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JP3595141B2 - 転写搬送装置 - Google Patents

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JP3595141B2
JP3595141B2 JP35113797A JP35113797A JP3595141B2 JP 3595141 B2 JP3595141 B2 JP 3595141B2 JP 35113797 A JP35113797 A JP 35113797A JP 35113797 A JP35113797 A JP 35113797A JP 3595141 B2 JP3595141 B2 JP 3595141B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置における転写搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式による複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、像担持体(感光体)上に保持されている顕画像(トナー像)を記録媒体(転写紙等)上に転写させる転写装置として、画像の転写とともに記録媒体の搬送を行う転写搬送装置は周知である。ベルトを用いた転写搬送装置には、ベルトに付着したトナーや紙粉を清掃するためのクリーニング装置を設けたものがある。
【0003】
従来、転写ベルトのクリーニング装置としては、クリーニングブレードを転写ベルトに当接させ、ベルト上に残存するトナーや紙粉をブレードで掻き落とすものが広く用いられてきた。
【0004】
ところが、クリーニングブレードを用いたクリーニング装置では、ブレードのエッジ部に詰まる紙粉等の影響やベルト表面のコーティング層の経時的劣化等の影響で良好なクリーニングができないことがある。そのため、転写ベルトのクリーニングをより確実にすべく、転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して電気的な方法で汚れを除去することが提案されている。
【0005】
例えば、特開平8−110712号公報には、画像形成動作の終了後、転写ベルトを像担持体に接触させると共に、転写ベルトに転写バイアスを印加するようにした画像形成装置が開示されている。
【0006】
また、実開平3−125372号公報には、電気的トナー除去手段であるクリーニング・バイアスローラをベルト外周面に接触可能に設けた画像形成装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に記載の装置を含め、従来の技術では転写ベルトのクリーニング性能が充分ではなかった。転写ベルトのクリーニング能力の向上に関しては、▲1▼:転写ベルト上にあるトナーのクリーニング、▲2▼:転写ベルト上にある紙粉のクリーニング、が重要である。
【0008】
特に、紙粉がベルト上にある場合やベルト上がトナーで汚れている場合には、ベルト単独でのクリーニングが必要である。上記特開平8−110712号公報に記載の装置のように、転写ベルトと像担持体とが接触した状態でクリーニングを行うものにおいては、像担持体上の熱が転写ベルト側に伝達するため、転写ベルトの温度が上昇する。この温度上昇とベルト上にある紙粉の影響などによって、トナーがベルトに固着し、ブレード手段で掻き取ることができなくなるという問題があった。トナー固着現象が発生すると、記録媒体を転写ベルトから分離できなくなり、ジャムが発生する。
【0009】
また、トナーリサイクル機構を搭載した機種においては、リサイクルトナーを用いるために転写ベルトのクリーニング性が非常に悪くなり、像担持体から離間させた状態での転写ベルトの単独クリーニングが必要不可欠となる。
【0010】
さらに、上記実開平3−125372号公報に記載の装置のように電気的なクリーニングを単独で、あるいは、ブレード手段など機械的なクリーニングと併用する場合でも、転写ベルトの抵抗値が異なる場合などは良好な転写ベルトのクリーニングが行われず、クリーニング性が充分とはいえないという問題があった。
【0011】
本発明は、従来の転写搬送装置における上述の問題を解決し、クリーニング性をより向上させた転写搬送装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、画像形成装置における像担持体上の顕画像を記録材に転写するとともに記録材を搬送する転写搬送装置であって、回転駆動される転写ベルトと、該転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、前記転写ベルトに転写バイアスを印加する転写バイアス印加機構とを有する転写搬送装置において、前記像担持体と前記転写ベルトが離間した状態で前記転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行い、該転写ベルトクリーニング時に印加するクリーニングバイアスを前記転写ベルトの抵抗値に応じて可変させることにより解決される。
【0013】
また、本発明は、前記の課題を解決するために、記録材搬送枚数に応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを提案する。
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、搬送する記録材のサイズに応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを提案する。
【0014】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、記録材搬送枚数及び搬送する記録材のサイズに応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを提案する。
