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JP3589380B2 - 半導体薄膜の製造方法および薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

半導体薄膜の製造方法および薄膜太陽電池の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体薄膜の製造方法および薄膜太陽電池の製造方法に関するものであり、特にエネルギー変換効率の高い太陽電池用として有用である半導体薄膜の製造方法およびこの半導体薄膜を用いた薄膜太陽電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Ib族、IIIb族とVIb族元素からなる化合物半導体薄膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)であるCuInSe(CIS)またはGaを固溶したCu(In,Ga)Se(CIGS)を光吸収層として用いる薄膜太陽電池は、高いエネルギー変換効率を示し、光照射等による効率の劣化が少ないという利点を有している。CIS膜あるいはCIGS膜の表面層は太陽電池の変換効率に大きな影響を与えることが知られている。例えば、CIGS太陽電池では、光吸収層となるp形CIGS膜とn形窓層半導体で形成されるpn接合の状態、特にpn接合界面となるCIGS膜の表面層の状態が変換効率を左右する重要な要素となっている。そこで近年、これらの半導体薄膜の表面層が詳しく研究されるようになった。
【0003】
ショック(H. W. Schock)等は1992年10月12日〜16日にスイス、モントルーで開催された第11回ヨーロッパ光起電力太陽エネルギー会議(11th E.C. Phtovoltaic Solar Energy Conference)において、「ハイ エフィシェンシー カルコパイライト ベースド シン フィルム ソーラ セルズ リザルツ オブ ザ ユーロCIS−コラボレーション」(”HIGH EFFICIENCY CHALCOPYRITE BASED THIN FILM SOLAR CELLS RESULTS OF THE EUROCIS−COLLABORATION”)という題で蒸着法で形成したCIS膜の表面にはCuInSeの化合物層が存在することを報告している。このCuInSeはn形伝導を示し、p形のCISとpn接合を形成していることを示唆している。この表面層はpn接合界面の欠陥を低減し、CIS系太陽電池の高い変換効率に寄与するものである。
【0004】
蒸着法によると自動的にCIS膜上にn形のCuInSe層が形成されることから、CIS太陽電池よりも高い変換効率を示すCIGS太陽電池においてもCIGS膜表面にCu(In,Ga)Se層が形成されている可能性が大きい。この表面層がCIGS太陽電池の特性に大きな影響を与えていることが考えられる。そこで、我々(T. Negami他)は、Cu(In,Ga)Se膜を形成し、Gaの固溶率に対するこの膜の特性の変化を調べ、刊行物アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)の1995年発刊の67巻6号の825頁に「プリパレーション アンド キャラクタリゼーション オブ Cu(In1−xGaSe シン フィルムズ」(”Preparation and Characterization of Cu(In1−xGaSe Thin Films”)という題でその結果を報告した。Cu(In1−xGaSe膜はx≦0.3ではn形膜、x>0.3では高抵抗な半絶縁膜となることがわかった。
【0005】
同様の結果を1996年4月8日〜11日にサンフランシスコで開催された1996年マテリアル リサーチ ソシャイアティ スプリング ミーティング(1996 Material Research Society Spring Meeting)において、コントレラス(M. A. Contreras)等が「ディフェクト カルコパイライト Cu(In1−xGaSe ポリクリスタライン シン フィルム マテリアルズ」(”Defect Chalcopyrite Cu(In1−xGaSe Polycrystalline Thin−Film Materials”)という題で報告している。彼らはx>0.3ではp形高抵抗膜となっていると述べている。
【0006】
