JP3618323B2 - アナログmos半導体装置、その製造方法、製造プログラム及びプログラム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オペアンプ、コンパレータ、アナログスイッチ、メモリ用センスアンプ、ローノイズアンプ、ミキサ等を、MOSトランジスタ、容量、抵抗、インダクタ、ダイオード等を用いて構成したアナログMOS半導体装置やその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、システム・オン・チップに関する技術の進展に伴い、アナログ回路とデジタル回路とを混載したLSIが年々増加しており、その開発期間及び開発工数の大幅な削減や高性能化が望まれている。また、アナログMOS半導体回路のレイアウトの自動化も望まれている。
【0003】
以下、従来のアナログMOS半導体装置について説明する。図23は、アナログMOS半導体装置としてのオペアンプの回路構成を示す。同図のオペアンプは、Pチャネル型トランジスタMP1(21)、Pチャネル型トランジスタMP2(22)、Pチャネル型トランジスタMP5(25)、Pチャネル型トランジスタMP6(26)、Nチャネル型トランジスタMN3(23)、Nチャネル型トランジスタMN4(24)、Nチャネル型トランジスタMN7(27)と、容量Cc(28)と抵抗Rc(29)とから構成されており、正側入力端子V+(30)、負側入力端子V−(31)、出力端子Vo(32)、バイアス電圧入力端子VBIAS(33)、正側電源VDD(34)、負側電源VSS(35)を備える。
【0004】
図23のオペアンプの設計結果の一例として、各MOSトランジスタMP1〜MN7のチャネル幅W及びチャネル長Lの各値、及び抵抗Rcの抵抗値、容量Ccの容量値は次の表1の通りである。
【0005】
【表1】
【0006】
図24は、図23のオペアンプの従来のレイアウト構成を示す。図24に示した7個のトランジスタMP1(21)〜MN7(27)の大きさは、そのトランジスタが有するチャネル幅W及びチャネル長Lの下で占めるレイアウト範囲を示している。容量Cc及び抵抗Rcについても同様である。
【0007】
オペアンプの回路設計において、システマティックオフセット電圧SVoff=0となる条件は、文献「アナログMOSインテグレーテッド サーキット フォ シグナル プロセッシング」(Analog MOS IntegratedCircuit For Signal Processing、R.Gregorian,G.C.Temes,John Wiley & Sons )の210ページの式(4.182)に示されている。この式を図23のオペアンプにあてはめると、次式が成立する必要がある。
【0008】
(W/L)MN3/(W/L)MN7
=(W/L)MN4/(W/L)MN7
=(W/L)MP5/(W/L)MP6/2 (1)
前記条件式(1)を満足するように、前記各トランジスタのW値とチャネル長Lが決定されている。
【0009】
更に、オペアンプの回路設計において、ランダムオフセット電圧RVoff=0の条件は、前記文献の211ページの式(4.185)に示されている。この式を図23のオペアンプにあてはめると、次式が成立する必要がある。
【0010】
(W/L)MP1=(W/L)MP2 (2)
ここで、オペアンプの構造上、Pチャネル型トランジスタMP1(21)とPチャネル型トランジスタMP2(22)とは、対を成すトランジスタであって差動入力回路を形成している。
【0011】
同様に、他のランダムオフセット電圧RVoff=0の条件は、前記文献中の211ページの式(4.183)に示されている。前記文献中のこの式に対する前提条件をも加味して、この式に図23のオペアンプをあてはめると、次式が成立する必要がある。
【0012】
(W/L)MN3=(W/L)MN4 (3)
ここで、オペアンプの構造上、Nチャネル型トランジスタMN3(23)とNチャネル型トランジスタMN4(24)とは、対を成すトランジスタであって、カレントミラーを形成している。容量Ccの値と抵抗Rcの値は、前記文献中に記載されているようにオペアンプの位相余裕を満足するような値に決定されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のようにシステマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(1)を満足するように、前記7個のトランジスタMP1(21)〜MN7(27)のチャネル幅W及びチャネル長Lを設計しても、半導体製造時の種々の加工誤差に起因して、各トランジスタのチャネル幅Wは僅かながら前記設計値とずれることになる。その結果、実際に得られた前記7個のトランジスタでは、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(1)を満たさず、システマティックオフセット電圧SVoffが発生することになる。以下、システマティックな均一なずれについて述べる。このずれをPチャネル型トランジスタMP5(25)を例にとって、図25を用いて示す。
【0014】
図25において、左側には、上述した設計値によるPチャネル型トランジスタMP5(25)のレイアウトの一例が示される。このトランジスタでは、中央位置にゲート7が、その両側方にソース6及びドレイン8が配置されていて、ソース6及びドレイン8は各々コンタクト10によりアルミ配線9、9に接続されている。また、Pチャネル型トランジスタのチャネル形成のためにP型不純物拡散領域11が配置されていて、この左側に描かれたPチャネル型トランジスタMP5(25)のチャネル幅Wは、P型不純物拡散領域11の幅と同一にレイアウトされている。
【0015】
一例として、半導体製造時の加工誤差が均一にΔWだけ減少する方向に生じると仮定して、説明を進める。図25の右側には、製造後のPチャネル型トランジスタMP5(25)が示される。この右側に描かれたPチャネル型トランジスタMP5(25)のP型不純物拡散領域11の一端がΔWだけ減少するため、両端を合計すると、2ΔW減少することになる。従って、半導体製造後のPチャネル型トランジスタMP5(25)の実寸チャネル幅Wは、次式となる。
【0016】
(W−2ΔW)MP5 (4)
同様に、図23に示したオペアンプの他のトランジスタについても半導体製造時の加工誤差が均一に発生するので、製造された各トランジスタの実寸チャネル幅Wは、次式で示される。
【0017】
(W−2ΔW)MN3 (5)
(W−2ΔW)MN4 (6)
(W−2ΔW)MP6 (7)
(W−2ΔW)MN7 (8)
従って、前記式(3)〜式(8)を式(1)に代入すると、次式となる。
【0018】
即ち、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式は成立しなくなる。従って、半導体製造時の種々のシステマティックな加工誤差に起因してシステマティックオフセット電圧SVoffが発生してしまうことになる。
【0019】
一方、アナログMOS半導体装置の回路構成において、前記文献の210ページの下から第15行目〜第12行目には、「2つのトランジスタのチャネル幅Wの比率が比較的大きい場合には、最小チャネル幅Wのトランジスタを単位トランジスタ(unit transistor)として、他方の大きいチャネル幅Wのトランジスタをこの単位トランジスタを2個(又はそれ以上)を並列接続させる」ことにより、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(1)を満足させることができると記載されている。即ち、最小チャネル幅Wのトランジスタ(第1のトランジスタ)を単位トランジスタとした場合に、その最小チャネル幅Wの整数倍のチャネル幅kW(kは整数)を持つ第2のトランジスタでは、単位トランジスタを整数個並列接続して構成すると、単位トランジスタにシステマティックな加工誤差が生じても、その加工誤差の整数倍の誤差が第2のトランジスタに生じるので、両トランジスタのチャネル幅の比率は整数倍に維持され、システマティックオフセット電圧SVoffは発生しないことになる。
【0020】
