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JP3599766B2 - 貼付製剤 - Google Patents

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JP3599766B2
JP3599766B2 JP32994093A JP32994093A JP3599766B2 JP 3599766 B2 JP3599766 B2 JP 3599766B2 JP 32994093 A JP32994093 A JP 32994093A JP 32994093 A JP32994093 A JP 32994093A JP 3599766 B2 JP3599766 B2 JP 3599766B2
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、有機酸と、薬理活性物質としてのチザニジンまたはその塩とを含有し、吸収性が高く、しかも皮膚へ着色を与えることがない貼付製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の薬理活性物質であるチザニジンは、化学名5−クロロ−4−(2−イミダゾリン−2−イル−アミノ)−2,1,3−ベンゾチアジアゾールを有する化合物である。チザニジンは、多シナプス反射を選択的に抑制する中枢性の筋弛緩薬であり、筋弛緩作用と疼痛緩和作用を合わせ持ち、頸肩腕症侯群、腰痛症、痙性麻痺等の筋緊張性疾患の緩和剤として広く用いられており、一般的には錠剤として経口投与されている。
しかしながら、経口投与されたチザニジン及び特にその塩酸塩は、肝臓での初回通過効果が大きく吸収された薬物の20%しか利用されず、消化器系の副作用も報告されている。
薬理活性物質の吸収性や消化器系での副作用に関するこのような問題点を解決するべく、特表昭61−501324号には、親水性ポリマーからなるリザーバー型やマトリックス型の経皮投与製剤の技術が提案されており、その製剤中に配合され得る薬理活性物質の一つとして、チザニジンの名が記載されている。
さらに、特表昭64−500115号公報には、リザーバー型の経皮投与製剤の技術に関する発明が開示されており、その製剤中に配合され得る薬理活性物質の一つとして、チザニジンの名が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記各公報中には、経皮投与製剤に関する技術が開示されているが、チザニジンについては、単に、明細書中に、配合され得る薬理活性物質の一つとしてその名が挙げられているに過ぎず、具体的実施例においてチザニジンを配合した製剤の効果が示されているわけでもなく、チザニジンを含有する経皮投与製剤に特有の着色等の問題点については何等検討がなされていない。
そこで、本発明はかかる従来技術の問題点を解決するべく、チザニジンを効率良く、持続的に吸収させることができ、しかも、皮膚に対して低刺激性で着色を与えることがなく、さらに、薬物の安定性が優れたチザニジン含有の貼付製剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、チザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有する貼付製剤中に、特定の有機酸を含有させることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、有機酸と、薬理活性物質としてのチザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩とを含有し、前記有機酸が、N−2−ヒドロキシエチルピペリジン−N’−2−エタンスルホン酸(以下、「HEPES」と略記する)、乳酸または酢酸であることを特徴とする貼付製剤からなる。
本発明における前記貼付製剤は、リザーバー型製剤またはマトリックス型製剤であることが好ましい。
また、前記マトリックス型製剤は、テープ製剤または湿布製剤であることが好ましい。
【0005】
発明の前記貼付製剤がリザーバー型製剤である場合には、リザーバー層中の組成は、有機酸0.01〜15重量%、チザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩0.1〜20重量%、水性成分10〜80重量%、低級アルコール5〜70重量%、保湿剤5〜70重量%、吸収促進剤0.01〜20重量%及び刺激低減剤0.01〜20重量%並びに親水性ポリマー0.1〜30重量%または不織布0.1〜10重量%からなることが好ましい。
本発明の前記貼付製剤がマトリックス型製剤である場合には、粘着層中の組成は、有機酸0.01〜15重量%、チザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩0.1〜20重量%、吸収促進剤0.01〜50重量%及び刺激低減剤0.01〜20重量%並びに親水性ポリマー0〜70重量%または脂溶性ポリマー0〜99重量%からなることが好ましい。
本発明の前記貼付製剤において、リザーバー層または粘着層のpHは、4〜5であることが好ましい。
【0006】
本発明の貼付製剤のうち、最初にリザーバー型製剤のリザーバー層中の組成に関して説明する。
本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される有機酸は、HEPES、乳酸または酢酸である。
このような有機酸は、リザーバー型の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0.01〜15重量%、さらに好ましくは、0.01〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%の量で配合されることができる。有機酸の配合が、0.01重量%未満となると、リザーバー型製剤として充分な透過量が得られず、また、15重量%を越えると、皮膚への刺激性が強くなるので好ましくない。
【0007】
また、本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される薬理活性物質としてのチザニジンまたは薬学的に許容され得る塩は、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、0.1〜20重量%の量で配合されることができる。薬理活性物質の配合量が、0.1重量%未満となると、リザーバー型製剤として充分な透過量が得られず、また、20重量%を越えると、皮膚への着色が見られ、また、発赤等の皮膚への刺激性が認められるので好ましくない。
