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JP3626319B2 - 高温高圧流体を利用した反応方法およびその装置 - Google Patents

高温高圧流体を利用した反応方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、高温高圧流体を利用した反応方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から冷媒として使用されているフロンガスや、消化剤として使用されているハロンガスは環境汚染物質であることが指摘されており、これら物質の無害化処理が地球環境を守るという観点から全世界的な関心事となっている。
【0003】
ところが、上記したフロンガス、ハロンガス等は簡単には無害物質に分解することが難しく、従来から各種の試みがなされてきている。例えば、フロンガス処理方法に関しては、過熱蒸気分解法、焼却法、爆発反応分解法、微生物分解法、超音波分解法、プラズマ反応法等が提案されている。
【0004】
上記した処理方法の中で、過熱蒸気分解法は、フロンガスに限定することなく、クロロベンゼン等の有機溶剤、廃油、ダイオキシン、PCB、各種プラスチック、各種ゴム、糞尿、木材、紙等の産業廃棄物を主体とする被分解物質全般に対して汎用性のある処理方法として注目されている。この過熱蒸気分解法によれば、例えばフロンガスを弗化水素HF、塩化水素HCl、二酸化炭素CO等に分解可能である。
【0005】
上記過熱蒸気分解法においては、過熱水蒸気とフロンガスとの混合物を所定の温度条件のもとに所定時間保持することによりフロンガスを加水分解した後に冷却し、さらに中和等の処理により無害化することとされているが、上記加水分解反応は高温高圧な条件下で行ったとしても、ある程度長い反応時間が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、難分解物質の分解法として超臨界流体を利用した分解法が注目されてきている。この超臨界流体とは、臨界点(即ち、気液平行状態が成り立っている領域の上限)を超えた温度、圧力条件下にある流体のことであり、気体と液体の中間の性質を有している。この超臨界流体の特徴は、臨界点近傍で温度あるいは圧力のわずかな変化によって密度が大幅に変わる、分子量が大きく高沸点のものも比較的よく溶解する、粘度が気体並に小さく、拡散係数が液体に比べて大幅に大きい点にある。
【0007】
上記のような超臨界流体の特有の性質を利用すれば、難分解物質の分解あるいは化学物質の合成を効率よく行うことができるが、超臨界状態を現出するためには、例えば溶媒と被分解物質とを高温・高圧な条件下におく必要があり、装置の大型化、高コスト化を招くこととなる。
【0008】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、過熱蒸気法と超臨界流体あるいは超臨界流体に近似した高温高圧流体を用いる方法とを併用することにより反応時における温度・圧力条件を低く設定しても反応速度を速めることができるようにすることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明の方法では、上記課題を解決するための方法として、溶媒と反応物質とを所定温度に加熱して得られる過熱混合蒸気に対して所定の周波数と出力を有する超音波を照射することにより、前記過熱混合蒸気中に部分的な高温高圧流体を生成し、該高温高圧流体により与えられる活性化エネルギーにより前記過熱混合蒸気に所定の化学反応を起こさせるようにしている。
【0010】
上記のようにしたことにより、超音波の音圧により過熱混合蒸気に高圧部分と低圧部分とが出現し、これが交互に繰り返されることとなる。すると、高圧部分は超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態となる一方、低圧部分は真空状態となる。この状態が短時間で反転するから分子の移動速度が大きくなり、分子同士の衝突、分裂作用が連続的に発生することとなる。従って、活性化のためのエネルギーが与えられることとなり、分子同士の衝突、分裂が基本である物質の化学反応が大幅に加速されることとなる。
【0011】
しかも、過熱混合蒸気全体を超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態とすることなく、超音波照射による高圧部分のみで超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態が現出できることとなるため、反応に要する温度・圧力条件を低く設定できることとなる。
【0012】
本願発明の装置は、上記課題を解決するために、溶媒と反応物質とを所定温度に加熱する過熱蒸気生成手段と、該過熱蒸気生成手段により得られた過熱混合蒸気を反応させる反応手段と、該反応手段内において前記過熱混合蒸気に対して所定の周波数と出力を有する超音波を照射する超音波照射手段とを備えて構成されている。
【0013】
上記のように構成したことにより、超音波照射手段により照射された超音波の音圧により反応手段内において過熱混合蒸気に高圧部分と低圧部分とが出現し、これが交互に繰り返されることとなる。すると、高圧部分は超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態となる一方、低圧部分は真空状態となる。この状態が短時間で反転するから分子の移動速度が大きくなり、分子同士の衝突、分裂作用が連続的に発生することとなる。従って、分子同士の衝突、分裂が基本である物質の化学反応が大幅に加速されることとなる。