【0015】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、画像形成装置における像担持体上の顕画像を記録材に転写するとともに記録材を搬送する転写搬送装置であって、回転駆動される転写ベルトと、該転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、前記転写ベルトに転写バイアスを印加する転写バイアス印加機構とを有する転写搬送装置において、前記像担持体と前記転写ベルトが離間した状態で前記転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行い、該転写ベルトクリーニング時に印加するクリーニングバイアスを記録材搬送枚数に応じて可変させることを提案する。
【0016】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、搬送する記録材のサイズに応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを提案する。
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、画像形成装置における像担持体上の顕画像を記録材に転写するとともに記録材を搬送する転写搬送装置であって、回転駆動される転写ベルトと、該転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、前記転写ベルトに転写バイアスを印加する転写バイアス印加機構とを有する転写搬送装置において、前記像担持体と前記転写ベルトが離間した状態で前記転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行い、該転写ベルトクリーニング時に印加するクリーニングバイアスを搬送する記録材のサイズに応じて可変させることを提案する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の概略構成を示す斜視図で、ベルトユニット2を本体1Aから離脱させた状態を示している。また、図2は、そのベルトユニット2のローラ構成を示す平面図である。そして、図3及び図4は、本実施形態の転写搬送装置1が画像形成装置に装着され、像担持体(感光体ドラム3)から離間及び像担持体に接触した状態をそれぞれ示す側面図である。
【0018】
図1に示すように、転写搬送装置1は、ベルトユニット2を本体1Aに対して着脱自在に支持している。ベルトユニット2は、図2に示す一対のローラ4,5に転写ベルト6が巻き掛けられている。そして、図3,図4に示すように、転写搬送装置1は、転写ベルト6を感光体3に対して接離させるDCソレノイド8と接離レバー9、転写ベルト6に転写バイアスを印加するバイアスローラ11、及び転写ベルト6の電荷を除電する接触板13とを備えており、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を転写紙Sに転写する。また、転写ベルト6の表面に付着する残留トナーや転写紙Sの紙屑を掻き落とすクリーニングブレード16Aを有するクリーニング装置16やバイアスローラ11に電圧を印加する高圧電源12は、本体1Aに設けられている。
【0019】
ローラ5は、図1、図2に示すように、図示しない駆動モータと連結する歯車5bを有していて回転駆動するようになっている。転写ベルト6は、このローラ5の回転に従動して感光体3との対向位置で転写紙Sの搬送方向(図3矢印A方向)に移動することができるようになっている。転写ベルト6は、図5に示すように、2層構造で構成されており、JISK6911に準拠した測定による電気抵抗がDC100V印加時において、低摩擦係数の皮膜層である表面層6bはベルト表面の表面抵抗率が1×10Ω〜1×1012Ω、内側層6aの表面抵抗率が1×10Ω〜1×10Ωに、そして、その体積抵抗率が5×10Ω・cm〜5×1010Ω・cmに設定されているものである。
【0020】
ローラ4,5は、図1、図3に示すように、支持体7によって回転可能に支持されている。支持体7は、ローラ4,5のうち、矢印Aで示す転写紙搬送方向において、感光体3に対する転写位置の下流側に位置するローラ5の支持軸5aを支点として揺動可能となっている。この支持体7は、転写ベルト6の転写位置側を制御板8Aからの信号により駆動されるDCソレノイド8によって動作される。すなわち、DCソレノイド8には、接離レバー9が連結されていて、この接離レバー9が支持体7を動かして転写ベルト6を感光体3に対して接離させるようになっている。
【0021】
制御板8Aは、用紙搬送手段であるレジストローラ10によって、感光体3に形成される画像の先端位置との整合を取られた状態で搬送される転写紙Sの先端が感光体3に接近すると、駆動信号を発してDCソレノイド8を駆動するようになっている。従って、このソレノイド8の駆動により支持体7が感光体ドラム3に対して近接して、転写ベルト6が同感光体3に当接することにより、感光体3との対向位置で転写紙Sを感光体3に接触させながら搬送することのできるニップ部B(図4)が形成される。
【0022】
上述したローラ4,5のうち、感光体3側に位置するローラ4は、駆動側をなすローラ5に対する従動ローラとして構成されており、また、ローラ4の表面形状は、図2に示すように、軸方向において両端4a,4aが先細のテーパ状に形成されていて、転写ベルト6の片寄りを防止するようになっている。ローラ4は金属などの導電性のローラであるが、前述したような電気抵抗のベルトを支持しているだけであり、電気的には他の導電部材とは直接接続されていない。
【0023】
駆動側ローラ5は、駆動の際の転写ベルト6に対するグリップ力を高める機能から、EPDゴム、クロロプレーンゴムあるいはシリコーンゴムなどの材質が選択されている。
