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JP3627105B2 - コンクリート回収水中の有機物除去剤、コンクリート回収水中の有機物除去方法及びコンクリート製造方法 - Google Patents

コンクリート回収水中の有機物除去剤、コンクリート回収水中の有機物除去方法及びコンクリート製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートプラントからの回収水中の有機物除去剤、該除去剤を用いるコンクリートプラントからの回収水中の有機物除去方法、及び有機物を除去された回収水を用いるコンクリートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レディーミクストコンクリート工場やプレキャストコンクリート工場等のコンクリートプラントでは、ミキサー、ホッパー等のプラント設備や運搬車に付着したコンクリートを洗浄するために大量の排水が生じる。この様な洗浄排水から粗骨材、細骨材等を取り除いた懸濁水であるスラッジ水や上澄み水等の回収水は、ほぼ全ての工場において、環境への配慮、節水などの観点から、その一部又は全量がコンクリートの混練水として再利用されている。
【0003】
この様な回収水の利用にあたっては、コンクリートの物性への悪影響を防ぐために、JIS A 5308において、塩化物イオン量、スラッジ固形分量やその他凝結時間などについての規定があるが、回収水に含まれる有機物に関する規制はない。
【0004】
通常、レディーミクストコンクリートの製造時には、コンクリートの施工性、耐久性、強度、その他の諸物性を改善するために、化学混和剤が添加されている。化学混和剤には、使用目的に応じて種々のものが存在するが、多くは、有機化合物を主成分とするものである。例えば、硬化前のセメントの施工性を改善するために添加される分散剤の主成分としては、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、アミノベンゼンスルホン酸塩の重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルをグラフト鎖に持つカルボン酸の縮合物(ポリカルボン酸系分散剤)、オキシカルボン酸などが挙げられる。また、コンクリートの硬化時間を遅らせる遅延剤の主成分としては、グルコン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、マルトース、グルコース、サッカロース等の各種糖類等が挙げられる。硬化後の耐凍害性を向上させるために添加されるAE剤の主成分としては、脂肪族せっけん、樹脂酸せっけん、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート等のアニオン系界面活性剤が多用されている。また、硬化後のコンクリートに軽量性、耐熱性、耐火性等を付与する目的で添加される気泡剤の主成分としては、前述したAE剤に使用される有機化合物の他に、カゼイン、ケラチンなどを原料としたタンパク質系気泡剤やサポニンなどがある。コンクリートに防水性を付与することを目的として添加する防水剤としては、エチレン酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピオン酸ビニルなどのエマルジョンや、それらの再乳化粉末樹脂等が用いられている。また、ステアリン酸、オレイン酸、マレイン酸等の高級脂肪酸やそのエステル、メチルセルロース等の水溶性ポリマー等も用いられている。
【0005】
上記した他にも、目的に応じて様々な種類の混和剤が開発されており、その成分となる有機化合物は多岐にわたるものである。
【0006】
コンクリートに添加されたこれらの混和剤は、コンクリート中のセメント粒子に吸着されるが、全量がセメント粒子に吸着されることは殆ど無く、通常、添加量の5〜95%が混練水中に残存する。この様な混和剤が洗浄排水に混入することにより、回収水中には、レディーミクストコンクリートに添加されていた混和剤が含まれることになる。
【0007】
従って、この様な回収水をコンクリートの混練水として再利用する場合には、混和剤の過剰添加や不適切な組み合わせによりコンクリートの品質を著しく損なう恐れがある。
【0008】
通常、回収水の利用に際しては、凝集沈殿操作により懸濁物質を除去する操作が行われているが、有機物の除去作業は行われていない。通常は、洗浄水によって十分な濃度にまで希釈されているので問題は少ないが、極微量で効果を発揮する混和剤を含む場合や、回収水に何らかの理由で多量の混和剤が混入した場合には、これを混練水として用いた場合にコンクリートの物性に著しい悪影響を与えることなり、回収水の使用を中止し、コンクリートの製造をやり直さなければならない。