【0014】
しかも、過熱混合蒸気全体を超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態とすることなく、超音波照射による高圧部分のみで超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態が現出できることとなるため、反応に要する温度・圧力条件を低く設定できることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について詳述する。
【0016】
第1の実施の形態
本実施の形態にかかる高温高圧流体を利用した反応方法は、図1に示すような装置を用いて実施されるものであり、フロン等の難分解物質を分解するために用いられる。
【0017】
なお、本方法が対象とする難分解物質は、有機化合物で安定なものをいうが、特に限定はなく、フロンガス、トリクレン等の有機溶剤、廃油、ダイオキシン、PCB、糞尿等の産業廃棄物、木材、紙、ゴム等あらゆるものを対象とし、その状態は、固体、液体、気体を問わず特に限定がない。なお、主として▲1▼有機化合物で有用ではあるが使用後の処理が困難なものや有害なもの、例えばフロン(ハロゲン炭化水素)、クロロベンゼン、問題となつているダイオキシン等であり、現在使用されていないがPCB等であり、又▲2▼有機化合物で有用であるが極めて安定であって、有害ではないが処理の困難なもの、例えばPE、プラスチック、ゴム等である。
【0018】
本実施の形態において使用される溶媒は、加熱によって蒸気となるものであればどのようなものであってもよいが、最適なものは水である。また、苛性ソーダ液、過酸化水素水も使用できる。
【0019】
図1において、符号1は被分解物質(例えば、フロン)を貯溜する被分解物質タンク、2は溶媒(例えば、水)を貯溜する溶媒タンク、3,4は被分解物質および溶媒を圧送するための流体ポンプ、5は過熱蒸気生成手段として作用する蒸気発生装置であり、被処理液および溶媒は流体ポンプ3,4により蒸気発生装置5内に圧送され、該蒸気発生装置5内においてヒータ6により加熱されて過熱蒸気とされる。
【0020】
前記蒸気発生装置5において生成された過熱蒸気は、配管を介して反応手段として作用する反応装置7に送られる。該反応装置7は、所定の温度を保って被分解物質と溶媒との過熱蒸気を所定時間経過させて通過させることにより分解処理するためのものであり、過熱蒸気を所定の反応時間保持できる構成のものであればよい。符号8は反応装置7に温度を維持するためのヒータである。
【0021】
前記反応装置7内は加圧されておらず、排出口側は大気に開放されている。つまり、注入口側の配管の圧力は管路による圧損のみの圧力勾配となっているのである。なお、反応装置7内は、過熱蒸気によって僅かな圧力が自然に発生し、圧力勾配となって被分解物質を移送する。
【0022】
しかして、この反応装置7には、該反応装置7内において過熱蒸気に対して所定の周波数と出力とを有する超音波を照射する超音波照射手段9が付設されている。該超音波照射手段9は、超音波発振用の発振子11を有する超音波ホーン10と、前記発振子11を発振させる超音波発振器12とからなっている。
【0023】
前記超音波照射手段9により超音波の照射が行われると、前記反応装置7内において、図2に示すように、超音波定在波Fが形成されることとなる。例えば図2における点Aにおける音圧Psの時間的変化を見てみると、図3に示すように、音圧Psが臨界圧力Pcを超えている部分(即ち、斜線部)Xは超臨界状態となるとともに、反対側(即ち、音圧PsがP以下の部分)は真空状態となる。この状態が短時間(即ち、超音波の周期)で反復されるため、反応装置7内に存在する分子(即ち、被分解物質および溶媒の分子)は大きな加速度を与えられることとなり、大きな速度で分子が衝突を繰り返す。つまり、高圧部分の温度、圧力状態が溶媒の超臨界あるいは超臨界に近い高温高圧条件を満足するように設定すれば、反応装置7内に超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態を容易に確保できることとなり、超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態でしか得られないエネルギー状態が不連続的に得られるのである。
【0024】
ところで、超音波照射中におけるt時とt時(t<t)における物質粒子の位置および超音波の状態は、図4(イ)および(ロ)に示す通りであり、粒子Kはa→b、c→b,dというように超音波の周期Tで繰り返し移動する。
【0025】
超音波の音圧Psは
Ps=2ωρAsin(2π/λ)x・sinωt
で示される。
【0026】
ここで、A:物質によって異なる定数
λ:波長
ω:角速度
x:位置
ρ:媒質密度
この時、x=0,λ/2,λ・・の時 P=0
x=λ/4,3λ/4・・の時 P=2ωρAで最大
又、音圧は、
=P/v=ρC (Pa・s/m=N・s/m
ここで、Z:固有音響インピーダンス
C:音速
ρ:密度
v:粒子速度
であり、強度との関係は
I=Pv=v (w/m
従って、必要な音圧が強度を決定し、発振子への入力電圧を決定すれば任意の圧力が得られる。
【0027】
又、超音波による圧縮は断熱圧縮であるから
