JP3635897B2 - 電磁駆動式往復動機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば赤外線検出素子を極低温に冷却するクライオクーラに適用するスターリング冷凍機を対象に、その圧縮機,膨張機に内蔵した往復動式のピストン,およびディスプレーサを駆動する電磁駆動式往復動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、頭記したスターリング冷凍機の構成を図3(a),(b) に示す。図において、1はハウジング1aのシリンダ部に往復動式のピストン1bを内蔵した圧縮機、2はハウジング2aのシリンダ部に蓄冷器2bを備えた往復動式のディスプレーサ2cを内蔵した膨張機(クーリングフィンガ)、3は圧縮機1の圧縮空間と膨張機2との間に配管した冷媒(ヘリウムガス)の接続管である。また、圧縮機1のピストン1a,および膨張機2のディスプレーサ2bはハウジング1b,2bの内部に組み込んだリニアモータ式の電磁アクチュエータ4により軸方向に往復駆動するようにしている。
【0003】
ここで、電磁アクチュエータ4は永久磁石4aと該永久磁石4aの磁極端面に結合して閉磁路を形成するヨーク4b,4cからなる固定子と、前記ヨーク4bと4cの間の隙間(磁路開口部)に側方から出入するソレノイドコイル4dを備えた可動子とからなる一種のリニアモータであり、、固定子は圧縮機1,膨張機2のハウジング1a,2aの内部に、また可動子は圧縮機1のピストン1bに連結したピストンロッド1c,および膨張機2のディスプレーサ2cに連結したピストンロッド2dにそれぞれ固定されている。
【0004】
また、前記のピストンロッド1c,2dは電磁アクチュエータ4の両側2箇所に配したサスペンションばね5を介して軸方向へ変位可能に案内支持されている。このサスペンションばね5は、図3(b) に示すように、高弾性の薄金属板(例えばベリリウム銅合金)で作られたリング状の板ばねを基体としてその板面に複数の渦状スリット5aを形成し、スリット5aの間に板面と垂直方向へ撓み自在なアーム部5bを形成した構造になり、平行に並ぶ複数枚の板ばねの内外周にスペーサを挟んで一体に組立てた上で、その内周端部が圧縮機1のピストンロッド1c,膨張機2のディスプレーサロッド2dに、また外周端部は電磁アクチュエータ4の可動子の外周側に配した支持胴6の端面に結合され、該支持胴6の基部が電磁アクチュエータ4のヨーク端面に固定支持されている。
【0005】
なお、1dはピストン1bの位置検出器、2eはディスプレーサ2bの位置検出器、2fは膨張機2に付設したアクティブバランサである。また、前記した圧縮機1,膨張機2のハウジング1a,2a、サスペンションばね5の支持胴6などは軽量化を図るためにアルミ合金材で作られている。
かかる構成になるスターリング冷凍機の動作原理は周知であり、前記した電磁アクチュエータ4のソレノイドコイル4dを交流電源(図示せず)から所定の周波数で励磁すると、ソレノイドコイル4dに流れる励磁電流と固定子のヨーク4b/4c間の空隙磁界との相互作用による電磁力、およびサスペンションばね5のスプリング作用により共振してピストン1b,ディスプレーサ2cがシリンダ内で往復運動し、シリンダ内の作動空間に封入した作動ガス(ヘリウムガス)を圧縮,膨張させる。これにより、膨張機2のシリンダ端面2gにはケルビン温度70K程度の冷熱が発生し、この冷熱発生部位に設置した被冷却体である赤外線検出素子(光電型素子:InSb,HgCdTeなど) を極低温に冷却し、高いS/N比で微小な熱放射信号を検出するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した赤外線検出素子のクライオクーラに適用するスターリング冷凍機において、電磁アクチュエータ4の固定子を構成するヨーク4bと4cの間には可動子のソレノイドコイル4dが出入する隙間(磁路開口部)があり、このためにこの磁路開口部から周域に漏れ磁束が発生し、これが原因で次に記すような磁気擾乱を引き起こす。すなわち、電磁アクチュエータ4の漏れ磁束は膨張機2のシリンダ先端に設置した赤外線検出素子で検出した微小な信号に対してノイズとして作用するほか、圧縮機1,膨張機2の周辺に配線した信号線(電磁アクチュエータ駆動用の制御回路,ピストン,ディスプレーサの位置検出用回路なども含む)を流れる電気信号に対してもノイズとして作用する。このために電磁アクチュエータ4の漏れ磁束をそのまま放置すると、その磁気擾乱により赤外線センサの測定精度を低下させるのみならず、クライオクーラとしての冷凍機の運転制御にも支障を来すおそれがある。
【0007】
そこで、電磁アクチュエータの漏れ磁束に起因する磁気擾乱の防止対策として、圧縮機,膨張機のハウジングを例えばパーマロイなどの高透磁率材料で包囲して磁気遮へいする方法、あるいはハウジング自身を軟鉄などの高透磁率の磁性材で構成するなどの方法が考えられるが、いずれの方法でも往復動機構(スターリング冷凍機の圧縮機,膨張機)が大型化したり、重量が増加する難点がある。
【0008】
この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、頭記した赤外線検出素子のクライオクーラに適用する電磁駆動式のスターリング冷凍機などを実施対象に、装置の大型化,重量増加を招くことなく、かつ基本構造を変えずに電磁アクチュエータの漏れ磁束を抑制できるように改良した電磁駆動式往復動機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、スターリング冷凍機などの圧縮機,膨張機に内蔵したピストン,ディスプレーサの駆動部として、圧縮機,膨張機のハウジング内に往復動式の電磁アクチュエータを組み込み、かつピストン,ディスプレーサのロッドを前記の電磁アクチュエータに並置してハウジング内に組み込んだサスペンションばねを介して軸方向に可動に支持した構成になる電磁駆動式往復動機構において、電磁アクチュエータの漏れ磁束に対する磁気遮へい手段としてアクチュエータの磁路開口部近傍に位置する前記サスペンションばね,ないしサスペンションばねの支持部材を高透磁率材料で構成するものとし(請求項1)、具体的にはサスペンションばねを析出硬化形ステンレス鋼で構成し(請求項2)、またサスペンションばねの支持部材を電磁軟鉄,低炭素鋼,もしくは珪素鋼で構成する(請求項3)。
