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JP3620402B2 - 燃料タンクの異常診断方法及び異常診断装置 - Google Patents

燃料タンクの異常診断方法及び異常診断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料タンクの異常診断に関するものであり、特に燃料蒸気パージシステムで用いられる燃料タンクの異常を診断発見するための異常診断方法及び異常診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に揮発性液体燃料のタンクを備えた車輌には、いわゆる燃料蒸気パージシステムが採用されている。典型的なパージシステムによれば、燃料タンクで発生する燃料蒸気はキャニスタに一旦捕集され、捕集された燃料蒸気は適宜、エンジンの吸気通路にパージ(放出)される。このような燃料蒸気パージシステムの信頼性を確保するために、多くのパージシステムには、穴あきや裂傷等に起因する漏れを発見するための異常診断装置が組み込まれている。一般的な異常診断装置付き燃料蒸気パージシステムは少なくとも、エンジン吸気通路の上流側からキャニスタへの大気導入を他律制御する大気導入弁、キャニスタからエンジン吸気通路の下流側への燃料蒸気放出を他律制御するパージ制御弁、燃料タンク内圧とキャニスタ内圧との差圧が所定設定圧を超えたときにタンク内の燃料蒸気をキャニスタに逃がすべく自律動作する差圧弁であるタンク内圧制御弁、及び、必要時にキャニスタと燃料タンクとを強制連通するための他律動作型の強制開閉弁(負圧導入弁ともいう)を備えている。但し、燃料タンクとキャニスタとの連通経路において、前記タンク内圧制御弁を経由する経路と前記強制開閉弁を経由する経路とは並列して存在する。
【0003】
このシステムにおいて漏れ診断プロセスに入るための前提条件は、エンジンの冷却水温がパージ開始温度(例えば80℃)に達し且つパージ動作(キャニスタに大気を導入しつつ燃料蒸気を放出すること)が開始されていること(第1の前提条件)、及び、前記強制開閉弁を開弁する前の段階で、所定時間にわたるタンク内圧の持続的安定が確認されること(第2の前提条件)である。この二つの前提条件が満たされた後に漏れ診断が行われる。漏れ診断プロセスでは、前記大気導入弁を閉弁すると共に前記強制開閉弁を開弁して、キャニスタ及び燃料タンクを含むエバポ経路の全体をパージ制御弁を介して減圧する。エバポ経路が所定の低圧レベルに達したとき、パージ制御弁を閉弁して当該エバポ経路を孤立系とする。そして、その孤立系の内圧が時間の経過と共に、前記所定の低圧レベルからどのような昇圧傾向を示すかに基づき、穴あきや裂傷等に起因する漏れの有無を合理的に判定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記漏れ診断の手法にも次のような欠点がある。
漏れ診断に入るための二つの前提条件が満たされた後も、エバポ経路を減圧するために大気導入弁の閉弁及び強制開閉弁の開弁を行うと、開かれた強制開閉弁を介してタンク内の残圧がキャニスタ側に流入し、燃料タンク及びキャニスタを含むエバポ経路の全体が所定の低圧レベルに達するまでに相応の時間を要することになる。つまり、エバポ経路全体を一旦所定低圧レベルにすることが直ちにはできず、早期に漏れ診断の最初の一回を完了できない。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジン始動前又は直後の比較的早い時期に、燃料タンク単体での異常の有無を高い精度でもって診断することができる燃料タンクの異常診断方法及び異常診断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、強制開閉弁を備えた経路を介してエンジン吸気通路と気相連通可能に構成された燃料タンクにおける異常の有無を診断する方法であって、前記燃料タンクとエンジン吸気通路とを気相連通可能とする経路を、キャニスタ、該キャニスタとエンジン吸気通路とをつなぐパージ通路及び前記キャニスタと燃料タンクとをつなぐベーパ通路によって構成し、前記強制開閉弁を、前記ベーパ通路の途中に設けるとともに給油時以外は閉弁し、エンジンの冷間始動時又は始動前に前記強制開閉弁が閉じられた燃料タンク密閉状態でのタンク内圧を測定し、そのタンク内圧と大気圧との差の絶対値が、前記燃料タンクの気密性が十分に保たれていることを示す所定の判定値以上であることのみを条件に、当該燃料タンクには漏れ等の異常が無いものと判定することを特徴とする燃料タンクの異常診断方法である。
【0007】
