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JP3595677B2 - 光アイソレータ、分布帰還型レーザ及び光集積素子 - Google Patents

光アイソレータ、分布帰還型レーザ及び光集積素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光アイソレータ、分布帰還型レーザ及び光集積素子に関する。さらに具体的には、本発明は、コンパクトで高い方向性を有し光の結合も良好な導波路型光アイソレータ、分布帰還型レーザ及びそれらをモノリシックに集積した光集積素子に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
分布帰還型レーザ(DFBレーザ:Distributed FeedBack laser)は、導波路に沿って回折格子を設け、この回折格子からのブラッグ(Bragg )回折光を光帰還(optical feedback)に利用してレーザ発振を生じさせることを特徴とする。発振縦モードが、この回折格子の周期により選択されるため、単一縦モード(single longitudinal mode)発振が可能であるという利点を有する。DFBレーザは、このような利点を生かして、光ファイバを介した高速光通信や計測用の光源として利用されている。
【0003】
ところが、DFBレーザは戻り光に弱いという欠点がある。すなわち、せっかく発振していた単一縦モードの発振条件が、外部からの戻り光により乱されという問題がある。そのため、発振波長が変動したり(波長チャープ(chirp )という)、最悪の場合は縦モードのジャンプ等の不安定性が生ずる。
【0004】
したがって、DFBレーザには光アイソレータが必要である。一般に用いられている光アイソレータは、ファラデー(Faraday )素子を用いるものが多い。光アイソレータを開示した文献としては、例えば、伊藤良一、中村道治著、“半導体レーザ”、培風館、ISBN4−563−03437−1,C3055,P6386E、p.276−277を挙げることができる。しかし、このような従来の光アイソレータは、材料的にDFBレーザとは異なるために、DFBレーザ素子とモノリシックに集積することが困難であった。従って、DFBレーザとは別の部品として製造され、これらの光軸が合うように調節して組み立てる必要があった。また、これらの光アイソレータは、磁界を必要とするためサイズも大きく、価格も高価であり、DFBレーザを搭載したモジュールのコストも高いという問題があった。
【0005】
このような問題に対して、半導体基板に集積できる全く別のタイプの光アイソレータが提案されている。このタイプの光アイソレータを開示した文献としては、例えば、特開平8−179142号公報を挙げることができる。
【0006】
図8は、この光アイソレータの概略構成を例示した概念斜視図である。同図に表した光アイソレータは、半導体基板Sの上において回折格子111を導波方向に対して斜めに配置し、かつ導波構造の片側の屈折率nを低くして非対称化し、戻り光はn側に放射モードとして散逸させるようにしている。
しかし、この構成においては、次のような欠点がある。つまり、導波構造が左右非対称であるため、出力ビームも左右非対称の分布を有し、光ファイバとの結合性が劣化する。また、屈折率の異なるnの層を別個に結晶成長しなければならず、製造工程が複雑になる。さらに、斜めに形成した回折格子を利用するとDFBレーザとしての結合が劣化する。
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものである。すなわち、その目的は、高い方向性を有し、小型で、光ファイバやDFBレーザとの結合も良好で、製造も容易な光アイソレータ、分布帰還型レーザおよびこれらを集積した光集積素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の光アイソレータは、断面形状が鋸歯状の2次以上の回折格子を有する導波路と、前記導波路の上または下のいずれか一方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻すようにした反射構造と、前記導波路の上または下の他方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻さないようにした非反射構造と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の分布帰還型レーザは、活性層と、断面形状が鋸歯状の2次以上の回折格子を有する導波路と、前記導波路の上または下のいずれか一方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻すようにした反射構造と、前記導波路の上または下の他方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻さないようにした非反射構造と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記反射構造は、前記導波路からしみ出して伝搬する導波モード光に影響を与えないように前記導波路から離れて設けられ、前記非反射構造は、前記導波路からしみ出して伝搬する導波モード光に影響を与えないように前記導波路から離れて設けられたことを特徴とする。
