JP3618930B2 - 振動波モータの駆動制御装置および振動波モータを駆動源とする装置 - Google Patents
振動波モータの駆動制御装置および振動波モータを駆動源とする装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は振動波モータの駆動制御装置および振動波モータを駆動源とする装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、圧電セラミック等の圧電体を用いた振動体に、交番信号例えば数10KHzの駆動電圧を加えて弾性振動を励振し、この振動体を伸縮振動又は厚み振動させ、この振動を駆動力として、前記振動体と、この振動体と加圧接触する接触体とを相対的に押圧駆動し、前記振動体と前記接触体とを相対回転又は相対的に直線運動させる振動波モータが提案されている。なお、本明細書中振動体を固定した場合、振動体をステータ、接触体をロータあるいは移動体と称する。
【0003】
以下、図面を参照しながら振動波モータの従来技術について説明を行う。
【0004】
図9は円環型振動波モータの斜視図であり、円環型の弾性体15に円環型圧電体14を貼り合わせて振動体16を構成している。
【0005】
一方、17は耐摩耗性材料の摩擦材、18は金属等の弾性体であり、互いに貼り合わせられて移動体19を構成している。移動体19は摩擦材17を介して振動体16と接触している。
【0006】
圧電体14に電圧を印加すると、振動体16の周方向に曲げ振動が励起され、これが進行波となることにより、移動体19を駆動する。尚、同図中の振動体16には、機械出力取り出し用の突起体20が設置されている。
【0007】
図10は図9の振動波モータに使用した圧電体14の電極構造の一例を示している。同図では円周方向に波長λの9個の弾性波が形成されるように構成されている。同図において、AおよびBはそれぞれ2分の1波長(λ)相当の小領域から成る電極群で、Cは4分の3波長(λ)、Dは4分の1波長(λ)相当の電極である。
【0008】
電極CおよびDは、電極群AとBに位置的に4分の1波長(=90°)の位相差を設けている。電極AとB内の隣合う小電極部は、圧電体14を分極する際に用いる電極で、圧電体14の弾性体15との接着面は、図10に示された面と反対の面であり、その面の電極は全面平面電極である。使用時には、電極群AおよびBは図10の斜線で示されたように、それぞれ短絡して用いられる。
【0009】
以上のように構成された振動波モータの圧電体14の電極AおよびBに
V1 =V0 ・sin(ωt) …(1)
V2 =V0 ・cos(ωt) …(2)
ただし、V0 :電圧の瞬時値
ω :角周波数
t :時間
で表される電圧V1 およびV2 をそれぞれ印加すれば、振動体には
ただし、ξ :曲げ振動の振幅値
ξ0 :曲げ振動の瞬時値
k :波数(2π/λ)
λ :波長
X :位置
で表せる、円周方向に進行する曲げ振動が励起される。
【0010】
図11は振動体16の表面のA点が進行波の励起によって、長軸2W、短軸2Uの楕円運動をし、振動体16上に加圧して設置された移動体19が、楕円の頂点近傍で接触することにより、摩擦力により波の進行方向とは逆方向にv=ωUの回転速度で運動する様子を示している。また、この速度は振動体16と移動体19の間にスベリがあるときは、上記のvより小さくなる。同図の矢印Bは、移動体19の進行方向を示し、矢印Cは、この進行波の進行方向を示す。また、上記した移動体19の速度vは、振動体16と移動体19の間にスベリがない時、ほぼこの曲げ振動の瞬時値ξ0 に比例する。
【0011】
このような振動波モータは、例えば特開昭64−85587号公報で公知となっている方法によって駆動される。これについて以下に説明する。
【0012】
図7は従来例の振動波モータにおける制御装置のブロック図を示し、1は可変発振器2の発振周波数を制御する可変発振器制御回路、2は入力される電圧値によって出力周波数が決まる可変発振器、3は可変発振器2の出力から90°位相の異なった二つの信号を発生させる90°移相回路である。
【0013】
4,5はこの90°位相の異なった各々の信号を増幅して圧電体14の各々の電極に印加し、その増幅度がコントロール入力に印加される直流電圧値によって制御される電力増幅回路、7は移動体19の周囲に貼付され着磁されたプラスチック状のマグネットから移動速度に比例した磁束の変化を磁気抵抗素子で検出する周知の周波数発電機のごとき速度センサー、8は速度センサーの出力周波数に比例した電圧を出力する周波数−電圧(F−V)変換回路、9は速度制御ループを安定にするための補償フィルタ、11はF−V変換回路8の出力を監視することによって移動体19の移動速度が所定値に達したかどうかを検出する速度検出回路である。
