JP3601634B2 - さび止め剤組成物 - Google Patents
さび止め剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3601634B2 JP3601634B2 JP11559496A JP11559496A JP3601634B2 JP 3601634 B2 JP3601634 B2 JP 3601634B2 JP 11559496 A JP11559496 A JP 11559496A JP 11559496 A JP11559496 A JP 11559496A JP 3601634 B2 JP3601634 B2 JP 3601634B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pentaerythritol
- sorbitan
- composition
- acid
- glycerin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D5/00—Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
- C09D5/08—Anti-corrosive paints
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
- C23F11/00—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
- C23F11/08—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
- C23F11/10—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はさび止め剤組成物に関し、詳しくは安定したさび止め皮膜を形成することにより優れたさび止め性能を有するさび止め剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
さび止め剤は、一般に、炭化水素溶剤、鉱油、合成油または水等を媒体とし、これにワックス等の造膜剤と各種さび止め添加剤を配合することにより製造され、鉄鋼材料や鉄鋼製品の表面を被覆し、さびの発生を防止するために用いられる。
【0003】
従来からさび止め添加剤については組織的な研究開発が行われ、優れた材料が提供されている。しかし、実際の性能を広い環境変化、使用形態で安定して得るために必要な造膜剤としては、通常、ワックス、ペトロラタム、酸化パラフィン、ラノリン脂肪酸誘導体、炭酸カルシウム分散体といった材料が使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの造膜剤は有機媒体である炭化水素溶剤、鉱油、合成油に対して十分な溶解度がないため、使用中に成分が一部分離したり、用途に最適な膜厚に調整するのが困難であるという欠点があった。このため、さび止め性能が不足したり、脱脂が十分にできない等の問題が発生し、経済効果が最も高い方法であるにも拘わらず、さび止め剤の使用範囲が限定されていた。
【0005】
本発明者らは、上記問題点を解決するために広く有機材料を検討した結果、驚くべきことに、従来水溶性の化合物であると考えられていた、特定の構造を有する有機リン酸エステルカルシウム塩に着目し、これに特定量の水を併用することにより、炭化水素溶剤、鉱油、合成油等の有機媒体に対して高い溶解度を持ち、かつ優れた造膜性能を有するさび止め剤用の造膜剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の造膜剤は、有機媒体にその特定量を溶解させることにより優れた造膜性能を有するものであり、種々のさび止め添加剤と併用することにより、様々なさび発生環境に耐えられるさび止め剤組成物を提供することができる。
【0007】
さらに、さび止め添加剤として特定の構造を有する化合物を選択することにより、そのさび止め性能を一層向上させることが可能である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭化水素溶剤、鉱油および合成油の中から選ばれる1種または2種以上の基油に対して、
(A)組成物全量基準で0.1〜5.0質量%の下記一般式(1)で表される有機リン酸エステルカルシウム塩、
【0009】
【化3】
【0010】
(一般式(1)において、R1 およびR2 はそれぞれ個別に炭素数6〜18のアルキル基を示し、aおよびbはそれぞれ個別に1〜6の整数を示す)
(B)上記(A)成分1重量部に対して0.1〜3.0重量部の水、ならびに
(C)組成物全量基準で2.0〜30質量%のカルボン酸類、カルボン酸金属塩、カルボン酸塩類、スルフォン酸金属塩、スルフォン酸塩類、エステル類、アルコール類、アミン類、リン酸誘導体類、亜リン酸誘導体類およびホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種のさび止め添加剤を必須成分として配合してなることを特徴とするさび止め剤組成物を提供するものである。
【0011】
さらに本発明は、炭化水素溶剤、鉱油および合成油の中から選ばれる1種または2種以上の基油に対して、
(A)組成物全量基準で0.1〜5.0質量%の下記一般式(1)で表される有機リン酸エステルカルシウム塩、
【0012】
【化4】
【0013】
(一般式(1)において、R1 およびR2 はそれぞれ個別に炭素数6〜18のアルキル基を示し、aおよびbはそれぞれ個別に1〜6の整数を示す)
(B)上記(A)成分1重量部に対して0.1〜3.0重量部の水、
ならびに
(C)組成物全量基準で2.0〜30質量%の、下記の(a)および(b)から選ばれる1種または2種以上のさび止め添加剤
(a)ラノリン脂肪酸エステル
(b)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価アルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の部分エステル
を必須成分として配合してなることを特徴とするさび止め剤組成物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のさび止め剤組成物は、炭化水素溶剤、鉱油および合成油の中から選ばれる1種または2種以上を基油として用いる。
【0015】
ここでいう炭化水素溶剤は特に限定されるものでなく、通常の炭化水素溶剤として使用されている鉱油系および/または合成系炭化水素溶剤が使用できる。
【0016】
鉱油系炭化水素溶剤としては、具体的には例えば、原油を常圧蒸留または減圧蒸留して得られた溶剤留分を、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製した、パラフィン系、ナフテン系、アロマティック系などの溶剤留分およびこれらの混合物などが使用できる。
【0017】
また、合成系炭化水素溶剤としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマティック系、オレフィン系合成炭化水素溶剤が使用できる。
【0018】
ここでいうパラフィン系合成炭化水素溶剤としては、具体的には例えば、プロピレン、ブテンおよびイソブチレンなどのオレフィンを単独で、またはその混合物を重合して得られる低分子量オリゴマーを、さらにその中に含まれる二重結合を水素化して製造される、いわゆる合成イソパラフィンなどが挙げられる。
【0019】
