接続することにより、直接試料プレート100を載せても静電的な結合による雑音を抑制することができる。図4に示す様にフォトダイオードアレイ201のパッケージングにおいては、ボンディングワイヤ252のスペース、あるいはフォトダイオード201とキャップ251とのスペースが必要である。これらのスペースについて素子信頼性、製造歩留まりの観点から一定の値を確保する必要がある一方、感度を確保してクロストークを抑制するには極力近接させることが望ましい。図5(A)に示すような縦横寸法がそれぞれa、bの長方形の受光部が、その一頂点からhの距離だけ離れた点光源Sに対して張る立体角は次式で表される。 (ハンス・ユルゲン・ヘンシェル 森礼於訳「光と照明」日本理工学出版会(1994))
Ωab = 4sin-1((ab/h2)/(√(1+(a/h)2 √(1+(b/h)2))Ω0
Ω0:単位立体角(=1sr)
【0017】
図5(B)は上式を用いて計算した光源直下においた一辺2mmの正方形受光部の張る立体角Ω0及び3mm周期で配置された隣の受光部(一辺2mm正方形)の張る立体角Ω1の距離hとの関係を示すグラフである。ここでは光源Sを受光部対角線の交点の真上に置き、対称性からxy平面の一象限に張る角度Ω0/4を計算してこれを4倍している。隣接の受光部に対してはy軸に対する対称性からΩ1/2を計算してこれを2倍した。距離hが1mmのとき、光源S(反応槽の中心に対応)から受光部(ピクセル)を見込む立体角Ω0は約2.1srとなり、等方的な点光源からの全放射に対するピクセル到達光の割合は16.7%(=2.1/4π)となる。距離hを3mmとするとピクセルを見込む立体角は0.4sr、到達光の割合は3.2%(=0.4/4π)となり、高感度実現の観点からセンサと試料の距離をこれ以上拡大するのは好ましくない。光源Sに対して隣接するピクセルが張る立体角Ω1は図5(B)に示すように(10倍にして表示)、距離hとともに増大し2mm付近でピークをとった後、hとともに減少する。隣の反応槽からの光に対するクロストークをノイズとみて、直上の反応槽からの光に対する応答との比をS/Nとして図5(B)に示した。距離hが4mmを超えるとS/Nは2よりも小さくなり、直上の反応槽からの信号は隣の反応槽からの信号の2倍以下になってしまう。そこでピクセルと試料プレートの距離は3mm以下の距離になるように試料プレートの保持機構を設計した。
【0018】
上記構成によって化学反応によって発生した光を検出するための光センサアレイと試料プレートの構成を検出装置に応用した実施例を図6(A)に示す。直径2mmの反応槽に合わせてフォトダイオード受光部の形状は2mm角とした。光センサアレイ200の各ピクセルと試料プレート100の反応槽を1対1に対応させて固定し、その距離は3mm以下に設定している。検出器あるいは試料プレート100の移動機構が省略されて小型化、低コスト化が可能になる。また、試料プレート100と検出器の距離が大幅に低減されるため、検出感度を向上することができる。図6(B)は試料プレート100と光センサアレイ200の間に光学系を挿入して固定した例を示す。反応槽から拡散する光を対応するピクセルに集めるような光学系120の付加により、反応槽とピクセルの光結合を向上すると同時に隣接するピクセルへのクロストークを減少させることができる。
【0019】
(実施例2)
図3(B)は2個のピクセル選択回路を備えた光センサアレイのブロック図を示す。図7は光センサアレイの回路構成図である。受光部202とこれをリセットしたり信号転送する機構を1ユニット210(以下ピクセルと呼ぶ)として複数のピクセルが同一シリコン基板上に集積されている。図3(B)では36個のピクセルが集積され、各ピクセルはフォトダイオード202、リセット用MOSトランジスタ211、読出し用MOSトランジスタ212、ピクセル選択用MOSトランジスタ213、214から構成されている。各ピクセルは目的ピクセル選択用デコーダー(Sデコーダー)204とコントロールピクセル選択用デコーダー(Cデコーダー)205によって独立に選択されてそれぞれのデコーダーに対応する出力端207、208に信号が出力される。
【0020】
従来、ピクセルを選択して出力端に信号を出力する手段としてシフトレジスタが多く用いられてきた(IEEE J. Solid-state circuits vol.9, 1(1974))。これはトリガパルスによって起動される時系列的に決まった順序、決まった時間間隔でピクセル選択信号を発生するものである。多数のピクセルが搭載されたイメージセンサについて制御信号が少なくできる、回路構成をコンパクトにできる、等の利点がある。本発明においてシフトレジスタを適用することも可能であるが、ここではランダムにピクセルを選択できるデコーダーを用いた例(IEEE Transactions on electron devices vol.38, 1772(1991)、IEEE Transaction on electron devices vol.44, 1716(1997))を適用した実施例を説明する。分析装置向けのセンサアレイでは各ピクセルの信号間演算、読出し順序や時間間隔設定の柔軟性が要求されるが、デコーダーの適用によってこうした要求に応えることができる。分析検査用途のセンサアレイではピクセル数が比較的少なく、制御信号数や回路規模が過大になることはない。本実施例の特徴は2個のデコーダーを備え、同時に2個のピクセルを選択してその出力を差動増幅することにある。これによって各ピクセル固有の固定パターンノイズや暗電流、電源変動、試料からのバックグラウンドの影響を排除し、高感度での信号検出が可能となる。
【0021】
図7(A)は本発明の回路構成について実施例を示すものである。36個のピクセルのランダムに選択するため、Sデコーダー204とCデコーダー205には夫々AS0-5 235及びAR0-5 236までの6ビットずつのアドレスが与えられる。図7(A)及び(B)はピクセルの構成を示す。図7(A)はリセットMOSとしてnチャネルMOSを利用したもの、図7(B)はリセットMOSとしてpチャネルMOSを利用したものである。後者については実施例4で説明することとし、ここでは前者について説明する。各ピクセルはフォトダイオード202、リセットMOS211a、読出しMOS 212、選択MOS 213、214はnチャネルMOSから構成されている。図8は各デコーダー204、205で選択される目的試料ピクセルとコントロール試料ピクセルが選択され、それぞれの信号が出力される経路を示すものである。Sデコーダー204によって選択MOS 213-1がオン状態となったピクセルは目的試料ピクセルとなり、Cデコーダー205によって選択MOS 214-2がオン状態となったピクセルがコントロール試料ピクセルとなる。すべてのピクセルが目的試料信号出力線SGLout 220接続された選択MOS213とコントロール試料信号出力線CTLout 221に接続された選択MOS214を備えており、2つのデコーダー出力により目的試料あるいはコントロール試料への対応を自由に設定することができる。図9はSデコーダーの一構成例である。AS0-5の6ビットのアドレス信号によりピクセルをランダムに選択することができる。6ビットの信号によれば64個のピクセル選択が可能だが、その一部を使って36個のピクセルを選択する。ここでは64のアドレス空間を16個ずつの4つに分割し、3入力NANDゲート239、2入力NORゲート240によりデコードを行っている。目的試料ピクセルを選択する信号237aはバッファ回路241で駆動され、各ピクセルに送られる。Cデコーダーについても図8と同様な構成を用いることができる。図10に本発明による光センサアレイの動作タイミングチャートの一例を示す。タイミングの説明では簡単のためにピクセル数は2個とした。このときAS, ARのアドレスはそれぞれ1ビットなり、"H"と"L"で2個のピクセルを選択する。各ピクセルのフォトダイオードのリセットと読出しのタイミングはφselとφresによって制御される。すなわちリセット時にはφresがON状態("H"とする)、φselがOFF状態("L"とする)になり、アドレスAS及びARにしたがってSデコーダー及びCデコーダーで選択されたフォトダイオードが、リセットMOS 211を介してあらかじめ設定されたVpdの電圧まで充電(リセット)される。アドレスAS及びARが非選択になると、フォトダイオードは電荷蓄積モードに入り、試料からの信号光を捉えて蓄積を開始する。時間経過とともにPD(1)あるいはPD(2)のノードの電位は図10に示すように入射した光量に応じてリセット電位Vpdから減少し始める。信号蓄積時間Tssの後、φresが"L"φselが"H"になり、AS、ARによってピクセルが選択されると信号読取りモードとなる。各ピクセルに設けられ、Sデコーダー及びCデコーダーに接続された選択用MOS 213及び214によってピクセルの信号すなわちノードPD(n1)、PD(n2)の電位は共通の出力線SGLout 220及びCTLout 221に出力される。こうしてノードPD(n1)、PD(n2)の電圧減少分を読み取ることによって光量を計測することができる。
