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JP3639850B2 - 電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置 - Google Patents

電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置 Download PDF

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JP3639850B2 JP16575294A JP16575294A JP3639850B2 JP 3639850 B2 JP3639850 B2 JP 3639850B2 JP 16575294 A JP16575294 A JP 16575294A JP 16575294 A JP16575294 A JP 16575294A JP 3639850 B2 JP3639850 B2 JP 3639850B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
開示技術は、電子ビームを介して生成されるイオンプラズマ中からイオンを所定のターゲットに照射してスパッタリング粒子を励起させ所定の基板に金属合金,酸化物,窒化物等の膜を成膜させる装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、産業社会の隆盛は高度に発達した科学、就中、電子工学等に強力にバックアップされており、したがって、かかる電子工学の理論、及び、技術の更なる発展が強く求められている。
【0003】
そして、かかる電子工学等による科学技術の発達は産業社会にもミクロン単位を越えてサブミクロン単位の微細成形技術を晒すようになり、所謂スパッタリング加工技術としてガラス板,金属板,プラスチックフィルム,金属フィルム等に対する合成金属製の成膜等が行われるようになり、近時大面積化が求められる建築用の窓等の分野に適合させるために大面積のガラス基板や各種フィルムに対する成膜コーティング技術が実用可能になってきており、さらには、電子工学デバイスとしての液晶表示素子のディスプレー用の透明電極や太陽電池等の電極、さらには熱線反射ガラス,電磁遮蔽ガラス,低放射性ガラス等の用途にも用いられ、錫をドーピングしたり、酸化インジウム,弗素、または、アンチモンをドーピングした酸化物や金,アルミニウム,シリコン等の金属、または、これらの酸化物,窒化物等が成膜として適用可能となってきている。
【0004】
而して、スパッタリング膜をコーティングすることが基本的にイオン生成室に形成したプラズマ中から所定にイオンを引き出してターゲットに照射させ、該ターゲットからスパッタリング粒子を導出させて基板にコーティングさせ、該基板に他のイオンをアシスト的にカバーリング的に照射すること等が望まれるものであるが、図9に示す様な旧来態様のスパッタリング手段にあってはプラズマ生成用ガス7を供給させつつ直流電源1により陰極2を高圧印加し、冷却水3によりターゲット4を冷却しつつ、該ターゲット4に平行状に設けた陽極5に支持された基板6との間にプラズマを形成させ、シャッタ8を開閉することにより、スパッタリング粒子を基板6にコーティングさせるようにした態様や、図10に示す様な高周波スパッタリング手段にあっては高周波電源1´により電気計装9を介し、さらに、陰極2を介しターゲット4に、例えば、13.56メガヘルツの高周波電圧を印加し、また、プラズマ生成用ガス7を供給し、ターゲット4と壁面間でプラズマを生成し該プラズマ中のイオンをターゲット4にシャッタ8の回転を介し照射し、スパッタリング粒子を陽極5に支持された基板6にコーティングするようにしている態様が採られてはいた。
【0005】
しかしながら、当該図9に示す様な直流電圧印加方式のスパッタリング態様や図10に示す様な高周波電圧印加方式のスパッタリング手段にあっては成膜の堆積速度が遅く、作業効率が悪いというデメリットがあった。
【0006】
さらに、かかる従来態様のスパッタリング手段にあっては制御可能パラメータが少いためにターゲット4に流入するイオンのフラックス,エネルギー,プラズマ生成条件のガス圧力を相互独立に制御することができず、さらに、基板6に対するアシスト的に照射されるイオンの数やエネルギーをこれまた独立的に制御することができないという欠点があった。
【0007】
また、ターゲット4や基板6の相互位置関係をプラズマ生成等とは別途に独立して制御することができないという不都合さもあった。
【0008】
