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JP3640278B2 - アッセイ装置およびそれを用いるアッセイ方法 - Google Patents

アッセイ装置およびそれを用いるアッセイ方法 Download PDF

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JP3640278B2
JP3640278B2 JP35464696A JP35464696A JP3640278B2 JP 3640278 B2 JP3640278 B2 JP 3640278B2 JP 35464696 A JP35464696 A JP 35464696A JP 35464696 A JP35464696 A JP 35464696A JP 3640278 B2 JP3640278 B2 JP 3640278B2
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智子 河原
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体状の試料、特に微量の液体状の生体試料を簡便に採取し、該試料中の特定物質(分析対象物質)を生物学的親和性を利用して、短時間に測定できる簡易アッセイ装置およびそれを用いた測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨床診断の分野において、家庭、診療室、診療所等での使用に適し、使用者の熟練や手間をほとんど必要としない免疫反応を測定原理とした簡易アッセイ装置が普及してきている。
【0003】
その一つの形態はクロマト法アッセイ装置である(特公平7−18876、特公平7−78503、特公平7−36017、特公平6−27738、特開平1−244370号公報などに開示されている。)。たとえば、アッセイ形式がサンドイッチ形式の典型例としては、液体が毛管現象で移動することができる多孔性のシート状ストリップの一部に、分析対象物質に特異的に反応する抗体が固定化されており、その上流に金コロイドなどの着色粒子で標識された分析対象物質に特異的な抗体(標識抗体)がストリップ上に固定されていない状態で配置(塗布・乾燥等により配置)されているクロマト法アッセイ装置があり、これに標識抗体の上流から液体試料を添加すると、試料はストリップ中の毛管を伝わって浸透し標識抗体を溶解し、さらに、標識抗体とともにストリップの抗体を固定化した部位を通過してストリップの下流に移動して、試料中に分析対象物質が存在する場合には、溶解した標識抗体と反応し、ついでストリップに固定化された抗体に「分析対象物質−標識抗体」複合体として捕獲される。未反応の標識抗体は下流に移動してしまうため、分析対象物質が存在する場合にだけストリップの抗体を固定化した部分に金コロイドによる着色が観察される。
【0004】
もう一つの形態はフロースルー法アッセイ装置である(特公平7−34016、特公平7−113637、特開平3−118473、特開平1−24768号公報などに開示されている。)。この装置は、分析対象物質に特異的に反応する抗体が固定化されていて液体が通過できる毛管を有する多孔性のメンブレンとその下面で毛管が連絡して接触している吸水用部品より構成される。メンブレンの上面から液体試料を添加すると、メンブレンを通過して吸水用部品に吸収され、その時、試料中に分析対象物質が存在する場合には、分析対象物質はメンブレンに固定化された抗体上に捕獲される。その後、西洋ワサビなどの酵素で標識した分析対象物質に特異的な抗体(標識抗体)を添加し、メンブレンに固定化された抗体上に捕獲された分析対象物質と反応させサンドイッチ複合体を形成させる。さらに、洗浄液でメンブレンの毛管中にある未反応の標識抗体を吸水用部品に吸収させた後、標識酵素により発色する基質液を添加することにより、メンブレンの抗体を固定化した部分に着色が観察される。
【0005】
ところで、液体状の生体試料中の物質を測定して診断を行う場合、その物質がある濃度以上あるいはある濃度以下であることをもって判断する。一方、これらの簡易アッセイ装置を用いた判定はストリップあるいはメンブレンに着色が観察されるか否かで行われ、着色が観察されるか否かは、添加した試料中の分析対象物質の絶対量で決まる。従って、生体試料中の分析対象物質の濃度に対応した正確な判定をするためには、スポイトやピペットなどを用いて一定の液量の試料を正確に装置に添加する必要がある。クロマト法の場合には抗体を固定化した部分より下流のストリップの面積を調節したり、吸水用の部材をストリップの端に付けることにより、試料を正確な液量で添加しなくとも抗体を固定化した部分を通過する試料液量をある程度調節できるが、ストリップや取り付けた吸収用部材を濡らすのに十分な比較的多量の試料を添加しなければならない。
【0006】
ところが、乳癌などでみられる異常乳頭分泌液や皮膚からの浸出液あるいは指先を直接刺棘して得られる血液などは微量しか採取できない。そのため、使用者はキャピラリーなどの特別な用具を使用して注意深く試料を扱わなければならず、正確な量の取り扱いには熟練を要した。従って、これらの試料を前記従来の簡易アッセイ装置に適用するのは難しかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、使用者が特別な注意を払わなくても簡便で正確に一定量の試料を採取して試験ができる簡易アッセイ装置を提供することを目的とする。また、本発明はこの様な簡易アッセイ装置を使用したアッセイ方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成した。すなわち、本発明は
【0009】
(1)生物学的親和性を利用したクロマト法あるいはフロースルー法に基づくアッセイ装置であって、液体状の試料に接触させることにより一定量の液体試料を採取できる第一の部材と、試料を採取した第一の部材を組み込むことにより試料を受けとることのできる第二の部材から構成され、試料を採取する時には第一の部材と第二の部材は毛細管で連結していないアッセイ装置、
【0010】
(2)第一の部材によって採取される液体状試料量が50μl以下である上記(1)に記載のアッセイ装置、
(3)第一の部材が、液体状試料を採取し保持するための平面、溝、くぼみまたは穴構造を有する上記(1)又は(2)に記載のアッセイ装置、
【0011】
(4)第一の部材が、吸収により液体状試料を採取するための吸水性材料を構成部品として有する上記(1)又は(2)に記載のアッセイ装置、
(5)吸水性材料が、繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、焼結体のいずれかである上記(4)に記載のアッセイ装置、
(6)吸水性材料が濾紙である上記(4)に記載のアッセイ装置、
【0012】
(7)クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材は少なくとも分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化された部位を有するクロマトグラフィー用基材を有し、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより、該クロマトグラフィー用基材の分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化された部位あるいはその上流から試料を該クロマトグラフィー用基材に浸透させることが可能になり、かつ、浸透した試料を該クロマトグラフィー用基材中を毛管現象によって下流に移動させることにより分析対象物質を測定する上記(1)から(6)のいずれかに記載のアッセイ装置、
【0013】
(8)クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材のクロマトグラフィー用基材上で、第一の部材を組み込む部位より上流の部位に、クロマトグラフィー用基材中を試料を移動させるための展開液を添加するための部位が設けられている上記(7)に記載のアッセイ装置、
【0014】
(9)クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材のクロマトグラフィー用基材が、分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化された部位を有する部分(A)と展開液を添加する部分(B)の少なくとも2つに分かれており、第一の部材が組み込まれるまでは部分(A)と部分(B)は毛細管でつながっておらず液体の移動はできないが、第一の部材を組み込むことにより液体の移動が可能になる上記(7)又は(8)に記載のアッセイ装置、
【0015】
(10)クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材のクロマトグラフィー用基材中を試料を移動させるための展開液を、第二の部材に組み込んだ第一の部材を介して添加する上記(7)に記載のアッセイ装置、
【0016】