【0022】
ピクセルを構成する各素子の作製例ついて述べる。シリコン基板(p型、抵抗率10Ωcm)上にn型の拡散層によりpn接合を形成してフォトダイオードとする。受光面となるn型層の形状は反応セルの大きさ(直径2mm)に合わせて2mm角とする。リセット用のn型MOSトランジスタ211はソース電極をフォトダイオードのカソード(n型)に接続し、ドレインを前記Vpdに接続し、Vpdは2.6Vに設定する。ゲート幅/ゲート長(W/L)はフォトダイオードの充電時間(リセット時間)が10μs以下となるように、1200μm/0.6μmに設定する。フォトダイオードのカソード電位を読出すためのソースフォロワを構成するn型MOSジスタ212の設計サイズはW/L=4000μm/2.0μmとし、Wについてはコンダクタンスを大きくして熱雑音の低減、Lについては最小設計ルールよりも大きく設定して1/f雑音の低減を図っている。ピクセル選択用のn型MOSトランジスタ213、214についてはソースフォロワ回路における寄生抵抗の効果が出ないように留意してW/L=100μm/0.6μmとした。
【0023】
他の実施例として、2個を超えるデコーダーを具備し、同時に2個を超えるピクセルを選択してそれらの間での演算や平均化処理、ノイズ処理を行うことによってより高度の機能を実現することが可能である。
【0024】
(実施例3)
図11(A)は目的ピクセル選択用デコーダー(Sデコーダー)204とコントロールピクセル選択用デコーダーに対応する出力線220と221を介して信号が出力される部分の構成例を示す。目的ピクセル信号用の出力線220、コントロールピクセル信号用の出力線221にそれぞれ、電流源412と413を接続し、例えば電流をまず2mAに設定する。2つの出力線は差動増幅器401の入力端子に接続され、差動増幅器の出力はサンプルホールド回路に接続され、その出力はADコンバータ403を経て制御用コンピュータ404に読み込まれる。目的試料からの発光を計測する前に、目的試料を発光させない状態、例えば発光基質となるルシフェリンを加えない状態で目的試料とコントロール試料を同時に測定して両者の出力差を例えば1mV以下になる様に電流源412、413の設定値を補正する。この補正によって差動増幅器の利得を1000としても暗状態の差動出力は1V以下であり出力を飽和させることなく、入力に対して出力の線型性を保持することができる。これにより製造上避けられないMOSトランジスタ特性のばらつきや配線抵抗の差に起因するノイズを除去することができ、高い倍率での差動増幅が可能となり、微小信号の検出が可能になる。
【0025】
図11(B)は電流源の1構成例を示す。電源と接地電位の間にMOSトランジスタ415と416を接続し、415のゲートをドレインに接続してダイオード動作をさせ、416のゲート電位を調整することによりコンダクタンスを可変にする。415と416の接続点にMOSトランジスタ414のゲートを接続する。ここでMOSトランジスタ416のゲート電位を変化させることで電流源となるMOSトランジスタ414に流れる電流を変化させてオフセット補正を行う。他の方法を図11(C)に示す。ここではソースフォロワの負荷抵抗として、素子に与える信号によって抵抗値を変えられる電子可変型のポテンショメータ417、418(例えばAnalog Devices社製AD8403)を用いる。前記の補正操作において各ピクセルの暗状態における信号を記録し、各ピクセル間の暗状態出力が一定になるように上記ポテンショメータの値をピクセル毎に変化させ、資料からの発光を開始する試薬注入をする前の状態において差動増幅器の出力がゼロになるように調整する。
【0026】
図7(A)の光センサアレイに図11(C)の電流源を適用した検出装置による化学発光計測の実施例を示す。ここでは次の反応式で示される様に、ルシフェリンがATPとルシフェラーゼの存在下で酸化されて発光する系を用いた。
【0027】
【数1】
【0028】
具体的には緩衝液(10 mM Tris-acetate buffer, pH7.75)中にルシフェリン(0.1μg/μL)とルシフェラーゼ(0.5, 1.0及び 2.0 μg/μL)が溶解された基質溶液として、ここにATP溶液(2×10-7M, 0.05μL)を添加した。図12に化学発光の時間変化を示す。ATP添加により前記反応式にしたがって発光が観測される。信号蓄積時間Tssを1秒として発光の経時変化を観測することにより、ルシフェラーゼの濃度依存性を得ることができた。
【0029】
(実施例4)
図7(A)においてフォトダイオードをリセットするためのMOSトランジスタ211としてpチャネル型MOSを採用することによりリセット時間を高速化することができる。図7(B)の様にnチャネル型MOSトランジスタ211aを用いた場合、フォトダイオードが充電されて回路上のノードPD(2)がVpdに近づくとシリコン基板に対してソースが逆方向にバイアスされる効果により、リセットMOSトランジスタの閾値電圧が増加してMOSのオン抵抗が上昇する。その結果、フォトダイオードを所定電位Vpdにまで充電する時定数が増加する。図7(C)に示すようにpチャネル型MOSトランジスタ211bの採用により基板バイアス効果が排除でき、高速でのリセットが可能になる。
【0030】
(実施例5)
本発明を適用した検査装置による測定の実施例を図12に示す。図13(A1-3)は36個の反応槽を備えた試料プレート100に各種試料を入れる方法を示している。図において白色の反応槽103にはSNPsタイピングしようとする目的試料が、斜線で施した反応槽104はコントロール試料が、それぞれ入っている。多種の試料の測定にあたっては試料や試薬の特性に応じてオフセット補正をする必要がある。比較的信号強度が強い試料や、バックグラウンド光が弱い試料では図13(A-1)に示すように一つコントロール試料を試料プレート毎に共通にして使用し、多くの試料を同時に検査する。異なる検出項目、特にバックグラウンド光のレベルが検出項目毎に異なる場合には図13(A-2)の様に6種の検出項目について1個のコントロール試料をおいてオフセット補正を行う。特に信号が弱く測定条件に敏感な試料については図13(A-3)の様に目的試料の反応槽に近接するところにコントロール試料を入れてオフセットを補正することにより、高い精度での測定が可能になる。本発明によれば目的試料とコントロール試料の選択を柔軟にできるため図13(B)に示す様に多種の試料や測定項目について効率的にオフセット補正が可能となり、高い測定精度を維持しながらスループットを向上することが可能になる。
【0031】
本発明は遺伝子検査システムあるいはDNAシステムに関するものである。そこで利用する試料調製のプロセスについて具体的に説明する。もちろん試料調整方法はここで開示した限りではない。図14は血液からゲノムを抽出して、検査対象である複数のターゲット領域をPCR増幅するプロセスまでを示している。ターゲットとなるDNAが得られた後は図2に示した手順によりDNA検査が行なわれる。
【0032】