燃料タンクの密閉状態においてタンク内圧と大気圧との差が大きければ、タンク内と大気(タンク外)との間には、意図せぬ連通は存在しない、つまり燃料タンクに穴あきや裂傷等は存在しないと判断することができる。本発明の診断方法はこのような考え方に基づくものである。但し、タンク内圧と大気圧との間に僅かでも差が存在するというだけの理由で単純に「タンク正常」との判定を下すことは、燃料自体が蒸気圧(分圧)を持つことを考えると誤判定の原因となる。そこで、かかる誤判定を回避して診断判定の信頼性を担保すべく、燃料タンクの気密性が十分に保たれていることを示す所定の判定値を設定し、タンク内圧と大気圧との差の絶対値と当該判定値との比較結果に基づいて燃料タンクに漏れ等の異常があるか否かを判定している。この方法によれば、強制開閉弁を開く前のタンク密閉状態において、燃料タンクの異常診断を高い精度でもって早期に完了することが可能となる。
【0008】
また、上記燃料タンクの異常診断方法において、前記タンク内圧と大気圧との差の絶対値が前記所定の判定値以上であることのみを条件に、当該燃料タンクには漏れ等の異常が無いものと判定する。
【0009】
これは、燃料タンクに漏れ等の異常が無いと判定する際の条件を特定したものである。但し、逆は必ずしも真ならずで、タンク内圧と大気圧との差の絶対値が所定の判定値未満の場合に漏れ等の異常有りと即断するのは早計である。即ち、前記差の絶対値が所定の判定値未満の場合には、異常無しとは断定できないというにとどまる。故にその後に、他の診断方法(例えば従来の負圧法)での入念な漏れ診断を行うことが好ましい。本発明の有意な点は、複雑で時間のかかる従来の診断手法によらずとも簡易な判定手法により、明らかに燃料タンクに異常が無い場合にその旨の結論を迅速に下せる点にある。
【0010】
さらに、前記燃料タンク密閉状態でのタンク内圧の測定は、エンジンの冷間始動時又は始動前に行われる。
【0011】
エンジンの暖機後はエンジンの余熱が燃料タンクにも伝達し、その影響で燃料の蒸気圧が上昇しタンク内圧も高まる傾向となる。このような状況の下では、仮にタンクに小さな穴があったとしても、その穴からの蒸気漏れによる放圧を凌駕してタンク内圧が高まり、大気圧との差の絶対値が前記判定値を超えることもあり得る。そのような場合に本発明の診断手法に基づいて異常診断を行うと、誤判定となる虞がある。従って、本件方法を用いるに際し、診断の信頼性を担保するためには、エンジンの暖機前つまりエンジンの冷間始動時又は始動前に燃料タンク密閉状態でのタンク内圧測定を行うことが好ましい。なお、その後に他の診断方法(例えば従来の負圧法)を併せて実施する場合でも、経路へのパージ開始前に本件方法を実行することは更に好ましい。
【0012】
請求項の発明は、強制開閉弁を備えた経路を介してエンジン吸気通路と気相連通可能に構成された燃料タンクにおける異常の有無を診断する装置であって、前記燃料タンクとエンジン吸気通路とを気相連通可能とする経路は、キャニスタ、該キャニスタとエンジン吸気通路とをつなぐパージ通路及び前記キャニスタと燃料タンクとをつなぐベーパ通路によって構成され、前記強制開閉弁は、前記ベーパ通路の途中に設けられて給油時以外は閉弁されるものであり、前記燃料タンクの内圧を測定する内圧測定手段と、前記強制開閉弁の開閉制御を司ると共に前記内圧測定手段から燃料タンクの内圧情報を入手可能な診断制御手段とを備え、当該診断制御手段は、エンジンの冷間始動時又は始動前に前記強制開閉弁が閉じられた燃料タンク密閉状態でのタンク内圧を前記内圧測定手段から入手し、そのタンク内圧と大気圧との差の絶対値が、前記燃料タンクの気密性が十分に保たれていることを示す所定の判定値以上であることのみを条件に、当該燃料タンクには漏れ等の異常が無いものと判定することを特徴とする燃料タンクの異常診断装置である。これは、前記異常診断方法(請求項1)を装置発明として表現したものであり、その技術的意義は前記異常診断方法と同じである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、車輌用の燃料蒸気パージシステム及び燃料タンクの異常診断装置を含むパージシステムの異常診断装置の具体例を図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示すようにエンジン10は、燃焼室11、吸気通路12及び排気通路13を備えている。エンジン10の運転にあたっては燃料タンク20内に備蓄された燃料(例えばガソリン)が燃料ポンプ21により汲み出され、燃料供給通路を通じてデリバリパイプ14に送られた後、燃料噴射弁15によって吸気通路12内に噴射供給される。吸気通路12は途中にサージタンク16を備え、その上流には、アクセルペダル(図示略)の踏み込み操作に基づいて吸気通路12の流路面積を可変とするスロットルバルブ17が設けられている。更にその上流には、吸入空気を浄化するためのエアクリーナ18及びエンジンへの吸入空気量を検出するためのエアフローメータ19が設けられている。
【0018】