【0011】
また、前記非反射構造は、前記導波路を構成する半導体材料よりも小さいバンドギャップを有する半導体材料により構成されたことを特徴とする。
【0012】
または、前記非反射構造は、前記放射モード光に対する無反射コートであることを特徴とする。
【0013】
また、前記反射構造は、前記放射モード光に対するブラッグ多層反射膜であることを特徴とする。
【0014】
また、前記回折格子は、複数の異なる周期を有することを特徴とする。
【0015】
また、前記導波路の実効屈折率が一定でないものとして構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記回折格子は、少なくとも1つ以上の位相シフトを有することを特徴とする。
【0017】
一方、本発明の光集積素子は、前述したいずれかの光アイソレータと、前述したいずれかの分布帰還型レーザとがモノリシックに集積されてなることを特徴とする。
【0018】
また、外部変調器がさらに集積されてなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、鋸歯状の断面形状を有する2次以上の回折格子と、その上または下のいずれかの側に配置した反射構造とにより、高い方向性を有する光アイソレータを提供するものである。すなわち、一般に、2次以上の回折格子を有する導波構造においては、導波光は放射モードとして散逸する。しかし、それを反射して導波路に戻すと散逸による損失が減る。ブレーズ回折格子、すなわち、非対称の断面形状を有する回折格子を用いた場合には、導波光の進行方向にいずれかについて、放射モードが極端に強くなる。従って、この方向に反射構造を設けると損失は減る。この反対側においては、反射構造を設けずに放射モードを散逸させても、もともと放射モードが少ないので損失は少ない。
【0020】
一方、導波光が逆方向に進行した場合は、反射構造を設けない散逸側の放射モードが増え、反射構造側の放射モードが少なくなる。したがって、逆方向の進行波に対しての損失が大きくなる。このようにして導波光の進行方向に依存して損失が異なる光アイソレータを実現することができる。
この光アイソレータは、DFBレーザの回折格子の延長として形成できるので、DFBレーザや外部変調器とモノリシックに集積しやすいという利点も有する。
【0021】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる光アイソレータの概略構成を例示する概念図である。すなわち、同図は、光アイソレータの導波路に沿った断面構造を表す。本実施形態の光アイソレータは、n型InP基板1の上に、InGaAs吸収層30、n型InPクラッド層2、InGaAsP層4、p型InPクラッド層5、p型InGaAsP層6、反射構造20が順に積層された構成を有する。
【0022】
吸収層30は、放射モード光に対する吸収係数が高い材料であれば良く、例えば、導波路層4よりもバンドギャップが小さい半導体材料を用いることにより形成することができる。
【0023】
導波層4の表面には、図示したような方向に鋸歯状の非対称な断面形状を有する2次の回折格子10が形成されている。ここで、回折格子の「次数」は、回折格子の周期とブラッグ反射により回折を生じさせる光の波長との関係で決定される。例えば、1次の回折格子は、光の波長に対応した1次の周期を有する。2次の回折格子は、1次の回折格子の2倍の周期を有する。たとえば、波長1.3μm帯のInGaAsP/InP系の光素子では、1次の回折格子の周期は約0.2μmである。その形成に要求される加工精度は、0.1μmに匹敵し、その深さの制御も難しい。これに対し、2次の回折格子の周期は0.4μmであり、製作がはるかに容易であるという特徴も有する。
一方、反射構造20は、例えば、屈折率が異なる2種類の誘導体膜を交互に積層させたブラッグ多層反射膜により形成することができる。このようなブラッグ多層反射膜の各層の屈折率と膜厚とを適宜選択することにより、放射モード光に対して高い反射率を有する反射構造を得ることができる。
【0024】
図1の光アイソレータの製造工程の概略は以下の如くである。まず、n型InP基板1の上に、放射モード光に対するInGaAs吸収層30を2.5μmの厚さに成長する。続いて、n型InPクラッド層2を約1μmの厚さに成長する。これは、導波モードに影響を与えない厚さである。つまり、導波モード光のクラッド層へのしみ出しに対して影響を与えない距離に吸収層30を設けている。
【0025】
