JP3634619B2 - 誘電体共振器およびこれを用いた誘電体フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセルラ基地局用の送信信号・受信信号共用器(Duplexer)などの電子機器に使用して好適な誘電体共振器および誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘電体共振器は、図9に示すように、金属ケース本体101内の底壁上に、セラミック製で円柱状の誘電体ブロック100を固定するとともに、該金属ケース本体101の開口に電磁界エネルギーを閉じこめるためのケース蓋101aを配設して概略構成されている。
また金属ケース本体101の例えば左側壁には入力コネクタ102が取り付けられており、右側壁には出力コネクタ103が取付られている。これら入、出力コネクタ102,103の中心導体102a,103aの先端部は左側壁および右側壁をそれぞれ貫通して金属ケース本体101内に突出している。
そして、これら中心導体102a,103aの先端部には、コイル状に形成された結合ループ104,105の一端が半田付け接続されている。また結合ループ104,105の他端は金属ケース本体101に半田付け固定され、接地されている。
【0003】
また、従来の他の例では、図10に示すように、金属ケース111内に突出している入、出力コネクタ112,113の中心導体に、略直線状のプローブ114,115の一端を接続し、このプローブ114,115を金属ケース111の内周壁に沿って配設して、他端を誘電体ブロック100近傍に配した構成のものもある。
【0004】
このような構成の誘電体共振器にあっては、結合ループ104,105またはプローブ114,115と誘電体ブロック100とが磁界結合しており、結合ループ104またはプローブ114に電気信号が入力されると、この結合ループ104またはプローブ114で磁界が発生する。その磁気エネルギーにより誘電体ブロック100が励振されて、誘電体ブロック100に電流が流れ、磁界が発生する。この磁気エネルギーによって出力側の結合ループ105またはプローブ115で磁界が発生して電流が流れ、出力側のコネクタ103,113から電気信号が出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような従来の誘電体共振器にあっては、結合ループ104,105またはプローブ114,115が構造的に振動に対して弱く、誘電体共振器が振動を受けると、結合ループ104,105またはプローブ114,115は誘電体共振器100よりも大きく振動してしまうため、誘電体ブロック100との結合度が変化するという不都合があった。
これに対して、結合ループ104,105またはプローブ114,115が振動しないように、例えばパラフィンなどの接着剤を用いて固定する方法も考えられるが、接着剤の使用によって性能劣化が生じることが問題であった。
【0006】
よって本発明の課題は、振動の影響を受け難く、良好な性能が安定して得られる誘電体共振器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の誘電体共振器は、天板と底板を有する導電性ケースと、該導電性ケース内に収容された柱状の誘電体ブロックと、該導電性ケース内に、前記誘電体ブロックを挟んで対称に配置された一対の励振手段とを備えてなり、前記誘電体ブロックの上面に設けられた上端電極が前記ケースの天板に電気的に接続されており、該誘電体ブロックの下面に設けられた下端電極が前記ケースの底板に電気的に接続されており、前記励振手段が、誘電体からなる角柱状の支持片と、該支持片の対向する1組の側面上にそれぞれ形成された第1の電極パターンおよび第2の電極パターンと、該支持片の下面に形成された下面電極とからなり、前記第1の電極パターンは、支持片の側面をなす4辺のうち支持片の上面から下面に向かう辺の近傍に、この辺に沿って形成された縦辺部分と、支持片の側面と上面との境をなす辺の近傍に、この辺に沿って形成された横辺部分と有する略L字状であり、該横辺部分の一端が前記縦片部分と連なっており、該横辺部分の他端は開放端となっており、第2の電極パターンは、支持片の側面をなす4辺のうち支持片の上面から下面に向かう辺の近傍に、この辺に沿って