【0014】
12はその接点の選択を速度検出回路11の出力によって制御され電力増幅回路4,5のコントロール入力に印加する信号が補償フィルタ9の出力もしくは一定電圧Vr1になるよう切り換えられるスイッチ(SW)、13は振動波モータ6の起動停止のためのコントロール端子である。
【0015】
このブロック図において、速度センサー7、F−V変換回路8、補償フィルタ9、電力増幅回路4,5及び振動波モータ6で速度制御ループが形成される。図8は図7に示した振動波モータ6の駆動制御装置の起動時における動作波形図で、aはコントロール端子13に入力されるモータ起動停止指令信号であって、「H」レベルで起動し、「L」レベルで停止を指令する。bは可変発振器制御回路1の出力で可変発振器制御信号、cはF−V変換回路8の出力で移動体19の移動速度に比例した速度比例信号、dは速度検出回路11の出力で所定速度に達したら「H」レベルになる速度検出信号である。
【0016】
以上のように構成された制御装置の動作を図8を参照して以下に説明する。
【0017】
振動波モータ6を起動させるべく、コントロール端子13に入力されるモータ起動停止信号aが「L」レベルから「H」レベルになると、可変発振器制御回路1は、振動波モータ6に交流電圧を印加するために可変発振器2をオンすると同時に、後述する速度検出回路11によって、移動体19の速度が所定の速度に達したことが検出されるまでの期間(t)、可変発振器2の出力周波数が高い周波数(fH )から低い周波数(fL )に掃引させるべく、図8に示すように高い電圧から時間と共に低い電圧に変化する可変発振器制御信号bを出力する。
【0018】
ここで、周波数fH およびfL は環境等の変化による機械腕(図16の等価回路のRLCに相当するものであるが、詳細については後述する)の特性の変化を十分カバーする範囲で設定される。可変発振器2の交流出力は90°移相回路3及び電力増幅回路4,5を通じて振動波モータ6の圧電体14に印加される。この交流電圧が印加されると移動体19は回転運動を開始する。
【0019】
この時、電力増幅回路4,5の増幅度は可変範囲の中心になるように各々のコントロール入力には一定の電圧Vr1が印加される(SW12はl側に接続される)。従って、振動波モータ6には一定の交流電圧V1 (実効値)が印加されていることになる。
【0020】
この一定電圧V1 のもとで、可変発振器制御回路1によって可変発振器の発振周波数が低い方に変化して行くと、機械腕のアドミタンスは増加し、それにつれて機械腕電流im も増加するので、移動体19の速度は速くなって行く。この移動体19の速度は速度センサー7およびF−V変換回路8によってその速度に比例した直流電圧(図8のcの速度比例信号)として取り出される。周知の電圧コンパレータ等で構成される速度検出回路11は、この電圧によって移動体19の速度を監視し、ある所定の速度即ち速度比例信号cが所定のレレベル(Vr2)に達すると、図8に示すように出力を「L」レベルから「H」レベルにし、速度検出信号dとしてスイッチ12および可変発振器制御回路1に出力する。
【0021】
従来例では、この所定速度として設定速度(定常時の移動速度)に略一致させている。
【0022】
ここで、可変発振器制御回路1は、「H」レベルの速度検出信号dが入力されると、図8に示すように、可変発振器制御信号bの高い電圧から低い電圧への変化を停止しその状態を保持する。従って可変発振器2による周波数の掃引は停止し、その時点での周波数の交流電圧が振動波モータ6に印加され続けることになる。また、スイッチ12は速度検出信号dが入力されると、m側に接続される。従って速度制御ループが閉じることになり、以後は速度センサーの情報を基に電力増幅回路4,5の増幅度を変化させて振動波モータ6に印加する電圧を変え機械腕電流im を制御して移動体19の速度を一定にしている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例において、起動から設定速度へ達するまでの時間、すなわち立ち上り時間を短縮するために、可変発振器の発振周波数を低い方に変化させる速さを大きくすると、立ち上り途中に突然モータが停止することがあった。
【0024】