次にInGaAsP層4を約0.3μm成長する。ここまでの結晶成長は連続して行う。導波層4の表面には、図示したような方向にブレーズ角(blaze angle )を有する鋸歯状の非対称な2次の回折格子10が形成され導波路を構成している。このような回折格子の形成方法としては、例えば、導波路層4の表面にレジストを塗布してEB(電子ビーム)露光を行った後、基板を傾斜させてイオンミリング法によりその表面を加工し、最後に適当な溶液(エッチャント)で表面を仕上げる方法がある。このようにして得られる回折格子の深さは約0.1μmである。
【0026】
次に、この上にp型InPクラッド層5を約1μm以上の厚さに成長する。さらに、表面保護のためp型InGaAsP層6を成長する。これらの層は、DFBレーザとの集積などを考慮してp型としてあるが、光アイソレータ単体としてのみ用いる場合にはn型でも良い。
【0027】
最後に、例えば誘導体多層膜よりなる反射構造20を堆積させて形成する。反射構造20の反射率は、例えば約95%とすることができる。この反射構造20は吸収層30と同様に、導波モードのしみ出し範囲の殆ど外側にあり、導波モード光に影響を与えないようにする。このようにして図1の光アイソレータが完成する。
【0028】
次に、本発明の光アイソレータの動作メカニズムについて説明する。
図1の光アイソレータは、2次以上の回折格子を有する。特に、2次の回折格子をもつ導波構造は、導波方向に垂直に基板側(substrate side)とその反対の方向(superstrate side)の両方向に放射モード(radiation mode)光を放出する。さらに、図1の光アイソレータは、2次の回折格子の断面形状が進行方向で非対称、つまりブレーズ角(blaze angle )を有する。すると、左右いずれか一方への光波の進行方向に対して、ブレーズ角によって基板側の放射モードが強くなったり、その反対側の放射モードが強くなったりする。光波の進行方向が逆転すると、基板側とその反対側への分配比も逆転する。
【0029】
具体的には、図1において、導波光が向かって右から左に進む場合は、矢印Cで表したように放射モード光の殆んどが基板1側に放射される。この光は吸収層30に吸収されるので導波路には戻らず、そのまま導波損失となる。
【0030】
一方、導波光が向かって左から右に進む場合は、矢印Aで表したように放射モード光の殆んどが基板と反対側の上向きに放射される。この光は反射構造20によって反射され矢印Bで示したように導波構造に戻る。したがって、左から右方向の場合は、導波路の損失は小さい。この構造は、一次元のスラブ(slab)構造によって簡単に原理を理解できる。
図2は、非対称な回折格子における導波特性の参考例を表すグラフ図である。すなわち、同図は、Strefer らにより”Analysis of Grating−Coupled Radiation in GaAs:GaAlAs lasers and Waveguides−II:Blazing Effects” なる題名で IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.QE−12,pp.4494−4499,1976 に掲載されたグラフ図である。同図の横軸は回折格子の形状パラメータδ、縦軸は回折格子から放出される光の出力をそれぞれ表す。ここで、図中の横軸の形状パラメータδは、回折格子の断面形状の非対称性(blaze )を表し、挿入図から理解できるようにδ=△/Λ=0.5が対称な断面形状の回折格子に対応する。挿入図に示されるように、左から右に導波光が進み、δ=△/Λ=1.0とすると、基板側への放射モード(▲3▼)が強くなり、その反対側への放射モード(▲1▼)は極めて小さくなることを定量的に理解することができる。
【0031】
本発明においては、このような非対称の回折格子の片側のみに反射構造を設ける。反射構造があると放射モードが導波構造に戻るため、導波構造の損失が小さくなる。つまり、この方向に進む導波光の損失が小さくなる。
【0032】
逆方向に進む導波光は、△/Λ=1の場合と等価となるため、基板の反対方向への放射モード(▲1▼)が極めて大きくなる。この方向には反射構造がないので、導波構造の損失が大きくなる。
【0033】
本発明によれば、以上説明したような導波光の方向の非相反性により、一方向の導波光(この場合、左から右方向)のみを損失少なく導波する構造が実現でき、高い方向選択性を有し極めてコンパクトな導波路型光アイソレータを実現できる。
【0034】
図8に例示したような従来の光アイソレータでは、紙面に対して垂直な方向の導波路側面を埋め込む半導体層を両側面でそれぞれ別の組成(別の屈折率)とする必要があった。本発明によれば、このような必要もない。すなわち、従来と全く同様にストライプ構造を形成できる。従って、この後の工程が増えることもない。また、導波路モードのNFP(近視野像:near field pattern)も対称であり、ファイバなどに対する光結合も極めて容易であるという利点も有する。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施の形態にかかる光アイソレータの要部構成を表す断面概念図である。本実施形態においても、2次以上の回折格子10が設けられ、その上下に反射構造と吸収構造がそれぞれ設けられている。