形成された縦辺部分と、支持片の側面と下面との境をなす辺の近傍に、この辺に沿って形成された横辺部分とを有する略L字状であり、該横辺部分の一端が前記縦片部分と連なっており、該横辺部分の他端は前記下面電極と接続されており、前記第1の電極パターンの縦辺部分と第2の電極パターンの縦辺部分とが、支持片を挟んで対峙しており、前記一対の励振手段はそれぞれ、前記支持片の、前記第1の電極パターンおよび第2の電極パターンが設けられていない側面のうち、前記第1の電極パターンおよび第2の電極パターンの縦辺部分に近い方の側面が前記誘電体ブロックの近傍となるように配置され、該支持片の下面が前記ケースの底板に接着固定されて、前記下面電極が接地されており、前記一対の励振手段のうち、一方の励振手段の第1の電極パターンの前記横辺部分の他端に入力端子が接続され、他方の励振手段の第1の電極パターンの前記横辺部分の他端に出力端子が接続されていることを特徴とする。
本発明の誘電体共振器によれば励振手段がケースに固定されているので、振動の影響を受け難く、安定した性能が得られる。
【0008】
特に、励振手段をなす支持片を誘電体で構成し、その上に導電性材料からなる電極パターンを形成したことにより、誘電体の波長短縮により励振手段の物理的寸法を小さくすることが可能となる。誘電体としては、テフロン、エポキシ樹脂等のプラスチック、およびセラミックスが望ましく、波長短縮効果の点では誘電率が大きくて、セラミックス製のものが最も好ましい。このような支持片をケース内に配することにより、導電ケース内に有効に磁気エネルギーを放射し、これにより誘電体ブロックを効率良く励振することができる。
また電極パターンは、支持片を挟んだ2つの電極パターンからなり、一方の電極パターンが入力端子又は出力端子に接続され、他方の電極パターンが接地されている。2つの電極パターンを、前記支持片を挟んで対峙した部分を有する形状とすることにより、通過帯域の両側に減衰域があり、急峻な減衰特性を有する誘電体共振器が得られる。
【0010】
また本発明の誘電体共振器を誘電体フィルタの入出力部に使用することにより、振動の影響を受け難く、安定性に優れた誘電体フィルタが得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。図1ないし図3は本発明の誘電体共振器の第1の実施例を示したもので、図1および図2は斜視図、図3は上面から見た平面図である。なお以下の図において、各構成要素の配置がわかるように、構成要素の輪郭だけを示していることがある。
本実施例の誘電体共振器1は、ケース2内に誘電体ブロック3と、2個の支持片4,4が収容されて概略構成されている。
ケース2は例えば銅などの導電性材料からなり、箱形に形成されている。
【0012】
誘電体ブロック3は、BaO−TiO2−Nd2O3系などの誘電材料からなるセラミック製のもので、円柱状に形成されている。また誘電体ブロック3の上面および下面には、それぞれ導電性ペーストを塗布して焼き付けるなどして上端電極3aおよび下端電極3bが形成されている。
そして誘電体ブロック3の上端電極3aはケース2の天板2aの内面に、また下端電極3bはケース2の底板2bの内面に、クリーム半田や導電性ペーストを用いてそれぞれ接着固定されており、かつ電気的に接続されている。
【0013】
支持片4は誘電体ブロック3と同一の材料の誘電体セラミックなどからなり、角柱状に形成されている。そして、対向する1組の側面上に第1の電極パターン5と第2の電極パターン6がそれぞれ形成されており、下面全面には下面電極7が形成されている。第1および第2の電極パターン5,6および下面電極7は、例えばCuやAgなどの導電性材料からなり、支持片4の面上に膜状に形成されている。第1の電極パターン5は、支持片4の側面をなす4辺のうち支持片4の上面から下面に向かう辺の近傍に、この辺に沿って形成された縦辺部分5aと、支持片4の側面と上面との境をなす辺の近傍に、この辺に沿って形成された横辺部分5bとを有する略L字状に形成されている。横辺部分5bの一端は縦片部分5aと連なっており、他端は開放端となっている。第2の電極パターン6は、支持片4の側面をなす4辺のうち上面から下面に向かう辺の近傍に、この辺に沿って形成された縦辺部分6aと、下面との境をなす辺の近傍に、この辺に沿って形成された横辺部分6bと、この横辺部分6bと下面電極7とを接続する接続部分6cとを有する略L字状に形成されている。また第1の電極パターン5と第2の電極パターン6とは、それぞれの縦辺部分5a,6aが、少なくとも一部分が支持片4を挟んで対峙するように構成されている。
