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JP3598538B2 - ガラス板の急冷強化方法および装置 - Google Patents

ガラス板の急冷強化方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車、船舶、鉄道、航空機などの輸送機器または建築用その他各種用途の強化ガラス製造のためのガラス板の強化方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱炉において軟化点近くまで加熱したガラス板を成形型によって曲げ成形する際に、プレス用支持リング(以下単にプレスリングという)によってガラス板の周縁部を支持することが知られている。これは、下に凸形状の上型に向かってプレスリングでガラス板の周縁部を押し付けて、ガラス板を上型の形状に曲げ成形するものである。こうして、ガラス板の周縁部の曲げ精度を高くできる。また、このプレスリングで支持しながら曲げ成形したガラス板を同じプレスリングで保持したまま、冷却装置内に運搬してガラス板を急冷強化することも知られている。
【0003】
しかし、急冷強化の際にガラス板の下面の周縁部をプレスリングによって支持すると、ガラス板とプレスリングとの間に冷却エアがこも。このため、ガラス板の下面の周縁部の冷却が遅れ、ガラス板強度に対し有害な引張り応力が発生する。このような問題を防止するために、プレスリングを連続した構造ではなく、例えば歯状などの不連続な構造体とすることも行われている。そのため、プレスリングとガラス板との間の冷却エアの抜けが良くなる。しかし、プレスリングが不連続なため、成形時にガラス板にプレスリングの凹凸跡が転写され型跡歪を発生することになる。
【0004】
一方、USP4,661,141号明細書には、連続体からなるプレスリングでガラス板を成形型に押し付け成形し、成形終了したガラス板を不連続体からなる冷却用支持リング(以下単に冷却リングという)上に落下、移載し、ガラス板下面の周縁部を冷却リングで支持しながら、冷却装置内に運搬し、急冷強化する装置が提案されている。
【0005】
しかし、この装置では、概ね640℃以上のガラス板を冷却リング上に落下し、周縁部を支持するため、ガラス板を落下、支持した際のガラス板の変形により、冷却リングの不連続体の凹凸跡がガラス板の下面に転写され型跡歪を発生させるという問題があった。また、冷却装置内まで運搬する際にガラス板が自重による変形をおこし、ガラス板と冷却リングの当接面において、ガラス板がすべりを発生する。このため、冷却リングの不連続構造により、ガラス板にキズが付き、品質上の欠点、または急冷強化時のガラス板の破損の原因になるという問題があり前記問題解消のためには不充分であった。
【0006】
このような問題を解消するため、プレスリング、冷却リングが二重構造となった支持リングで成形から冷却までを行う装置が特開昭57−145041号および実開昭62−157939号に提案されている。特開昭57−145041号の装置は、ガラス板下面の周縁部に連続体のプレスリングを配置し、その内側に不連続体の冷却リングを配置した構成である。成形時にガラス板の下面周縁部をプレスリングで支持し、この状態で型に対しガラスを押し付け成形する。成形し終ったガラス板は、その下面周縁部をプレスリングで支持されたままの状態で冷却装置内に運搬される。
【0007】
冷却装置内に搬送されると、ガラス板を支持しているプレスリングの内周側に配置された冷却リングを突出させ、ガラス板の下面周縁部の内周側を冷却リングによって支持する。この状態でガラス板の急冷強化を行う。しかし、この冷却方法ではガラス板下面の周縁部の内周側を不連続な歯状の冷却リングで支持しながら冷却を行うため、ガラス板の下面周縁部の内周側に冷却リングの転写跡による型跡歪が発生するという問題がこる。また、急冷強化時にガラス板の下面の周縁部の内周側を支持リングで支持しながら冷却を行うため、ガラス板の周縁部の支持媒体がなくなり、ガラス板の周縁部の形状精度が悪化し、形状のバラツキが大きくなるという問題がある。
【0008】