しかしながら、実際の回路設計において最小チャネル幅Wのトランジスタを基本とした場合、それ以外のトランジスタが整数倍のチャネル幅Wを持つことは、前記文献にも記載されている通り、「2つのトランジスタのチャネル幅Wの比率が比較的大きい場合…」と極めてまれな条件の下でしか実現できないという問題点があった。
【0021】
次に、前述したシステマティックな均一なずれではなく、ランダムなずれについて述べる。このずれによる影響の説明を、対を成す2個のNチャネル型トランジスタMN3(23)、MN4(24)を例に挙げて、図26を用いて行う。
【0022】
図26(a)は、前記表1に示した設計値通りに製造されたNチャネル型トランジスタMN3(23)及びMN4(24)のレイアウトの一例を示す。同図(a)では、Nチャネル型トランジスタのチャネル形成のためのN型不純物拡散領域12が配置されていて、両トランジスタMN3(23)、MN4(24)のチャネル幅Wは、前記N型不純物拡散領域12の幅と同一にレイアウトされている。
【0023】
図26(b)は、半導体製造後の前記対を成す2個のNチャネル型トランジスタMN3(23)、MN4(24)の一例を示しており、半導体製造時の加工誤差がランダムに発生して、前記対を成すトランジスタのうちトランジスタMN3(23)のみチャネル幅WがΔWだけ増加した場合のレイアウトを示す。Nチャネル型トランジスタMN3(23)のN型不純物拡散領域12の一端がΔWだけ増加し、Nチャネル型トランジスタMN4(24)のN型不純物拡散領域12は増減がないものとすると、半導体製造後の2個のNチャネル型トランジスタMN3(23)、MN4(24)の実寸チャネル幅Wは、次式となる。
【0024】
(W+ΔW)MN3 (10)
(W)MN4 (11)
従って、前記式(10)及び式(11)をランダムオフセット電圧RVoff=0の条件式(3)に代入すると、次式となる。
【0025】
{(W+ΔW)/L}MN3≠(W/L)MN4 (12)
即ち、等号が成立しなくなり、半導体製造時の種々のランダムな加工誤差に起因して、ランダムオフセット電圧RVoffが発生してしまうことになる。
【0026】
本発明は既述した従来技術の問題点を解決するものであり、その目的は、半導体製造時に加工誤差が生じた場合であっても、システマティックオフセット電圧SVoff及びランダムオフセット電圧RVoffを十分に抑制できるアナログMOS半導体装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明では、アナログMOS半導体装置に含まれる複数のMOSトランジスタのうち、チャネル幅が最も小さいトランジスタを単位トランジスタとはせず、この最小のチャネル幅の整数分の1のチャネル幅を持つトランジスタをミクロ単位トランジスタとし、複数個のMOSトランジスタを、各々、前記ミクロ単位トランジスタを複数個用いて構成する。
【0028】
すなわち、請求項1記載の発明のアナログMOS半導体装置は、チャネル幅が異なる複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置であって、前記複数個のMOSトランジスタのうちチャネル幅が最も短いMOSトランジスタの前記チャネル幅のn(nは2以上の整数)分の1のチャネル幅を持つミクロ単位トランジスタを単位として、前記複数個のMOSトランジスタが、各々、前記ミクロ単位トランジスタを複数個備えて所期のチャネル幅のトランジスタとして構成されていることを特徴とする。
【0029】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のアナログMOS半導体装置において、前記複数個のMOSトランジスタは、P型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタとの2種から成り、前記ミクロ単位トランジスタは、P型ミクロ単位トランジスタと、N型ミクロ単位トランジスタとの2種から成ることを特徴とする。
【0030】
請求項3記載の発明は、前記請求項2記載のアナログMOS半導体装置において、システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式に含まれる複数個のMOSトランジスタは、各々、自己のMOSトランジスタを構成するミクロ単位トランジスタの個数が、前記システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式を満たす個数に設定されていることを特徴とする。
【0031】
請求項4記載の発明は、前記請求項1記載のアナログMOS半導体装置において、1つのMOSトランジスタを構成する複数個の前記ミクロ単位トランジスタは、相互に一部が重なったレイアウト構成を持つことを特徴とする。
【0032】
請求項5記載の発明は、前記請求項1記載のアナログMOS半導体装置において、前記ミクロ単位トランジスタは、偶数個の小トランジスタから成り、前記偶数個の小トランジスタは並列に接続され、前記偶数個の並列接続された小トランジスタのうち、端に位置する2個の小トランジスタは、各々、そのソ−スが端部に位置することを特徴とする。
【0033】
請求項6記載の発明は、前記請求項5記載のアナログMOS半導体装置において、前記ミクロ単位トランジスタは、並列接続された2個の小トランジスタのペアトランジスタから成り、前記ペアトランジスタの一端部に一方の小トランジスタのソースが位置し、前記ペアトランジスタの他端部に他方の小トランジスタのソースが位置することを特徴とする。
【0034】
請求項7記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置において、前記ミクロ単位トランジスタは、その有する何れかの電極を半導体基板に接続するための基板コンタクトを有することを特徴とする。
【0035】
請求項8記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置において、前記ミクロ単位トランジスタは、そのゲートに接続されるゲートコンタクトと、前記ゲートコンタクトに接続されて、ゲート電圧を前記ゲートに与えるゲート配線を有することを特徴とする。
【0036】
請求項9記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置において、含まれる複数個のMOSトランジスタのうち何れかのMOSトランジスタの能力を調整するためのダミーミクロ単位トランジスタが備えられることを特徴とする。
【0037】
請求項10記載の発明は、前記請求項9記載のアナログMOS半導体装置において、ダミーミクロ単位トランジスタは、P型ダミーミクロ単位トランジスタと、N型ダミーミクロ単位トランジスタとの2種から成ることを特徴とする。
【0038】
請求項11記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置において、含まれる複数個のMOSトランジスタのうち対をなす2個のMOSトランジスタは、各々、4の倍数個のミクロ単位トランジスタから成ることを特徴としている。
【0039】
請求項12記載の発明は、前記請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置において、含まれる複数個のMOSトランジスタは、SOI構造又はSOS構造であることを特徴とする。
【0040】
請求項13記載の発明のアナログMOS半導体装置の製造方法は、チャネル幅が異なる複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置の製造方法であって、前記複数個のMOSトランジスタのうちチャネル幅が最も短いMOSトランジスタの前記チャネル幅のn(nは2以上の整数)分の1のチャネル幅を持つミクロ単位トランジスタを複数個用意し、前記複数個のミクロ単位トランジスタを用いて、前記複数個のMOSトランジスタの各々が前記ミクロ単位トランジスタを複数個備えて所期のチャネル幅のトランジスタとして構成されるように、前記複数個のMOSトランジスタを製造することを特徴とする。
【0041】