【0028】
【数1】
Figure 0003626319
【0029】
ここで、k=Cp/Cv:比熱比である。
【0030】
上記式(1)あるいは式(2)が示す通りの温度上昇が得られるから、分解に必要な活性化エネルギーはさらに大きくなる。また、安定物質に変わる又は反応途中の物質は半周期で断熱膨張となるため急速冷却されることとなり、副生成物の発生も少なくなる。
【0031】
ところで、図5に示す模式的P−T線図によれば、超音波照射された過熱蒸気は、点Aの状態から点Cの状態を経て点Bの状態へと変化する。つまり、A→C→Bの過程での断熱圧縮と、B→C→Aの断熱膨張とを繰り返すこととなる。
【0032】
この時における化学反応の自由エネルギーGのプロフィールを見ると、図6に示すように、点Dの状態から点Eの状態を経て点Fの状態になり化学反応が終了する。ここで、G′が活性化エネルギーを示し、G−G=ΔGが自由エネルギー変化で負になる方向に進む。
【0033】
この活性化エネルギーG′は、化学反応が進むためには必ず必要であり、このエネルギーG′は、超臨界状態(即ち、図5の点B)でなくとも、超臨界状態に近い高温高圧状態(即ち、図5の点C)においても得られる場合がある。例えば、フロンなどは、超臨界状態に近い高温高圧状態でも十分に分解可能である。なお、クロロベンゼンなどは超臨界状態でないと分解できない。
【0034】
上記した活性化エネルギーG′(換言すれば、自由エネルギーGの増加dG)は、断熱変化では等エントロピー変化となるから、
dG=dH−TdS
で与えられる。
【0035】
ここで、dS=0であるから、dG=dHとなり、エンタルピー変化と等しくなる。
【0036】
この時、
ΔH=mCp(T−T)=(k/k−1)(p−p
と表せ、自由エネルギーは増加する。
【0037】
また、断熱圧縮の部分だけを考えてみると、急速な圧力増加を伴うので、温度をほぼ一定と考えれば、
−G=mRTln(p/p
となり、自由エネルギーはやはり増加する。
【0038】
つまり、全体として、圧縮・膨張を考えると、ΔS=0であるが、反応する局部的に見ると、以上のようになり、活性化エネルギーG′が容易に得られるのである。
【0039】
以上説明したように、反応装置7内の溶媒は、連続的な超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態ではないが、超音波の周期で繰り返し生ずる高音圧部は超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態となる。つまり、反応装置7内に超臨界流体あるいは超臨界流体に近い高温高圧流体が現出するのである。一方、被分解物質の分解は分子同士の衝突が基本であるから上記した超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態の繰り返しにより溶媒分子の衝突速度がさらに加速され、その運動エネルギーは著しく大きくなり、さらに超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態での活性化エネルギーも同時に得られることとなる。従って、反応装置7内における反応速度(換言すれば、分解速度)は通常の超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態や過熱蒸気状態のときよりもさらに速くなるのである。
【0040】
さらに、前記反応装置7において被分解物質の分解により生成された生成ガスは冷却装置13に送られ、該冷却装置13において前記生成ガスが冷却水との熱交換により冷却液化される。そして、この冷却装置13により冷却液化された生成物(気液混合状態である)は気液分離装置14に送られ、液体と気体とに分離される。かくして分離された気体は無害化装置15に送られ、中和処理等により無害化された後、大気へ開放される。なお、分離された液体は廃液タンク(図示省略)に溜め込まれる。
【0041】
次に、環境汚染物質であり難分解物質であるフロンガスを分解処理する場合を例にとって以下にその動作態様を説明する。
【0042】
被分解物質タンク1内に液化したフロンを投入するとともに溶媒タンク2内に水を投入し、流体ポンプ3,4を駆動させることによってフロンと溶媒である水とを蒸気発生装置5に送り込んで両者を適当な比率で混合する。
【0043】
該蒸気発生装置5は、ヒータ6によって予め加熱されており、蒸気発生装置5内において両者が蒸発して400℃程度の過熱蒸気が生成される。なお、分解処理するために必要な過熱蒸気の温度は被分解物質によって異なるため、それぞれ被分解物質に応じて設定される。
【0044】
上記のようにして得られた過熱蒸気は、圧力勾配により反応装置7へ移送されるが、該反応装置7は、ヒータ8の駆動によって移送されてきた過熱蒸気の温度を維持できるように過熱状態に保持されている。この反応装置7内を過熱蒸気が通過する間に所定の反応時間経過するまで保持されるが、同時に超音波発振器12の駆動により超音波ホーン10から所定の周波数と出力を有する超音波が反応装置7内へ照射される。すると、前述したように、溶媒の過熱蒸気における超音波の高音圧部に超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態が現出することとなり、フロンの加水分解が次式により速やかに進行する。ここで、超音波の周波数としては15kHz〜300kHz程度が好ましい。
【0045】