また、薬学的に許容され得る塩の例としては、塩酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩等を挙げることができる。
【0008】
本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される水性成分としては、皮膚刺激性、皮膚への着色を考慮すると、前記有機酸を含有するpH4〜5の緩衝液であることが望ましい。このような緩衝液の例としては、pH4.5の酢酸緩衝液、pH4.5の乳酸緩衝液またはリン酸やクエン酸等のpH4〜5付近に緩衝能を持つ緩衝液に前記の有機酸を添加してpH4〜5に調節した緩衝液を挙げることができ、特に、酢酸緩衝液は好ましい。
このような水性成分のうち有機酸を除く配合量は、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、10〜80重量%、さらに好ましくは、20〜70重量%、特に好ましくは、30〜60重量%の量とされることができる。水性成分の配合量が10重量%未満となると、保湿剤と低級アルコールの配合比によるが、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められたり、または充分な透過性が得られなくなり、80重量%を越えると、リザーバー製剤として充分な透過量が得られなくなるので好ましくない。
【0009】
本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される低級アルコールとしては、炭素数2〜5のもの望ましく、特にエタノールやイソプロパノールが望ましい。
このような低級アルコールは、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、5〜70重量%、さらに好ましくは、10〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%の量で配合されることができる。低級アルコールの配合量が、5重量%未満となると、リザーバー製剤として充分な透過量が得られず、また、70重量%を越えると、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められるので好ましくない。
【0010】
本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される保湿剤としては、例えば、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ナトリウムピロリドン、カルボキシレート、エチルカルビトール、D−キシトール、ヒアルロン酸等を望ましいものの例として挙げることができ、その中でも特にグリセリン及びポリエチレングリコールは望ましい。
このような保湿剤は、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、5〜70重量%、さらに好ましくは、10〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%の量で配合されることができる。保湿剤の配合量が、5重量%未満となると、発赤等の皮膚への刺激性が認められ、また、70重量%を越えると、リザーバー製剤として充分な透過性が得られないので好ましくない。
【0011】
本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される吸収促進剤としては、皮膚での吸収促進作用が認められている化合物であればいずれのものでもよく、例えば炭素鎖数6〜20の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステルまたはエーテル、芳香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香族系有機酸エステルまたはエーテルを挙げることができる。さらに、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、アゾン(Azone)またはその誘導体、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類(Span系)、ポリソルベート系(Tween系)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系(HCO系)、ショ糖脂肪酸エステル類等を挙げることができる。具体的にはカプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、クレゾール、乳酸セチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ゲラニオール、チモール、オイゲノール、テルピネオール、l−メントール、ボルネオロール、d−リモネン、イソオイゲノール、イソボルネオール、ネロール、dl−カンフル、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、HCO−60、1−[2−(デシルチオ)エチル]アザシクロペンタン−2−オン(以下、「ピロチオデカン」と略記する。)が望ましく、特にラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、サリチル酸エチレングリコール及びピロチオデカンが望ましい。
このような吸収促進剤は、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0.01〜20重量%、さらに好ましくは、0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で配合されることができる。吸収促進剤の配合量が0.01重量%未満であると、リザーバー製剤として充分な透過性が得られず、20重量%を越えると、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められるので好ましくない。
【0012】
