JP3622305B2 - ポリエステル繊維製帆布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐久性や寸法安定性等に優れた帆布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、帆布用繊維素材としては、ビニロン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などが使用されているが、なかでもポリエステル繊維は、高強度、高弾性率で、寸法安定性などにすぐれた特性を備えていることから、帆布に代表される産業用資材として広く使用されている。
【0003】
また、一般的な帆布製品は、上記の繊維素材を用いて製織して基布とした後に熱セットを施し、さらにポリ塩化ビニル系樹脂やポリウレタン系樹脂などでディッピィング処理またはコーティング加工されて、防水性を付与することにより製造されている。
【0004】
しかしながら、従来のポリエステル繊維を用いた場合には、繊維の熱寸法安定性が劣るため、製織ロスや熱セットによる織物生地の目ずれが生じやすく、さらにはフラット性などの形態保持性などにも劣る帆布になり易いという問題があった。
【0005】
さらに、ポリエステル繊維は一般に熱安定性に乏しいために、熱セットやディッピィング処理により強力の低下を生じ易く、帆布製品としての強力やモジュラスを十分に満足することができず、帆布用途にとって致命的な欠陥となる場合すらあった。
【0006】
また、特開昭53−78372号公報には、ポリエステル繊維を流体乱流域を通してループを形成させポリエステルスパンライク糸とし、これを用いて基布とし、樹脂加工してなる帆布が開示されている。このようなスパンライク糸を用いると樹脂との接着性が向上するという優れた効果が得られるが、前記した帆布の問題点は解消できず、帆布基布の品位改善や耐久性向上等を図ることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述した従来の帆布における問題点を解消し、帆布の基布が、目ずれがなくフラット性に優れる等の点で品位に優れ、しかも耐久性や寸法安定性にも優れた帆布とすることを主たる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のポリエステル繊維製帆布は、繰り返し単位の80モルパーセント以上がエチレンテレフタレートであるポリエステルからなるポリエステル繊維を経糸及び/又は緯糸に用いてなる帆布であって、前記ポリエステル繊維が、下記物性(1)〜(6)を同時に満足するポリエステル繊維であることを特徴とする。
(1)固有粘度(IV)=0.90〜1.10
(2)強度(T)=78.4mN/d(8.0g/d)以上
(3)中間伸度(ME)=7%以下
(4)中間伸度(ME)と180℃、30分間の乾熱処理後の乾熱収縮率(ΔS)との和=14%以下
(5)180℃30分間の乾熱処理による中間伸度比(R)=2.7以下
(6)180℃、30分間の乾熱処理後の強力保持率=95%以上
【0009】
また、前記ポリエステル繊維は、1500m/分以上の速度で引き取られた糸条を一旦巻き取ることなく延伸し、さらにリラックス処理した後、4500m/分以上で巻き取ることによって製造されたものであることか好ましい。また、布帛表面に、ポリ塩化ビニル系樹脂及び/又はポリウレタン系樹脂からなる防水被膜が施されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成および効果について具体的に説明する。
【0011】
本発明で使用されるポリエステル繊維は、主たる繰り返し単位の80モルパーセント以上、好ましくは90モルパーセント以上、より好ましくは95モルパーセント以上がエチレンテレフタレートであるポリエステルからなる。
【0012】
そのポリエステルは、本発明の所期の目的を損なわない範囲内であれば、他の酸成分やグリコール成分が共重合したものであってもよい。その酸成分の具体例としては、イソフタル酸やアジピン酸などが、また、グリコール成分の具体例としては、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリメチレングリコールなどが挙げられる。
【0013】
ポリエステル繊維の固有粘度(IV)は0.90〜1.10であり、好ましくは0.95以上である。ここで、ポリエステル繊維の固有粘度(IV)が0.90より低いと、基布の熱処理後の強力保持率が低下するため不適当である。また、1.10を越えると曵糸性が低下し原糸の毛羽が多く発生し易くなり、基布の品位が損なわれ易くなるので不適当である。
【0014】
さらに、帆布には急激に高荷重がかかった場合でもシートが破損しないことが要求されることから、本発明で用いるポリエステル繊維は、高強度、高弾性を有することが必要である。
そのため、帆布の経糸や緯糸には、前記した(1)〜(6)の物性を有するポリエステル繊維を用いることが必要である。
【0015】
即ち、ポリエステル繊維の強度(T)は78.4mN/d(8.0g/d)以上、好ましくは8.5g/d以上であり、さらに、中間伸度(ME)が7%以下、好ましくは6.0%以下である。なお、中間伸度(ME)が7%を越えると、上述した問題を解消できないし、さらに、高速で延伸した糸条を巻取する際にトラブルが生じ易くなるという問題も生じる。
【0016】