これに対処するに、図11,図12,図13に示すように、成膜速度を向上するべく該ターゲット4の周囲に磁石10を配設してマグネトロン方式を採るような図11に示す様なリングマグネトロンスパッタリング方式や図12に示す様なプレーナーマグネトロンスパッタリング方式の態様や図13に示す様な同軸マグネトロンスパッタリング方式等も採用されてはいる。
【0009】
而して、かかる方式については、例えば、特開平3−183763号公報や特開平2−301562号公報発明や特開平5−171435号公報発明等が開発されている。
【0010】
さりながら、該種マグネトロン方式によるスパッタリング手段にあっては、図9,図10に示した旧来態様同ようにターゲット4に吸入するイオンのフラックス,エネルギー,プラズマ生成条件等を相互独立に制御することが難しく、ターゲットに磁石10を拘束的に配設しているために相互位置関係をプラズマ生成とは独立して安定することが依然としてでき難いという不都合さがある。
【0011】
また、かかるマグネトロン方式のスパッタリング手段にあってはターゲット4の表面に於ける磁界分布が不均一になるために、局部的にスパッタリングされることが多く、結果的に利用効率が低くなるという欠点があった。
【0012】
また、当該態ようにあってはターゲット4の表面に於ける磁界分布が不均一なために、磁性体のスパッタリングコーティング形成のスパッタリングが困難であるという難点もあった。
【0013】
而して、さらに図14に示す様な矩形導波管11に、例えば、2.45ギガヘルツ等のマイクロ波12を石英窓13を通して導入し、プラズマ室14にて所定のプラズマを形成し、プラズマ室14からの窓を通してプラズマ15を導出し、その間、ターゲット4´をスパッタリング電源1´´に接続させて導出するプラズマ15により基板6に所定の成膜をコーティングするようにしているECRスパッタリング手段も開発されて、例えば、特開昭59−47728号公報発明等に開示されてはいる。
【0014】
しかしながら、該種ECRのスパッタリング方式では上述マグネトロン方式によるスパッタリング態様同ように基板位置に磁場があるために磁性体の成膜ができ難いという不都合さもあり、また、プラズマを引き出すためにプラズマ15の軸方向に空間電位の分布を引き起こし、プラズマ15中のイオンが当該電位差により軸方向,径方向に加速されてウエハ等の基板6に衝突する当該イオンのエネルギーが十数〜数十eVにもなり、成膜コーティングには該エネルギーが大きすぎるという不都合さがある。
【0015】
[発明の背景]
ところで、周知の如く、産業社会の隆盛は高度に発達した科学、就中、電子工学等に強力にバックアップされており、したがって、かかる電子工学の理論、及び、技術の更なる発展が強く求められている。
【0016】
而して、該電子工学においては各分野に於けるデータ等の情報のより高度な精細で正確な処理が、しかも、超高速でなされることがよりさらに強く求められ、したがって、かかるデータのより精細で、且つ、正確な超高速演算処理を行うデバイスのハイテク化,ダウンサイジング化がますます求められ、そのため、IC,LSI等の高度集積回路をなすシリコンウエハ等に対するより精密なドライエッチング技術が求められ、これに対処するに、例えば、特開昭63−138634号公報発明に示されている如く、イオン照射技術が開発されて、所謂DC放電プラズマ,RF放電プラズマ,ECR(電子サイクロトロン共鳴)放電プラズマ、さらには電子ビーム等によりプラズマを発生させ、該プラズマのイオンをシリコンウエハ等の試料の表面に生じる電界を介して照射する(EBEP)システムが開発されて実用化されるようになってきている。
【0017】
しかしながら、シリコンウエハ等の大口径の試料に対するイオンによる大きなダメージを残さずに、良好なイオンによるドライエッチングを有効に行うには低エネルギー領域において大きな断面積に亘り、均一な大電流密度のイオンを当該ターゲットに照射することが必要で、しかも、基本的に相反する条件のもとで行われなければならないことが分ってきた。
【0018】
しかしながら、旧式のイオン照射装置にあっては低エネルギーイオンにおいて、イオンの電流密度を大きくすると、大面積全体に亘り均一にイオンを当該試料に照射することに対処できないという問題があった。
【0019】
これに対処するに、例えば、特願平3−274960号公報発明に開示してある如く、大きなイオン電流密度が得られる高密度のプラズマを生成可能な所謂電子ビーム励起プラズマ技術(EBEP)が開発され、ビーム励起イオン照射装置が、例えば、特開昭57−203781号,特開昭63−190229号発明にみられるように実用化される設計が可能になってきており、ECR(電子サイクロトロン共鳴)放電プラズマ方式とは別の利点を有して産業的に実用化に至る開発がなされてきている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