燃料タンク20は高気密性のタンクであり、各種配管類との連結部分にはFKMガスケット22等が用いられている。燃料タンク20には外部からタンク内への燃料導入通路としてのインレット管23が連結されている。インレット管23の外端部には給油口としてのフラッパバルブ24が設けられ、インレット管23の内端部には逆流防止のための逆止弁25が設けられている。燃料タンク20の天井部分には、内圧測定手段としての圧力センサ31が設けられている。圧力センサ31は、燃料タンク20及び同タンクと連通する領域の圧力を測定又は検出する。この検出圧力は大気圧基準の相対圧力である。また、燃料タンク20内には燃料ポンプ21が配設されている。燃料ポンプ21及び圧力センサ31は、後述するECU(電子制御ユニット)に電気接続されている。なお、燃料タンク本体は金属製であるが、その外表面には、図示はしないが断熱材(例えば発泡ウレタン)及び保護材(例えばポリプロピレン)が被覆されている。
【0019】
図1に示すように、燃料蒸気パージシステムは、燃料タンク20から発生する燃料蒸気を捕集するキャニスタ40を中心に、該キャニスタと燃料タンクとをつなぐ通路、キャニスタとエンジン吸気系統とをつなぐ各種通路、並びに、各種センサ類及びバルブ類を含む電気制御系統によって構成されている。キャニスタ40は、その内部に吸着材(例えば活性炭)を備え、燃料蒸気を該吸着材に吸着させて一時的に蓄えた後、大気圧よりも低い圧力下におかれることによってこの吸着材に吸着させた燃料蒸気を再離脱させることが可能となっている。以下、本明細書において、大気圧を基準としてそれよりも低い圧力を「負圧」といい、大気圧を基準としてそれよりも高い圧力を「正圧」という。
【0020】
キャニスタ40は、ベーパ通路33を経由して燃料タンク20と気相連通可能であると共に、パージ通路34を経由して吸気通路12に気相連通可能となっている。更にキャニスタ40は、大気導入通路35を介して吸気通路12のエアクリーナ18に連通可能であると共に、大気弁(ドレインバルブとも言う)36及び大気排出通路37を介して大気(外気)とも連通可能となっている。前記ベーパ通路33の一端は燃料タンク20内に進入しており、当該先端部には、満タン検知及びロールオーバー対応用のフロート弁(ロールオーバーバルブともいう)26が取り付けられている。
【0021】
前記パージ通路34は、キャニスタ40に捕集された燃料蒸気をエンジンの吸気通路12にパージ(放出)するための通路であり、その途中には電磁弁又はVSV(バキュームスイッチングバルブ)からなるパージ制御弁34aが設けられている。前記大気導入通路35は、リフレッシュ用のエアーをキャニスタ40に導くための通路であり、その途中には電磁弁又はVSVからなる大気導入弁(封鎖バルブとも言う)35aが設けられている。また、前記大気弁36は、キャニスタ内圧と大気圧の双方を受圧するダイアフラム弁体を備え、このダイアフラム弁体は、キャニスタ内圧が所定圧以上の正圧に達すると開弁してキャニスタ40から大気排出通路37へ余分な空気を排出させる。
【0022】
キャニスタ40の内部は仕切板41によって、第1吸着材室42と第2吸着材室43とに区画されている。両吸着材室42,43は吸着材(活性炭)で満たされるも、両室はキャニスタ底部において通気性フィルタ44を介して連通している。第1吸着材室42は、ベーパ通路33を介して燃料タンク20に連通可能となっている。大気導入通路35及び大気弁36は第2吸着材室43に連通している。更に、パージ通路34は、第1吸着材室42と、吸気通路12のスロットルバルブ下流位置とを連結しており、パージ制御弁34aの開閉動作に応じて第1吸着材室42と吸気通路12とが選択的に連通される。即ち、ベーパ通路33を介して導入された燃料蒸気は、第1吸着材室42に一時的に吸着された後、パージ通路34を介していずれ放出される。なお、大気弁36が開弁してキャニスタ40内の余分な空気が大気排出通路37から外へ排出される場合でも、キャニスタ40内に残留する燃料蒸気は、両吸着材室42,43を通過する際にその吸着材によってほぼ完全に吸着され外に漏れることはない。
【0023】
加えて、キャニスタ40内には圧力センサ32が配設されている。この圧力センサ32は第2吸着材室43の吸着材未充填の気相領域に露出しており、キャニスタ40内の圧力を検出する。この検出圧力は大気圧基準の相対圧力である。この圧力センサ32もECUに電気接続されている。
【0024】
更に図1及び図2に示すように、燃料タンク20とキャニスタ40とを連結しているベーパ通路33は、その途中で三つの系統に分岐して構成されている。各分岐系統毎にそれぞれ目的の異なる弁機構が設けられており、これら三つの分岐系統は互いに並列となっている。
【0025】
ベーパ通路33の第1の分岐系統は、主バイパス通路51と、その途中に配設されたタンク内圧制御弁52とから構成される。主バイパス通路51の一端はキャニスタ40に連通し、他端はフロート弁26に連通している。タンク内圧制御弁52は、前記大気弁36とほぼ同様の構造を持つ自律動作型のダイアフラム式差圧弁であり、ダイアフラム弁体53とそれを閉弁方向に付勢するコイルバネ54とを備えている。コイルバネ54が配設されているダイアフラム弁体53の背面側にはキャニスタ内圧が背圧として作用し、他方、ダイアフラム弁体53の正面側の大部分にはタンク内圧が作用する。コイルバネ54のバネ力及びダイアフラム自体の弾性を利用して、タンク内圧制御弁52の開弁設定圧が決められている。このため、タンク内圧がキャニスタ内圧よりも所定圧力以上高くなるとき、タンク内圧制御弁52は開弁して燃料蒸気を当該第1の分岐系統を経由してキャニスタ40に逃がす。