【0009】
ところで、有機物に対する吸着能を有する材料として活性炭が知られているが、活性炭は可燃性であり、10トン以上を保管する場合には消防法の指定可燃物扱いとなり、取り扱いが煩雑である。しかも、含水した活性炭は腐食性が強く、吸着塔を用いる場合には、材質の選定や内壁のコーティングが必要になる。更に、活性炭は空気中の酸素を吸着するため、吸着塔の中が酸欠状態になるという問題点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、コンクリートプラントからの回収水をコンクリート混練水として再利用するに当たって、該回収水中に含まれる有機化合物を安全に且つ効率よく除去できる方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、BET比表面積が30m/g以上という非常に大きい比表面積を有するケイ酸カルシウム水和物粉体は、水中に含まれる有機物に対して高い吸着性を有していることを見出し、更にセメント組成物への添加を目的として製造されたコンクリート用の有機混和剤に対して、とりわけ高い吸着性能を示し、これをコンクリート回収水中の有機物除去剤として用いることによって、回収水中に含まれる有機物を充分に除去して、該回収水をコンクリート混練水として再利用する際に混和剤による悪影響を防止できることを見出した。更に、ケイ酸カルシウム水和物は、比較的安価で安全性が高いものであり、しかも、使用後に再生して有機物除去剤としての再利用が可能であることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、以下のコンクリートプラントからの回収水中の有機物除去剤、コンクリートプラントからの回収水中の有機物除去方法及びコンクリートの製造方法を提供するものである。
1. BET比表面積が30m/g以上のケイ酸カルシウム水和物粉体又はその造粒物を有効成分とするコンクリートプラントからの回収水中の有機物除去剤。
2. 上記項1に記載の有機物除去剤をコンクリートプラントからの回収水に接触させることを特徴とするコンクリートプラントからの回収水中の有機物除去方法。
3. 上記項1に記載の有機物除去剤をコンクリートプラントからの回収水に接触させて有機物を吸着し、次いで、該有機物除去剤を分離した後、該回収水を混練水として用いてコンクリートを製造することを特徴とするコンクリートの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のコンクリートプラントからの回収水(以下、「コンクリート回収水」という場合がある)中の有機物除去剤は、BET比表面積が30m/g以上のケイ酸カルシウム水和物粉体を有効成分とするものである。
【0014】
この様な非常に大きい比表面積を有するケイ酸カルシウム水和物粒子は、通常、多孔質構造を有するものであり、コンクリート回収水中に含まれる各種の有機化合物を該ケイ酸カルシウム水和物の表面及び孔内に吸着して効率よく除去できる。本発明で用いる有機物除去剤は、活性炭では吸着除去が困難であった、回収水中に含まれる有機化合物についても充分に吸着除去できる点で優れた性能を有するものである。更に、該ケイ酸カルシウムは、不燃性であり、しかも安価である点においても好ましいものである。
【0015】
本発明の有機物除去剤の有効成分であるケイ酸カルシウム水和物は、比表面積が30m/g程度以上であることが必要であり、50m/g程度以上であることが好ましい。尚、本明細書において、比表面積は、Nガスの吸着量に基づいて求めたBET法による比表面積である。
【0016】
ケイ酸カルシウム水和物の比表面積が上記した範囲より小さい場合には、回収水中の有機物の除去性能が十分に発揮されないので好ましくない。
【0017】
本発明で用いる有機物除去剤は、上記した条件を満足するものであれば良く、その製造方法については特に限定されるものではない。
【0018】
例えば、コンクリート廃材から骨材部分を取り除いた後、破砕機等で破砕、粉砕し、必要に応じてこれを分級することにより、本発明の有機物除去剤の有効成分であるBET比表面積が30m/g以上のケイ酸カルシウム水和物粉体を得ることができる。
【0019】