またナフテン系合成炭化水素溶剤としては、具体的には例えば、α−メチルスチレンの2量体化やベンゼン、トルエン、キシレンのスチレンによるアルキル化により得られるジアリールアルカンをさらに核水素化することにより製造される、いわゆる合成ナフテンなどが挙げられる。
【0020】
またアロマティック系合成炭化水素溶剤としては、具体的には例えば、プロピレンオリゴマーでベンゼンをアルキル化することによって得られるハード型アルキルベンゼンや、灯油より分離したノルマルパラフィンを脱水素化して得られるノルマルオレフィン、あるいはノルマルパラフィンを塩素化して得られる塩素化パラフィンによってベンゼンをアルキル化して製造されるソフト型アルキルベンゼンなどが挙げられる。
【0021】
またオレフィン系合成炭化水素溶剤としては、具体的には例えば、エチレン、プロピレン、ブテンおよびイソブチレンなどのオレフィンを単独で、またはその混合物の形で重合することによって製造される低分子量オリゴマーなどが挙げられる。
【0022】
これらの合成系炭化水素溶剤は単独で使用してもよく、また2種類以上併用してもよい。さらに鉱油系炭化水素溶剤と任意の割合で混合した混合溶剤も使用できる。
【0023】
また、炭化水素溶剤の他の性状も任意であるが、さび止め剤組成物の引火の危険性防止の点から、通常、25℃での蒸気圧の上限値は、好ましくは2.0×10−2MPa、より好ましくは5.0×10−3MPaである。一方、25℃での蒸気圧の下限値は全く制限されないが、さび止め剤組成物を塗布した後の塗布被膜の乾燥性を特に問題とする場合には、25℃での蒸気圧の下限値は、好ましくは5.0×10−6MPa、より好ましくは1.0×10−4MPaである。
【0024】
またここでいう鉱油および合成油に関しても、その種類は特に限定されるものではなく、通常、さび止め剤の基油として使用される鉱油や合成油が使用できる。
【0025】
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系などの油が使用できる。また、合成油としては、例えば、ポリαーオレフィン(ポリブテン、1ーオクテンオリゴマー、1ーデセンオリゴマーなど)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケートなど)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネートなど)、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテルなどが使用できる。
【0026】
これらの鉱油および合成油は単独でも、また2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0027】
また、鉱油および合成油の他の性状も任意であるが、さび止め剤組成物の塗布、除去等の作業性の点から、通常、40℃での動粘度の上限値は、好ましくは、500mm2 /s、より好ましくは150mm2 /s、特に好ましくは80mm2 /sである。一方、40℃での動粘度の下限値は全く制限されないが、さび止め剤組成物の膜厚の維持および引火性を特に問題とする場合には、40℃での動粘度の下限値は、好ましくは0.7mm2 /s、より好ましくは2.0mm2 /sである。
【0028】
本発明のさび止め剤組成物における(A)成分は、下記の一般式(1)で表される有機リン酸エステルカルシウム塩である。
【0029】
【化5】
【0030】
一般式(1)において、R1 およびR2 は、それぞれ個別に炭素数6〜18のアルキル基を示しているが、このアルキル基の炭素数の下限値は6、好ましくは8であり、一方、アルキル基の炭素数の上限値は18、好ましくは15である。一般式(1)において、R1 および/またはR2 のアルキル基の炭素数が6未満の場合または18を超える場合は、ともにさび止め剤組成物の造膜性能が著しく低下するため好ましくない。
【0031】
ここでいう炭素数6〜18のアルキル基としては直鎖状でも分枝状でも良く、具体的には、直鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノニル基、直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝のウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖または分枝のトリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサデシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖または分枝のオクタデシル基が例示できる。
【0032】
これらの中でもR1 およびR2 としては、それぞれ個別に、炭素数8〜15の直鎖状または分枝状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の分枝状のアルキル基がより好ましい。
【0033】
一般式(1)において、R1 およびR2 のベンゼン環への置換位置は任意であるが、合成、入手の容易さから、(ポリ)オキシエチレン基に対してパラ位であるのが好ましい。
【0034】
一般式(1)において、aおよびbは、それぞれ個別に1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数を示している。一般式(1)において、aおよび/またはbが6を超える場合は、さび止め剤組成物の基油に対する溶解性が著しく劣るため、好ましくない。
【0035】
本発明の(A)成分としては、例えば、クローダジャパン社より商品名「CRODAX DP−301」として販売されている化合物を好ましく用いることができる。
【0036】
本発明のさび止め剤組成物における(B)成分は、水である。水としては、硬水であっても軟水であってもよく、従って、水道水、工業用水などだけでなく、イオン交換水、蒸留水などの精製水も任意に使用することができる。
本発明のさび止め剤組成物における(C)成分は、さび止め添加剤である。
さび止め添加剤としては、通常のさび止め剤に用いられている任意のさび止め添加剤が使用可能である。
【0037】
ここでいうさび止め添加剤は、一般的に、その分子中にカルボキシル基(−COOH)、カルボン酸イオン、スルフォン酸イオン、エステル基、アルコール性水酸基、アミノ基、イミノ基、(亜)リン酸性水酸基または(亜)リン酸イオンなどに代表される極性基を有する有機化合物をいう。
【0038】
本発明の(C)成分として使用できるさび止め添加剤としては、具体的には、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸等に代表されるモノカルボン酸、アルキルまたはアルケニルコハク酸(無水物を含む)およびその誘導体等に代表されるジカルボン酸、ヒドロキシ脂肪酸、メルカプト脂肪酸、ザルコシン誘導体等に代表される他の極性基含有カルボン酸、酸化ワックスなどのカルボン酸類;
脂肪酸、ナフテン酸、樹脂酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸、アミノ酸誘導体、酸化ワックス等のカルボン酸の金属塩(Ca塩、Ba塩、Mg塩、Al塩、Zn塩、Pb塩等)やアミン塩(モノアミン塩、牛脂アミン塩、ポリアミン塩、アルカノールアミン塩等)に代表されるカルボン酸塩類;
石油スルフォン酸、ジノニルナフタレンスルフォン酸、重質アルキルベンゼンスルフォン酸等のスルフォン酸の金属塩(Na塩、Ca塩、Ba塩、Zn塩等)やアミン塩(モノアミン塩、ポリアミン塩、ロジンアミン塩、アルカノールアミン塩、モルホリン塩等)に代表されるスルフォン酸塩類;