【0014】
このような第1および第2の電極パターン5,6および下面電極7は、例えば、これらの電極を形成しようとする支持片4の面上に電極材料をメッキした後、必要に応じてエッチングを行うなどして形成することができる。あるいはスパッタ法にて所望の形状の電極パターン5,6を形成してもよい。
【0015】
支持片4はその下面がケース2の底板2bの内面にクリーム半田や導電性ペーストを用いて接着固定されており、下面電極7は接地されている。また第1および第2の電極パターン5,6の縦辺部分5a,6aが、誘電体ブロック3の近傍に位置するとともに、誘電体ブロック3の軸芯方向と平行となるように配置されている。
さらに、2つの支持片4,4上に形成された第1の電極パターン5,5の開放端近傍に入力端子8aまたは出力端子8bがそれぞれ接続されている。
【0016】
このような構成の誘電体共振器1にあっては、支持片4とその面上に形成された電極パターン5,6および下面電極7とで励振手段が構成されている。すなわち、第1の電極パターン5の縦辺部分5aと第2の電極パターン6の縦辺部分6aとは誘電体材料からなる支持片4を挟んで対峙しており、入力端子8aから電気信号が入力されると第1および第2の電極パターン5,6の縦辺部分5a,6aに電流が流れ、誘電体ブロック3の軸芯方向に直交する面において磁界が発生する。その磁気エネルギーにより誘電体ブロック3が励振され、誘電体ブロック3および導電性ケース2に電流が流れるとともに、磁界が発生する。そしてこの磁気エネルギーによって出力側の励振手段で磁界が発生して第1および第2の電極パターン5,6の縦辺部分5a,6aに電流が流れ、出力端子8bから電気信号が出力される。ここで、支持片4上に形成される第1および第2の電極パターン5,6の横辺部分5b,6bは分布定数線路となっており、この部分の長さによって共振周波数が変わる。
【0017】
図4は本実施例の誘電体共振器の減衰特性を示したものである。本実施例の誘電体共振器1にあっては、図4に示されるように、通過帯域の両側に減衰域があり、急峻な減衰特性が得られる。また励振手段がブロック状の支持片4とその面上に形成された電極パターン5,6および下面電極7とからなっており、支持片4は導電性ケース2内に接着固定されているので、振動の影響を受け難く、良好な性能が安定して得られる。
さらに励振手段は、高誘電率材料からなる支持片4上に電極を形成したものであるので、誘電体の波長短縮により励振手段の物理的寸法を小さくすることが可能である。また励振手段は共振周波数付近で使用するので大きな磁界を発生することができる。
【0018】
なお、本実施例の誘電体共振器においては、2つの支持片4,4が誘電体ブロック3を挟んで対称となるように配置されているが、このような配置に限らず、支持片4,4は、その第1および第2の電極パターン5,6に電流が流れた時に誘電体ブロック3の軸芯方向と直交する面において磁界が発生するように配置すればよい。すなわち、支持片4,4はその上面および下面の長さ方向が、誘電体ブロック3の上面および下面の半径方向と同じになるように配置することができる。ただし、2つの支持片4,4近傍でそれぞれ発生する磁界が相殺することがないように、これらを離間させる必要がある。
【0019】
また本実施例の誘電体共振器1を誘電体フィルタの入出力部に用いることもできる。すなわち、導電性ケース内に収容された誘電体ブロック3を複数個、互いに電磁気的に結合するように配置し、両端に支持片4とその面上に形成された電極パターン5,6および下面電極7とからなる励振手段をそれぞれ設ければよい。本実施例の誘電体共振器1は図4に示されるように急峻な減衰特性が得られるものであるから、これを用いて誘電体フィルタを構成すれば、振動に強い上、良好な減衰特性を有する高性能のバンドパスフィルタが得られる。
【0020】
図5ないし図7は他の誘電体共振器の例を示したもので、図5および図6は斜視図、図7は上面から見た平面図である。
本例の誘電体共振器21は、ケース20内に誘電体ブロック30と、2個の支持片24,24が収容されて概略構成されている。
