JP3602824B2 - 電動自転車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、補助動力としてモータを使用する電動自転車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、補助動力としてモータを使用する電動自転車としては、例えば、実開昭56−60698号公報に開示されたものがある。この公報に示された電動自転車は、ダウンチューブの下方であってかつクランク軸の後方にモータおよび電動装置が配置され、このモータに給電するバッテリがシートチューブと後輪との間に配置されていた。なお、シートチューブの上端部から後方へ延びるシートステーは、バッテリケースの上方を通されていた。
【0003】
前記バッテリはバッテリケースに収容され、充電するときにはバッテリケース毎に車体から外して行うように構成されていた。バッテリケースを車体から外すには、バッテリケースを、その下端部を支点として上部を車幅方向の一方に傾斜させ、その状態でバッテリケース上部を引っ張り下端係合部を外すことによって行う構造になっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、このようにバッテリケースを車幅方向へ傾斜させた状態で車体に対して着脱させる構成を採ると着脱操作がし難いばかりか、バッテリの容量が制約されてしまうという問題があった。これは、シートチューブと後輪との間に位置するバッテリ容量を増やすには、バッテリケースを上方へ延長してその容量を増やさなければならないからである。
【0005】
すなわち、バッテリケースを上方へ延長すると、バッテリケースの上方を車体前後方向に横切るシートステーをも上方へずらさなければならず、その分だけシートチューブも長くなり、シートチューブ上端に装着されるサドルを最も低い位置に位置づけたとしてもサドル高さが高くなってしまう。このため、婦人や子供用の自転車には適用できなくなる。なお、バッテリー容量を増大させるためには、容量増加により重量が重くなってもバッテリケースを簡単に着脱できるようにしなければならない。
【0006】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、車体の小型化を図るとともにバッテリケースの着脱性を向上させながら、バッテリーの容量を決める上での自由度を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る電動自転車は、後下がりに延びるダウンチューブと、このダウンチューブの後部から後上方に立ち上がるシートチューブと、このシートチューブの上端部から後下がりに延びて後端が後輪軸付近に連結された左右一対のシートステーとを有する車体フレームと、モータおよびモータに給電するバッテリケースと、後輪の上方で前後方向に延びる荷台とを備えた電動自転車において、前記バッテリケースを車幅方向の寸法がシートチューブ幅より大きくなりかつ上下方向に細長い箱状に形成してその長手方向が車載状態で上下方向を指向するようにシートチューブと後輪との間にシートチューブに沿って斜めに配置し、前記左右一対のシートステーの前部間隔を、前記バッテリケースの車幅方向寸法より大きくなるように形成し、かつ前記バッテリケースより前方で前端を車幅方向内側へ屈曲させて前記シートチューブに結合させることにより、前記バッテリケースを左右シートステーの間を通して斜め上下方向に着脱自在とし、このバッテリケースを車載状態でその上端部が前記シートステーより上方に位置するように形成し、このシートステーにおける側面視においてバッテリケースの後端部が交差する部位の近傍に、前記荷台の前端部から前下がりに傾斜して延びる荷台用前部ステーの前端部を支持させ、前記バッテリケースに放電用コネクタを設け、車体フレーム側に、前記バッテリケースの装着操作により前記放電用コネクタに接続し、かつバッテリケースの取外し操作により放電用コネクタから離間する負荷側コネクタを設けたものである。
【0008】
本発明によれば、シートステーとバッテリケースとの干渉を避けながら、バッテリケースをシートチューブの後方で上下方向に長く形成してバッテリ容量を増大させることができる。また、バッテリケースの着脱操作によってコネクタが自動で接離する。
【0009】
請求項2に記載した発明に係る電動自転車は、請求項1に記載した発明に係る電動自転車において、上方に向けて開放される支持部材を車体フレーム側に固定し、この支持部材内にバッテリケースを着脱自在に嵌合させる構造とし、前記支持部材の底部に前記負荷側コネクタを配設したものである。
この発明によれば、車載状態においては常にバッテリケースの重量が支持部材との係合方向に加えられ、バッテリケースと支持部材との係合状態が安定する。また、負荷側コネクタにバッテリケースの重量を作用させることができる。
【0010】
請求項3に記載した発明に係る電動自転車は、請求項1または請求項2に記載した発明に係る電動自転車において、シートチューブの上端にサドルを装着し、前記サドルは、シートチューブに対してバッテリケース着脱時にバッテリケースの上方空間が開放される位置まで傾動自在としたものである。