まず、血液からゲノムDNAを抜き出す。これには市販のDNA抽出装置あるいは抽出試薬キットなどが使用される。まず、全血2mLに50mMのNaCl溶液18mLを添加して赤血球を溶血させる。4℃の条件で3500rpmで15分間遠心して沈殿を得る。得られた沈殿を50mMのNaCl溶液で洗浄し、白血球分画を得る。DNAzol(GBCO BRL)1mL添加し、細胞壁を溶解する。18Gの注射針付きのシリンジで溶液を出し入れしてゲノムDNAを短く切断する。遠心して不要物を除く。エタノール0.5mLと添加し攪拌後、遠心してゲノムDNAを回収する。70%エタノールでリンス後、400μLの水を添加し65℃で溶解する。10mg/mLのRnase Aを8μL添加し37℃2時間インキュベートしてRNAを分解する。フェノール・クロロホルム・アミルアルコール混合液を400μL添加し、酵素を失活させる。プロパノ−ル沈殿操作によりゲノムDNAを回収する。0.5×TE(pH8.0)200μLに溶解する。この操作でほぼ100μg/mLのゲノムDNA溶液を得る。抽出されたゲノムDNA 311を鋳型として、測定対象部位ごとにPCRプライマーを用意し、ゲノムを対象としてマルチプルPCRを行っても良い。しかし、プライマーの配列が異なることによりハイブリダイゼーション効率が異なり、同時に種々のDNAをPCRで増やすことはしばしば困難である。ここでは確実にマルチプルPCRが行える一つの方法を採用するが他の方法でも良い。測定対象の種々DNA部位の5'側にアンカー配列を持つプライマーセット341をゲノムDNA 311にハイブリダイズさせ相補鎖合成を行う。プライマーセット341は5'末端に共通のアンカー配列313を持ち、測定対象毎に異なる配列315-1,315-2,・・・,315-nを共通アンカー配列313の3'末端側にもつプライマー群からなるプライマーセットである。具体的には、ゲノムDNA試料1μLにキアゲン社のHotStarTaq添付の10×PCR緩衝液5μL、5mMのdNTPを2μL、プライマー341(1pmol/μL)5μL、水37μL、HotStarTaq 0.25μLを添加し、95℃10分間加熱後、57℃で30秒間、72℃で60秒間のステップを5回繰り返し、特定DNA領域を増幅する。プライマー341はターゲットとなる測定対象毎に特異的な配列を持っているが、5'末端に共通のアンカー配列313を持つ。相補鎖合成後、余剰なプライマーを除去する。プライマー同士が反応して不要なDNA産物を作ることを防止するためである。除去方法としては、分画分子量10万ダルトンの限外ろ過膜を有するスピンカラム(ミリポア社のウルトラフリーC3)を用いた。反応試料溶液全量50μLをスピンカラムにのせ、3000gで3分間遠心する。10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTAの緩衝液100μLを加え、同様に遠心を行う。限外ろ過膜を同じ緩衝液50μLでよくリンスし、限外ろ過膜上に残っているゲノムDNA311と合成相補鎖317を回収する。相補鎖伸長したDNA鎖317はゲノム311にハイブリダイズした状態なのでゲノムと共に限外ろ過で回収できる。昇温して合成相補鎖317を遊離させる。測定しようとする部位を挟むようにしてプライマー342をハイブリダイズさせ上記反応条件と同様にHotStarTaqを用いて相補鎖合成を行う。
【0033】
あるいは、プライマー341の5'末端にビオチンを標識しておき、相補鎖317合成後、相補鎖合成で得た2本鎖DNA鎖をビオチンーアビジン結合を利用してアビジン付きの磁気ビーズで分離して合成相補鎖317を回収しても良い。すなわち、上記で調製したゲノムDNA311試料1μLにキアゲン社のHotStarTaq添付の10×PCR緩衝液5μL、5mMのdNTPを2μL、ビオチン化したプライマー341(1pmol/μL)5μL、水37μL、HotStarTaq 0.25μLを添加し、95℃10分間加熱後、94℃で30秒間、57℃で30秒間、72℃で60秒間のステップを5回繰り返し、特定DNA領域を増幅する。PCR産物(200〜500fmol)に磁気ビーズであるDynabeades (M280) Streptavidin (Dynal, 6.7×108 beads/mL)1μLと2M NaCl、1mM EDTA、0.02%NP-40、10 mM Tris・HCl (pH 7.5)の溶液25μLを添加し、25℃で30分間攪拌する。マグネットにより相補鎖合成で得た2本鎖DNA 311、317を回収する。
【0034】
回収した合成相補鎖317に対し、5'末端にアンカー配列344を持ち、測定対象毎に異なる配列316-1,316-2,・・・,316-nを共通アンカー配列344の3'末端側に持つプライマー群からなるプライマーセット342を加え、相補鎖合成を行う。その結果、測定対象となる領域をもつ2本鎖DNAが得られる。この2本鎖このようにして得られる2本鎖DNA溶液中には対象とする全てのDNA領域に対応したDNA鎖が含まれている。次いで、共通プライマー343,344を同時に加えてPCR増幅する。PCRに用いる2つのプライマー343,344は全ての2本鎖DNA断片324について共通であり、プライマーのハイブリダイゼーション効率の差によるDNA鎖増幅の違いはない。これにより対象とする全ての領域のDNAを均一に増幅する。PCR反応としては、以下の条件を用いる。上記で調製した2本鎖DNA溶液1μLにキアゲン社のHotStarTaq添付の10×PCR緩衝液5μL、5mMのdNTPを2μL、PCR用の2種のプライマー(1pmol/μL)5μL、水37μL、HotStarTaq 0.25μLを添加し、95℃10分間加熱後、94℃で30秒間、57℃で30秒間、72℃で60秒間のステップを30回繰り返し、全ての対象となるDNA領域を増幅する。この時に、プライマー343をビオチン標識しておきターゲットとするDNA配列を含む全ての2本鎖DNA 324を磁気ビーズで釣りだし、1本鎖とした後にターゲットDNAとして使用する。ビオチンのついたDNA鎖を用いる場合とその相補鎖を用いる場合の二通りがある。磁気ビーズで1本鎖にする方法は、マグネットを用いてビオチン残基の入ったPCR産物の結合した磁気ビーズを回収し、0.1 M NaOH 100μLに懸濁して5分間放置後、水洗し、ビーズに固定した1本鎖DNAあるいはNaOH溶液中に遊離した1本鎖DNAを得る。ビーズに固定した1本鎖DNAは10μLの水に懸濁して試料として用いる。NaOH溶液中に遊離した1本鎖DNAの場合は、直ちに3M酢酸で中和し、エタノール沈殿して10μLの水に溶解して試料として用いる。もちろん、プライマー343の濃度をプライマー344より相対的に高くした非対称PCRで目的とするDNA配列を含む1本鎖を生成して使用することもできる。この場合化学発光検出の障害となるピロリン酸を除去することとルシフェリンとの反応の基質になるdATPの代わりにdATP-αSを用いることが必要である。このようにして反応チューブの中に対象とする種々DNA鎖を1本鎖として得る。
【0035】
ここで得られたターゲットDNAについて本発明による試料プレートと光センサの構成を用い、BAMPER法によって測定を行う実施例示す。SNPs検出の難しい点は塩基配列中の1塩基の違いを調べるために、DNAチップを用いた単純なハイブリダイゼーション検査や一般のゲル電気泳動によるDNA長さ分析を使い得ない点にある。BAMPER法ではプライマーの3'末端が変位を検出しようとする位置に来るように設計し、相補鎖合成を行うことに特徴がある。プライマーの相補鎖伸長は3'末端がターゲットにマッチしているか否かにより大きく左右される。マッチしていると相補鎖伸長は起きるが、マッチしていないと相補鎖伸長は殆ど起きない。これを利用すればSNPsの識別ができる。しかし、末端塩基がミスマッチの状態でも相補鎖合成が進行する場合があり、これを防止するためにプライマーの3'末端近傍に人工的にミスマッチ塩基を入れる。この場合、プライマー末端にミスマッチがあるとプライマー末端領域に2つのミスマッチがあることになり、このプライマーの相補鎖伸長は殆ど起こらない。一方、3'末端がマッチしている場合には人工的なミスマッチが末端近傍にあっても相補鎖合成は起こり、ピロリン酸が放出される。人工的なミスマッチをプライマーの3'末端近傍に入れることにより、プライマー末端のマッチ、ミスマッチによる相補鎖合成の制御を精度良く行うことができる。反応式を以下に示す。
【0036】
【数2】
【0037】
図2に示すように、DNAポリメラーゼ305存在下での反応基質dNTP(デオキシヌクレオチド3リン酸)306のDNA相補鎖合成によって副産物としてピロリン酸(PPi; inorganic pyrophosphate)307ができる。これをAPS(adenosine5-phosphosulfate)とATP sulfurylaseの存在下で反応させるとATPが生成される。ATPはルシフェリンとルシフェラーゼ存在下で反応して光を発し、これを測定することで相補鎖伸長303を検出する。発光反応ではPPiが生成するので発光はAPSを消費して持続する。
【0038】
本法で使用する試薬と組成を以下に示す。
(i)反応溶液
0.1M Tris-acetate buffer, pH7.75
0.5 mM EDTA
5 mM magnesium acetate