【0021】
支持片24は上記第1の実施例と同様の誘電体セラミックからなり、角柱状に形成されている。支持片24の1つの側面上には2つの電極帯25,26が間隔をあけて並列して形成され、上面上には略コ字状の連結帯27が形成されており、連結帯27の両端は2つの電極帯25,26の同一側の端部に連続している。電極帯25,26および連結帯27は、例えばCuやAgなどの導電性材料からなり、支持片24の面上に膜状に形成されている。また支持片24の下面全面には同様の導電性材料からなる下面電極28が形成されている。これら電極帯25,26、連結帯27、および下面電極28は、上記第1の実施例1における電極パターン5,6および下面電極7と同様にメッキおよびエッチング、またはスパッタ法などの手法によって形成することができる。
【0022】
支持片24は側面上の電極帯25,26が誘電体ブロック30の近傍に位置するとともに、これら電極帯25,26が誘電体ブロック30の軸芯方向と平行となるように配置されている。また支持片24の下面がケース20の底板20bの内面にクリーム半田や導電性ペーストを用いて接着固定されており、下面電極28は接地されている。
また2つの支持片24の連結帯27,27には入力端子29aまたは出力端子29bがそれぞれ接続されている。入力端子29aまたは出力端子29と連結帯27との接続点は、連結帯47の一端から他端に至る経路の中央が好ましい。
【0023】
このような構成の誘電体共振器21にあっては、支持片24とその面上に形成された電極帯25,26、連結帯27、および下面電極28とで励振手段が構成されている。すなわち、入力端子29aから電気信号が入力されると連結帯27を経て並列した2つの電極25,26それぞれに電流が流れ、誘電体ブロック30の軸芯方向に直交する面において磁界が発生する。その磁気エネルギーにより誘電体ブロック30が励振され、誘電体ブロック30および導電性ケース20に電流が流れるとともに、磁界が発生する。そしてこの磁気エネルギーによって出力側の励振手段で磁界が発生して2つの電極25,26それぞれに電流が流れ、出力端子29bから電気信号が出力される。
ここで、2つの電極帯25,26および連結帯27を連続した1つの分布定数線路と考えることができ、この線路は両端が接地され、給電点が線路のほぼ中間にある。したがって給電点とグランド間に並列に接続された2本の分布定数線路と考えられる。本例においてはこの給電点とグランド間に並列に接続された2本の分布定数線路の長さ、すなわち、電極帯25,26の長さと連結帯27の長さによって共振周波数が変わる。そして一端が接地された分布定数線路を他端からみると並列共振回路となっている。
【0024】
本例の誘電体共振器21にあっては、励振手段がブロック状の支持片24とその面上に形成された電極帯25,26、連結帯27、および下面電極28とからなっており、支持片24は導電性ケース2内に接着固定されているので、振動の影響を受け難く、良好な性能が安定して得られる。
また励振手段は、高誘電率材料からなる支持片24上に電極を形成したものであるので、誘電体の波長短縮により励振手段の物理的寸法を小さくすることが可能である。また励振手段は共振周波数付近で使用するので大きな磁界を発生することが可能である。さらに、誘電体ブロック30の近傍で磁界を発生し得る電極が2つ(電極帯25,26)設けられているので、発生する磁界が強力なものとなる。
【0025】
また本例の誘電体共振器21を誘電体フィルタの入出力部に用いることもできる。図8は本例の誘電体共振器21を入出力部に用いた誘電体フィルタの構成例を示したものである。この例の誘電体フィルタは、導電性ケース52内に3個の誘電体ブロック53が、互いに電磁気的に結合するように配置され、両端に支持片24とその面上に形成された電極帯25,26、連結帯27、および下面電極28とからなる励振手段54,54が設けられている。また励振手段54,54の連結帯27,27には入力端子59aまたは出力端子59bがそれぞれ接続されている。さらに、導電性ケース52の上面を塞ぐように板バネ55が載置されており、この載置された状態では、板バネ55の周縁より誘電体ブロック53の上面が、板バネ55の弾性に対して突出し、誘電体ブロック53の上面に形成された上端電極と板バネ55の下面とが確実に当接するように構成されている。そして板バネ55の上には蓋体56が載置され、蓋体56と板バネ55が導電性ケース52にネジ止め固定されている。蓋体56には、長手方向の中心線上に3つの比較的大きな径のネジ孔57が設けられ、ここに円板状の押さえネジ58をねじ込むことによって、押さえネジ58の下面が板バネ55を下方に押し下げて、板バネ5の下面が誘電体ブロック53の上面対して押し付けられるようになっている。
