JP3629289B2 - スタッドボルト端子のブッシュ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、板端子が締結され導通接続されるスタッドボルト端子のブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のスタッドボルト端子のブッシュとして、例えば図6に示すものが知られている。
【0003】
同図に示すように、車載装備品101の電気接続部103には、板端子105と導通接続するスタッドボルト端子107が立設されている。板端子105は、スタッドボルト端子107の立設上端107aから挿通される孔部109と、孔部109の外側で電気接続部103側に突設された爪部111とを備え、ワイヤハーネスWの端部に加締め接合されている。ブッシュ113は、スタッドボルト端子107の外周に設けられ、スタッドボルト端子107に螺合するナット(下側)115によって電気接続部103に締結されている。ブッシュ113の上面113aには、スタッドボルト端子107の立設上方に開口する溝部117が形成されている。溝部117は、スタッドボルト端子107の軸回り方向両側が壁面117a,117bによって区画され、壁面117a,117bは、スタッドボルト端子107の立設方向に沿って形成されている。溝部117は、板端子105の爪部111を前記立設上方から収容し、両側の壁面117a,117bによって前記軸回り方向への板端子105の移動を規制する。
【0004】
板端子105をスタッドボルト端子107に締結する場合、ブッシュ113の溝部117に爪部111を合わせるようにして板端子105の孔部109をスタッドボルト端子107に挿通した後、ナット(上側)119をスタッドボルト端子107に締込む。これにより、板端子105の爪部111がブッシュ113の溝部117に収容された状態で、板端子105が上下のナット119,115間に締結されて、両者が導通接続する。
【0005】
このように、ブッシュ113の溝部117に爪部111を合わせて収容させることによって、前記軸回り方向における板端子105の位置決めを行うことができると共に、締結された板端子105の回り止めを行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のブッシュ113にあっては、ワイヤハーネスWを車体に配索した状態でスタッドボルト端子107に板端子105を締結する場合、湾曲されたワイヤハーネスWの反力が板端子105に作用して、爪部111を溝部117に容易に収容させることができない場合がある。
【0007】
また、溝部117に爪部111を収容しても、ワイヤハーネスWから作用する反力によって、上側のナット119を十分に締込む前に板端子105が浮上がってしまう可能性があり、かかる浮上がり状態のまま上側のナット119を強く締込んでしまうと、爪部111が溝部117から外れてブッシュ113の上面113aに圧接し、ブッシュ113を破損させてしまう恐れがあった。
【0008】
このため、作業者は、ワイヤハーネスWを掴み爪部111を溝部117の位置に完全に合致させた状態を保持して上側のナット119を締込む必要があり、締結作業が煩雑であった。
【0009】
そこでこの発明は、爪部を有する板端子との締結作業を簡単に行うことができるスタッドボルト端子のブッシュの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、スタッドボルト端子の外周に絶縁材により筒体状に設けられてなるスタッドボルト端子のブッシュであって、前記スタッドボルト端子の立設上方に開口すると共に前記スタッドボルト端子に締結されて導通する板端子の爪部を前記開口から収容して該板端子の移動を規制する溝部を有し、前記溝部の開口の軸回り方向の端部とブッシュの上面との間に、該開口を拡げる方向に傾斜して前記爪部を前記溝部内に案内可能なるガイド面を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスタッドボルト端子のブッシュであって、前記板端子には、前記スタッドボルト端子に挿通される孔部を有すると共に前記爪部がスタッドボルト端子の軸回り方向に少なくとも二個突設してなり、前記溝部の前記スタッドボルト端子を中心とした軸回り方向には、前記板端子の前記軸回り方向への移動を規制する壁面を有し、前記ガイド面は、前記壁面の上方の少なくとも一方に設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスタッドボルト端子のブッシュであって、前記溝部は、複数設けられ、前記ガイド面は、前記複数の溝部のそれぞれに対して設けたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