すなわち、図12に示すように、モータ起動停止指令信号aが「H」レベルになると同時に、可変発振器制御信号bを図8の場合よりも速い速度で小さくすると、モータが起動し図8の場合よりも大きな加速度で加速するものの、速度が設定速度に達する以前に急に停止するため、速度比例信号cもVr2に達しない。
【0025】
このように、従来の振動波モータにおいては、立ち上り時間を短縮しようとすると、立ち上り中に突然停止するといった不安定な動作を招いていた。
【0026】
本出願に係る第1の発明の目的は、短い立ち上がり時間で安定して設定速度に駆動制御できる振動波モータの駆動制御装置を提供することにある。
【0027】
本出願に係る第2の発明の目的は、振動波モータを駆動源として起動から設定速度まで安定して被駆動体を駆動できる振動波モータを駆動源とする装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る第1の発明の目的を実現する第1の構成は、電気−機械エネルギー変換素子を有する振動体に接触体を加圧接触させた振動波モータの前記電気−機械エネルギー変換素子に交番信号としての駆動電圧を印加する駆動回路を有し、前記駆動回路から前記電気−機械エネルギー変換素子に駆動信号が印加されて前記振動体に形成される駆動波により、前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動波モータの駆動制御装置において、前記駆動回路は、加速動作中における駆動信号の実効値Vを以下で表わす電圧よりも大きくしたことを特徴とする。
V=(1/√2)πfa0 ARTmax
但し、πは円周率、fは駆動周波数、a0 は接触部の振動振幅でpeak to peak値、Aは接触部における振幅a0 と同じ座標系での力係数、RTmaxはその振幅で回転可能となる最大負荷での振動波モータの入力側から見た抵抗値。
【0031】
本出願に係る第2の発明の目的を実現する構成は、上記した各構成の振動波モータを駆動源として被駆動体を駆動することを特徴とする振動波モータを駆動源とする装置にある。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明は従来例の課題である現象、すなわち立ち上り時間を短縮しようとすると、立ち上り中に突然停止するという現象について、実験的および理論的に解析し、原因を明らかにすることによって見出された。そこで上記の本発明の実施の形態を説明する前に、従来例の課題である現象の原因について述べる。
【0033】
図13は、従来例の振動波モータが、図8に示したように問題なく立ち上り設定速度へ達した場合のモータの回転速度とトルクの時間変化である。なお負荷として220gcm2 の慣性モーメントが振動波モータに与えられている。また、ここで用いた振動波モータは、設定速度800rpmに達した定常状態では最大トルク900gf・cmを発生することが可能である。
【0034】
振動波モータを起動させるべく、モータ起動停止信号が「L」レベルから「H」レベルになると、ほぼ同時に振動波モータはトルクを発生しはじめ回転速度が増す。発生したトルクに比例した加速度で回転速度が増し、40msec後に設定速度である800rpmに達するとトルクは0になり、回転速度も800rpmに保たれる。
【0035】
次に、図12のように、可変発振器制御信号bを図8の場合よりも速い速度で小さくした場合の従来例の振動波モータの回転速度とトルクの時間変化を図14に示す。モータ起動停止信号が「L」レベルから「H」レベルになると同時に、振動波モータはトルクを発生しはじめ回転数が増すが、可変発振器制御信号bをより速い速度で小さくしたため、図13の場合に比べて加速度が大きくなり、回転速度は急峻に大きくなるものの、約15msec後に振動波モータのトルクが図示していないが−(マイナス)になると同時に回転速度が急減し停止する。
【0036】
このように、可変発振器制御信号bを速い速度で小さくする過程では、設定速度に達した後の定常状態で発生しうる最大トルクや回転速度に達することなく停止する。
【0037】
このようになる原因を調べるため、加速中の振動波モータに印加される電圧V1 を印加した場合の駆動周波数をパラメータとした振動波モータのトルク−回転速度特性を測定した。これを図15の実線で示す。図中の実線で示したカーブに添えたf1 〜f9 は駆動周波数を表わし、周波数の大小関係はf1 >f2 >f3 >…>f9 であり、いずれもステータの共振周波数よりも高い。
【0038】
