JP3596642B2 - プレート式造水装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え原料水を加熱する加熱部と、蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部と、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え蒸気を凝縮する凝縮部とを有するプレート式造水装置に関し、例えば船舶用の造水装置として好都合に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレート式造水装置では、特開昭54−89975号公報に見られるように、積層される熱交換用プレートの一枚毎にその長辺の一方側のガスケットが欠如したプレートを使用し、その長辺側から、蒸発器では蒸発した蒸気を放出し復水器ではその蒸気を導入するようにしている。そして、同公報にも記載されているように、これらはハウジング内に内蔵される。
【0003】
図5(a)は、上記のような構造の従来のプレート式造水装置を紹介した資料に示された図である(株式会社ジャパン・インダストリアル・パブリシング発行月刊誌“造船技術”1975年11月号108頁参照)。このプレート式造水装置では、蒸発器4´及び復水器6´が共に同じハウジング200で囲われていて、図中の矢印(追加表示したもの)に示す如く、蒸発器4´では積層されたプレート3´から一枚毎に上方に蒸気が吹き出し、これがハウジング200の空間部に流れ、デミスタ201を通過して復水器6´に入り、一枚毎にプレート間に蒸気が流入して復水されるようになっている。
【0004】
しかしながら、このような従来のプレート式造水装置は種々の問題を有する。即ち、全体が大きなハウジングで囲われているため、装置が大型化して重量が重くなり、材料も増えること、同図(b)に示す如く、矢印の方向にプレートを開放するときに、開放スペースや作業スペースが必要になるため、斜線で示すようなハウジング200を開くための大きな解放スペースを必要とすること、保守点検の度にハウジングを開く必要があり、多数のボルトを着脱しなければならずその作業が極めて煩雑であること、プレート支持解放用具やデミスタ等、ハウジング内に配置された原料水と接する部分に腐食対策を講ずる必要があること、ハウジングがプレート支持部分から大きくオーバーハングした形状であるため、重量バランスが悪く、耐振性が低いこと、等の問題を有する。
【0005】
なお、プレート式造水装置が船舶に搭載される場合には、小型軽量で占有スペースが小さいこと、保守点検が容易であること、耐振性があること等が特に重要視されるため、以上の問題点が一層クローズアップされる。
【0006】
又、上記の従来の装置では、一定の大きさのハウジングに対してはほぼ一定のプレート枚数しか装着できないので、ハウジングの寸法種類の制約から段階的な造水量しか得られないこと、小容量から大容量までの造水量に対する広範な要請を満たすためには装置の種類が多くなること、一度特定の大きさのハウジングの造水装置を装備すると、その後には殆ど造水量を増やせないこと、等の問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術に於ける上記問題を解決し、小形で設置スペース及び開放スペースが縮小され、保守点検や腐食対策が容易で、耐振性に優れ、効率良く殆ど無段階に造水量が得られ、製造後の造水量の増加も可能なプレート式造水装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え加熱媒体によって原料水を加熱する加熱部と、加熱された前記原料水の一部分が蒸発した蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部と、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え冷却媒体によって前記蒸気を凝縮する凝縮部と、を有するプレート式造水装置において、
前記加熱部の熱交換用プレートは交互に組み合わされた第1プレートと第2プレートから成りそれぞれ加熱された原料水を通過させる入口側及び出口側の開口と前記加熱媒体を通過させる加熱媒体入口及び加熱媒体出口とを備えていると共に前記第1プレートに設けられたシール部材であって前記第1プレートの外周並びに前記加熱媒体入口及び加熱媒体出口をシールする第1プレート用シール部材と前記第2プレートに設けられたシール部材であって前記第2プレートの外周並びに前記入口側及び出口側の開口をシールする第2プレート用シール部材とを備え、
前記凝縮部は真空になるように構成されていて該凝縮部の熱交換用プレートは交互に組み合わされた第3プレートと第4プレートから成りそれぞれ前記蒸気及びその凝縮水を通過させる入口側及び出口側の蒸気用開口及び蒸気凝縮水用開口と前記冷却媒体を通過させる冷却媒体入口及び冷却媒体出口とを備えていると共に前記第3プレートに設けられたシール部材であって前記第3プレートの外周並びに前記冷却媒体入口及び冷却媒体出口をシールする第3プレート用シール部材と前記第4プレートに設けられたシール部材であって前記第4プレートの外周並びに前記入口側及び出口側の蒸気用開口及び蒸気凝縮水用開口をシールする第4プレート用シール部材とを備え、