請求項14記載の発明は、前記請求項13記載のアナログMOS半導体装置の製造方法において、前記複数個のMOSトランジスタがP型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタとの2種から成る場合には、前記ミクロ単位トランジスタとして、P型ミクロ単位トランジスタとN型ミクロ単位トランジスタとの2種を用意し、前記P型MOSトランジスタを複数個のP型ミクロ単位トランジスタにより構成し、前記N型MOSトランジスタを複数個のN型ミクロ単位トランジスタにより構成することを特徴とする。
【0042】
請求項15記載の発明は、前記請求項14記載のアナログMOS半導体装置の製造方法において、システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式に含まれる複数個のMOSトランジスタを製造する場合には、前記各MOSトランジスタを構成するミクロ単位トランジスタの個数を、前記システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式を満たす個数に設定することを特徴とする。
【0043】
請求項16記載の発明のアナログMOS半導体装置の製造プログラムは、チャネル幅が異なる複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置を製造するためのプログラムであって、前記複数個のMOSトランジスタのうちチャネル幅が最も短いMOSトランジスタの前記チャネル幅のn(nは2以上の整数)分の1のチャネル幅を持つトランジスタをミクロ単位トランジスタとして決定し、前記ミクロ単位トランジスタを単位として、前記複数個のMOSトランジスタを、各々、前記ミクロ単位トランジスタを複数個備えて所期のチャネル幅を持つトランジスタとして構成することを特徴とする。
【0044】
請求項17記載の発明のプログラム装置は、請求項16記載の製造プログラムを有し、前記製造プログラムに基づいて、複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置を製造するEDA機能又はCAD機能を備えたことを特徴とする。
【0045】
以上により、請求項1〜17記載の発明では、ミクロ単位トランジスタを単位とし、このミクロ単位トランジスタを複数個用いて各MOSトランジスタが構成されるので、複数個のMOSトランジスタのチャネル幅の比率が整数倍の比率でない場合であっても、システマティックな加工誤差が生じたときにシステマティックオフセット電圧SVoffが発生することが十分に抑制される。
【0046】
特に、請求項4記載の発明では、複数個のミクロ単位トランジスタがレイアウト上、一部が重なった構成を持つので、システマティックオフセット電圧SVoff=0とする条件を満足しながら、各MOSトランジスタのレイアウト面積が縮小される。
【0047】
また、請求項5、6記載の発明では、ミクロ単位トランジスタを偶数個の並列接続された小トランジスタにより構成する場合に、端に位置する2個の小トランジスタのソースが端部に位置するので、ミクロ単位トランジスタの周囲にそのソ−スに接続される基板コンタクトを配置するときには、前記小トランジスタのソースと基板コンタクトとの位置が近接し、両者の離隔が短くなって、レイアウト面積が小さくなる。しかも、偶数個の小トランジスタのドレインを共用できるので、ドレイン面積が小さくなって、ドレインに寄生する容量成分が少なくなり、ミクロ単位トランジスタの動作スピードが高速化する。
【0048】
更に、請求項7記載の発明では、1つのMOSトランジスタが複数個のミクロ単位トランジスタで構成される場合に、その複数個のミクロ単位トランジスタが各々基板コンタクトを有するので、MOSトランジスタの基板はどの位置でも同一電位に安定して、ラッチアップ現象の発生確率が低くなる。
【0049】
加えて、請求項8記載の発明では、チャネル幅の長いMOSトランジスタを多数個のミクロ単位トランジスタで構成する場合に、その多数個のミクロ単位トランジスタのゲートには、各々、対応するゲート配線を介してゲート電圧が個別に与えられる。従って、MOSトランジスタ全体としては所定のゲート電圧が印加されるので、設計値とほぼ同一のトランジスタ駆動能力が得られる。
【0050】
更に加えて、請求項9、10記載の発明では、MOSトランジスタの能力調整用のダミーミクロ単位トランジスタを備えるので、そのMOSトランジスタのチャネル幅を微調整する場合には、配線修正により前記ダミーミクロ単位トランジスタを接続すれば良く、再試作時でのアナログMOS半導体装置の開発期間を短縮することができる。
【0051】
また、請求項11記載の発明では、対をなす2個のMOSトランジスタが、各々、4の倍数個のミクロ単位トランジスタから成るので、対をなす2個のMOSトランジスタをセントロイド構造とすることができ、システマティックオフセット電圧を一層有効に抑制することができる。
【0052】
更に、請求項12記載の発明では、含まれる複数個のMOSトランジスタがSOI構造又はSOS構造であるので、極く低電圧での動作が可能になると共に、α線などの放射線に起因するショット雑音の影響が低減され、更には、アナログ− デジタル混載半導体装置では、デジタル部からアナログ部へ回り込む雑音の影響が有効に低減されることになる。
【0053】
加えて、請求項16、17記載の発明では、各々が複数個のミクロ単位トランジスタから成る複数個のMOSトランジスタの回路設計を自動で行うことができ、アナログMOS半導体装置の設計開発期間が有効に短縮されると共に、開発費用が効果的に削減されることになる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0055】
(第1の実施の形態)
図1〜図7及び図23は本発明の第1の実施の形態のアナログMOS半導体装置を示す。図23はアナログMOS半導体装置としてのオペアンプを示す。同図のオペアンプは、4個のPチャネル型MOSトランジスタMP1(21)、MP2(22)、MP5(25)、MP6(26)と、3個のNチャネル型MOSトランジスタMN3(23)、MN4(24)、MN7(27)と、容量Cc(28)と、抵抗Rc(29)とを備える。
【0056】
本実施の形態では、前記各トランジスタMP1(21)〜MN7(27)を、各々、P型及びN型別に、複数個のミクロ単位トランジスタで構成する点に特徴を有する。以下、トランジスタMP1(21)〜MN7(27)を各々何個のミクロ単位トランジスタを用いて構成するかを検討する。用いるミクロ単位トランジスタは、Pチャネル型MOSトランジスタ用としてP型ミクロ単位トランジスタを、Nチャネル型MOSトランジスタ用としてN型ミクロ単位トランジスタを各々用いることとする。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
前記図23に示したオペアンプを構成するトランジスタMP1(21)〜MN7(27)のチャネル幅W及びチャネル長Lは表3に示す通りであるとして検討を進める。表3に示されたトランジスタMP1(21)〜MN7(27)を各々構成するミクロ単位トランジスタの個数をNX(X=1〜7)と表すと、各トランジスタMP1(21)〜MN7(27)のチャネル幅Wは、次式を満足する。
【0060】
(W/L)MN3=N3×(W/L)MUNB (13)
(W/L)MN4=N4×(W/L)MUNB (14)
(W/L)MP5=N5×(W/L)MUPB (15)
(W/L)MP6=N6×(W/L)MUPB (16)
(W/L)MN7=N7×(W/L)MUNB (17)
但し、NX(X=1〜7)は整数である。また、MUNBはN型ミクロ単位トランジスタを、MUPBはP型ミクロ単位トランジスタを各々示す。
【0061】
図23のオペアンプにおけるシステマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(即ち、前記式(1))にこの式(13)〜式(17)を代入すると、次式が得られる。
【0062】
[N3×(W/L)MUNB]/[N7×(W/L)MUNB]
= [N4×(W/L)MUNB]/[N7×(W/L)MUNB]
= [N5×(W/L)MUPB]/[N6×(W/L)MUPB]/2 (18)
整理すると、最終的には次式が得られる。
【0063】
N3/N7=N4/N7=N5/N6/2 (19)