CIGS太陽電池は、理論的にはGa固溶率0.7で最高の変換効率を示すが、蒸着法により作製されたCIGS太陽電池は、Ga固溶率が0.2〜0.3で最高の変換効率を示している。我々は、Cu(In1−xGaSe膜のGa固溶率(x)に対する電気特性の変化から、表面層の電気特性が太陽電池の効率に大きな影響を与えていることを示唆した。つまり、表面が半絶縁あるいはp形高抵抗層の場合は、pn接合界面への不純物の付着あるいはn形窓層との格子不整合による欠陥の増加を生じるため、変換効率が低下すると考えられる。従って、より高い変換効率を得るためにGaの高い固溶率のCIGS膜で太陽電池を形成するには表面層を改良する必要がある。
【0007】
櫛屋(K.Kushiya)等は1996年11月11日〜15日に宮崎市で開催された第9回太陽光発電国際会議(9th International Photovoltaic Science and Engineering Conference )にて「ファブリケーション オブ グレーデッド バンドギャップ Cu(In,Ga)Se シン フィルム ミニモジュールズ ウィズ ア Zn(O,S,OH)x バッファー レイヤー」(”Fabrication of Graded Band−Gap Cu(In,Ga)Se2 Thin−Film Mini−Modules with a Zn(O,S,OH)x Buffer Layer”)という題で硫化水素を用いてセレン化法により作製したCIGS膜表面にCuInS層を形成できることを報告している。彼らは、このCuInS層がCIGS膜表面に形成されている欠陥を低減すると述べており、これによって、変換効率の向上と効率の均一性の向上が図られたと報告している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
Sガスを用いてCIGS膜の表面を硫化し、CuInS表面層を形成する方法は、HSeガスを用いたセレン化によるCIGS膜の形成法に有利である。なぜならば、一連の熱処理工程で基板を取り出すことなく供給ガスの切り替えによりCuInS表面層を形成することができるからである。しかしながら、HSガスによる表面硫化は、高温を要することやガス濃度、硫化時間による表面層の厚さの制御が難しいこと等から、必ずしも量産性、制御性に優れた方法ではなかった。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑み、光電変換効率を向上させる表面層を有する半導体薄膜の製造方法およびこの半導体薄膜を構成要素とする薄膜太陽電池の製造方法であって、制御性および量産性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の半導体薄膜の製造方法は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、少なくともIIIb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、前記半導体とは異なる組成を有する本質的にIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層を表面層として形成することを特徴とする。表面層として形成される半導体層は、この半導体層が形成される基体となる半導体薄膜とは異なる組成を有するが、この組成の相違は、半導体を構成する元素の種類は同じであるが半導体の組成比が異なることに起因するものであってもよく、半導体を構成する元素が同族元素ではあるが異なる元素であることに起因するものであってもよく、また、半導体層が微量元素を含む(微量元素がドープされる)ことに起因するものでもあってもよい。
【0011】
本発明の半導体薄膜の製造方法の第1の構成は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、IIIb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、前記半導体とは異なる組成を有するIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層を形成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の半導体薄膜の製造方法の第2の構成は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、IIb族元素を含む化合物、IIIb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、本質的にIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなり、微量元素としてIIb族元素を含む半導体層を形成することを特徴とする。この半導体層は、IIb族元素がドープされたIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体からなる。