前記気水分離部は前記真空に近い真空にされるフラッシュチャンバーになっていて加熱された前記原料水であってその一部分がフラッシュ蒸発して前記蒸気になり残りの大部分がブラインとなって排出される前記原料水を導入する原料水入口と分離した前記蒸気を排出する蒸気出口と前記ブラインを排出するブライン出口とを備え、
前記一端側の熱交換用プレートの前記出口側の開口と前記原料水入口との間及び前記蒸気出口と前記一端側の熱交換用プレートの前記入口側の蒸気用開口との間を管で結合し、
一面側と反対面側とも持つ平板状の支持板を備え、前記凝縮部と前記加熱部とはこの順に前記一面側に上下方向に並べて配置され前記支持板によって支持されいて前記気水分離部は前記反対面側に前記支持板によって支持されていて、
ディーゼルエンジンを搭載した船舶に設けられていて前記ディーゼルエンジンのシリンダ冷却水を前記加熱媒体とし前記船舶に取り入れられる海水を前記原料水及び前記冷却媒体とした、
ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明を適用したプレート式造水装置の全体構造の一例を示し、図3はそのプレートの構造例を示す。
プレート式造水装置は、主要構成部分として、一端側である支持板1の側から他端側である締結板2の側に並設された複数枚の第1プレート乃至第4プレートから成る熱交換用プレートである伝熱プレート3を備え原料水を加熱する加熱部としての加熱器4、蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部としてのフラッシュチャッンバー5、加熱器4と同様な構造で蒸気を凝縮する凝縮部としての復水器6を有する。
【0012】
加熱器4及び復水器6は、図3(a)及び(b)に示す形状の伝熱プレート3(3a)、3(3b)が、加熱器4では第1プレート、第2プレートとして、復水器6では第3プレート、第4プレートとして、交互に多数枚組み合わされて形成されている。伝熱プレート3aは、プレート本体31、大サイズの開口32、その他の開口33乃至35、外周及び開口33、35をシールするガスケット36a、伝熱面37、並設されたプレート群を支持する支持ロッドを嵌め込むための切欠38、39等で構成されている。伝熱プレート3bも同様の構造であるが、ガスケット36bは外周及び開口32、34をシールする。このような構造により、開口32と34の間及び開口33と35の間が、それぞれプレート一枚毎に導通し、これらの間で異なった種類の流体を流し、熱交換させることができる。
【0013】
このような伝熱プレート3a、3bを交互に組み合わせれば、開口32は、並設された全ての伝熱プレート間で連通し、加熱器4では加熱された原料水を通過させる開口となり、復水器6では凝縮される蒸気を通過させる蒸気用開口となる。そして、開口32を大きな面積にしているので、この部分は蒸発室及び蒸留室としての機能を有する。又、その他の開口では、加熱器4及び復水器6に対して、開口34は原料水及び復水、開口33、35は加熱媒体及び冷却媒体の通過口となる。これらの開口の支持板1側のものについては、図1及び図2において概略位置を破線で示している。又図3では、加熱器に用いる場合の流体の流れ方向を実線で示し、復水器の場合を点線で示している。従って、第1プレート及び第2プレートには実線の流れになる伝熱プレート3a及び3bが該当し、第3プレート及び第4プレートには点線の流れになる伝熱プレート3a及び3bが該当することになる。
【0014】
フラッシュチャッンバー5は、縦長の円筒形状になっていて、加熱された原料水を導入する原料水入口51及び分離した蒸気を排出する蒸気出口52を備えていると共に、図示していないが、蒸気の流れを案内する整流板、複数の半月板デミスタ、メッシュセパレータ等を内蔵している。原料水入口51及び蒸気出口52は、それぞれ、加熱器4及び復水器6の支持板1側の伝熱プレートの開口32と、支持板1並びにフランジ71及び81を介して結合部材である管7及び8によって結合されている。
【0015】
支持板1は、補強材11及び据付台12と共に支持構造体を構成し、復水器6及び加熱器4をこの順に上下に並べて支持すると共に、これらの反対側においてこれらと対応する位置にフラッシュチャッンバー5を支持している。加熱器4及び復水器6は、それぞれ、支持板1に固定された支持ロッド13、14を切欠38、39に嵌め込むことによって支持されている。支持板1には、ネジ部分を備えた締結ロッド15も取り付けられている。そして、締結板2を介してそれぞれの伝熱プレート3をナット16で締め付け、それぞれのガスケット36a、36bを対向するプレートの裏面側に圧接させることにより、伝熱面37内の流体をそれぞれのプレート間隔内に保持し、外部に漏洩させないようにしている。
【0016】
なお、プレート式造水装置は、スケール析出を抑制するために原料水供給ラインに薬液を注入する薬注装置96、検塩計97、その他計器類、弁類、電装品等、通常の造水装置と同様に種々の附属品を備えている。
【0017】
図4は、本発明を適用した図1乃至図3に示すプレート式造水装置を船舶に用いた例を示す。図4を中心として図1乃至図3を参照しつつ説明する。