【0026】
ベーパ通路33の第2の分岐系統は、副バイパス通路55と、その途中に配設された給油弁60とから構成される。副バイパス通路55は前記主バイパス通路51よりも大口径であるが、通常は給油弁60によって閉塞されており、特別な場合にのみ強制開放されて燃料タンク20とキャニスタ40との連通を許容する非常連通路である。図2及び図3に示すように、副バイパス通路55は途中で分断され、二つの分断端(そのうちの一方は弁座61として機能する)の間には連通室56が確保されている。
【0027】
給油弁60は主として、前記分断端の一方によって構成される弁座61と、副バイパス通路55内に摺動可能に設けられた可動体62と、その可動体62を付勢するコイルバネ63と、可動体62を支持する副バイパス通路を包囲すると共にECUによって通電制御される電磁コイル64とから構成される。可動体62は、弁座61に着座した閉塞位置(図2参照)と、弁座61から離れた開放位置(図3参照)との間で移動可能である。可動体62は、その前後摺動に伴い弁座61に接離可能な円盤状の弁体部65と、該弁体部65から後方に延出形成された円筒部66とから構成される。円筒部66の外周面は副バイパス通路55の内周面にほぼ密接し、両周面の間から漏洩するガス量は極めて少ない。その代わりに、前記円筒部66には複数の連通孔67が形成されている。各連通孔67は、可動体62の移動範囲内において連通室56と円筒部66内(副バイパス通路55内)とを常に連通させるべく形成されている。コイルバネ63は可動体62を弁座61に向けて付勢し、電磁コイル64への通電がない限り弁体部65を弁座61に着座させて副バイパス通路55を閉塞する。また、コイルバネ63のバネ力で高い開弁設定圧が決められており、タンク内が過度の負圧状態に陥るのを回避する。可動体62は磁性材料で作られており、電磁コイル64への通電によって電磁力が発生すると、前記コイルバネ63の付勢力に抗して図3の開放位置まで後退する。その結果、弁体部65が弁座61から離れ、弁座61の内側、連通室56及び連通孔67を介して副バイパス通路55が開放され、第2の分岐系統を経由して燃料タンク20とキャニスタ40とが連通される。このように、給油弁60は、電磁コイル64への通電制御に基づいて他律的に動作する他律動作型の強制開閉弁である。
【0028】
ベーパ通路33の第3の分岐系統は、均圧通路71と、前記連通室56と、可動体62の連通孔67と、前記均圧通路71と連通室56との間の隔壁に形成された弁孔72を開閉するための圧力開放弁73とから構成されている。前記弁孔72は、圧力開放弁73を構成する弁体74によって常には閉じられている。圧力開放弁73はECUに電気接続され、ECUによって開閉制御される。タンク内圧が大気圧よりも過度に低い状態(過度な負圧状態)に陥ったことを圧力センサ31が検知すると、ECUは圧力開放弁の弁体74を動かして弁孔72を強制開放する。すると、前記第3分岐系統を経由して、燃料タンク20と、キャニスタ40及びそれにつながる領域とが連通し、タンク内とキャニスタその他の領域との均圧化が図られタンク内圧の負圧状態が緩和される。そのときに大気導入弁35aが開弁状態にあれば、タンク内圧は大気圧まで戻される。つまり、圧力開放弁73は、キャニスタ40側から燃料タンク20側に蒸気又は空気を戻すことでタンク内が過度な負圧状態に陥いるのを回避するための他律動作型リリーフ弁として機能する。
【0029】
そして、本実施形態において、特にパージ制御弁34aが開弁状態にあり、キャニスタ40内に負圧が導入されている状態で給油弁60を開弁することで互いに連通する燃料蒸気パージシステム内の共有空間、すなわち燃料タンク20、ベーパ通路33、キャニスタ40及びパージ通路34を、同システムにおけるエバポ経路と呼んでいる。
【0030】
更に、エンジン10及び燃料蒸気パージシステムは、エンジンの制御系及び診断系としての役割を司るECU(電子制御ユニット)を備えている。図4に示すように、ECUは、エンジン制御や燃料タンクを含むパージシステムのエバポ経路の漏れ診断に関する各種処理を実行するマイクロコンピュータ81を中心に構成されている。マイクロコンピュータ81は、各種の演算処理を行うCPU82、上記制御や診断に関する各種プログラムを記憶した読出し専用メモリであるROM83、読出しと書込みが自由な揮発性メモリであるRAM84、読込みと書込みが自由で且つバッテリバックアップされることによりエンジン10の停止後も記憶内容が保存される不揮発性メモリであるバックアップRAM85及び時間計測用の内部タイマ86から構成される。
【0031】