0.1% bovine serum albumin
1 mM dithiothreitol
0.2 mg/mL polyvinylpyrrolidone
0.2 U/μL DNA polymerase I, Exo-klenow Fragment
1.0 U/mL ATP sulfurylase
2 mg/mL luciferase
(ii) 基質溶液A
10 mM Tris-acetate buffer, pH7.75
25 μM dNTPs
1.0 μM APS
(iii) 基質溶液B
10 mM Tris-acetate buffer, pH7.75
20mM D-luciferin
【0039】
DNAサンプルとして合成オリゴ(p53と同一配列)を使用したBAMPER測定の手順を説明する。p53配列中の変異部位は下線で示している。実施例として用いたDNAサンプル及びゲノムタイピング用プライマーを以下に示す(いずれもAmersham Pharmacia Biotech)。尚、ゲノムタイピング用プライマーは人工ミスマッチプライマーを使用した。
[p53exon8-wild type]
5’−CTTTC TTGCG GAGAT TCTCT TCCTC TGTGC GCCGG TCTCT CCCAG GACAG GCACA AACAC GCACC TCAAA GCTGT TCCGT CCCAG TAGAT TACCA−3’
[p53exon8-mutant type]
5’−CTTTC TTGCG GAGAT TCTCT TCCTC TGTGC GCCGG TCTCT CCCAG GACAG GCACT AACAC GCACC TCAAA GCTGT TCCGT CCCAG TAGAT TACCA−3’
[ゲノムタイピング用プライマー(wild type用)]
5’−AACAGCTTTGAGGTGCGTGATT−3’
[ゲノムタイピング用プライマー(mutant用)]
5’−AACAGCTTTGAGGTGCGTGATA−3’
【0040】
ターゲットとなるDNAサンプル301 (10-100fmol/μL)に1.5倍量のゲノムタイピング用プローブ(プライマー)302をアニーリングバッファー中(10 mM Tris-acetate buffer, pH7.75, 2 mM magnesium acetate)でハイブリダイズさせ(94℃,20s → 65℃,120s →室温)、DNAサンプル溶液を得る。
本試料を用い、BAMPER法によってSNPsを検出する実施例を図15に示す。反応槽101a-bに入れた上記反応溶液(4μL)に基質溶液A(1μL)とDNAサンプル溶液(1μL)を加えて塩基伸長反応を行う。ここでは各反応槽101a-bについてプライマー302は同一とし、異なる3種類のDNAサンプル301a-bを滴下した例を示す。反応が開始してから約10秒後にディスペンサーを用いて基質溶液B(0.1μL)を加えて化学発光反応を開始させる。ディスペンサーにはキャピラリーチューブを用いた。内径は25μm、キャピラリー長は21mmとした。圧力と加圧時間を変化することにより高い精度で添加する基質溶液の量を制御できる。0.1μLの場合、圧力0.2MPa、加圧時間1.1sとした。プライマー末端のマッチあるいはミスマッチにより伸長反応が制御され、図15の場合、反応槽101aにおいて発光が観測され、この反応槽中のプライマーに対応する配列がターゲットDNA上にあることが分かった。
【0041】
図16は反応槽101a-fにプライマーを固定してSNPs検査を行う実施例である。試料プレート100はガラスでできており、既存のシランカップリング反応でサブセル表面にグリシドキシプロピル基を導入する。試料プレートを1M NaOHに浸し、30分間超音波洗浄する。超純水で流水洗浄した後、110℃15分間ベークする。3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの原液に5分間浸淅した後、50%のエタノール溶媒に溶解した4%の3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの溶液に30分間浸し、時々撹拌する。110℃で30分間ベークし、シランカップリング試薬でサブセル表面にグリシドキシ基を導入したチップを得る。色々なプローブ302(20pmol/μL)0.1μLを0.5 Mの炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.5)に溶解し、1pmol/μLとする。このDNA溶液0.5μLを金属表面にグリシドキシ基を導入したチップ表面1の2,3にそれぞれ滴下する。乾燥しないように飽和水蒸気下で50℃30分間加熱する。0.1M Lysの0.5 Mの炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.5)に浸し、残存するグリシドキシ基をブロックする。20mM のTris-HCl(pH7.5)で洗浄する。以上の操作で数百bpのプローブ102が5'末端のアミノ基とグリシドキシ基との反応で固定される。塩基伸長反応と化学発光反応は実施例5と同様にして行う。
【0042】
(実施例6)
図17はサブセルを備えた反応槽によって多種項目を同時に検査する実施例を示す図である。反応槽内のサブセル102a-fへのプローブ固定は実施例5に用いた手法と同様でこの操作で各サブセルに数百bpのプローブ102が5'末端のアミノ基とグリシドキシ基との反応で固定される。
【0043】
各種のプローブは上記手順により、図17に示すように各サブセル102a-fに固定される。ここでDNAサンプルの抽出は実施例5と同様にして行い、PCR産物の2本鎖DNA 324をNaOH処理して得た1本鎖DNAターゲット301を含む反応液300を反応槽101毎に分注する。この段階では各サブセルの間を自由に動けるので反応液を攪拌することで効率良くDNA捕獲ができる。ハイブリダイゼーションによる捕獲後余分な溶液304を除去して相補鎖合成試薬と化学発光試薬を加える。この時各サブセルの間で反応液が混合しないようにする。相補鎖合成で生成したピロリン酸が他のサブセルに混入することを防ぐためである。相補鎖合成303、更に化学発光をさせて光を検出する。
【0044】
ここではPCRを用いて試料調製をしたが、ローリングサイクル増幅あるいはループを作製するDNA増幅(LAMP: Loop-mediated isothermal amplification of DNA ;Nucleic Acids Research 2000, 28, e63)などを用いても良い。すなわち、図18に示すようにゲノムから相補鎖合成して得た相補鎖350を固定プローブ351にハイブリダイズさせ、相補鎖合成によりDNA鎖352を得る。検査用に作製した環状DNA 353をテンプレートとしてDNA鎖の末端配列部分354をハイブリダイズさせて相補鎖合成を繰り返し行ったり、あるいは、末端に折り返し配列を持つ鋳型DNAを作製してLAMP法により繰り返し相補鎖合成を行ったりして得られるピロリン酸を検出しても良い。この場合非常に多くのピロリン酸が得られるので高感度が得られる。
【0045】
(実施例7)
本実施例は固体表面に固定されたプローブを用いて相補鎖合成し、化学発光を検出する手段を示す。図19は本発明による多数のサブセルを反応槽内に持った試料プレートと光センサアレイの構成を示す図である。これを用いたシステム全体の概念構成を図20に示した。これは(試料プレート100、化学発光検出部200、試薬注入ユニット134、データ処理部140からなる。試料プレート上には複数の反応槽101、本実施例では96個の反応槽があり、底面あるいは上部から化学発光を観測できる。更に反応槽の中には複数のサブセル102が設けられている。底面積1cm2程度の反応槽内101に1mmピッチでサブマイクロリッター程度の容量を持つサブセル102が合計25-40個並んでいる。
【0046】