この発明によれば、サドルを傾動させることによりバッテリケースの上方空間が解放される。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図9によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る電動自転車の側面図、図2は電動自転車の一部を拡大して示す平面図、図3はパワーユニットおよびモータの側面図、図4は図3におけるパワーユニットのIV−IV線断面図、図5は図4における一方向クラッチのV−V線断面図、図6は図4におけるVI−VI線断面図、図7は一方向クラッチの一部を拡大して示す斜視図、図8はバッテリケース装着部分を拡大して示す側面図、図9は電動自転車の動力伝達経路を示す図である。
【0013】
これらの図において、1は電動自転車、2はこの電動自転車1のフレームである。このフレーム2は、前輪3が回転自在に設けられたフロントフォーク4を操舵自在に支持するヘッドパイプ2aと、このヘッドパイプ2aから後下がりに延びるダウンチューブ2bと、このダウンチューブ2bの後部に中ラグ5を介して連結されたシートチューブ2cと、前記中ラグ5から後方へ延びるダウンチューブ2bの後端にハンガーラグ6を介して連結された左右一対のチェーンステー2dと、前記シートチューブ2cの上部と前記チェーンステー2dの後端部とを連結する左右一対のシートステー2e等とから構成されている。
【0014】
そして、前記フロントフォーク4の上端部には操向ハンドル7が装着されている。また、前記チェーンステー2dの後端部およびシートステー2eの下端部には、後輪8を回転自在に支持するための後輪ブラケット2fが一体的に設けられている。前記シートステー2eの前部の間隔は、後述するバッテリケース10の車幅方向寸法より大きくなるように形成されており、バッテリケース10より前方で前端を車幅方向内側へ屈曲させて前記シートチューブ2cに結合されている。
【0015】
9はこの電動自転車1の補助動力装置で、この補助動力装置9は、バッテリケース10に収納されたバッテリ11から給電されると共に後述する制御ユニットによって制御されるモータ12と、クランク軸13を有するパワーユニット14と、クランク軸13における車体右側端部に軸装されたクランクギヤ15(図4)、クランク16およびペダル17等を備えている。
【0016】
そして、この補助動力装置9は、パワーユニット14がクランク軸13を中心として形成され、モータ12をクランク軸13より車体前方であってダウンチューブ2bの下方にダウンチューブ2bに沿わせて配置されており、前記中ラグ5およびハンガーラグ6に連結ブラケット18,19を介して連結されている。実施例では、この補助動力装置9はモータ12の後述する回転軸12aがダウンチューブ2bと平行になるようにフレーム2に搭載されている。
【0017】
なお、この補助動力装置9は、車体右側に位置するクランクギヤ15がチェーン20を介して後輪8のフリーホイール(図示せず)に連結されている。このフリーホイールは、チェーン20から後輪8へのみ動力を伝える公知の一方向クラッチによって構成されている。なお、図1においてチェーン20に沿うように設けられた符号20aで示すものはチェーンカバーである。
【0018】
この補助動力装置9のモータ12には、ダウンチューブ2bに取付けられた制御ユニット21およびメインスイッチ22が接続されている。
この制御ユニット21は、メインスイッチ22がON状態のときであってペダル17からクランク軸13に乗員の踏力が加えられたときのみに、モータ12を回転させてクランク軸13にモータ12からの動力を伝える構成になっている。すなわち、ペダル17を踏むと、クランク軸13にはその踏力に加えてモータ12からの回転トルクが付与されることになる。このモータ12の出力は、ペダル17に加えられた踏力に略比例するように、制御ユニット21によって制御される。なお、前記踏力は、後述するパワーユニット14内の踏力検出機構により検出される。
【0019】
そして、この制御ユニット21およびメインスイッチ22の取付け位置は、ダウンチューブ2bの下方であってモータ12の前方とされている。このため、メインスイッチ22,制御ユニット21,モータ12およびパワーユニット14は、ダウンチューブ2bに沿って前後に一列に並べられることになる。
【0020】
前記メインスイッチ22は、キー(図示せず)を差し込んで例えば図1において中立位置から時計方向に回したときに前記制御ユニット21とバッテリ11とを電気的に接続し、反時計方向に回したときに後述するバッテリケース用ロック機構を解除する構造になっている。
【0021】
ここで、上述した補助動力装置9の構造を図3〜図6によってさらに詳細に説明する。補助動力装置9は、クランク軸13をパワーユニット14のケース23に回転自在に支持させると共に、このケース23の一端部にモータ12をその軸線方向がクランク軸13と直交するように固定し、前記クランク軸13とモータ12の回転軸12aとの間に遊星歯車式増速機24および遊星ローラ式減速機25等を介装して形成されている。また、この補助動力装置9では、クランク軸13と同軸上に配置される回転部品は、小型化を図って最低地上高を確保する目的から全てその外径がクランクギヤ15より小さくなっている。
【0022】