一方、実開昭62−157939号の装置は、不連続な冷却リングをガラス板の下面の周縁部に配置し、その内側に連続なプレスリングを配置した構成である。成形時にガラス板下面周縁部の内周側をプレスリングで支持しながらガラス板を型に対し押し付けて成形を行う。成形後そのままガラス板を冷却装置に搬送し、冷却装置内において、プレスリングで下面周縁部の内周側を支持していたガラス板を、冷却リングでガラス板の下面周縁部を支持するように持ちかえて急冷強化を行う。
【0009】
しかし、この方法では、成形時にガラス板の下面の周縁部の内周側をプレスリングで支持しながらガラス板を成形型に押し付けるため、ガラス板の周縁部が充分に成形型に密着せず、成形型の形状が転写されず、ガラス板の周縁部の成形精度が悪化するという問題が起こる。またガラス板の下面周縁部の内周側にプレスリングの転写跡による型跡歪が発生するという問題も起こる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように前述のいずれの方法においても、ガラス板の下面をプレス用や冷却用の支持リングで支持しながら、成形および冷却工程を行うため、支持リングの転写跡による型跡歪および、ガラス板変形時のスベリによるキズがガラス板下面(即ち自動車の車外側面)に発生する。特に自動車用の強化ガラス板においては、モール等によって隠蔽することのできない部分に支持リングの型跡歪があると品質上の欠点になる。また近年の自動車用強化ガラス板において、周縁部がモールの無いムキ出しの状態で使用されるモールレス化のニーズがあり、前述の方法ではガラス周縁部の支持用リングの転写跡が品質上の欠点となりニーズにえるには不充分であった。
【0011】
本発明は上記従来技術が有していた欠点を解消しようとするものであり、ガラス板周縁部に発生する支持リング転写跡をなくし、成形精度および強度の向上を高めるとともに成形から冷却までの作業工程を効率よく行い、支持リングによるガラス板のキズつきや熱ワレを防止するガラス板の急冷強化装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明においては、ガラス板冷却時のガラス板を上から支持するリング(当接リング)を、冷却エア噴き出し孔を持つ上下一対の冷却装置の上部側の冷却装置のエア噴き出し孔面に配置し、上下の冷却装置から噴き出すエアの圧力差によってガラス板を浮上させるとともに、当該ガラス板の上面周縁部を上側冷却装置に設けた当接リングに押し付けて保持しながら冷却することを特徴としたガラス板の急冷強化装置を提供するものである。
【0013】
すなわち、本発明に係るガラス板の急冷強化方法は、急冷強化すべきガラス板を略水平にして、その上下両側にそれぞれ配した上側冷却エア噴き出し装置および下側冷却エア噴き出し装置により該ガラス板の上側および下側から冷却エアを吹き付けて急冷強化するガラス板の急冷強化方法において、前記上側冷却エア噴き出し装置の該ガラス板に対向する側に該ガラス板の形状に対応した形状を有する当接リングを設け、該ガラス板下側からの冷却エア噴き出し圧力を上側からの冷却エア噴き出し圧力より強くして上下の噴き出しエア圧力差によりガラス板の下面側を浮かせ、該ガラス板の上面側と上側冷却エア噴き出し装置との間隔を保持した状態で該当接リングに該ガラス板周縁部を押し付けて、該ガラス板を急冷強化することを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係るガラス板の急冷強化装置は、上側冷却エア噴き出し装置と、下側冷却エア噴き出し装置と、該上側および下側冷却エア噴き出し装置間に曲げ成形されたガラス板を搬入する移送手段とを具備したガラス板の急冷強化装置において、前記上側および下側冷却エア噴き出し装置は互いの噴き出しエア圧力差によりガラス板を浮上させることが可能であるとともに、前記上側冷却エア噴き出し装置のガラス板に対向する側には、該ガラス板の形状に対応した形状を有する当接リングを備え、該噴き出しエア圧力差により浮上したガラス板の上面側周縁部が該当接リングに押し付けられて、該ガラス板の上面側と上側冷却エア噴き出し装置との間隔を保持した状態で、ガラス板を冷却するように構成されていることを特徴としている。