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、しょ糖等の多価アルコールとラウリン酸、オレイン酸等のカルボン酸とのエステル(部分エステルを含む)に代表されるエステル類;
高級脂肪族アルコール、アルキルフェノールのエチレンオキシド付加物等に代表されるアルコール類;
ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、アルカノールアミン等に代表されるアミン類;
リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、亜リン酸エステル、これらのアミン塩などに代表される(亜)リン酸誘導体類;
ホウ素化合物;などが例示される。
【0039】
しかし本発明に係るさび止め剤組成物においては、よりさび止め性能に優れた組成物が得られる点から、以下の(a)〜(d)の中から選ばれる1種または2種以上のさび止め添加剤を用いるのが好ましい。
【0040】
(a)ラノリン脂肪酸エステル
(b)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価アルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の部分エステル
(c)スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアミン塩
(d)酸化ワックス金属塩
上記の(a)成分は、ラノリン脂肪酸エステルである。
【0041】
このラノリン脂肪酸エステルとは、羊の毛に付着するろう状物質を精製して得られるラノリン(羊毛脂)にグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの多価アルコールを反応させ、ラノリン中に含有される脂肪酸成分の一部または全部をエステル化したものである。
【0042】
(a)成分のケン化価および全酸価は任意である。
【0043】
しかし、組成物の貯蔵安定性や酸化安定性、水置換性およびさび止め性に優れる点から、JIS K2503に規定するケン化価が、好ましくは10〜300mgKOH/g、より好ましくは50〜220mgKOH/gのものが用いられる。
【0044】
また、同様の理由から、JIS K 2501に規定する全酸価が、好ましくは 0.5〜30mgKOH/g、より好ましくは2〜10mgKOH/gのものが用いられる。
【0045】
また上記の(b)成分は、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価アルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の部分エステルである。
【0046】
なおここでいう部分エステルとは多価アルコール中の水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されない水酸基の形のままで残っているエステルを意味する。ここでいう脂肪酸としては飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸でも分枝状脂肪酸でもよい。
【0047】
具体的には、直鎖または分枝デカン酸、直鎖または分枝ウンデカン酸、直鎖または分枝ドデカン酸、直鎖または分枝トリデカン酸、直鎖または分枝テトラデカン酸、直鎖または分枝ペンタデカン酸、直鎖または分枝ヘキサデカン酸、直鎖または分枝ヘプタデカン酸、直鎖または分枝オクタデカン酸、直鎖または分枝ノナデカン酸、直鎖または分枝イコサン酸、直鎖または分枝ヘンイコサン酸、直鎖または分枝ドコサン酸(全ての異性体を含む)などの飽和脂肪酸;
直鎖または分枝デセン酸、直鎖または分枝ウンデセン酸、直鎖または分枝ドデセン酸、直鎖または分枝トリデセン酸、直鎖または分枝テトラデセン酸、直鎖または分枝ペンタデセン酸、直鎖または分枝ヘキサデセン酸、直鎖または分枝ヘプタデセン酸、直鎖または分枝オクタデセン酸、直鎖または分枝ノナデセン酸、直鎖または分枝イコセン酸、直鎖または分枝ヘンイコセン酸、直鎖または分枝ドコセン酸(全ての異性体を含む)などの不飽和脂肪酸;およびこれらの混合物などが例示できる。
【0048】
(b)成分としては、具体的には、
グリセリンモノドデカノエート(グリセリンモノラウレート)、グリセリンモノイソラウレート、グリセリンジドデカノエート(グリセリンジラウレート)、グリセリンジイソラウレート、グリセリンモノテトラデカノエート(グリセリンモノミリステート)、グリセリンモノイソミリステート、グリセリンジテトラデカノエート(グリセリンジミリステート)、グリセリンジイソミリステート、グリセリンモノヘキサデカノエート(グリセリンモノパルミテート)、グリセリンモノイソパルミテート、グリセリンジヘキサデカノエート(グリセリンジパルミテート)、グリセリンジイソパルミテート、グリセリンモノオクタデカノエート(グリセリンモノステアレート)、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンジオクタデカノエート(グリセリンジステアレート)、グリセリンジイソステアレート、グリセリンモノオクタデセノエート(グリセリンモノオレエート)、グリセリンモノイソオレエート、グリセリンジオクタデセノエート(グリセリンジオレエート)、グリセリンジイソオレエートなどのグリセリン部分エステル;
【0049】
トリメチロールエタンモノドデカノエート(トリメチロールエタンモノラウレート)、トリメチロールエタンモノイソラウレート、トリメチロールエタンジドデカノエート(トリメチロールエタンジラウレート)、トリメチロールエタンジイソラウレート、トリメチロールエタンモノテトラデカノエート(トリメチロールエタンモノミリステート)、トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチロールエタンジテトラデカノエート(トリメチロールエタンジミリステート)、トリメチロールエタンジイソミリステート、トリメチロールエタンモノヘキサデカノエート(トリメチロールエタンモノパルミテート)、トリメチロールエタンモノイソパルミテート、トリメチロールエタンジヘキサデカノエート(トリメチロールエタンジパルミテート)、トリメチロールエタンジイソパルミテート、トリメチロールエタンモノオクタデカノエート(トリメチロールエタンモノステアレート)、トリメチロールエタンモノイソステアレート、トリメチロールエタンジオクタデカノエート(トリメチロールエタンジステアレート)、トリメチロールエタンジイソステアレート、トリメチロールエタンモノオクタデセノエート(トリメチロールエタンモノオレエート)、トリメチロールエタンモノイソオレエート、トリメチロールエタンジオクタデセノエート(トリメチロールエタンジオレエート)、トリメチロールエタンジイソオレエートなどのトリメチロールエタン部分エステル;
【0050】