前記ケース23は、図4に示すように、クランク軸13が貫通すると共に遊星歯車式増速機24を収容する筒状部およびこの筒状部からクランク軸とは直交する方向へ延びかつ遊星ローラ式減速機25を収容するモータ取付部が一体成形されたケース本体23aと、前記筒状部の両端の開口部のうち開口径が大きい方の車体左側開口部に取付ねじ23bによって固定されかつこの開口部を塞ぐと共にクランク軸13の左側端部を軸受23cによって回転自在に支持する蓋体23dとから形成されている。本実施例では、蓋体23dの外側に側面視略円形状のカバー26が固着されている。
【0023】
そして、ケース本体23aにこの補助動力装置9の主要構成部材(モータ12、遊星歯車式増速機24、遊星ローラ式減速機25等)が全て取付けられている。このように構成することで各主要構成部材を高精度に連結させることができると共に、組立て強度を確保することができる。
【0024】
前記遊星歯車式増速機24は、遊星歯車27がクランク軸13に一方向クラッチ28を介して支持され、太陽歯車29がクランク軸13に回転自在に支持され、外周歯車30が車幅方向に延びる略筒状に形成されて筒状出力軸31にリベット止めされている。前記外周歯車30の外周部は、遊星歯車27が噛合する部分より筒状出力軸31側が細径に形成され、遊星歯車式増速機24が無用に大型化しない構造になっている。前記一方向クラッチ28は、クランク軸13が遊星歯車式増速機24に対して図3において左回りに回転するときのみに、クランク軸13から動力が遊星歯車式増速機24に伝わるように構成されている。
【0025】
この一方向クラッチ28は図5および図7に示すように、クランク軸13にスプライン嵌合によって固定された略円環状の内輪32と、この内輪32を収容する中空部が形成されかつ内周部に断面略鋸歯状の係合歯33が全周にわたって形成された外輪34と、内輪32と外輪34との間に介装された爪片35と、この爪片35を前記係合歯33に係合するように付勢するばね36とから形成されている。また、前記外輪34には前記遊星歯車27を回転自在に支持する支軸27aが立設されている。
【0026】
前記内輪32は、外周部に径方向外側へ突出しかつ周方向へ延びる摺接突部としての突起37が周方向に間隔をおいて4箇所に形成されると共に、これらの突起37の間となる部分に、内輪32の外周面を断面円弧状に凹ませてなる爪片支承用凹部38が形成されている。また、前記各突起37の突出側端面37aは、内輪32の軸心を中心とする円弧面になっており、内輪32を外輪34の中空部に装填した状態で全ての突起37の突出側端面37aが係合歯33の頂部に摺接するように構成されている。さらに、この突起37には、ばね36を挿入するための凹溝39が周方向に沿って形成されている。
【0027】
前記爪片35は、前記内輪32の凹部38に摺動自在に嵌合する断面円弧状の凸曲面が形成された基部35aと、この基部35aから動力伝達時の内輪32の回転方向(図5においては左回り)前側へ延出されて延出端が係合歯33に係合する係合部35bとから形成されている。なお、係合歯33は、頂部に対して動力伝達時の内輪32の回転方向前側が比較的緩やかに傾斜され、反対側が急峻に傾斜されている。そして、この爪片35には、ばね36が挿入される切欠き35cが延出端から基部35aへ向けて形成されている。この切欠き35cの底面は平坦に形成され、図5に示すように係合部35bの延出方向に対して傾斜されている。
【0028】
この底面の傾斜角度は、基部35aを凹部38に嵌合させると共に係合部35bを係合歯33に係合させた図5に示す状態において、底面における動力伝達時の内輪32の回転方向後側端部が前側端部より径方向外側へ突出するように設定されている。そして、この底面の突出端部に前記ばね36が接触している。このばね36は、一部が切断された環状に形成され、径を拡げるようにして内輪32に弾装されている。すなわち、前記切欠き35cの底面におけるばね36に接触している端部が内輪32の径方向中心側へ押され、爪片35は基部35aを中心にして図5において右回りに付勢される。このため、係合部35bが常に係合歯33に押し付けられることになる。
【0029】
このように構成された一方向クラッチ28では、外輪34はその係合歯33の頂部に内輪32の全ての突起37が摺接することによって、内輪32と同一軸線上に配置されると共に、内輪32に鋼球等を使用することなく回転自在に支持されることになる。そして、クランク軸13および内輪32が外輪34に対して図5において左回りに回ったときのみに動力(ペダル17を踏むことによって生じる踏力)が内輪32から爪片35を介して外輪34に伝えられることになる。また、クランク16を前進時とは反対方向へ回したり、モータ12の動力によって外輪34が内輪32より速く左回りに回転するようなときには、この一方向クラッチ28での動力伝達は行われなくなる。
【0030】
この遊星歯車式増速機24では、前記外輪34が内輪32と共に回転する場合、太陽歯車29がこれらの部材に対して回転しないようにすることによって、外周歯車30が同方向に所定の速比で増速されて回転する。そして、この外周歯車30がリベット止めされた筒状出力軸31およびこの筒状出力軸31の軸端部に固定されたクランクギヤ15が回転することによって、クランク軸13の動力がチェーン20およびフリーホイールを介して後輪8に伝えられることになる。なお、筒状出力軸31は、図4に示すように、後述する遊星ローラ式減速機25から動力が伝えられるリングギヤ40が前記外周歯車30と共にリベット止めされ、軸受41を介してケース本体23aに回転自在に支持されている。また、この筒状出力軸31の中空部には、軸受42を介してクランク軸13の車体右側軸端部が回転自在に支持されている。