マイクロコンピュータ81の出力側には、燃料噴射弁15、燃料ポンプ21、パージ制御弁34a、大気導入弁35a、給油弁60及び圧力開放弁73が、それぞれの駆動回路を介して接続されている。
【0032】
マイクロコンピュータ81の入力側には、エアフローメータ19や前記二つの圧力センサ31,32の他に、エンジン冷却水の水温センサ、回転速度センサや気筒判別センサ等のエンジン10の運転制御に必要な情報を取得するための各種センサが直接的又は間接的に接続されている。加えて図1及び図4に示すように、マイクロコンピュータ81の入力側にはリッドオープナ検知回路27が接続されている。このリッドオープナ検知回路27は、車輌の給油口(即ちフラッパバルブ24)の近くに設けられた蓋(フューエルリッド)28が開かれ、燃料タンク20にガソリンが給油可能な状態になると、その旨をECUに知らせるための開蓋信号を出力する。ECUは、リッドオープナ検知回路27から開蓋信号を受け取ると、電磁コイル64への通電を指令して給油弁60を強制開弁し、給油時における燃料タンク30内の空気又は蒸気の逃げ道を確保する。他方、蓋28が閉じられると、ECUは電磁コイル64への通電を停止して給油弁60を閉じる。尚、タンク内圧制御弁52の開弁設定圧は、給油時におけるタンク内圧の上昇程度では容易に開弁しない程度に高めに設定されており、この意味でも給油弁60の存在意義が認められる。
【0033】
ECUは、各種センサ類から提供される各種情報に基づき燃料噴射制御や空燃比制御等のエンジン制御を実行する。その傍らECUは、圧力センサ31,32からの出力信号を認識しつつ、パージ制御弁34a、大気導入弁35a、給油弁60及び圧力開放弁73を適宜開閉制御することによって、燃料タンク20を含むパージシステムの異常診断等を実行する。この意味でECUは、診断制御手段として位置づけられる。
【0034】
(燃料蒸気パージシステムによる燃料パージの概要)
燃料タンク20内の燃料が蒸気化しその蒸気圧が所定圧以上に達すると、タンク内圧制御弁52が開弁して燃料タンク20からキャニスタ40内へ燃料蒸気の流入が許容される。キャニスタ40内に流入した燃料蒸気は、キャニスタ40内の吸着材に一旦吸着される。エンジン10の冷却水温が所定のパージ開始水温(例えば80℃)に達していれば、ECUからの指令により、パージ制御弁34a及び大気導入弁35aが適宜開弁される。すると、パージ通路34を介して吸気通路12からキャニスタ40内に吸入負圧が導かれると共に、大気導入通路35を通じてエアクリーナ18からキャニスタ40内に新気が導入される。この負圧及び新気の導入によって吸着材から燃料蒸気が離脱し、パージ通路34を介して吸気通路12にパージされる。
【0035】
(燃料蒸気パージシステムのエバポ経路の漏れ診断)
本実施形態において、燃料タンク20は高気密性のタンクであり、給油弁60は給油時以外は閉弁されているため、燃料タンク20の異常診断と、燃料タンク20を除くエバポ経路の構成要素である燃料タンク外部のベーパ通路33、キャニスタ40及びパージ通路34(以下、これらベーパ通路33、キャニスタ40及びパージ通路34をキャニスタ経路群という)の異常診断とはそれぞれ独立して行われるようになっている。
【0036】
図5及び図6は、燃料蒸気パージシステムのエバポ経路の異常の有無を診断するための異常診断ルーチンの概要を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECUによって所定時間(例えば数十〜数百ミリ秒)毎の定期割込み処理として実行される。
【0037】
前記割込み処理要求があると、ECUはまずステップ101において、エンジン10の冷間始動時であるか否かを判定する。具体的には、イグニションスイッチがONされた状況のもと、エンジンの冷却水温が所定温度(例えば35℃)未満であるか否かを判定する。冷却水温が前記所定温度未満(ステップ101判定がYES)の場合には冷間始動時と判定し、ステップ102においてECUは、圧力センサ31から大気圧基準のタンク内圧Ptを読み込む。他方、ステップ101判定がNOの場合には暖機後又は温間始動時と判定し、ステップ102をスキップし、ステップ111へ進む。
【0038】
続いて、ステップ103においてECUは、前記タンク内圧Ptの絶対値が、所定の判定値α以上であるか否かを判定する。すなわち、タンク内圧Ptが正圧の場合にはそれが値α(α>0)以上であるか否かを、タンク内圧Ptが負圧の場合にはそれが値−α以下であるか否かを判定する。ステップ103判定がYESの場合、タンク内圧Ptと大気圧との較差がα以上存在していることになり、燃料タンク20の気密性が十分に保たれていることが示唆されている。従って、ステップ103判定がYESの場合、ECUは、燃料タンク20には穴あきや裂傷等の異常は存在しないと判定する(ステップ104)。なお、前記判定値αをある程度大きく設定しておくことにより、ステップ103→104の流れでの異常無し判定の信頼性を高められる。他方、ステップ103判定がNOの場合には、それだけでタンク20に穴あき等が存在すると即断することはできない。故に、更に厳密な異常診断を行うべく、ECUはステップ111以下の処理を実行する。