試料は試料プレート100をシステムに入れる前に注入しても良い。複数のターゲットを含む試料溶液を反応槽に入れ、サブセルを液で満たしハイブリダイゼーションを行う。反応液の体積は十分大きく、全てのサブセルからあふれた状態で反応槽内に保持される。溶液は反応槽内を移動可能であり、攪拌により十分にハイブリダイゼーションが行なわれる。余分な溶液を除去した後、DNAポリメラーゼ、核酸基質(dNTP)、ルシフェリン、ルシフェラーゼなどを必要な試薬と共にバッファに混ぜて加える。相補鎖合成及び発光反応で生成するピロリン酸がサブセル間を移動しないように、サブセル分離板を用いて反応液をサブセル毎に分離した状態にする。各セルを分離するプレート(セル分離板)を反応槽に挿入した後にシステムに入れる。もちろん、反応試薬注入及びセル分離板を反応槽に挿入してサブセルを分離することをシステムの中で行っても良いが、多くのタイタープレート測定を行う場合には測定部の外でこれを行うことが高スループットを得る上で望ましい。相補鎖合成を開始しない温度に試料プレートを保持して置き、システムに挿入した後に温度を上げて反応を開始するようにするのでプレート保持板は温度コントロールできる。
【0047】
本実施例ではサブセル102は溶液を保持できる形のものであるが平らな板にプローブを区画して固定した平板型としても良い。この場合、相補鎖合成反応は前記分離板でそれぞれのプローブが固定された区画を分離してから行うこともできる。相補鎖合成及び化学発光試薬は反応セルに入れられた後に分離板により区画されるが、分離板にサブセルに対応して試薬移送管を設けて分離後にそれぞれの反応セルに反応液を注入しても良い。
【0048】
各サブセルに固定されたプライマーは図2で述べたように変位部署を識別できる特異プライマーであり、ターゲットにハイブリダイズした後、核酸変位の有無に応じて相補鎖合成が進行したり、進行しなかったりする。これによりピロリン酸の生成が制御されることになる。すなわち、ピロリン酸をATPに変え、ルシフェリンとの反応で発光するが発光を観測することで変異を識別できる。相補鎖合成反応は酵素の最適温度を制御することでスタート時刻をコントロールできる。プライマーが十分ハイブリダイズしてから一気に反応をスタートした方が高感度が得られるので、本システムには反応部の温度を変化させる機能を具備した。
【0049】
一方、固定プライマーを単にターゲットの捕獲にだけ用い、捕獲したターゲットの変位に敏感なプライマーをマトリックスと共にサブセル毎に加えておき、ターゲットにハイブリダイズさせて相補鎖合成をしたり、ターゲットにハイブリダイズした固定プローブから相補鎖合成で得たDNA鎖をターゲットにして再度相補鎖合成してピロリン酸を生成し、化学発光を得ても良い。
【0050】
少なくともプローブを固定したサブセル部位は透明であり、化学発光は底面部から検出される。発光部を覆う形の分離板は光を反射して受光部により多くの光が入るように工夫されている。上部から光検出を行うときには、プローブ保持板は光が反射するようにして、上部に被さる分離板は透明である。
【0051】
(実施例8)
本実施例はプローブをマトリックスと共にサブセルに保持した例である。この場合、プローブは固定されておらず反応は全て液相で行われる。異なるターゲットに対応したプローブを含有したマトリックスはあらかじめインクジェットなどによりサブセル毎に供給されている。ターゲットのDNA、DNAポリメラーゼ、核酸基質(dNTP及びその類似体)、化学発光試薬、バッファ液などの混合物をセルに注入し、分離板によりサブセルを分離した後に昇温し、反応を行う。マトリックスはグリセロールあるいは40−50℃程度の温度で融解するアガロースゲルなどを使用する。室温以下ではプライマーはマトリックスに保持されているが、相補鎖合成温度では反応液中に放たれ、相補鎖合成に使用される。これは液相反応であり、固定したプローブによる反応よりも反応効率がよい。また、SNPsを識別するターゲットに固有のプライマーと共通プライマーを用いたPCR、ローリングサイクルDNA増幅などを用いて多くのピロリン酸を生成し、検出感度を高めることもできる。これはそれぞれのサブセルが分離されていることにより可能となる。
【0052】
このようなターゲットの増幅も兼ねたSNPs検出におけるサンプル調製の模式図を図21に示した。検査対象のゲノムDNA 311にターゲット特異的なプライマー(プローブ)341をハイブリダイズさせ相補鎖合成を行う。この時、プライマーは5'末端に共通のアンカー配列(種々プライマーに共通な配列)313を持つ。相補鎖合成後、余分なプライマーは除去する。ゲノムから相補鎖合成したDNA鎖317を取り出し、他の試薬331と共に反応セルに入れる。共通プライマーはアンカー部分と同じ配列を持つものであり、合成されたDNA鎖の相補鎖ができるとこれにハイブリダイズして相補鎖合成を行う。各サブセルにはそれぞれ目的とするターゲットに相補的なプローブが入れられており、特定のDNA断片だけを増幅する。ターゲット特異的にハイブリダイズして相補鎖合成できる変異判別能力のあるプライマーが存在して且つ、相補鎖合成が行われたときにだけ共通プライマーはハイブリダイズ可能なサイトをサブセル内のDNAに見いだすことができる。この時発生するピロリン酸は相補鎖の長さに相当する量が一つの相補鎖生成から生まれる。相補鎖合成がPCR増幅モードで行われる。これらppiはATPに変えられルシフェリンとの化学発光反応に使用される。光は分離板111で隣のサブセルからの光と分離して検出される。これらはサブセル及び反応槽を構成している透明な試料プレートを通して観測される。ここではターゲットに特異的なプライマーとして人工的なミスマッチを入れたプライマーを必ずしも必要としない場合がある。相補鎖合成反応を繰り返す過程で末端塩基がマッチしたプライマーがより高い頻度でターゲットにハイブリダイズするために反応速度が大きくなり、このPCR産物が主産物として生成するからである。更に、PCRにかわりローリングサイクルDNA増幅などを用いることは有効である。特に、高温ではdNTPが熱分解してピロリン酸が生成し、バックグラウンド光を与えるので70℃以下の温度で動作するDNA増幅方法を用いることは有効である。
【0053】
(実施例9)
本実施例はプローブを固定したビーズを用いる方法である。ビーズをサブセルに入れ、前の実施例と同じ様に反応を行う。ビーズはガラスあるいはプラスチックなどが用いられる。この実施例では10-100μmのガラスビーズが可能であるが、ここでは直径100μmのビーズを用いる形について説明する。このビーズ105にプローブを固定して用いた。ガラスビーズ表面へのプローブの固定には、実施例6と同様の方法を用いた。図22に示すように凹み112のある保持板111にプローブ付きのビーズ105をグリセロールなど可溶性の材料で固定したビーズプローブアレイを作製する。プローブアレイは検査対象となるDNA部位に対応するDNAプローブを含む。これはそれぞれ反応セルに挿入される。反応セルの位置とビーズについたプローブアレイを対応させておく。反応セル101にはサブセル102が設けられているが最初は保持板の凹み112とサブセル102がずれた状態としておきビーズ105はサブセル102には入らない(図22(A))。ターゲットを含む液305を反応槽101に導入しハイブリダイゼーションを十分に行う。この後、保持板111をずらし(図22(B))、ビーズ105をサブセルに入れて、相補鎖合成に必要な試薬及び化学発光試薬を入れ(図22(C))、反応を行う。化学発光反応はサブセルの中だけで起こるので、各ビーズに捕獲されたターゲットを鋳型にして行われた相補鎖合成に起因した信号を識別して検出できる。発光の有る部位からプローブの種類を知り、発光強度からプローブにハイブリダイズしたターゲットの量を知ることができる。もちろん各サブセルに入れるビーズの個数は1個でも良いが、複数個ビーズをサブセルに入れても良い。
【0054】
(実施例10)
本実施例はカラーコードされたビーズを用いる方法である。DNAプローブはそれぞれのカラーコードの異なるプローブを対応させ、これらを表面に固定する。相補鎖合成の際に出るピロリン酸の検出ではターゲットとプローブをハイブリダイズさせ、効率よく相補鎖合成が行われる必要がある。平面状の固体表面に固定されたプローブよりも反応液中を浮遊し得るビーズに固定したプローブの方が格段にハイブリダイゼーション効率は向上する。本方法は溶液中でハイブリダイゼーションを行い、しかる後に反応セルにビーズをサブセルにトラップして化学発光を検出する方法である。図23はこの実施例を示したものである。サブセル113の底面には溶液吸引吐出用の穴115があいており、各穴を結ぶ配管116につながっている。配管116を減圧にすることでカラーコードビーズ106を各サブセル113に捕捉する。カラービーズ106上に固定されたプローブの種類はビーズのカラーを読み取ることにより行われる。すなわち、光照射による蛍光検出からカラーコードを読み取り、化学発光からターゲットの量を調べる。カラーコードビーズと蛍光標識ターゲットを用いた測定はこれまでに報告されているが、カラーコードしたビーズから出る蛍光は非常に強く、一方、ターゲットを標識した蛍光から出る光はあまり強くない。このために精度の高い測定が不可能であった。本方法では、蛍光計測を化学発光計測の終了後あるいは測定に先立って行い、光照射中に化学発光測定をしないことにより高感度検出とビーズの光計測によるコーディングを実現している。