本発明では、特に、ケイ酸カルシウム生成原料を含む原料に水を加えて、湿式粉砕下に水和反応を行わせる方法により、上記した条件を満足するケイ酸カルシウム水和物粉体を製造することが好ましい。この方法によれば、高純度、高BET比表面積のものを簡単に製造することができる。以下、この製造方法について、詳細に説明する。
【0020】
ケイ酸カルシウム生成原料としては、各種のセメント、高炉水砕スラグなどを用いることができる。
【0021】
これらの内で、特に、高炉水砕スラグが安価であり、しかも安定に供給できるので、一定品質の有機物除去剤を製造できる点で有利である。高炉水砕スラグは、ガラス質の構造でSiO網目骨格の内部にカルシウム分が存在する構造であり、湿式粉砕下に水和反応を行わせる際に、SiO骨格が壊れると、内部からカルシウム分が溶出し、そのアルカリ性で逐次反応してケイ酸カルシウム水和物を生成する。高炉水砕スラグを原料とする場合には、更に、反応を促進させる目的で硫酸カルシウム、水酸化カルシウムなどを添加しても良い。
【0022】
また、セメントを原料とする場合には、セメントのみではケイ酸カルシウム以外に余剰のカルシウムが水酸化カルシウムとして生成して、ケイ酸カルシウム含有率が低下する場合がある。この様な場合には、フライアッシュ、ケイ石、珪藻土などの一般的なシリカ質原料を添加して余剰の水酸化カルシウムと反応させてケイ酸カルシウム水和物を生成させてもよい。
【0023】
また、原料中のカルシウム分がシリカ分に比べて少ない場合には、反応後のスラリー中に未反応のケイ酸分が残存するが、この未反応ケイ酸分は、有機物の除去には関与しないので、多量に残存すると不利である。このため、未反応ケイ酸分がケイ酸カルシウム水和物となるように適当な量の水酸化カルシウム、生石灰などを添加すればよい。
【0024】
これらの原料には、副成分として、通常硫酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、フェライトなどが含まれており、これらも、ケイ酸カルシウムと同様にして、水和反応により、水和物を生成するが、問題は生じない。
【0025】
上記した原料の混合割合は、使用する原料の種類に応じて、有機物除去剤におけるケイ酸カルシウム水和物微粒子の含有割合ができるだけ多くなるように適宜決めればよい。
【0026】
水の添加量は、上記したケイ酸カルシウム生成原料を含む原料成分100重量部に対して、100〜2000重量部程度とすることが好ましく、100〜1000重量部程度とすることがより好ましい。
【0027】
原料の湿式粉砕と水和反応は、通常、原料と水を粉砕機に投入し、温度40〜100℃程度(好ましくは、50〜80℃程度)で所定の要件(比表面積など)を充足する粒子が形成されるまで行えば良い。
【0028】
ケイ酸カルシウムの製造に際し、原料に対する水の使用割合に応じて、生成した固形分の濃度と流動性とが異なる形態でスラリーが得られる。得られたスラリーは、そのままの形態で有機物除去剤として使用することができる。
【0029】
あるいは、得られたスラリーを80℃程度以上(好ましくは100〜200℃)で乾燥し、必要ならば解砕した後、所定の粒径に分級することにより、粉体状の有機物除去剤を得ることができる。
【0030】
得られた粉体は、そのまま用いても良いし、目的に応じて造粒して用いても良い。造粒方法としては、転動、流動層、押出、圧縮、解砕、噴射等の各種の公知の造粒法を適用できる。造粒のために用いるバインダーとしても、従来から用いられているバインダーをそのまま使用できる。バインダーの一例としては、αデンプン、アルギン酸ナトリウム、砂糖、デキストリン、コーンシロップ、ゼラチン、CMC、PVA、水ガラス、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレン重合体、変性酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル共重合体、セメント類、ベントナイト等の粘土類等を挙げることができる。
【0031】
本発明の有機物除去剤を用いてコンクリート回収水から有機物を除去する方法については、特に限定はなく、該有機物除去剤を処理対象の回収水に十分接触させることが可能な方法であれば良い。
【0032】
以下に、有機物除去方法の一例として、バッチ式の除去方法と連続式の除去方法について簡単に説明する。
【0033】
尚、本発明において処理対象とするコンクリート回収水とは、レディーミクストコンクリート工場やプレキャストコンクリート工場等のコンクリートプラントにおいて、ミキサー、ホッパー等のプラント設備や運搬車に付着したコンクリートを洗浄して発生した洗浄排水から、粗骨材、細骨材等を取り除いた懸濁水であるスラッジ水や上澄み水等である。