【0031】
前記太陽歯車29の回転を規制するに当たっては、本実施例では図3中に符号43で示すストッパーと、44で示す踏力検出機構が用いられている。ストッパー43は、ケース本体23aに螺着されてケース内側の先端が太陽歯車29のアーム29aの下端面に当接する構造になっている。また、踏力検出機構44は、前記アーム29aの突出端にリベット止めされた当て板部材45に上方から当接するポテンショメータ装置46と、このポテンショメータ装置46を当て板部材45側へ付勢する加圧装置47とから構成されている。なお、前記当て板部材45は、面圧を下げるために前記アーム29aより幅広に形成されている。
【0032】
踏力検出機構44のポテンショメータ装置46は、前記当て板部材45に揺動端部が当接するレバー46aと、このレバー46aに連結されたポテンショメータ本体46bとから形成され、ケース本体23aに支持固定されている。ポテンショメータ本体46bは、レバー46aに連結される入力軸46cが図3の紙面と直交する方向を軸線として回動自在に設けられており、この入力軸46cの回動角度を検出してリード線46dを介して前記制御ユニット21に出力するように構成されている。なお、前記入力軸46cは軸受46eによってケース本体23aに回転自在に支持されている。
【0033】
加圧装置47は、前記レバー46aの揺動端部に当接する押圧子47aと、この押圧子47aをレバー46aに対して進退自在に支持しかつケース本体23aに支持固定されたケース47bと、前記押圧子47aをレバー46a側へ付勢する圧縮コイルばね47cとから形成されている。
【0034】
すなわち、前記外輪34と共に遊星歯車27が図3において左回りに回るときには太陽歯車29が外周歯車30からの回転反力によって左回りに回転付勢されるが、その力は当て板部材45およびレバー46aを介して加圧装置47に伝えられて加圧装置47で吸収される。このため、太陽歯車29は加圧装置47の押圧子47aの移動量に相当する分だけ回動が許容された状態で回り止めされることになる。
【0035】
このように太陽歯車29が回動すると、ポテンショメータ本体46bがその回動量を検出して制御ユニット21に出力することになる。このとき、制御ユニット21は、ポテンショメータ本体46bからの検出信号に応じてモータ12を制御する。このモータ12の制御は、モータ12の回転数が太陽歯車29の回動量に比例するように行われる。詳述すると、外周歯車30の回転数を図3中に符号48で示す回転センサで検出し、この外周歯車30の回転数と、ポテンショメータ本体46bによって検出された太陽歯車29の回動量とから図9に示すように制御ユニット21でモータ駆動力を演算しモータ12を駆動する。このため、ペダル17を踏むことによって生じる踏力に略比例したトルクになるようにモータ12が制御されることになる。なお、前記回転数センサ48は、ケース本体23aに螺着されてケース内端部が外周歯車30の車体左側端部に微小間隙をおいて対向しており、外周歯車30に多数形成された歯部30aによって磁気抵抗が変化することを利用した公知のものが使用されている。このように外周歯車30の端部に形成された歯部30aを利用して回転数を検出すると、回転数センサ48を用いて回転数を検出するにあたって特別な被回転数検出部品が不要になる。
【0036】
次に、モータ12に連結された動力伝達系の構造について説明する。
モータ12は、図4に示すように、その回転軸12aが遊星ローラ式減速機25、モータ側一方向クラッチ51、出力歯車部材52およびこの出力歯車部材52に噛合する前記リングギヤ40を介して前記筒状出力軸31に連結されている。
【0037】
遊星ローラ式減速機25は、丸棒からなるモータ12の回転軸12aより大径な円筒状に形成されてモータ12の軸端部に回転軸12aと同軸に固定された外輪53と、この外輪53と前記回転軸12aとの間に複数配置されてこれら両者に各々が添接する遊星ローラ54と、これらの遊星ローラ54を回転自在に保持するピン55を備えかつモータ側一方向クラッチ51を介して出力歯車部材52に動力を伝える出力軸部材56とから形成されている。
【0038】
前記外輪53は、遊星ローラ54の軸方向の移動を規制するためのガイド板57,58が軸方向両端部に添接され、固定ボルト59によってモータ12に固定されている。外輪53およびガイド板57,58における固定ボルト59が貫通する穴は固定ボルト59より大径に形成されており、固定ボルト59によって径方向に対する位置が規制されないようになっている。また、この外輪53の外周部に図6に示すようにケース本体23aの円形嵌合部60が嵌合している。なお、モータ12は、このように外輪53を円形嵌合部60に嵌合させた状態で図3に示すように連結ボルト61によってケース本体23aに連結されている。
【0039】
前記遊星ローラ54は、本実施例では図6に示すように、外輪53の周方向に等間隔おいて4個装着され、各々が出力軸部材56のピン55に軸受62によって回転自在に支持されている。また、この遊星ローラ54を保持する出力軸部材56は、底部に前記ピン55が突設された有底円筒状に形成されており、中空部にモータ側一方向クラッチ51および出力歯車部材52が装着されている。
【0040】