この例の船舶は推進機関としてディーゼルエンジンを搭載し、プレート式造水装置はこのディーゼルエンジンのシリンダ冷却のための排熱を利用している。伝熱プレート3において冷却媒体が通過する復水器6の開口33には、別途装備された冷却海水ポンプ100から海水が導入され、フラッシュチャッンバー5の蒸気出口52から開口32に流入した蒸気を冷却して復水させる。海水は、蒸気と熱交換してある程度温度上昇し、開口35から流出し、その一部分は造水用の原料水となって加熱器4の開口34に導入されると共に、残りが水エゼクタ91に導入され、その駆動水として作動した後船外に排出される。
【0018】
復水器6では、開口34から配管92を介して蒸留水ポンプ93によって復水が蒸留水として吸い出され、蒸留水冷却器94で冷却された後、図示しない船内の蒸留水タンクに送られる。又、復水器6内の真空を維持するために、配管92の上部には、水エダクタ91の最大負圧部に接続された抽気系統95が接続されている。なお、開口34は冷却海水入口33の側に配置されていて、この部分は最も低温になっているため、随伴蒸気が少なく効率的に抽気されている。
【0019】
加熱器4には、ディーゼルエンジンのシリンダを冷却し温度上昇した冷却清水が開口35から流入し、開口34から流入した原料海水に排熱を与えてその一部分を蒸発させた後、開口33から排出され、図示しない清水冷却器を経由して再びシリンダに送られる。蒸気を含み比容積の大きくなった海水は、伝熱プレートの大きな開口32から出て原料水入口51からフラッシュチャッンバー5内に導入される。フラッシュチャッンバー5内は復水器6と導通しているためこれに近い真空になっていて、導入された原料海水の一部分はこの中でフラッシュ蒸発し、蒸気は図示しないデミスタ及びメッシュセパレータによって微細な水滴分を除去された後、圧力差で復水器6に送られる。一方、一部分の蒸気を蒸発させた残りの高濃度の原料海水は、ブラインとなってフラッシュチャッンバー5の底部に滞留した後、水エゼクタ91の低圧部で吸引され、船外に排出される。
【0020】
なお上記では、加熱媒体としてディーゼルエンジンのシリンダ冷却水を用いた例を示したが、本発明のプレート式造水装置には、例えば低圧蒸気等、他の加熱媒体を使用できることは勿論である。
【0021】
以上のようなプレート式造水装置は、従来型のものに較べて、次のような種々の長所を備えている。
加熱器4及び復水器6がカバーで覆われることなく露出しているため、伝熱プレート3の解放、点検、交換等は、ナット16を弛めて締結板2を取外し、プレートを引き抜くだけの極めて簡単な作業で行える。又解放スペースは、締結ロッド15の先端で人が作業できるだけあればよいので、図5に示す従来の装置よりも大幅に小さくなる。そして、フラッシュチャッンバー5の設置スペースを加えても、全体として造水装置の占有するスペースは縮小される。
【0022】
支持ロッド14や締結ロッド15の長さを長めにしておけば、伝熱プレート3を自由に増設でき、同じ形式の装置で、殆ど無段階に異なった造水量を得ることができる。例えば、プレート寸法毎に異なった3種類の形式の造水装置により、プレート枚数の増減によって次のような範囲の造水量が得られる。
【0023】
【0024】
従って、経年変化等によって造水量が低下したり、船における水の使用量が増加したような場合には、容易に伝熱プレートを増設し、このような要請に応えることができる。又、造水装置の設計の自由度が極めて高くなり、船内の消費水量の計画や配置計画も容易になる。
【0025】
又、締結板2、支持ロッド14、締結ロッド15、ナット16等は全て外部に露出していて、蒸発室内のような腐食環境下に曝されていないので、従来の装置で行われていたこれらの全てに対する腐食対策が不要になる。その結果、通常の材質を使用でき、耐久性の向上やコストの低減等が図られる。
【0026】
更に、支持構造体の中心となる支持板1に対して、その両側に伝熱プレート群とフラッシュチャッンバー5とを振り分けて装着できるので、大きくオーバーハングしたハウジングを持つ従来の装置よりも、重量バランスが改善されていて、耐振性が良くなる。又、フラッシュチャッンバー5が縦長の形状で上下に配置された加熱器4と復水器6の両方に対向するように装着されているので、両者を結合する管7、8を最小寸法にすることができる。その結果、これらを全て独立に外部に露出させた構造にしても、全体を極めてコンパクトに纏めることができ、余分な材料等も殆ど発生しない。そして、蒸気を含みフラッシュする原料水が下方から入り、蒸気が上方から取り出されるので、その間の高低差による比重分離効果が活用されため、気水分離性能が良くなる。
【0027】
なお、造水装置を設置して稼動させた後、ガスケット等の経時的変化によって伝熱プレート間から流体が漏出したときには、本発明のプレート式造水装置では、これを外部から容易に発見し、締結ロッド15に装着されたナット16を増締めする等、容易且つ確実に対策を講ずることができる。
【0028】