【0055】
コードを読み取るためのレーザは発光波長が650nmの赤色レーザを用いたが、グリーンあるいは青色レーザなどを用いても良い。レーザは一度広げた後、マイクロレンズアレーによりマルチスポットとして反応槽内のセルに捕獲されたビーズに照射される。蛍光はレンズで集光され、フィルタを通過した後に冷却CCDなどのラインセンサーあるいはエリアセンサーで受光される。カラーコードした色素の波長に合わせて2種あるいは3種の透過波長帯の異なるフィルタを交互に通過させて蛍光を観測するか、あるいは蛍光増を複数の受光ピクセルにわたるようにレンズを調整しておき、それぞれの受光ピクセルの前に異なる透過波長のフィルタを用いて波長選別受光してカラーコードを読み取る。化学発光の測定時にはフィルタは除いて測定する。相補鎖合成反応及び化学発光反応は分離板を用いてそれぞれのサブセルを分離して行われる。この例ではビーズをトラップした穴の下部の毛細管115から相補鎖合成に必要な核酸基質及びDNAポリメラーゼ、化学発光試薬などを反応セル中に注入する。もちろん、反応槽全体に試薬を均一に入れて、から分離板で各セルを分離しても良い。以下の反応を光検出は前の実施例と同じである。
【0056】
(実施例11)
上記でも説明したが、本発明の第3のポイントはDNAプローブをビーズやファイバーのようなそれぞれを分割できる部材に固定し、ハイブリダイゼーション反応を一つの反応槽で一括して効率よく行い、次いで分離された状態で相補鎖合成、化学発光検出することである。プローブの担体としてビーズの他に、ファイバーの先端、ワイヤなど種々のものが使用可能である。この実施例を図24に示す。オプティカルファイバー121の先端をプローブ固定部として用いた。本オプティカルファイバーの代わりに、ワイヤ状の物質にプローブをつけてキャピラリーに封入しても同様な結果が得られる。ファイバーを用いた例は、ファイバー先端に直接プローブを取り付ける、ファイバーの先端をエッチングしてそこにビーズやマトリックスと共にプローブを保持する。相補鎖合成反応をそれぞれが隔離した状態で行うためにファイバーの先端に作ったプローブ保持部は図24に示したようにサブセルで分けられるようにしてある。すなわち、ビーズ107とほぼ同じ穴を一つ持つ浅い反応セルを用いる。ビーズ107は穴に一つだけトラップされており、各ファイバーの先端の反応セルに一種だけプローブが入れられる。以下の反応は前述の通りである。一方、ワイヤあるいは細い棒に同様の反応セルを設け、ここにプローブを固定して全体をキャピラリーチューブの中に入れることで反応セルを沢山持ったキャピラリー状の反応槽108を作ることができる。図24はこのキャピラリー状の反応槽108の断面を示した。反応セルが細い溝でつながれ、反応液355は反応セルを通過するように配置されている。反応セルにはプローブがビーズに固定されたり、反応セルの表面に固定されたりして保持されている。DNAプローブはターゲットをセルを通して流し、ハイブリダイズされるときには固定されている必要があるが、以後の反応では各セルはほぼ隔絶されるのでプローブは固定されたままでいる必要はない。例えば抗原抗体結合のように熱で乖離する結合を用いても良い。ハイブリダイズさせた後、相補鎖合成及び化学発光試薬を注入する。試薬の注入は相補鎖合成反応が起こりにくい十分低温で(一般的には氷冷することで実質的な反応を押えることができる。)試薬類を注入し、注入している最中に反応が進行することを防止する。注入後反応最適温度まで温度を上げ、相補鎖合成反応及び化学発光反応を行う。
【0057】
(実施例12)
図25に示す実施例では、棒状のホルダー162にくぼみ169がアレー状に形成されたもので、本ホルダーはキャピラリー161の中に挿入されている。これらの穴の中にビーズ163を入れている。具体的な作成方法は、棒状のホルダーにくぼみ169あるいは穴166を開けてビーズ163をくぼみ169ないし穴166にホールドしてキャピラリー161に入れる。あるいは、キャピラリー内に、プローブ付きビーズ167の間にスペーサービーズ168を導入し、プローブビーズの種類を同定しても良い。
【0058】
(実施例13)
プローブホルダーとしてマイクロチャンネルを用いた例を図26に示す。プレートに設けられた数ミクロン−数百ミクロンの穴(貫通した穴)173の壁部分などにプローブを固定してこれらの穴を反応サブセルとして用いる。この穴に固定するDNA量を増やすために穴の中を多孔質の部材で埋めたり、ビーズを保持したりすることも良い方法である。ここでは単純な穴173を持ったプレートの例で説明する。試料プレートの底に穴を設けてこの穴の壁にプローブを固定する。これは細かい穴を複数設けても良くまた、一つの穴でも良い。一つの反応槽に30-40の穴173(これが反応サブセルであり、サブセル同士は空間的に離れている)が、設けられている。サブセル毎に異なるDNAプローブを固定してあるので、サブセルの数だけDNAを検査できる。この反応槽にターゲットを含む溶液を加えてハイブリダイズ及び相補鎖伸長反応を行う。この状態でハイブリダイゼーションを効率よく行うために溶液356は下の受け皿174を上下して流動させるとよい。反応終了後ターゲットを含む溶液を除去するか、試料プレート171を別の密着型の受け皿に移動する。リングDNA及びDNAポリメラーゼ、化学発光試薬などを加えてピロリン酸生成(リングDNAを鋳型とした相補鎖合成)及び化学発光反応をサブセル毎に行う。サブセルは密着型サブセル及び分離板172により分離されているのでサブセルそれぞれの反応による発光が分離して観測できる。
【0059】
化学発光の検出にはこれまでに提示したラインセンサー、エリアセンサーに加えて、光電子増倍管などを用いた光検出器とタイタープレートを相対的に移動して検出することもできる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では複数のプローブを用いて簡便にターゲットの検出を行うことができる。本方式の遺伝子検査システムではターゲットとなる複数のDNA領域を同時に増幅して一括して反応槽に入れて種々プローブを用いてそれぞれの対象領域を独立に検査できるので試薬コストが安い利点がある。更に検出にはレーザなどの高価な部品を使わないので安価なシステムを用いて多数の検査部位を簡便に検査できる利点がある。DNAチップなどの単純なハイブリダイゼーションによる方法と異なり、ハイブリダイゼーションに続く相補鎖合成のプロセスを経ることにより一層精度の高い検出が行える。この結果、塩基配列中の一塩基置換などの検査にも使用できる。血液サンプルからDNAを注出し、後は同一の反応槽の中での反応であり操作が簡単な利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の実施例1における化学発光によりSNPsを検出する装置における試料プレートと光検出器部分の断面を示す図、(B)本発明の実施例2における2つのピクセル選択手段を有する光センサアレイのブロック図を示す図。
【図2】従来例による遺伝子検査装置の一例を示す図。
【図3】本発明が利用するSNP検出手法の一つであるBAMPER法のプロトコルのフローを説明する図。
【図4】本発明による光センサアレイのパッケージ構造と試料プレートを示す図。
【図5】(A)光源に対し受光部の張る立体角を示す図、(B)受光部と光源の距離と立体角の関係及びクロストークの関係を示す図。
【図6】(A)本発明による光センサアレイと試料プレートの設置方法を適用したSNP解析装置の構造を説明する図、(B)本名発明による光センサアレイと試料プレートを集光光学系により結合した構造を示す図。
【図7】本発明の実施例2における光センサアレイの回路図を示す図、(B)実施例2における光センサアレイのピクセルの構成を示す図。
【図8】本発明の実施例2の光センサアレイの動作において目的試料ピクセルとコントロール試料ピクセルを選択する制御信号の経路と出力信号の経路を示す図。
【図9】実施例2の光センサアレイのデコーダーの構成を示す図。
【図10】本発明の実施例2における光センサアレイの動作を示すタイミングチャートを説明する図.