トリメチロールプロパンモノドデカノエート(トリメチロールプロパンモノラウレート)、トリメチロールプロパンモノイソラウレート、トリメチロールプロパンジドデカノエート(トリメチロールプロパンジラウレート)、トリメチロールプロパンジイソラウレート、トリメチロールプロパンモノテトラデカノエート(トリメチロールプロパンモノミリステート)、トリメチロールプロパンモノイソミリステート、トリメチロールプロパンジテトラデカノエート(トリメチロールプロパンジミリステート)、トリメチロールプロパンジイソミリステート、トリメチロールプロパンモノヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンモノパルミテート)、トリメチロールプロパンモノイソパルミテート、トリメチロールプロパンジヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンジパルミテート)、トリメチロールプロパンジイソパルミテート、トリメチロールプロパンモノオクタデカノエート(トリメチロールプロパンモノステアレート)、トリメチロールプロパンモノイソステアレート、トリメチロールプロパンジオクタデカノエート(トリメチロールプロパンジステアレート)、トリメチロールプロパンジイソステアレート、トリメチロールプロパンモノオクタデセノエート(トリメチロールプロパンモノオレエート)、トリメチロールプロパンモノイソオレエート、トリメチロールプロパンジオクタデセノエート(トリメチロールプロパンジオレエート)、トリメチロールプロパンジイソオレエートなどのトリメチロールプロパン部分エステル;
【0051】
ペンタエリスリトールモノドデカノエート(ペンタエリスリトールモノラウレート)、ペンタエリスリトールモノイソラウレート、ペンタエリスリトールジドデカノエート(ペンタエリスリトールジラウレート)、ペンタエリスリトールジイソラウレート、ペンタエリスリトールトリドデカノエート(ペンタエリスリトールトリラウレート)、ペンタエリスリトールトリイソラウレート、ペンタエリスリトールモノテトラデカノエート(ペンタエリスリトールモノミリステート)、ペンタエリスリトールモノイソミリステート、ペンタエリスリトールジテトラデカノエート(ペンタエリスリトールジミリステート)、ペンタエリスリトールジイソミリステート、ペンタエリスリトールトリテトラデカノエート(ペンタエリスリトールトリミリステート)、ペンタエリスリトールトリイソミリステート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールモノパルミテート)、ペンタエリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエリスリトールジヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールジパルミテート)、ペンタエリスリトールジイソパルミテート、ペンタエリスリトールトリヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールトリパルミテート)、ペンタエリスリトールトリイソパルミテート、ペンタエリスリトールモノオクタデカノエート(ペンタエリスリトールモノステアレート)、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールジオクタデカノエート(ペンタエリスリトールジステアレート)、ペンタエリスリトールジイソステアレート、ペンタエリスリトールトリオクタデカノエート(ペンタエリスリトールトリステアレート)、ペンタエリスリトールトリイソステアレート、ペンタエリスリトールモノオクタデセノエート(ペンタエリスリトールモノオレエート)、ペンタエリスリトールモノイソオレエート、ペンタエリスリトールジオクタデセノエート(ペンタエリスリトールジオレエート)、ペンタエリスリトールジイソオレエート、ペンタエリスリトールトリオクタデセノエート(ペンタエリスリトールトリオレエート)、ペンタエリスリトールトリイソオレエートなどのペンタエリスリトール部分エステル;
【0052】
ソルビタンモノドデカノエート(ソルビタンモノラウレート)、ソルビタンモノイソラウレート、ソルビタンジドデカノエート(ソルビタンジラウレート)、ソルビタンジイソラウレート、ソルビタントリドデカノエート(ソルビタントリラウレート)、ソルビタントリイソラウレート、ソルビタンモノテトラデカノエート(ソルビタンモノミリステート)、ソルビタンモノイソミリステート、ソルビタンジテトラデカノエート(ソルビタンジミリステート)、ソルビタンジイソミリステート、ソルビタントリテトラデカノエート(ソルビタントリミリステート)、ソルビタントリイソミリステート、ソルビタンモノヘキサデカノエート(ソルビタンモノパルミテート)、ソルビタンモノイソパルミテート、ソルビタンジヘキサデカノエート(ソルビタンジパルミテート)、ソルビタンジイソパルミテート、ソルビタントリヘキサデカノエート(ソルビタントリパルミテート)、ソルビタントリイソパルミテート、ソルビタンモノオクタデカノエート(ソルビタンモノステアレート)、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンジオクタデカノエート(ソルビタンジステアレート)、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリオクタデカノエート(ソルビタントリステアレート)、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオクタデセノエート(ソルビタンモノオレエート)、ソルビタンモノイソオレエート、ソルビタンジオクタデセノエート(ソルビタンジオレエート)、ソルビタンジイソオレエート、ソルビタントリオクタデセノエート(ソルビタントリオレエート)、ソルビタントリイソオレエートなどのソルビタン部分エステル;およびこれらの混合物などが好ましく用いられ、特にモノエステルである。
【0053】
グリセリンモノドデカノエート(グリセリンモノラウレート)、グリセリンモノイソラウレート、グリセリンモノテトラデカノエート(グリセリンモノミリステート)、グリセリンモノイソミリステート、グリセリンモノヘキサデカノエート(グリセリンモノパルミテート)、グリセリンモノイソパルミテート、グリセリンモノオクタデカノエート(グリセリンモノステアレート)、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンモノオクタデセノエート(グリセリンモノオレエート)、グリセリンモノイソオレエート;
【0054】
トリメチロールエタンモノドデカノエート(トリメチロールエタンモノラウレート)、トリメチロールエタンモノイソラウレート、トリメチロールエタンモノテトラデカノエート(トリメチロールエタンモノミリステート)、トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチロールエタンモノヘキサデカノエート(トリメチロールエタンモノパルミテート)、トリメチロールエタンモノイソパルミテート、トリメチロールエタンモノオクタデカノエート(トリメチロールエタンモノステアレート)、トリメチロールエタンモノイソステアレート、トリメチロールエタンモノオクタデセノエート(トリメチロールエタンモノオレエート)、トリメチロールエタンモノイソオレエート;
【0055】
トリメチロールプロパンモノドデカノエート(トリメチロールプロパンモノラウレート)、トリメチロールプロパンモノイソラウレート、トリメチロールプロパンモノテトラデカノエート(トリメチロールプロパンモノミリステート)、トリメチロールプロパンモノイソミリステート、トリメチロールプロパンモノヘキサデカノエート(トリメチロールプロパンモノパルミテート)、トリメチロールプロパンモノイソパルミテート、トリメチロールプロパンモノオクタデカノエート(トリメチロールプロパンモノステアレート)、トリメチロールプロパンモノイソステアレート、トリメチロールプロパンモノオクタデセノエート(トリメチロールプロパンモノオレエート)、トリメチロールプロパンモノイソオレエート;