【0015】
【作用】
冷却ゾーンにおいて、ガラス板の上側および下側からの冷却エア噴き出し圧力差によりガラス板をこの冷却ゾーン内に搬送してきた冷却リングから浮上させる。浮上したガラス板は上側に配置した当接リングにその周縁部が押圧されて保持される。
【0016】
特に、ガラス板を浮上させる前に、ガラス板が浮上しない程度の圧力差でガラス板の上下から冷却エアを噴き付けて、先にガラス板の表面をある程度冷却することによって、ガラス板を浮上させる冷却エアの圧力差によるガラス板の変形が防止される。
【0017】
【実施例】
図1は、本発明に係るガラス板の急冷強化装置を含む成形冷却機構の全体構成の一例を示す説明図である。このガラス板成形冷却機構1は、成形加工すべきガラス板2を搬送するコンベヤやローラー等の搬送手段3を有し、そのガラス搬送面側は高温保持のために加熱ゾーンルーフ4で覆われる。軟化点まで高温化されたガラス板2は、この搬送手段3により矢印Aのように搬送され、成形ゾーン5内に供給される。
【0018】
成形ゾーン5内には、上型6および下型7からなる成形型が設けられる。下型7には、実際には歯状断面の複数のスリットが形成され昇降動作可能なガラス板移送用ローラ(図示しない)が装着されている。この成形ゾーン5内にはさらに上型および/または下型7の上下動作機構や移送用ローラの昇降機構または上型6に設けた真空吸着機構(図示しない)の真空駆動装置等を含む各種駆動制御機構8が設置される。
【0019】
成形ゾーン5に隣接してリング加熱ゾーン9が設けられる。このリング加熱ゾーン9内には成形時にガラス板2を支持して上型6に対し押圧するプレスリング40が収容され所定の温度に加熱される。このプレスリング40には、図2に示すように、その上面に弾性のある断熱布17が取り付けられる。その外周側には支持部材16があり、プレスリング40を支持し、搬送る。
【0020】
断熱布17を設けることにより、成形時のガラス板2がプレスリング40に接触した際の熱歪による亀裂が防止される。また概ね640℃以上に加熱されたガラス板2に対し、剛性金属等の硬い材料からなるリング40を押し当てた際に軟化したガラス板側に形成される型跡歪の発生が防止される。
【0021】
プレスリング40で周縁部を支持されたガラス板2は、図3に示すように、上型6に対し押圧される。上型6の成形面(下面)には真空吸引ポート18が設けられ、断熱布19を介して真空装置(図示しない)によりガラス板2を吸着保持できる構造である。
【0022】
なお、ガラス板2の曲げ成形は、上型6と下型7によってプレス成形しても、このプレス成形の後にガラス板2の周縁部を深曲げ成形するために、ガラス板2の周縁部をプレスリング40によって上型6に押し付けてもよく、さらには、下型と上型とのプレス成形をせずに、ガラス板2の周縁部をプレスリング40によって上型6に押し付けて曲げ成形してもよい。
【0023】
成形ゾーン5に隣接して加熱ゾーン9の反対側には、冷却ゾーン11が設けられる。この冷却ゾーン11内には、上側冷却装置および下側冷却装置からなる冷却エア噴出装置12が設けられる。下側冷却装置の冷却エア噴出面側(上面側)には下型7と同様にスリット(図示しない)を形成しガラス板移送用のローラ(図示しない)がこのスリット内に昇降動作可能に装着されるように構成してもよい。冷却ゾーン11内にはさらに冷却エアの噴出制御機構や必要に応じてガラス板移送用ローラの昇降機構等を含む駆動制御機構13が収容されている。
【0024】
冷却ゾーン11内で急冷強化されたガラス板14は、搬送装置15により矢印Bのように搬出され次の工程に移送される。搬送装置15は、ガラス板を支持するプレスリング40を加熱ゾーン9から成形ゾーン5を通して冷却ゾーン11まで連続的に搬送可能な構造である。この場合、駆動チェーン等の搬送駆動手段は加熱ゾーン9から冷却ゾーン11まで連続して設けてもよく、各ゾーン内でリングを受け渡し可能なように分割して設けてもよい。
【0025】
図4は、本発明に係るガラス板の急冷強化装置を含む成形冷却機構の全体構成の別の例を示す説明図である。
【0026】