(11)フロースルー法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材は少なくとも分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定された多孔性メンブレンとその下面に接している吸水用部品を有し、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより試料を該メンブレン上面から該メンブレン中に浸透させることができ、毛管現象によって該メンブレンを通過させ吸水用部品に吸収させることにより分析対象物質を測定する上記(1)から(6)のいずれかに記載のアッセイ装置、
【0017】
(12)フロースルー法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材は少なくとも吸水用部品を有し、第一の部材が分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定された多孔性メンブレンを構成部品として有し、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより第一の部材の多孔性メンブレンは第二の部材の吸水用部品と毛細管で繋がる上記(1)から(6)のいずれかに記載のアッセイ装置、
【0018】
(13)分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定するクロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンが、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、濾紙、ガラス繊維濾紙のいずれかからなる上記(7)から(12)いずれかに記載のアッセイ装置、
(14)生物学的親和性が免疫反応に基づく親和性である上記(1)から(13)いずれかに記載のアッセイ装置、
【0019】
(15)クロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンに固定化された物質が抗体または抗体断片であり、信号を得るための標識を結合した物質(標識結合体)として標識抗体を用い、クロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレン上にサンドイッチ複合体を作ることにより信号を得る上記(7)から(14)のいずれかに記載のアッセイ装置、
(16)信号を得るための標識が金属コロイド、非金属コロイドまたは着色ラテックス粒子であり、試料中の分析対象物質の検出あるいはその濃度測定を視覚的にあるいは色差計で行なうことができる上記(15)に記載のアッセイ装置、
【0020】
(17)上記(1)から(16)のいずれかに記載のアッセイ装置を使用して、液体状の試料中の分析対象物質を測定する方法、
(18)試料をクロマトグラフィー用基材中で展開させるあるいは多孔性メンブレンを通過して吸水用部品に吸収させるために、試料以外に別に用意した展開液を用いる上記(17)に記載の方法、
【0021】
(19)展開液が標識物質を含有する溶液である上記(18)に記載の方法、
(20)試料が乳頭分泌液、皮膚からの浸出液、又は血液である上記(17)から(19)のいずれかに記載の方法、
(21)分析対象物質が乳頭分泌液中のCEA、NCC−ST−439、ヘモグロビンのいずれかである上記(17)から(20)のいずれかに記載の方法、
(22)乳癌検診用の上記(1)から(16)のいずれかに記載のアッセイ装置、
に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明において、クロマト法に基づくアッセイ装置とは、その特定部位に分析対象物質あるいは分析対象物質に結合する物質が固定化されたクロマトグラフィー用基材中を毛管現象により試料を移動させ、試料中の分析対象物質、標識をつけたこれと結合することができる物質あるいは標識をつけた分析対象物質の該特定部位での捕獲を検出することにより試料のアッセイを行なう装置をいう。なお、この検出は、該特定部位で直接行なうことができるが、場合によってはその下流において行なうこともできる。
又、フロースルー法に基づくアッセイ装置とは、分析対象物質あるいは分析対象物質に結合する物質が固定化された多孔性メンブレンの上面から下面に試料を通過させ、試料中の分析対象物質、標識をつけたこれと結合することができる物質あるいは標識をつけた分析対象物質の該メンブレンでの捕獲を検出することにより試料のアッセイを行なう装置をいう。
【0023】
生物学的親和性としては、抗原−抗体相互作用やハプテン−抗体相互作用のような免疫反応に基づく親和性や、糖蛋白質を含む糖−レクチン相互作用、ホルモンなどの生理活性物質−レセプター相互作用、相補的な核酸オリゴマー間の相互作用などが挙げられる。特に好ましくは免疫反応に基づく親和性である。以下、免疫反応に基づく親和性を利用したアッセイ装置を例にとり説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
測定形式としては、例えばP.TIJSSENの「エンザイムイムノアッセイ(生化学実験方法11、東京化学同人、1989年)」297〜314ページに記載されるような抗体あるいは抗原を固定化した固相を用いる種々の公知の形式を用いることができる。
【0025】
その代表例としては、「従来の技術」の項で説明したサンドイッチ形式がある。
また、結合阻害形式あるいは競合形式も用いることができる。クロマト法による結合阻害形式の例としては、液体が毛管現象で移動することができる多孔性のシート状ストリップの特定部位に、測定対象である抗原が固定化されており、その上流に金コロイドなどの着色粒子で標識された標識抗体がストリップ上に固定されていない状態で配置(塗布・乾燥等により配置)されている。標識抗体の上流から液体状試料(液体試料)を添加すると、試料はストリップ中の毛管を伝わって標識抗体を溶解し、さらに、ストリップの抗原を固定化した部位を通過して下流に移動する。試料中に抗原が存在するとき、標識抗体は試料中の抗原と先に反応するので、ストリップに固定化した抗原とは反応できない。そのため抗原固定化部位に着色は観察されず、抗原固定化部位の下流に着色が観察される。試料中に抗原が存在しないときには、標識抗体は固定化した抗原に捕獲されるため、抗原固定化部位に着色が観察され、抗原固定化部位の下流には着色が観察されない。
【0026】
クロマト法による競合形式の例としては、多孔性のシート状ストリップの特定部位に測定対象である抗原に対する抗体が固定化されており、その上流に金コロイドなどの着色粒子で標識された標識抗原がストリップ上に固定されていない状態で配置(塗布・乾燥等により配置)されている。標識抗原の上流から液体試料を添加すると、試料はストリップ中の毛管を伝わって標識抗原を溶解し、さらに、ストリップの抗体を固定化した部位を通過して下流に移動する。試料中に抗原が存在するとき、固定化した抗体は試料中の抗原と反応し、標識抗原との反応は妨害される。従って、ストリップの抗体固定化部位に着色は観察されず、抗体固定化部位の下流に着色が観察される。試料中に抗原が存在しないときには、固定化した抗体に標識抗原が捕獲されるため、抗体固定化部位に着色が観察され、抗体固定化部位の下流には着色が観察されない。
【0027】
また、試料中に存在する特定の抗原に対する抗体を検出する場合には、抗原を固定化した多孔性膜と標識した抗抗体を用いれば、抗体が存在すれば、抗原を固相化した部分に着色が観察される。
【0028】
本発明において、液体状の試料としてあらゆる形態の溶液やコロイド溶液などが使用できる。好ましくは生体由来の試料、例えば血液、血漿、血清、尿、脳脊髄液、唾液、羊水、乳、乳頭分泌液、涙、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞および便からの抽出液等が挙げられる。特に好ましくは、微量しか採取できない、乳頭分泌液、皮膚からの浸出液、皮膚を直接刺棘して得られる微量の血液などが挙げられる。
【0029】
本発明のアッセイ装置は、液体状の試料に接触させるだけで一定量の試料を採取できる第一の部材を必須の構成要素として含んでいる。従って、使用者は一定量の試料を採取しアッセイ装置に添加するために、ピペットやスポイトなどの採取用具を使用して注意深く目盛りを読んで採取量の確認を行ったり、マイクロピペットなどの採取用具の目盛りを調節して採取量の設定を行ったりするような特別の操作を必要としない。この様な採取部材は微量の試料に対して特に有効である。微量の試料は試験管などの容器に移してから一定量採取しようとすると、その間に試料のロスがおこり、必要量を採取することができなくなってしまう。通常は容器に移し替えることなく、身体などの試料を採取する部分から直接簡易アッセイ装置に一定量採取することが要望され、本発明のアッセイ装置はそれに対応したものであるが、もちろん、試験管などの別の容器に取った試料にも適用できることは言うまでもない。
【0030】
第一の部材に一定量の液体試料を採取する機能を保持させるためには種々の方法を用いることができ、そのために第一の部材は種々の材質のものを用いることができ、種々の形状にすることができる。身体などから直接採取するために指などで摘むための形状部分が付加されていて良い。例えば液状試料の界面現象による濡れを利用して固体表面に一定量採取する場合、採取部分が一定の表面積を持つ平面からなる形状、円や多角形などの適当な形のくぼみまたは穴(反対側まで突き抜けていて両端で開口していても、途中で行き止まりになっていても良い)を有する形状、適当な形の溝を有する形状などをもつプラスチック、金属、ガラス等の成形体を第一の部材とすることができる。
【0031】