f1 からf9 の周波数の範囲において、駆動周波数が低い場合ほどステータの振動振幅が大きいため、無負荷(0gf・cm)回転数が大きい。また、駆動周波数が低い場合ほど最大トルクが大きい。この結果破線より矢印側に示す不作動領域は、回転数が小さい場合ほどトルクの小さい側にひろがっている。
【0039】
また、図15中の点線および一点鎖線は、夫々図13および図8に示したモータの回転速度とトルクの時間変化を、トルク対回転速度平面に示したものであり、時間とともに点線および一点鎖線上の矢印の方向に推移したことを示す。
【0040】
図8と図13に示すように問題なく立ち上って設定速度に達した場合、トルクおよび回転数は図15のトルク−回転速度特性の不作動領域ではない作動領域内で推移するのに対し、図12と図14に示すように設定速度に達することなく急停止した場合、図15に示すトルク−回転速度特性の不作動領域へ推移しそうになると同時に、トルクが急減して急停止することがわかる。
【0041】
すなわち、図15に示すように、トルク−回転速度特性の不作動領域が存在するために、設定速度に達することなく急停止する。なお、図15中の一点鎖線は、図14と同様図示していないが、さらに時間の経過とともにトルクが負の領域となって回転速度が急減する。
【0042】
次に、不作動領域が存在する理由ならびに不作動領域が回転数の小さい場合ほどトルクの小さい側にひろがっている理由を調べるため、以下に述べる実験的解析を行なった。通常共振現象を用いる圧電振動子は、図16に示す等価回路で表現される。ここで、C0 は圧電素子の制動容量であり、C1 ・L1 ・R1 が直列の部分は機械腕と呼ばれ、機械的な共振周波数fr はfr =(1/2π)√(1/L1 ・C1 )で表わされる。また、出力や損失などの機械的エネルギーは、R1 で消費される電気エネルギーとして表現される。
【0043】
振動波モータの場合、トルクや、振動振幅によって振動体と移動体のスベリなどの接触状態が異なるため、機械腕の等価回路定数であるC1 L1 R1 はトルクや振動振幅に依存すると考えられる。これらの等価回路定数のうちR1 は、駆動可能な印加電圧を決定する重要な因子であり、圧電基本式
AV=Zm v ただしVは印加電圧で
Zm は機械インピーダンス
vは接触部における振動速度
Aは接触部における振動速度vと同じ座標系で の力係数で振幅やトルク等に依存しない。
【0044】
より、共振時はZm =A2 R1 となるため共振駆動で必要な印加電圧(以下共振電圧)Vfrと以下の関係にある。
【0045】
Vfr=(1/√2)πfr a0 AR1 …(4)
ただしπは円周率、fr は共振周波数、a0 は接触部の振動振幅でpeak
to peak値、である。なおVfrは実効値であり、以下文中の電圧の表記はすべて実効値とする。
【0046】
そこで、トルクや振動振幅によってVfrがどのように変化するかを実測し、R1 の変化を見積った。その結果を図17に示す。横軸の振動振幅は相対値であり、1.0のときに無負荷(T=0gfcm)で1000rpmとなる振動振幅である。また縦軸は共振電圧Vfrであり、振動波モータが加速中に印加される電圧V1 に対する相対値とした。測定は負荷トルクを電磁ブレーキにより一定に保ったうえで、図16の空き電極Dを振動センサーとし、センサー出力の印加電圧に対する位相が共振状態を示す位相になるように、印加電圧および周波数を調整するという既知の方法で共振状態を保ち、印加電圧と振動振幅を測定することにより行なった。なお負荷トルクをパラメータとし、0gf・cm〜1200gf・cmで測定した。
【0047】
いかなる振動振幅においても負荷トルクが大きいほど共振電圧が大きくなっているが、負荷トルクが大きいほど出力が大きいのは、図16におけるR1 が大きいためである。
【0048】
式(4)によれば、仮にR1 が一定であれば、共振電圧は振動振幅に比例する。しかし実際には図17に示されるようにいかなるトルクにおいても振動振幅が小さい方が共振電圧が大きい傾向にある。
【0049】
すなわち式(4)によれば、振動振幅が小さいほどR1 がきわめて大きくなる傾向にある。これは以下の理由によると考えられる。
【0050】
そもそも、固体摩擦による抵抗は、粘性摩擦による抵抗が速度の2乗に比例したエネルギーを消費させるのとは異なり、速度に比例したエネルギーを消費させる。したがって、粘性摩擦を電気系で表現した場合には速度に依存しない一定の抵抗となるのに対し、固体摩擦を電気系で表現した場合には、速度に反比例した抵抗となる。
【0051】
振動波モータにおけるR1 は、振動子の内部摩擦による成分よりも摩擦駆動部での損失および出力の成分が大きいため、上述した固体摩擦による抵抗と同様、速度、すなわち振動振幅が小さいほど大きくなる。