この式(19)が、P型及びN型ミクロ単位トランジスタを用いた場合での図23のオペアンプのシステマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式となる。
【0064】
表3から判るように、チャネル長LがL=1.00(μm)のPチャネル型MOSトランジスタMP1、MP2では、各々、チャネル幅W=130.00(μm)の13分の1(=10.00(μm))のチャネル幅Wを持つP型ミクロ単位トランジスタMUPAを13個用いて構成される。また、チャネル長LがL=0.50(μm)のPチャネル型MOSトランジスタMP5、MP6では、この両トランジスタのうち最小のチャネル幅W=90.00(μm)の9分の1(=10.00(μm))のチャネル幅Wを持つP型ミクロ単位トランジスタMUPBを、各々、9個、42個用いて構成される。更に、チャネル長LがL=0.50(μm)のNチャネル型MOSトランジスタMN3、MN4、MN7では、これ等のトランジスタのうち最小のチャネル幅W=30.00(μm)の6分の1(=5.00(μm))のチャネル幅Wを持つN型ミクロ単位トランジスタMUNBを、各々、6個、6個、56個用いて構成される。即ち、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(19)において、この式中に含まれるトランジスタMN3、MN4、MP5、MP6、MN7を構成するミクロ単位トランジスタの個数は、前記条件式(19)を満足するように、N3=N4=6、N5=9、N6=42、N7=56に設定されている。
【0065】
前記表3において、抵抗Rc(29)は7.00(kΩ)、容量Cc(28)は3.50(pF)であり、この抵抗Rc及び容量Ccを構成する単位抵抗UR及び単位容量UCは各々1.00(kΩ)、0.50(pF)に設定されている。前記各ミクロ単位トランジスタMUPA、MUPB、MUNB、単位容量UC及び単位抵抗URをまとめて表2に示している。
【0066】
図1は前記P型ミクロ単位トランジスタMUPA(1)を、図2は前記P型ミクロ単位トランジスタMUPB(2)を、図3は前記N型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)を、図4は単位抵抗UR(4)を、図5は単位容量UC(5)を各々示している。図1〜図3のミクロ単位トランジスタは、チャネル幅W及びチャネル長Lの組合せが相互に異なるが、構成は同様である。即ち、これらのミクロ単位トランジスタは、各々、チャネル幅Wが半分幅W/2に2等分された2個の小トランジスタ(1a、1b)、(2a、2b)、(3a、3b)から成るペアトランジスタにより構成される。この2個の小トランジスタ(1a、1b)、(2a、2b)、(3a、3b)は並列接続されていて、中央位置にこの2個の小トランジスタで共用するドレイン8が位置し、左端には小トランジスタ1a、2a、3aのソース6が位置し、右端には小トランジスタ1b、2b、3bのソース6が位置する。前記各ソース6、6とドレイン8との間には、各小トランジスタのゲート7、7が位置している。前記各ソース6にはコンタクト10が形成され、このコンタクト10を介して所定配線層のアルミ配線9、9が接続されていて、アルミ配線9からソース電圧が各ソース6に供給される。尚、図1〜図3において、11はPチャネル型トランジスタのチャネル形成のためのP型不純物拡散領域、12はNチャネル型トランジスタのチャネル形成のためのN型不純物拡散領域である。
【0067】
図4は、表2に示した単位抵抗UR(4)をポリシリコン抵抗で形成されたレイアウトの一例を示す。また、図5は表2に示した単位容量UC(5)を2層ポリシリコンで形成されたレイアウトの一例を示す。
【0068】
図6はオペアンプを構成するトランジスタMP1〜MN7、容量Cc、抵抗Rcのレイアウト例を示す。これらのトランジスタ、容量及び抵抗は、図1〜図5に示したミクロ単位トランジスタMUPA、MUPB、MUNB、単位抵抗UR及び単位容量UCを前記表3に示した個数用いて構成されている。図中の鎖線は、各ミクロ単位トランジスタ、単位抵抗、単位容量のレイアウト境界を示している。
【0069】
図7は、前記図6に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)を図3のN型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)を6個(表3参照)用いて配置したレイアウトの詳細を示す。同図では、N型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)を2行3列に配置している。同図に示す太鎖線は、N型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)のレイアウト境界を示している。
【0070】
次に、本実施の形態では加工誤差が生じた場合であっても、システマティックオフセット電圧SVoffがSVoff=0になることを説明する。従来例と同様に半導体製造時の加工誤差が均一にΔWだけ減少する方向に生じると仮定して、説明する。
【0071】
図2に示したP型ミクロ単位トランジスタMUPB(2)は、従来例と同様に半導体製造時の種々の加工誤差によって、P型ミクロ単位トランジスタMUPB(2)の一端がΔWだけ減少するため、両端を合計すると、2ΔW減少することになる。従って、半導体製造後のP型ミクロ単位トランジスタMUPB(2)の実寸チャネル幅Wは次式となる。
【0072】
(W−2ΔW)MUPB (20)
N型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)についても、同様に、半導体製造後のN型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)の実寸チャネル幅Wは次式となる。
【0073】
(W−2ΔW)MUNB (21)
従って、半導体製造後の各トランジスタの実寸チャネル幅Wは式(20)、(21)を式(13)〜(17)に代入すると、次式となる。
【0074】
(W/L)MN3=N3×{(W−2ΔW)/L}MUNB (22)
(W/L)MN4=N4×{(W−2ΔW)/L}MUNB (23)
(W/L)MP5=N5×{(W−2ΔW)/L}MUPB (24)
(W/L)MP6=N6×{(W−2ΔW)/L}MUPB (25)
(W/L)MN7=N7×{(W−2ΔW)/L}MUNB (26)
従って、式(22)〜式(26)をシステマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(1)に代入すると、次式となる。
【0075】
整理すると、最終的には、次式が得られる。
【0076】
N3/N7=N4/N7=N5/N6/2 (28)
この最終式(28)は、ミクロ単位トランジスタを用いた場合のシステマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(19)と同一となる。
【0077】
従って、本実施の形態では、ミクロ単位トランジスタを用いたレイアウト構成により、製造時の種々の加工誤差が発生しても、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式が成立して、システマティックオフセット電圧SVoffが全く発生しない。
【0078】
尚、本実施の形態では、単位抵抗UR(4)として、ポリシリコン抵抗で形成された一例を示したが、拡散抵抗であっても良い。更に、単位容量UC(5)として2層ポリシリコンで形成された一例を示したが、層間膜容量やMIM容量で構成しても良い。
【0079】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図8に基づき説明する。
【0080】
図8は、図7に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)の変形例を示した詳細レイアウトである。表3に示したN型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)を6個用いて配置されていて、そのレイアウト境界を太鎖線で示している。尚、図7と同一の構成要素に同一の符号を付している。