この出願の発明の目的は上述従来技術に基づくマグネトロン方式等によるスパッタリングによる基板上への成膜の問題点を解決すべき技術的課題とし、上述発明の背景に叙述したEBEP技術のイオンプラズマ生成領域に於ける軸方向、及び、径方向にプラズマ電位の差がなくプラズマの形状は逆磁場コイル電流を変化させることが可能である等の優れた利点を有する電子ビーム励起イオンプラズマ生成技術の電子ビームガンの利点を生かし、設計通りの成膜のコーティングが形成できるようにして電子産業における成膜技術利用分野に益する優れた電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置を提供せんとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明によって達成される。
【0022】
(1) 電子ビーム励起プラズマを生成するための電子ビームガンと、
少なくとも1つのターゲットと基板とが相対向した状態で設けられるようになっている反応室と、
上記ターゲットと上記基板との相対位置を変化させることができるように構成され、上記ターゲットを保持するためのターゲットホルダと、
上記基板を保持するための基板ホルダと、
対向したままの状態で上記基板および上記ターゲットの相対位置が変化するように、当該基板の位置を変化させるための相対位置変化装置と、
上記電子ビームガンによって生成されたターゲット位置におけるプラズマの形状を変化させるための逆磁場コイルと、を有しており、
上記基板の位置および上記ターゲットの位置は、プラズマ生成条件とは独立して任意に設定できるようになっていることを特徴とする電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0023】
(2) 上記ターゲットが複数であって、該複数のターゲットを個別に保持するためのターゲットホルダを有し、
上記ターゲットホルダは、上記基板と上記複数のターゲットのそれぞれとの相対位置を、別個に独立して変化させることができるように構成されていることを特徴とする上記(1)記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0024】
(3) 前記基板ホルダは回転可能に構成されていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0025】
(4) 上記ターゲットが導電性の場合にはDC電源によりプラズマに対し負の電圧を印加し、上記ターゲットが絶縁物の場合にはRF電源により自己バイアス電圧を当該ターゲット表面に生じさせて、生成した上記プラズマからイオンを引き込み、スパッタ粒子を生じさせ、スパッタ粒子の一部をプラズマ中でイオン化させることによって、基板上に堆積させて、それによって当該基板に対して成膜を生成させることを特徴とする上記(1)乃至(3)の何れかに記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0026】
(5) 上記ターゲットは円筒状に形成されているとともに、内壁側がテーパ状に形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(4)の何れかに記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0027】
(6) 上記ターゲットは円筒状に形成されており、
当該円筒状ターゲットは、プラズマ通過部分を除いて、被覆部材によって被覆されていることを特徴とする上記(1)乃至(4)の何れかに記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0028】
(7) 上記複数のターゲットは、それぞれ円筒状に形成され、異なる内径を有しており、上記基板により近接した位置にあるターゲットほどより大きな内径を有することを特徴とする上記(2)記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
【0029】