【0056】
ペンタエリスリトールモノドデカノエート(ペンタエリスリトールモノラウレート)、ペンタエリスリトールモノイソラウレート、ペンタエリスリトールモノテトラデカノエート(ペンタエリスリトールモノミリステート)、ペンタエリスリトールモノイソミリステート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカノエート(ペンタエリスリトールモノパルミテート)、ペンタエリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエリスリトールモノオクタデカノエート(ペンタエリスリトールモノステアレート)、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールモノオクタデセノエート(ペンタエリスリトールモノオレエート)、ペンタエリスリトールモノイソオレエート;
【0057】
ソルビタンモノドデカノエート(ソルビタンモノラウレート)、ソルビタンモノイソラウレート、ソルビタンモノテトラデカノエート(ソルビタンモノミリステート)、ソルビタンモノイソミリステート、ソルビタンモノヘキサデカノエート(ソルビタンモノパルミテート)、ソルビタンモノイソパルミテート、ソルビタンモノオクタデカノエート(ソルビタンモノステアレート)、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオクタデセノエート(ソルビタンモノオレエート)、ソルビタンモノイソオレエート;およびこれらの混合物などがより好ましく用いられる。
【0058】
また上記の(c)成分は、スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアミン塩である。
【0059】
アルカリ金属としては具体的にはナトリウムやカリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては具体的には、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどが挙げられる。またアミンとしてはアンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミンなど、炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキルアミン;モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンなど、炭素数1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミン;などが挙げられる。
【0060】
上記(c)成分は特に製造方法を限定するものでなく、任意の方法によって製造されたものが使用可能であるが、具体的には例えば、分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩およびこれらの混合物などが使用できる。
【0061】
ここでいうアルキル芳香族スルフォン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものやホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸などの石油スルフォン酸や、例えば洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレンなどのアルキルナフタレンをスルフォン化したものなどの合成スルフォン酸などが挙げられる。
【0062】
この(c)成分としては、上記のアルキル芳香族スルフォン酸を直接アルカリ金属塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物など)、アルカリ土類塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物など)または上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミンなど)と反応させることにより得られる中性(正塩)スルフォネートや塩基性スルフォネートだけでなく、中性(正塩)スルフォネートを炭酸ガスの存在下でさらに過剰のアルカリ金属塩基やアルカリ土類金属塩基と反応させることによって製造される炭酸塩過塩基化スルフォネートや、中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属塩基やアルカリ土類金属塩基、およびホウ酸または無水ホウ酸などのホウ酸化合物と反応させることによって製造されるホウ酸塩過塩基化スルフォネートなどを用いることができる。
【0063】
(c)成分のJIS K 2501に規定する過塩素酸法による全塩基価は任意であるが、通常、好ましくは0〜500mgKOH/g、より好ましくは0〜400mgKOH/gの塩基価を有するスルフォン酸塩を用いることができる。
また上記の(d)成分は、酸化ワックス金属塩である。
【0064】
この酸化ワックス金属塩とは、石油留分の精製の際に得られるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムや合成により得られるポリオレフィンワックスなどのワックスを酸化することによって製造される酸化ワックスに対して、さらにナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属やマグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の塩や塩基を反応させ、酸化ワックスが有する酸性基の一部または全部を中和して金属塩としたものであり、本発明においては特に酸化ワックスバリウム塩が好ましく用いられ、酸化パラフィンバリウム塩がより好ましく用いられる。
(d)成分のケン化価、全酸価および金属含有量は任意である。
【0065】
しかし、組成物の貯蔵安定性や酸化安定性、水置換性およびさび止め性に優れる点から、JIS K2503に規定するケン化価が、好ましくは10〜180mgKOH/g、より好ましくは50〜100mgKOH/gのものが用いられる。
【0066】
同様の理由から、JIS K 2501に規定する全酸価が、好ましくは0.5〜50mgKOH/g、より好ましくは2〜20mgKOH/gのものが用いられる。
【0067】
また同様の理由から、金属含有量が、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1.0〜5.0質量%のものが用いられる。
【0068】
また、もちろんのことであるが、(C)成分としては上記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の中から選ばれる2種以上の化合物を任意の割合で混合した混合物も好ましく用いることができる。
【0069】
さらに本発明に係るさび止め剤組成物においては、さび止め性能に一層優れたさび止め剤組成物を得ることができるという点から、(C)成分として上記(a)成分および(b)成分の中から選ばれる1種または2種以上の化合物を必須の成分として用いるのが特に好ましい。
【0070】
本発明のさび止め剤組成物は、基油に(A)成分、(B)成分および(C)成分をを必須の成分として配合してなるものであるが、各成分の含有量に関して以下の関係を満たすことが重要である。
【0071】