試料採取部分が平面である場合、この平面はクロマト法のストリップ(クロマトグラフィー用基材)あるいはフロースルー法のメンブレンの幅を超えない大きさとする。形態は円形、楕円形、正方形、長方形等のいずれでも良い。幅および長さは通常2〜30mm、好ましくは3〜20mm、より好ましくは4〜15mmである。試料採取部分がくぼみ又は穴である場合、その断面の幅はクロマト法のストリップあるいはフロースルー法のメンブレンの幅よりも小さいものとし、通常0.1〜10mm、好ましくは0.2mm〜5mm、より好ましくは0.4mmから3mmであり、その深さは通常0.05mm〜30cm、好ましくは0.1mm〜20cm、より好ましくは0.2mm〜15cmである。試料採取部分が溝の構造の場合、その溝は表面張力で液状試料を保持できる大きさであるが、溝の断面の形態は特に限定されない。溝の長さはクロマト法のストリップの幅を超えない長さが好ましく、溝の断面が長方形の形態では、溝の幅および深さは通常0.05〜5mm、好ましくは0.1〜4mm、より好ましくは0.2〜3mmである。
【0032】
また、吸水性材料を構成部品として第一の部材を作製することができる。吸水性材料として、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリアおよびアルミナ等のセラミック微粒子や有機高分子の微粒子、セルロースやその誘導体、デキストラン誘導体、アガロース誘導体、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸およびポリビニルアルコール−ポリアクリル酸複合体等の多孔質ゲル、多孔性構造を有する金属や無機材料あるいは有機材料の焼結体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体等の繊維マトリクスや多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等があげられる。微粒子はそれ自体が多孔性でなくとも、充填された状態では微粒子間に空隙が生じ、毛管現象により液体試料を採取できる。
【0033】
これらの吸水性材料は、一定の厚みを持った薄い膜の形で使用することができる。液体試料を一定量吸収させるため、膜の体積は一定にしなければならないが、その吸水量は膜の空隙率、厚さ、ポアサイズ等の影響を受ける。クロマト法のストリップあるいはフロースルー法のメンブレンの幅よりも小さいものであるのが望ましい。形状は円形、楕円形、正方形、長方形等のいずれでも良い。膜の幅および長さは通常1〜30mm、好ましくは2〜20mm、より好ましくは3〜15mmである。また、厚さは通常0.01〜5mm、好ましくは0.02〜4mm、より好ましくは0.05〜3mmである。
【0034】
これらの材料は濡れ特性を良くするために界面活性剤などで処理したり、牛血清アルブミンやカゼインなどで処理して試料中の分析対象物質が吸着しないようにしておくこともできる。また、試料が採取されたことを知らせるために水分によって色の変化する物質、例えば無水硫酸銅等を含浸させておくこともできる。これらの材料は、保持するためのプラスチック等でできた容器や支持体とともに使用することもできる。微粒子や多孔質ゲルは必要に応じ適当な水透過性の膜で挟むなどして保持することもできる。
【0035】
本発明の第一の部材は、50μlを超える多量の試料を採取するためにも用いることができるが、50μl以下の試料の採取に適しており、特に20μl以下の試料の採取に有用である。試料の好適な採取量は0.1〜20μlであり、特に好ましい採取量は0.5〜10μlである。
【0036】
第一の部材で採取した液体試料は、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより、第二の部材のクロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンに移すことが可能になる。第二の部材はクロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンを含み、その他にそれを収納するケースなどから構成されていて良い。第一の部材と第二の部材は試料採取時には毛細管で連結しておらず、第一の部材から第二の部材に液体の移動はできないようになっていなければならない。第一の部材と第二の部材は完全に独立していてもよいし、同一のケースに納められてはいるが、第一の部材と第二の部材のクロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンは毛細管で繋がっておらず分離していて、どちらか一方を動かして繋げる構造にしてもよい。
【0037】
本発明の第二の部材がクロマト法による場合、第二の部材は毛管現象により試料や非固定化試薬を必要により展開液を用いて移動させることのできるクロマトグラフィー用基材を有し、少なくとも分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が該基材の特定部位に固定化されている。該基材の形状は一般的には長方形であるが、液体の展開を均一にするために切れ込みを入れたり、ジグザグの形状にしたりすることもできる。
【0038】
クロマトグラフィー用基材としては、ペーパークロマトグラフィーに用いる織った繊維状物質、織ってない繊維状物質あるいは多孔性膜状物質や薄層クロマトグラフィーに用いる微粒子物質がある。より具体的にはシリカ、チタニア、ジルコニア、セリアおよびアルミナ等のセラミック微粒子や有機高分子の微粒子、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ニトロセルロースや酢酸セルロースなどのセルロース誘導体等の繊維マトリクスや多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙紙、布、綿等があげられる。好ましくはナイロンやセルロース誘導体の多孔性膜や濾紙、ガラス繊維濾紙等であり、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙である。多孔性膜や濾紙の有する細孔径は0.1μm以上、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜20μmである。また、強度を増大させるために水不透過性のプラスチック等で裏打して使用することもできる。
【0039】
クロマトグラフィー用基材の寸法は感度、時間、試料の使用量を考慮して決定する必要がある。好ましい長さは、通常約2〜40cm、好ましくは3〜25cm、より好ましくは4〜20cmであるが、クロマトグラフィー用基材が検出部と標識物質添着部の間で分離している場合には、それぞれのクロマトグラフィー用基材の長さは前記寸法の半分程度が望ましい。また、幅は通常2〜30mm、好ましくは3〜20mm、より好ましくは4〜10mmである。
【0040】
分析対象物質としては、抗原、ハプテン、糖蛋白質を含む糖、ホルモン等の生理活性物質、核酸オリゴマー等種々のものが挙げられ、又これと生物学的親和性により結合する抗体、レクチン、レセプター、核酸オリゴマー等も分析対象物質として挙げられる。即ち、これらは分析対象物質となりうるし、又、分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質にもなりうる。分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質のうち好ましいものは抗体である。抗体は、IgG,IgM、IgA、IgE、IgD、IgY抗体のうちの1種または2種以上の混合物であってもよく、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のどちらでも使用できる。抗体はペプシンやパパイン等の酵素処理や還元等の化学処理により、F(ab’)2 、Fab’、Fabの様な抗体断片にして使用することもできる。抗体は周知の方法で、ウサギ、モルモット、マウス、ヤギ、ヒツジ、ウマなどの哺乳動物や、ニワトリ、アヒル、ガチョウなどの鳥類に抗原や、ハプテン等を免役して得られるものや、細胞融合などの技術を用いて得られるものでよく、また、モノクローナル抗体はマウス腹水や培養上清等より得られるものであって良い。
【0041】
抗体のクロマトグラフィー用基材への固定化は直接的または間接的に行われる。直接的固定化としては物理吸着を利用しても良いし、共有結合によって固定しても良い。一般にニトロセルロース膜、または混合ニトロセルロースエステル膜の場合、物理吸着で行うことができる。共有結合するための試薬としては一般的に臭化シアン、グルタルアルデヒドおよびカルボジイミド等が用いられるが、これらに限定されるものではない。間接的な固定化としては不溶性微粒子に抗体を結合させた後に多孔性膜やガラス繊維濾紙などに固定化する方法がある。微粒子への抗体の固定化には物理吸着、共有結合のいずれの方法も用いることができる。微粒子の粒径は多孔性膜に補足されるが移動できないサイズのものを使用して多孔性膜に固定化する。これらの粒子としては抗原抗体反応に使用されるものが種々知られており、本発明でもこれら公知の粒子が特に限定されずに使用できる。例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体などの乳化重合法によって得られる有機高分子ラテックス粒子などの有機高分子物質の微粒子、ゼラチン、ベントナイト、アガロース、架橋デキストランなどの微粒子、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナなどの無機酸化物や無機酸化物にシランカップリング処理などで官能基を導入した無機粒子等が挙げられる。