すなわち、上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述課題を解決するために、プラズマ中からイオンをターゲットに照射し、該ターゲットからスパッタリング粒子を該ターゲットに併設した基板に照射し、合せて他のアシスタント的イオンをも該基板にアタックして該基板に所定のスパッタリング粒子をコーティングするに際し、該プラズマ生成領域に前設した電子ビームガンから加速されて放射される電子ビームを反応室内に導出してプラズマを形成し、該プラズマの形状については当該反応室外に設けた逆磁場コイルの電流を変化させることにより、所定形状に変化させ、ターゲットと基板は相対向してこれらの位置関係はプラズマ生成条件とは独立して設定可能にされ、また、各自に導入されるイオンのフラックスとエネルギーについては相互独立に制御することが可能であるようにされ、而して、ターゲットが導電性の場合はDC電源によりプラズマに対しマイナスの電圧を印加し、絶縁性の場合にはRF電源によりバイアス電圧をターゲット表面に生じさせ、プラズマからイオンを導入し、スパッタリング粒子を発生させ、発生されたスパッタリング粒子はプラズマ中で一部はイオン化され、基板上に堆積し、イオンのエネルギーは基板に印加されたバイアス用のDC、または、RF電源から印加された電圧による設定表面電位とプラズマの電位との差で設定可能にされ、また、ターゲットが軸方向設定複数段に多元スパッタリングとされたり、軸方向複数分割の多元スパッタリングとされ、多元系の材料を成膜する場合、当該多元のターゲットを使っても設計通りの成膜ができない場合があるが、その場合には当該ターゲットを上述の如く複数個設置し、各々のターゲットに印加する電圧を変えることにより導入されるイオンのエネルギーを変え、スパッタリングの量を変化させ、設計通りの組成の成膜が生成できるようされ、また、プラズマとターゲットの距離を所定に変化させることにより、イオンのフラックスの量を変えることも可能であるようにされ、基板とターゲットを対向させた場合に該基板に対しプラズマを均一に生成することが難しい場合があるが、その場合には電子ビームガンの加速電極の反応室寄りに設置した円筒状のターゲットを設置し、該円筒状のターゲットの内側に電子ビームを通過させ、高濃度のプラズマを生成するようにホールを形成し、ターゲットに印加された電圧により散出するスパッタリング粒子はプラズマにより直ちにイオン化され、電子ビームガンの加速電極に対向して設置された基板側に均一性良く、膜がコーティングされ、設計通りの多元系の膜のコーティングが形成されるようにした技術的手段を講じたものである。
【0030】
【実施例】
次に、この出願の発明の実施例を図1〜図8に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0031】
なお、図9以下と同一態様部分は同一符号を用いて説明するものとする。
【0032】
また、全実施態様を通して同一態様部分は同一符号を付すものとする。
【0033】
図1に示す実施例において符号16は反応室を示す。反応室16のチャンバ17は円筒形状を成している。その前端部にはプラズマ形成用のアルゴンガス、または、他の反応性のガス19を供給するポート18が穿設されている。ポート18が対向する反対側にはガス19を排出する排気ポート18´が開口されて図示しない排気ポンプに接続されている。
【0034】
また、中央部寄りの一側には逆場コイル20が環設されており、プラズマ38の形状をその流過する電流変化により変化させることができるようにされている。
【0035】
なお、プラズマ38中には黒丸印の電子39とクロスハッチングの丸状のイオンが模式的に併設状に示されている。
【0036】
図1に示す実施例においては軸方向に平行姿勢でその基端部寄りにターゲット21がアウターパイプ22、及び、インナーパイプ22´に冷却水3の流過経路を有したホルダ(ターゲットホルダ)に固設されて適宜に径方向据え付け位置を変化することができるようにされている。そして、ホルダのアウターパイプ22はスパッタ電源としての高周波電源23が接続されて自己バイアス電圧をターゲット21の表面に印加させてプラズマ38からのイオン40を引き込み、スパッタリング粒子を生じさせるようにされている。
【0037】
基板6は、ターゲット21に対向して軸方向平行状態で陽極5によって所定に保持されている。陽極(基板ホルダ)5によって保持された基板6は、ターゲット21に相対向したままの状態で、相対位置変化装置24により相互位置姿勢を変化し得るようにされている。そして、陽極5にはバイアス用のRF電源25が接続されており、その表面に印加される電位とプラズマ電位の設定差がイオンのエネルギーに付与自在であるようにされている。
【0038】