【0013】
さらに、本発明の半導体薄膜の製造方法の第3の構成は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、IVb族元素を含む化合物、IIIb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、本質的にIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなり、微量元素としてIVb族元素を含む半導体層を形成することを特徴とする。この半導体層は、IVb族元素がドープされたIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体からなる。
【0014】
半導体の表面の状態は半導体装置の性能に大きな影響を与える。特に、p(n)形半導体の上にn(p)形膜を形成してなるpn接合では、p(n)形半導体の表面がpn接合界面となるため、不純物の付着や酸化等で生じる表面の欠陥が半導体装置の特性を劣化させる大きな要因となる。本発明の製造方法によれば、溶液を用いた低温プロセスにより、基体となる半導体の表面に、この半導体とは異なる組成を有する半導体表面層を形成して、半導体装置の劣化を抑制することができる。本発明の製造方法においては、室温程度の低温で製膜が可能であることから、製造コストを低減することが可能である。また、基体となる半導体薄膜の表面全体に溶液が接するため、大面積太陽電池の製造工程にも容易に適用でき、均一性、制御性にも優れている。
【0015】
加えて、本発明の第2の構成によれば、IIb族元素がドープされたカルコパイライト構造半導体表面層を形成することができる。この半導体表面層は、主としてn形の半導体となる。従って、この半導体表面層とp形のカルコパイライト構造半導体薄膜との界面、すなわち半導体薄膜内にpn接合を形成することが可能となる。このような構成とすると、pn接合界面への不純物の付着あるいは酸化等による欠陥の生成を抑制できるだけでなく、電極形成等pn接合形成後の工程における接合界面の損傷を防ぐことが可能となる。その結果、pn接合を用いた半導体装置の再現性や歩留まりを向上させることができる。
【0016】
本発明の第3の構成によれば、IVb族元素がドープされたカルコパイライト構造半導体表面層を形成することができる。この半導体表面層は、主としてn形の高抵抗半導体となる。従って、p(n)形カルコパイライト構造半導体を前記溶液に浸し、n形高抵抗層を形成した後、n(p)形半導体膜を堆積すると、pin(nip)接合を形成することができる。このpin接合に光を照射すると、光吸収層となるp(n)形カルコパイライト構造半導体だけでなく、半絶縁表面層でも光が効率よく吸収され、それにより励起されたキャリアを外部に取り出すことが可能となる。n形高抵抗表面層によりpin接合の漏れ電流も低減される。その結果、ダイオード特性が向上する。具体的には、太陽電池において漏れ電流の低減により開放端電圧と曲線因子が増加し、変換効率が向上する。
【0017】
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、前記記載の製造方法により製造した半導体薄膜の表面に、窓層として前記半導体とは異なる半導体薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることにより、効率、均一性および再現性に優れた薄膜太陽電池を量産性に優れた方法により製造することができる。
【0019】
窓層として形成する前記半導体とは異なる半導体薄膜としては、格子不整合が小さい等の理由からCdS薄膜が好ましい。
【0020】
本発明により製造された半導体薄膜は、pn接合を基本とした種々の半導体装置に適用できるが、太陽電池に好適である。本発明の半導体薄膜の表面層はpn接合界面の欠陥密度を減少させ得るものであり、太陽電池の変換効率を向上させることができる。また、溶液から表面層を形成するため、凸凹のある表面にも凸凹に沿って均一に表面層を形成できる。太陽電池では、大面積で均一な性能を要求されるため、本発明の製造方法による表面層が有効となる。特に、多結晶カルコパイライト構造半導体薄膜を太陽電池の光吸収層に用いた場合は、結晶粒の成長による凹凸が表面にできるため、本製造方法による半導体薄膜が特に有利となる。さらに、表面層を均一に製造することができるため、太陽電池の再現性も向上する。