一方、船舶では、できるだけ積荷を多くするために機関室は必要最小限に狭められるので、機器の小形化や解放スペースの縮小に対する要請は極めて大きい。又、乗組員の減少等のため、機器のメンテナンスフリーに対する要請も強い。更に、エンジンやプロペラ等の大きな起振源があるため、船体振動が発生し易く、搭載機器には耐振性が要求される。又、経年変化に伴う造水量の減少を防止する必要もある。従って、以上のような種々の特長を備えた本発明のプレート式造水装置は、船舶に搭載するときには特に大きな効果を発揮することになる。
【0029】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、加熱部及び凝縮部の熱交換用プレートの外周がシール部材でシールされているので、従来の装置のようにプレート間から直接外部に蒸気が吹き出したり、外部から蒸気が入り込むことがない。そして、加熱部及び凝縮部にそれぞれ加熱された原料水を通過させる開口及び凝縮される蒸気を通過させる蒸気用開口を設けると共に、これらの開口を、気水分離部に設けた原料水入口及び蒸気出口に結合部材によって結合するので、流体を外部に出すことなく、これらの各部間で流すことができる。
【0030】
このような構成により、加熱部、凝縮部及び気水分離部をそれぞれ外部に露出した独立構造にすることができる。その結果、加熱部及び復水部の熱交換用プレートの解放、点検、交換等が容易になる。又、加熱部、復水部及び気水分離部の全てを囲うような大きなハウジングがないため、造水装置の占有するスペースが縮小され、重量が軽減され材料も節約される。
【0031】
又、熱交換器用プレートの枚数を自由に増設できるので、少ない機種で殆ど無段階に幅広い範囲の造水量を得ることができる。その結果、製造者側及び使用者側における設計等の自由度が増す。造水装置を設置後に造水量を増加する必要が生じたり経年的な造水量の低下を補う場合にも、プレートの増設により容易に対応することができる。
【0032】
更に、加熱器及び復水器を構成する外部装置が腐食環境に曝されないので、これらに対する腐食対策が不要になり、耐久性の向上や材料費の低減等が図られる。又、重量バランスの悪いハウジングがないため、耐振性も向上する。
【0033】
そして、プレート式造水装置が船舶に搭載される場合には、その特殊な環境条件から、以上の種々の作用効果が一層顕著に発揮される。
請求項2の発明においては、上記に加えて、加熱部と凝縮部とを上下方向に並べて支持する支持構造体を設けるので、設置スペースが一層節約されると共に、少なくとも加熱部と凝縮部とがユニット化されるので、装置の据付け作業が容易になる。
【0034】
請求項3の発明においては、凝縮部と加熱部とをこの順に上下に配置すると共に、気水分離部を縦長の形状にして、凝縮部及び加熱部の反対側においてこれらに対応する位置で支持構造体に取り付ける。その結果、装置の主要構造部が全てユニット化され、装置の据付けが一層容易になると共に、重量バランスが良く、耐振性が向上する。又、気水分離性能も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明を適用したプレート式造水装置の一例を示す斜視図である。
【図2】上記装置を他の方向から見た斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は上記装置の伝熱プレートの構造例を示す平面図である。
【図4】ディーゼルエンジンのシリンダ冷却水の排熱を利用して上記装置を構成した場合の系統図である。
【図5】従来のプレート式造水装置を示し、(a)は断面図で(b)はハウジングの解放スペースを示す説明図である。
【符号の説明】
1 支持板(支持構造体)
3(3a、3b) 伝熱プレート(熱交換用プレート)
4 加熱器(加熱部)
5 フラッシュチャッンバー(気水分離部)
6 復水器(凝縮部)
7、8 管(結合部材)
32 開口(開口、蒸気用開口)
36a、36b ガスケット(シール部材)
51 原料水入口
52 蒸気出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え原料水を加熱する加熱部と、蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部と、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え蒸気を凝縮する凝縮部とを有するプレート式造水装置に関し、例えば船舶用の造水装置として好都合に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレート式造水装置では、特開昭54−89975号公報に見られるように、積層される熱交換用プレートの一枚毎にその長辺の一方側のガスケットが欠如したプレートを使用し、その長辺側から、蒸発器では蒸発した蒸気を放出し復水器ではその蒸気を導入するようにしている。そして、同公報にも記載されているように、これらはハウジング内に内蔵される。
【0003】
図5(a)は、上記のような構造の従来のプレート式造水装置を紹介した資料に示された図である(株式会社ジャパン・インダストリアル・パブリシング発行月刊誌“造船技術”1975年11月号108頁参照)。このプレート式造水装置では、蒸発器4´及び復水器6´が共に同じハウジング200で囲われていて、図中の矢印(追加表示したもの)に示す如く、蒸発器4´では積層されたプレート3´から一枚毎に上方に蒸気が吹き出し、これがハウジング200の空間部に流れ、デミスタ201を通過して復水器6´に入り、一枚毎にプレート間に蒸気が流入して復水されるようになっている。