反応室16の前段には該反応室に連通状に前述電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置(EBEP)に用いられていると実質的に同一な電子ビームガン26が連通状に設けられている。チャンバ17の前半を成す放電領域27の基部には加熱陰極28が設けられている。さらに、加熱陰極28に側位してプラズマ放電用のアルゴンガス30を供給するポート29が開口してある。そして、加熱陰極28の下流側には同心的に補助電極31、放電電極32が設けられ、電源33に接続されている。さらに、反応室16寄りには加速電極34が設けられて加速電源35に接続されている。
【0039】
なお、放電電極32と加速電極34の間には排気ポート29´が設けられており、排気30´が行えるように所定のポンプ装置に接続されている。
【0040】
なお、図1において符号36は電子ビームガン26の加速領域である。
【0041】
また、放電電極32と加速電極34の外側にあっては同心的にこれらの電極から放出される電子ビーム39の収束状態をコントロールする電磁コイル37,37´が同心状に環設されている。
【0042】
上述構成において、基板6に所定の合金製の成膜コーティングするにあたっては、ポート29,18に所定のアルゴンガス30,19を供給し、所定圧を維持して排気ポート29´,18´から排気する。そして、電子ビームガン26の加熱陰極28を所定温度に加熱すると、放電領域27において供給されたアルゴンガス30が放電されてプラズマ形成され、その補助電極31、放電電極32から該プラズマ中の電子39が引き出される。そして、加速電極34により加速されて電子ビームとして反応室16内に打ち込まれ供給されるアルゴンガス19に衝突してプラズマ38を形成し、イオン40が励起される。
【0043】
形成されたプラズマ38は逆磁場コイル20によりその電流値を変化させることにより、所望形状に変化させることができるようになっている。また、ターゲット21と基板6は、独立的に、アウターパイプ22および相対位置変化装置24により相互位置変化ができるようになっている。したがって、プラズマ38の形状変化とターゲット21、基板6の相対位置姿勢が相互独立に設定可能であることから、各ターゲット21、基板6に飛び込むイオンのフラックスについては各々独立的に制御することが可能であり、さらにイオンのエネルギーはRF電源23によりバイアス電圧を該ターゲット21の表面に変化させて生じさせ、プラズマ電位との差により制御し、プラズマ38からはイオン40を引き込みスパッタリング粒子を生じせしめ、一部はさらにイオン化し、基板6上に成膜としてコーティング堆積される。
【0044】
なお、基板6を設置する基板ホルダ5は回転することにより成膜の均一性を向上することができる。
【0045】
さらに、基板に照射するアシスト用イオンのエネルギーは基板6に印加されるバイアス用のRF電源25によって設定される表面電位とプラズマ38の電位差で所定に設定可能である。
【0046】
このように電子ビームガン26によって形成されるビーム状の電子39により反応室16により形成されるプラズマ38の軸方向、及び、径方向の電位差はなく、ターゲットや基板に照射するイオンの電流密度とそのエネルギーが相互独立に制御されることと相俟って該反応室16に於ける基板6への所定金属合成成膜の基板は組織通りにされ得るものである。
【0047】
また、電子ビーム収束用コイル37,37´、及び、逆磁場コイル20の電流値を適当に設定することにより、反応室内の基板やターゲット周辺を含む広範囲の空間を無磁場の状態にすることが可能であるため、磁界分布の不均一に起因する局所的なスパッタリングが回避できる。
【0048】
次に、図2に示す実施例について説明する。
図2に示す実施例では、ターゲット21´複数個併設してある。そしてこの実施例では、インナーパイプ22´を有し各々冷却水を導通自在にすると共にスパッタリング電源23に各々接続させて相互複数種類のターゲット21´,21´,21´に印加する印加電圧を変えて所望の成膜のコーティングができるようにしてある。各々のターゲット21´に印加する電圧を変えることにより引き込むイオンのエネルギーを変化させ、また、プラズマ38と各ターゲット21´の相互距離をも変えることにより、イオン40のフラックスを変化させることが可能であって所望通りの合金組成の成膜が成形できるようになっている。
【0049】
次に、図3に示す実施例について説明する。
図3に示す実施例では、ターゲット21´´を電子ビームガン26のチャンバ17よりの加速電極34側に近接して配設してある。また、反応室16のチャンバ17の内側寄りには、マルチポール磁石26´を環設してある。円筒状ターゲット21´´においては図4に示すように、中心部に電子ビーム39´の導出ホール21´´´を所定に穿設してある。
【0050】