【0052】
また、振動波モータにおける摩擦駆動部の接触状態は、図18に模式的に示すように、振動体の振幅が大きい(b)に示す場合には、移動体の移動方向の速度成分を有する進行波の波の頂上付近にしか移動体が接触しないのに対し、振動体の振幅が小さい(a)に示す場合には、移動体の移動方向と逆方向の速度成分を有する進行波の谷付近にも移動体が接触する。したがって振動振幅が小さい場合にはさらにR1 は大きいものとなる。
【0053】
以上のように、振動波モータにおけるR1 が主に固体摩擦に起因していることと、移動体と振動体の接触状態が振動振幅に依存していることにより、R1 が振動振幅に大きく依存し共振電圧Vfrが図17に示すような結果となった。
【0054】
共振時における印加電圧である共振電圧は、その駆動状態を可能にする最低の電圧である。なぜなら共振時に最も印加電圧あたりの振動振幅が大きく、共振状態からずれている場合には同じ駆動状態を得るのにより大きい印加電圧を要するからである。
【0055】
したがって、図17に示す共振電圧の振幅特性は、ある印加電圧における駆動可能な状態を示すグラフでもある。
【0056】
すなわち、例えば図17において、負荷トルクが0〜700gf・cmの共振電圧カーブが全てV1 以下であるため、これらの共振電圧カーブ上の全ての状態が印加電圧V1 で駆動可能である。
【0057】
しかし、負荷トルクが大きい場合、例えば1000gf・cmの場合、振動振幅が図17における1.1より大きいと、その共振電圧がV1 より小さくなるため印加電圧がV1 で駆動可能となるが、振幅が図17における1.1より小さい場合にはその共振電圧がV1 より大きくなるため、印加電圧がV1 では駆動不能となる。
【0058】
すなわち、振動振幅が小さいほど共振電圧が大きくなるため、800gf・cm以上の負荷トルクでは印加電圧V1 の場合、振動振幅が小さい領域すなわち回転速度の小さい領域は駆動不能となる。これは図15に示したトルク−回転速度カーブに対応し、すなわち図15の不作動領域は、図17における共振電圧Vfr>V1 の領域に対応する。
【0059】
以上のような実験的解析によりまとめると以下のことが明らかになった。
【0060】
▲1▼:振動波モータにおけるR1 が主に固体摩擦に起因し、かつ移動体と振動体の接触状態が振動振幅に依存するため、R1 は振動振幅が小さいほどきわめて大きくなる。
【0061】
▲2▼:その結果Vfr=(1/√2)πfr a0 AR1 で表わされる共振電圧は振動振幅が小さいほど大きい。
【0062】
▲3▼:負荷トルクが大きいほどR1 および共振電圧が大きい。
【0063】
▲4▼:▲2▼と▲3▼より負荷トルクが大きく、回転速度が小さい領域は印加電圧が小さいと駆動不能になりやすい。
【0064】
▲5▼:振動波モータの立ち上り速度を上げようとすると、▲4▼で言うところの駆動不能状態となり急停止する場合がある。
【0065】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態を示す。
【0066】
上述の解析の結果、図17で得られた共振電圧の最大値以上の印加電圧を振動波モータに与えれば、図17の全ての共振電圧カーブが駆動可能な領域となるため、トルク−回転速度カーブにおける不作動領域は、図15における不作動領域よりも小さくなることは明らかである。
【0067】
そこで、前述の従来例の振動波モータに、1.5×V1 なる実効値の交流電圧を印加して、従来例では設定速度に達することなく急停止した図12の場合と同じ速さで可変発振器の発振周波数を下げた。なお、本実施の形態における振動波モータの構成や機能および制御装置は従来例とほぼ同様であるので、異なるところのみ説明し、同様のところの説明は省略する。
【0068】
本実施の形態において、立ち上り時のモータ起動停止指令信号、可変発振器制御信号、速度比例信号および速度検出信号の変化を図1に示す。
【0069】
図1に示すように、急停止することなく設定速度に達し、また、起動から設定速度に達するまでの時間、すなわち立ち上り時間tも、図8との比較から明らかなように、従来例より大幅に短縮された。
【0070】
なお、本発明の技術的な思想が正しいか否かを確認するため、従来例における駆動周波数をパラメータとした振動波モータのトルク−回転速度特性を示す図15と同様に、本実施の形態である1.5×V1 なる実効値の交流電圧を印加して、駆動周波数をパラメータとしたトルク−回転速度特性を測定した。それを図2に示す。