【0036】
前述した第1実施形態の光アイソレータとの相違点は、
1)回折格子10の下側には、吸収層30の代わりに反射構造20が設けられていること、
2)回折格子の上側には、反射構造20の代わりに無反射コート(AR:Anti−reflection coat)40が設けられていること、
の2点である。ここで、反射構造20は、例えば、半導体結晶層の多層構造からなる高反射DBR(Distributed Bragg Reflector :分布反射鏡)とすることができる。また、無反射コート40としては、例えば、1/4波長膜、すなわち放射モード光の波長をλ、屈折率をnとしたときに、λ/4nなる膜厚を有する誘電体薄膜を用いることができる。これら以外の各要素は、図1に関して前述した第1実施形態と同様とすることができるので、同一の符合を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
本実施形態においては、反射と吸収の機能が回折格子10の上下で逆になっているだけであり、動作の原理は第1実施形態と同一である。すなわち、同図において右から左に向かって進む導波光は、矢印Aで示したように、回折格子10によって下側に放射される。そして、反射構造20により反射され、矢印Bで示したように回折格子10に戻り、左側に進行する。
【0038】
一方、図中の左から右に向かって進む導波光は、矢印Cによって示したように回折格子10によって上方に放射される。回折格子10の上側に設けられた無反射コート40は反射率が極めて低いので、回折格子10から放出された光は反射されずに外部に放出され、回折格子10に戻る成分は極めて少ない。
【0039】
結局、図3の光アイソレータにおいては、図中の左から右に向かって進む導波光成分に対する導波損失が高く、右から左に向かって進む導波光成分に対する導波光成分に対する導波損失が低くなる。このようにして方向性が得られ、光アイソレータとして動作することができる。本実施形態においても、図1に関して前述した種々の効果を同様に得ることができる。
【0040】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第3の実施の形態にかかる光アイソレータの要部構成を表す断面概念図である。本実施形態においても、回折格子10’が設けられ、その上側に吸収構造40、下側に反射構造20がそれぞれ設けられている。基本的な構成とその動作については、図3に関して前述した第2実施形態と同様であるので、各要素には同一の符合を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
本実施形態の特徴的な点は、回折格子10’が周期Λと周期Λの2種類の周期を有する点である。このようにすれば、これらの周期に対応する2種類の異なる波長の導波光に対して光アイソレータとして対応できる。すなわち、光アイソレータの対応波長のダイナミックレンジを広げることができる。
【0042】
さらに、導波路の軸方向に沿って回折格子の周期が異なる場所に設けると、実効的に位相シフトを設けた場合と同様の効果も得られる。従って、位相シフト効果により、導波光および放射モード光の共振器軸方向のプロファイルを制御することが可能となる。
【0043】
また、図示しないが、3以上の異なる周期を回折格子に導入するすることにより、3以上の異なる波長の導波光に対して、同様に光アイソレータとして対応することができる。さらに、回折格子の周期を連続的に変化させれば、連続的な波長範囲の導波光に対して光アイソレータとして機能するようにできる。
【0044】
なお、回折格子の周期を変化させるのではなく、導波路の実効屈折率を軸方向に沿って変化させても同様の効果を得ることができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図5は、本発明の第4の実施の形態にかかる光アイソレータの要部構成を表す断面概念図である。本実施形態の光アイソレータは、図3に関して前述した第2実施形態のものと類似した構成を有するので、同様の要素には同一の符合を付して詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施形態においては、回折格子10”の中に格子の周期を不連続にずらした部分、つまり位相シフト11が設けられている点が異なる。この位相シフト11のずれ量は、例えば導波している管内波長λに対して、λ/4とすることができる。位相シフト11を設けることにより、導波光および放射モード光の共振器の軸方向のプロファイルを制御することが可能となる。
【0047】