さらに、そのポリエステル繊維は、乾熱収縮特性が特定範囲内であることも重要である。製織した基布が熱セット工程で約150〜200℃の熱処理を受ける時に、乾熱収縮率が高いと、緊張下で熱処理しても基布の部位による収縮バラツキが大きくなり、基布の目ずれが発生し易く、しかもフラット性が低下して、基布の品位が損なわれる原因となる。従って、乾熱収縮率は小さい方が望ましい。
【0017】
このために、帆布用基布で使用するポリエステル繊維は、高強度、高弾性であることの他に低収縮であることが必要であり、具体的には、180℃30分乾熱処理後の乾熱収率率(ΔS)と中間伸度(ME)との和が14%以下、好ましくは13%以下であることを要する。この乾熱収率率と中間伸度の和(ΔS+ME)が14%を越えると、目ずれがなくフラット性の良好な基布が得られ難い。
【0018】
また、繊維の弾性を表わす中間伸度(ME)は、製織後熱処理工程を通過した後の変化が出来るだけ小さい方が、原糸の弾性を保持するために好適である。
【0019】
従って、中間伸度(ME)に対する180℃30分間乾熱処理後の中間伸度(MEA)の比(MEA/ME)で表される中間伸度比(R)が2.7以下であることが必要であり、さらに2.0以下が好ましい。なお、この中間伸度比(R)が2.7を越えると、基布の目ずれの発生や、経皺や緯皺の発生の原因となるので不適当である。
【0020】
さらに、本発明の帆布用ポリエステル繊維は、180℃、30分間乾熱処理後の耐熱強力保持率が95%以上、好ましくは96%以上であることを要する。この耐熱強力保持率が95%を下回ると、得られた基布の強力やモジュラスが低下して、帆布が破損しやすくなるので不適当である。
【0021】
上記の特性を有するポリエステル繊維は、例えば次のような製造方法により得ることができる。
【0022】
すなわち、固有粘度が1.0以上のポリエチレンテレフタレートチップを溶融し、紡出部に取付けられた口金から紡出し、この紡出糸条を、糸条の走行方向に対して円周方向から吹出される冷却風によって冷却し、次いで油剤を付与し、1500m/分以上の速度で引取る。
【0023】
引取られた糸条は一旦巻取ることなく、または一旦巻取った後に、延伸工程に導かれる。延伸は2段以上の多段延伸で行われ、延伸倍率は2.0〜2.5倍の範囲で設定すればよい。延伸と同時に150℃以上、好ましくは200℃の温度で熱セットした後、リラックスロールにより1.5〜3.5%のリラックス率でリラックス処理され、4500m/分以上の高速で巻取られる。
【0024】
この製糸工程の途中において流体交絡処理を施し、交絡度(フックドロップ法によるCF値)が20以上の交絡フィラメント糸として巻取ることが、製織工程での工程安定性を高めるために好ましい。また、その単糸繊度は1〜5dのように小さくすることが帆布の柔軟性を向上させるために好ましい。
【0025】
なお、本発明で用いるポリエステル繊維の製造は、前記した物性を満足するならば、上記の製造方法に限定されるものではない。
【0026】
このようにして得られるポリエステル繊維は、高強度、高弾性でかつすぐれた寸法安定性を有しているので、耐久性および高品位が要求される高品位の帆布を製造することが可能となる。
【0027】
なお、上記したポリエステル繊維を用いる帆布の製造は、次のような方法で行えばよい。
【0028】
前記した製糸方法で得られたポリエステル繊維糸条に、10t/m程度の甘撚りをかけ、次に、これを経糸または緯糸あるいは経緯糸の両方に使用して基布を製織し、テンターマシンで熱セットすることにより帆布用の基布とする。この製織工程を安定的に稼働させるためには、供給するポリエステル繊維糸条に毛羽が極力少ないことが好ましく、例えば毛羽数が1万mあたり1個以下であることが好ましい。また、交絡度(CF値)を20以上に保つことも製織工程の安定化のために好ましい。
【0029】
上記熱セット後には、必要に応じてポリ塩化ビニル系樹脂やポリウレタン系樹脂などによるディッピィング処理やコーティング加工を基布表面に施して、防水性を付与すればよい。
【0030】
かくして本発明の帆布とすると、基布の熱セット後の繊維物性の変化が抑制され、基布の目ずれが生じず、基布のフラット性である形態持性が良好であって寸法安定性にすぐれ、しかも、耐久性に優れた高品位の帆布特性が発揮できる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
ポリエステル繊維の製造条件を表1に、得られた繊維の物性を表2および表3に、また得られた帆布の物性を表4にそれぞれ示す。
なお、本発明及び実施例中における各種の測定値は以下の方法により測定される値である。
【0032】
▲1▼ 固有粘度(IV):
オストワルド粘度計を用いて、オルソクロロフェノ−ル100mlに対し試料8gを溶解した溶液の相対粘度ηrpを25℃で測定し、次の近似式により固有粘度(IV)を算出する。
IV=0.0242ηrp+0.2634
但し、ηrp=(t×d)/(t0×d0)であり、ここで、t:溶液の落下時間(秒)、t0:オルソクロロフェノ−ルの落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/cc)である。
【0033】
▲2▼ 強度(T)、伸度、中間伸度(ME) :
オリエンテック社製のテンシロン引張り試験機を用い、試料長25cm、引張り速度30cmの条件でS−S曲線を求め、このS−S曲線から各値を読取る。なお、中間伸度(ME) は、試料繊度×4.5×0.001で表される強力の時における伸度である。