本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において使用される刺激低減剤としては、グリチルリチン酸及びその水溶性塩類、クエン酸トリエチル、吸収促進剤として既知のグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類またはこれらの混合物が望ましく、特に、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレート、ソルビタンモノラウレートまたはこれらの混合物は望ましい。
このような刺激低減剤は、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0.01〜20重量%、さらに好ましくは、0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で配合されることができる。刺激低減剤の配合量が0.01重量%未満となると、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められ、20重量%を越えると、同様に、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められるので好ましくない。
【0013】
また、本発明のリザーバー型製剤のリザーバー層において、前記各成分を含有させるために使用されることができる前記の各成分を含有させる親水性ポリマーまたは不織布としては、保水作用を有し、有効成分と相互作用を起こさないものが望ましい。
このような親水性ポリマーとしては、例えば、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロール(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等)、デンプン誘導体(プルラン)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、酢酸ビニル(VA)、カルボキシビニルポリマー(CVP)、エチル酢酸ビニル(EVA)、オイドラギット、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリイソブチレン無水マレイン酸共重合体、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガント、カラヤゴム、ポリビニルメタクリレートが望ましく、特にセルロース誘導体(CMCNa、HPMC、HPC、MC)、PVA、PVP、VA、EVA及びオイドラギットは望ましい。
このような親水性ポリマーは、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは、0.1〜10重量%の量で配合されることができる。親水性ポリマーの配合量が、0.1重量%未満となると、リザーバー層に溶液を保持するために充分な粘性が得られず、また30重量%を越えると、薬物の放出性が悪くなり、リザーバー製剤として充分な透過量が得られなくなるので好ましくない。
【0014】
また、不織布の素材としては、例えばポリプロピレン、ポリエステル、レーヨンまたはその混合物を挙げることができ、特にレーヨンは望ましい。このような不織布は、リザーバー層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%の量で配合されることができる。不織布の配合量が、0.1重量%未満であると、リザーバー層に溶液を保持できず、10重量%を越えると薬物の放出性が悪くなり、リザーバー製剤として充分な透過量が得られなくなるので好ましくない。
【0015】
このような組成を有するリザーバー層は、いずれの方法によっても製造されることができる。例えば、アジホモミキサー2SL−7型(特殊機化工)またはマルチブレンダーミルBL−1型(日本精機)等の軟膏混練機を用い、前記の組成の均一なゲル製剤を得てリザーバー層に封入するか、または前記の機械により得られた均一な溶液を不織布等に保持させるか、または粘着剤がPVAの場合には、得られた均一なゲルを凍結−解凍した後、得られたマトリックスをリザーバー層とする。
本発明のリザーバー型製剤は、リザーバー層が、有機酸を含む上記のような組成であれば、その他の構成や各構成部分の素材は、いずれの種類のものであってもよい。
例えば、本発明のリザーバー型製剤は、上記リザーバー層の他、支持体層、薬物放出剤層、接着剤層及び剥離ライナー層から成ることができる。
【0016】
支持体層となるフィルムとしては、通気性の低いものが望ましく、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン等の素材が挙げられるが、その中でも、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデンとポリエチレン、またはポリエステルとポリ塩化ビニリデン等の2種類のフィルムによりラミネート加工されたフィルムが特に望ましい。
また、薬物放出剤層は、薬剤が流動してしまうおそれがないような固形性を保っていれば、必ずしも設ける必要がないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニルアルコール−エチレン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等の素材が好適に使用される。
また、接着剤層は、例えばアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、スチレン−イソプレンのブロック共重合体、ポリイソブチレン等が好適に使用される。
さらに、剥離ライナー層としては、例えば、アルミニウム、セルロース、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
本発明のリザーバー型製剤として製剤化可能な薬物放出剤層の面積は、40cm2であり、薬剤としては40cm以下の面積とすることが望ましい。
【0017】
次に、本発明の貼付製剤がマトリックス型製剤である場合の粘着層の組成について説明する。
本発明のマトリックス型製剤の粘着層において使用される有機酸とその配合量は、リザーバー型製剤に関して説明したものと同じであることが望ましい。
また、本発明のマトリックス型製剤において使用される薬理活性物質としてのチザニジンまたは薬学的に許容され得るその配合量も、リザーバー型製剤に関して説明したものと同じであることが望ましい。