(1)バッチ式除去方法:
セメント回収水を入れた槽に本発明の有機物除去剤を添加し、静置又は攪拌することによって、該回収水中の有機化合物を該有機物除去剤に吸着させて、除去することができる。
【0034】
回収水を入れる槽としては、タンクや池等を新設しても良いが、既存の排水処理設備における凝集沈殿池等を転用又は併用しても良い。
【0035】
有機物除去剤の添加量は、回収水中の有機化合物の含有量に応じて適宜決めればよいが、通常、回収水を入れる槽の容積1m当たり、有効成分であるケイ酸カルシウム水和物の量として0.1〜300kg程度とすることが好ましい。有機物除去剤の添加量が少なすぎる場合には、十分な有機物除去効果を得ることが難しくなる。また、有機物除去剤の添加量が多すぎても、除去効果が頭打ちになるので、過剰な添加は不経済である。
【0036】
有機物除去剤を添加した回収水を静置又は攪拌する時間は、回収水中の混和剤量、有機物除去剤の添加量等に応じて適宜決めればよいが、通常、5分〜24時間程度とすればよい。この場合、静置又は攪拌時間が不足すると、十分な除去効果を得ることができない。また、静置又は攪拌時間が必要以上に長くなっても、それ以上の除去効果を得ることはできない。
【0037】
攪拌によって回収水中に分散した有機物除去剤は、凝集沈殿や濾過によって取り除くことができる。このとき、既存の回収水処理設備における凝集沈殿池等をそのまま用いても良い。凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリアクリルアミン等の通常の排水処理設備で用いられているものをそのまま使用することができる。
【0038】
使用する有機物除去剤は、粉末状の除去剤及び造粒操作によって造粒した除去剤の何れでも良いが、特に、粉末状のものが、処理効率が高い点で好ましい。
【0039】
尚、上記した処理は、コンクリート回収水を入れる槽として一槽のみを用いてバッチ式で行っても良いが、通常、複数個に区切られた沈殿槽を用い、回収水をオーバーフローさせながら通過させて連続的に処理を行うことによって、有機物を効率よく除去することができる。
(2)連続式除去方法
凝集吸着池等でコンクリート回収水から懸濁物質を除去した後、本発明の有機物除去剤を充填した吸着容器中を回収水を通過させることによって、通過中に回収水から有機物を除去することができる。
【0040】
吸着容器としては、本発明の有機物除去剤を充填でき、且つ一端から回収水を導入でき、他端から回収水を排出できる構造のものであればよく、容器の形状、材質等については特に限定はないが、例えば、通常の工場排水処理設備における活性炭吸着塔と同様のものを使用できる。この際、吸着塔の種類は、固定床、移動床、流動床の何れでも良く、既存設備の活性炭吸着塔をそのまま転用しても良い。回収水の通水速度は、回収水の量、汚染度、目的とする浄化度等に応じて適宜調整すれば良く、予め、実験室試験によって条件を決定すればよい。この方法では、処理装置の性質上、使用する有機物除去剤としては、造粒操作により粒状化したものが好ましい。
【0041】
上記した処理方法によれば、コンクリート回収水から各種の有機物を充分に除去することができる。従って、処理後の回収水については、コンクリートの混練水として用い、従来と同様の方法でコンクリートを製造することができる。
【0042】
また、上記した有機物除去処理に使用した後の有機物除去剤については、強アルカリ性溶液中で静置又は攪拌することにより吸着した有機物を脱着させて、再利用することが可能である。
【0043】
更に、使用済みの有機物除去剤は、生コンクリート汚泥と同等の扱いで処理が可能であり、例えば、回収した処理剤を加圧、乾燥等により脱水、固化することによって「ガラスくず及び陶磁器くず」に該当するものとなり、安定型廃棄物として処理が可能となる。但し、固化処理を行わない場合には、産業廃棄物の「汚泥」に該当し、管理型処分場への廃棄が必要となる。
【0044】
【発明の効果】
本発明のコンクリート回収水中の有機物除去剤は、コンクリート回収水中に含まれる可能性のある各種の有機物に対して優れた吸着性能を有するものである。従って、本発明の有機物除去剤を用いてコンクリート回収水から有機物を除去することによって、該回収水をコンクリート混練水として再利用する際に、コンクリートの品質に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0045】
更に、該有機物除去剤は、不燃性で安価であり、しかも、コンクリート原料としての再利用や再生して有機物処理剤としての再利用が可能である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0047】