【0042】
抗体を固定化した後、クロマトグラフィー用基材は、試料中の妨害物質による干渉を防ぐために必要に応じて公知の方法でブロッキング処理を行うことができる。一般にブロッキング処理はウシ血清アルブミン、スキムミルク、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質、ツイーン20、トリトンX−100、SDS等の界面活性剤、ポリビニルアルコール、エタノールアミンなどのうちの1つまたは2つ以上を組み合わせて行われる。ブロッキング処理を必要としないエタノールアミン基を導入した濾紙等も本発明では使用できる。
【0043】
クロマトグラフィー用基材への分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質の固定化には、いろいろな方法が使用可能である。例えば、マイクロシリンジ、調節ポンプ付きペン、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、転写プリント、インキ噴射印刷等いろいろな印刷技術が使用可能である。形態としては特に限定されないが、円形のスポットやクロマト方向に垂直にのびるラインとして固定化することができる。さらに、半定量を可能にするため複数の固定化部位を設けたりすることも可能である。さらに試料中の複数の分析対象物質を検出するために複数の物質を固定化することも可能である。
【0044】
本発明のアッセイ装置を使用して試料中の分析対象物質を測定する際に、第一の部材は、第二の部材のクロマトグラフィー用基材の分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定化した部位あるいはその上流部位に、試料が第二の部材のクロマトグラフィー用基材に毛管現象により移動できるように組み込まれる。第二の部材のクロマトグラフィー用基材をケースに収納する場合は、クロマトグラフィー用基材の検出結果表示部分は直接観察できるようにケースに窓を設ける。クロマトグラフィー用基材の結果検出部分はサンドイッチ形式では分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定化した部位にあり、競合あるいは阻害形式の場合は分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定化した部位あるいはその下流に設ける。
【0045】
第二の部材は分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定化した部位を有するクロマトグラフィー用基材やそれを納めるケース以外に、クロマトグラフィー用基材中を展開する液量を調節したり血液中から血球や特定の成分を除去するための部品等を含んで構成することもできる。例えばクロマトグラフィー用基材中を展開する液量を調節するため該クロマトグラフィー用基材の上流及び/又は下流側末端の先にあるいは上流及び/又は下流側末端部分の上側及び/又は下側に重ねて、毛管が連絡している状態で別の吸水性材料(吸水用部品)を繋げることもできる。
【0046】
第一の部材による試料採取量が微量の場合、試料は第一の部材あるいは第二の部材のクロマトグラフィー用基材中の一部分に留まり、十分クロマトグラフィー用基材中を移動することができない。その場合は、試料を移動させるための展開液を別に使用する。展開液を添加するための部位は第二の部材の第一の部材を組み込む部位の上流に設置することができる。展開液を添加する部位はクロマトグラフィー用基材上でも、又、その上流側末端の先にあるいは上流側部分の上側に重ねて繋げた吸水用部品の部分でもよい。又、第一の部材を介して添加することもできる。更に、展開液を適当な容器に入れて、第一の部材あるいは第二の部材の構成部品の一つとして用いることもできる。
【0047】
第一の部材の試料採取部分が濾紙や多孔性膜等の吸水性材料である場合、採取した試料を完全に移動させるために、第二の部材のクロマトグラフィー用基材を分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化された部位を有する部分(A)と展開液を添加する部分(B)の少なくとも2つに分け、部分(A)と部分(B)が第一の部材を組み込むことにより毛細管でつながるようにするのが好ましい。部分(A)および(B)に用いるクロマトグラフィー用基材は同一であっても異なっていても良い。
【0048】
また、第一の部材から展開液を入れられる構造にし、第一の部材を介して第二の部材のクロマトグラフィー用基材に展開液を添加する方法も、採取した試料を完全に第二の部材のクロマトグラフィー用基材に移すことができるので好ましい。
【0049】
展開液としては一般的に使用される緩衝液が使用できる。例えばリン酸、トリス−塩酸、酢酸、ホウ酸、炭酸、グッドの緩衝塩類を含む緩衝液などが使用でき、食塩などを添加して使用することもできる。また、生物学的親和性に基づく反応を制御したり、非特異的反応を抑制するために公知の添加剤も使用できる。例えば、抗原抗体反応の促進あるいは非特異反応の抑制のために牛血清アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質、ポリエチレングリコール、デキストラン、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の高分子化合物や、ツイーン20、トリトンX−100などの非イオン性界面活性剤や他のイオン性界面活性剤、デキストラン硫酸、ヘパリン、ポリスチレンスルホン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のポリアニオンまたはその塩など、アジ化ナトリウム、チメロサール、ケーソンCG、長鎖アルキル4級アンモニウム塩などの抗菌剤などを添加することもできる。
【0050】
本発明のアッセイ装置がフロースルー法による場合、その一つの形態においては、第二の部材は分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化された多孔性メンブレンとその下面に接している吸水用部品を含む。多孔性メンブレンとしては、例えば濾過用メンブレンとして使用されているメンブレンが使用でき、例えば前記クロマトグラフィー用基材として挙げた繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。又、吸水用部品としては、前記第一の部材で記載した吸水性材料を使用することができる。この形態のアッセイ装置を目視による判定に使用する場合は、分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化される面積は繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等の多孔性メンブレンの目で見える面積より小さいことが好ましいが、特に限定されるものではない。分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定化する方法およびブロッキング処理する方法はクロマト法と同様な方法を用いることができる。
【0051】
試料を採取した第一の部材は第二の部材に組み込み、第一の部材の試料採取部分を第二の部材の分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化した繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等の多孔性メンブレンと接触させることにより、試料は第二の部材の多孔性メンブレンを通過して吸水用部品まで移動できるようになる。試料を移動させるために、第一の部材を介して展開液を添加することができる。展開液としてはクロマト法と同様な溶液を用いることができる。
【0052】
フロースルー法の他の形態は、第一の部材の吸水性材料自体が分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化した繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等の多孔性メンブレンであるか又はこれを含んで構成され、第二の部材は吸水用部品を必須の要素として構成される。生物学的親和性に基づく反応は試料採取と同時に起こる。第一の部材を第二の部材に組み込み、繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等の多孔性メンブレンを吸水用部品に接触させ、必要により第一の部材を介して展開液を添加することにより、試料は第二の部材の吸水用部品に吸収させることができる。
【0053】
フロースルー法の場合にも、第二の部材は上記の分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質が固定化した繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等の多孔性メンブレンや吸水用部品の他に、必要に応じそれを納めるケース等とともに構成することができる。
【0054】