図5は、右行きの導波光に対して透過性が良く、逆向きに対して減衰も大きいアイソレータ導波路である。位相シフトを通過すると、光波と回析格子10の位相のズレにより減衰率が大きくなる。位相シフト11を図5のアイソレータ導波路の出口(右)寄りに設ける。すると、右行きの導波光は減衰が小さいが、左行き導波光は、位相シフト11を超えてからの距離が長いため、減衰が大きくなる。これを図中の矢印の光強度変化で示す。つまり、位相シフト11により、アイソレーションの効果をさらに効果的にできる。
【0048】
なお、本実施形態において導入したような位相シフトは、前述した第1、第3実施形態の光アイソレータについても同様に導入して同様の効果を得ることができる。
【0049】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図6は、本発明の実施の形態にかかるDFBレーザの要部構成を表す断面概念図である。すなわち、本実施形態のDFBレーザは、前述した各実施形態の光アイソレータの構造と動作原理をDFBレーザに応用した具体例である。
【0050】
図6に例示したレーザは、一例として図1に表した第1実施形態の光アイソレータと同様の構成を有するものである。従って、図1と同様の要素には、同一の符合を付して詳細な説明は省略する。但し、図6のDFBレーザは、活性層3を有する。活性層3は、発光と導波機能の役割を有する。ここで、活性層3は、単一の半導体層でも良く、または、MQW構造(Multiple Quantum Well :多重量子井戸)のような多層の高効率な構造であっても良い。
【0051】
反射構造20は、p型の半導体層で構成する。また、p型InGaAsP層6は電極とのコンタクトを改善する役割を有する。半導体結晶層の上下には通電のための、p側電極100、n側電極200が設けられている。
【0052】
DFBレーザにおいては、左右両方向へそれぞれ進行する導波光が回折格子10を介して互いにフィードバック(feedback)し合って共振することにより発振する。本実施形態の場合は、第1実施形態の光アイソレータと同様のメカニズムにより、図中の右方向に進む導波光の放射モード損が少なく、右側の端面からの光出力が強くなる。逆に、左方向に進む導波光は放射モード損が大きいので、左側の端面であまり出力強度が大きくならない。
【0053】
つまり、本実施形態によれば、出力面でのスロープ効率を改善することができる。しかも、レーザ自体にアイソレータ機能が含まれるので、戻り光に対する耐性も強化される。DFBレーザは、特に戻り光により発振条件が不安定化しやすうという特質を有するので、本実施形態は、この点で特に効果的である。
さらに、本実施形態によれば、縦モード間のしきい値のゲイン差が大きくなるので、単一縦モード性能が向上するという効果も得られる。
【0054】
ここで、本発明によれば、図示した具体例以外にも、前述した第2〜第4実施形態の光アイソレータの構成に対応したDFBレーザも同様に提供することができる。すなわち、吸収構造と反射構造の位置関係を逆転したり、回折格子の周期を変化させたり、または、回折格子に位相シフトを導入することにより、それぞれ前述したような種々の効果に対応した効果を有するDFBレーザが得られる。
【0055】
さらに、これらのDFBレーザを面発光型レーザとして用いることも可能である。すなわち、回折格子のいずれかの側に設けられた反射構造20または吸収構造を透過して外部に放出される光を出力として用いると、光出力は高くないが、しきい値やその他の発振特性が極めて優れた面発光型のDFBレーザを実現することができる。このような面発光型のDFBレーザは、前述した各実施形態の光アイソレータと容易に集積化が可能で、極めてコンパクトかつ高性能の光アイソレータ/面発光型レーザの光集積素子を実現できる。
【0056】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
図7は、本発明の実施の形態にかかる光集積素子の要部構成を表す断面概念図である。本実施形態の光集積素子は、モノリシック、すなわち、同一基板上に複数の素子が集積されてなる。図7においては、一例として前述した第5実施形態のDFBレーザと、第1実施形態の光アイソレータと、導波路型の電界吸収型外部変調器(EAM:Electro−Absorption Modulator)とをモノリシックに集積した具体例に対応する。
【0057】
DFBレーザは、p側電極101を通じてDC駆動させる。吸収層7のある領域がEAMである。EAMは、p側電極102に負の電圧を印加することにより吸収係数を変調することができる。DFBレーザの活性層3で発生した導波光は、この吸収係数の変化に対応して変調され、図中の右側に出力される。
【0058】