【0081】
図7では、N型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)のレイアウト境界を一致させたが、本実施の形態では、図8から判るように、レイアウト境界を上下方向及び左右方向に半導体装置のデザインルールを満足しつつ、重ね合わせたレイアウト構成を有している。
【0082】
従って、前記実施の形態と同様に、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(19)を満足しつつ、Nチャネル型トランジスタMN3(23)のレイアウトの小面積化を実現することができる。
【0083】
尚、本実施の形態では、Nチャネル型トランジスタMN3(23)に適用したが、オペアンプを構成する他のトランジスタMP1(21)、MP2(22)、MN4(24)、MP5(25)、MP6(26)、MN7(27)に対しても同様に適用できるのは勿論である。また、ミクロ単位トランジスタとしてN型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)を用いた場合を例示したが、他のP型ミクロ単位トランジスタMUPA(1)、MUPB(2)を用いても良いのは言うまでもない。
【0084】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図9及び図10に基いて説明する。
【0085】
図9は、図7に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)の周囲にベース(基板コンタクト)13を配置し、このベース13を端部に位置するソース6と接続可能とすると共に、内部に位置するソース6もアルミ配線9により周囲のベース13に接続可能として、半導体基板(図示せず)をソース6の電位と同一電位にできるようにしたレイアウト構成の一例を示す。
【0086】
図10は、図9に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)に代えて、図8に示したレイアウトの一部を重ね合わせたNチャネル型トランジスタMN3(23)を採用したレイアウト構成の一例を示す。
【0087】
従って、本実施の形態では、システマティックオフセット電圧SVoff=0の条件式(19)を満足できるのは勿論のこと、Nチャネル型トランジスタMN3(23)の図中左右の両端部にソース6、6がレイアウト配置された構成であるので、Nチャネル型トランジスタMN3(23)の周囲にベース13を配置すると、このベース13と前記端部のソース6、6とが近接する。従って、半導体基板の電位をソース6の電位と同一にする場合には、レイアウト面積を効率的に小さくすることができる。
【0088】
また、図3から判るように、2個の小トランジスタ3a、3bを並列接続したミクロ単位トランジスタMUNB(3)を使用すると、その2つの小トランジスタでドレインを共用できるので、Nチャネル型トランジスタMN3(23)のドレイン面積とソース面積とは、次式の関係にある。
【0089】
ドレイン面積 < ソース面積 (29)
従って、ドレイン8に寄生する容量成分を少なくできるので、Nチャネル型トランジスタMN3(23)の動作スピードの高速化を図ることができる。
【0090】
尚、図3では、N型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)のチャネル幅を2等分し、その2個の小トランジスタ3a、3bを並列接続してN型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)を構成したが、チャネル幅を偶数等分し、その偶数個の小トランジスタを並列接続して、端に位置する2個の小トランジスタのソースを端部に位置させるレイアウトを採用しても良い。このことは、図1及び図2に示したP型ミクロ単位トランジスタMUPA(1)、MUPB(2)に関しても同様であり、そのチャネル幅を”2”以外の偶数で等分し、その偶数個のトランジスタを並列接続したレイアウトを採用しても良い。
【0091】
(第4の実施の形態)
続いて、本発明の第4の実施の形態を図11〜図15に基いて説明する。
【0092】
図11に示すN型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)は、第1の実施の形態において説明した図3のN型ミクロ単位トランジスタMUNB(3)に、基板コンタクト13を配置した構成の一例を示す。前記基板コンタクト13は、左右両端に位置する2つのソース(電極)6、6において、各々、その幅方向の両端部に形成されている。
【0093】
図12は、前記図11に示したN型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)を6個用いて、図7と同様にNチャネル型トランジスタMN3(23)を構成したものである。図13は、前記図11に示したN型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)を6個用いて、図8と同様に、N型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)同士で一部を重ね合わせたレイアウトに構成した一例を示す。図14は、図9と同様に、図12に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)の周囲に複数個のベース13を配置した構成の一例を示している。図15は、図10と同様に、図13に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)の周囲に複数個のベース13を配置した構成の一例を示している。
【0094】
多数個のミクロ単位トランジスタで構成されたトランジスタでは、図9又は図10に示すようにNチャネル型トランジスタMN3(23)の両端に位置するミクロ単位トランジスタMUNB(3)の小トランジスタのソース6のみを基板コンタクト13に接続するレイアウト構成では、基板抵抗によりNチャネル型トランジスタMN3(23)の中央部の基板電位が所定電位から若干ずれるため、ラッチアップ現象が発生する確率が高くなる。
【0095】
しかし、本実施の形態では、図11に示したように、N型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)自体にも基板コンタクト13が備えられるので、多数個のミクロ単位トランジスタで構成されたトランジスタであっても、その基板の中央部の電位をもその周囲の基板電位と同様に所定電位に安定させて、ラッチアップ現象が発生する確率を低くすることが可能である。
【0096】
尚、図11ではN型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)を例示したが、P型ミクロ単位トランジスタに本発明を適用して、そのソースに基板コンタクトを配置しても良いのは勿論である。
【0097】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を図16〜図20に基いて説明する。
【0098】
図16に示したN型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)は、前記第4の実施の形態で説明した図11のN型ミクロ単位トランジスタMUNXB(14)の2つのゲート7、7の幅方向の両端にコンタクト10、10を配置すると共に、その2個のコンタクト10をアルミニュームで構成されたゲート配線9により接続して、ゲート電圧をこのゲート配線9を介してゲート7に供給するように構成したものである。
【0099】
図17は、前記図16に示すN型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)を6個用いて、図7と同様に、Nチャネル型トランジスタMN3(23)を構成したものである。図18は、前記図16に示したN型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)を6個用いて、図8と同様に、N型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)同士で一部を重ね合わせたレイアウトに構成した一例を示す。図19は、図9と同様に、図17に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)の周囲に複数個のベース13を配置した構成の一例を示している。図20は、図10と同様に、図18に示したNチャネル型トランジスタMN3(23)の周囲に複数個のベース13を配置した構成の一例を示している。