フロースルー法の多孔性メンブレンは円形、楕円形、正方形、長方形等いずれの形態でも使用できる。幅および長さあるいは径は通常2〜100mm、好ましくは3〜80mm、より好ましくは4〜50mmである。吸水用部品は多孔性メンブレンより大きく、多孔性メンブレンの全面が接触する面積を有することが好ましく、また、試料又は試料及び展開液を完全に吸収するために十分な体積を有することが好ましい。吸水用部品の吸水能力は通常0.1〜50mL、好ましくは通常0.3〜20mLである。
【0055】
本発明のアッセイ装置は、サンドイッチ形式や結合阻害形式あるいは競合形式で試料中の分析対象物質を測定するが、分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質と任意の手段により信号を取り出せる物質(標識)を結合した標識結合体を用いる。標識としては、ラジオアイソトープ、酵素、蛍光物質、有色又は着色粒子などがある。肉眼での色調観察、色差計を用いた色濃度の測定、発光強度や蛍光強度の測定などが可能であるが、特別な装置を使用せずに肉眼によって結果を知るためには、発色基質との反応によって着色を得ることのできる酵素やそのまま着色が観察できる有色又は着色粒子による標識が好ましい。
【0056】
酵素としては、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ等があり、例えば石川栄治らの「酵素免疫測定法第3版(医学書院、1987年)」に記載されるような公知の方法により標識結合体を調製することができる。また、それぞれの酵素に対応する発色基質も公知のものが使用でき、場合によっては第二の部材の構成部品に含浸させておくこともできるし、あるいは後から添加することもできる。また、発色反応の前に多孔性メンブレンやクロマトグラフィー用基材中に残留する酵素結合体を除くために洗浄液などを添加することもできる。
【0057】
有色又は着色粒子としては金、銀、白金、プラチナ、銅のような金属コロイド、酸化鉄のような金属酸化物コロイド、硫黄、セレン、テルルなどの非金属コロイド、顔料粒子、ラテックス粒子を染色したもの、リポソームなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。有色又は着色粒子が毛管現象によりクロマトグラフィー用基材を移動したり濾過用メンブレンを通過するためには、粒子径が毛管より小さい必要があり、平均粒径は1μm以下、とくに0.5μm以下であることが好ましい。有色又は着色粒子に分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を結合するには、物理吸着や化学結合などの公知の方法が使用できる。例えば、金コロイドに抗体を結合した金コロイド標識抗体は、金コロイド溶液に抗体を加えて物理吸着させた後、牛血清アルブミン溶液を添加して金コロイドの抗体未結合表面をブロックすることにより調製される。
【0058】
標識結合体は、第二の部材の構成部品に含まれる試薬としてクロマトグラフィー用基材や多孔性メンブレンに塗布・乾燥等により配置させることもできるし、標識結合体液として後から添加することもできる。また、前記展開液に加えて使用することもでき、標識結合体液を別に単独で用意するより、展開液に加えて用いる方が好ましい。標識結合体を塗布・乾燥等により配置する場合、分析対象物質あるいは分析対象物質と生物学的親和性により結合する物質を固定化したクロマトグラフィー用基材や多孔性メンブレンに含浸又は塗布・乾燥により配置させても良いし、別途作成した標識結合体含有物をクロマトグラフィー用基材や多孔性メンブレンに毛細管で繋がるようにして配置しても良い。また、液体試料や展開液などにふれたときの再溶解性を好くするために、あらかじめサッカロース、マルトース、ラクトース等の糖類、マンニトール等の糖アルコールをクロマトグラフィー用基材又は多孔性メンブレンにコーティングしておくことも可能である。標識結合体を配置するためには、マイクロシリンジ、調節ポンプ付きペン、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、転写プリント、インキ噴射印刷等いろいろな印刷技術が使用可能である。
【0059】
なお、分析対象物質が酵素や酵素活性物質である場合には、標識結合体を必要としない場合がある。例えば、ヘモグロビンはペルオキシダーゼ活性を有しており、酵素活性を阻害しない固定化された抗ヘモグロビン抗体に捕獲されたヘモグロビンは、ジアミノベンジジンやテトラメチルベンジジン等と過酸化水素よりなる発色液を使用して検出できる。本発明のアッセイ装置はこのような場合に使用するものも含まれる。
【0060】
本発明のアッセイ装置には、測定操作が完全に行われたことを確認するための公知の機能を付与することができる。例えば、標識抗体がマウス抗体の場合にクロマトグラフィー用基材上の分析対象物質を検出する部位の下流に抗マウス抗体を固定化しておくと、操作が完全に行われた場合には、その部分に信号を得られる。また、溶液が展開する末端の部位あるいは吸収されて濡れた先端の部分に水と接触すると発色が出る無水金属塩などを含浸させておくと、測定操作完了時に発色が観察できる。
【0061】
本発明のアッセイ装置は尿や静脈より採取した血液、血清、血漿等を試料としても使用できるが、特に有用なのは微量にしか採取できない乳頭分泌液や皮膚を刺棘して得られる微量の血液、皮膚からの浸出液等である。中でも近年乳癌は増加傾向にあり、触診などでも判らない場合もあり、簡便なスクリーニング方法が求められていた。乳癌では乳頭からの異常な分泌液が観察される場合があり、乳頭分泌液中のCEA(癌胎児性抗原)やNCC−ST−439抗原等が増加することが知られている。また、良性疾患でも乳頭分泌液が観察される場合があるが、乳癌の場合には血性である場合が多く、ヘモグロビンにより血性の有無が判定できる。本発明のアッセイ装置およびアッセイ方法は乳頭分泌液中のCEA(癌胎児性抗原)、NCC−ST−439抗原、ヘモグロビンの検出に対して特に有用である。
【0062】
本発明のアッセイ装置を用いる場合、第一の部材の平面、溝、くぼみまたは穴等の構造を有するかもしくは吸水性材料からなる試料採取部分を試料に直接接触させるだけで一定量の試料を採取でき、試料を採取した後第一の部材を第二の部材に組み込み、必要により展開液等を添加するだけで、試料中の分析対象物質の検出を容易に行なうことができ、本発明のアッセイ装置は極めて簡易なアッセイ装置である。特に、今までは簡易な装置で行なうことが非常に難しかった微量にしか採取できない試料の分析を、本発明の簡易なアッセイ装置を用いることにより容易に実施することができる。
【0063】
以下に、具体的な簡易アッセイ装置の例を図によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
図1はクロマト法による簡易アッセイ装置の一例の概略図である。簡易アッセイ装置は、試料採取部分として半円形の溝を有するプラスチック成形体1からなる第一の部材と構成部品をプラスチック製ケース2に納めた第二の部材からなる。プラスチック製ケース2は展開液添加口3、第1の部材を組み込み試料を添加する試料添加口4および判定窓5を有する。図2は図1で示した簡易アッセイ装置の第2の部材の側断面図である。クロマト用ストリップ6は両面テープ7でケース2に接着されている。クロマト用ストリップ6の最上流で展開液添加口3の直下と、最下流の位置には吸水用部品8、9を置き、ケースによって固定されている。クロマト用ストリップ6は判定窓5の直下に抗体を固定化した部位を有し、さらに展開液添加口3の下流で試料添加口4の上流の位置に金コロイド粒子標識抗体添着部10を有する。試料を採取した第一の部材を試料添加口4に組み込むと、試料はクロマト用ストリップ6に吸収される。展開液添加口3から添加された展開液により金コロイド粒子標識抗体と試料がクロマトされる。試料に分析対象物質が含まれる場合、金コロイドの着色が判定窓5より観察できる。
【0065】
図3はクロマト法による簡易アッセイ装置の別の一例の概略図である。第一の部材はプラスチック製の持ち手部分11に吸水性材料12からなる試料採取部分が接着されている。第二の部材は展開液添加口14、第一の部材を組み込み試料を添加する試料添加口15および判定窓16を有するプラスチック製ケース13に構成部品が納められている。図4は図3で示した簡易アッセイ装置の第二の部材の側断面図である。抗体固定化ストリップ17と金コロイド粒子標識抗体ストリップ18は両面テープ110でケース13に接着されている。金コロイド粒子標識抗体ストリップの最上流で展開液添加口14の直下と、抗体固定化ストリップの最下流の位置には吸水用部品111、112が置かれ、ケースによって固定されている。抗体固定化ストリップ17は判定窓16の直下に抗体を固定化した部位を有し、金コロイド粒子標識抗体ストリップ18は展開液添加口14の下流で試料添加口15の上流の位置に金コロイド粒子標識抗体添着部19を有する。金コロイド粒子標識抗体ストリップ18と抗体固定化ストリップ17は第一の部材が組み込まれた時、その吸水性材料12がそれらと一部分重なって毛管で繋がるように分離して配置されている。試料を採取した第一の部材を試料添加口15に組み込み、展開液添加口14より展開液を添加すると、試料中に分析対象物質が存在する場合は、金コロイドの着色が判定窓16より観察できる。
【0066】