本実施例においては、ターゲット21´´にRF電源23´´を接続させて高周波電圧を該ターゲット21´´に印加させることにより、スパッタリング粒子群が散出される。そして、散出されたスパッタリング粒子群はプラズマ38により一部がイオン化され逆磁場コイル20とマルチポール磁石26´にコントロールされるようになっている。そして、加速電極34と対向して設置されたウエハの基板6´に均一性を良好にされて成膜されることとなる。
【0051】
当該実施例において電子ビームガン26の熱陰極28にあってフイラメント28´が加熱電源33´に接続され、また、基板(ウエハ)6´のホルダ27にバイアス用のRF電源25´が接続されているが、特段の意味はないものである。
【0052】
また、マルチポール磁石26´チャンバ17の外側に設置することも可能である。また、逆磁場コイル20は電子ビーム収束用コイル37´の外側に二重コイルにして設置することも可能である。
【0053】
また、図5に示すように、円筒状のターゲット21´´,21´´を軸方向所定数(複数段)設けて多元スパッタリングにする態様も設計変更例としては採用可能である。また、各ターゲット21´´の導出ホール(電子ビーム通過ホール)21´´´については逆磁場コイル20、マルチポール磁石26´による当該電子ビームの拡散通過に伴い図6に示すように、テーパー形状にする等も可能である。
【0054】
なお、この出願の発明の実施態様は上述各実施例に限るものでないことは勿論である。たとえば、多元スパッタリングに関しては、図7に示すように、周方向にターゲット211´,211´´,211´´´を隔膜41,41,41を介し周方向に所定数複数分割したターゲット211を用いてバイアス電源25´´…に接続させる等できることも可能である。
【0055】
また、図8に示すように、図5に示した多元スパッタリングの態様で相互にスパッタリングの影響が出るような虞がある場合には、各ターゲット21´´に電子ビーム通過ホール21´´´を除くディスク状の部分にカバーリング42を皮覆させてアースに落し、これに対処する等できるようにする等種々の態様が採用可能である。
【0056】
このように各ターゲット21´´にカバーリング42が被覆されていることにより、プラズマ側のみが開いてスパッタリングの相互影響が避けられる。
【0057】
また、バイアス用電源としてはRFのみならず、DCでも良いことは勿論のことである。
【0058】
さらに、上述実施例において反応室に導入するガスを反応性ガスにすることにより、酸化物や窒化物の成膜が可能になる。
【0059】
例えば、ターゲットをAl、反応性ガスがO2であればAl23の成膜ができ、反応性ガスがN2であればAlNの成膜ができる。
【0060】
また、ターゲットがSiで反応性ガスがO2であればSix1-x(x=0〜1)の成膜が可能になる。
【0061】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、基本的にターゲットに基板を併設させた反応室に電子ビームを照射してプラズマ中に形成されたイオンをして引き込み基板に成膜を形成させるようにするスパッタ成膜方法において、該プラズマ中にイオンを生成させるに、これまでに各種の研究に基づいて産業用に利用し得る程度に発達した電子ビーム励起イオン発生装置に用いる電子ビームガンから加速されて放出される電子ビームを用いることにより、イオンプラズマ形成領域の反応室中において、軸方向,径方向に電位差が生ぜず、したがって、形成されるプラズマは逆磁場コイル電流やマルチポール磁石により変化を受けるだけでターゲットに流入するイオンのフラックス,エネルギー,プラズマ生成条件(ガス圧力等)を相互独立に制御することができることにより、基板への成膜のコーティングが設計通りに行えるという優れた効果が奏される。
【0062】
また、ターゲットや基板とプラズマとの位置関係をプラズマ生成条件等は別に独立して設定することができることによっても当該基板に対する合成金属の成膜等を所望組織でコーティングすることができる効果が奏される。
【0063】
また、ターゲット上の表面磁界分布が均一になるために全面的にスパッタリングが行われ、稼動効率が向上する。
【0064】
また、基板周辺の磁場を無磁場にすることが容易なため磁性体のスパッタ成膜が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の発明の1実施例の模式縦断面図である。
【図2】 同、他の実施例の模式縦断面図である。
【図3】 同、別の実施例の模式断面図である。
【図4】 同、図3のターゲットの模式斜視図である。
【図5】 多元スパッタリングのターゲットの模式側面図である。