【0021】
前記各元素について、具体的に説明すると、Ib族元素はCuであることが好ましく、IIIb元素はInおよびGaから選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、VIb族元素はSeおよびSから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。これらの元素によりカルコパイライト構造を有するI−III−VIb族化合物半導体が形成される。
【0022】
また、ドープされる元素については、IIb族元素はZnおよびCdから選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、IVb族元素はSnであることが好ましい。これらの元素をドープすることにより、前述のpn接合やpin接合を形成することが可能となる。
【0023】
本発明においては、表面層として形成される半導体層に含まれるIIIb族元素またはVIb族元素と、基体となる半導体薄膜に含まれるIIIb族元素またはVIb族元素とを異なる元素としてもよい。例えば、本発明の第1の構成においてこのような構成を採用して、半導体薄膜内部の禁制帯幅より大きい禁制帯幅を有する表面層を形成し、pnまたはpin接合を構成した場合には、接合界面の欠陥を介して発生していた漏れ電流を抑制することができ、ダイオード特性を向上させることが可能となる。
【0024】
したがって、このような効果を考慮すると、本発明において用いる溶液に含まれる化合物が、この溶液が接する半導体薄膜に含まれるIIIb族元素とは異なるIIIb族元素を含むことが好ましい。また、同様に、溶液に含まれる化合物が、この溶液が接する半導体薄膜に含まれるVIb族元素とは異なるVIb族元素を含むことが好ましい。
【0025】
また、本発明において用いる溶液は、溶媒として、塩酸、酢酸、硝酸および硫酸から選ばれる少なくとも一つの酸を含むことが好ましく、また、この溶液のpHは、1〜4であることが好ましい。この好ましい例によれば、半導体層を安定して効率よく形成することができる。このように、本発明においては、酸性溶液を用いることにより、半導体層を安定かつ迅速に形成することができる。
【0026】
また、前記溶液の温度は10℃〜100℃であることが好ましい。このような低温プロセスにより製造コストを低減することができる。
【0027】
また、前記溶液に含まれるIIIb族元素を含む化合物は、具体的には、IIIb族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、VIb族元素を含む化合物は、VIb族元素を含む窒素有機化合物であることが好ましく、IIb族元素を含む化合物は、IIb族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、IVb族元素を含む化合物は、IVb族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。さらに具体的には、VIb族元素を含む窒素有機化合物は、チオアセトアミドおよびチオ尿素から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。また、前記各ハロゲン化物としては、塩化物、ヨウ化物または臭化物が好ましい。
【0028】
また、本発明においては、表面層を形成した後に、半導体薄膜を熱処理することが好ましい。この好ましい例によれば、半導体表面層の内部および半導体表面層と基体とされた半導体薄膜との界面における欠陥密度をさらに減少させることができる。その結果、さらに漏れ電流が少なく高品質で安定したpn(pin)接合を形成することが可能となる。
【0029】
この効果を十分に得るためには、熱処理を100℃〜400℃の範囲で実施することが好ましく、200℃〜350℃の範囲で実施することがさらに好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
実施例1では、Ib族とIIIb族とVIb族元素とからなるカルコパイライト構造半導体であるCuInSe基板の表面に、CuInS層を形成する例について述べる。
【0032】
まず、IIIb族元素を含む化合物(塩)である塩化インジウム(InCl)とVIb族元素を含む有機化合物であるチオアセトアミト゛(CHCSNH)と塩酸とを混合した溶液を用意した。溶液中の塩化インジウム濃度は0.005M、チオアセトアミドの濃度は0.1Mとした。また塩酸を加えることによってpH1.9となるように調整した。この溶液を入れた容器を75℃に保った温水漕に静置した。この溶液中にI−III−VIb族カルコパイライト構造半導体であるCuInSe基板を浸し、約5分間静置した後に基板を引き上げて純水で洗浄した。基板を取り出した時の溶液の温度は70℃であった。
