JP3634441B2 - 歯科インプラント用の型取りキャップ - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、歯科インプラント用の型取りキャップ、それもインプラントに向って開かれた円錐形の内面を有し、この内面の形状及び寸法がインプラントの上部構造部に適合せしめられている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
最近、顎のインプラントが次第に多用されるようになって来た。こうした顎のインプラントは、欠けた自然歯の代りに顎骨内に植え込まれ、そのインプラントに義歯が固定される。これらのインプラントは、大ていの場合、２部分から成っている。すなわち、顎骨内へねじ込まれるねじ体と、ねじ体内へねじ込み可能な上部構造部とである。この上部構造部は、ねじ体と反対側の端部が、大ていは円錐形に構成されている。この円錐形部分に義歯が固定される。この種のインプラントは、たとえばＤＥ−ＰＳ ４０３５ １７２号明細書に記載されている。
【０００３】
患者に義歯を供給する場合、通常は、既製の上部構造部が用いられ、これがねじ体内へねじ込まれる。これらの上部構造部は、義歯を造る場合、それが固定的な義歯、取外し可能な義歯、制限付きで取外し可能な義歯のいずれであっても、その基礎となるものである。削られた歯を型取る場合と異なり、この場合には、既製の上部構造部を用いて、口内の状態を歯科技術によりモデルに型取ることができる。その目的のために、型取りキャップが用いられる。この型取りキャップは、上部構造部分に載せられ、型取り後、型取り材料（たとえばシリコン、ポリエ−テル）内に残される。技工士は、この型取りキャップ内へ上部構造部の、技工室で製造された相似体（Ｌａｂｏｒａｎａｌｏｇ）を入れ、マスターモデルが作製される。
【０００４】
型取りのさいには、極めて種々の型取りキャップが用いられる。たとえば、インプラント上部構造部に、他の固定措置を施すことなしに載置される型取りキャップがある。この場合の欠点は、型取り時、又はその後のモデル作製時に、上部構造部上での型取りキャップの座着状態が固定的でないため、型取りキャップないし相似体の旋回又はずれによる不正確さが往々にして生じる点にある。
【０００５】
これよりもはるかに精密な型取り形式の場合、型取り用の個別のスプーン状部材が製造され、これがインプラントの上方で穴を開けられる。この穴を介して固定ねじにより型取りキャップが上部構造部上に固定される。型取りコンパウンドの硬化後、穴からねじ込まれた口腔内のねじを弛めて、型取りキャップを取外すことができる。次いで、マスターモデルを製作するため、前記の処置形式に従って、型取りコンパウンド内の型取りキャップ内へ相似体が入れられ、再び個別スプーン状部材の穴からねじ固定される。その後で、石こうモデルが製造される。この方法の主な欠点は、精密な型取りに要する費用が極めて高額な点である。理由は、先ず、個別のスプーン状部材を製作せねばならないためであり、加えて、口内でのねじ固定を、特に接近しにくい個所で行なうことが厄介なためである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、歯科インプラント用の型取りキャップを、インプラント側に開いている円錐形内面を有するようにし、この内面の形状と寸法とをインプラントの上部構造部に適合させるようにし、かつまた高額の出費なしに精密な型取りが口腔内で可能になるようにすることにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この課題は、本発明によれば、型取りキャップの開放端部に単数又は複数の、ばね作用を有するタブが設けられており、これらのタブが、取付け状態では、上部構造部の円錐形区域の肩を掴むようにすることによって解決された。
【０００８】
加えて、型取りキャップには単数又は複数のみぞを設けておくのが有利である。これらのみぞは、場合により、上部構造部に設けられた相応の凹所に係合させることができる。
【０００９】
型取りキャップは、上部構造部上に、ばね作用を有するタブと、場合によってはみぞとを介して固定できる。この固定により、口腔内の状態を正確に型取りでき、しかも、作業（型取り、モデル作製）の間、型取りキャップが正しい位置から旋回したり、ずれたりすることがない。
【００１０】
【実施例】
円筒形の型取りキャップ１は、少なくとも下方部分２が円錐形に構成され、円錐形の中空室３の形状及び寸法は、歯科インプラント上部構造部の円錐形区域（図示せず）と合致している。この型取りキャップ１は、開放端部に単数又は複数の、ばね作用を有するタブ４を備えている。これらのタブは、取付け状態では上部構造部円錐形区域の肩を掴み、型取りキャップ１が上部構造部上で垂直方向にずれたり、旋回したりすることが防止されている。加えて、型取りキャップにはみぞ５が設けられ、これらのみぞにより付加的に旋回が防止されている。型取りキャップ１を外すさいは、垂直方向に引張ることにより簡単に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の型取りキャップの一実施例の略示縦断面図。
【図２】図１の実施例の略示横断面図。
【符号の説明】
１ 型取りキャップ
２ 下方部分
３ 中空室
４ タブ
５ みぞ

Claims (2)

1. 歯科インプラント用の型取りキャップであって、インプラントに対して開かれた円錐形内面を有し、この内面の形状及び寸法がインプラントの上部構造部分に適合せしめられている形式のものにおいて、型取りキャップ（１）が、開放端部に単数または複数の、ばね作用を有するタブ（４）を保持しており、これらのタブ（４）が、取付け状態では上部構造部分の円錐形区域の肩を掴むことを特徴とする、歯科インプラント用の型取りキャップ。
2. 型取りキャップが単数又は複数のみぞ（５）を有することを特徴とする、請求項１記載の型取りキャップ。

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