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JP3628740B2 - 低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法 - Google Patents

低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塩化ナトリウムを主成分とする塩化ナトリウム含有物質が低温条件下で固結するのを防止する、いわゆる低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ナトリウムは、水分の存在下で品温(その温度)が0.1℃以下に低下すると、下式(1)に示す反応を起こし2水和物に変化する。
NaCl+2HO → NaCl・2HO ・・・・ (1)
通常、塩化ナトリウムの水分は、塩化ナトリウムの飽和溶液として塩化ナトリウム結晶に付着している。この水分の塩化ナトリウム溶解度は、温度が低下することにより減少するため、塩化ナトリウムの微結晶が析出するが、温度が上記の0.1℃以下になると、上式(1)の反応によって塩化ナトリウムの2水和物が析出する。この塩化ナトリウム2水和物の析出によって、水分中の塩化ナトリウム濃度が低下して未飽和となり、この水分に塩化ナトリウムが溶解する。このような析出および溶解が繰り返され、結晶表面に付着した水分がなくなるまで塩化ナトリウム2水和物の生成が行われる[D.W.Kaufmann:塩化ナトリウム(1993)、第478頁(ソルトサイエンス研究財団監訳、発行)参照]。塩化ナトリウム結晶の水分の大部分は結晶表面に存在するため、上述の反応は結晶表面で起こる。この結果、生成した塩化ナトリウム2水和物が隣接する複数の結晶間を架橋し、塩化ナトリウムの結晶が互いに結合して、いわゆる低温固結を引き起こす。低温固結した塩化ナトリウムの粒子群は、流動性がほとんど無く、取扱いが困難である。
【0003】
北海道等の冬季に気温が氷点下まで低下する地方では、この塩化ナトリウム粒子群の低温固結を防止するために、例えば、ジェットヒーター等を用いて室温が氷点よりも高く保たれた屋内で貯蔵すること、使用時に暖めたり、ハンマー等で破壊して固結した塩化ナトリウム粒子群を崩すこと、または、塩化ナトリウムを使用時に溶解して用いる場合には溶解した状態で貯蔵することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塩化ナトリウムの量が大量である場合、上述のように屋内で貯蔵することは暖房設備等が必要なため経済的でない。また、使用時に暖めたり、ハンマー等で破壊して固結した塩化ナトリウム粒子群を崩すことは、操作に手間がかかり繁雑である。また、溶解状態での貯蔵は使用時に溶解する場合にしか適用できない。そこで、塩化ナトリウムの粒子群が低温固結することを未然に防止できることが望まれている。
【0005】
特に、道路路面の凍結を防止する凍結防止剤に塩化ナトリウムを使用する場合、低温固結が問題になることが多い。すなわち、この凍結防止剤は散布車に積載され散布される。従って、凍結防止剤は一度に大量に使用されるので、通常1トン包装袋を数十個積み上げて野外に貯蔵される。また、このように包装単位が大きくなると、凍結防止剤自体の重さで固結し易くなる。このため、凍結防止剤が低温固結してしまうことが多い。低温固結した凍結防止剤は、散布車に積載する前に破砕する必要がある。また、凍結防止剤の散布の最中に、散布車に積載された、凍結防止剤である塩化ナトリウム粒子群が低温固結し、散布ができなくなることがある。近年、粉塵公害防止のためにスパイクタイヤの使用が禁止されたため、凍結防止剤としての塩化ナトリウムの需要が急増し、低温固結しない凍結防止剤が強く要望されている。
【0006】
本発明は、塩化ナトリウムを主成分とする塩化ナトリウム含有物質が低温固結するのを未然に防止することができ、屋内貯蔵や固結した塩化ナトリウム粒子群を崩す手間が不要な、低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化ナトリウムを主成分とする塩化ナトリウム含有物質に、水和熱がNaよりも大きなイオンを遊離する少なくとも1種類以上の化合物を添加することを特徴とする低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法を提供する。
【0008】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0009】
塩化ナトリウム含有物質の低温固結を防止するには、(i)品温が0.1℃以下にならないこと、(ii)例えば、加熱乾燥して塩化ナトリウム結晶の表面に付着した水分を除去することにより、塩化ナトリウム2水和物の生成を防止することが考えられる。しかし、これらの方法はいずれも多大なコストを必要とするので現実的でない。
【0010】