【0004】
しかしながら、このような従来のプレート式造水装置は種々の問題を有する。即ち、全体が大きなハウジングで囲われているため、装置が大型化して重量が重くなり、材料も増えること、同図(b)に示す如く、矢印の方向にプレートを開放するときに、開放スペースや作業スペースが必要になるため、斜線で示すようなハウジング200を開くための大きな解放スペースを必要とすること、保守点検の度にハウジングを開く必要があり、多数のボルトを着脱しなければならずその作業が極めて煩雑であること、プレート支持解放用具やデミスタ等、ハウジング内に配置された原料水と接する部分に腐食対策を講ずる必要があること、ハウジングがプレート支持部分から大きくオーバーハングした形状であるため、重量バランスが悪く、耐振性が低いこと、等の問題を有する。
【0005】
なお、プレート式造水装置が船舶に搭載される場合には、小型軽量で占有スペースが小さいこと、保守点検が容易であること、耐振性があること等が特に重要視されるため、以上の問題点が一層クローズアップされる。
【0006】
又、上記の従来の装置では、一定の大きさのハウジングに対してはほぼ一定のプレート枚数しか装着できないので、ハウジングの寸法種類の制約から段階的な造水量しか得られないこと、小容量から大容量までの造水量に対する広範な要請を満たすためには装置の種類が多くなること、一度特定の大きさのハウジングの造水装置を装備すると、その後には殆ど造水量を増やせないこと、等の問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術に於ける上記問題を解決し、小形で設置スペース及び開放スペースが縮小され、保守点検や腐食対策が容易で、耐振性に優れ、効率良く殆ど無段階に造水量が得られ、製造後の造水量の増加も可能なプレート式造水装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え加熱媒体によって原料水を加熱する加熱部と、加熱された前記原料水の一部分が蒸発した蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部と、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え冷却媒体によって前記蒸気を凝縮する凝縮部と、を有するプレート式造水装置において、
前記加熱部の熱交換用プレートは交互に組み合わされた第1プレートと第2プレートから成りそれぞれ加熱された原料水を通過させる入口側及び出口側の開口と前記加熱媒体を通過させる加熱媒体入口及び加熱媒体出口とを備えていると共に前記第1プレートに設けられたシール部材であって前記第1プレートの外周並びに前記加熱媒体入口及び加熱媒体出口をシールする第1プレート用シール部材と前記第2プレートに設けられたシール部材であって前記第2プレートの外周並びに前記入口側及び出口側の開口をシールする第2プレート用シール部材とを備え、
前記凝縮部は真空になるように構成されていて該凝縮部の熱交換用プレートは交互に組み合わされた第3プレートと第4プレートから成りそれぞれ前記蒸気及びその凝縮水を通過させる入口側及び出口側の蒸気用開口及び蒸気凝縮水用開口と前記冷却媒体を通過させる冷却媒体入口及び冷却媒体出口とを備えていると共に前記第3プレートに設けられたシール部材であって前記第3プレートの外周並びに前記冷却媒体入口及び冷却媒体出口をシールする第3プレート用シール部材と前記第4プレートに設けられたシール部材であって前記第4プレートの外周並びに前記入口側及び出口側の蒸気用開口及び蒸気凝縮水用開口をシールする第4プレート用シール部材とを備え、
前記気水分離部は前記真空に近い真空にされるフラッシュチャンバーになっていて加熱された前記原料水であってその一部分がフラッシュ蒸発して前記蒸気になり残りの大部分がブラインとなって排出される前記原料水を導入する原料水入口と分離した前記蒸気を排出する蒸気出口と前記ブラインを排出するブライン出口とを備え、
前記一端側の熱交換用プレートの前記出口側の開口と前記原料水入口との間及び前記蒸気出口と前記一端側の熱交換用プレートの前記入口側の蒸気用開口との間を管で結合し、
一面側と反対面側とも持つ平板状の支持板を備え、前記凝縮部と前記加熱部とはこの順に前記一面側に上下方向に並べて配置され前記支持板によって支持されいて前記気水分離部は前記反対面側に前記支持板によって支持されていて、
ディーゼルエンジンを搭載した船舶に設けられていて前記ディーゼルエンジンのシリンダ冷却水を前記加熱媒体とし前記船舶に取り入れられる海水を前記原料水及び前記冷却媒体とした、
ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明を適用したプレート式造水装置の全体構造の一例を示し、図3はそのプレートの構造例を示す。