【0071】
駆動周波数fe 〜fi において、最大トルクが振動体と移動体の摩擦係数で決まるトルク(動摩擦係数×加圧力×接触部平均半径)である1200gf・cm程度となり、前述の解析の結果から予想されるとおり不作動領域が大幅に小さくなった。
【0072】
その結果、トルク−回転速度特性カーブ群が図2中で占める領域の形状が、従来例の図15で右凸形状となっているのとは異なり、ほぼ右凸形状ではなくなった。図2中の点線は本実施の形態における振動波モータの立ち上り時のトルクと回転速度の時間変化を示すが、不作動領域が大幅に小さくなったため、トルクと回転速度の時間変化カーブは作動領域内のみで推移し、設定速度まで加速が可能となった。なお図2において、駆動周波数fa 〜fd での最大トルクが1200gf・cmに達していないのは、振動振幅が小さく、図18の(a)に示すように、移動体が逆方向の力を受けるような接触状態になっているためと思われる。
(第2の実施の形態)
図4は第2の実施の形態を示す。
【0073】
上記した第1の実施の形態において、設定速度に達する加速中の振動波モータへの交流印加電圧を実効値で1.5×V1 としたが、これに限るものではなく、各振幅において、その振幅における最大トルクでの共振電圧以上、すなわち、実効値が以下に表わす電圧以上であれば良い。
【0074】
V=(1/√2)πfa0 ARTmax …(5)
(ただしπは円周率、fは駆動周波数、a0 は接触部の振動振幅でpeak
to peak値、Aは接触部における振幅a0 と同じ座標系での力係数でRTmaxはその振幅で回転可能となる最大負荷での振動波モータの入力側から見た抵抗値。)
従来例における振動波モータの式(5)で表わされる電圧は、図17の各振幅における最大トルクでの共振電圧を抽出することで得られ、それは図3に示す電圧である。したがって、設定速度に達するまでの、回転速度および振動振幅が増加している間、常に印加電圧が1.5×V1 以上である必要はなく、式(5)で表わされる電圧以上であれば良く、以下に説明するような実施の形態でも良い。なお本実施の形態も従来例と異なる部分のみ説明し、従来例と構成・機能が同様である部分の説明は省略する。
【0075】
図4は、振動波モータの制御装置のブロック図であるが、電力増幅回路出力側と振動波モータの間に、昇圧用コイル21を設けた。この昇圧コイル21によって電力増幅回路4および5の出力する交流電圧よりも大きい電圧を振動波モータ6に印加することが可能になる。
【0076】
本実施の形態の振動波モータの設定速度に達するまでの立ち上り特性を図5に示す。横軸はモータ起動停止指令信号がHレベルになってからの時間で、実線は振動波モータの回転速度、点線は振動体の振動振幅、一点鎖線は振動波モータへの印加電圧の大きさを示す。
【0077】
振動振幅の増加とともに回転速度も増加するが、これらとともに振動波モータのインピーダンスも変化するため、昇圧コイル21の昇圧率も変化して印加電圧は減少し、振動振幅が0.8を越えてからは印加電圧は第1の実施の形態の場合よりも小さい、1.5×V1 以下となる。しかし、振動振幅増加中のいかなる振動振幅においても、図3に示す電圧、すなわち式(5)で表わされる電圧以上の印加電圧であるため、急停止することなく、かつ第1の実施の形態と同等の時間で設定速度に達した。
【0078】
(第3の実施の形態)
図6は本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は上記の各実施の形態における振動波モータを駆動源として、被駆動体としての例えばフォーカスレンズを駆動するレンズ鏡筒に関する。
【0079】
100は振動体で、加圧バネ101を介してストッパ部材102に当接し、駆動面側には円環形状のロータである出力部材103が摩擦部材104を介して加圧接触している。105はフォーカスキー106に連結されるコロで、光軸回りに回転することによりフォーカスレンズLを光軸方向に移動させる。このコロ105は、振動波モータから出力部材103と、光軸方向に移動してマニュアルフォーカスとオートフォーカスとの切換を行うマニュアルフォーカスリング107との連結によって光軸回りに回転するマニュアル出力リング108と摩擦接触し、マニュアルフォーカスリング107がマニュアル出力リング108と非結合のオートフォーカス状態の場合、出力部材103の回転により差動回転してフォーカスキー106が回転駆動し、フォーカスレンズLを振動波モータにより合焦のために駆動する。
【0080】