また、本発明のマトリックス型製剤において使用される吸収促進剤は、リザーバー型製剤に関して説明したものであることが望ましい。
このような吸収促進剤は、粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0.01〜50重量%、さらに好ましくは、0.01〜30重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%の量で配合されることができる。吸収促進剤の配合量が、0.01重量%未満となると、充分な透過量が得られず、50重量%を越えると、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められるので好ましくない。
また、本発明のマトリックス型製剤において使用される刺激低減剤と、その配合量は、リザーバー型製剤に関して説明したものと同じであることが望ましい。
【0018】
本発明のマトリックス型製剤においては、親水性ポリマーまたは脂溶性ポリマーのいずれか一方を含有することが望ましいが、親水性ポリマーとしては、リザーバー型製剤に関して説明したものであることが望ましい。
この親水性ポリマーは、粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0〜70重量%、さらに好ましくは、0〜50重量%、特に好ましくは0〜30重量%の量であることができる。親水性ポリマーの配合量は70重量%を越えると、残りの成分の配合比によって異なるが、凝集力が弱くなったり、柔軟性が小さくなったり、または粘着力が小さくなるので好ましくない。
また、脂溶性ポリマーとしては、例えば、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、アクリル系ポリマー(2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、メタクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリル酸の少なくとも2種の共重合体)等を望ましいものとして挙げることができる。 このような脂溶性ポリマーの粘着層の組成全体の重量に基づく配合量は、好ましくは、0〜99重量%、さらに好ましくは0〜70重量%、特に好ましくは0〜50重量%の量であることができる。脂溶性ポリマーの配合量が99重量%を越えると、充分な透過性が得られないので好ましくない。
【0019】
本発明のマトリックス型製剤の粘着層中には、必要に応じてタキファイヤーを配合することができる。タキファイヤーとしては、アルコン系タキファイヤー、ロジン系タキファイヤー、ポリブテン等を望ましいものの例として挙げることができる。
タキファイヤーは、マトリックス型製剤の粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0〜70重量%、さらに好ましくは、0〜50重量%、特に好ましくは、0〜30重量%の量で配合されることができる。
さらに、保湿剤または油脂を配合することもでき、保湿剤としてはリザーバー型製剤について説明したものをが望ましい。また、油脂としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、オリーブ油、ツバキ油、バーッショク油、ラッカセイ油等が望ましい。
保湿剤または油脂は、マトリックス型製剤の粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0〜60重量%、さらに好ましくは、0〜40重量%、特に好ましくは、0〜30重量%の量で配合されることができる。
【0020】
また、必要に応じて水性成分、架橋剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤を配合することができる。水性成分としては、皮膚への刺激性及びチザニジンの着色性を考慮し、pH4〜5で、前記有機酸を含む緩衝液が望ましい。水性成分のうち有機酸を除く配合量は、マトリックス型製剤の粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0〜90重量%、さらに好ましくは、0〜80重量%、特に好ましくは、0〜60重量%とすることができる。
架橋剤としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属または金属化合物等の無機系架橋剤が望ましい。架橋剤は、マトリックス型製剤の粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0〜70重量%、さらに好ましくは、0〜50重量%、特に好ましくは、0〜30重量%の量で配合されることができる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が望ましい。抗酸化剤としては、トコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸、ステアリン酸エステル、ノルジヒトログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が望ましい。紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体等が望ましい。
このような防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤は、合計で、マトリックス型製剤の粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは、0〜20重量%、さらに好ましくは、0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%の量で配合されることができる。
【0021】
このような組成を有する粘着層は、いずれの方法によっても製造されることができる。例えば、アクリル系ポリマーの場合は、溶剤法により作成され、ポリマーの酢酸エチル溶液に他の成分のメタノール溶液を添加、攪拌後、支持体に伸展して乾燥し本製剤を得る。また、SIS系ポリマーの場合は、ホットメルト法により作成され、他の成分を抱摂した親水性ポリマーを添加、攪拌し、支持体に伸展して本製剤を得る。
また、本発明のマトリックス型製剤は、粘着層が、有機酸を含む上記のような組成であれば、その他の構成や各構成部分の素材は、いずれの種類のものであってもよい。