図5もクロマト法による簡易アッセイ装置の一例の概略図である。第一の部材は中空のプラスチック材料21に吸水性材料22を固定し、展開液添加口210を有する。第二の部材は第一の部材を組み込む試料添加口24と判定窓25を有するプラスチック製ケース23に構成部品が納められている。図6は図5で示した簡易アッセイ装置の側断面図である。抗体固定化ストリップ26は両面テープ27でケース23に固定されている。抗体固定化ストリップの最上流と最下流には吸水用部品28、29がケースによって固定されている。抗体固定化ストリップ26は判定窓25の直下に抗体を固定化した部分を有する。試料を採取した第一の部材は第二の部材の試料添加口24に組み込まれる。金コロイド粒子標識抗体を含む展開液を第一の部材の展開液添加口210より添加すると、展開液とともに試料はクロマトされ、試料中に分析対象物質が含まれる場合は金コロイドの着色が判定窓25より観察できる。
【0067】
図7はフロースルー法による簡易アッセイ装置の一例の概略図である。第一の部材はシリンダー状のプラスチック成形体31に円形の濾紙32がはめ込まれている。第二の部材は第一の部材を組み込む開口部33および空気抜き穴36を有する。図8は図7で示した簡易アッセイ装置の側断面図である。第二の部材はプラスチック成形体34に抗体固定化メンブレン35を抗体が固定化された部分がプラスチック成形体の開口部33の中心にくるように挿入し、さらに厚手の濾紙を重ねて作製した吸水用部品37を挿入し、プラスチック成形体34の開口部33と抗体固定化メンブレン35および抗体固定化メンブレン35と吸水用部品37が完全に密着し、展開液を開口部から添加しても周りに漏れずに抗体固定化メンブレン35を通過して吸水用部品37に吸収されるように下から蓋38がしてある。試料を採取した第一の部材を開口部33に組み込み、濾紙32と抗体固定化メンブレン35を密着させる。金コロイド粒子標識抗体を含む展開液標識抗体を第一の部材の展開液添加口39から添加する。展開液を完全に吸収させた後、さらに洗浄液を加えて吸収させる。その後、第一の部材を取り除くと、試料中に分析対象物質が含まれる場合、抗体固定化メンブレン35の抗体固定化部位に金コロイドの着色が観察できる。
【0068】
図9はフロースルー法による簡易アッセイ装置の別の一例の概略図である。抗体固定化メンブレン42を抗体を固定化した部分を中心に円形に切り抜いてシリンダー状のプラスチック成形体41に固定し第一の部材とする。第二の部材は第一の部材を組み込む開口部43および空気抜き穴44を有する。図10は図9で示した簡易アッセイ装置の第一および第二の部材の側断面図である。第一の部材はプラスチック成形体45に厚手の濾紙を重ねて作製した吸水用部品46を挿入し、プラスチック成形体45の開口部に吸水用部品46が完全に密着するように下から蓋47がしてある。試料を採取した第一の部材を第二の部材に組み込み、抗体固定化メンブレン42を吸水用部品46に密着させる。金コロイド粒子標識抗体を含む展開液を第一の部材の開口部48から添加し、展開液が完全に吸収されるまで待つ。さらに洗浄液を添加し吸収させる。試料に分析対象物が含まれる場合、抗体固定化部位に着色が観察できる。
【0069】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0070】
実施例1 クロマト法に用いる採取装置(第一の部材)の作製と試料採取量の測定
(1)プラスチック成形体による採取装置の作製
図1の1に示すように、先端が厚さ2mm、幅3mmで半径1mmの半円柱の溝を彫り込んだプラスチック成形体を作製し、採取装置とした。
(2)濾紙による採取装置の作製1
図3に示すように、東洋濾紙社製の濾紙No.50を4×6mmの長方形にカットし(図中の12)、4×6mmの底面有するプラスチック成形体11の底面に両面テープで貼り付け、採取装置とした。
(3)濾紙による採取装置の作製2
図5および図6に示すように、ワットマン社製の濾紙31ET Chrを4×6mmの長方形にカットし(図中の22)、外形6×8mmのプラスチック成形体(高さは10mm)21に接着し、採取装置とした。
【0071】
(4)試料採取量の測定
7%BSA水溶液をパラフィルム上に滴下して液滴とし、試料採取装置(第一の部材)の試料採取部分を液滴に接触させた。接触させる前の重量と接触後の重量を測定し、その差から試料採取量を求めた。測定は10回繰り返し再現性を求めた。なお(2)および(3)の採取装置では接触後の重量を量る前に濾紙に軽く押しつけ、余分な液を吸い取った。結果を表1に示す。使用した採取装置で採取量は異なるが、各採取装置とも良好な再現性が得られた。
【0072】
【表1】
Figure 0003640278
【0073】
実施例2 クロマト法によるCEA標準液および乳頭分泌液中CEAの測定1
(1)金コロイドの調製
濃度0.01重量%の塩化金酸水溶液200mlを沸騰させ、これに濃度1重量%のクエン酸ナトリウム水溶液3mlを加え、溶液の色が赤色に変わるまで加熱沸騰を行い、平均粒径25nmの金コロイド分散液を調製した。
【0074】
(2)金コロイド粒子標識抗体の調製
上記の金コロイド分散液10mlに0.1M塩酸−炭酸カリウム緩衝液pH9.0を0.5ml加えてpHを調整し、これにウサギ抗ヒトCEA抗体を、金コロイド分散液1mlあたり30μgとなるように加えて室温で1時間緩やかに振とうした。その後、その10mlに8重量%BSAを含む2mMホウ酸緩衝液pH9.0を1.5ml加え、室温で30分間緩やかに振とうした。さらに、この分散液を4℃で10,000rpm1時間遠心して上清を除いた後、得られたペレットに濃度1重量%のBSAを含む2mMトリス−塩酸緩衝液pH7.6を10ml加えて再懸濁した。同様にして遠心操作をさらに2回繰り返した後、上記トリス−塩酸緩衝液にてOD(520nm)=20になるように再懸濁して金コロイド粒子標識抗体を調製した。
【0075】
(3)クロマト用ストリップの作製
50mMリン酸生理食塩水pH7.2に溶解したマウス抗CEAモノクローナル抗体(濃度1.2mg/ml)を5×50mmに切断したミリポア社製ニトロセルロースメンブレン(ハイフローメンブレン、マイラーバック)の図1で示す検出部位5に相当する位置に幅1mmのライン状に添着し風乾した。その後、濃度5重量%カゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2に室温で2時間浸漬し、再び風乾した。さらに図2の10の位置に相当する部位に5重量%のサッカロースを添加した(2)で調製した金コロイド粒子標識抗体液を5μlずつ、乾燥させながら2回添着し、クロマト用ストリップを作製した。
【0076】
(4)クロマト装置(第二の部材)の作製
第二の部材は図1に示すように、展開液添加口3、第一の部材を組み込み試料を添加する試料添加口4および判定窓5を有するポリエチレン製ケース2にその構成部品を納めて作製した。図2示すように、上記(3)で作製したクロマト用ストリップ6のマイラーバックの面を両面テープ7でケース2に接着し、その両端(展開液添加口3の直下と最下流の位置)に、ワットマン社製ガラス繊維濾紙GF/D 5×8mmを吸水用部品8,9として置き、ポリエチレン製ケースにより吸水用部品をクロマト用ストリップの上に固定しクロマト装置とした。
【0077】
(5)測定
標準液として濃度0、200、400、1000、3000ng/mlのCEAと濃度1重量%のBSAを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2及び乳癌患者の乳頭分泌液をパラフィルム上に滴下して液滴とし、実施例1の(1)で示した採取装置(第一の部材)を用いて採取した。採取装置をクロマト装置(第二の部材)の試料添加口4に組み入れ、展開液として50mMリン酸生理食塩水pH7.2を100μl展開液添加口3から吸水用部品8の上に添加し、10分後に判定を行った。結果は表2に示す。標準液のCEA濃度400ng/ml以上で判定窓の中に金コロイドによる赤色のバンドが観察された。既知濃度の乳頭分泌液でもそれに対応する濃度で陽性・陰性が判定された。また、CEA標準液を用いて5回測定し再現性を試験したが、表3に示すように良好な結果であった。
【0078】
実施例3 クロマト法によるCEA標準液および乳頭分泌液中CEAの測定2
(1)抗体固定化ストリップの作製
50mMリン酸生理食塩水pH7.2に溶解したマウス抗CEAモノクローナル抗体(濃度1.2mg/ml)を5×26mmに切断したミリポア社製ニトロセルロースメンブレン(ハイフローメンブレン、マイラーバック)の図3で示す検出部位16に相当する位置に幅1mmのライン状に添着し風乾した。その後、濃度5重量%カゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2に室温で2時間浸漬し、再び風乾して抗体固定化ストリップを作製した。
【0079】
(2)金コロイド粒子標識抗体ストリップの作製
東洋濾紙社製の濾紙No.50を5×20mmの大きさに切断し、濃度5重量%カゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2に室温で2時間浸漬したのち乾燥させた。さらに、図4の19の位置に相当する部位に5重量%のサッカロースを添加した実施例2の(2)で調製した金コロイド粒子標識抗体液を5μlずつ、乾燥させながら2回添着し、金コロイド粒子標識抗体ストリップを作製した
【0080】
(3)クロマト装置(第二の部材)の作製