このように構成された遊星ローラ式減速機25では、モータ12の回転軸12aが図6中に矢印で示すように右回りに回転することによって、遊星ローラ54が回転軸12aとは反対側へ自転すると共に、外輪53の内周面上を転動して右回りに公転するようになる。これによって出力軸部材56が図6において右回りに所定の減速比をもって回転するようになる。
【0041】
この出力軸部材56の中空部に装着されたモータ側一方向クラッチ51は、出力軸部材56が出力歯車部材52に対して図6において右回りに回転するときのみにその回転を出力歯車部材52に伝えるように構成されている。また、出力歯車部材52は、軸受63によってケース本体23aに軸方向への移動を規制された状態で回転自在に支持されており、モータ側軸端部がモータ側一方向クラッチ51に連結され、これとは反対側の軸端部に傘歯車が形成されてリングギヤ40に噛合している。
【0042】
すなわち、出力軸部材56が上述したように回転するときには、モータ12の動力が出力軸部材56から出力歯車部材52およびリングギヤ40を介して前記筒状出力軸31に伝えられることになる。
【0043】
このようにモータ12の動力伝達経路中にモータ側一方向クラッチ51を介装させたのは、バッテリ11の電力が不足してモータ12の回転が遅くなったり、モータ12の動力を故意に断って人力のみによって走行するときに、クランク軸13からの動力がリングギヤ40から出力歯車部材52および遊星ローラ式減速機25を介してモータ12に伝わり、駆動抵抗が大きくなるのを防ぐためである。
【0044】
なお、前記回転軸12aと出力軸部材56の底面との間および出力軸部材56の内側底面と出力歯車部材52の軸端との間に設けられた符号64,65で示すものは、出力軸部材56に軸方向の推力が加わったときに出力軸部材56が回転軸12aや出力歯車部材52に当接するのを防ぐためのボールである。これらのボール64,65は、回転軸12aあるいは出力歯車部材52の軸端に凹設された円形穴に係入されている。
【0045】
ここで、モータ12および遊星ローラ式減速機25をケース本体23aに組込む手順について説明する。組込みにあたっては、先ず、外輪53に出力軸部材56を装着させる。このときには、出力軸部材56と外輪53との間にガイド板58を介在させると共に、ピン55に軸受62および遊星ローラ54を装着させて外輪53の内周側に収容させる。そして、このように出力軸部材56の取付けられた外輪53を、ガイド板57をモータ12との間に介在させてモータ12に固定する。このときには、各遊星ローラ54の間にモータ12の回転軸12aを係入させ、回転軸12aに対して遊星ローラ54および出力軸部材56が回転できるようにする。これと共に、ボール64を回転軸12aと出力軸部材56との間に介装させておく。このようにすることによって、回転軸12aに対して外輪53および出力軸部材56が同一軸線上に位置づけられる。
【0046】
次に、外輪53およびガイド板57,58を固定ボルト59によってモータ12に固定する。これによって遊星ローラ式減速機25がモータ12に装着されることになる。すなわち、遊星ローラ式減速機25をモータ12に連結するに当たっては、特別な嵌合構造を用いることなく行うことができる。
【0047】
しかる後、外輪53の外周部をケース本体23aの円形嵌合部60に嵌合させる。なお、このときには、出力軸部材56の中空部あるいは出力歯車部材52にモータ側一方向クラッチ51を予め装着させておき、モータ12の取付と同時にモータ側一方向クラッチ51の装着を行う。また、ボール65も出力歯車部材52に予め装着させておく。
【0048】
そして、モータ12を連結ボルト61によってケース本体23aに固定することによって、モータ12および遊星ローラ式減速機25の組込みが終了する。
また、この補助動力装置9をフレーム2に搭載するには、図3に示すようにケース本体23aに穿設されたボルト穴66,67を前記連結ブラケット18,19のボルト穴に合わせ、ケース本体23aを連結ブラケット18,19にボルト止めして行う。
【0049】
次に、前記モータ12に給電するバッテリ11を収容するバッテリケース10の構造について説明する。
バッテリケース10は上下方向に細長い箱状に形成され、図1および図8に示すように内部にバッテリ11を2つ収納する構造になっており、シートチューブ2cと後輪8との間に配置されている。また、このバッテリケース10は、図1に示す車載状態において、上端部がシートステー2eより上方に位置するように形成されている。
すなわち、このバッテリケース10は、図2に示すようにその車幅方向の寸法がシートチューブ幅より大きく左右のシートステー2eどうしの間を通される寸法に設定されると共に、前後方向の寸法がシートチューブ2cと左右一対の補助シートチューブ71との間を通される寸法に設定されている。なお、この補助シートチューブ71は、左右のシートステー2e間に架け渡されたクロス部材とダウンチューブ2bの後端部との間にシートチューブ2cと略平行に架け渡されている。
【0050】
また、図2に示すように、このバッテリケース10や上述した補助動力装置9、制御ユニット21は、左右のクランク16,16の間に全て収容されている。
【0051】