【0010】
上記の構成により、往復動機構の基本構造はそのままに、かつ新たに磁気遮へい材を追加装備したり、電磁アクチュエータを組み込んだ圧縮機,膨張機のハウジングの材質を軽量なアルミ合金から重量の重い軟鉄などに変更することなしに、電磁アクチュエータの磁路開口部近傍に位置するサスペンションばね,ないしサスペンションばねの支持部材(往復動機構の構成部材の一部)の材質を高透磁率材料,電磁軟鉄(比透磁率μo =200〜300),珪素鋼(μo ≒500)などに変更するだけで電磁アクチュエータの漏れ磁束を遮へいして外部の電気信号系に与える磁気擾乱を効果的に防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1の実施例に基づいて説明する。なお、図1において図3に対応する同一部材には同じ符号が付してある。
図1は図3におけるスターリング冷凍機の圧縮機を示したものであり、その基本構造は図3と同様である。ここで、電磁アクチュエータ4の磁路開口部近傍に配置して圧縮機1のハウジング1aに組み込んだサスペンションばね5について、その材質を従来のベリリウム銅合金から高透磁率材料である析出硬化型ステンレス鋼に変えて構成している。また、サスペンションばね5の支持部材である支持胴6も同じく高透磁率材料である電磁軟鉄,あるいは低炭素鋼,珪素鋼などで構成している。
【0012】
これにより、サスペンションばね5,およびその支持胴6が電磁アクチュエータ4の磁路開口部に対して磁気シールドとして機能し、周囲への磁束漏れを抑制する。図2はこの磁気シールドの効果を評価,確認するために、圧縮機1の周域における磁界を三次元磁気モーメント法で解析した結果を表した特性図である。ここで、横軸は図1におけるP点(ハウジング1aの外周面)を漏れ磁束密度の測定基準点とした半径方向の距離L,縦軸は磁束密度であり、特性線Aは図示実施例,特性線Bは従来構造(サスペンションばね5がベリリウム胴合金製,支持胴6がアルミ合金製)の場合を表している。
【0013】
図2に表した磁束分布の解析図から判るように、電磁アクチュエータ4の磁路開口部近傍に配置したサスペンションばね5,支持胴6を高透磁率材料である電磁軟鉄(比透磁率μo =200〜300)で構成することにより、従来構造と較べてハウジング周域の漏れ磁束密度が約1/5〜1/7に減少する。
【0014】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、赤外線検出素子のクライオクーラに適用するスターリング冷凍機などを対象に、その圧縮機,膨張機に内蔵したピストン,ディスプレーサを往復動させる電磁駆動式往復動機構として、圧縮機,膨張機のハウジング内に往復動式の電磁アクチュエータを組み込み、かつピストン,ディスプレーサのロッドを前記の電磁アクチュエータに並置してハウジング内に組み込んだサスペンションばねを介して軸方向に可動に支持したものにおいて、電磁アクチュエータの漏れ磁束に対する磁気遮へい手段としてアクチュエータの磁路開口部近傍に位置する前記サスペンションばね,ないしサスペンションばねの支持部材を高透磁率材料で構成したことにより、装置全体の大型化,重量の大幅な増加を招くことなく、電磁アクチュエータから外部周域に漏れる磁束を効果的に低減でき、これにより膨張機で冷却する赤外線検出素子,および圧縮機,膨張機の周辺に配置した電気回路などに対する磁気擾乱を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例によるスターリング冷凍機の圧縮機の構成断面図
【図2】図1の実施例と従来例とを対比して表した圧縮機周域における漏れ磁界の解析結果を表す図
【図3】この発明の実施対象となるスターリング冷凍機の構成図であり、(a) は冷凍機全体の構成断面図、(b) は冷凍機に組み込んだサスペンションばねの平面図
【符号の説明】
1 スターリング冷凍機の圧縮機
1a ハウジング
1b ピストン
1c ピストンロッド
2 スターリング冷凍機の膨張機
2a ハウジング
2c ディスプレーサ
2d ディスプレーサロッド
4 電磁アクチュエータ
5 サスペンションばね
6 支持胴
Claims (3)
- スターリング冷凍機などの圧縮機,膨張機に内蔵したピストン,ディスプレーサを往復動させる電磁駆動式往復動機構であり、ピストン,ディスプレーサの駆動部として圧縮機,膨張機のハウジング内に往復動式の電磁アクチュエータを組み込み、かつピストン,ディスプレーサのロッドを前記の電磁アクチュエータに並置してハウジング内に組み込んだサスペンションばねを介して軸方向に可動に支持したものにおいて、電磁アクチュエータの漏れ磁束に対する磁気遮へい手段としてアクチュエータの磁路開口部近傍に位置する前記サスペンションばね,ないしサスペンションばねの支持部材を高透磁率材料で構成したことを特徴とする電磁駆動式往復動機構。
- 請求項1記載の往復動機構において、サスペンションばねを析出硬化型ステンレス鋼で構成したことを特徴とする電磁駆動式往復動機構。
- 請求項1記載の往復動機構において、サスペンションばねの支持部材を電磁軟鉄,低炭素鋼,もしくは珪素鋼で構成したことを特徴とする電磁駆動式往復動機構。
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