【0100】
従来例として示した図24のNチャネル型トランジスタMN3(23)は、1個のトランジスタで構成されるため、そのチャネル幅Wが長い場合には、そのゲートの一端にゲートコンタクトを配置し、このゲートコンタクトを介してゲート電位を与えても、その扱う周波数がGHz以上の無線周波数であるときには、ゲート抵抗成分の影響によってそのゲートコンタクトから遠ざかるほどゲート電位が減衰して、トランジスタ駆動能力が設計値よりも低下すると共に、ゲート自体の抵抗による熱雑音が発生してS/N比を悪化させてしまう問題点がある。
【0101】
しかし、本実施の形態では、Nチャネル型トランジスタMN3(23)がたとえチャネル幅Wの長いトランジスタであっても、そのゲート電位は、これを構成する複数個のN型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)毎に印加されているので、ゲート抵抗成分に起因する減衰を抑制できる。従って、その扱う周波数がGHz以上の無線周波数である場合であっても、設計値とほぼ同一のトランジスタ駆動能力を実現することが可能である。また、同時に、ゲート抵抗成分が小さくなるので、熱雑音が低下して、このアナログMOS半導体装置を用いた信号処理装置におけるS/N比を増大させることが可能である。
【0102】
尚、図16ではN型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)に適用し、図17〜図20ではこのN型ミクロ単位トランジスタMUNSB(15)を用いた例を示したが、その他、P型ミクロ単位トランジスタに対して本発明を適用しても良い。
【0103】
また、ゲート配線9はアルミ配線で構成された一例を示したが、銅配線等の低抵抗の配線で構成しても良い。
【0104】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態を図21に基づき説明する。
【0105】
図21は、図6に示したオペアンプのレイアウト配置に対して、修正用にダミーミクロ単位トランジスタ、ダミー抵抗及びダミー容量を更に追加したものである。同図では、これらダミーにハッチングを付している。同図では、オペアンプを構成するPチャネル型MOSトランジスタMP1(21)、MP2(22)に対して、各々、P型ミクロ単位トランジスタMUPAと同一のダミーP型ミクロ単位トランジスタDPA(41)を1個追加し、Pチャネル型MOSトランジスタMP5(25)、MP6(26)に対して、各々、P型ミクロ単位トランジスタMUPBと同一のダミーP型ミクロ単位トランジスタDPB(42)を1個及び4個追加し、3個のNチャネル型MOSトランジスタMN3(23)、MN4(24)、MN7(27)に対して、各々、N型ミクロ単位トランジスタMUNBと同一のダミーN型ミクロ単位トランジスタDNB(43)を3個、3個、10個追加している。更に、抵抗Rcに対しては単位抵抗URと同一のダミー抵抗DR(44)を1個追加し、容量Ccに対しては単位容量UCと同一のダミー容量DC(45)を1個追加している。これらのダミーは、空き領域を利用して配置される。
【0106】
従って、本実施の形態では、試作されたアナログ半導体装置の不具合を改良する場合において、トランジスタの能力を調整するために、そのチャネル幅Wを僅かに増大させる修正が必要となった際には、ダミーミクロ単位トランジスタDPA(41)、DPB(42)、DNB(43)を配線修正により追加することにより、簡易に能力調整が可能になる。よって、配線工程直前で待機されたウエハが保管されている場合には、このような待機ウエハに対して、配線修正を施したマスクを用いて再試作することにより、所望のアナログMOS半導体装置を短期間で開発することができ、開発期間の短縮が可能となる。
【0107】
(第7の実施の形態)
続いて、本発明の第7の実施の形態を図22及び図23に基いて説明する。
【0108】
図23のオペアンプにおいて、その回路構成上、対を成すトランジスタは、Pチャネル型トランジスタMP1(21)とPチャネル型トランジスタMP2(22)とから成る1対と、Nチャネル型トランジスタMN3(23)とNチャネル型トランジスタMN4(24)とから成る1対との合計2対である。
【0109】
下記に示す表4は、前記2対のトランジスタ(MP1(21)、MP2(22))、(MN3(23)、MN4(24))を各々4の倍数個のミクロ単位トランジスタMUPA、MUNBにより構成した場合を示す。同表では、この場合において、他のトランジスタMP5、MP6、MN7及び抵抗Rc、容量Ccが各々何個の単位トランジスタMUPB、MUNB、単位抵抗UR、及び単位容量UCにより構成されるか、並びにこれらトランジスタのチャネル幅W及びチャネル長L、抵抗値、容量値をも示している。
【0110】
【表4】
【0111】
図22は、図23に示したオペアンプを前記表4の通りにレイアウトした結果を示す。同図において、メッシュを施した箇所はPチャネル型トランジスタMP2(22)を構成するP型ミクロ単位トランジスタMUPBが配置された領域、及びNチャネル型トランジスタMN(24)を構成するN型ミクロ単位トランジスタMUNBが配置された領域を示す。
【0112】
本実施の形態では、図22から判るように、対を成すトランジスタ(MP1(21)、MP2(22))、(MN3(23)、MN4(24))において、その各々のトランジスタを構成するミクロ単位トランジスタが、同図に示す点P1、P2を点対称の点となるセントロイド構造を持つ配置とされているので、ランダムオフセット電圧RVoffを有効に抑制することが可能である。
【0113】
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態のアナログMOS半導体装置を図27に基づいて説明する。
【0114】
本実施の形態では、アナログMOS半導体装置に含まれる複数個のMOSトランジスタがSOI構造又はSOS構造に形成されることを特徴とする。図27は、ミクロ単位トランジスタ60のSOI(Silicon On Insulator)構造を示す。同図において、シリコン基板62の上方には絶縁体61が配置され、この絶縁体の上層にドレイン63及びソース65が形成されると共に、このドレイン63とソース65との間にチャネル66が形成され、このチャネル66の上方にゲート64が形成配置される。図27に示したSOI構造に置いて、絶縁体61に代えてサファイアを用いると、SOS(Silicon On Sapphire)構造となる。
【0115】
従って、本実施の形態では、極く低電圧での動作の実現とα線などの放射線によるショット雑音による影響の低減、更に、アナログ回路とデジタル回路との混載半導体装置においてはデジタル部からの回り込み雑音による影響の低減を実現できる。
【0116】
(第9の実施の形態)
続いて、本発明の第9の実施の形態のアナログMOS半導体装置を図28に基づいて説明する。以上の説明では、図23に示したオペアンプを例示して、加工誤差があってもシステマティックオフセット電圧SVoff=0を満たすようにする場合を説明したが、本実施の形態では、バイアス電圧発生回路に適用して、出力する2種のバイアス電圧の比率が予め定めた所定比率となるようにミクロ単位トランジスタを用いる場合を説明する。
【0117】
図28のバイアス電圧発生回路は、図23に示したオペアンプに与えるバイアス電圧VBIASを発生する回路であって、カレントミラー回路80と、P型MOSトランジスタより成る2個の出力トランジスタMP51(51)、MP53(53)とを備える。出力トランジスタMP51(51)の出力はバイアス電圧VBIASとして図23のオペアンプに与えられ、他の出力トランジスタMP53(53)の出力は他のバイアス電圧VBIAS2として他のオペアンプに与えられる。前記カレントミラー回路80は、定電流源56と、3個のN型MOSトランジスタMN52(52)、MN54(54)、MN55(55)とを備える。