【図11】(A−C)本発明の実施例3における光センサアレイのソースフォロワ回路の電流源あるいは負荷抵抗を能動的に制御する回路を説明する図。
【図12】本発明による生体試料検査装置で測定した化学発光の経時変化データを示す図。
【図13】(A)本発明の実施例5においてSNP検査装置で使用する試料プレートと目的試料とコントロール試料配置の例を示す図、(B)本発明の実施例5において光センサアレイ、試料プレート及び試薬分注器を組み合わせた構造を示す図。
【図14】本発明の実施例5において血液からDNAサンプルを抽出するフローを示す図。
【図15】本発明の実施例5においてBAMPER法を実行するときのフローを説明する図。
【図16】本発明の実施例5においてプローブを反応槽に固定してBAMPER法を実行するときのフローを説明する図。
【図17】本発明の実施例6における一つの反応槽内に複数のサブセルを設けてそこに異なるプローブを固定した場合のBAMPER法のフローを示す図。
【図18】本名発明の実施例8におけるサークルDNAを鋳型に用いてDNA相補鎖合成を行い、多くのピロリン酸を得る方法を説明する図。
【図19】本名発明の実施例9におけるサブセルを設けた反応槽を利用したSNP検査装置の構造を示す図。
【図20】本発明によるサブセルを備えた反応槽と光センサアレイの鳥瞰図。
【図21】本発明によるサブセルを用いて多種のターゲットを一括分析する検査法のフローを示す図。
【図22】本発明によるサブセルとビーズを組み合わせた試料プレートの構造を示す図。
【図23】本発明によるカラーコードビーズを用いた検査法のフローを示す図。
【図24】本発明による実施例11におけるファイバーを用いた反応槽の断面構造を示す図。
【図25】(A)(B)本発明による実施例12におけるキャピラリーにビーズをホールドする溝付きロッドを入れるタイプの反応槽を示す図、(C)本発明による実施例17におけるキャピラリーに分離ビーズとプローブビーズを交互に並べるタイプの反応槽を示す図。
【図26】本発明の実施例13におけるプローブホルダーとしてマイクロチャンネルを用いた例を示す図。
【符号の説明】
100:試料プレート、101:反応槽、101a-c:異なる試料あるいは異なるプローブが入れられた反応槽、102:サブセル、102a-f:同一の反応槽内に形成され、異なるプローブが固定されたサブセル、103:目的試料が分注された反応槽、104:コントロール試料が分注された反応槽、105:ビーズ、106:カラービーズ、107:ビーズ、108:キャピラリー状の反応槽、111:ビーズの保持板であると同時にサブセル間の分離板、112:ビーズ保持板に設けられた凹み、113:底面に溶液吸引吐出用の穴を設けたサブセル、116:サブセルに設けた穴を接続する配管、120:光検出器のピクセルと反応槽を光学的に連結する光学系、121:オプティカルファイバー、131:異なるプローブを含む溶液、132:異なるプローブの混入を防止するためピペットの洗浄を行う槽、133:試料を含む溶液、134:試薬を分注するためのピペット、135:試料を分注するためのピペット、150:装置を光学的、電磁的に遮蔽するシールドボックス、161:キャピラリー、162:棒状ホルダー、163ビーズ、166:棒状ホルダーにあけられた穴、167:プローブ付きビーズ、168:スペーサービーズ、169:棒状ホルダーに設けられたくぼみ、173:マイクロチャネルに設けられた貫通穴、174:反応溶液用の下側の受け皿、200:光検出器、201:光センサアレイ、202:フォトダイオード、204:目的試料の信号を検出するピクセルを選択するデコーダー(Sデコーダー)、205:コントロール試料の信号を検出するピクセルを選択するデコーダー(Cデコーダー)、206:光センサアレイを駆動、制御するための電源、及び信号、207:目的試料に対応するピクセルとして選択されたピクセルからの信号の出力端子、208:コントロール試料に対応するピクセルとして選択されたピクセルからの信号の出力端子、210:フォトダイオード、リセットMOS、読出しMOS、選択MOSから構成されるピクセル、210a-c:異なる反応槽に対応したピクセル、211:フォトダイオードをリセットするMOSトランジスタ、211a:フォトダイオードをリセットするnチャネルMOSトランジスタ、211b:フォトダイオードをリセットするpチャネルMOSトランジスタ、212:フォトダイオードの信号を読出すソースフォロワ回路を構成するMOSトランジスタ、213:信号読出し時にピクセルを選択して信号を目的試料の信号出力線220に出力するMOSトランジスタ、214:信号読出し時にピクセルを選択して信号をコントロール試料の信号出力線221に出力するMOSトランジスタ、215:Sデコーダー又はCデコーダーの選択信号の論理和をとるORゲート、216:ORゲート215の出力と信号読出しモードを選択する制御信号φselとの論理積をとるゲート、217:Sデコーダー選択信号とリセットモードを選択する制御信号φresとの論理積をとるゲート、218:Cデコーダー選択信号とリセットモードを選択する制御信号φresとの論理積をとるゲート、220:Sデコーダーの選択に対応する信号出力線、221:Cデコーダーの選択に対応する信号出力線、231:信号読出し用ソースフォロワ回路の電源Vddの入力端子、232:フォトダイオード充電用の電源Vpdの入力端子、232:フォトダイオードのリセットモードを指定する制御信号φresの入力端子、234:フォトダイオードの信号読出しモードを指定する制御信号φselの入力端子、235:Sデコーダーを制御するアドレス信号AS0-5の入力端子、236:Cデコーダーを制御するアドレス信号AR0-5の入力端子、237:Sデコーダーの出力線、238:Cデコーダーの出力線、239:デコーダーを構成するNANDゲート、240:デコーダーを構成するNORゲート、250:光センサアレイのパッケージ、251:パッケージの透明キャップ、252:ボンディングワイヤ、253:パッケージのピン電極、260:従来の検査装置における光検出器、300:試料DNAを含む溶液、301:ターゲットDNA鎖、301a-c:異なるターゲットDNA鎖、野生型に対応したプライマー、302:反応槽に固定されたゲノムタイピング用プローブ(プライマー)、303:伸長したDNA、304:余分な溶液、305:DNAポリメラーゼ、306:dNTP(デオキシヌクレオチド3リン酸)、307:ピロリン酸(PPi; inorganic pyrophosphate)、311:血液から抽出したゲノムDNA、313:第1の共通アンカー配列、315:測定対象毎に異なる配列、316:測定対象毎に異なる配列、317:合成相補鎖、332:ターゲットに特異的にハイブリダイズする変異判別プライマー、333:共通プライマー、334:サブセル内で合成された相補鎖(317の相補鎖)、341:測定対象となる種々DNA部位の5'側にアンカー配列を持つプライマーセット、342:共通アンカー配列344の3'末端側に持つプライマー群からなるプライマーセット、343:第1のアンカーと同じ配列をもつ共通PCRプライマー、344:第2のアンカーと同じ配列をもつ共通PCRプライマー、344:第2の共通アンカー配列をもつPCRプライマー、350:ゲノムDNAから合成した相補鎖、351:固定されたプローブ、352:プローブ351から伸長した相補鎖、353:環状DNA、354:環状DNA353をテンプレートとして合成された相補鎖にハイブリダイズされた末端配列、355:反応溶液、356:反応溶液、401:差動増幅器、402:サンプル/ホールド回路、403:アナログ/ディジタル変換回路、404:制御、記録用コンピュータ、410:目的試料の信号を読み出すソースフォロワ回路の負荷抵抗、411:コントロール試料の信号を読み出すソースフォロワ回路の負荷抵抗、412:目的試料の信号を読み出すソースフォロワ回路の電流源、413:コントロール試料の信号を読み出すソースフォロワ回路の電流源、414:ソースフォロワ回路の電流源を構成するMOSトランジスタ、415:ソースフォロワ回路の電流源MOS414のゲート電位を設定するMOSトランジスタ、416:ソースフォロワ回路の電流源MOS414のゲート電位を設定するためのMOSトランジスタ、417:目的試料の信号を読み出すソースフォロワ回路に接続された可変の負荷抵抗、418:コントロール試料の信号を読み出すソースフォロワ回路に接続された可変の負荷抵抗、t1:フォトダイオードのリセットを指定する制御信号φresのON状態("H")になり第1のリセットモードが始まる時刻、t2:フォトダイオードの第1のリセットモードにおいてCデコーダーに入力するアドレス信号ARが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t3:フォトダイオードの第1のリセットモードにおいてSデコーダーに入力するアドレス信号ASが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t4:フォトダイオードの信号読出しモードを指定する制御信号φselがON状態("H")になり第1の読出しモードが始まる時刻、t5:フォトダイオードの第1の読出しモードにおいてCデコーダーに入力するアドレス信号ARが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t6:フォトダイオードの第1の読出しモードにおいてSデコーダーに入力するアドレス信号ASが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t7:フォトダイオードのリセットを指定する制御信号φresのON状態("H")となる時刻、t8:フォトダイオードの第2のリセットモードにおいてCデコーダーに入力するアドレス信号ARが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になり第2のリセットモードが始まる時刻、t9:フォトダイオードの第2のリセットモードにおいてSデコーダーに入力するアドレス信号ASが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、tw1:φresの"H"が保持される時間、tw2:φselの"H"が保持される時間、Tss:信号がフォトダイオードに蓄積される時間