すなわち、(A)成分の含有量に関しては、さび止め剤組成物全量基準で、その含有量の下限値は0.1質量%、好ましくは0.3質量%であり、一方、その含有量の上限値は5.0質量%、好ましくは3.0質量%であることが必要である。(A)成分の含有量が組成物全量基準で0.1質量%未満の場合は十分な膜厚を得ることが困難であり、一方、5.0質量%を超える場合はさび止め剤組成物がゲル化する恐れがあるため、共に好ましくない。
【0072】
また、(B)成分の含有量に関しては、含有量の下限値が(A)成分1重量部に対して0.1重量部、好ましくは0.3重量部であり、一方、その含有量の上限値は、(A)成分1重量部に対して3.0重量部、好ましくは1.0重量部であることが必要である。(B)成分の含有量が、(A)成分1重量部に対して、0.1重量部未満の場合は基油に対する溶解性に優れた造膜剤が得られず、一方、3.0重量部を超える場合はさび止め剤組成物のさび止め性能が著しく低下するため、共に好ましくない。
【0073】
また、(C)成分の含有量に関しては、さび止め剤組成物全量基準で、その含有量の下限値は2.0質量%、好ましくは5.0質量%であり、一方、その含有量の上限値は30質量%、好ましくは20質量%であることが必要である。(C)成分の含有量が組成物全量基準で2.0質量%未満の場合はさび止め剤組成物のさび止め性能が著しく低下し、一方、30質量%を超える場合は含有量に見合うだけのさび止め性能の向上効果が得られないため、共に好ましくない。
【0074】
本発明においては上述のように、基油に対して(A)、(B)および(C)成分を所定量配合することにより、さび止め性能に優れたさび止め剤組成物を得ることができるが、その各種性能をさらに高める目的で、さび止め剤に一般的に用いられる公知の添加剤を単独で、または数種類組み合わせた形で併用することができる。
【0075】
これらの添加剤としては、具体的には、
トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステル、豚脂などの油脂、脂肪酸などに代表される潤滑性向上剤;
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)などに代表される酸化防止剤;
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルなどの湿潤剤;
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックスなどの造膜剤;
脂肪酸アミン塩などの水置換剤;
ジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫化油脂、リン化合物などの極圧剤;
グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末などの固体潤滑剤;
アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸などの腐食防止剤;
ベンゾトリアゾール、チアジアゾールなどの金属不活性化剤;
メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレートなどの消泡剤;などが例示できる。
【0076】
これら公知の添加剤を併用する場合の含有量は任意であるが、通常、これら公知の添加剤の合計含有量が組成物全量基準で0.1〜10質量%となるような量を添加するのが望ましい。
【0077】
本発明に係るさび止め剤組成物は、例えば、鉄、亜鉛、アルミニウムおよびこれらの金属と他の金属との合金など、各種金属のさび止め性能に優れており、これら金属のさび止め性を要求される各種箇所に有効に用いることができる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容に何ら限定されるものではない。
【0079】
実施例1〜8および比較例1〜7
表1に示す組成により、本発明に係るさび止め剤組成物を調製した(実施例1〜8)。
【0080】
また比較のため、表1に示す組成に従い、(A)成分を含有しない場合(比較例1)、(B)成分を含有しない場合(比較例2)、(C)成分を含有しない場合(比較例3)、(A)成分の含有量が多い場合(比較例4)、基油に(C)成分と本発明の造膜剤以外の造膜剤を配合した場合(比較例5〜7)についても組成物を調製した。
【0081】
なお、使用した各成分は以下のとおりである。
基油
A:パラフィン系軽質精製鉱油(動粘度6.5mm2 /s( @40℃) )
B:アルキルベンゼン(動粘度7.2mm2 /s(@40℃) )
【0082】
【化6】
【0083】
(B)成分
精製水
【0084】
(C)成分
E:ラノリン脂肪酸トリメチロールプロパンエステル
(ケン化価170mgKOH/g、全酸価15mgKOH/g)
F:ソルビタンモノオレエート
G:炭酸カルシウム過塩基性Ca石油スルフォネート
(全塩基価( 過塩素酸法) 300mgKOH/g)
H:酸化ワックスBa塩
(ケン化価75mgKOH/g、全酸価12mgKOH/g、Ba含有量3.5質量%)
【0085】
他の造膜剤
I:ペトロラタム(融点48℃)
J:パラフィンワックス(融点54℃)
K:ポリメタクリレート(重量平均分子量118000)
【0086】
実施例1〜8および比較例1〜7の組成物につき、以下に示す性能評価を行い、その結果を表1に併記した。
【0087】
[膜厚試験]
JIS K 2246「さび止め油」の5.19に規定する「膜厚試験方法」に準拠し、さび止め被覆膜の膜厚を算出した。
【0088】
[塩水噴霧試験]
JIS K 2246「さび止め油」の5.35に規定する「塩水噴霧試験方法」に準じ、ただし規定時間後のさび発生度を測定する代わりに、さび発生度がB級になるまでの保持時間を測定した。
【0089】
[作業性試験]
・低温塗布性
JIS K 2246「さび止め油」の5.27に規定する「噴霧性試験方法」に準じ、ただし塗布温度を0℃に変更して試験を行い、塗布による被覆膜の連続性を測定した。なお、評価は以下による。
○:スプレー作業に問題なし、塗布膜は連続している。
△:スプレー作業に問題なし、塗布膜はやや不連続である。
×:スプレー作業に問題あり。
【0090】
・洗浄性
JIS K 2246「さび止め油」の5.3.1に規定する試験片Bを5.3.2の方法によって調製した試験片を洗浄用灯油500mlに浸漬し、1分間揺動後の試験片表面の被覆膜残存の有無を測定した。なお、評価は以下による。○:被覆膜の残存なし。
△:被覆膜の一部残存あり。
×:被覆膜の残存あり。
【0091】
[貯蔵安定性試験]
・室温
試料80mlを100mlのスクリュー管に採取し、蓋をした後に20℃の恒温槽に1月間貯蔵した。1月間貯蔵後の試料について、40℃動粘度の粘度変化を測定するとともに、相分離・沈殿の有無等を目視で評価した。
・低温
試料80mlを100mlスクリュー管に採取し、蓋をした後に0℃の恒温槽に10日間貯蔵した。10日間貯蔵後に試料を室温に戻し、その際の試料の相分離・沈殿の有無等を目視で評価した。
【0092】
表1の性能評価試験の結果に示すとおり、本発明に係るさび止め剤組成物は、比較例の組成物と比べて優れた造膜性能かつさび止め性能を有するものである。また同時に、基油である有機媒体に対して高い溶解度を持ち、塗布作業性や貯蔵安定性にも優れるものである。
【0093】
【表1】
Claims (2)
- 炭化水素溶剤、鉱油および合成油の中から選ばれる1種または2種以上の基油に対して、
(A)組成物全量基準で0.1〜5.0質量%の下記一般式(1)で表される有機リン酸エステルカルシウム塩、
(B)上記(A)成分1重量部に対して0.1〜3.0重量部の水、ならびに