請求項1記載の発明では、板端子をスタッドボルト端子に締結する場合、爪部は、溝部から多少ずれていてもガイド面の上方に位置していれば、板端子の締結に伴って溝部に案内され収容される。従って、板端子の締結中に爪部の位置を溝部に完全に合わせたり、板端子締結前に爪部を溝部に収容させておいたりする必要がなく、板端子の締結作業を簡単に行うことができる。
【0015】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の作用に加えて、孔部にスタッドボルト端子を挿通した締結前の板端子は、スタッドボルト端子の立設方向と軸回り方向にのみ移動自在な状態となるので、締結に伴ってスタッドボルト端子の立設下方に移動する板端子を、前記軸回り方向に回転させるだけで、爪部を容易にガイド面の上方に位置させることができ、板端子の締結作業をより簡単に行うことができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、複数の溝部のうちどの溝部に爪部を収容させる場合であっても、請求項1〜請求項3に記載の発明と同様の作用を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下この発明の第1実施例を、図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第1実施例にかかるスタッドボルト端子のブッシュを示した斜視図、図2(a)は図1のブッシュの平面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図3は板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。また、図4は他の板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【0019】
図1に示すように、車載装備品1の電気接続部3には、板端子5と導通接続するスタッドボルト端子7が立設されている。電気接続部3は筒体状に形成され、筒体内径部3aにスタッドボルト端子7が挿通している。
【0020】
図1及び図3に示す板端子5は、ボルト端子接続部31とワイヤハーネス接続部33とを備えている。ボルト端子接続部31には、孔部9と、孔部9の外側から孔部9の挿通方向に沿って突出した爪部11が設けられている。爪部11は、孔部9の中心に対して略180°ずれた2箇所に設けられ、各爪部11は略矩形状に形成されている。ワイヤハーネス接続部33には、ワイヤハーネスWの導線部分を加締める2つの導電体加締め片35と、ワイヤハーネスWの被覆部分を加締める2つの絶縁体加締め片37が立設されている。
【0021】
また、図4に示す他の板端子41は、爪部43を、孔部9の中心に対して略90°ずれた2箇所に設けたもので、他の構成は図3の板端子5と同様である。
【0022】
図1の板端子5の孔部9は、スタッドボルト端子7に立設上端7aから挿通される。爪部11は電気接続部3側に突設され、ワイヤハーネス接続部33には、ワイヤハーネスWの端部が加締め接合されている。
【0023】
ブッシュ13は、絶縁材によって筒体状に形成されている。ブッシュ13の内径部13cには、スタッドボルト端子7が挿通され、ブッシュ13の下部13dは、電気接続部3の内径部3aの上端3bに嵌合されている。かかる状態で、ブッシュ13は、スタッドボルト端子7に螺合するナット(下側)15によって電気接続部3に締結され、スタッドボルト端子7の外周に設けられた状態となっている。ブッシュ13の上面13aの中央部分には凹部13bが形成され、この凹部13bの上面にナット15が当接している。
【0024】
ブッシュ13の上面13aには、下側のナット15の外側でスタッドボルト端子7の立設上方に開口する溝部17が形成されている。溝部17は、図2に示すようにスタッドボルト端子7の軸回り方向に90°ずつずれた4箇所に設けられ、このうち180°ずれた2箇所の相対向する溝部17には、板端子5の2つの爪部11が前記立設上方から収容される。このように溝部17を4箇所に設けているのは、図4に示す他の板端子41に対しても爪部43の収容を可能とするためであり、かかる構造により、同一のブッシュ13で異種の板端子5,41を導通接続させることができる。
【0025】
各溝部17のスタッドボルト端子7の軸回り方向両側は、相対向する壁面17a,17bによって区画されている。板端子5の爪部11を収容した溝部17は、両側の壁面17a,17bによって前記軸回り方向への板端子5の移動を規制する。各溝部17の壁面17a,17bの上部には、上方に向かって相反する方向に傾斜するガイド面21,23が設けられ、ガイド面21,23によって溝部17の開口が拡げられている。
【0026】
次に作用を説明する。
【0027】
板端子5をスタッドボルト端子7に締結する場合、板端子5の孔部9をスタッドボルト端子7に挿通し、上側のナット19をスタッドボルト端子7に締込んでいく。ナット19の締込みに伴って板端子5はスタッドボルト端子7の立設下方に移動していくが、その際に爪部11の位置を溝部17にほぼ合わせておけば、爪部11が必ずガイド面21,23の上方に位置するので、爪部11の先端がガイド面21,23に当接し、爪部11がガイド面21,23に案内されて溝部17に収容される。ナット19を十分に締込むと、板端子5の爪部11がブッシュ13の溝部17に収容された状態で、板端子5が上下のナット19,15間に締結されて、板端子5とスタッドボルト端子7とが導通接続する。このように、溝部17に爪部11を収容させることによって、前記軸回り方向における板端子5の位置決めを行うことができると共に、締結された板端子5の回り止めを行うことができる。
【0028】
かかる締結作業時において、爪部11がガイド面21,23によって溝部17に案内されるので、上側のナット19を締込む前に爪部11を溝部17に収容させておいたり、爪部11を溝部17の位置に完全に合わせた状態でナット19を締込むという煩雑な作業を要することなく、上側のナット19の締結によって爪部11を溝部17に容易に収容させることができ、板端子5の締結作業を簡単に行うことができる。
【0029】
また、孔部9にスタッドボルト端子7を挿通した状態にある締結前の板端子5は、スタッドボルト端子7の立設方向に沿った上下移動と、スタッドボルト端子7の軸回り方向への回転のみ可能な状態となる。このため、ナット19の締結に伴ってスタッドボルト端子7の立設下方に移動する板端子5を、前記軸回り方向に回転させるだけで、爪部11をガイド面21,23の上方に容易に位置させることができ、板端子5の締結作業をより簡単に行うことができる。
【0030】
さらに、4箇所の溝部17のそれぞれに対してガイド面21,23を設けたので、図3に示す板端子5だけではなく、図4に示す板端子41に対しても、同様に締結作業を簡単に行うことができ、高い汎用性を得ることができる。
【0031】
次に、この発明の第2実施例を、図5に基づいて説明する。
【0032】
この実施例のブッシュ51は、スタッドボルト端子7(図1参照)の軸回り方向の一方向側のみにガイド面53を設けたもので、他の構成は第1実施例と同様である。すなわち、各溝部17の壁面17a,17bのうち、締込まれる上側のナット19(図1参照)の回転方向(図中矢印P方向)後側の壁面17aにのみガイド面53が設けられている。そして、各ガイド面53の上端は、隣接する溝部17のガイド面53を設けていない壁面17bの上端から開始されている。
【0033】
かかるブッシュ51によれば、第1実施例のブッシュ13による作用及び効果に加えて、爪部11がガイド面53に案内される際の板端子5の回転方向を一定の方向、すなわち上側のナット19(図1参照)の締込み時の回転方向に限定することができる。したがって、共回りによる板端子5の回転方向と、ガイド面53に沿って案内される際の板端子5の回転方向を常に一致させることができ、ナット19の締込み時に板端子5が共回りを起こした場合でも、爪部11がガイド面53に確実かつ良好に案内される。
【0034】
また、各ガイド面53の上端が、隣接する溝部17のガイド面53を設けていない壁面17bの上端から開始されているので、各ガイド面53は最も広範囲に形成された状態となり、溝部17に対する板端子5の位置ずれを最大範囲で許容することができる。
【0035】
また、例えばスタッドボルト端子7の周囲のスペース上の制約から、板端子5がスタッドボルト7の立設下方に移動する際に一方向にのみ回転が許容されている場合において、板端子5がガイド面に案内される際の回転方向を前記許容された回転方向と一致するようにガイド面を設けておけば、締結中の板端子5が前記許容された方向と反する方向に回転するのを確実に防止できるという効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明によれば、板端子をスタッドボルト端子に締結する場合、爪部が溝部から多少ずれていても、板端子の締結に伴いガイド面によって爪部が溝部に案内されるので、板端子の締結中に爪部の位置を溝部に完全に合わせたり、板端子締結前に爪部を溝部に収容させておくという煩雑な作業が不要となり、板端子の締結作業を簡単に行うことができる。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、孔部にスタッドボルト端子を挿通した締結前の板端子は、スタッドボルト端子の立設方向と軸回り方向にのみ移動自在な状態となるので、前記軸回り方向に回転させるだけで、爪部を容易にガイド面の上方に位置させることができ、板端子の締結作業をより簡単に行うことができる。
【0039】
請求項3記載の発明によれば、複数の溝部のうちどの溝部に爪部を収容させる場合であっても、請求項1〜請求項2に記載の発明と同様の効果を得ることができ、例えばブッシュに異種の板端子に対応可能な複数の溝部を設けた場合、全ての異種板端子に対して請求項1〜請求項2に記載の発明と同様の効果を奏するので、汎用性の高いブッシュとすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の一部破断斜視図である。
【図2】(a)は図1のブッシュの平面図、(b)は図2(a)のA−A断面図である。
【図3】板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図4】他の板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図5】図2実施例の一部破断斜視図である。
【図6】従来例の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
5 板端子
7 スタッドボルト端子
9 孔部
11 爪部
13 ブッシュ
17 溝部
17a 壁面
17b 壁面
21 ガイド面
23 ガイド面
41 板端子
43 爪部
51 ブッシュ
53 ガイド面
【産業上の利用分野】
この発明は、板端子が締結され導通接続されるスタッドボルト端子のブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のスタッドボルト端子のブッシュとして、例えば図6に示すものが知られている。
【0003】
同図に示すように、車載装備品101の電気接続部103には、板端子105と導通接続するスタッドボルト端子107が立設されている。板端子105は、スタッドボルト端子107の立設上端107aから挿通される孔部109と、孔部109の外側で電気接続部103側に突設された爪部111とを備え、ワイヤハーネスWの端部に加締め接合されている。ブッシュ113は、スタッドボルト端子107の外周に設けられ、スタッドボルト端子107に螺合するナット(下側)115によって電気接続部103に締結されている。ブッシュ113の上面113aには、スタッドボルト端子107の立設上方に開口する溝部117が形成されている。溝部117は、スタッドボルト端子107の軸回り方向両側が壁面117a,117bによって区画され、壁面117a,117bは、スタッドボルト端子107の立設方向に沿って形成されている。溝部117は、板端子105の爪部111を前記立設上方から収容し、両側の壁面117a,117bによって前記軸回り方向への板端子105の移動を規制する。
【0004】
板端子105をスタッドボルト端子107に締結する場合、ブッシュ113の溝部117に爪部111を合わせるようにして板端子105の孔部109をスタッドボルト端子107に挿通した後、ナット(上側)119をスタッドボルト端子107に締込む。これにより、板端子105の爪部111がブッシュ113の溝部117に収容された状態で、板端子105が上下のナット119,115間に締結されて、両者が導通接続する。
【0005】
このように、ブッシュ113の溝部117に爪部111を合わせて収容させることによって、前記軸回り方向における板端子105の位置決めを行うことができると共に、締結された板端子105の回り止めを行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のブッシュ113にあっては、ワイヤハーネスWを車体に配索した状態でスタッドボルト端子107に板端子105を締結する場合、湾曲されたワイヤハーネスWの反力が板端子105に作用して、爪部111を溝部117に容易に収容させることができない場合がある。
【0007】
また、溝部117に爪部111を収容しても、ワイヤハーネスWから作用する反力によって、上側のナット119を十分に締込む前に板端子105が浮上がってしまう可能性があり、かかる浮上がり状態のまま上側のナット119を強く締込んでしまうと、爪部111が溝部117から外れてブッシュ113の上面113aに圧接し、ブッシュ113を破損させてしまう恐れがあった。
【0008】
このため、作業者は、ワイヤハーネスWを掴み爪部111を溝部117の位置に完全に合致させた状態を保持して上側のナット119を締込む必要があり、締結作業が煩雑であった。
【0009】
そこでこの発明は、爪部を有する板端子との締結作業を簡単に行うことができるスタッドボルト端子のブッシュの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、スタッドボルト端子の外周に絶縁材により筒体状に設けられてなるスタッドボルト端子のブッシュであって、前記スタッドボルト端子の立設上方に開口すると共に前記スタッドボルト端子に締結されて導通する板端子の爪部を前記開口から収容して該板端子の移動を規制する溝部を有し、前記溝部の開口の軸回り方向の端部とブッシュの上面との間に、該開口を拡げる方向に傾斜して前記爪部を前記溝部内に案内可能なるガイド面を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスタッドボルト端子のブッシュであって、前記板端子には、前記スタッドボルト端子に挿通される孔部を有すると共に前記爪部がスタッドボルト端子の軸回り方向に少なくとも二個突設してなり、前記溝部の前記スタッドボルト端子を中心とした軸回り方向には、前記板端子の前記軸回り方向への移動を規制する壁面を有し、前記ガイド面は、前記壁面の上方の少なくとも一方に設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスタッドボルト端子のブッシュであって、前記溝部は、複数設けられ、前記ガイド面は、前記複数の溝部のそれぞれに対して設けたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
請求項1記載の発明では、板端子をスタッドボルト端子に締結する場合、爪部は、溝部から多少ずれていてもガイド面の上方に位置していれば、板端子の締結に伴って溝部に案内され収容される。従って、板端子の締結中に爪部の位置を溝部に完全に合わせたり、板端子締結前に爪部を溝部に収容させておいたりする必要がなく、板端子の締結作業を簡単に行うことができる。
【0015】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の作用に加えて、孔部にスタッドボルト端子を挿通した締結前の板端子は、スタッドボルト端子の立設方向と軸回り方向にのみ移動自在な状態となるので、締結に伴ってスタッドボルト端子の立設下方に移動する板端子を、前記軸回り方向に回転させるだけで、爪部を容易にガイド面の上方に位置させることができ、板端子の締結作業をより簡単に行うことができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、複数の溝部のうちどの溝部に爪部を収容させる場合であっても、請求項1〜請求項3に記載の発明と同様の作用を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下この発明の第1実施例を、図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第1実施例にかかるスタッドボルト端子のブッシュを示した斜視図、図2(a)は図1のブッシュの平面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図3は板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。また、図4は他の板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【0019】
図1に示すように、車載装備品1の電気接続部3には、板端子5と導通接続するスタッドボルト端子7が立設されている。電気接続部3は筒体状に形成され、筒体内径部3aにスタッドボルト端子7が挿通している。
【0020】
図1及び図3に示す板端子5は、ボルト端子接続部31とワイヤハーネス接続部33とを備えている。ボルト端子接続部31には、孔部9と、孔部9の外側から孔部9の挿通方向に沿って突出した爪部11が設けられている。爪部11は、孔部9の中心に対して略180°ずれた2箇所に設けられ、各爪部11は略矩形状に形成されている。ワイヤハーネス接続部33には、ワイヤハーネスWの導線部分を加締める2つの導電体加締め片35と、ワイヤハーネスWの被覆部分を加締める2つの絶縁体加締め片37が立設されている。
【0021】
また、図4に示す他の板端子41は、爪部43を、孔部9の中心に対して略90°ずれた2箇所に設けたもので、他の構成は図3の板端子5と同様である。
【0022】
図1の板端子5の孔部9は、スタッドボルト端子7に立設上端7aから挿通される。爪部11は電気接続部3側に突設され、ワイヤハーネス接続部33には、ワイヤハーネスWの端部が加締め接合されている。
【0023】
ブッシュ13は、絶縁材によって筒体状に形成されている。ブッシュ13の内径部13cには、スタッドボルト端子7が挿通され、ブッシュ13の下部13dは、電気接続部3の内径部3aの上端3bに嵌合されている。かかる状態で、ブッシュ13は、スタッドボルト端子7に螺合するナット(下側)15によって電気接続部3に締結され、スタッドボルト端子7の外周に設けられた状態となっている。ブッシュ13の上面13aの中央部分には凹部13bが形成され、この凹部13bの上面にナット15が当接している。
【0024】
ブッシュ13の上面13aには、下側のナット15の外側でスタッドボルト端子7の立設上方に開口する溝部17が形成されている。溝部17は、図2に示すようにスタッドボルト端子7の軸回り方向に90°ずつずれた4箇所に設けられ、このうち180°ずれた2箇所の相対向する溝部17には、板端子5の2つの爪部11が前記立設上方から収容される。このように溝部17を4箇所に設けているのは、図4に示す他の板端子41に対しても爪部43の収容を可能とするためであり、かかる構造により、同一のブッシュ13で異種の板端子5,41を導通接続させることができる。
【0025】
各溝部17のスタッドボルト端子7の軸回り方向両側は、相対向する壁面17a,17bによって区画されている。板端子5の爪部11を収容した溝部17は、両側の壁面17a,17bによって前記軸回り方向への板端子5の移動を規制する。各溝部17の壁面17a,17bの上部には、上方に向かって相反する方向に傾斜するガイド面21,23が設けられ、ガイド面21,23によって溝部17の開口が拡げられている。
【0026】
次に作用を説明する。
【0027】
板端子5をスタッドボルト端子7に締結する場合、板端子5の孔部9をスタッドボルト端子7に挿通し、上側のナット19をスタッドボルト端子7に締込んでいく。ナット19の締込みに伴って板端子5はスタッドボルト端子7の立設下方に移動していくが、その際に爪部11の位置を溝部17にほぼ合わせておけば、爪部11が必ずガイド面21,23の上方に位置するので、爪部11の先端がガイド面21,23に当接し、爪部11がガイド面21,23に案内されて溝部17に収容される。ナット19を十分に締込むと、板端子5の爪部11がブッシュ13の溝部17に収容された状態で、板端子5が上下のナット19,15間に締結されて、板端子5とスタッドボルト端子7とが導通接続する。このように、溝部17に爪部11を収容させることによって、前記軸回り方向における板端子5の位置決めを行うことができると共に、締結された板端子5の回り止めを行うことができる。
【0028】
かかる締結作業時において、爪部11がガイド面21,23によって溝部17に案内されるので、上側のナット19を締込む前に爪部11を溝部17に収容させておいたり、爪部11を溝部17の位置に完全に合わせた状態でナット19を締込むという煩雑な作業を要することなく、上側のナット19の締結によって爪部11を溝部17に容易に収容させることができ、板端子5の締結作業を簡単に行うことができる。
【0029】
また、孔部9にスタッドボルト端子7を挿通した状態にある締結前の板端子5は、スタッドボルト端子7の立設方向に沿った上下移動と、スタッドボルト端子7の軸回り方向への回転のみ可能な状態となる。このため、ナット19の締結に伴ってスタッドボルト端子7の立設下方に移動する板端子5を、前記軸回り方向に回転させるだけで、爪部11をガイド面21,23の上方に容易に位置させることができ、板端子5の締結作業をより簡単に行うことができる。
【0030】
さらに、4箇所の溝部17のそれぞれに対してガイド面21,23を設けたので、図3に示す板端子5だけではなく、図4に示す板端子41に対しても、同様に締結作業を簡単に行うことができ、高い汎用性を得ることができる。
【0031】
次に、この発明の第2実施例を、図5に基づいて説明する。
【0032】
この実施例のブッシュ51は、スタッドボルト端子7(図1参照)の軸回り方向の一方向側のみにガイド面53を設けたもので、他の構成は第1実施例と同様である。すなわち、各溝部17の壁面17a,17bのうち、締込まれる上側のナット19(図1参照)の回転方向(図中矢印P方向)後側の壁面17aにのみガイド面53が設けられている。そして、各ガイド面53の上端は、隣接する溝部17のガイド面53を設けていない壁面17bの上端から開始されている。
【0033】
かかるブッシュ51によれば、第1実施例のブッシュ13による作用及び効果に加えて、爪部11がガイド面53に案内される際の板端子5の回転方向を一定の方向、すなわち上側のナット19(図1参照)の締込み時の回転方向に限定することができる。したがって、共回りによる板端子5の回転方向と、ガイド面53に沿って案内される際の板端子5の回転方向を常に一致させることができ、ナット19の締込み時に板端子5が共回りを起こした場合でも、爪部11がガイド面53に確実かつ良好に案内される。
【0034】
また、各ガイド面53の上端が、隣接する溝部17のガイド面53を設けていない壁面17bの上端から開始されているので、各ガイド面53は最も広範囲に形成された状態となり、溝部17に対する板端子5の位置ずれを最大範囲で許容することができる。
【0035】
また、例えばスタッドボルト端子7の周囲のスペース上の制約から、板端子5がスタッドボルト7の立設下方に移動する際に一方向にのみ回転が許容されている場合において、板端子5がガイド面に案内される際の回転方向を前記許容された回転方向と一致するようにガイド面を設けておけば、締結中の板端子5が前記許容された方向と反する方向に回転するのを確実に防止できるという効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明によれば、板端子をスタッドボルト端子に締結する場合、爪部が溝部から多少ずれていても、板端子の締結に伴いガイド面によって爪部が溝部に案内されるので、板端子の締結中に爪部の位置を溝部に完全に合わせたり、板端子締結前に爪部を溝部に収容させておくという煩雑な作業が不要となり、板端子の締結作業を簡単に行うことができる。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、孔部にスタッドボルト端子を挿通した締結前の板端子は、スタッドボルト端子の立設方向と軸回り方向にのみ移動自在な状態となるので、前記軸回り方向に回転させるだけで、爪部を容易にガイド面の上方に位置させることができ、板端子の締結作業をより簡単に行うことができる。
【0039】
請求項3記載の発明によれば、複数の溝部のうちどの溝部に爪部を収容させる場合であっても、請求項1〜請求項2に記載の発明と同様の効果を得ることができ、例えばブッシュに異種の板端子に対応可能な複数の溝部を設けた場合、全ての異種板端子に対して請求項1〜請求項2に記載の発明と同様の効果を奏するので、汎用性の高いブッシュとすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の一部破断斜視図である。
【図2】(a)は図1のブッシュの平面図、(b)は図2(a)のA−A断面図である。
【図3】板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図4】他の板端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図5】図2実施例の一部破断斜視図である。
【図6】従来例の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
5 板端子
7 スタッドボルト端子
9 孔部
11 爪部
13 ブッシュ
17 溝部
17a 壁面
17b 壁面
21 ガイド面
23 ガイド面
41 板端子
43 爪部
51 ブッシュ
53 ガイド面
Claims (3)
- スタッドボルト端子の外周に絶縁材により筒体状に設けられてなるスタッドボルト端子のブッシュであって、
前記スタッドボルト端子の立設上方に開口すると共に前記スタッドボルト端子に締結されて導通する板端子の爪部を前記開口から収容して該板端子の移動を規制する溝部を有し、
前記溝部の開口の軸回り方向の端部とブッシュの上面との間に、該開口を拡げる方向に傾斜して前記爪部を前記溝部内に案内可能なるガイド面を設けたことを特徴とするスタッドボルト端子のブッシュ。 - 請求項1記載のスタッドボルト端子のブッシュであって、
前記板端子には、前記スタッドボルト端子に挿通される孔部を有すると共に前記爪部がスタッドボルト端子の軸回り方向に少なくとも二個突設してなり、
前記溝部の前記スタッドボルト端子を中心とした軸回り方向には、前記板端子の前記軸回り方向への移動を規制する壁面を有し、
前記ガイド面は、前記壁面の上方の少なくとも一方に設けたことを特徴とするスタッドボルト端子のブッシュ。 - 請求項1又は請求項2に記載のスタッドボルト端子のブッシュであって、
前記溝部は、複数設けられ、
前記ガイド面は、前記複数の溝部のそれぞれに対して設けたことを特徴とするスタッドボルト端子のブッシュ。
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