【0024】
バイアスローラ11は、転写ベルト6の移動方向においてローラ4の下流側(図3、図4において左側)で、転写ベルト6の内側に接触するように設けられている。このバイアスローラ11は、転写ベルト6に対して感光体3上のトナーの帯電極性と逆極性の電荷を付与するための接触電極を構成しており、高圧電源12に接続されている。
【0025】
このような転写搬送装置1においては、図4に示すように、レジストローラ10からの転写紙Sが繰り出されるのに合わせて、支持体7が転写ベルト6を感光体3に接近させる態位を設定され、感光体3との間で転写紙の搬送方向に沿った長さに相当する幅4〜8mm程度のニップ部Bを形成する。
【0026】
一方、感光体3は、その表面が例えば−800Vに帯電した状態とされ、図6に示すように、この表面にプラス帯電のトナーを静電的に吸着した状態でニップ部に移動する。そして、感光体3は、ニップ部に至る前に感光体3近傍に配置され、感光体3表面の電荷を弱める転写前除電ランプ(PTL)15によって表面電位を低下させられる。図6では、静電電荷の高さを丸印の大きさによって表わしてあり、転写前除電ランプ15によって帯電電荷が少なくなっている状態は、除電前を示す丸印よりも小さく示されている。
【0027】
図4に示すニップ部Bにおいて、感光体3上のトナーは、転写ベルト6側に位置するバイアスローラ11からの転写バイアスによって転写紙S上に転移する。この転写バイアスは−1.5kv〜−6.5kvの範囲で高圧電源12から印加されるが、これは以下のような定電流制御の結果、転写バイアスが可変設定される。すなわち、図3及び図4において、高圧電源12から出力された電流値をIとし、転写ベルト6を介して接触板13から接地側に流れる帰還電流値を検出した際の値をIとした場合、これら両者間で
−I=IOUT(但し、IOUT:一定)……(1)
の関係が得られるようにIの値を制御する。これは、温度、湿度等の環境条件の変化や転写ベルト6の製造品質に生じるバラツキに関わらず、転写紙S上での表面電位Vを安定させることによって転写効率の変化を無くすようにするためである。
【0028】
つまり、転写ベルト6及び転写紙Sを通して感光体3側に流れる電流をIOUTとして見立てることによって、転写紙S上での表面抵抗Vの低抵抗化あるいは高抵抗化による転写ベルト6への電流の流れやすさの変化が転写紙Sの分離性能や転写性能に影響してしまうのを防止するようになっている。
【0029】
本実施形態の場合、IOUTは、搬送速度330mm/sec、有効バイアスローラ長310mmにおいて、IOUT=35μA±5μAに設定した場合に良好な転写が得られた。
【0030】
ところで、感光体3からの画像転写が行われると、これと同時に転写紙Sも帯電する。従って、転写ベルト6の真電荷と転写紙S側に発生する分極電荷との関係により、転写紙Sを転写ベルト6上に静電的に吸着して感光体3からの転写紙の分離が行える。そして、感光体3の曲率分離を利用した転写紙S自らの腰の強さによる剥離動作によって助長される。
【0031】
しかし、このような静電吸着は、環境条件の変化により、高湿度の場合には転写紙Sに電流が流れやすくなるので転写紙の分離がうまくいかなくなる。このため、図5に示した転写ベルト6の表面層6bでの抵抗値が若干高めに設定してあることから、ニップ部Bでの転写紙Sへの真電荷の移行を遅らせ、さらには、バイアスローラ11をニップ部Bよりも転写紙搬送方向で下流側に位置させている。これにより、転写ベルト6から転写紙Sへの真電荷の移行を遅らせて、転写紙Sと感光体3との間での静電的な吸着関係を回避するようになっている。この場合に用いる真電荷の移行を遅らせるとは、転写紙Sが感光体3側のニップ部に至るまでの上流側で転写紙Sへの電荷が発生しないことを意味している。このことから、転写紙Sの感光体3への巻き付きが防止され、また、感光体3からの転写紙Sの分離不良も防止されることになる。
【0032】
さらに、転写ベルト6側でも、環境変化による抵抗変化が少ないものが選択される方が良く、抵抗を制御する導電材料としては、カーボン・酸化亜鉛などを適量添加し、弾性体ベルトとしてゴムベルトを用いた場合には、クロロプレーンゴム,EPDゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどの吸湿性が少なく抵抗値が安定した材質を選択することが望まれる。
【0033】
なお、この感光体3側へ流れる電流IOUTの値は一義的なものではなく、搬送速度が遅い場合には減らすことができる。反対に、搬送速度が速いときや転写前除電ランプ15が用いられない場合には増やすことになる。
【0034】
一方、ニップ部Bを通過した転写紙Sは、転写ベルト6の移動に合わせて静電吸着されて搬送され、駆動側ローラ5での曲率分離が行われる。このため、ローラ5の直径は16mm以下に設定されている。さらに、このようなローラ5を用いた場合には、上質45K紙(剛度:横21[cm/100])の分離が可能であるという実験結果が得られている。
【0035】
また、駆動ローラ5位置で転写ベルト6から分離された転写紙Sは、ガイド板で案内されて定着部17を構成する加熱ローラ17aとパッドローラ17bの間に搬送される。定着部17では、転写紙S上のトナーを加熱溶解して転写紙Sに圧着してトナーを転写紙S上に定着させる。
【0036】
転写紙Sへの画像転写及び分離が完了した転写ベルト6は、DCソレノイド8の励磁が解除されるのに応じて接離レバー9が解除され、支持体7が感光体3から離間される。そして、クリーニング装置16により表面を清掃される。
【0037】
クリーニング装置16は、クリーニングブレード16Aを備えており、転写ベルト6を摺擦することにより、感光体3の表面から転移したトナーや転写されないで転写ベルト6の周辺に飛散していたものが付着した場合のトナーや転写紙Sの紙粉を掻き取るようになっている。
【0038】
クリーニングブレード16Aによって摺擦される転写ベルト6は、摺擦抵抗の増加による駆動力の増大あるいはクリーニングブレード16Aのめくれ等の現象を防止するのに、摩擦係数の低いものとして表面にフッ素系の樹脂材料、例えばポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレンなどが被覆されている。また、転写ベルト6の表面から掻き取られたトナーあるいは紙粉は、回収スクリュー16Bによって本体1Aから図示しない廃トナー回収容器に収容される。
【0039】
さて、本発明によるクリーニングバイアスの可変制御について以下に説明する。
図7は、本実施形態におけるベルト抵抗値とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。一般に、転写ベルトの抵抗値が低いとクリーニング性は悪い傾向にあるので、本実施形態では、転写ベルト6の抵抗値が低ければ大きなクリーニングバイアスを、ベルト抵抗値が高ければ小さなクリーニングバイアスを印加することで、クリーニング性を常に良好に保つようにしている。
【0040】
本実施形態では、クリーニングバイアスの印加に際し転写ベルト6の抵抗値を検出し、そのベルト抵抗値を「低」「中」「高」の3段階に分類し、それぞれの段階に適したクリーニングバイアスを印加するようにしている。例えば、ベルト抵抗値が「低」と判定された場合は20μA、ベルト抵抗値が「中」の場合は15μA、ベルト抵抗値が「高」の場合は10μAのクリーニングバイアスを印加する。
【0041】
図8は、本実施形態におけるクリーニングバイアス印加の制御を示すフローチャートである。本実施形態では、転写動作(画像形成装置における1ジョブのコピー動作)が終了した後、転写ベルト6のクリーニング動作に入る。すなわち、図8に示すように、転写動作終了を判断し(S1)、転写ベルト6の抵抗値を検出する(S2)。本実施形態では、転写動作終了直後に、転写ベルト6が感光体ドラム3から離間する前に所定の電流を印加して転写ベルト6の抵抗値を検出する。この転写ベルトの抵抗値検出方法については後述する。なお、転写ベルト6の抵抗値検出は、転写ベルト6を感光体ドラム3から離間させてから行っても良い。あるいは、その日最初に画像形成装置の電源を投入した際のプロセスコントロール時に転写ベルトの抵抗値検出を行うようにしてもよい。
【0042】
ベルト抵抗値検出後、転写ベルト6を感光体3から離間させる(S3)。次に、転写ベルト6を回転させ(S4)、回転開始後に、先に検出した転写ベルトの抵抗値に応じて設定されたクリーニングバイアスを印加し(S5)、転写ベルトのクリーニングを行う。この時、クリーニングブレード16Aが転写ベルト6に当接されており、ブレード16Aによる機械的なクリーニングとバイアスを印加した電気的なクリーニングの双方でクリーニングを行うことになる。そして、クリーニングバイアスをOFFして(S6)、転写ベルト6の回転を停止させる(S7)。
【0043】
本実施形態では、機械的なクリーニングと電気的なクリーニングの相乗効果によりクリーニング性を向上させ、転写ベルトに付着したトナー・紙粉をより確実にクリーニングすることができる。そして、電気的なクリーニングを行うことにより、転写ベルトのクラックに付着(侵入)したトナーの除去が可能となる。印加するクリーニングバイアスの極性は、転写バイアスの極性とは反対の極性である。つまり、転写時に印加するバイアスと逆極性のバイアスを印加することにより、ベルト上のトナーを静電的に転写ベルトから分離させ、クリーニングブレード16Aによるクリーニングをし易くすることが可能である。
【0044】
なお、本実施形態ではクリーニングバイアス印加時に転写ベルト6を感光体ドラム3から離間させているが、転写ベルトを感光体に接触させたままでは、ベルトクリーニング時に感光体ドラムの温度が高いことによる転写ベルトへの熱伝導が起こり、その影響によって転写ベルトの温度が上昇し、紙粉の影響や感光体ドラムと転写ベルトの接触圧によりトナーは転写ベルトに固着してしまう。しかし、本実施形態ではクリーニングバイアス印加時に転写ベルト6を感光体ドラム3から離間させるので、感光体ドラムからの熱伝導による転写ベルトの温度上昇を防ぎ、転写ベルト6へのトナー固着を防止することができる。
【0045】
また、本実施形態では、クリーニングバイアスとして印加するバイアスは、バイアスローラ11すなわち転写バイアス印加用のバイアスローラを利用している。このため、クリーニング用のバイアスローラ等を設ける必要がなく、コストを上昇させることがない。そして、クリーニング用のバイアスローラ等を設ける必要がないことから、それらのバイアス印加手段を転写ベルトの表側(外周側)に設けることがなく、スペース増大を招くことがない。
【0046】
図9は、図8のフローチャートにおけるステップ2(S2)の転写ベルト抵抗値の検出処理を示すフローチャートである。本実施形態では、転写ベルト6に所定の定電流を印加し、このときの電圧値に基づいて転写ベルト6の抵抗値を求めている。この方法で求めるベルト抵抗値は厳密な意味ではベルトの体積抵抗率そのものではないが、体積抵抗率に相当するものとしてベルト抵抗値を求めることができる。図7のグラフの横軸に示すベルト抵抗値も体積抵抗率に相当するものである。
【0047】
図9のフローチャートにおいて、まず初めは、高圧電源12(図3参照)からの出力電流Iと接触板13からの帰還電流Iの差であるIOUTを40μAに設定して、これをバイアスローラ11から転写ベルト6へ印加する(S1)。このときの電圧値:Vを検出し(S2)、Vが2.0[kV]以下であるかを判断する(S3)。電圧値:Vが2.0[kV]以下の場合はベルト抵抗値を「低」と判定する(S4)。
【0048】
電圧値:Vが2.0[kV]より大きい場合はIOUTを50μAに設定して転写ベルト6へ印加し(S5)、電圧値:Vを検出する(S6)。そして、Vが2.0[kV]より大きく3.2[kV]以下であるかを判断する(S7)。ここで、電圧値:Vが3.2[kV]以下の場合はベルト抵抗値を「中」と判定する(S8)。
【0049】
電圧値:Vが3.2[kV]より大きい場合はIOUTを60μAに設定して転写ベルト6へ印加し(S9)、電圧値:Vを検出する(S10)。そして、Vが3.2[kV]より大きく5.0[kV]以下であるかを判断する(S11)。ここで、Vが5.0[kV]以下の場合はベルト抵抗値を「高」と判定する(S12)。
【0050】
このようにして、本実施形態では、クリーニングバイアス印加の前に転写ベルト6の抵抗値を検知し、その検知したベルト抵抗値に応じて印加するクリーニングバイアスの値を可変制御することで、常に良好なクリーニング性を維持するようにしている。なお、検出した電圧値:Vが5.0[kV]より大きい場合は、図9のフローチャートにおいて、バイアスを印加せずにブレード16Aによるクリーニングを行い(S13)、その後、転写ベルトの回転を停止させる(S14)。
【0051】
なお、本実施形態では定電流を印加して電圧値を検出してベルト抵抗値を求めていたが、定電圧を印加して電流値を検出することによりベルト抵抗値を求めることもできる。
【0052】
また、本実施形態ではベルト抵抗値を3段階に分類し、それに応じてクリーニングバイアスも3段階の値に設けてこれを選択して印加している(クリーニングバイアスを印加しないことも含めれば4段階で印加している)が、ベルト抵抗値およびクリーニングバイアスの段回数は任意に設定することが可能である。また、段階分けするのではなく、検知したベルト抵抗値に応じてクリーニングバイアスを連続的(アナログ的)に可変制御するようにしても良い。
【0053】
本実施形態の転写搬送装置のクリーニングバイアス制御は、転写搬送装置1が装着される画像形成装置の制御部によって行われる。その画像形成装置の制御部の構成を図10に示す。
【0054】
図10のブロック図において、制御部30はCPU31を中心にROM32、RAM33、I/Oインターフェース34,35、タイマ36等により構成される。一方のI/O34には、画像形成装置の操作部(操作パネル)37や手差し給紙台に設けられた検知スイッチ38が接続される。他方のI/O35には、転写搬送装置1のDCソレノイド8や転写ベルト駆動モータ18あるいは転写制御板14を介した高圧電源12等が接続される。
【0055】
ところで、画像形成装置におけるコピー枚数あるいはプリント枚数等の作像枚数すなわち転写搬送装置における記録材の搬送枚数が多くなれば転写ベルト6の表面が汚れ、クリーニング不良が発生しやすくなる。従って、転写紙の裏汚れも発生しやすくなる。特に、同一サイズの用紙を連続で通紙する場合には、転写紙のサイズ外に相当するベルト部分(転写紙と接触しない部分)にトナー汚れが発生しやすい。例えば、B5縦の用紙を連続通紙する場合などは、そのサイズ外に相当する転写ベルト6の両端部分に感光体ドラム3からのトナー付着が発生する。すなわち、転写ベルトの両端(用紙の通紙領域外)に汚れが発生しやすいことになる。
【0056】
そこで、記録材(用紙)の搬送枚数に応じてクリーニングバイアスを可変制御することを本発明の第2の実施形態として提案する。図11のグラフに、その実施形態における、搬送枚数(画像形成装置の作像枚数)とクリーニングバイアスの関係を示す。
【0057】
このグラフに示すように、搬送枚数が100枚までは、転写ベルトのクリーニング時に5μAのクリーニングバイアスを印加する。また、搬送枚数が500枚までは10μAのクリーニングバイアスを印加する。さらに、搬送枚数が999枚までは15μAのクリーニングバイアスを印加する。本実施形態における搬送枚数は1ジョブあたりの搬送枚数とし、転写・搬送装置が装着される画像形成装置の操作部37で設定された1ジョブの枚数によって判定できる。なお、搬送枚数を999枚までとしたのは、画像形成装置で設定できる作像枚数が通常は999枚となっているためである。
【0058】
クリーニングバイアス印加の制御は、例えば、図8のフローチャートにおけるS2のベルト抵抗検知に代えて、搬送枚数の検知を行い、S5で、その搬送枚数に応じたクリーニングバイアスを印加するようにすれば良い。また、搬送枚数及びそれによるクリーニングバイアスの段階分けも図9のフローチャートと同様の流れで行うことができ、所定の搬送枚数により複数段回の(例えば前記実施形態のように3段階の)クリーニングバイアスを設定するようにできる。
【0059】
搬送枚数及びクリーニングバイアスの段階分けは本実施形態の3段階に限定されない。また、搬送枚数の増加に伴い連続的(アナログ的)にクリーニングバイアスを可変させても良い。
【0060】
このように、転写ベルト6のクリーニング時に、搬送枚数に応じたクリーニングバイアスを印加することによって、搬送枚数の増加によって汚れが増進しやすい転写ベルトを最適な状態でクリーニングすることができ、良好なクリーニング性を維持することができる。
【0061】
なお、搬送枚数としては、転写ベルト6に通紙した積算用紙枚数、あるいは、画像形成装置のトータル稼動枚数とすることができる。また、その日の(電源をONしてからの)通紙枚数とすることもできる。
【0062】
転写ベルトに通紙した積算用紙枚数、あるいは、画像形成装置のトータル稼動枚数については、感光体ドラム3の回転時間で代用することもできる。画像形成工程中、制御部(メイン制御板)30では画像形成時間を検出するように、タイマー36より一定間隔で割込み信号がCPU31に入力され、CPU31ではタイマーデータを割り込み毎にカウントアップするように構成されている。感光体ドラム3を回転させるメインモータ(図示せず)を駆動するための出力用I/O35のポートがアクティブになっているときにそのカウントアップが行われ、ドラム3の回転時間を積算して画像形成時間とする。そして、ROM32内には画像形成時間とクリーニングバイアスの関係テーブルすなわち画像形成時間に応じて印加すべきクリーニングバイアスの値が格納されており、これを参照して、積算画像形成時間に応じたクリーニングバイアスを印加することで、作像枚数(搬送枚数)に応じた最適なクリーニングバイアスの印加を行うことができる。
【0063】
次に、本発明の第3の実施形態として、搬送する記録材のサイズ(以下、通紙サイズという)に応じてクリーニングバイアスを可変制御する実施形態について説明する。
【0064】
前記実施形態でも説明したように、小サイズ紙を通紙した場合には転写ベルト6の両端部でベルト上に汚れが発生しやすい。そこで本実施形態においては、用紙サイズが小さい時に大きなクリーニングバイアスを、用紙サイズが大きい時には小さなクリーニングバイアスを印加するようにして、常に最適なクリーニングバイアスにより良好なクリーニング性を維持するようにしている。
【0065】
図12は、その実施形態における、通紙サイズとクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。このグラフの横軸は、転写ベルト6の幅から用紙の幅を減じた数値(mm)により用紙サイズを表わしており、上記数値が大きい方が用紙サイズが小さいことになる。本実施形態では、B5縦用紙の場合に15μAを、A4縦用紙の場合に10μAを、A3縦用紙の場合に5μAのクリーニングバイアスを印加するように設定してある。この様に、通紙サイズに応じてクリーニングバイアスを可変制御することにより、最適なクリーニングバイアスで常に良好なクリーニングを行い、転写ベルト6の汚れを無くすことができる。通紙サイズの検知は、図10に示す操作部37からの入力に基づいて検知することができる。
【0066】
図13は、通紙サイズ及び転写ベルトの抵抗値に応じたクリーニングバイアスを行うもの(第4の実施形態)における、通紙サイズ及びベルト抵抗値とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。ここでのベルト抵抗値は体積抵抗率に相当するものである。
【0067】
このグラフにおいて、実線は、ベルト抵抗値が1.0×10の「低」抵抗値の場合であり、この場合には、B5縦用紙の場合に20μAを、A4縦用紙の場合に15μAを、A3縦用紙の場合に5μAのクリーニングバイアスを印加する。また、破線は、ベルト抵抗値が1.0×10の「中」抵抗値の場合であり、この場合には、B5縦用紙の場合に15μAを、A4縦用紙の場合に11μAを、A3縦用紙の場合に5μAのクリーニングバイアスを印加する。そして、一点鎖線は、ベルト抵抗値が1.0×1010の「高」抵抗値の場合であり、この場合には、B5縦用紙の場合に10μAを、A4縦用紙の場合に8μAを、A3縦用紙の場合に5μAのクリーニングバイアスを印加する。
【0068】
図14は、転写ベルトの抵抗値及び搬送枚数に応じたクリーニングバイアスの可変制御を行うもの(第5の実施形態)における、ベルト抵抗値及び搬送枚数(作像枚数)とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。ここでのベルト抵抗値は体積抵抗率に相当するものである。
【0069】
このグラフにおいて、実線は、ベルト抵抗値が1.0×10の「低」抵抗値の場合であり、この場合には、作像枚数100枚までの場合に7.5μAを、100枚から500枚までの場合に12μAを、500枚から999枚までの場合に20μAのクリーニングバイアスを印加する。また、破線は、ベルト抵抗値が1.0×10の「中」抵抗値の場合であり、この場合には、作像枚数100枚までの場合に6μAを、100枚から500枚までの場合に9μAを、500枚から999枚までの場合に15μAのクリーニングバイアスを印加する。そして、一点鎖線は、ベルト抵抗値が1.0×1010の「高」抵抗値の場合であり、作像枚数100枚までの場合に5μAを、100枚から500枚までの場合に7μAを、500枚から999枚までの場合に10μAのクリーニングバイアスを印加する。
【0070】
図15は、通紙サイズ及び搬送枚数に応じたクリーニングバイアスの可変制御を行うもの(第6の実施形態)における、通紙サイズ及び搬送枚数(作像枚数)とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【0071】
このグラフにおいて、実線は、搬送枚数500枚から999枚までの場合であり、この場合には、B5縦用紙の場合に25μAを、A4縦用紙の場合に13μAを、A3縦用紙の場合に5μAのクリーニングバイアスを印加する。また、破線は、搬送枚数100枚から500枚までの場合であり、この場合には、B5縦用紙の場合に17μAを、A4縦用紙の場合に10μAを、A3縦用紙の場合に5μAのクリーニングバイアスを印加する。そして、一点鎖線は、搬送枚数100枚以下の場合であり、この場合には、B5縦用紙の場合に10μAを、A4縦用紙の場合に6μAを、A3縦用紙の場合に4μAのクリーニングバイアスを印加する。
【0072】
次に、転写ベルトの抵抗値と搬送枚数と通紙サイズとに応じてクリーニングバイアスを可変制御するもの(第7の実施形態)について説明する。
それら3つのパラメータの組み合わせにより決定されて印加されるクリーニングバイアスを次の表1に示す。なお、搬送枚数に応じてクリーニングバイアスを可変制御する場合、搬送枚数として1ジョブの枚数を採る場合と転写搬送装置の積算通紙枚数あるいは画像形成装置の積算作像枚数を採る場合ではその枚数のレベルが大きく異なる。従って、1ジョブあたりの搬送枚数によりクリーニングバイアスを変化させるとしても、新しい装置(転写搬送装置の積算通紙枚数あるいは画像形成装置の積算作像枚数が少ないもの)と古い装置(転写搬送装置の積算通紙枚数あるいは画像形成装置の積算作像枚数が多いもの)では適切なクリーニングバイアスの値がかなり異なることが考えられる。そこで、表1には、感光体ドラム3の回転時間から求めた積算作像枚数(搬送枚数)を、0〜30K(30,000)枚未満、30K〜60K枚未満、60K〜120K枚未満、120K〜240K枚未満の4段階に分け、夫々の段階での転写ベルトの抵抗値と搬送枚数(1ジョブあたり)と通紙サイズとに応じたクリーニングバイアスの値(単位:μA)を示している。これは、経時での転写ベルト6の特性変化に対応した適切なクリーニングバイアスの印加を可能とするためである。
【0073】
【表1】
Figure 0003595141
【0074】
この表1において、積算搬送枚数30、000枚未満までの第1段階では、例えば、ベルト巾−転写紙巾の値が130mmの用紙サイズA4縦でベルト抵抗値が10で搬送枚数が100枚のときは10μAのクリーニングバイアスを印加する。同じ用紙サイズのA4縦で同じベルト抵抗値の10で搬送枚数が500枚のときは15μAのクリーニングバイアスを印加する。あるいは、ベルト巾−転写紙巾の値が198mmの用紙サイズB5Tでベルト抵抗値が10で搬送枚数が999枚のときは27μAのクリーニングバイアスを印加する。
【0075】
このように、転写ベルトの抵抗値と搬送枚数と通紙サイズとに応じてクリーニングバイアスを可変制御することにより、転写ベルトの抵抗値に適合し、搬送枚数すなわちベルトの汚れの程度に適合し、通紙サイズすなわちベルトの汚れ易さに適合した最適なクリーニングバイアスを印加することができる。
【0076】
そして、例えば、積算搬送枚数が60K〜120K枚未満までの第3段階では、上記例示した第1段階と同じパラメータの組み合わせのときに、それぞれ11,16,29μAのクリーニングバイアスを印加する。この表からも判るように、転写ベルトの抵抗値と搬送枚数と通紙サイズの3つのパラメータが同じ場合で経時(積算搬送枚数)の段階が異なる場合には、積算搬送枚数が多い方が印加するクリーニングバイアスが大きく(高く)している。これによって、経時によるクリーニング性の低下に対応することができる。
【0077】
このように、3つのパラメータの組み合わせにさらに経時による条件を加えることにより、経時での転写ベルトの特性変化に対応した適切なクリーニングバイアスの印加が可能となる。
【0078】
ところで、上記各実施形態においては、転写ベルトに付着したトナーは正規帯電トナーであるとして、これをクリーニングするために転写バイアスと逆極性のクリーニングバイアスを印加していた。
【0079】
しかし、転写ベルトには逆帯電トナー(正規帯電トナーとは逆極性に帯電したトナー)が付着することもあるので、その逆帯電トナーをクリーニングするために、転写バイアスと同極性のクリーニングバイアスを印加するようにしたものを本発明の第8の実施形態として説明する。この転写バイアスと同極性のクリーニングバイアスは上記各実施形態における転写バイアスと逆極性のクリーニングバイアス印加と組み合わせる(転写バイアスと同極性および転写バイアスと逆極性のクリーニングバイアスをそれぞれ印加する)ことでクリーニング性を向上させることができる。具体的なバイアス印加の方法やその制御については前記各実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0080】
なお、上記各実施形態においては、印加するクリーニングバイアスとして電流制御の例を示したが、本発明は印加するクリーニングバイアスを電圧制御するものにも適用することができる。
【0081】
また、上記各実施形態では、転写動作(画像形成装置の作像動作)終了後にクリーニングバイアスを印加していたが、画像形成装置におけるPセンサによる画像濃度検知時に、クリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行うようにしても良い。
【0082】
標準パターンを像担持体上に形成してその濃度をPセンサ(フォトセンサ)により検知する画像濃度検知においては、転写ベルトと像担持体(感光体)は離間させているため、この画像濃度検知時に転写ベルトクリーニングのタイミングを連動させることができる。また、Pセンサの設置位置を転写ユニットの下流側(感光体ドラム回転方向あるいは像担持体移動方向の下流側)とすることもでき、両者(画像濃度検知と転写ベルトクリーニング)のタイミングを連動させることにより、画像濃度検知と同時に転写ベルトのクリーニングを実施することが可能となる。この場合、転写ベルトクリーニング動作のためだけに画像形成装置を待機状態とする必要がなく、画像濃度検知の時間を利用して(画像濃度検知と同時に)転写ベルトクリーニングを行うことにより、装置停止時間を増大させることがなく、生産性を犠牲にすることがない。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転写搬送装置によれば、ベルト抵抗値に応じてクリーニングバイアスを可変制御するので、経時あるいは環境変化などにより転写ベルトの抵抗値が変動した場合でも、常に適切なクリーニングバイアスを印加することができる。従って、ベルト上のトナーや紙粉等を確実にクリーニングして用紙の裏汚れや用紙の分離不良、あるいは転写ベルトへのトナー固着を防ぐことができる。また、感光体帯電手段として帯電ローラ(接触式帯電手段)を用いる画像形成装置においては、その接触式帯電手段へのトナー等の付着も低減させることができ、安定した作像動作を行わせることもできる。
【0084】
また、用紙搬送枚数に応じてクリーニングバイアスを可変制御するので、搬送枚数が増えるに連れて増進するトナー・紙粉等を確実にクリーニングすることができ、転写ベルトの汚れを防ぐことができる。
【0085】
また、搬送する用紙のサイズに応じてクリーニングバイアスを可変制御するので、用紙サイズによって変わるベルトの汚れ易さに対応した適切なクリーニングバイアスを印加することができ、小サイズ紙の場合でも確実なクリーニングを行うことができる。
【0086】
さらに、ベルト抵抗値、用紙搬送枚数、用紙サイズを組み合わせてクリーニングバイアスを可変制御することにより、転写ベルトの特性変化に対応した適切なクリーニングバイアスの印加が可能となり、よりクリーニング性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転写搬送装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】その転写搬送装置のベルトユニットのローラ構成を示す平面図である。
【図3】その転写搬送装置が画像形成装置に装着され、転写ベルトが感光体から離間している状態を示す正面図である。
【図4】その転写搬送装置が画像形成装置に装着され、用紙を挟んで転写ベルトを感光体に接近させた状態を示す正面図である。
【図5】その転写搬送装置の転写ベルトの構造を示す部分断面図である。
【図6】その転写搬送装置における転写作用を説明する模式図である。
【図7】本実施形態における、ベルト抵抗値とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【図8】本実施形態におけるクリーニングバイアスの印加制御を示すフローチャートである。
【図9】転写ベルト抵抗値の検出処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の転写搬送装置が装着される画像形成装置の制御部を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における、作像枚数とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【図12】本発明の第3の実施形態における、通紙サイズとクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【図13】本発明の第4の実施形態における、通紙サイズ及びベルト抵抗値とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【図14】本発明の第5の実施形態における、ベルト抵抗値及び作像枚数とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【図15】本発明の第6の実施形態における、通紙サイズ及び作像枚数とクリーニングバイアスの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 転写搬送装置
2 ベルトユニット
3 感光体ドラム
6 転写ベルト
11 バイアスローラ
12 高圧電源
13 接触板
14 転写制御板
16 クリーニング装置
16A クリーニングブレード
17 定着部

Claims (7)

  1. 画像形成装置における像担持体上の顕画像を記録材に転写するとともに記録材を搬送する転写搬送装置であって、回転駆動される転写ベルトと、該転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、前記転写ベルトに転写バイアスを印加する転写バイアス印加機構とを有する転写搬送装置において、
    前記像担持体と前記転写ベルトが離間した状態で前記転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行い、該転写ベルトクリーニング時に印加するクリーニングバイアスを前記転写ベルトの抵抗値に応じて可変させることを特徴とする転写搬送装置。
  2. 記録材搬送枚数に応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを特徴とする、請求項1に記載の転写搬送装置。
  3. 搬送する記録材のサイズに応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを特徴とする、請求項1に記載の転写搬送装置。
  4. 記録材搬送枚数及び搬送する記録材のサイズに応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを特徴とする、請求項1に記載の転写搬送装置。
  5. 画像形成装置における像担持体上の顕画像を記録材に転写するとともに記録材を搬送する転写搬送装置であって、回転駆動される転写ベルトと、該転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、前記転写ベルトに転写バイアスを印加する転写バイアス印加機構とを有する転写搬送装置において、
    前記像担持体と前記転写ベルトが離間した状態で前記転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行い、該転写ベルトクリーニング時に印加するクリーニングバイアスを記録材搬送枚数に応じて可変させることを特徴とする転写搬送装置。
  6. 搬送する記録材のサイズに応じて前記クリーニングバイアスを可変させることを特徴とする、請求項5に記載の転写搬送装置。
  7. 画像形成装置における像担持体上の顕画像を記録材に転写するとともに記録材を搬送する転写搬送装置であって、回転駆動される転写ベルトと、該転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、前記転写ベルトに転写バイアスを印加する転写バイアス印加機構とを有する転写搬送装置において、
    前記像担持体と前記転写ベルトが離間した状態で前記転写ベルトにクリーニングバイアスを印加して転写ベルトのクリーニングを行い、該転写ベルトクリーニング時に印加するクリーニングバイアスを搬送する記録材のサイズに応じて可変させることを特徴とする転写搬送装置。
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