(C)組成物全量基準で2.0〜30質量%のカルボン酸類、カルボン酸金属塩、カルボン酸塩類、スルフォン酸金属塩、スルフォン酸塩類、エステル類、アルコール類、アミン類、リン酸誘導体類、亜リン酸誘導体類およびホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種のさび止め添加剤を必須成分として配合してなることを特徴とするさび止め剤組成物。 - 炭化水素溶剤、鉱油および合成油の中から選ばれる1種または2種以上の基油に対して、
(A)組成物全量基準で0.1〜5.0質量%の下記一般式(1)で表される有機リン酸エステルカルシウム塩、
(B)上記(A)成分1重量部に対して0.1〜3.0重量部の水、ならびに(C)組成物全量基準で2.0〜30質量%の、下記の(a)および(b)から選ばれる1種または2種以上のさび止め添加剤
(a)ラノリン脂肪酸エステル
(b)グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価アルコールと炭素数10〜22の脂肪酸の部分エステル
を必須成分として配合してなることを特徴とするさび止め剤組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11559496A JP3601634B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | さび止め剤組成物 |
DE69700310T DE69700310T2 (de) | 1996-04-12 | 1997-04-10 | Rostschutzzusammensetzung |
EP97105928A EP0801116B1 (en) | 1996-04-12 | 1997-04-10 | Rust preventive composition |
US08/835,901 US5958850A (en) | 1996-04-12 | 1997-04-10 | Rust preventive composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11559496A JP3601634B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | さび止め剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279368A JPH09279368A (ja) | 1997-10-28 |
JP3601634B2 true JP3601634B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=14666483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11559496A Expired - Fee Related JP3601634B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | さび止め剤組成物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5958850A (ja) |
EP (1) | EP0801116B1 (ja) |
JP (1) | JP3601634B2 (ja) |
DE (1) | DE69700310T2 (ja) |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3527093B2 (ja) * | 1998-03-30 | 2004-05-17 | 日本精工株式会社 | グリース組成物 |
TWI252249B (en) * | 1999-11-12 | 2006-04-01 | Yasuo Fukutani | Rust preventive |
JP4559601B2 (ja) * | 2000-09-01 | 2010-10-13 | ミネベア株式会社 | 防錆潤滑組成物を塗布したプラスチック成形物 |
ATE557078T1 (de) * | 2001-04-06 | 2012-05-15 | Nippon Oil Corp | Rostverhindernde ölzusammensetzung |
BR0200481A (pt) | 2001-09-03 | 2003-04-29 | Indian Oil Corp Ltd | Processo para a preparação de derivados de ácido fenóxi carboxìlico e composição lubrificante |
US6723257B2 (en) * | 2001-10-29 | 2004-04-20 | Ashland Inc. | Corrosion inhibiting composition |
US6613249B1 (en) * | 2002-08-08 | 2003-09-02 | Ashland Inc. | Corrosion inhibiting composition |
US8377860B2 (en) * | 2007-08-20 | 2013-02-19 | The Lubrizol Corporation | Polymers with pendant heterocyclic-containing groups and lubricating oil compositions containing same |
JP4510867B2 (ja) * | 2007-11-05 | 2010-07-28 | 株式会社日本礦油 | グリース組成物及びその製造方法 |
JP5478032B2 (ja) * | 2008-05-27 | 2014-04-23 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | さび止め油組成物 |
JP6091042B2 (ja) * | 2009-06-29 | 2017-03-08 | Jxエネルギー株式会社 | さび止め油組成物 |
CN103384730B (zh) * | 2009-09-09 | 2015-07-15 | 吉坤日矿日石能源株式会社 | 防锈油组合物 |
US8236167B2 (en) * | 2009-11-18 | 2012-08-07 | Liquifix | Lubricating oil |
EP2385097A1 (en) | 2010-05-03 | 2011-11-09 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Lubricating composition |
CN105541158B (zh) * | 2015-12-29 | 2017-11-24 | 江苏苏博特新材料股份有限公司 | 糖苷酮钢筋阻锈剂及其制备方法 |
US11085119B2 (en) | 2019-11-14 | 2021-08-10 | The United States Of America As Represented By The Secratary Of The Navy | Corrosion preventive compositions |
JP7407933B2 (ja) * | 2020-06-09 | 2024-01-04 | Nokクリューバー株式会社 | 潤滑剤組成物 |
CN115074173B (zh) * | 2021-03-16 | 2023-03-14 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种抗斑迹轧制油及其在单机架冷轧机轧制过程中的应用 |