DFBレーザとEAMの間には、第1の光アイソレータOI1が設けられている。第1の光アイソレータOI1は、プロトン(H)照射領域300を有し、DFBとEAMとを電気的に絶縁(アイソレート)している。導波光についても、DFBレーザとEAMとがアイソレートされないと、DFBレーザに戻り光が入力され光出力や波長が変動するため好ましくない。本実施形態によれば、DFBレーザとEAMとの間の活性層を除去するだけで、容易に光アイソレータを集積することができる。さらに、EAMの出力側にも同様の簡略なプロセスで第2の光アイソレータOI2を集積することができ、外部からの戻り光を抑制することができる。
【0059】
本実施形態によれば、DFBレーザと第1の光アイソレータと電界吸収型外衣部変調器と第2の光アイソレータとを極めてコンパクトに集積することができる。また、これらの各素子は導波路を共有しているので、素子間の光結合も十分に確保することができる。さらに、本実施形態によれば、光集積素子の吸収層30、回折格子10、反射構造20も共通の工程で形成できるので、簡単な工程により高性能の光集積素子を製造することができる。
【0060】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々の応用が可能であり、これらの具体例に限定されるものではない。
【0061】
例えば、本発明は、前述した具体例以外にも、GaAlAs/GaAs系、GaInAlP/GaAs系、GaN系などの種々の材料系にも同様に適用して同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、回折格子や反射構造、吸収・無反射構造などの配置関係についても、前述した基板の上下方向には限定されない。たとえば、導波路の側面、すなわち基板に対して垂直方向の面に回折格子を形成し、その両側に反射構造と吸収構造とを配置しても良い。すなわち、この場合には、反射構造と回折格子と吸収構造とは、基板の面内方向に配置されることとなる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に説明する効果を奏する。
【0064】
まず、本発明によれば、導波路の基本構造に手を加えることなく、回折格子の形状を工夫し、導波構造の外側に高反射、無反射構造を形成することで、半導体導波路型光アイソレータを構成できる。すなわち、2次以上の非対称である鋸歯状回折格子とその上下側にそれぞれ配置した反射構造と吸収構造とにより、極めてコンパクト且つ高い効率を有する光アイソレータを実現することができる。従って、導波路のNFP(近視野像)や出射されるビームのFFP(遠視野像)を大きく変形することがなく、光ファイバや種々の光素子と極めて高い効率で光結合することができる。
【0065】
また、本発明によれば、回折格子の周期を変化させることにより、波長のダイナミックレンジを容易に拡大し、種々の波長に対して作用する光アイソレータを実現することができる。
【0066】
さらに、本発明によれば、回折格子に位相シフトを設けることにより、導波光や放出光の分布を制御して光の方向性や発光特性などを最適化することができる。
【0067】
また、本発明によれば、戻り光に強く、出力側の効率が高く、縦モードが安定したDFBレーザを実現できる。
【0068】
さらに、本発明によれば、DFBレーザや導波路型変調器と光アイソレータとのモノリシックな集積が極めて容易となる。すなわち、回折格子、反射構造、無反射構造を共通に構成することができ、製作が容易である。これにより、別個の光アイソレータが不要となるため、光モジュールのコストを大きく低減できる。また、各素子は導波路を共有しているので、素子間の光結合も十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光アイソレータを示す断面図である。
【図2】非対称な回折格子からの放射モードの基板側とその反対側へのパワー分配比の例を示すグラフ(公知文献より)である。
【図3】本発明の第2の実施形態の光アイソレータを示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の光アイソレータを示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態の光アイソレータを示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態のDFBレーザを示す断面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態の光アイソレータ、DFBレーザおよび導波路型変調器のモノリシック集積素子を示す断面図である。
【図8】従来の導波路型光アイソレータの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 n型InP基板
2 n型InPクラッド層
3 InGaAsPレーザ活性層(含むNQW構造)
4 InGaAsP導波層
5 p型InPクラッド層
6 p型InGaAsP層(DFBレーザ、変調器の場合はp電極とのコンタクト層)
10 2次の回折格子(鋸歯状断面)
11 位相シフト
20 反射構造
21 端面
30 放射モード吸収層