プレート式造水装置は、主要構成部分として、一端側である支持板1の側から他端側である締結板2の側に並設された複数枚の第1プレート乃至第4プレートから成る熱交換用プレートである伝熱プレート3を備え原料水を加熱する加熱部としての加熱器4、蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部としてのフラッシュチャッンバー5、加熱器4と同様な構造で蒸気を凝縮する凝縮部としての復水器6を有する。
【0012】
加熱器4及び復水器6は、図3(a)及び(b)に示す形状の伝熱プレート3(3a)、3(3b)が、加熱器4では第1プレート、第2プレートとして、復水器6では第3プレート、第4プレートとして、交互に多数枚組み合わされて形成されている。伝熱プレート3aは、プレート本体31、大サイズの開口32、その他の開口33乃至35、外周及び開口33、35をシールするガスケット36a、伝熱面37、並設されたプレート群を支持する支持ロッドを嵌め込むための切欠38、39等で構成されている。伝熱プレート3bも同様の構造であるが、ガスケット36bは外周及び開口32、34をシールする。このような構造により、開口32と34の間及び開口33と35の間が、それぞれプレート一枚毎に導通し、これらの間で異なった種類の流体を流し、熱交換させることができる。
【0013】
このような伝熱プレート3a、3bを交互に組み合わせれば、開口32は、並設された全ての伝熱プレート間で連通し、加熱器4では加熱された原料水を通過させる開口となり、復水器6では凝縮される蒸気を通過させる蒸気用開口となる。そして、開口32を大きな面積にしているので、この部分は蒸発室及び蒸留室としての機能を有する。又、その他の開口では、加熱器4及び復水器6に対して、開口34は原料水及び復水、開口33、35は加熱媒体及び冷却媒体の通過口となる。これらの開口の支持板1側のものについては、図1及び図2において概略位置を破線で示している。又図3では、加熱器に用いる場合の流体の流れ方向を実線で示し、復水器の場合を点線で示している。従って、第1プレート及び第2プレートには実線の流れになる伝熱プレート3a及び3bが該当し、第3プレート及び第4プレートには点線の流れになる伝熱プレート3a及び3bが該当することになる。
【0014】
フラッシュチャッンバー5は、縦長の円筒形状になっていて、加熱された原料水を導入する原料水入口51及び分離した蒸気を排出する蒸気出口52を備えていると共に、図示していないが、蒸気の流れを案内する整流板、複数の半月板デミスタ、メッシュセパレータ等を内蔵している。原料水入口51及び蒸気出口52は、それぞれ、加熱器4及び復水器6の支持板1側の伝熱プレートの開口32と、支持板1並びにフランジ71及び81を介して結合部材である管7及び8によって結合されている。
【0015】
支持板1は、補強材11及び据付台12と共に支持構造体を構成し、復水器6及び加熱器4をこの順に上下に並べて支持すると共に、これらの反対側においてこれらと対応する位置にフラッシュチャッンバー5を支持している。加熱器4及び復水器6は、それぞれ、支持板1に固定された支持ロッド13、14を切欠38、39に嵌め込むことによって支持されている。支持板1には、ネジ部分を備えた締結ロッド15も取り付けられている。そして、締結板2を介してそれぞれの伝熱プレート3をナット16で締め付け、それぞれのガスケット36a、36bを対向するプレートの裏面側に圧接させることにより、伝熱面37内の流体をそれぞれのプレート間隔内に保持し、外部に漏洩させないようにしている。
【0016】
なお、プレート式造水装置は、スケール析出を抑制するために原料水供給ラインに薬液を注入する薬注装置96、検塩計97、その他計器類、弁類、電装品等、通常の造水装置と同様に種々の附属品を備えている。
【0017】
図4は、本発明を適用した図1乃至図3に示すプレート式造水装置を船舶に用いた例を示す。図4を中心として図1乃至図3を参照しつつ説明する。
この例の船舶は推進機関としてディーゼルエンジンを搭載し、プレート式造水装置はこのディーゼルエンジンのシリンダ冷却のための排熱を利用している。伝熱プレート3において冷却媒体が通過する復水器6の開口33には、別途装備された冷却海水ポンプ100から海水が導入され、フラッシュチャッンバー5の蒸気出口52から開口32に流入した蒸気を冷却して復水させる。海水は、蒸気と熱交換してある程度温度上昇し、開口35から流出し、その一部分は造水用の原料水となって加熱器4の開口34に導入されると共に、残りが水エゼクタ91に導入され、その駆動水として作動した後船外に排出される。
【0018】
復水器6では、開口34から配管92を介して蒸留水ポンプ93によって復水が蒸留水として吸い出され、蒸留水冷却器94で冷却された後、図示しない船内の蒸留水タンクに送られる。又、復水器6内の真空を維持するために、配管92の上部には、水エダクタ91の最大負圧部に接続された抽気系統95が接続されている。なお、開口34は冷却海水入口33の側に配置されていて、この部分は最も低温になっているため、随伴蒸気が少なく効率的に抽気されている。
【0019】
加熱器4には、ディーゼルエンジンのシリンダを冷却し温度上昇した冷却清水が開口35から流入し、開口34から流入した原料海水に排熱を与えてその一部分を蒸発させた後、開口33から排出され、図示しない清水冷却器を経由して再びシリンダに送られる。蒸気を含み比容積の大きくなった海水は、伝熱プレートの大きな開口32から出て原料水入口51からフラッシュチャッンバー5内に導入される。フラッシュチャッンバー5内は復水器6と導通しているためこれに近い真空になっていて、導入された原料海水の一部分はこの中でフラッシュ蒸発し、蒸気は図示しないデミスタ及びメッシュセパレータによって微細な水滴分を除去された後、圧力差で復水器6に送られる。一方、一部分の蒸気を蒸発させた残りの高濃度の原料海水は、ブラインとなってフラッシュチャッンバー5の底部に滞留した後、水エゼクタ91の低圧部で吸引され、船外に排出される。
【0020】
なお上記では、加熱媒体としてディーゼルエンジンのシリンダ冷却水を用いた例を示したが、本発明のプレート式造水装置には、例えば低圧蒸気等、他の加熱媒体を使用できることは勿論である。
【0021】
以上のようなプレート式造水装置は、従来型のものに較べて、次のような種々の長所を備えている。
加熱器4及び復水器6がカバーで覆われることなく露出しているため、伝熱プレート3の解放、点検、交換等は、ナット16を弛めて締結板2を取外し、プレートを引き抜くだけの極めて簡単な作業で行える。又解放スペースは、締結ロッド15の先端で人が作業できるだけあればよいので、図5に示す従来の装置よりも大幅に小さくなる。そして、フラッシュチャッンバー5の設置スペースを加えても、全体として造水装置の占有するスペースは縮小される。
【0022】
支持ロッド14や締結ロッド15の長さを長めにしておけば、伝熱プレート3を自由に増設でき、同じ形式の装置で、殆ど無段階に異なった造水量を得ることができる。例えば、プレート寸法毎に異なった3種類の形式の造水装置により、プレート枚数の増減によって次のような範囲の造水量が得られる。
【0023】
【0024】
従って、経年変化等によって造水量が低下したり、船における水の使用量が増加したような場合には、容易に伝熱プレートを増設し、このような要請に応えることができる。又、造水装置の設計の自由度が極めて高くなり、船内の消費水量の計画や配置計画も容易になる。
【0025】
又、締結板2、支持ロッド14、締結ロッド15、ナット16等は全て外部に露出していて、蒸発室内のような腐食環境下に曝されていないので、従来の装置で行われていたこれらの全てに対する腐食対策が不要になる。その結果、通常の材質を使用でき、耐久性の向上やコストの低減等が図られる。
【0026】
更に、支持構造体の中心となる支持板1に対して、その両側に伝熱プレート群とフラッシュチャッンバー5とを振り分けて装着できるので、大きくオーバーハングしたハウジングを持つ従来の装置よりも、重量バランスが改善されていて、耐振性が良くなる。又、フラッシュチャッンバー5が縦長の形状で上下に配置された加熱器4と復水器6の両方に対向するように装着されているので、両者を結合する管7、8を最小寸法にすることができる。その結果、これらを全て独立に外部に露出させた構造にしても、全体を極めてコンパクトに纏めることができ、余分な材料等も殆ど発生しない。そして、蒸気を含みフラッシュする原料水が下方から入り、蒸気が上方から取り出されるので、その間の高低差による比重分離効果が活用されため、気水分離性能が良くなる。
【0027】
なお、造水装置を設置して稼動させた後、ガスケット等の経時的変化によって伝熱プレート間から流体が漏出したときには、本発明のプレート式造水装置では、これを外部から容易に発見し、締結ロッド15に装着されたナット16を増締めする等、容易且つ確実に対策を講ずることができる。
【0028】
一方、船舶では、できるだけ積荷を多くするために機関室は必要最小限に狭められるので、機器の小形化や解放スペースの縮小に対する要請は極めて大きい。又、乗組員の減少等のため、機器のメンテナンスフリーに対する要請も強い。更に、エンジンやプロペラ等の大きな起振源があるため、船体振動が発生し易く、搭載機器には耐振性が要求される。又、経年変化に伴う造水量の減少を防止する必要もある。従って、以上のような種々の特長を備えた本発明のプレート式造水装置は、船舶に搭載するときには特に大きな効果を発揮することになる。
【0029】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、加熱部及び凝縮部の熱交換用プレートの外周がシール部材でシールされているので、従来の装置のようにプレート間から直接外部に蒸気が吹き出したり、外部から蒸気が入り込むことがない。そして、加熱部及び凝縮部にそれぞれ加熱された原料水を通過させる開口及び凝縮される蒸気を通過させる蒸気用開口を設けると共に、これらの開口を、気水分離部に設けた原料水入口及び蒸気出口に結合部材によって結合するので、流体を外部に出すことなく、これらの各部間で流すことができる。
【0030】
このような構成により、加熱部、凝縮部及び気水分離部をそれぞれ外部に露出した独立構造にすることができる。その結果、加熱部及び復水部の熱交換用プレートの解放、点検、交換等が容易になる。又、加熱部、復水部及び気水分離部の全てを囲うような大きなハウジングがないため、造水装置の占有するスペースが縮小され、重量が軽減され材料も節約される。
【0031】
又、熱交換器用プレートの枚数を自由に増設できるので、少ない機種で殆ど無段階に幅広い範囲の造水量を得ることができる。その結果、製造者側及び使用者側における設計等の自由度が増す。造水装置を設置後に造水量を増加する必要が生じたり経年的な造水量の低下を補う場合にも、プレートの増設により容易に対応することができる。
【0032】
更に、加熱器及び復水器を構成する外部装置が腐食環境に曝されないので、これらに対する腐食対策が不要になり、耐久性の向上や材料費の低減等が図られる。又、重量バランスの悪いハウジングがないため、耐振性も向上する。
【0033】
そして、プレート式造水装置が船舶に搭載される場合には、その特殊な環境条件から、以上の種々の作用効果が一層顕著に発揮される。
請求項2の発明においては、上記に加えて、加熱部と凝縮部とを上下方向に並べて支持する支持構造体を設けるので、設置スペースが一層節約されると共に、少なくとも加熱部と凝縮部とがユニット化されるので、装置の据付け作業が容易になる。
【0034】
請求項3の発明においては、凝縮部と加熱部とをこの順に上下に配置すると共に、気水分離部を縦長の形状にして、凝縮部及び加熱部の反対側においてこれらに対応する位置で支持構造体に取り付ける。その結果、装置の主要構造部が全てユニット化され、装置の据付けが一層容易になると共に、重量バランスが良く、耐振性が向上する。又、気水分離性能も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明を適用したプレート式造水装置の一例を示す斜視図である。
【図2】上記装置を他の方向から見た斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は上記装置の伝熱プレートの構造例を示す平面図である。
【図4】ディーゼルエンジンのシリンダ冷却水の排熱を利用して上記装置を構成した場合の系統図である。
【図5】従来のプレート式造水装置を示し、(a)は断面図で(b)はハウジングの解放スペースを示す説明図である。
【符号の説明】
1 支持板(支持構造体)
3(3a、3b) 伝熱プレート(熱交換用プレート)
4 加熱器(加熱部)
5 フラッシュチャッンバー(気水分離部)
6 復水器(凝縮部)
7、8 管(結合部材)
32 開口(開口、蒸気用開口)
36a、36b ガスケット(シール部材)
51 原料水入口
52 蒸気出口
Claims (1)
- 一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え加熱媒体によって原料水を加熱する加熱部と、加熱された前記原料水の一部分が蒸発した蒸気から原料水の水分を分離する気水分離部と、一端側から他端側に並設された複数枚の熱交換用プレートを備え冷却媒体によって前記蒸気を凝縮する凝縮部と、を有するプレート式造水装置において、
前記加熱部の熱交換用プレートは交互に組み合わされた第1プレートと第2プレートから成りそれぞれ加熱された原料水を通過させる入口側及び出口側の開口と前記加熱媒体を通過させる加熱媒体入口及び加熱媒体出口とを備えていると共に前記第1プレートに設けられたシール部材であって前記第1プレートの外周並びに前記加熱媒体入口及び加熱媒体出口をシールする第1プレート用シール部材と前記第2プレートに設けられたシール部材であって前記第2プレートの外周並びに前記入口側及び出口側の開口をシールする第2プレート用シール部材とを備え、
前記凝縮部は真空になるように構成されていて該凝縮部の熱交換用プレートは交互に組み合わされた第3プレートと第4プレートから成りそれぞれ前記蒸気及びその凝縮水を通過させる入口側及び出口側の蒸気用開口及び蒸気凝縮水用開口と前記冷却媒体を通過させる冷却媒体入口及び冷却媒体出口とを備えていると共に前記第3プレートに設けられたシール部材であって前記第3プレートの外周並びに前記冷却媒体入口及び冷却媒体出口をシールする第3プレート用シール部材と前記第4プレートに設けられたシール部材であって前記第4プレートの外周並びに前記入口側及び出口側の蒸気用開口及び蒸気凝縮水用開口をシールする第4プレート用シール部材とを備え、
前記気水分離部は前記真空に近い真空にされるフラッシュチャンバーになっていて加熱された前記原料水であってその一部分がフラッシュ蒸発して前記蒸気になり残りの大部分がブラインとなって排出される前記原料水を導入する原料水入口と分離した前記蒸気を排出する蒸気出口と前記ブラインを排出するブライン出口とを備え、
前記一端側の熱交換用プレートの前記出口側の開口と前記原料水入口との間及び前記蒸気出口と前記一端側の熱交換用プレートの前記入口側の蒸気用開口との間を管で結合し、
一面側と反対面側とも持つ平板状の支持板を備え、前記凝縮部と前記加熱部とはこの順に前記一面側に上下方向に並べて配置され前記支持板によって支持されいて前記気水分離部は前記反対面側に前記支持板によって支持されていて、
ディーゼルエンジンを搭載した船舶に設けられていて前記ディーゼルエンジンのシリンダ冷却水を前記加熱媒体とし前記船舶に取り入れられる海水を前記原料水及び前記冷却媒体とした、
ことを特徴とするプレート式造水装置。
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