このバッテリケース10を車体に取付ける構造は、ダウンチューブ2bの後端部に上方へ向けて開口する有底角筒状の支持箱72を設け、この支持箱72内にバッテリケース10の下端部を上方から嵌合させる構造になっている。前記支持箱72が請求項3に記載した発明に係る支持部材を構成している。この支持箱72は、その下部前側部分が前記中ラグ5のブラケット73に連結されてこのブラケット73および中ラグ5を介してフレーム2に支持されている。このため、バッテリケース10は車体に対して上下方向に着脱自在に取付けられることになる。また、支持箱72の底部には、バッテリケース10の下端部に設けられた雌コネクタ10aに電気的に接続される雄コネクタ72aが取付けられると共に、バッテリケース10が第3者によって車体から外されるのを防ぐロック機構74が取付けられている。前記雌コネクタ10aが本発明に係る放電用コネクタを構成し、前記雄コネクタ72aが本発明に係る負荷側コネクタを構成している。
【0052】
前記雄コネクタ72aは、メインスイッチ22を介して制御ユニット21やモータ12に電気的に接続され、接触子が支持箱72内に突出する構造になっている。すなわち、バッテリケース10を支持箱72に上方から嵌合させることによって、雄コネクタ72aにバッテリケース10側の雌コネクタ10aが電気的に接続され、メインスイッチ22や他の電気機器にバッテリ11から給電されるようになる。
【0053】
前記ロック機構74は、支持箱72に回動自在に設けられてバッテリケース10に係脱自在に構成された係止爪74aを備え、バッテリケース10を支持箱72に嵌合させることによってロックされる構造になっている。また、係止爪74aは操作ワイヤ74bを介して前記メインスイッチ22に連結され、メインスイッチ22のキーをロック解除側(図1において反時計方向)に回したときにロックが解除される構造になっている。
【0054】
なお、図1に示した状態では、バッテリケース10を上方へ引き上げるとシートチューブ2cの上端部に位置するサドル75が邪魔になるが、このサドル75は、後述するサドル傾動機構76によってバッテリケースの着脱経路上から離間される。
【0055】
前記サドル75はシートピラーチューブ77の上端部に取付けられ、このシートピラーチューブ77をシートチューブ2cに嵌挿させることによってフレーム2に装着されている。このサドル75は、本実施例ではクッション付きのものが使用されている。前記シートピラーチューブ77は乗員の体格に合わせてサドル75の高さを変えることができるようにある程度長さをもって形成され、下端部にサドル傾動機構76が設けられている。なお、サドル75の高さを変えるには、先ず、シートチューブ2cの上端に設けられてシートチューブ2cの上端開口径を変えるシートピン78を緩め、サドル75を引っ張ってシートピラーチューブ77をシートチューブ2cから上側へ引き出す。そして、サドル75を所望の高さに位置づけた後、前記シートピン78を締めてシートピラーチューブ77をシートチューブ2cの上側開口部で緊縛させる。
【0056】
前記サドル傾動機構76は、シートピラーチューブ77の下端に挿入固着された上側部材76aと、この上側部材76aに枢支ピン76bを介して揺動自在に連結され、かつシートチューブ2cに嵌挿される下側部材76cとから構成されている。また、前記枢支ピン76bは、その軸線を車幅方向に向けて取付けられている。このため、下側部材76cに対して上側部材76aが前後方向に揺動するが、本実施例では、上側部材76aが下側部材76cに対して前側のみに傾斜するように構成されている。
【0057】
すなわち、このサドル傾動機構76は、シートピラーチューブ77をシートチューブ2cに固定した走行時には図1に示すようにシートチューブ2c内に挿入される。また、シートピラーチューブ77の全てをシートチューブ2c上に引き出して下側部材76cの上部をシートチューブ2cの上側開口部から突出させた状態では、枢支ピン76bを中心にしてシートピラーチューブ77およびサドル75を図8中に二点鎖線で示す上方引き出し位置から実線で示すように前側へ傾斜させることができるようになる。
【0058】
図1において符号79は車体カバーである。この車体カバー79は、上下に分割形成されたカバー本体80,81からなり、これらのカバー本体80,81によってダウンチューブ2bおよびこのダウンチューブ2bに取付けられた電装品(メインスイッチ22,制御ユニット21,補助動力装置9等)を挾むようにして覆う構造になっている。また、下カバー本体81は制御ユニット21の下部前面と対応する部分(この部分を図1中符号Aで示す)が開口されており、この開口に制御ユニット21の下部が臨んでいる。このようにすると、走行風を前記開口から制御ユニット21に当てることができるから、発熱し易い制御ユニット21を効率よく冷却することができる。
【0059】
次に上述したように構成された電動自転車1の動作を図9によって説明する。メインスイッチ22がOFF状態のときは、モータ12からの補助動力は加わらず、クランク軸13の回転がクランク軸側一方向クラッチ28、遊星歯車増速機24、筒状出力軸31、チェーン20および後輪側のフリーホイールに伝えられ、ペダル17を踏むことにより生じる踏力のみによって後輪8が駆動される。
【0060】