40 ARコート(対放射モード)
41 端面ARコート
100 p側電極(DFBレーザ)
101 p側電極(集積DFBレーザ)
102 p側電極(集積変調器)
200 n側電極
300 プロトン(H)照射絶縁領域

Claims (18)

  1. 断面形状が鋸歯状の2次以上の回折格子を有する導波路と、
    前記導波路の上または下のいずれか一方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻すようにした反射構造と、
    前記導波路の上または下の他方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻さないようにした非反射構造と、
    を備えたことを特徴とする光アイソレータ。
  2. 前記反射構造は、前記導波路からしみ出して伝搬する導波モード光に影響を与えないように前記導波路から離れて設けられ、
    前記非反射構造は、前記導波路からしみ出して伝搬する導波モード光に影響を与えないように前記導波路から離れて設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  3. 前記非反射構造は、前記導波路を構成する半導体材料よりも小さいバンドギャップを有する半導体材料により構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光アイソレータ。
  4. 前記非反射構造は、前記放射モード光に対する無反射コートであることを特徴とする請求項1または2に記載の光アイソレータ。
  5. 前記反射構造は、前記放射モード光に対するブラッグ多層反射膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  6. 前記回折格子は、複数の異なる周期を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  7. 前記導波路の実効屈折率が一定でないものとして構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  8. 前記回折格子は、少なくとも1つ以上の位相シフトを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  9. 活性層と、
    断面形状が鋸歯状の2次以上の回折格子を有する導波路と、
    前記導波路の上または下のいずれか一方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻すようにした反射構造と、
    前記導波路の上または下の他方側に設けられ、前記導波路から放出される放射モード光を前記導波路に戻さないようにした非反射構造と、
    を備えたことを特徴とする分布帰還型レーザ。
  10. 前記反射構造は、前記導波路からしみ出して伝搬する導波モード光に影響を与えないように前記導波路から離れて設けられ、
    前記非反射構造は、前記導波路からしみ出して伝搬する導波モード光に影響を与えないように前記導波路から離れて設けられたことを特徴とする請求項9に記載の分布帰還型レーザ。
  11. 前記非反射構造は、前記導波路を構成する半導体材料よりも小さいバンドギャップを有する半導体材料により構成されたことを特徴とする請求項9または10に記載の分布帰還型レーザ。
  12. 前記非反射構造は、前記放射モード光に対する無反射コートであることを特徴とする請求項9または10に記載の分布帰還型レーザ。
  13. 前記反射構造は、前記放射モード光に対するブラッグ多層反射膜であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の分布帰還型レーザ。
  14. 前記回折格子は、複数の異なる周期を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載の分布帰還型レーザ。
  15. 前記導波路の実効屈折率が一定でないものとして構成されていることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の分布帰還型レーザ。
  16. 前記回折格子は、少なくとも1つ以上の位相シフトを有することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の分布帰還型レーザ。
  17. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の光アイソレータと、
    請求項9〜16のいずれか1つに記載の分布帰還型レーザと、がモノリシックに集積されてなることを特徴とする光集積素子。
  18. 外部変調器がさらに集積されてなることを特徴とする請求項17に記載の光集積素子。
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