【0118】
前記5個のMOSトランジスタMP51(51)〜MN55(55)のチャネル幅及びチャネル長は下記の表5に示す通りである。
【0119】
【表5】
【0120】
ここで、カレントミラー回路80は、N型MOSトランジスタMN55(55)に流れる電流Iscと、N型MOSトランジスタMN54(54)に流れる電流Is2と、N型MOSトランジスタMN52(52)に流れる電流Isとの比率が2:3:4の比率を実現することが設計標である場合には、カレントミラー回路80の3個のN型MOSトランジスタMN55(55)、MN54(54)、MN52(52)は、各々、N型ミクロ単位トランジスタMUNBを2個、3個、4個用いて、前記表5の通りに構成される。前記表5では、2個のP型出力トランジスタMP51(51)、MP53(53)については、P型ミクロ単位トランジスタMUPBBを6個ずつ用いて構成される。
【0121】
従って、本実施の形態では、P型及びN型のミクロ単位トランジスタを複数個用いて各MOSトランジスタを構成することにより、電流比率を所定比率に設定できると共に、加工誤差が生じてもランダムオフセット電圧RVoffを小さく抑制することができる。
【0122】
(第10の実施の形態)
次に本発明の第10の実施の形態のプログラム装置を図29に基づいて説明する。
【0123】
同図は、アナログMOS半導体装置の製造の概略的な工程を示すフローチャートであって、アナログMOS半導体装置をレイアウト設計するEDA(Engineering Design Automation)機能、又はCAD(Computer Aided Design)機能を示す。
【0124】
同図において、ステップS1では、製造すべきアナログMOS半導体装置の仕様を入力する。ステップS2では、前記アナログMOS半導体装置の仕様に基づいて、その半導体装置に含まれる複数個のMOSトランジスタの駆動能力を計算するなど、各種の理論設計処理をする。その後、ステップS3では、前記複数個のMOSトランジスタを構成するミクロ単位トランジスタをP型、N型別に設計し、ミクロ単位トランジスタのチャネル幅W及びチャネル長Lを決定し、その後、前記複数個のMOSトランジスタを各々前記ミクロ単位トランジスタを複数個用いて構成する。次いで、ステップS4では、前記複数個のミクロ単位トランジスタにより構成された各々のMOSトランジスタを具体的にレイアウトする。
【0125】
従って、本実施の形態では、各ミクロ単位トランジスタの個数を算出する機能を有したプログラムによりアナログMOS半導体装置を設計することを特徴とするものであって、前記の構成により、設計計算ミスの撲滅、更にはEDA機能又はCAD機能を有するプログラム装置により、使い勝手のよいマン・マシン・インタフェースが提供できるので、開発期間の短縮及び開発費用の削減を実現できる。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜17記載の発明によれば、ミクロ単位トランジスタを複数個用いて各MOSトランジスタを構成したので、システマティックな加工誤差が生じた場合であっても、システマティックオフセット電圧SVoffが生じることを防止できる効果を奏する。
【0127】
特に、請求項4記載の発明によれば、複数個のミクロ単位トランジスタの一部をレイアウト上重ねた構成としたので、システマティックオフセット電圧SVoff=0とする条件を満足しながら、各MOSトランジスタのレイアウト面積の縮小化を図ることができる。
【0128】
また、請求項5、6記載の発明によれば、ミクロ単位トランジスタを構成する偶数個の小トランジスタのうち、端に位置する2個の小トランジスタのソースを端部に位置させたので、ミクロ単位トランジスタの周囲に配置する基板コンタクトと、小トランジスタのソースとの離隔を短くして、レイアウト面積の縮小化が可能である。しかも、偶数個の小トランジスタの共用ドレインに寄生する容量成分を少なくでき、ミクロ単位トランジスタの動作スピードの高速化を図ることができる。
【0129】
更に、請求項7記載の発明によれば、MOSトランジスタの基板電位をそのどの位置でも同一電位に安定させることができるので、ラッチアップ現象の発生確率を低くすることができる。
【0130】
加えて、請求項8記載の発明によれば、チャネル幅の長いMOSトランジスタを構成す多数個のミクロ単位トランジスタのゲートに、各々、対応するゲート配線を介してゲート電圧を個別に与える構成としたので、MOSトランジスタとして設計値とほぼ同一のトランジスタ駆動能力を得ることができる。
【0131】
更に加えて、請求項9、10記載の発明によれば、MOSトランジスタの能力調整用のダミーミクロ単位トランジスタを備えたので、再試作時でのアナログMOS半導体装置の開発期間を短縮することができる。
【0132】
また、請求項11記載の発明によれば、対をなす2個のMOSトランジスタをセントロイド構造にできて、システマティックオフセット電圧を有効に抑制することができる。
【0133】
更に、請求項12記載の発明によれば、含まれる複数個のMOSトランジスタをSOI構造又はSOS構造としたので、極低電圧での動作を可能とし、放射線に起因するショット雑音の影響を低減できると共に、アナログ− デジタル混載半導体装置でのデジタル部からアナログ部への回り込み雑音の影響を有効に低減できる。
【0134】
加えて、請求項16、17記載の発明によれば、各々が複数個のミクロ単位トランジスタから成る複数個のMOSトランジスタの回路設計を自動で行うことができ、アナログMOS半導体装置の設計開発期間を短縮できると共に、開発費用を有効に削減できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のオペアンプを構成するためのP型ミクロ単位トランジスタのレイアウト図である。
【図2】同オペアンプを構成するための他のP型ミクロ単位トランジスタのレイアウトを示す図である。
【図3】同オペアンプを構成するためのN型ミクロ単位トランジスタのレイアウトを示す図である。
【図4】同オペアンプを構成するための単位抵抗のレイアウトを示す図である。
【図5】同オペアンプを構成するための単位容量のレイアウトを示す図である。
【図6】同オペアンプのレイアウトを示す図である。
【図7】同オペアンプに備える1つのMOSトランジスタを6個のミクロ単位トランジスタにより構成したレイアウトを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のアナログ半導体装置に備える1つのMOSトランジスタの詳細なレイアウトを示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のアナログ半導体装置に備える1つのMOSトランジスタの詳細なレイアウトを示す図である。
【図10】同MOSトランジスタの他の詳細なレイアウトを示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態のアナログ半導体装置を構成するためのミクロ単位トランジスタのレイアウトを示す図である。
【図12】同アナログ半導体装置に備える1つのMOSトランジスタを6個のミクロ単位トランジスタにより構成したレイアウトを示す図である。
【図13】同MOSトランジスタの他の詳細なレイアウトを示す図である。
【図14】同MOSトランジスタの更に他の詳細なレイアウトを示す図である。
【図15】同MOSトランジスタの別の詳細なレイアウトを示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態のアナログ半導体装置を構成するためのミクロ単位トランジスタのレイアウトを示す図である。
【図17】同アナログ半導体装置に備える1つのMOSトランジスタを6個のミクロ単位トランジスタにより構成したレイアウトを示す図である。
【図18】同MOSトランジスタの他の詳細なレイアウトを示す図である。
【図19】同MOSトランジスタの更に他の詳細なレイアウトを示す図である。
【図20】同MOSトランジスタの別の詳細なレイアウトを示す図である。