メインスイッチ22がON状態のときは、踏力に比例する補助動力がモータ12から筒状出力軸31に加えられ、踏力と補助動力との合力によって後輪8が駆動されることになる。このときには、踏力検出機構44によって検出された踏力と、回転センサ48によって検出された外周歯車30(筒状出力軸31)の回転数とが制御ユニット21に入力され、踏力に比例したトルクとなるように制御ユニット21がモータ12を制御する。すなわち、モータ12の動力は、回転軸12に連結された遊星ローラ式減速機25からモータ側一方向クラッチ51、出力歯車部材52、リングギヤ40を介して筒状出力軸31に伝えられ、この筒状出力軸31でクランク軸13からの踏力と合成され、チェーン20、フリーホイールを介して後輪に伝達されることになる。
【0061】
したがって、この電動自転車1は、バッテリケース10を車幅方向の寸法がシートチューブ幅より大きくなるように形成してその長手方向が車載状態で上下方向を指向するようにシートチューブ2cと後輪8との間に配置し、後端が後輪軸付近に連結された左右一対のシートステー2eの前部間隔を、前記バッテリケース10の車幅方向寸法より大きくなるように形成し、かつ前記バッテリケース10より前方で前端を車幅方向内側へ屈曲させて前記シートチューブ2cに結合させることにより、前記バッテリケース10を左右シートステー2eの間を通して上下方向に着脱自在としたから、シートステー2eとバッテリケース10との干渉を避けながら、バッテリケース10をシートチューブ2cの後方で上下方向に長く形成してバッテリ容量を増大させることができる。
【0062】
また、バッテリケース10に雌コネクタ10aを設け、フレーム2側に、前記バッテリケース10の装着操作により前記雌コネクタ10aに接続し、かつバッテリケース10の取外し操作により雌コネクタ10aから離間する雄コネクタ72aを設けているから、バッテリケースの着脱操作によってコネクタが自動で接離し、着脱操作を容易に行うことができる。
【0063】
さらに、バッテリケース10の前方にシートチューブ2cが位置するとともに、平面視において、バッテリケース10の左右両側方にシートステー2eが位置し、さらに、バッテリケース10の後方には後輪8が位置しているから、車体が倒れたときにバッテリケース10を前記フレーム部材と後輪8とによって保護することができる。さらにまた、この電動自転車1は、重量物であるバッテリケース10が車体中心の近傍に配置されてマスの集中化を図ることができる。
【0064】
加えて、この電動自転車1のバッテリケース10は、車載状態でその上端部が前記シートステー2eより上方に位置しているから、シートステー2eより上方の空間を利用してバッテリケース10を上下方向に長く形成することができ、より一層バッテリ容量を増大させることができる。
【0065】
また、この電動自転車1は、上方に向けて開放される支持箱72をフレーム2側に固定し、この支持箱72内にバッテリケース10を着脱自在に嵌合させる構造とし、前記支持箱72の底部に前記雄コネクタ72aを配設しているから、車載状態においては常にバッテリケース10の重量が支持箱72との係合方向に加えられ、バッテリケース10と支持箱72との係合状態が安定する。また、雄コネクタ72aにバッテリケース10の重量を作用させることができる。
【0066】
さらに、この電動自転車1は、シートチューブ2cの上端にサドル75を装着し、前記サドル75は、シートチューブ2cに対してバッテリケース着脱時にバッテリケース10の上方空間が開放される位置まで傾動自在とされているから、サドルを傾動させることによりバッテリケース10の上方空間が解放され、バッテリケース10を簡単に着脱することができる。
【0067】
さらにまた、前記クランク軸側一方向クラッチ28は、内輪32に突設された突起37が実質的な軸受となって外輪34が内輪32に回転自在に支持されることになる。このため、内輪32と外輪34とを相互に回転自在に設けるに当たって鋼球が不要になる。しかも、突起37によって外輪34が内輪32に対して同一軸線上に配置されるようになるから、複数配置された爪片35を全て同様に係合歯33に係合させることができる。
【0068】
また、このクランク軸側一方向クラッチ28は鋼球を使用しない関係から、組込みに当たっては予め組立てておく必要がなくなり、補助動力装置9を組立てるときに内輪32と外輪34を個別に組込むことができる。すなわち、組込み工数を削減できる。
【0069】
さらに、本実施例で示したようにモータ12をダウンチューブ2bの下方に配置すると、モータ12およびパワーユニット14をダウンチューブ2bの下方の広い空間に連続して配置できる。このため、モータ12の動力伝達経路が単純かつ短くなる。
【0070】
さらにまた、バッテリ11をダウンチューブ2bの上方に配置すると、バッテリ11の重量をダウンチューブ2bで受け易くなる。しかも、バッテリ11をシートチューブ2cの後方に配置すると、シートチューブ2cの前方の足通し空間を広くとることができ、乗り降りに際しバッテリ11が邪魔になることがない。
【0071】
加えて、本実施例で示したようにパワーユニット14の外周歯車30、リングギヤ40および筒状出力軸31を別体に形成し、リベットによって結合させる構成を採ると、各々の部材をその機能に最も適した材料によって形成することができ、過剰品質になることがないから、コストを低く抑えることができる。
【0072】