【0039】
ステップ111〜123の処理は負圧法によるエバポ経路の異常診断手順の概略を示し、特にステップ111〜119の処理は燃料タンクの異常診断手順を示し、ステップ120〜123の処理はキャニスタ経路群の異常診断手順を示す。なお、図7のタイミングチャートは、この負圧法によるエバポ経路の異常診断手順に対応している。
【0040】
まず、ステップ111においてECUは、システムによる燃料蒸気のパージを開始する。具体的には、大気導入弁35aが開かれた状況下で、パージ制御弁34aが開弁される(図7の時刻t1)。このとき、給油弁60及び圧力開放弁73はいずれも閉弁している。その後、ステップ112において、燃料タンク20の内圧Ptの安定状況が確認される。例えば図7に示すように、圧力センサ31によるタンク内圧Ptの所定時間(例えば15秒)での圧力変化量ΔP1が計測され、圧力変化量ΔP1が所定値以下であることが3回続けて確認されると、タンク内圧Ptが安定していると判定される。
【0041】
タンク内圧Ptの安定が確認されると、ステップ113において、燃料タンク20及びキャニスタ40を含むエバポ経路の全体に負圧が導かれる。具体的にはECUは、パージ制御弁34aを開いたままの状況で、大気導入弁35aを閉弁すると共に給油弁60を強制開弁する(図7の時刻t2)。これにより、キャニスタ40が大気から遮断されると共に、キャニスタ40には吸気通路12からパージ通路34を介して負圧が導かれる。加えて、給油弁60の開弁により、燃料タンク20、ベーパ通路33、キャニスタ40及びパージ通路34(すなわちエバポ経路の全体)が負圧状態となりタンク内圧Ptが低下する。このエバポ経路全体の内圧は、燃料タンク20に取り付けられた圧力センサ31(及び/又はキャニスタ40に取り付けられた圧力センサ32)によって検出される。
【0042】
その間、ECUは、タンク内圧Ptが所定の目標低圧レベル(例えば、−2.67kPa=−20mmHg)まで低下したか否かを監視する(ステップ114)。そして、タンク内圧Ptが所定の目標低圧レベルまで低下したとき(ステップ114判定がYES、図7の時刻t3)、ECUはステップ115において給油弁60及びパージ制御弁34aを共に閉弁する。給油弁60の閉弁により燃料タンク20は負圧状態で密閉され、パージ制御弁34aの閉弁によりキャニスタ経路群は負圧状態で密閉される。
【0043】
このとき、もし燃料タンク20に穴あき等の異常がなければ、タンク内の燃料が蒸発することにより、タンク内圧Ptは、残留する空気及び燃料蒸気の平衡圧に徐々に近づいていく(即ち緩やかに上昇する)はずである。他方、燃料タンク20に漏れがあった場合には、タンク内圧Ptは急速に外気圧(大気圧)に近づくことになる。いずれにしても時刻t3以後タンク内圧Ptは上昇するが、漏れの有無によって内圧上昇の度合いが異なってくる。かかる考え方のもとに本実施形態では、タンク内圧Ptが再び所定の圧力p1(例えば−2.00kPa=−15mmHg)に達した時刻t4を基準として、圧力変化度合いとしての圧力変化速度ΔPt(−15)(kPa/秒又はmmHg/秒)を計測している(ステップ116)。具体的には、時刻t4から所定時間T(例えば5秒)後の圧力p2を測定し、その間の圧力変化速度ΔPt(−15)=(p2−p1)/Tを演算している。
【0044】
この圧力変化速度ΔPt(−15)に基づき、燃料タンク20に穴開き等の異常がある否かを判定する。具体的には、ステップ117においてECUは、ΔPt(−15)が所定の閾値速度β(β>0)以上であるか否かを判定する。そして、ステップ117判定がNOの場合には、ステップ118において燃料タンク20に穴あき等の異常はないと判定する。他方、ステップ117判定がYESの場合には、ステップ119において燃料タンク20に穴あき等の異常が存在すると判定する。
【0045】
また、もしキャニスタ経路群に穴あき等の異常がなければ、キャニスタ40の容積は小さく蒸気の発生量も小さいため、キャニスタ内圧Pcの圧力変化は小さい(即ち緩慢に上昇する)はずである。他方、キャニスタ経路群に漏れがあった場合には、キャニスタ内圧Pcは急速に外気圧(大気圧)に近づくことになる。かかる考え方のもとに本実施形態では、キャニスタ内圧Pcが所定の圧力p3(例えば−2.53kPa=−19mmHg)に達した時刻t31を基準として、圧力変化度合いとしての圧力変化速度ΔPc(−19)(kPa/秒又はmmHg/秒)を計測している(ステップ120)。具体的には、時刻t31から所定時間T(例えば5秒)後の圧力p3を測定し、その間の圧力変化速度ΔPc(−19)=(p3−p1)/Tを演算している。
【0046】
この圧力変化速度ΔPc(−19)に基づき、キャニスタ経路群に穴開き等の異常がある否かを判定する。具体的には、ステップ121においてECUは、ΔPc(−19)が所定の閾値速度γ(γ>0)未満であるか否かを判定する。そして、ステップ121判定がYESの場合には、ステップ122においてキャニスタ経路群に穴あき等の異常はないと判定する。他方、ステップ121判定がNOの場合には、ステップ123においてキャニスタ経路群に穴あき等の異常が存在すると判定する。