【図21】本発明の第6の実施の形態のオペアンプのレイアウトを示す図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態のオペアンプのレイアウトを示す図である。
【図23】アナログ半導体装置としてのオペアンプを示す回路図である。
【図24】従来のオペアンプのレイアウトを示す図である。
【図25】同オペアンプにおいて、MOSトランジスタに加工誤差が生じた場合の説明図である。
【図26】(a)は製造時の加工誤差が生じていない場合のMOSトランジスのレイアウトを示す図、(b)は製造時に加工誤差が生じた場合のMOSトランジスのレイアウトを示す図である。
【図27】本発明の第8の実施の形態のミクロ単位トランジスタの構造を示す図である。
【図28】本発明の第9の実施の形態のバイアス電圧発生回路を示す図である。
【図29】本発明の第10の実施の形態のプログラム装置に基づくアナログMOS半導体装置の設計工程を示す図である。
【符号の説明】
1、2 P型ミクロ単位トランジスタ
3、14、15 N型ミクロ単位トランジスタ
4 単位抵抗
5 単位容量
6 ソース(電極)
7 ゲート
8 ドレイン
9 アルミ配線(ゲート配線)
10 コンタクト(ゲートコンタクト)
11 P型不純物拡散領域
12 N型不純物拡散領域
13 基板コンタクト
21、22、25、26 Pチャネル型トランジスタ
23、24、27 Nチャネル型トランジスタ
28 抵抗
29 容量
41、42 ダミーP型ミクロ単位トランジスタ
43 ダミーN型ミクロ単位トランジスタ
44 ダミー単位抵抗
45 ダミー単位容量
Claims (17)
- チャネル幅が異なる複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置であって、
前記複数個のMOSトランジスタのうちチャネル幅が最も短いMOSトランジスタの前記チャネル幅のn(nは2以上の整数)分の1のチャネル幅を持つミクロ単位トランジスタを単位として、
前記複数個のMOSトランジスタが、各々、前記ミクロ単位トランジスタを複数個備えて所期のチャネル幅のトランジスタとして構成されている
ことを特徴とするアナログMOS半導体装置。 - 前記複数個のMOSトランジスタは、P型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタとの2種から成り、
前記ミクロ単位トランジスタは、P型ミクロ単位トランジスタと、N型ミクロ単位トランジスタとの2種から成る
ことを特徴とする請求項1記載のアナログMOS半導体装置。 - システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式に含まれる複数個のMOSトランジスタは、
各々、自己のMOSトランジスタを構成するミクロ単位トランジスタの個数が、前記システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式を満たす個数に設定されている
ことを特徴とする請求項2記載のアナログMOS半導体装置。 - 1つのMOSトランジスタを構成する複数個の前記ミクロ単位トランジスタは、相互に一部が重なったレイアウト構成を持つ
ことを特徴とする請求項1記載のアナログMOS半導体装置。 - 前記ミクロ単位トランジスタは、偶数個の小トランジスタから成り、
前記偶数個の小トランジスタは並列に接続され、
前記偶数個の並列接続された小トランジスタのうち、端に位置する2個の小トランジスタは、各々、そのソースが端部に位置する
ことを特徴とする請求項1記載のアナログMOS半導体装置。 - 前記ミクロ単位トランジスタは、並列接続された2個の小トランジスタのペアトランジスタから成り、
前記ペアトランジスタの一端部に一方の小トランジスタのソースが位置し、前記ペアトランジスタの他端部に他方の小トランジスタのソースが位置する
ことを特徴とする請求項5記載のアナログMOS半導体装置。 - 前記ミクロ単位トランジスタは、その有する何れかの電極を半導体基板に接続するための基板コンタクトを有する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置。 - 前記ミクロ単位トランジスタは、
そのゲートに接続されるゲートコンタクトと、
前記ゲートコンタクトに接続されて、ゲート電圧を前記ゲートに与えるゲート配線を有する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置。 - 含まれる複数個のMOSトランジスタのうち何れかのMOSトランジスタの能力を調整するためのダミーミクロ単位トランジスタが備えられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置。
- ダミーミクロ単位トランジスタは、P型ダミーミクロ単位トランジスタと、N型ダミーミクロ単位トランジスタとの2種から成る
ことを特徴とする請求項9記載のアナログMOS半導体装置。 - 含まれる複数個のMOSトランジスタのうち対をなす2個のMOSトランジスタは、各々、4の倍数個のミクロ単位トランジスタから成る
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置。 - 含まれる複数個のMOSトランジスタは、SOI構造又はSOS構造である
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のアナログMOS半導体装置。 - チャネル幅が異なる複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置の製造方法であって、
前記複数個のMOSトランジスタのうちチャネル幅が最も短いMOSトランジスタの前記チャネル幅のn(nは2以上の整数)分の1のチャネル幅を持つミクロ単位トランジスタを複数個用意し、
前記複数個のミクロ単位トランジスタを用いて、前記複数個のMOSトランジスタの各々が前記ミクロ単位トランジスタを複数個備えて所期のチャネル幅のトランジスタとして構成されるように、前記複数個のMOSトランジスタを製造する
ことを特徴とするアナログMOS半導体装置の製造方法。 - 前記複数個のMOSトランジスタがP型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタとの2種から成る場合には、
前記ミクロ単位トランジスタとして、P型ミクロ単位トランジスタとN型ミクロ単位トランジスタとの2種を用意し、
前記P型MOSトランジスタを複数個のP型ミクロ単位トランジスタにより構成し、
前記N型MOSトランジスタを複数個のN型ミクロ単位トランジスタにより構成する
ことを特徴とする請求項13記載のアナログMOS半導体装置の製造方法。 - システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式に含まれる複数個のMOSトランジスタを製造する場合には、
前記各MOSトランジスタを構成するミクロ単位トランジスタの個数を、前記システマティックオフセット電圧が”0”となる条件式を満たす個数に設定する
ことを特徴とする請求項14記載のアナログMOS半導体装置の製造方法。 - チャネル幅が異なる複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置を製造するためのプログラムであって、
前記複数個のMOSトランジスタのうちチャネル幅が最も短いMOSトランジスタの前記チャネル幅のn(nは2以上の整数)分の1のチャネル幅を持つトランジスタをミクロ単位トランジスタとして決定し、
前記ミクロ単位トランジスタを単位として、前記複数個のMOSトランジスタを、各々、前記ミクロ単位トランジスタを複数個備えて所期のチャネル幅を持つトランジスタとして構成する
ことを特徴とするアナログMOS半導体装置の製造プログラム。 - 請求項16記載の製造プログラムを有し、
前記製造プログラムに基づいて、複数個のMOSトランジスタを含んだアナログMOS半導体装置を製造するEDA機能又はCAD機能を備えた
ことを特徴とするプログラム装置。
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