またマニュアルフォーカスリング107がマニュアル出力リング108と結合している場合には、マニュアルフォーカスリング107を回転すると、コロ105の差動回転により同様にフォーカスレンズLがフォーカスキー106によりフォーカスレンズLが移動し、マニュアルフォーカスが行われる。
【0081】
さらに、振動波モータの駆動回路は、レンズ鏡筒のマウント側に設けた不図示のプリント板に設けられている。
【0082】
なお、上記した各実施の形態において振動波モータは円環形状の回転型であるが、これに限定されるものではなく、円筒形状回転型や、リニア駆動型等他の形状の振動波モータでも良い。さらに、振動波モータの特性が、上記した特性と異なるものであっても良い。
【0083】
また、圧電素子等の電気−機械エネルギー変換素子に印加する駆動信号としての交番信号をアナログ信号である交流電圧として説明したが、デジタル信号であっても良い。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、振動波モータの加速動作中における駆動信号、例えば印加電圧の交流成分の実効値の大きさが、いかなる振動振幅においてもV=(1/√2)πfa0 ARTmaxで表わす電圧よりも大きくしたことにより、横軸を負荷の大きさ、縦軸を移動体に対する相対速度とした負荷−速度グラフ上で、駆動周波数をパラメータとした負荷−速度特性曲線群によって占められる領域の形状が右凸形状ではなくなり、すなわち不作動領域が小さくなり、従来よりも短かい立ち上り時間にて設定速度に到達し、安定した動作が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における振動波モータの駆動制御装置の起動時における動作波形。
【図2】第1の実施の形態の振動波モータのトルク−回転速度特性図。
【図3】第1の実施の形態の振幅と最大トルクでの共振電圧との関係を示す図。
【図4】第2の実施の形態の振動波モータの駆動制御装置ブロック図。
【図5】第2の実施の形態の立ち上り特性図。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示すレンズ鏡筒の断面図。
【図7】従来の振動波モータの駆動制御装置のブロック図。
【図8】従来の駆動制御装置の起動時における動作波形図。
【図9】円環型振動波モータの斜視図。
【図10】図9の振動波モータの圧電体の電極構造を示す平面図。
【図11】振動体の運動の模式図。
【図12】従来の振動波モータの駆動制御装置の起動時における動作波形図。
【図13】従来の振動波モータの回転速度とトルクの時間変化を示す図。
【図14】従来の振動波モータの回転速度とトルクの時間変化を示す図。
【図15】従来の振動波モータのトルク−回転速度特性図。
【図16】振動波モータの等価回路図。
【図17】振動波モータの振幅−共振電圧特性図。
【図18】振動波モータの振動体と移動体の接触模式図。
【符号の説明】
1…可変発振器制御回路
2…可変発振器
3…90°移相回路
4,5…電力増幅回路
6…振動波モータ
7…速度センサー
8…F−V変換回路
9…補償フィルタ
11…速度検出回路
21…昇圧用コイル
Claims (2)
- 電気−機械エネルギー変換素子を有する振動体に接触体を加圧接触させた振動波モータの前記電気−機械エネルギー変換素子に交番信号としての駆動電圧を印加する駆動回路を有し、前記駆動回路から前記電気−機械エネルギー変換素子に駆動信号が印加されて前記振動体に形成される駆動波により、前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動波モータの駆動制御装置において、
円周率をπ、前記駆動信号の駆動周波数をf、前記振動体の前記接触体との接触部における振動振幅をa 0 、前記振動体の前記接触体との接触部における前記振動振幅a 0 と同一座標系での力係数をA、前記振動振幅a 0 で回転可能となる最大負荷での前記振動波モータの入力側から見た抵抗値をR Tmax とすると、
前記駆動回路は、前記振動波モータの加速動作中における前記駆動信号の実行値Vを、
V=(1/√2)・π・f・a0・A・RTmaxで表される電圧よりも大きく設定することを特徴とする振動波モータの駆動制御装置。 - 請求項1に記載の振動波モータの駆動制御装置を有し、前記振動波モータを駆動源として被駆動体を駆動することを特徴とする振動波モータを駆動源とする装置。
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