【0047】
ステップ122又は123のいずれかの判定を行った後、ECUは図5,6の処理を終了する。なお、ステップ119のタンク異常の判定があった場合又はステップ123のキャニスタ経路群異常の判定があった場合には、その旨を人に知らせるための警告表示が点灯されたり、警告ブザーが鳴らされたりする。
【0048】
また、前記ステップ104において燃料タンク20の正常判定がなされると、エバポ経路における異常診断は燃料タンク20を除くキャニスタ経路群についての異常診断を行うべく、ECUはステップ131以下の処理を実行する。
【0049】
ステップ131〜134、及びステップ120〜123の処理は負圧法によるキャニスタ経路群の異常診断手順の概略を示す。なお、図8のタイミングチャートは、この負圧法によるキャニスタ経路群の異常診断手順に対応している。
【0050】
キャニスタ経路群の漏れ診断を行うにあたって、エンジン10の冷却水温がパージ開始水温(本実施形態では80℃)に達していると、ECUはステップ131において、大気導入弁35aが開かれた状況下で、パージ制御弁34aを開弁することによりシステムによる燃料蒸気のパージを開始する。(図8の時刻t11)。この際、キャニスタ40の容積が小さくかつ燃料蒸気の発生量が少なくそれに伴う圧力変化は小さいため、キャニスタ内圧Pcの安定性を考慮する必要はない。
【0051】
次にステップ132において、ECUはパージ制御弁34aを開いたままの状況で、給油弁60を閉弁状態に保持し、大気導入弁35aを閉弁する(図8の時刻t12)。これにより、キャニスタ40が大気から遮断されると共に、キャニスタ経路群には吸気通路12からパージ通路34を介して負圧が導かれる。このキャニスタ経路群の内圧は、キャニスタ40に取り付けられた圧力センサ32によって検出される。
【0052】
その間、ECUは、キャニスタ内圧Pcが所定の目標低圧レベル(例えば、−2.67kPa=−20mmHg)まで低下したか否かを監視する(ステップ133)。そして、キャニスタ内圧Pcが所定の目標低圧レベルまで低下したとき(ステップ133判定がYES、図8の時刻t13)、ECUはステップ134においてパージ制御弁34aを閉弁する。給油弁60は閉弁状態に保持されているので、パージ制御弁34aを閉弁することによりキャニスタ経路群は負圧状態で密閉される。
【0053】
このときキャニスタ経路群に穴あき等の異常がなければ、キャニスタ内圧Pcの圧力変化は小さい(即ち緩慢に上昇する)はずである。他方、キャニスタ経路群に漏れがある場合には、キャニスタ内圧Pcは急速に外気圧(大気圧)に近づくことになる。かかる考え方のもとにこの場合にも、キャニスタ内圧Pcが所定の圧力p3(例えば−2.53kPa=−19mmHg)に達した時刻t14を基準として、圧力変化度合いとしての圧力変化速度ΔPc(−19)(kPa/秒又はmmHg/秒)を計測している(ステップ120)。具体的には、時刻t14から所定時間T(例えば5秒)後の圧力p3を測定し、その間の圧力変化速度ΔPc(−19)=(p3−p1)/Tを演算している。
【0054】
この圧力変化速度ΔPc(−19)に基づき、キャニスタ経路群に穴開き等の異常がある否かを判定する。具体的には、ステップ121においてECUは、ΔPc(−19)が所定の閾値速度γ(γ>0)未満であるか否かを判定する。そして、ステップ121判定がYESの場合には、ステップ122においてキャニスタ経路群に穴あき等の異常はないと判定する。他方、ステップ121判定がNOの場合には、ステップ123においてキャニスタ経路群に穴あき等の異常が存在すると判定する。
【0055】
ステップ122又は123のいずれかの判定を行った後、ECUは図5,6の処理を終了する。なお、ステップ123のキャニスタ経路群異常の判定があった場合には、その旨を人に知らせるための警告表示が点灯されたり、警告ブザーが鳴らされたりする。
【0056】
(効果)本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
・ 異常診断の対象となるエバポ経路全体のうち、燃料タンク部分だけを他部位から切り離して異常診断を行うことができる。従って、燃料タンク20に異常がある場合には、異常発見箇所として燃料タンク20を特定することができる。また、燃料タンク20を除くエバポ経路(キャニスタ経路群)の異常診断を別途行うことができ、燃料蒸気パージシステムの異常箇所をある程度絞り込むことが可能となる。
【0057】
・ 本実施形態によれば、エバポ経路の一部である燃料タンク20という限定が付くものの、エンジン始動後直ちにパージシステムの異常診断の最初の一回を速やかに完了することができる。
【0058】