このような構成の誘電体フィルタは、入出力部に支持片24とその面上に形成された電極帯25,26、連結帯27、および下面電極28とからなる励振手段54,54が設けられているので、振動に強いバンドパスフィルタとなる。
【0026】
なお、本例においては、連結帯27における入力端と下面電極28との間に電極帯25,26によって2つの並列した線路が形成されているが、入力端と下面電極28とを1本の線路で結んだ構成としても動作可能である。
また下面電極28を設けない構成として、電極帯25の端部を開放端とすることもできる。
【0027】
また図示しない他の例として、角柱状の支持片の上面上に直線状の連結帯を形成し、この連結帯の両端に連続して、2つの電極帯を対向する側面上にそれぞれ形成してもよい。2つの電極帯は支持片の上面と下面を結ぶ方向に沿って好ましく形成される。また支持片の下面全面に導電性材料からなる下面電極が好ましく形成される。
このような構成の支持片は一方の側面上の電極帯が誘電体ブロックの近傍に位置するとともに、側面の電極帯が誘電体ブロックの軸芯方向と平行となるようにように配置される。また支持片の下面はケースの底板の内面に接着固定され、下面面極は接地される。さらに、2つの支持片の上面の連結帯には入力端子または出力端子がそれぞれ接続される。入力端子または出力端子との接続位置は、連結帯の中央が好ましい。
【0028】
このような構成の誘電体共振器にあっては、支持片とその面上に形成された電極帯、連結帯、および下面電極とで励振手段が構成されており、入力端子から電気信号が入力されると連結帯を経て誘電体ブロック近傍に配された電極帯に電流が流れ、誘電体ブロックの軸芯方向に直交する面において磁界が発生する。その磁気エネルギーにより誘電体ブロックが励振され、誘電体ブロックおよび導電性ケースに電流が流れるとともに、磁界が発生する。そしてこの磁気エネルギーによって出力側の励振手段で磁界が発生して電極帯に電流が流れ、出力端子から電気信号が出力される。そして、電極帯および連結帯の長さによって共振周波数が変わる。
【0029】
本例の誘電体共振器にあっては、励振手段がブロック状の支持片とその面上に形成された電極帯、連結帯、および下面電極とからなっており、支持片は導電性ケース内に接着固定されているので、振動の影響を受け難く、良好な性能が安定して得られる。
また励振手段は、高誘電率材料からなる支持片上に電極を形成したものであるので、誘電体の波長短縮により励振手段の物理的寸法を小さくすることが可能である。また励振手段は共振周波数付近で使用するので大きな磁界を発生することができる。
【0030】
また本例の誘電体共振器を誘電体フィルタの入出力部に用いることもできる。すなわち、導電性ケース内に複数個の誘電体ブロックを、互いに電磁気的に結合するように配置し、両端に支持片とその面上に形成された電極帯、連結帯および下面電極とからなる励振手段をそれぞれ設ければよい。このようにして得られる誘電体フィルタは、振動に強いバンドパスフィルタとなる。
【0031】
なお、本例においては、下面電極を設けない構成として、電極帯の端部を開放端とすることもできる。
また、本例の誘電体共振器においては、2つの支持片が誘電体ブロックを挟んで対称となるように配置されているが、このような配置に限らず、支持片は、その側面上に形成された電極帯に電流が流れた時に誘電体ブロックの軸芯方向と直交する面において磁界が発生するように配置すればよい。すなわち、支持片はその上面および下面の長さ方向が、誘電体ブロックの上面および下面の半径方向と同じになるように配置することができる。ただし、2つの支持片近傍でそれぞれ発生する磁界が相殺することがないように、これらを離間させる必要がある。