成形ゾーン5内の上方には、上型6が備えられている。上型6の下方には、成形時にガラス板2を支持して上型6に対し押圧するプレスリング40が備えられている。このプレスリング40は、搬送手段3の下方から搬送されてきたガラス板2を上型6に向けて押し付けるように、搬送手段3の下方から上型6まで昇降可能である。
【0027】
この際、プレスリングはあらかじめ下方の待機位置で、ガラス板の温度(概ね640℃以上)に加熱されていることが好ましい。これによって、成形時のガラス板2がプレスリング40に接触した際の熱歪による亀裂が防止される。また、プレスリング40が剛性金属等の硬い材料からなる場合には、その表面を鏡面加工することによって、ガラス板2に対しプレスリング40を押し当てた際に軟化したガラス板側に形成される型跡歪を防止できる。
【0028】
プレスリング40で周縁部を支持されたガラス板2は、図3に示すように、上型6に対し押圧される。その後、上型6によってガラス板を吸引保持しつつプレスリング40を下降退避させ、冷却ゾーン11側から冷却リング10を上型の下方に移動させる。次いで、ガラス板2を冷却リング10に載置して冷却ゾーン11に搬送し、ガラス板2を急冷強化する。
【0029】
こうして冷却ゾーン11内で急冷強化されたガラス板14は、搬送装置15により矢印Bのように搬出され次の工程に移送される。この場合、芳香族ポリアミド等の断熱材からなるフェルト状の弾性断熱布を、冷却リング10の表面に取り付けることは好ましい。ガラス板2が冷却リング10に接触した際の型跡歪を防止できるからである。
【0030】
なお、図4に示したように、成形ゾーン5の両わきに、冷却ゾーン11、11’が配されることは好ましい。これは、冷却リング10、10’が成形ゾーン5の左右から交互に進退することによって、一方の冷却リング10が冷却工程にある際に、もう一方の冷却リング10’が成形ゾーンで上型6からガラス板2を受け取ることができ、タクトの短縮ができる。
【0031】
図5に、本発明に置ける冷却エア噴出装置12の構成の一例を示す。上側冷却装置20および下側冷却装置21はそれぞれ冷却エア噴出孔(図示しない)が形成されたエア噴出面を対向して配置する。ブロアまたはアキュムレータ(図示しない)から圧送される冷却エアを、上下方向から吹き付ける。曲げ加工されたガラス板2は冷却リング10に支持されたままこの上側冷却装置20下側冷却装置21との間に搬送され、各冷却装置20、21により上下方向から冷却エア吹き付けられる。
【0032】
この場合、下側冷却装置21からの冷却エアの噴出圧力を上側冷却装置20からの冷却エア噴出圧力よりも大きくして上下の噴出エア圧力差によりガラス板2を冷却リング10から浮上可能に構成する。
【0033】
上側冷却装置20の冷却エア噴出面側(下面側)には、ガラス板2の外周縁形状に対応した形状の当接リング22が設けられる。上下の噴出エア圧力差により冷却リング10から浮上したガラス板2は、その上面の外縁部がこの当接リング22に突き当る。こうして、ガラス板2は、下からの噴出エア圧力によりリング22に当接した状態で保持される。
【0034】
この当接リング22は、図6に示すように、ガラス板2が当接する下面側に切欠き23が形成され歯先が平坦な歯形状の不連続体構造を形成する。この歯形状の歯先を覆って網材24を装着することが望ましい。
【0035】
このような構成により、ガラス板当接面での冷却エアが切欠き23を通して流通して冷却効果が高められる。また、ガラス板2が矢印Cのように当接リング22に押し付けられたときに、ガラス板2に対する当接リング22の転写跡の発生を抑制できる。さらに、上側冷却装置20、下側冷却装置21および当接リング22のうちの少なくとも1つには、冷却時にガラス板2を摺動できるように、水平方向に動作可能な駆動機構が備えられていることが好ましい。こうして、冷却効果が高められる。
【0036】
上記構成のガラス板の急冷強化装置によるガラス板の処理フローを図7を用いて説明する。
【0037】
まずステップ30で、ローラハース、ガスハース等の加熱炉で軟化点近くまで加熱されたガラス板2(図4)が矢印Aのように成形ゾーン5に搬送される。このとき成形ゾーン5下方に待機したプレスリング40が所定の温度に加熱保温される(ステップ31)。
【0038】