・ 更にエンジン10の冷間始動直後であれば、燃料タンク20の内圧(残圧)の絶対値と判定値α(α>0)との比較結果に基づいて、燃料タンク20に異常がないことを早期に且つ高い信頼性をもって判定することができる。即ち、各種弁類(特に給油弁60)の開閉操作を行う前に(又は行う必要なく)、圧力センサ31が検出したタンク内圧Ptのみに基づいて、速やかに燃料タンク20の異常無しを見極めることができる。このように他部位に先行して燃料タンク20の異常診断を早期に行うことができるため、パージシステムの信頼性が高まるのみならず、それ以後の異常診断がやり易くなる。
【0059】
・ 給油弁60によりエバポ経路における燃料タンク20とそれ以外のキャニスタ経路群とを切り離してそれぞれ異常診断が行われる。キャニスタ経路群ではキャニスタ40の容積は小さくかつ燃料蒸気の発生量も小さくキャニスタ内圧Pcの圧力変化は小さいため、異常診断のための判定値を適宜設定することができ、蒸気発生量に応じた漏れ異常診断を行うことができる。
【0060】
(別例)上記実施形態を次のように変更してもよい。
・ 図5のステップ102,103及び104の処理は冷間始動時に行われたが、これら一連の処理がエンジンの始動前に行われるように診断プログラムを改変してもよい。
【0061】
・ 本発明に関する限り、キャニスタ40内の圧力センサ32は敢えて設けなくてもよい。又、燃料タンク20内とキャニスタ40内の二つの観測点の圧力を監視する場合でも、圧力センサ自体は一つとし、該単一の圧力センサと二つの観測点との間に三方弁を介在させ、三方弁の操作によって二つの観測点の一方と圧力センサとを選択的に連通させるようにしてもよい。
【0062】
・ 上記実施形態ではタンクの診断及びエバポ経路全体の診断において負圧法を採用したが、これに代えて検査対象領域を一旦加圧しその後の圧力推移に基づいて異常の有無を判定する加圧法が採用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料蒸気パージシステム及びその診断装置の概略構成図。
【図2】燃料タンクとキャニスタとをつなぐ経路の一部の拡大断面図。
【図3】燃料タンクとキャニスタとをつなぐ経路の一部の拡大断面図。
【図4】異常診断に関する電気的構成の概要を示すブロック図。
【図5】燃料タンクの異常診断手順の概要を示すフローチャート。
【図6】燃料タンクの異常診断手順の概要を示すフローチャート。
【図7】負圧法による燃料タンクの異常診断のタイミングチャート。
【図8】負圧法によるキャニスタ経路群のみの異常診断のタイミングチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、12…吸気通路、20…燃料タンク、31…圧力センサ(内圧測定手段)、33…ベーパ通路、34…パージ通路、40…キャニスタ、60…給油弁(強制開閉弁)、ECU…電子制御ユニット(診断制御手段)。

Claims (2)

  1. 強制開閉弁を備えた経路を介してエンジン吸気通路と気相連通可能に構成された燃料タンクにおける異常の有無を診断する方法であって、
    前記燃料タンクとエンジン吸気通路とを気相連通可能とする経路を、キャニスタ、該キャニスタとエンジン吸気通路とをつなぐパージ通路及び前記キャニスタと燃料タンクとをつなぐベーパ通路によって構成し、
    前記強制開閉弁を、前記ベーパ通路の途中に設けるとともに給油時以外は閉弁し、
    エンジンの冷間始動時又は始動前に前記強制開閉弁が閉じられた燃料タンク密閉状態でのタンク内圧を測定し、そのタンク内圧と大気圧との差の絶対値が、前記燃料タンクの気密性が十分に保たれていることを示す所定の判定値以上であることのみを条件に、当該燃料タンクには漏れ等の異常が無いものと判定する
    ことを特徴とする燃料タンクの異常診断方法。
  2. 強制開閉弁を備えた経路を介してエンジン吸気通路と気相連通可能に構成された燃料タンクにおける異常の有無を診断する装置であって、
    前記燃料タンクとエンジン吸気通路とを気相連通可能とする経路は、キャニスタ、該キャニスタとエンジン吸気通路とをつなぐパージ通路及び前記キャニスタと燃料タンクとをつなぐベーパ通路によって構成され、
    前記強制開閉弁は、前記ベーパ通路の途中に設けられて給油時以外は閉弁されるものであり、
    前記燃料タンクの内圧を測定する内圧測定手段と、
    前記強制開閉弁の開閉制御を司ると共に前記内圧測定手段から燃料タンクの内圧情報を入手可能な診断制御手段とを備え、当該診断制御手段は、エンジンの冷間始動時又は始動前に前記強制開閉弁が閉じられた燃料タンク密閉状態でのタンク内圧を前記内圧測定手段から入手し、そのタンク内圧と大気圧との差の絶対値が、前記燃料タンクの気密性が十分に保たれていることを示す所定の判定値以上であることのみを条件に、当該燃料タンクには漏れ等の異常が無いものと判定する
    ことを特徴とする燃料タンクの異常診断装置。
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