【0034】
▲3▼ 180℃30分間の乾熱処理後の乾熱収縮率(ΔS):
試料をかせ状にとり、20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置した後、試料の0.1g/dに相当する荷重をかけて試料長l0 を測定する。次に無張力状態で180℃オーブン中で30分間放置した後、オーブンから取出して前記温調室で4時間放置した後、再び上記荷重をかけて試料長さl1 を測定する。そして次式により算出する。
乾熱収縮率(ΔS)=[(l0 −l1 )/l0 ]×100(%)
▲4▼ 180℃30分間の乾熱処理後による中間伸度比(R):
試料を無張力状態で180℃オーブン中で30分間放置した後、オーブンから取出して20℃、65%RHの温調室で4時間放置した後、前記▲2▼と同じ方法でS−S曲線を求め、乾熱処理後の中間伸度(MEA)を求める。
【0035】
そして、乾熱処理前に測定した中間伸度(ME)とから、中間伸度比(R)=MEA/MEにより算出する。
【0036】
▲5▼ 基布の強力:
JIS−L−1096−1979に準拠して測定する。
【0037】
▲6▼ 基布の目ずれ:
基布中における経糸および緯糸の直線性を肉眼で観察し、下記の基準によって評価する。
○……良好、 ×……不良。
【0038】
▲7▼ フラット性:
基布を平面上に広げて、基布表面の波打ちを肉眼で観察し、下記の基準により評価する。
○……良好、 ×……不良。
【0039】
[実施例1]
固有粘度(IV)が1.35のポリエチレンテレフタレートチップをポリマ温度290℃で溶融し、紡出部に取付けられた240ホールの口金から紡糸し、2250m/分の速度で引取り、一旦巻取ることなく複数個のローラ群を用いて2.34倍に熱延伸し、3.0%のリラックスを施して巻き取り、1000d/240fのポリエステルフィラメント糸を得た。
【0040】
この原糸に10t/mの撚りを施した後、緯糸及び経糸に用いて平織り地を作った。織規格は経糸、緯糸とも1000d糸を用い、密度は経16本/インチ、緯糸16.5本/インチとした。
【0041】
次いで、200℃、25秒でヒートセット工程を通過させ、その上にポリ塩化ビニル系樹脂をコーティングし、テント地とした。
【0042】
[実施例2、3、比較例1〜4]
表1に示す製糸条件とした以外は実施例1と同様の条件で製糸した後、同様に製織加工してテント地とした。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
以上の結果から明らかなように、本発明に係る帆布(実施例1〜3)では、強力が高く、織物基布の目ずれがなく、そしてフラット性が良好で形態保持性の優れた製品が得られた。また、得られたテント地をフレームに沿ってセットしたところその際の寸法変化が小さく、しかもロット間のバラツキが小さく一定張力でセット可能であり、加工効率が大幅に向上した。
【0048】
一方、比較例1では強力は十分であったが、寸法変化がやや大きく基布のフラット性や形態保持性が不十分であった。
比較例2ではヒートセット工程において収縮率が大きいために生地にうねりを生じ品位が著しく悪化したテント地となった。
比較例3や4では製糸時の高リラックス処理によってフラット性は改善できたものの、低荷重時の伸度が高くなり、製品は形態保持性の悪いものであった。
【0049】
以上のように、比較例1〜4はいずれも目的とする基布の品位および品質の点において満足できる物は得られなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明のポリエステル繊維製帆布では、基布の目ずれがなく基布のフラット性が向上し、しかも耐久性や寸法安定性がすぐれた高品位の特性を有することができ、帆布用として好適な性能を具備することができる。
【0051】
本発明の帆布は、テント地、ターポリン地、貨物自動車用幌、フレキシブルコンテナ用帆布地などの一般的な帆布用途に有効に使用できる。
Claims (3)
- 繰り返し単位の80モルパーセント以上がエチレンテレフタレートであるポリエステルからなるポリエステル繊維を経糸及び/又は緯糸に用いてなる帆布において、前記ポリエステル繊維が、下記物性(1)〜(6)を同時に満足するポリエステル繊維であることを特徴とするポリエステル繊維製帆布。
(1)固有粘度(IV)=0.90〜1.10
(2)強度(T)=78.4mN/d(8.0g/d)以上
(3)中間伸度(ME)=7%以下
(4)中間伸度(ME)と180℃30分間の乾熱処理後の乾熱収縮率(ΔS)との和=14%以下
(5)180℃30分間の乾熱処理による中間伸度比(R)=2.7以下
(6)180℃30分間の乾熱処理後の強力保持率=95%以上 - 前記ポリエステル繊維が、1500m/分以上の速度で引き取られた糸条を一旦巻き取ることなく延伸し、さらにリラックス処理した後、4500m/分以上で巻き取ることによって製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル繊維製帆布。
- 基布表面に、ポリ塩化ビニル系樹脂及び/又はポリウレタン系樹脂からなる防水被膜が施されたことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル繊維製帆布。
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