そこで、本発明者らは、塩化ナトリウムの表面に付着した水分中に水和熱がNa(ナトリウムイオン)よりも大きなイオンが存在することにより、塩化ナトリウム2水和物の生成が防止されることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、塩化ナトリウム2水和物は、上述のように、温度低下により塩化ナトリウムの溶解度が減少し、塩化ナトリウムで飽和された、結晶表面に付着した水分から析出することにより生成する。
【0012】
そこで、ナトリウムイオンよりも水和熱が大きいイオン(以下、添加物イオンという)を塩化ナトリウム含有物質に添加する。水和熱とは、定圧下で溶質を溶媒である水で無限に稀釈した際生じる熱量変化をいい、溶質の水に対する結合エネルギーに相当する。従って、イオンは水和熱が大きいほど、当該イオンと水分子との間の結合エネルギーが大きい。添加物イオンは、ナトリウムイオンよりも水和熱が大きく、ナトリウムイオンよりも水分子との結合エネルギーが大きい。このため、常温下において、塩化ナトリウム結晶の表面に付着した、塩化ナトリウムにより飽和状態の水分に添加物イオンが溶解すると、添加物イオンと水分子が結合して水和物を形成する。この水和物は、水分中をあたかも一つのイオンのような挙動を示す。このような水和物の形成により、水分中の塩化ナトリウムが溶解に利用できる、自由な水が減少するため、当該水分への塩化ナトリウムの溶解度が低下する。この結果、余分なナトリウムイオンは塩化ナトリウムとして析出する。
【0013】
塩化ナトリウム含有物質の品温が氷点下まで低下した場合、未処理の塩化ナトリウム含有物質では、塩化ナトリウム結晶の表面に付着し、塩化ナトリウムにより飽和状態の水分の塩化ナトリウム溶解度が大幅に低下する。このため、当該水分から塩化ナトリウム2水和物が生成する。
【0014】
これに対して、上述のナトリウムイオンよりも水和熱が大きいイオンを添加した塩化ナトリウム含有物質は、品温が氷点下まで低下した場合、塩化ナトリウム結晶の表面に付着した水分の塩化ナトリウム溶解度の低下が、未処理の場合と比較して小さくなる。また、水分が添加物イオンと水和物を形成しているため、塩化ナトリウムが析出するときに利用できる自由な水分が少ない。このため、当該水分からの塩化ナトリウム2水和物の生成が抑制され、低温固結が引き起こされるのを防止することができる。
【0015】
ここで、添加物イオンの添加量は多いほど品温の低下による結晶表面に付着した水分の塩化ナトリウム溶解度の低下は少なくなる。また、添加物イオンの添加量が多いほど、結晶表面に付着した水分中の塩化ナトリウム2水和物の生成に利用できる水分の量が減少するので、塩化ナトリウム2水和物の生成量が少なくなる。
また、添加物イオンの水和熱が大きいほど、低温固結を防止する効果は大きい。
【0016】
塩化ナトリウムは、常温下でも固結する。従来、常温下での塩化ナトリウムの固結(以下、常温固結という)を防止するための固結防止剤として、リン酸二ナトリウム、フェロシアン化カリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム等が使用されている。しかし、常温固結は、塩化ナトリウム結晶の表面における水分の吸収および放出により、塩化ナトリウムの微結晶が析出することにより発生することが知られている[D.W.Kaufmann:塩化ナトリウム(1993)、第468頁(ソルトサイエンス研究財団監訳、発行)、増沢 力:Mol,Vol.7.No.7,P.32(1969)参照]。従って、常温固結の発生メカニズムは、低温固結の場合と異なるため、常温固結の防止のための固結防止剤が、低温固結の防止に全て有効である訳ではない。すなわち、低温固結の防止には添加物が塩化ナトリウム結晶の表面に付着した水分に溶解した場合に遊離するイオンが、ナトリウムイオンよりも大きな水和熱を有することが必要である。
【0017】
各種の添加物による常温固結、低温固結の防止効果の有無および添加物イオンの水和熱を表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003628740
【0019】
塩化ナトリウム含有物質に添加する添加物イオンは、ナトリウムイオンよりも水和熱が大きいイオンであれば特に限定されない。ナトリウムイオンの水和熱は96.5kcal/molである。添加物イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)のようなアルカリ土類金属、アルミニウムイオン(Al3+)、鉄(I)または鉄(II)イオン(Fe2+、Fe3+)、ニッケルイオン(Ni2+)、マンガンイオン(Mn2+)、亜鉛イオン(Zn2+)、銅イオン(Cu2+)のような金属イオンを包含する無機陽イオンが使用できる。
【0020】
添加物イオンの添加は、当該イオンを塩化ナトリウム結晶の表面に付着した水分中に遊離し得る化合物(以下、添加物という)を塩化ナトリウム含有物質に添加することにより行われる。添加物は、経済性、塩化ナトリウム含有物質の用途等を考慮して選択される。例えば、食塩のような食品に使用される塩化ナトリウム含有物質に添加する場合には、食品にも使用可能な塩化マグネシウム(MgCl)、塩化カルシウム(CaCl)が好適である。また、製塩の副産物で、塩化マグネシウムを主成分とする苦汁も適している。
その他、塩化アルミニウム(AlCl)のようなアルミニウム化合物、塩化第2鉄(FeCl)のような鉄化合物、塩化ニッケル(NiCl)のようなニッケル化合物等を使用することができる。また、これらの化合物を少なくとも2種類を一緒に塩化ナトリウム含有物質に添加しても良い。
【0021】
上述の添加物の塩化ナトリウム含有物質への添加方法は特に限定されないが、両者を均一に混合しやすい点で添加物を適当な溶媒に溶解した後添加する溶液添加が最適である。しかし、粉体のまま添加しても良い。
【0022】
添加物の添加量は、原理上水和物の数量、すなわち添加物毎のモル濃度で決定すべきである。塩化ナトリウム含有物質の全量に対して0.05重量%で低温固結による固結強度を低減する効果が現れ、添加量が0.1重量%以上であることが好ましい。添加量の上限は特に制限されないが、経済性を考慮して判断すべきであろう。また、添加量を決定するにあたっては、添加物の種類、塩化ナトリウム含有物質の用途等も考慮すべきである。
【0023】
本発明の低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法が適用される塩化ナトリウム含有物質としては、例えば、食塩、路面凍結防止剤、家畜飼料配合剤、ソーダ工業塩、食品加工用塩等が挙げられる。特に、路面凍結防止剤として利用される塩化ナトリウムは、上述のように大量に氷点下で野外で貯蔵されることが多く、また、大量に路面に散布される。このため、本発明の処理を施すことにより、低温固結を未然に防止し、路面凍結防止剤の散布の前に固結した塩化ナトリウム粒子群を崩す必要がなくなり、また、散布作業中に再び塩化ナトリウム粒子群が低温固結して散布ができなくなることが防止される。
【0024】
より具体的には、路面凍結防止剤は、例えば、塩化ナトリウム約97重量%、その他塩類約1重量%、水分約2重量%のような組成からなる。このような路面凍結防止剤に、上述の添加物を添加することにより、低温固結を防止することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0026】
1.添加物による塩化ナトリウムの溶解度の変化
塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウムを異なる濃度で0.5℃の水に添加した場合の塩化ナトリウムの溶解度の変化を調べた。この結果を、図1に示す特性図で示す。
図1から明らかなように、添加物の濃度が高くなるほど塩化ナトリウムの溶解度が低下することが確認された。従って、塩化ナトリウム粒子群に添加物を添加することにより、当該水分中の塩化ナトリウムが溶解に利用できる自由な水分子が減少するため、塩化ナトリウム結晶の表面に付着した水分の塩化ナトリウム溶解度が低下し、この結果、余分なナトリウムが塩化ナトリウムとして析出することが推察された。
【0027】
2.各温度における添加物による塩化ナトリウムの溶解度の変化
塩化マグネシウムを異なる濃度で水に添加した場合に、0.5,−5,−15℃での当該水溶液の塩化ナトリウム溶解度を夫々調べた。この結果を図2に示す特性図で示す。
図2から明らかなように、塩化マグネシウムの濃度が高くなるほど温度差による塩化ナトリウムの溶解度の差が小さくなることが確認された。従って、添加物の添加により、塩化ナトリウム粒子群の品温の低下により塩化ナトリウム結晶の表面に付着した水分の塩化ナトリウム溶解度の低下がほどんどなくなり、塩化ナトリウム2水和物の生成が防止されることが推察された。
【0028】
3.添加物による塩化ナトリウム2水和物の生成量の変化
0.5℃で異なる濃度に調製した塩化マグネシウムまたは塩化カルシウム水溶液に、塩化ナトリウムを飽和するまで添加し、さらに塩化ナトリウムを水100gに対して25gの割合で添加した後、各々の水溶液を−15℃の恒温槽内で72時間撹拌した。冷却した。これにより生成された塩化ナトリウム2水和物の量を測定した。この結果を図3に示す特性図で示す。
図3から明らかなように、添加物の濃度が高くなるほど、塩化ナトリウム2水和物の生成量が低減されることが確認された。
【0029】
4.添加物による塩化ナトリウム粒子群の固結強度の変化
平均粒子径1100μmの粉砕塩に、当該粉砕塩に対して異なる割合で塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウムを別々に添加し、均一に混合した。これらの添加物は、処理後の塩の水分含量が3重量%になるように、添加物を水に溶解して添加した。これらの処理塩65gを、内径40mmの円筒容器に入れ、2kg/cmの荷重をかけて、テストピースを作製した。これらのテストピースを−15℃の恒温槽内に48時間放置した後、JIS−R5201に準じて破壊荷重を測定し、これを固結強度とした。この結果を図4の特性図に示す。
【0030】
図4から明らかなように、塩化マグネシウム、塩化カルシウムおよび塩化アルミニウムを添加した場合には、これらの添加物の添加量が多くなるほど、処理塩の固結強度が低くなることが確認された。特に、添加割合が0.1重量%以上になると処理塩の固結強度が著しく低くなることがわかった。一方、ナトリウムイオンよりも水和熱が小さい塩化カリウムは、いずれの添加量の処理塩においても固結強度の低下は認められなかった。
【0031】
5.各種添加物による低温固結の防止効果
平均粒子径1100μmの粉砕塩に、当該粉砕塩に対して0.1重量%の割合で表2に示す添加物を別々に添加し、均一に混合した。これらの添加物は、処理後の塩の水分含量が3重量%になるように、添加物を水に溶解して添加した。これらの処理塩65gを、内径40mmの円筒容器に入れ、2kg/cmの荷重をかけて、テストピースを作製した。これらのテストピースを恒温槽内に48時間放置した後、JIS−R5201に準じて破壊荷重を測定し、これを固結強度とした。この結果を表2に示す。また、これらの添加物から遊離されるイオンの水和熱を表2に併記する[日本化学会編;化学便覧基礎編II,808(1966)丸善]。
【0032】
【表2】
Figure 0003628740
【0033】
表2から明らかなように、添加物から遊離されるイオンの水和熱がナトリウムイオンよりも低い塩化カリウムを除き、添加物による処理により、固結強度の低下が認められた。また、添加物が塩化物であっても硫酸塩であっても効果に差は認められなかった。また、ストロンチウム化合物、マンガン化合物、銅化合物、亜鉛化合物は効果が小さいように見える。しかし、これらから遊離されるイオンは原子量が比較的大きいため、重量に基づく添加量では遊離されるイオンの原子量が比較的小さいマグネシウム化合物やアルミニウム化合物等に比べて水和物の数が少なくなるためである。従って、モル濃度に基づいて同等の添加量とすれば両者の効果に大きな違いはない。
【0034】
6.粉砕塩の製造への適用
粉砕塩の製造工程において、粉砕後、ベルトコンベア上を搬送させる粉砕塩(平均粒子径1100μm)に、塩化マグネシウムを水に溶解したものおよび粉末の形で夫々別個に添加し、1トン包装袋に包装した。処理後の粉砕塩の水分含量は3重量%であり、塩化マグネシウムの添加量は表3に示す通りである。これらの包装袋に収められた粉砕塩を−15℃の冷蔵庫内で7日間貯蔵した後、包装袋を開封し、上記試験5に記載の方法に従って、粉砕塩の固結強度を測定した。この結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003628740
【0036】
表3から明らかなように、塩化マグネシウムの添加による低温固結の防止効果が実際の粉砕塩の製造工程においても確認された。また、添加方法が、溶液添加であっても粉末添加であっても効果に大きな差は認められなかった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法によれば、塩化ナトリウム含有物質にナトリウムイオンよりも水和熱が大きいイオンを添加することにより、塩化ナトリウム含有物質が低温固結することを未然に防止することができる。このため、塩化ナトリウム含有物質の品温を氷点以上に維持するための暖房が不要であるため、設備費および燃料代を削減することができる。また、低温固結した塩化ナトリウム含有物質を使用前または使用中に崩す手間もかからない。また、包装単位が大きくなっても野外で保管可能であり、塩化ナトリウム含有物質の自体の重みがかかっても固結し難いので、保管場所や包装単位の制約も受けない。
【図面の簡単な説明】
【図1】添加物濃度と塩化ナトリウム溶解度の関係を示す特性図。
【図2】塩化マグネシウムの濃度と塩化ナトリウム溶解度の関係を示す特性図。
【図3】添加物濃度と塩化ナトリウム2水和物の生成量の関係を示す特性図。
【図4】添加物濃度と粉砕塩の固結強度の関係を示す特性図。

Claims (4)

  1. 塩化ナトリウムを主成分とする塩化ナトリウム含有物質に、水和熱がNaよりも大きなイオンを含む化合物を少なくとも1種類以上添加することを特徴とする低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法。
  2. 前記化合物の添加量が塩化ナトリウム含有物質の全量に対して0.05重量%以上含有する請求項1記載の低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法。
  3. 前記化合物の添加量が塩化ナトリウム含有物質の全量に対して0.1重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法。
  4. 前記イオンが、Al3+,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Mn2+,Cu2+,Zn2+、Fe3+およびNi2+からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1記載の低温固結を防止するための塩化ナトリウム含有物質の処理方法。
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