尚、これまでの本発明の実施の形態では、誘電体ブロックが円柱状に形成されていたが、誘電体ブロックを角柱状に形成してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の誘電体共振器は、導電性ケース内に柱状の誘電体ブロックを前記ケースに電気的に接続した状態で収容し、前記誘電体ブロック内を電流が流れる誘電体ブロックの軸芯方向と直交する面に磁場を発生させる励振手段を設け、該励振手段を前記ケースに固定された支持片と、入力端子又は出力端子に接続させて該支持片上に形成した少なくとも1つの電極パターンとで構成したものである。この構成によれば励振手段がケースに固定されているので、振動の影響を受け難く、性能の安定性に優れた誘電体共振器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器の第1の実施例を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例の誘電体共振器の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例の誘電体共振器の平面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の誘電体共振器の減衰特性を示すグラフである。
【図5】誘電体共振器の例を示した斜視図である。
【図6】図5の誘電体共振器の斜視図である。
【図7】図5の誘電体共振器の平面図である。
【図8】誘電体フィルタの例を示した分解斜視図である。
【図9】従来の誘電体共振器の一例を示した断面図である。
【図10】従来の誘電体共振器の他の例を示した平面図である。
【符号の説明】
1,21…誘電体共振器、2,20…導電性ケース、
3,30…誘電体ブロック、4,24…支持片、5…第1の電極パターン、
6…第2の電極パターン、8a,29a…入力端子、
8b,29b…出力端子、25,26…電極帯、27…連結帯
Claims (2)
- 天板と底板を有する導電性ケースと、該導電性ケース内に収容された柱状の誘電体ブロックと、該導電性ケース内に、前記誘電体ブロックを挟んで対称に配置された一対の励振手段とを備えてなり、
前記誘電体ブロックの上面に設けられた上端電極が前記ケースの天板に電気的に接続されており、該誘電体ブロックの下面に設けられた下端電極が前記ケースの底板に電気的に接続されており、
前記励振手段が、誘電体からなる角柱状の支持片と、該支持片の対向する1組の側面上にそれぞれ形成された第1の電極パターンおよび第2の電極パターンと、該支持片の下面に形成された下面電極とからなり、
前記第1の電極パターンは、支持片の側面をなす4辺のうち支持片の上面から下面に向かう辺の近傍に、この辺に沿って形成された縦辺部分と、支持片の側面と上面との境をなす辺の近傍に、この辺に沿って形成された横辺部分と有する略L字状であり、該横辺部分の一端が前記縦片部分と連なっており、該横辺部分の他端は開放端となっており、
第2の電極パターンは、支持片の側面をなす4辺のうち支持片の上面から下面に向かう辺の近傍に、この辺に沿って形成された縦辺部分と、支持片の側面と下面との境をなす辺の近傍に、この辺に沿って形成された横辺部分とを有する略L字状であり、該横辺部分の一端が前記縦片部分と連なっており、該横辺部分の他端は前記下面電極と接続されており、
前記第1の電極パターンの縦辺部分と第2の電極パターンの縦辺部分とが、支持片を挟んで対峙しており、
前記一対の励振手段はそれぞれ、前記支持片の、前記第1の電極パターンおよび第2の電極パターンが設けられていない側面のうち、前記第1の電極パターンおよび第2の電極パターンの縦辺部分に近い方の側面が前記誘電体ブロックの近傍となるように配置され、該支持片の下面が前記ケースの底板に接着固定されて、前記下面電極が接地されており、
前記一対の励振手段のうち、一方の励振手段の第1の電極パターンの前記横辺部分の他端に入力端子が接続され、他方の励振手段の第1の電極パターンの前記横辺部分の他端に出力端子が接続されていることを特徴とする誘電体共振器。 - 請求項1に記載の誘電体共振器を有する誘電体フィルタ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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