Claims (15)
- 生体試料が収納される複数の反応槽が1次元又は2次元に配列される試料プレートと;
光センサが形成される複数のピクセルが1次元又は2次元に配列される光センサアレイと、信号を読み出す前記ピクセルを選択するための、第1ピクセル選択回路と第2ピクセル選択回路とが形成される光センサアレイ基板と;
前記反応槽と前記ピクセルとが1対1で垂直方向で対応するように、前記試料プレートと前記光センサアレイ基板とを固定する部材と;
前記第1ピクセル選択回路が選択した第1ピクセルの出力と第2ピクセル選択回路が選択した第2ピクセルの出力とについて差動増幅する差動増幅部とを有し、
前記第1ピクセル及び前記第2ピクセルは、各々目的試料及びコントロール試料に対応する信号を検出するものであり、選択された前記ピクセルに対応する前記反応槽内で、前記生体試料と試薬との反応により生成する光を、選択された前記ピクセルの前記光センサにより受光して、選択された前記ピクセルから信号を読み出すことを特徴とする生体試料検査装置。 - 請求項1に記載の装置において、前記第1ピクセル選択回路と前記第2ピクセル選択回路とは、相互に独立して複数の前記ピクセルを選択することを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項1に記載の装置において、前記光センサアレイ基板の光入射面と前記試料プレートの前記反応槽の底部側の面との間の距離を3mm以下とする、あるいは、前記光センサアレイ基板の光入射面と前記試料プレートの前記反応槽の底部側の面との間に光導波作用又はレンズ作用を具備する透明部材を配置することにより、前記光センサアレイ基板の光入射面と前記試料プレートの前記反応槽の底部側の面とが光学的に結合されることを特徴とする生体試料検査装置。
- 生体試料が収納される複数の反応槽が1次元又は2次元に配列される試料プレートと;
フォトダイオードが形成される複数のピクセルが1次元又は2次元に配列されるフォトダイオードアレイと、信号を読み出す第1の前記ピクセルを選択する第1のピクセル選択回路と、信号を読み出す第2の前記ピクセルを選択する第2のピクセル選択回路とが形成される光センサアレイ基板と;
前記反応槽と前記ピクセルとが1対1で垂直方向で対応するように、前記試料プレートと前記光センサアレイ基板とを固定する部材と;
前記第1のピクセルの出力と第2のピクセルの出力とについて差動増幅する差動増幅部とを有し、
前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルは、各々目的試料及びコントロール試料に対応する信号を検出するものであり、
前記第1のピクセルの前記フォトダイオードにより受光し、前記第2のピクセルに対応する第2の前記反応槽内での反応により生成する光を、前記第2のピクセルの前記フォトダイオードにより受光して、前記第1及び第2のピクセルから信号を同時に読み出すことを特徴とする生体試料検査装置。 - 請求項4に記載の装置において、前記各ピクセル選択回路が、時系列的にランダムに前記ピクセルを選択するデコーダー、又は、時系列的に所定の順序で前記ピクセルを選択するシフトレジスタであることを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項4に記載の装置において、検査しようとする前記生体試料が収納される前記反応槽で生成する前記光が前記第1のピクセルの前記フォトダイオードにより受光され、検査しようとする前記生体試料と比較すべき比較用試料が収納される前記反応槽で生成する前記光が前記第2のピクセルの前記フォトダイオードにより受光され、あるいは、前記第2のピクセルから読み出される信号が前記第2のピクセルが暗状態に於ける信号であることを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項4に記載の装置において、検査しようとする前記生体試料が収納される前記反応槽で生成する前記光の強度又は前記第2のピクセルの前記フォトダイオードの暗電流の値に応じて、前記第1及び第2のピクセルに於ける信号蓄積時間を変化させて、前記増幅回路の出力の零点補正を行うことを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項4に記載の装置において、前記ピクセルに第1、第2及び第3のMOSトランジスタが形成され、前記ピクセルの前記フォトダイオードからの前記信号が、第1のMOSトランジスタのゲートに入力され、前記第1のMOSトランジスタのソースに出力が得られるソースフォロワ回路が構成され、前記第2及び第3のMOSトランジスタのドレインが前記第1のMOSトランジスタのソースに接続され、前記第1のピクセル選択回路の出力端が前記第2のMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のピクセル選択回路の出力端が前記第3のMOSトランジスタのゲートが接続され、前記第2のMOSトランジスタのソースが第1の出力信号線に接続され、前記第3のMOSトランジスタのソースは第2の出力信号線に接続され、負荷抵抗又は定電流原が前記第1及び第2の出力信号線に接続され、素子を構成する複数のピクセルは前記第1、及び第2のピクセル選択回路によって独立に選択され、前記第1又は第2の出力信号線に信号を出力するように制御することを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項4に記載の装置において、前記前記試料プレートの前記反応槽の底部側の面と前記光センサアレイ基板の受光面側の面との間に透明導電膜を有することを特徴とする生体試料検査装置。
- 生体試料が収納される複数の反応槽が1次元又は2次元に配列され、前記各反応槽の底部に形成される複数のサブセルを具備する試料プレートと、複数のフォトダイオードが形成される複数のピクセルが1次元又は2次元に配列されるフォトダイオードアレイが形成される光センサアレイ基板と、
前記光センサアレイ基板に形成され、前記ピクセルを選択するための、第1ピクセル選択回路と第2ピクセル選択回路と、
前記第1ピクセル選択回路が選択した第1ピクセルの出力と第2ピクセル選択回路が選択した第2ピクセルの出力とについて差動増幅する差動増幅部とを有し、
前記第1ピクセル及び前記第2ピクセルは、各々目的試料及びコントロール試料に対応する信号を検出するものであり、前記各反応槽の前記複数のサブセルのそれぞれにDNAプローブ及び/又は試薬が収納され、前記各反応槽の前記各サブセル内で、前記生体試料と前記DNAプローブ及び/又は前記試薬との反応により生成する光を検出することを特徴とする生体試料検査装置。 - 請求項10に記載の装置において、選択された前記ピクセルの前記複数のフォトダイオードから信号を読み出す前記フォトダイオードを選択するフォトダイオード選択回路と、前記反応槽と前記ピクセルとが1対1で垂直方向で対応するように、前記試料プレートと前記光センサアレイ基板とを固定する部材を有し、選択された前記ピクセルに対応する前記反応槽の選択された前記サブセル内で、前記生体試料と前記DNAプローブ及び/又は前記試薬との反応により生成する光を、選択された前記ピクセルの選択された前記フォトダイオードにより受光して、選択された前記フォトダイオードから信号を読み出すことを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項10に記載の装置において、前記光センサアレイ基板に形成される、少なくとも2つの前記フォトダイオード選択回路を有し、相互に独立して複数の前記フォトダイオードが選択されることを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項10に記載の装置において、前記生体試料が前記反応槽に収納され、前記生体試料が収納される前記反応槽の前記複数のサブセル毎にそれぞれ異なる種類の前記DNAプローブが固定され、前記複数のサブセルにおいて、相補鎖結合により前記生体試料に結合された前記DNAプローブの相補鎖合成により生成するピロリン酸が、前記複数のサブセルの間で混合しないようにすることを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項10に記載の装置において、相補鎖合成の基質として複数塩基種又は核酸アナログを混合状態で前記各反応槽の前記各サブセルに供給する手段を有することを特徴とする生体試料検査装置。
- 請求項10に記載の装置において、前記DNAプローブ又は前記生体試料であるターゲットが固定されたカラーコードされたビーズが前記反応槽の前記複数のサブセルに固定され、前記ビーズに固定された前記DNAプローブに前記ターゲットを相補結合により捕獲し、あるいは、前記ビーズに固定された前記ターゲットにプラマーをハイブリダイズさせて、前記DNAプローブ又は前記プラマーの伸長を行う相補鎖合成により生成するピロリン酸をATPに変換し、前記ATPと発光物質との反応により生成する化学発光を、前記反応槽の前記複数のサブセル毎にそれぞれ検出すると共に、前記ビーズのカラーコードを読み取ることを特徴とする生体試料検査装置。
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