なお、本実施例では内輪32に爪片35を装着させると共に突起37を形成し、外輪34に係合歯33を形成した例を示したが、爪片35および突起37を外輪34に設けて内輪32に係合歯を設けてもよい。このようにしても前記実施例と同等の効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シートステーとバッテリケースとの干渉を避けながら、バッテリケースをシートチューブの後方で上下方向に長く形成することができるから、シートチューブを婦人や子供に適したサドル高さが得られる長さに形成しつつ、バッテリケースを上下方向に延ばして容量を増やすことができる。また、バッテリケースの着脱方向が重力と略同方向であり、かつ着脱操作によってコネクタが自動で接離するから、バッテリ容量が増大して重量が重くなったとしても、バッテリケースの着脱操作を容易に行うことができる。
【0074】
加えて、本発明によれば、バッテリケースの前方にシートチューブが位置するとともに、平面視でバッテリケースの左右両側方にシートステーが位置し、さらに、バッテリケースの後方には後輪が位置しているから、車体が倒れたときにバッテリケースを前記フレーム部材と後輪とによって保護することができる。さらにまた、この発明に係る電動自転車は、重量物であるバッテリケースが車体中心の近傍に配置されてマスの集中化を図ることができる。
【0075】
さらにまた、本発明によれば、シートステーより上方の空間を利用してバッテリケースを上下方向に長く形成することができるから、より一層バッテリ容量を増大させることができる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、車載状態においては常にバッテリケースの重量が支持部材との係合方向に加えられ、バッテリケースと支持部材との係合状態が安定する。また、負荷側コネクタにバッテリケースの重量を作用させることができる。このため、悪路を走行したり、急なカーブを曲がったりしてバッテリケースに前後方向または横方向に力が加えられたときに、バッテリケースを支持部材によって強固に保持することができるとともに、電気的接続の安定化を図ることができる。
【0077】
請求項3記載の発明によれば、サドルを傾動させることによりバッテリケースの上方空間が解放されるから、サドルをバッテリケースの直上に位置づけたとしても、バッテリケースを上下方向に着脱させることができる。このため、シートチューブを婦人や子供に適したサドル高さが得られる長さに形成しつつ、バッテリケースを上下方向に延ばして容量を増やすことができる。しかも、バッテリケースを着脱させるに当たっては、シートを車体から取外してしまう必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動自転車の側面図である。
【図2】電動自転車の一部を拡大して示す平面図である。
【図3】パワーユニットおよびモータの側面図である。
【図4】図3におけるパワーユニットのIV−IV線断面図である。
【図5】図4における一方向クラッチのV−V線断面図である。
【図6】図4におけるVI−VI線断面図である。
【図7】一方向クラッチの一部を拡大して示す斜視図である。
【図8】バッテリケース装着部分を拡大して示す側面図である。
【図9】電動自転車の動力伝達経路を示す図である。
図である。
【符号の説明】
1…電動自転車、2…フレーム、2c…シートチューブ、2e…シートステー、10…バッテリケース、10a…雌コネクタ、72…支持箱、72a…雄コネクタ、75…サドル、76…サドル傾動機構。
Claims (3)
- 後下がりに延びるダウンチューブと、このダウンチューブの後部から後上方に立ち上がるシートチューブと、このシートチューブの上端部から後下がりに延びて後端が後輪軸付近に連結された左右一対のシートステーとを有する車体フレームと、モータおよびモータに給電するバッテリケースと、後輪の上方で前後方向に延びる荷台とを備えた電動自転車において、前記バッテリケースを車幅方向の寸法がシートチューブ幅より大きくなりかつ上下方向に細長い箱状に形成してその長手方向が車載状態で上下方向を指向するようにシートチューブと後輪との間にシートチューブに沿って斜めに配置し、前記左右一対のシートステーの前部間隔を、前記バッテリケースの車幅方向寸法より大きくなるように形成し、かつ前記バッテリケースより前方で前端を車幅方向内側へ屈曲させて前記シートチューブに結合させることにより、前記バッテリケースを左右シートステーの間を通して斜め上下方向に着脱自在とし、このバッテリケースを車載状態でその上端部が前記シートステーより上方に位置するように形成し、このシートステーにおける側面視においてバッテリケースの後端部が交差する部位の近傍に、前記荷台の前端部から前下がりに傾斜して延びる荷台用前部ステーの前端部を支持させ、前記バッテリケースに放電用コネクタを設け、車体フレーム側に、前記バッテリケースの装着操作により前記放電用コネクタに接続し、かつバッテリケースの取外し操作により放電用コネクタから離間する負荷側コネクタを設けてなる電動自転車。
- 請求項1記載の電動自転車において、上方に向けて開放される支持部材を車体フレーム側に固定し、この支持部材内にバッテリケースを着脱自在に嵌合させる構造とし、前記支持部材の底部に前記負荷側コネクタを配設してなる電動自転車。
- 請求項1または請求項2記載の電動自転車において、シートチューブの上端にサドルを装着し、前記サドルは、シートチューブに対してバッテリケース着脱時にバッテリケースの上方空間が開放される位置まで傾動自在としてなる電動自転車。
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