下記の5種類の試験材料を用いて後述する方法で各種の有機物の吸着率を測定した。
【0048】
実施例1
普通ポルトランドセメントと70℃の温水を1:6の固液比で粉砕機(振動ミル)に投入し、湿式粉砕しながら2時間水和反応させ、得られたスラリーを150℃で24時間乾燥した後、解砕してケイ酸カルシウム水和物粉体を得た。この粉体のBET比表面積は70m/gであった。
【0049】
実施例2
実施例1で得たケイ酸カルシウム水和物粉体90gに普通ポルトランドセメント10gを添加し、混合した後、水130mlを加えて混練し、押出成型機でφ5mm×7mmの円柱状に成形し、ケイ酸カルシウム水和物の造粒物を得た。
【0050】
実施例3
コンクリート廃材から骨材部分を取り除き、ペースト部分を選別した後、ボールミルにて平均粒径が50μmになるまで粉砕し、ケイ酸カルシウム水和物を主成分とする粉体を得た。この粉体のBET比表面積は35m/gであった。
【0051】
比較例1
上水処理及び精糖・食品用粒状活性炭(比表面積1500m/g、ヨウ素吸着量1200mg/g)を比較例1として用いた。
【0052】
比較例2
一般水処理用粒状活性炭(比表面積1200m/g、ヨウ素吸着量1050mg/g)を比較例2として用いた。
[吸着率測定法]
試験粉体10gを各種有機物の1%水溶液100ml中に分散させ、スターラーを用いて20℃で2時間攪拌した。これを吸引濾過し、濾液を10倍希釈し、試験粉体は回収して100℃で24時間乾燥した。
【0053】
次いで、希釈した濾液中の全有機炭素量(TOC)と0.1%有機物水溶液中の全有機炭素量(TOC)を全有機炭素計(TOC計:東レエンジニアリング社製、TOC−650)を用いて測定し、全有機炭素量の減量分が試験粉体に吸着されたものとして、水溶液中の有機物吸着率を下記式より求めた。結果を下記表1に示す。
【0054】
有機物吸着率(%)=100×(希釈濾液中のTOC−0.1%有機物水溶液のTOC)/0.1%有機物水溶液のTOC
測定した有機物の種類は下記の通りである。
(1)ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
商標名:マイティ150、花王社製減水剤
(2)ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
商標名:レオビルドSP8S、NMB社製高性能AE減水剤
(3)グルコン酸ナトリウム
特級試薬
(4)メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物
商標名:メルメント、SKW社製減水剤
(5)リグニンスルホン酸塩
商標名:ポゾリスNo.8、NMB社製減水剤
(6)ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
商標名:チューポールHP11、竹本油脂社製高性能AE減水剤
(7)クエン酸
特級試薬
【0055】
【表1】
Figure 0003627105
【0056】
以上の結果から明らかなように、本発明の有機物除去剤は、活性炭と比較すると、コンクリート回収水に含まれる可能性のある多くの種類の有機物に対して優れた吸着性能を有するものである。

Claims (3)

  1. BET比表面積が30m2/g以上の珪酸カルシウム水和物粉体又はその造粒物を有効成分として含有し、
    コンクリートプラントにおけるプラント設備及び/又は運搬車に付着したコンクリートを洗浄して発生した洗浄排水から骨材を取り除いた懸濁水又はその上澄み水からなる回収水中の有機物を除去するために用いられる有機物除去剤。
  2. コンクリートプラントにおけるプラント設備及び/又は運搬車に付着したコンクリートを洗浄して発生した洗浄排水から骨材を取り除いた懸濁水又はその上澄み水からなる回収水に、請求項1に記載の有機物除去剤を接触させることを特徴とするコンクリートプラントからの回収水中の有機物除去方法。
  3. コンクリートプラントにおけるプラント設備及び/又は運搬車に付着したコンクリートを洗浄して発生した洗浄排水から骨材を取り除いた懸濁水又はその上澄み水からなる回収水に、請求項1に記載の有機物除去剤を接触させて有機物を吸着し、次いで、該有機物除去剤を分離した後、該回収水を混練水として用いてコンクリートを製造することを特徴とするコンクリートの製造方法。
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