例えば、本発明のマトリックス型製剤は、上記粘着層の他、それを支持する支持体層及び粘着層上に設けられる剥離ライナー層から成ることができる。
支持体層は、マトリックス型製剤が、テープ製剤である場合には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ウレタン等から成り、湿布製剤である場合には、布、不織布及びポリエチレンとのラミネートフィルム等から成ることができる。
尚、本発明のマトリックス型製剤の皮膚に適応可能な面積は、200cm以下とすることが望ましい。
【0022】
【発明の効果】
本発明の経皮投与製剤によれば、薬理活性物質であるチザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩が、皮膚を介して循環血液中に持続的に吸収されることができる。しかも、かかる薬理活性物質を経口投与する場合に見られた肝臓での初回通過効果による薬物の代謝を受けることがなく、持続的な有効血中濃度を得ることができる。また、経口投与の場合に見られる消化器系の副作用や急激な血中濃度の上昇に伴って起こり得る中枢系の副作用も回避することができる。さらに、皮膚に対する刺激性及び着色性が著しく緩和されるため、経皮適用の外用製剤として特に有効である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。尚、実施例において、「%」は、全て重量%を意味するものとする。
【0024】
Figure 0003599766
上記の成分に塩酸チザニジン1%を添加混合してリザーバー層を得、そのリザーバー層を含む本発明のリザーバー型製剤を常法により製造した。
【0025】
Figure 0003599766
上記の成分に塩酸チザニジン2%を添加混合してリザーバー層を得、そのリザーバー層を含む本発明のリザーバー型製剤を常法により製造した。
【0026】
Figure 0003599766
上記成分に塩酸チザニジン2%を添加混合し、PVA凍結マトリックスを作成してリザーバー層を得、そのリザーバー層を含む本発明のリザーバー製剤を常法により製造した。
【0027】
Figure 0003599766
不織布以外の上記成分に、塩酸チザニジン2%を添加混合し、次いで、不織布にそれらを含浸させてリザーバー層を得、その層を含む本発明のリザーバー型製剤を常法により製造した。
【0028】
Figure 0003599766
これらの組成中、酢酸、酢酸ナトリウム、HPC、サリチル酸メチル、グリセリンモノラウレート、塩酸チザニジンにメタノールを加え、室温で撹拌溶解させた後、アクリル系粘着ポリマー、イソシアネート系架橋剤を添加撹拌し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(30μm)上に伸展し、90℃で15分間熱架橋して、50μmの粘着層を得て、その粘着層を含む本発明のテープ製剤を常法により製造した。
【0029】
Figure 0003599766
これらの組成中、酢酸、酢酸ナトリウム、HPMC、サリチル酸エチレングリコール、ソルビタンモノラウレート、塩酸チザニジンにエタノールを加え、室温で撹拌溶解させた後、60℃で蒸発乾固し薬物を包摂させる。薬物を包摂させたHPMCを粉砕後、残りの成分に添加し、180℃で溶解混合した後、PETフィルム30μm上に粘着層が100μmとなるように伸展し、本発明のテープ製剤を得た。
【0030】
Figure 0003599766
上記の成分に塩酸チザニジン5%を添加混合し、その混合物を不織布上に粘着層が1mmとなるように伸展して本発明の湿布剤を得た。
【0031】
比較例1〜4
比較例1〜4はそれぞれ、実施例1〜4の各実施例に対応しており、実施例1〜4において用いられた有機酸の代わりに、0.3Mのリン酸緩衝液(pH4.5)を用いること以外は、同様にして貼付製剤を得た。
比較例5〜7
比較例5〜7はそれぞれ、実施例5〜7の各実施例に対応しており、実施例5〜7において用いられた有機酸及びその塩を配合しないこと以外は、同様にして貼付製剤を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜7において得られた各貼付製剤の皮膚透過性を、ヒト皮膚を用いるin vitroの皮膚透過試験により評価した。また、皮膚刺激性については、下記表1に示す判定法を用いて皮膚刺激指数(SI値)を求めた。結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003599766
皮膚刺激指数(SI値)=(各々の剥離直後と24時間後の判定で刺激の高い値の和/被験者の人数)×100
【0033】
【表2】
Figure 0003599766

Claims (6)

  1. 有機酸と、薬理活性物質としてのチザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩とを含有し、前記有機酸が、N−2−ヒドロキシエチルピペリジン−N’−2−エタンスルホン酸、乳酸または酢酸であることを特徴とする貼付製剤。
  2. リザーバー型製剤またはマトリックス型製剤である請求項1に記載の貼付製剤。
  3. マトリックス型製剤が、テープ製剤または湿布製剤である請求項1または2に記載の貼付製剤。
  4. リザーバー型製剤である場合には、そのリザーバー層中の組成が、有機酸0.01〜15重量%、チザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩0.1〜20重量%、水性成分10〜80重量%、低級アルコール5〜70重量%、保湿剤5〜70重量%、吸収促進剤0.01〜20重量%及び刺激低減剤0.01〜20重量%並びに親水性ポリマー0.1〜30重量%または不織布0.1〜10重量%からなる請求項2または3に記載の貼付製剤。
  5. マトリックス型製剤である場合には、その粘着層中の組成が、有機酸0.01〜15重量%、チザニジンまたはその薬学的に許容され得る塩0.1〜20重量%、吸収促進剤0.01〜50重量%及び刺激低減剤0.01〜20重量%並びに親水性ポリマー0〜70重量%または脂溶性ポリマー0〜99重量%からなる請求項2〜4のいずれかに記載の貼付製剤。
  6. リザーバー層または粘着層のpHが、4〜5である請求項2〜5のいずれかに記載の貼付製剤。
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