CCl+2HO→CO+2HF+2HCl
ちなみに、上記加水分解反応における反応温度および反応圧力について従来の方法と本発明方法とで比較したところ、表1の結果が得られた。
【0046】
【表1】
Figure 0003626319
【0047】
上記結果によれば、本発明方法によれば、反応温度をあまり高くすることなく、しかも反応装置7内全体を高圧にすることなく、部分的高圧(即ち、高音圧部のみが超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態)でフロンの加水分解が速やかに進行することがわかる。
【0048】
上記のようにして反応装置7においてフロンの加水分解により生成された生成ガスは、冷却装置13へ送られ、冷却液化される。該冷却装置13の温度は生成ガスを液化できる程度であればよく、フロン分解の場合、生成ガス中の弗化水素HFが液化する温度である約18℃とされる。
【0049】
上記のようにして液化された生成物は、気液分離装置14において気体と液体に分離され、気体は無害化装置15において無害化された後大気中ほ放出される。一方、分離された液体は、廃液タンク(図示省略)に溜め込まれる。このように液化することにより副生成物の発生が防止される。また、液化することにより、ガスのまま大気中に飛散することによる二次汚染の心配がなくなる。
【0050】
第2の実施の形態
本実施の形態においては、本発明方法をメタノールCHOHと水素Hとを合成物質として二酸化炭素COの過熱蒸気を溶媒として2分子のメタノールを合成する場合に適用している。
【0051】
第1の実施の形態におけると同様にして、メタノールと水素と二酸化炭素との混合過熱蒸気を蒸気発生装置5において生成し、該過熱蒸気に反応装置7内において超音波を照射すると、次式に示す反応によりギ酸メチルHCOOCHが生成される。
【0052】
CHOH+CO+H→HCOOCH+H
その後、上記ギ酸メチルを水素で還元すると、次式に示す反応により2分子のメタノールが生成する。
【0053】
HCOOCH+2H→2CHOH
なお、この場合、気液分離装置および無害化装置は不要である。
【0054】
上記したように本実施の形態においても、超音波の反応装置7内へ照射により、二酸化炭素が超音波の高音圧部において高温高圧流体となり、上記反応が速やかに進行するのである。
【0055】
なお、この合成反応は、上記の例に限定されることなく、その他の合成例に適用可能なことは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
本願発明によれば、溶媒と反応物質とを所定温度に加熱して得られる過熱混合蒸気に対して所定の周波数と出力を有する超音波を照射することにより、前記過熱混合蒸気中に部分的な高温高圧流体を生成し、該高温高圧流体により与えられる活性化エネルギーにより前記過熱混合蒸気に所定の化学反応を起こさせるようにしているので、超音波の照射により現出される高音圧部が超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態として短時間で反転して分子の移動速度が大きくなる結果、分子同士の衝突、分裂作用が連続的に発生することとなり、分子同士の衝突、分裂が基本である物質の化学反応が大幅に加速されるという優れた効果がある。
【0057】
しかも、過熱混合蒸気全体を超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態とすることなく、超音波照射による高圧部分のみで超臨界状態あるいは超臨界状態に近い高温高圧状態が現出できることとなるため、反応に要する温度・圧力条件を低く設定できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる高温高圧流体を利用した反応方法に用いられる反応装置の概略構成を示すシステム図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる高温高圧流体を利用した反応方法に用いられる反応装置において超音波照射により現出される超音波定在波を示す説明図である。
【図3】前記超音波定在波における点Aの音圧の時間的変化を示す特性図である。
【図4】(イ)は反応装置内におけるt時とt時とにおける粒子の状態を示し、(ロ)はそれぞれの時の超音波の波形を示す。
【図5】模式的P−T線図である。
【図6】自由エネルギーの経時変化を示す特性図である。
【符号の説明】
5は過熱蒸気生成手段(蒸気発生装置)、7は反応手段(反応装置)、9は超音波照射手段、10は超音波ホーン、11は発振子、12は超音波発振器。

Claims (2)

  1. 溶媒と反応物質とを所定温度に加熱して得られる過熱混合蒸気に対して所定の周波数と出力を有する超音波を照射することにより、前記過熱混合蒸気中に部分的な高温高圧流体を生成し、該高温高圧流体により与えられる活性化エネルギーにより前記過熱混合蒸気に所定の化学反応を起こさせることを特徴とする高温高圧流体を利用した反応方法。
  2. 溶媒と反応物質とを所定温度に加熱する過熱蒸気生成手段と、該過熱蒸気生成手段により得られた過熱混合蒸気を反応させる反応手段と、該反応手段内において前記過熱混合蒸気に対して所定の周波数と出力を有する超音波を照射する超音波照射手段とを備えていることを特徴とする高温高圧流体を利用した反応装置。
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