【図6】 同、多元スパッタリングのターゲットの1ユニットの模式縦断面図である。
【図7】 多元スパッタリングのターゲットの模式斜視図である。
【図8】 多元スパッタリングの別のターゲットの模式縦断面図である。
【図9】 2極直流スパッタリング方式の模式縦断面図である。
【図10】 同、従来技術に基づく高周波スパッタリング方式の模式縦断面図である。
【図11】 マグネトロン方式のスパッタリング手段の模式縦断面図である。
【図12】 マグネトロン方式のスパッタリング手段の模式縦断面図である。
【図13】 マグネトロン方式のスパッタリング手段の模式縦断面図である。
【図14】 ECR方式のスパッタリング手段の概略模式縦断面図である。
【符号の説明】
5 陽極(基板ホルダ)
6 基板
6´ 基板
16 反応室
17 チャンバ
18 ポート
18´ 排気ポート
19 反応ガス
20 逆磁場コイル
21 ターゲット
21´ ターゲット
21´´ ターゲット(円筒状ターゲット)
21´´´ 導出ホール(電子ビーム通過ホール)
22 アウターパイプ
22´ インナーパイプ
23 バイアス用電源
23´´ RF電源
24 相対位置変化装置
25 バイアス用電源
26 電子ビームガン
26´ マルチポール磁石
27 放電領域
28 加熱陰極
31 補助電極
32 放電電極
33 電源
29 ポート
29´ 排気ポート
30 アルゴンガス
30´ 排気
32 放電電極
34 加速電極
35 加速電源
36 電子ビームガンの加速領域
37,37´ 電磁コイル
38 プラズマ
39 電子ビーム
40 イオン
41 隔膜
42 カバーリング
211 ターゲット
211´ ターゲット
211´´ ターゲット
211´´´ ターゲット

Claims (7)

  1. 電子ビーム励起プラズマを生成するための電子ビームガンと、
    少なくとも1つのターゲットと基板とが相対向した状態で設けられるようになっている反応室と、
    上記ターゲットと上記基板との相対位置を変化させることができるように構成され、上記ターゲットを保持するためのターゲットホルダと、
    上記基板を保持するための基板ホルダと、
    対向したままの状態で上記基板および上記ターゲットの相対位置が変化するように、当該基板の位置を変化させるための相対位置変化装置と、
    上記電子ビームガンによって生成されたターゲット位置におけるプラズマの形状を変化させるための逆磁場コイルと、を有しており、
    上記基板の位置および上記ターゲットの位置は、プラズマ生成条件とは独立して任意に設定できるようになっていることを特徴とする電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
  2. 上記ターゲットが複数であって、該複数のターゲットを個別に保持するためのターゲットホルダを有し、
    上記ターゲットホルダは、上記基板と上記複数のターゲットのそれぞれとの相対位置を、別個に独立して変化させることができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
  3. 前記基板ホルダは回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
  4. 上記ターゲットが導電性の場合にはDC電源によりプラズマに対し負の電圧を印加し、上記ターゲットが絶縁物の場合にはRF電源により自己バイアス電圧を当該ターゲット表面に生じさせて、生成した上記プラズマからイオンを引き込み、スパッタ粒子を生じさせ、スパッタ粒子の一部をプラズマ中でイオン化させることによって、基板上に堆積させて、それによって当該基板に対して成膜を生成させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
  5. 上記ターゲットは円筒状に形成されているとともに、内壁側がテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
  6. 上記ターゲットは円筒状に形成されており、
    当該円筒状ターゲットは、プラズマ通過部分を除いて、被覆部材によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
  7. 上記複数のターゲットは、それぞれ円筒状に形成され、異なる内径を有しており、上記基板により近接した位置にあるターゲットほどより大きな内径を有することを特徴とする請求項2記載の電子ビーム励起プラズマスパッタリング装置。
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