第二の部材は図3に示すように、展開液添加口14、第一の部材を組み込み試料を添加する試料添加口15および判定窓16を有するポリエチレン製ケース13にその構成部品を納めて作製した。図4に示すように、上記(1)で作製した抗体固定化ストリップ17(マイラーバックの面)および(2)で作製した金コロイド粒子標識抗体ストリップ18を両面テープ110でケース13に接着し、実施例2と同様に展開液添加口14の直下と最下流の位置に、ワットマン社製ガラス繊維濾紙GF/D5×8mmを吸水用部品111,112として置き、ポリエチレン製ケースにより吸水用部品を抗体固定化ストリップおよび金コロイド粒子標識抗体ストリップの上に固定しクロマト装置とした。
【0081】
(4)測定
標準液として濃度0、200、400、1000、3000ng/mlのCEAと濃度1重量%のBSAを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2及び乳癌患者の乳頭分泌液をパラフィルム上に滴下して液滴とし、実施例1の(2)で示した採取装置(第一の部材)の採取部分12を接触させて採取した。軽く濾紙に押しつけて余分の水分を除いたのち、採取装置をクロマト装置(第二の部材)の試料添加口15に組み入れ、採取装置の試料採取部分12をクロマト装置のストリップ17,18とを密着させた。その後、展開液として50mMリン酸生理食塩水pH7.2を100μl展開液添加口14から吸水用部品111の上に添加し、10分後に判定を行った。結果は表2に示す。標準液のCEA濃度400ng/ml以上で判定窓の中に金コロイドによる赤色のバンドが観察された。既知濃度の乳頭分泌液でもそれに対応する濃度で陽性・陰性が判定された。
【0082】
【表2】
Figure 0003640278
【0083】
【表3】
Figure 0003640278
【0084】
実施例4 クロマト法によるNCC−ST−439抗原の測定
(1)金コロイド粒子標識抗体を含む展開液の調製
実施例2の(1)の金コロイド分散液10mlに0.1M塩酸−炭酸カリウム緩衝液pH9.0を0.5ml加えてpHを調整し、これにマウス抗NCC−ST−439モノクローナル抗体を、金コロイド分散液1mlあたり40μgとなるように加えて室温で1時間緩やかに振とうした。その後、その10mlに8重量%BSAを含む2mMホウ酸緩衝液pH9.0を1.5ml加え、室温で30分間緩やかに振とうした。さらに、この分散液を4℃で10,000rpm1時間遠心して上清を除いた後、得られたペレットに濃度1重量%のBSAを含む2mMトリス−塩酸緩衝液pH7.6を10ml加えて再懸濁した。同様にして遠心操作をさらに2回繰り返した後、上記トリス−塩酸緩衝液にてOD(520nm)=20になるように再懸濁し、さらにOD(520nm)=5になるように50mMリン酸生理食塩水pH7.2で希釈し、金コロイド粒子標識抗体を含む展開液を調製した。
【0085】
(2)抗体固定化ストリップの作製
50mMリン酸生理食塩水pH7.2に溶解したマウス抗NCC−ST−439モノクローナル抗体(濃度5mg/ml)を5×30mmに切断したミリポア社製ニトロセルロースメンブレン(ハイフローメンブレン、マイラーバック)の図5で示す検出部位25に相当する位置に幅1mmのライン状に添着し風乾した。その後、濃度5重量%カゼインを含む50mMリン酸生理食塩水pH7.2に室温で2時間浸漬し、再び風乾して抗体固定化ストリップを作製した。
【0086】
(3)クロマト装置(第二の部材)の作製
図5で示すように、第一の部材を組み込み試料を添加する試料添加口24および判定窓25の2か所に開口部を持つプラスチックケース23にその構成部品を納めて作製した。図6示すように、上記(2)で作製した抗体固定化ストリップ26のマイラーバックの面を両面テープ27でケース23に接着し、その両端に、ワットマン社製ガラス繊維濾紙GF/D 5×8mmを吸水用部品28,29として置き、ポリエチレン製ケースにより吸水用部品を抗体固定化メンブレンの上に固定しクロマト装置とした。
【0087】
(4)測定
NCC−ST−439抗原濃度が既知の乳癌患者の乳頭分泌液をパラフィルム上に滴下して液滴とし、実施例1の(3)で示した採取装置(第一の部材)の採取部分22を接触させて採取した。軽く濾紙に押しつけて余分の水分を除いたのち、採取装置をクロマト装置(第二の部材)の試料添加口24に組み入れ、採取装置の試料採取部分とクロマト装置の吸水用部品28を密着させた。50mMリン酸生理食塩水pH7.2からなる展開液を採取装置(第一の部材)の展開液添加口210から採取装置の試料採取部分に50μl添加し、完全に吸収された後に、更に金コロイド粒子標識抗体を含む展開液を100μl添加し、10分後に判定を行った。結果は表4に示す。既知濃度の乳頭分泌液で濃度に対応して陽性・陰性が判定された。
【0088】
【表4】
Figure 0003640278
【0089】
実施例5 フロースルー法による乳頭分泌液中のヘモグロビンの測定
(1)採取装置(第一の部材)の作製
図7および図8に示すように、シリンダー状のプラスチック成形体31に直径5.0mmの円形に切り抜いたワットマン社製濾紙17Chr(図中の32)をはめ込み、採取装置とした。
【0090】
(2)抗体固定化メンブレンの作製
濃度8mg/mlのマウス抗ヒトヘモグロビン抗体を含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2をポール社製イムノダイン イムノアフィニティーメンブレン(3μm)に0.5μlドットし風乾した。その後メンブレンを濃度2.5重量%のカゼインナトリウムと濃度8重量%のサッカロースを含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2に室温2時間漬けた後、濾紙上にメンブレンを取り出し水分を吸い取り、乾燥して抗体固定化メンブレンを作製した。
【0091】
(3)フロースルー装置(第二の部材)の作製
図7および図8に示すように、採取装置を取り付ける開口部33と空気穴36のあるプラスチック成形体34に(2)で作製したメンブレン35をメンブレンの抗体がドットされた部分がプラスチック成形体の開口部33の中心にくるように挿入し、さらに厚手の濾紙を重ねて作製した吸水用部品37を重ねて挿入し、プラスチック成形体の開口部とメンブレンおよびメンブレンと吸水用部品が完全に密着し、展開液を開口部から添加しても周りに漏れずにメンブレンを通過して吸水用部品に吸収されるように下から蓋38をしてフロースルー装置とした。
【0092】
(4)展開液の調製
0.1Mの尿素および濃度0.1重量%のツイーン20を含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2を展開液とした。
【0093】
(5)発色液の調製
濃度3mg/mlになるようにテトラメチルベンジジンをジメチルホルムアミドに溶解し、その4mlを96mlの0.0126重量%の過酸化水素を含む0.1M酢酸ナトリウムクエン酸緩衝液pH6.0に加えて良く混合し、発色液とした。
【0094】
(6)測定
ヘモグロビンの有無が既知である乳癌患者の乳頭分泌液をパラフィルム上に滴下して液滴とし、採取装置の採取部分32を接触させて採取した。軽く濾紙に押しつけて余分の水分を除いたのち、フロースルー装置の開口部33に挿入して試料採取部分32を抗体固定化メンブレン35に押しつけた。その後、展開液を200μl採取装置の開口部39から添加し完全に展開液が吸収されるまで待った。これを3回繰り返した後、採取装置を取り外し、メンブレンの抗体をドットした部分に発色液を200μl滴下して、3分後にメンブレンの着色を観察した。結果を表5に示す。ヘモグロビン陽性検体I、Jでは着色が観察されたが、陰性検体Kでは着色が観察されなかった。
【0095】
【表5】
Figure 0003640278
【0096】
実施例6 フロースルー法によるCEA標準液の測定
(1)抗体固定化メンブレンの作製
濃度2.4mg/mlのマウス抗CEA抗体を含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2をポール社製イムノダイン イムノアフィニティーメンブレン(3μm)に0.5μlドットし風乾した。その後メンブレンを濃度2.5重量%のカゼインナトリウムと濃度8重量%のサッカロースを含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2に室温2時間漬けた後、濾紙上にメンブレンを取り出し水分を吸い取り、乾燥して抗体固定化メンブレンを作製した。
【0097】
(2)採取装置(第一の部材)の作製
図9および図10に示すように、シリンダー状のプラスチック成形体41に(1)で作製した抗体固定化メンブレンの抗体をドットした部分を中心に直径1cmの円形に切り抜いたもの42を接着剤で貼り付け、採取装置とした。
【0098】
(3)第二の部材の作製
図9および図10に示すように、採取装置を取り付ける開口部43と空気穴44のあるプラスチック成形体45に厚手の濾紙を重ねて作製した吸水用部品46を挿入し、プラスチック成形体の開口部に吸水用部品が完全に密着するように下から蓋47をしてフロースルー装置とした。
【0099】
(3)西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗CEA抗体液
東洋紡社製西洋ワサビペルオキシダーゼ2mgを0.5mlの蒸留水に溶解し、50mM過ヨウ素酸ナトリウム0.1mlを加えて攪拌しながら室温で30分間反応した。さらに200mMエチレングリコール0.1mlを加えて30分間反応した。反応液を1mM酢酸緩衝液(pH4.5)に対して4℃で一夜透析した。4mgのウサギ抗CEA抗体を200mM炭酸緩衝液(pH9.5)1mlに溶解し、透析後の西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液を加えて、室温で攪拌しながら3時間反応させた。200mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)0.1ml加え、室温で撹拌しながら1時間反応した。50mMリン酸生理食塩水(pH7.4)を溶出液として、ウルトロゲルAcA44を充填したゲル濾過カラム(2.6cm×90cm)で分画し、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗CEA抗体を得た。これを濃度1重量%の牛血清アルブミンを含む50mMのリン酸生理食塩水pH7.2に抗体濃度として0.5μg/mlになるように希釈して、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗CEA抗体液とした。
【0100】
(4)洗浄液および発色液の調製
実施例5と同一の展開液および発色液を洗浄液および発色液として使用した。
【0101】
(5)測定
CEA標準液をパラフィルム上に滴下して液滴とし、採取装置の採取部分を接触させて採取した。軽く濾紙に押しつけて余分の水分を除いたのち、第二の部材の開口部に挿入して第二の部材の吸水用部品に押しつけた。その後西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗CEA抗体液を200μl採取装置の開口部48から添加し、完全に標識抗体液が吸収されるまで待った。その後、洗浄液を200μl添加して再び完全に吸収されるまで待った。この洗浄操作を3回繰り返した後、発色液を200μl滴下して、3分後にメンブレンの着色を観察した。結果を表6に示す。CEA濃度200ng/ml以上の濃度で着色が観察された。
【0102】
【表6】
Figure 0003640278
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、使用者は熟練や手間をほとんど必要とせずに、微量にしか採取できない生体試料中の分析対象物質を簡便に採取して再現性よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で示したクロマト法による簡易アッセイ装置の概略図
【図2】図1で示した簡易アッセイ装置の第二の部材の側断面図
【図3】実施例3で示したクロマト法による簡易アッセイ装置の概略図
【図4】図3で示した簡易アッセイ装置の第二の部材の側断面図
【図5】実施例4で示したクロマト法による簡易アッセイ装置の概略図
【図6】図5で示した簡易アッセイ装置の第二の部材の側断面図
【図7】実施例5で示したフロースルー法による簡易アッセイ装置の概略図
【図8】図7で示した簡易アッセイ装置の第一および第二の部材の側断面図
【図9】実施例6で示したフロースルー法による簡易アッセイ装置の概略図
【図10】図9で示した簡易アッセイ装置の第一および第二の部材の側断面図

Claims (17)

  1. 免疫反応に基づく親和性を利用したクロマト法あるいはフロースルー法に基づくアッセイ装置であって、固形分を含まない液体状の試料である乳頭分泌液、皮膚からの浸出液または皮膚を直接刺棘して得られる微量の血液に接触させることにより0.1〜20μlの一定量の液体試料を吸収して採取できる一定の体積の吸水性材料を構成部品とする第一の部材と、試料を採取した第一の部材を組み込むことにより試料を受けとることができる第二の部材から構成され、試料を採取する時には第一の部材と第二の部材は毛細管で連結していないアッセイ装置。
  2. 吸水性材料が、繊維マトリクス、多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、焼結体のいずれかである請求項1に記載のアッセイ装置。
  3. 吸水性材料が濾紙である請求項1に記載のアッセイ装置。
  4. クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材は少なくとも分析対象物質あるいは分析対象物質と免疫反応に基づく親和性により結合する物質が固定化された部位を有するクロマトグラフィー用基材を有し、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより、該クロマトグラフィー用基材の分析対象物質あるいは分析対象物質と免疫反応に基づく親和性により結合する物質が固定化された部位あるいはその上流から試料を該クロマトグラフィー用基材に浸透させることが可能になり、かつ、浸透した試料を該クロマトグラフィー用基材中を毛管現象によって下流に移動させることにより分析対象物質を測定する請求項1から3のいずれかに記載のアッセイ装置。
  5. クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材のクロマトグラフィー用基材上で、第一の部材を組み込む部位より上流の部位に、クロマトグラフィー用基材中を試料を移動させるための展開液を添加するための部位が設けられている請求項4に記載のアッセイ装置。
  6. クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材のクロマトグラフィー用基材が、分析対象物質あるいは分析対象物質と免疫反応に基づく親和性により結合する物質が固定化された部位を有する部分(A)と展開液を添加する部分(B)の少なくとも2つに分かれており、第一の部材が組み込まれるまでは部分(A)と部分(B)は毛細管でつながっておらず液体の移動はできないが、第一の部材を組み込むことにより液体の移動が可能になる請求項4又は5に記載のアッセイ装置。
  7. クロマト法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材のクロマトグラフィー用基材中を試料を移動させるための展開液を、第二の部材に組み込んだ第一の部材を介して添加する請求項4に記載のアッセイ装置。
  8. フロースルー法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材は少なくとも分析対象物質あるいは分析対象物質と免疫反応に基づく親和性により結合する物質が固定された多孔性メンブレンとその下面に接している吸水用部品を有し、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより試料を該メンブレン上面から該メンブレン中に浸透させることができ、毛管現象によって該メンブレンを通過させ吸水用部品に吸収させることにより分析対象物質を測定する請求項1から3のいずれかに記載のアッセイ装置。
  9. フロースルー法に基づくアッセイ装置であって、第二の部材は少なくとも吸水用部品を有し、第一の部材が分析対象物質あるいは分析対象物質と免疫反応に基づく親和性により結合する物質が固定された多孔性メンブレンを構成部品として有し、第一の部材を第二の部材に組み込むことにより第一の部材の多孔性メンブレンは第二の部材の吸水用部品と毛細管で繋がる請求項1から3のいずれかに記載のアッセイ装置。
  10. 分析対象物質あるいは分析対象物質と免疫反応に基づく親和性により結合する物質を固定するクロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンが、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、濾紙、ガラス繊維濾紙のいずれかからなる請求項4から9のいずれかに記載のアッセイ装置。
  11. クロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレンに固定化された物質が抗体または抗体断片であり、信号を得るための標識を結合した物質として標識抗体を用い、クロマトグラフィー用基材あるいは多孔性メンブレン上にサンドイッチ複合体を作ることにより信号を得る請求項4から10のいずれかに記載のアッセイ装置。
  12. 信号を得るための標識が金属コロイド、非金属コロイドまたは着色ラテックス粒子であり、試料中の分析対象物質の検出あるいはその濃度測定を視覚的にあるいは色差計で行なうことができる請求項11に記載のアッセイ装置。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のアッセイ装置を使用して、固形分を含まない液体状の試料である乳頭分泌液、皮膚からの浸出液または皮膚を直接刺棘して得られる微量の血液中の分析対象物質を測定する方法。
  14. 試料をクロマトグラフィー用基材中で展開させるあるいは多孔性メンブレンを通過して吸水用部品に吸収させるために、試料以外に別に用意した展開液を用いる請求項13に記載の方法。
  15. 展開液が標識物質を含有する溶液である請求項14に記載の方法。
  16. 分析対象物質が乳頭分泌液中のCEA、NCC−ST−439、ヘモグロビンのいずれかである請求項14または15に記載の方法。
  17. 乳癌検診用の請求項1から12のいずれかに記載のアッセイ装置。
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