成形ゾーン5内において、供給されたガラス板2の下面周縁部をプレスリング40で支持し(ステップ32)、プレスリング40を上昇させて、図3に示すように、ガラス板2を上型6に押し当てて成形プレスを行う(ステップ33)。このとき同時に上型6側から真空吸引を行いガラス板2を型面に対し確実に密着させる。
【0039】
成形後、プレスリング40を下降させてガラス板2を上型6で吸引保持したまま、冷却リング10を冷却ゾーン11側から成形ゾーン5へ移動させる。成形ゾーン5内で上型6に吸引保持されたガラス板2を、この冷却リング10上に移載する。さらに、ガラス板をこの冷却リング10上に支持した状態で冷却ゾーン11に搬送する(ステップ34)。
【0040】
ガラス板を上側冷却装置20と下側冷却装置21(図5)の間に配置し、上下冷却装置20、21から冷却エアを噴出して上下の噴出エア圧力差によりガラス板下面を支持リングから浮上させてガラス板の上面周縁部を当接リング22に押し付ける(ステップ35)。このように、ガラス板上面を当接リング22に当接保持させた状態でガラス板を上下面から冷却して強化する。
【0041】
この冷却工程において、ガラス板の上面周縁部を当接リングに押し付ける際の上下冷却装置からの噴き出しエア圧力差は、大きすぎると冷却時にガラス板が押圧力により変形するおそれがあり、またガラス板に当接リングの転写跡が強く形成される。逆に上下の圧力差が小さすぎると、冷却中にガラス板を当接リングに押し当てることができなくなり、ガラス板の周縁部の形状精度が低下する。したがって、上下冷却装置20、21からの噴出エアの圧力差は、ガラス板の形状や板厚に応じて100〜500mm(水柱)とすることが望ましい。
【0042】
このようにして急冷強化されたガラス板は、冷却ゾーンから搬出される(ステップ36)。この場合、冷却エアの噴出圧力差を徐々に弱めてガラス板を下降させ下方に待機している冷却リング上に載置させてもよく、冷却リングを上昇させてガラス板下面を支持した後エアの噴出を止めてガラス板を冷却リング上に乗せたまま下降させてもよい。さらに、冷却ゾーンの後工程に搬送するための別の搬送手段を冷却ゾーン内に導入することは好ましい。この結果、冷却リングを再び成形ゾーンに移動させて、タクトの短縮が達成できるからである。
【0043】
冷却ゾーンから搬出されたガラス板は、別の搬送装置に受け渡され次の工程へ搬送され別の処理が施される(ステップ38)。一方、冷却リング10は待機し(ステップ37)、成形ゾーン5(図4)で次のガラス板が成形された後に、このガラス板を迎えに行く。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、曲げ成形されたガラス板を浮かせた状態で冷却するため、ガラス面全面に対しほぼ均一に冷却エアを流すことができ冷却効果が高まるとともに支持部材による型跡の形成が抑制される。またガラス板浮上時にガラス板の上面側(凹面側)を当接リングに突き当てて保持することにより、ガラス板に形成される型跡はガラス板の凹面側となり、したがってこのガラス板を自動車用窓ガラスとして用いた場合、型跡は自動車の車内面側になるため外観上の問題がなくなる。
【0045】
さらに、不連続体構造からなる当接リングでガラス板の上面周縁部を支持しながら冷却を行うため、この当接リングによる転写跡を最小限に抑えかつこの当接リングによる冷却エアのこもりを起こさずガラス板を充分に冷却しガラス板のエッジまで充分強化でき、またガラス板周縁部の形状精度を向上させることができる。このような効果は特にモールレスで使用される自動車用強化ガラスに対し適用したときに有効である。
【0046】
特に、上下の冷却エア噴き出し圧力を任意のタイミングで任意の大きさに変更可能とすることによって、ガラス板の表面をある程度急冷した後に、ガラス板を所定のタイミングで浮上させることによって、ガラス板を浮上させるための冷却エアの圧力差によってガラス板が変形することなく、ガラス板を急冷強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス板の急冷強化装置全体の構成の一例を示す構成説明図。
【図2】本発明に係るプレスリングの断面図。