KR102783270B1 (ko) * | 2024-10-17 | 2025-03-19 | (주)에이엠티인터내셔널 | 용접용과 기계구조용 바이오 윤활 및 방청 오일코팅제 제조방법 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3341467A (en) * | 1967-03-03 | 1967-09-12 | Grace W R & Co | Method of inhibiting foaming in aqueous systems |
US3699052A (en) * | 1969-11-12 | 1972-10-17 | Drew Chem Corp | Corrosion inhibitor composition containing a glycine,chelating agent,phosphoric or boric acid ester,and a water soluble divalent metal salt |
ZA764496B (en) * | 1976-07-27 | 1977-10-26 | Reef Technical Dev Ltd | Protective coating of surfaces |
US4465516A (en) * | 1981-04-24 | 1984-08-14 | Sandoz Ltd. | Asymmetrical diesters of ortho-phosphoric acid useful as corrosion inhibitors |
GB2131822B (en) * | 1982-10-28 | 1986-06-04 | Alan Richard Parkinson | Corrosion preventive composition |
US4613445A (en) * | 1984-07-23 | 1986-09-23 | Union Carbide Corporation | Organophosphate-containing antifreeze |
JPH01282295A (ja) * | 1988-05-07 | 1989-11-14 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 金属加工用潤滑油組成物およびその製造法 |
JP2764300B2 (ja) * | 1988-12-27 | 1998-06-11 | 日本石油株式会社 | 表面処理鋼板用成形加工兼防錆油組成物 |
JP2919995B2 (ja) * | 1991-04-12 | 1999-07-19 | 昭和シェル石油株式会社 | プレス加工兼用防錆油 |
DK0567212T3 (da) * | 1992-04-21 | 2003-04-28 | Baker Hughes Inc | Reaktionsprodukt af nitrogenbaser og phosphatestere som korrosionsinhibitorer |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP11559496A patent/JP3601634B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-04-10 DE DE69700310T patent/DE69700310T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-04-10 US US08/835,901 patent/US5958850A/en not_active Expired - Fee Related
- 1997-04-10 EP EP97105928A patent/EP0801116B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69700310T2 (de) | 2000-02-03 |
DE69700310D1 (de) | 1999-08-12 |
US5958850A (en) | 1999-09-28 |
EP0801116A1 (en) | 1997-10-15 |
EP0801116B1 (en) | 1999-07-07 |
JPH09279368A (ja) | 1997-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3601634B2 (ja) | さび止め剤組成物 | |
JP5478032B2 (ja) | さび止め油組成物 | |
CN103384730B (zh) | 防锈油组合物 | |
WO2008134179A2 (en) | Lubricant blend composition | |
CN113490769B (zh) | 防锈油组合物及其制造方法 | |
JP2002363592A (ja) | さび止め油組成物 | |
JPH0813171A (ja) | 鋼板および表面処理鋼板用さび止め油組成物 | |
JP3491721B2 (ja) | 塑性加工用洗浄防錆油組成物 | |
JP3639876B2 (ja) | 塑性加工用防錆潤滑剤組成物 | |
WO2020184436A1 (ja) | 錆止め油組成物及びその製造方法 | |
JP3083433B2 (ja) | さび止め油組成物 | |
JP2002114989A (ja) | さび止め油 | |
JP4351945B2 (ja) | さび止め剤組成物 | |
JPH11323368A (ja) | タービン油組成物 | |
WO2022030126A1 (ja) | さび止め油組成物 | |
JP7181778B2 (ja) | 難燃性油圧作動油 | |
JP5340322B2 (ja) | さび止め油組成物 | |
JP4988178B2 (ja) | さび止め油組成物 | |
JPH0790636A (ja) | さび止め油組成物 | |
WO2022210808A1 (ja) | 防錆油組成物及びその製造方法 | |
JPH10245577A (ja) | 塑性加工兼用さび止め油組成物 | |
JP6974216B2 (ja) | 船尾管用潤滑油組成物 | |
JP2002302690A (ja) | さび止め油組成物 | |
JP2020164987A (ja) | 溶剤希釈形さび止め油組成物 | |
JP2005248264A (ja) | さび止め油組成物及びさび止め方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040630 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040820 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040915 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040915 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091001 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101001 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |