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JP3591886B2 - 希土類元素集積微生物 - Google Patents

希土類元素集積微生物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な希土類元素集積微生物に関するものである。詳しく述べると、本発明は、効率よく希土類元素を集積する能力を有する希土類元素集積微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
希土類元素は、周期表中では自然界に存在する最大の元素グループであり、原子番号57番のランタン(La)から71番のルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)にスカンジウム(Sc)とイットリウム(Y)を加えた17個の元素群の総称であり、モナザイト(monazite)、バストネサイト(bastnaesite) 、ゼノタイム(zenotime)、ユウクセナイト(euxenite)及びガドリナイト(gadolinite)等の鉱物中に含まれている。これらのうち、主に軽希土(ランタンからユウロピウム)の資源としてモナザイト及びバストネサイトを、また、重希土(ガドリウムからルテリウム)の資源としてゼノタイムを工業的規模で分解精練することによって、それぞれの希土類元素が資源として得られる。
【0003】
また、希土類元素は、イオンの不完全充填状態の4f電子の挙動に基づく磁気的性質及び色などの光学的性質、さらには希土類独特の化学的性質により様々な広範囲な分野において使用されている。具体的には、4f電子の性質を利用したものとしては、カラーテレビ受像機のブラウン管の赤色蛍光体(ユウロピウム)やクォーツの腕時計やウォークマン等の小型電子機器における磁石(サマリウムやネオジム)が、また、化学的性質を利用したものとしては、ガソリンの製造に使用される触媒(ランタンやセリウム)、酸化物高温超伝導体、水素吸蔵合金、セラミックスおよび原子炉の制御材等がそれぞれ挙げられる。
【0004】
従来、希土類元素を捕集することができる微生物としては、特開昭59−118,825号に記載されている微生物がある。しかしながら、特開昭59−118,825号は、活性汚泥を用いてイットリウムを選択的に捕集する方法を開示しているのみであり、具体的に微生物を特定するまでには至っていない。
【0005】
このため、希土類元素を効率的に集積する特定された微生物については今日まで報告された例はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、希土類元素を効率的に集積することのできる微生物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的は、希土類元素を集積しうるバリオボラックス属(Variovorax)に属する希土類元素集積微生物によって達成される。
【0008】
本発明は、希土類元素のうち特にイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムを効率よく集積する希土類元素集積微生物を示すものである。本発明はさらに、受託番号がFERM P−14492号である希土類元素集積微生物を示すものである。
【0009】
【作用】
本発明による微生物は、バリオボラックス属(Variovorax)に属し、希土類元素を効率的に集積することができることを特徴とする微生物であり、この微生物の具体例としては、バリオボラックス パラドクス(Variovorax paradoxus)R−1株が挙げられ、この菌株は、以下のスクリーニング方法によって得られたものである。なお、以下のスクリーニング方法では自然界で最も多く存在するイットリウム(Y)を希土類元素として使用して、スクリーニングを行った。
【0010】
低栄養状態でも増殖できる微生物に希土類を集積する能力を備えた目的とする菌株が存在する可能性が高いとの推測から、スクリーニングは2回に分けて、つまり、一次スクリーニングとして低栄養性細菌の探索を行った後、二次スクリーニングとして培養液中のイットリウム濃度を減少させる菌株の選抜を行った。本発明によるスクリーニング方法を以下に具体的に記載する。
【0011】
谷汲神社(岐阜県谷汲村)の土壌から採取した試料をそのままあるいは滅菌水で10〜10倍に希釈したものを100μlずつコンラージ棒で、以下の方法で作製された一次スクリーニング用寒天培地(pH:7.2〜7.4)に塗抹し、この寒天培地を30℃で7〜10日間培養した。次に、寒天培地上に形成されたコロニーを釣菌し、滅菌水10mlに懸濁してさらにこれを10〜10倍に希釈した後、同様の寒天培地に100μlずつ塗抹し、さらにこの操作を数回繰り返して菌株を純化した。このような一次スクリーニングによって、栄養分の稀薄な状態においても増殖可能な細菌が得られた。
一次スクリーニング用寒天培地の作製方法 : 栄養分1/100の肉汁培地(ポリペプトン 0.01%、肉エキス 0.01%、NaCl 0.005%、pH 7.2〜7.4)(以下、1/100希釈肉汁培地と称する)を調製し、これに寒天1.5%(wt/v)を添加して高圧滅菌したものをシャーレに約25mlずつ分注して平板培地とした。
【0012】
次に、以下の方法で作製された、無菌処理済みの二次スクリーニング用液体培地(5ml)中に、上記一次スクリーニングで純化した各単離菌を白金耳で一白金耳ずつ接種し、30℃で7日間振盪培養した。さらに、以下の方法にしたがって培養上清中に残存するイットリウム(Y)濃度を測定し、培養上清中のY濃度が初濃度(5ppm)の50%未満となった菌を候補菌として選別した。この際、選別された菌株は再度二次スクリーニング用培地(以下、Y含有培地と称する)に接種して同様の操作を繰り返し、Y濃度減少に関する再現性を確認した。このようにして希土類元素を効率的に集積する菌株をスクリーニングした。
二次スクリーニング用培地の作製方法 : 肉汁(ポリペプトン 1%、肉エキス 1%、NaCl 0.5%、pH7.2)を脱塩水で1/100倍に希釈し、この希釈培地に5%(v/v)の硝酸水溶液(1モル/リットル)を中和するのに相当する量[0.1%(v/v)]の5N 水酸化ナトリウム溶液を予め加え、この溶液を攪拌しながらpHが約7.2になるように硝酸イットリウム溶液を徐々に滴下し、これを脱塩水で1リットルとし、0.2μmの滅菌済フィルターで濾過滅菌し、これを二次スクリーニング用培地(Y濃度:5ppm)とした。なお、この二次スクリーニング用培地は表1の組成を有する。
【0013】
【表1】
Figure 0003591886
【0014】
また、培養上清中に残存するイットリウム(Y)濃度の測定方法を以下に記載する。
スクリーニングする菌株を接種、培養した後のY含有培地1.5mlをエッペンドルフ遠心管に入れ、遠心分離(12,000rpm、4℃、10分間)することによって得られた培養上清1mlに、0.5ml 0.1%アルセナゾIII (Arsenazo III)溶液、0.5ml 塩酸・塩化カリウム緩衝溶液(30ml 0.2M KCl、20ml 0.2M HCl及び50ml 脱塩水を混合して100mlに定容し、pHが約1.5となった溶液)および1ml 脱塩水を加え、この混合溶液の655nmの吸光度を測定することによって、標準直線に基づいてイットリウム(Y)の濃度を求めた。なお、この際、イットリウムの標準直線は、原子吸光用の硝酸イットリウム溶液[1モル/リットルの硝酸溶液におけるY(NO濃度=1.0mgY/ml](和光純薬製)を使用する以外同様の操作を用いることによって作成した。
【0015】
上記スクリーニングによって得られた菌株の菌学的性質を以下に示す。
【0016】
(a)形態
1) 細胞の形および大きさ: かん菌で(0.6〜0.9)μm×(3.0〜4.0)μm
2) 細胞の多形性の有無: 無し
3) 運動性の有無: 無し
4) 胞子の有無: 無し
Figure 0003591886
(c)生理学的性質(30℃、72時間)
1) グラム染色: −
2) カタラーゼ: +
3) オキシダーゼ: +
4) O−Fテスト: +(若干酸化発酵)
5) 硝酸塩の還元: +
6) インドールの生成: −
7) グルコースからの酸の生成: −
8) アルギニンデヒドロラーゼ: −
9) ウレアーゼ: −
10) エスクリン加水分解: −
11) ゼラチン加水分解: −
12) β−ガラクトシダーゼ: −
13) グルコース同化: −
14) アラビノース同化: −
15) マンノース同化: −
16) マンニトール同化: −
17) N−アセチルグリコサミン同化: −
18) マルトース同化: −
19) グルコネート同化: +
20) カプレート同化: +
21) アジペート同化: +
22) マレート同化: +
23) シトレート同化: −
24) フェニルアセテート同化: −
25) チトクロムオキシターゼ: +
(d)生理的性質の補足(30℃、7日)
1) Tween80加水分解: +
2) グルコースOFからの酸の生成: +(僅かに)
3) フルクトースOFからの酸の生成: +
4) キシロースOFからの酸の生成: −
5) 3.5%NaCl中での生育: −
6) NO−N: −
7) アセトアミドのアルカリ化: +
8) アラントインのアルカリ化: +
9) 酒石酸のアルカリ化: +
10) ウレアーゼ: +(僅かに)
11) ゼラチン分解: −
12) デオキシリボヌクレアーゼ: −
13) リシンデカルボキシラーゼ: −
14) シトレートの利用: +
15) グルコースの利用: +(僅かに)
本菌は、バージーズ マニュアル オブ システマティック バクテリオロジー(Bergey´s Manual of Systematic Bacteriology 8th )による分類が不可能であったため、本菌の同定をザ インターナショナル コレクション オブ インダストリアル アンド マリーン バクテリア リミテッド(NCIMB)(The Ntional Collection of Industrial and Marine Bacteria Limited)に依頼 (参照番号:ID 2591/NCID 3415、日付:1994年7月18日の報告書類における菌株F)したところ、バリオボラックス パラドクス(Variovorax paradoxus)に近似していることが分かった(参考文献:インターナショナル ジャーナル オブ システマティック バクテリオロジー(International Journal of systematic Bacteriology)1991年41(3)、445〜450頁、インターナショナル ジャーナル オブ システマティック バイオテクノロジー(International Journal of systematic Bacteriology)1991年41(3)、427〜444頁、ジャーナル オブ クリニカル マイクロバイオロジー(Journal of Clinical MicroBaiology )1986年23巻、920〜923頁)。
【0017】
従来まで、バリオボラックス パラドクス(Variovorax paradoxus)が希土類元素を集積するという報告はなく、本菌は明らかに公知の菌種と区別されるため、本発明の微生物を新規な微生物であると判断し、本菌株をバリオボラックス パラドクス R−1(Variovorax paradoxus R−1)(以下、単にR−1株と称する)と命名した。また、このR−1株は、平成6年8月26日付で工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託され、その受託番号はFERM P−14492号である。
【0018】
本発明の菌株の培養に使用する培地は、固体または液体培地のいずれでもよく、また、本細菌が資化しうる炭素源、適量の窒素源、無機塩及びその他の栄養素を含有する培地であれば、合成培地または天然培地のいずれでもよい。
【0019】
本発明の菌株の培養において使用できる炭素源としては、本菌株が資化できる炭素源であれば特に制限されない。具体的には、微生物の資化性を考慮して、グルコース、フラクトース、マルトース、ガラクトース、デンプン、デンプン加水分解物、糖蜜、廃糖蜜などの糖類、肉エキス、ペプトン、麦、米などの天然物、グルセロール、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸、グルコン酸、ピルピン酸、クエン酸等の脂肪酸類、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸などを1種または2種以上選択して使用することができる。
【0020】
本発明の菌株の培養において使用できる窒素源としては、肉エキス、ペプトン、ポリペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、大豆粉末、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミノ酸、コーンスティープリカー、その他の動物、植物、微生物の加水分解物等の有機窒素化合物、アンモニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、尿素等の無機窒素化合物より使用する微生物の資化性を考慮して、1種または2種以上選択して使用する。
【0021】
本発明において使用できる無機塩としては、マグネシウム、マンガン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、銅、鉄及び亜鉛などのリン酸塩、塩酸塩、硫酸塩及び酢酸塩等から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。また、培地中に、必要に応じて、植物油、界面活性剤等を添加してもよい。
【0022】
本発明の微生物に効率よく希土類元素を集積させるために、培地中に希土類元素、より好ましくはイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムを、1〜20ppm、より好ましくは2〜10ppmの濃度で、添加することが好ましい。この際、添加する希土類元素は2種以上の混合物またはミッシュメタル等の合金であってもよい。
【0023】
本発明において、培養は、本発明の細菌は好気性であるため、好気的条件下で行われ、その際の培養条件は、培地の組成や培養法によって適宜選択され、本菌株が増殖できる条件であれば特に制限されない。通常は、培養温度が、20〜70℃、好ましくは25〜40℃であり、また、培養に適当な培地のpHは、5〜9、好ましくは6〜8である。
【0024】
また、本発明において、希土類元素の微生物からの分離、精製方法としては、上記培養条件下で培養を行った後、菌体を瀘過あるいは遠心分離等によって集め、例えば、凍結融解処理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、磨砕処理等の物理的手段またはリゾチーム等の細胞壁溶解酵素処理若しくは界面活性剤との接触処理等の化学的処理を単独または組み合わせて行うことにより菌体を破砕し、破砕した菌体から目的とする希土類元素を、分別結晶法、分別沈殿法、イオン交換クロマトグラフィー法および溶媒抽出法等の既知の方法を単独若しくは組み合わせて用いて精製する方法が挙げられる。破砕した菌体からの希土類元素の精製法としては、手間、時間および費用の点から、溶媒抽出法、特に溶媒抽出操作を連続して行う向流多段抽出法が好ましく用いられる。
【0025】
本発明の微生物は、希土類元素を効率よく集積する特性を有するが、従来、バリオボラックス属(Variovorax)に属し、上記特性を有する微生物に関する報告はなかった。
【0026】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0027】
実施例1
0.2μmのポリサルホン製滅菌済フィルターで濾過滅菌したY含有培地(Y濃度:5ppm)5mlに斜面培地よりR−1株を一白金耳接種して、30℃で24時間振盪培養することによって前培養を行った。このようにして得られた培養液5mlを、同様にして瀘過滅菌したY含有培地100mlの入った500mlの枝付き坂口フラスコに入れ、30℃で15日間本培養を行った。この培養期間中、24あるいは48時間おきに培養液を5mlずつ採取し、採取した培養液について、作用において記載した測定方法にしたがってY濃度を測定すると同時に、660nmの波長での濁度(OD660 )および培養液のpHを測定した。なお、濁度については、フラスコの側面にある試験管状部分に培養液を流し込み、ここに測定器を差し込んで計測を行った。
【0028】
このようして得られた培養時間に対するR−1株の培養液のY濃度の変化および濁度及びpHの変化を図1に示す。図1に示されるように、R−1株の培養によるY濃度は、培養開始後、短時間(6日間)で濃度が0付近に到達し、その後はほぼ一定を保つことから、Y濃度の変化が指数曲線に近い形を描いていることが分かる。また、細菌は指数関数状に増殖し、R−1株によるY濃度の減少曲線が上記増殖曲線と対称的であることから、Y濃度の減少はR−1株の生物学的活動によるものであると考えられる。
【0029】
実施例2
0.2μmのポリサルホン製滅菌済フィルターで濾過滅菌したY含有培地(Y濃度:5ppm)5mlにR−1株を斜面培地より一白金耳接種し、30℃で7日間振盪培養する。7日間培養した後のY含有培養液1.5mlをエッペンドルフ遠心管に入れ、遠心分離(12,000rpm、4℃、10分間)することによって培養上清液を得た。続いて、上記遠心分離によって得られた沈殿(菌体)に150mMのNaClを1mlを加えて懸濁させ、これを再度遠心分離にかけ、上清液を得た。この操作を計3回繰り返し、上清液を合わせて洗浄液とした。
【0030】
このようにして洗浄された沈殿(菌体)に150mMのNaClを1mlを加えて懸濁させた。この懸濁液を超音波破砕機(ブランソン製(BRANSON)、デューティ(Duty):30、出力:3、30秒×5回)を用いて破砕処理を行なうことによって菌体を破砕し、0.5mlの150mM NaClをさらに加えて遠心分離し、細胞抽出液を得た。そして遠心後の菌体の残渣に0.5mlの濃硫酸、0.5mlの濃硝酸を加え加熱し酸分解させ、これに150mMのNaClを1ml加え、菌体の残渣液を得た。
【0031】
なお、比較として、大腸菌(Escherichia coli IFO 1041)を用いて同様の評価を行なった。
【0032】
得られた各画分に含まれるY濃度を誘導結合プラズマICPを用い測定した。その結果を図2に示す。
【0033】
この結果より明らかなように、大腸菌では全く集積されていなかったYが、R−1株では初期濃度の約70%近く菌体に集積されていることがわかる。
【0034】
実施例3
図3に記載の各希土類元素[ランタノイド(La〜Lu)及びイットリウム (Y)]の硝酸塩溶液を硝酸イットリウム溶液の代わりに用いる以外は表1と同様の培地組成を有する希土類元素含有液体培地を孔径0.2μmのポリサルホン製滅菌済フィルターで瀘過滅菌した。この希土類元素含有液体培地(各希土類元素濃度:5ppm)5mlに、斜面培地よりR−1株を一白金耳ずつ接種して、30℃で7日間振盪培養し、培養液中に含まれる各希土類元素濃度を測定し、初濃度に対する減少率を算出した。なお、各希土類元素の濃度の測定方法は、使用する希土類元素が異なる以外は作用において記載されたイットリウム濃度の測定方法と同様であるが、655nmの波長における感度が元素ごとに異なるため、標準曲線を各元素ごとに作成した。
【0035】
結果を図3に示す。図3に示されるように、原子量の小さい方(図3の左側)に減少率の高い物質が偏っており、プラセオジム(Pr)がやや低い(22%)が、イットリウムからネオジムまでが40%前後の比較的高い減少率を示している。また、高い減少率を示すランタンからネオジムの元素はすべて原子価が3以上に限定されることから、イットリウムおよび軽希土のうち原子価が3以上に限定される元素を用いた場合に減少率が高くなっていると考えられる。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるバリオボラックス属(Variovorax)に属する微生物は新規な微生物であり、希土類元素、特にイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムを効率よく集積できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の微生物による希土類元素集積能を説明するための培養時間に対する培養液中のイットリウム(Y)濃度の変化、および培養液の濁度及びpHの変化を示すものである。
【図2】図4は、Yの分布状況を示す図である。
【図3】図3は、本発明の微生物によるランタノイドに対する選択性を示す図である。

Claims (1)

  1. 希土類元素を集積しうるFERM P−14492号であるバリオボラックス パラドクス(Variovorax paradoxus) R−1株。
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