【図3】本発明に係るガラス板成形用上型にガラス板を押し付けた状態を示す断面図。
【図4】本発明の別の例に係るガラス板の急冷強化装置の構成図。
【図5】本発明に係る冷却装置の構成の一例を示す構成説明図。
【図6】本発明に係る当接リングの構成説明図。
【図7】本発明に係るガラス板の急冷強化工程の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
2:ガラス板
3:搬送手段
5:成形ゾーン
6:上型
7:下型
9:プレスリングを加熱保温するための加熱ゾーン
10:冷却リング
11:冷却ゾーン
12:冷却エア噴出装置
14:曲げ成形後に冷却強化されたガラス板
15:搬送手段
20:上側冷却装置
21:下側冷却装置
22:当接リング
40:プレスリング

Claims (6)

  1. 急冷強化すべきガラス板を略水平にして、その上下両側にそれぞれ配した上側冷却エア噴き出し装置および下側冷却エア噴き出し装置により該ガラス板の上側および下側から冷却エアを吹き付けて急冷強化するガラス板の急冷強化方法において、前記上側冷却エア噴き出し装置の該ガラス板に対向する側に該ガラス板の形状に対応した形状を有する当接リングを設け、該ガラス板下側からの冷却エア噴き出し圧力を上側からの冷却エア噴き出し圧力より強くして、上下の噴き出しエア圧力差によりガラス板の下面側を浮かせ、該ガラス板の上面側と上側冷却エア噴き出し装置との間隔を保持した状態で該当接リングにガラス板周縁部を押し付けて、該ガラス板を急冷強化することを特徴とするガラス板の急冷強化方法。
  2. ガラス板を吸引保持可能な上型およびプレス用支持リングによってガラス板を曲げ成形した後に急冷強化する方法であって、前記曲げ成形時にこのガラス板の下面側周縁部を前記プレス用支持リングで支持するとともに上型側に押圧し、上型でガラス板を吸引保持してこのガラス板を曲げ成形した後、前記プレス用支持リングをガラス板から退避させ、上型の下方に冷却用支持リングを移動させて曲げ成形されたガラス板を受け取って、前記上側および下側の冷却エア噴き出し装置間に搬送し、該ガラス板を急冷強化する請求項1記載のガラス板の急冷強化方法。
  3. 該ガラス板の上面側と上側冷却エア噴き出し装置との間隔を保持した状態で該ガラス板周縁部を該当接リングに押し付けて、該ガラス板を急冷強化する前に、あらかじめガラス板下側からの冷却エア噴き出し圧力と上側からの冷却エア噴き出し圧力との圧力差をガラス板が浮上しない程度の圧力差としてガラス板を急冷する請求項1または2記載のガラス板の急冷強化方法。
  4. 上側冷却エア噴き出し装置と、下側冷却エア噴き出し装置と、該上側および下側冷却エア噴き出し装置間に曲げ成形されたガラス板を搬入する移送手段とを具備したガラス板の急冷強化装置において、前記上側および下側冷却エア噴き出し装置は互いの噴き出しエア圧力差によりガラス板を浮上させることが可能であるとともに、前記上側冷却エア噴き出し装置のガラス板に対向する側には、該ガラス板の形状に対応した形状を有する当接リングを備え、該噴き出しエア圧力差により浮上したガラス板の上面側周縁部が該当接リングに押し付けられて、該ガラス板の上面側と上側冷却エア噴き出し装置との間隔を保持した状態で、ガラス板を冷却するように構成されていることを特徴とするガラス板の急冷強化装置。
  5. ガラス板を吸引保持する上型と、前記上型の下方に設けられた昇降可能なプレス用支持リングとをさらに具備し、前記プレス用支持リングは、曲げ成形時にガラス板の下面側周縁部を支持するとともに上型側に押圧するものであり、前記移送手段は、前記上型によってガラス板が吸引保持された状態でプレス用支持リングが退避した後にガラス板を受け取り、前記上側および下側の冷却エア噴き出し装置間に搬入するように構成されている冷却用支持リングである請求項4記載のガラス板の急冷強化装置。
  6. 上側冷却エア噴き出し装置と下側冷却エア噴き出し装置とは、任意のタイミングでそれぞれの噴き出しエア圧力を任意に変更できるように構成されている請求項4または5記載のガラス板の急冷強化装置。
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