【0033】
このCuInSe基板の断面を透過型電子顕微鏡で観察した明視野像を図1に示す。図1より、表面と結晶内部の像の明暗に差があることがわかる。この表面層の2点(図1における点1および点2)と結晶内部(図1における点0)の組成をマイクロEDX(エネルギー分散型X線解析)で測定した。結晶内部(点0)ではCuとInとSeとによる信号が各々観測され、その組成比はCu:In:Se=25.0:25.0:50.0であった。このことから基板の内部はCuInSe結晶であることが確認された。これに対し、表面層ではCuとInとSとによる信号が各々観測され、Seの信号は観測されなかった。また、その組成比は界面近傍の点1ではCu:In:S=27.1:26.6:46.2であり、表面層の中の点2ではCu:In:S=23.4:26.0:50.6であった。このことから、表面層はCuInSとなっていることがわかった。
【0034】
以上の結果から、InとSを含む溶液にCuInSe結晶基板を浸漬すると、表面にIn−S系化合物(In等)膜が堆積されるわけではなく、基板とは組成の異なるCuInS表面層が形成されることが確認された。
【0035】
(実施例2)
実施例2では、2種類のIIIb族元素を含む溶液を用いて表面層を形成する例について述べる。
【0036】
IIIb族元素を含む化合物(塩)として、硫酸インジウム(In(SO)と硫酸ガリウム(Ga(SO)を用意した。この2つの塩を水に溶かし、この水溶液とチオアセトアミドと硫酸とを混合した溶液を作製した。溶液中の硫酸インジウムの濃度は0.004M、硫酸ガリウムの濃度は0.001M、チオアセトアミドの濃度は0.1Mとした。また硫酸によりpH2となるように調整した。この溶液を入れた容器を液温75℃に保った温水漕に静置した。この溶液中に、Moを被覆したガラス板上にCuInSe膜を堆積した基板を浸し、約1分後に引き上げて純水で洗浄した。
【0037】
このCuInSe膜の膜深さ方向の組成をオージェ電子分光分析法を用いて測定した。図2に結果を示す。図2の横軸は膜をエッチングしている時間を示しており、エッチング時間0が膜表面に対応する。図2によると、エッチング時間15分までの膜表面層ではGaとSの信号が観測されている。これに対し、Seの信号強度は極めて低い。一方、エッチング時間15分以上の膜内部(バルク)では、逆に、GaとSの信号は微弱であり、Seの信号が強くなっていることがわかる。また、Inの信号はバルクに比べ表面層で弱くなっているが、Cuの信号強度はバルクと表面層とにおいてほとんど変わらない。このことから、溶液に浸したCuInSe膜表面にはCu(In,Ga)S層が形成されていることがわかる。
【0038】
また、溶液中の硫酸インジウムと硫酸ガリウムの濃度比を変えると表面層のInとGaの信号強度が変わり、濃度比の変化にほぼ比例することが確認された。従って、溶液中の2種類のIIIb族元素の塩の濃度比を調整することにより、表面層のIIIb族元素の組成比を制御できることが確認できた。
【0039】
なお、ここでは、IIIb族元素を含む塩として硫酸塩を用いたが、ハロゲン化物や硝酸塩を用いても基本的には同様な結果が得られる。ただし、材料によっては水や酸と激しく反応する物質もあるため、安全な塩を選択して溶液を作製することが工業的には重要となる。
【0040】
(実施例3)
実施例3では、IIb族元素を含む溶液を用いて表面層を形成する例について述べる。
【0041】
IIb族元素を含む化合物(塩)として塩化亜鉛(ZnCl)、IIIb族元素を含む化合物(塩)として、塩化インジウム(InCl)を用いた。この2つの塩を水に溶かし、この水溶液とチオ尿素と塩酸を溶かした溶液を作製した。溶液中の塩化亜鉛の濃度は0.001M、塩化インジウムの濃度は0.005M、チオ尿素の濃度は0.5Mとした。また塩酸によりpH2.5となるように調整した。この溶液を入れた容器を液温75℃に保った温水漕に入れた。溶液中に、Moを被覆したガラス板上にCu(In,Ga)Se膜を堆積した基板を浸し、約2分後に引き上げて、純水で洗浄した。
【0042】
このCu(In,Ga)Se膜の膜深さ方向の組成を2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定した。図3に結果を示す。図3の横軸は膜をエッチングしている時間を示しており、エッチング時間0が膜表面に対応する。図3によると、エッチング時間5分までの膜表面層ではZnとSの信号が観測されている。一方、エッチング時間5分以上のバルク内では、徐々にZnとSの信号が減少し、約10分でノイズレベルまで低下している。また、Gaの信号強度はバルク内で一定であり、表面層では表面に近づくにつれ減少していることがわかる。さらに、表面層のZnの信号強度とInの信号強度とを比較すると、Znの信号強度は一桁低いことがわかる。SIMSでのZnとInとの感受率の相違を考慮する必要があるが、Znは微量に表面層に含まれていると考えられる。従って、作製したCu(In,Ga)Seの表面層はバルクよりGa固溶率が低く、Znを微量に含んだCu(In,Ga)S:Zn層となっていることがわかる。
【0043】
このように、表面層のカルコパイライト構造半導体薄膜にIIb族元素を容易にドープすることができる。IIb族元素をドープしたカルコパイライト構造半導体薄膜、特にCuInSe:ZnやCuInS:Znはn形伝導を示す。p形半導体の表面にn形半導体層を形成するとpn接合が構成できるため、この実施形態は、CuInSe系の太陽電池の製造に有利な方法である。また、塩化亜鉛の溶液濃度により表面層に含まれるZnの濃度を制御できるため、n形層のキャリア濃度を簡便に制御できる。従って、太陽電池の変換効率の向上に適したn形層を作製することができる。
【0044】
なお、ここでは、IIb族元素およびIIIb族元素の塩として、塩化物を用いたが、ヨウ化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩等を用いても同様の結果が得られる。また、酸としては、硫酸、硝酸、酢酸等を用いても同様の結果が得られる。さらに、IIb族元素として、Znを用いたがCdを用いても同様にn形半導体表面層を得ることができる。
【0045】
(実施例4)
実施例4では、IVb族元素を含む溶液を用いて表面層を形成する例について述べる。
【0046】
IIIb族元素を含む化合物(塩)として、塩化インジウム(InCl)を、IVb族元素を含む化合物(塩)として塩化スズ(SnCl)を用意した。この2つの塩を水に溶かし、この水溶液とチオアセトアミドと塩酸と混合して溶液を作製した。溶液中の塩化スズの濃度は0.0005M、塩化インジウムの濃度は0.005M、チオアセトアミドの濃度は0.1Mとした。また塩酸によりpH1となるように調整した。この溶液を入れた容器を液温70℃に保った温水漕に入れた。溶液中に、Moを被覆したガラス板上にCu(In,Ga)Se膜を堆積した基板を浸し、約30秒後に引き上げて、純水で洗浄した。
【0047】
このCu(In,Ga)Se膜の膜深さ方向の組成をSIMSを用いて分析した。図4に結果を示す。図4の横軸は膜をエッチングしている時間を示しており、エッチング時間0が膜表面に対応する。図4によると、エッチング時間2分までの表面層では、SnとSの信号が観測される。これに対し、Seの信号強度はエッチング時間2分以上のバルク内より大きく減少している。これとは逆に、バルク内では、SnとSの信号強度が大きく減少し、Seの信号強度が強くなっている。また、実施例3と同様に、Gaの信号強度は表面層内で表面に近づくにつれ徐々に減少している。さらに、表面層内でのSnの信号強度はInの信号強度に比べ1桁以上小さい。従って、作製したCu(In,Ga)Se膜の表面層は、Snを微量に含みGa含有率の小さいCu(In,Ga)S:Sn層となっていることがわかる。
【0048】
このように、表面層のカルコパイライト構造半導体薄膜にIVb族元素を容易にドープすることができる。IVb族元素をドープしたカルコパイライト構造半導体はn形高抵抗体となる。このようなn形高抵抗表面層を有するp形半導体上にn形低抵抗膜を形成するとpin接合が構成できる。この場合、表面層のないpn接合で生じる漏れ電流を低減することが可能となり、ダイオード特性を向上させることができる。具体的には、太陽電池において漏れ電流の低減により開放端電圧と曲線因子が増加し、変換効率が向上する。このような好ましい実施の形態によれば、ダイオード特性に重要な影響を与える半絶縁層の膜厚を浸積時間やIVb族とIIIb族元素の塩の濃度等で簡便に制御することが可能である。
【0049】
なお、ここでは、IIIb族元素およびIVb族元素の塩として、塩化物を用いたが、ヨウ化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩等を用いても同様の結果が得られる。また、酸としては、硫酸、硝酸、酢酸等を用いても同様の結果が得られる。
【0050】
(実施例5)
実施例5では、本発明の製造方法により表面層を形成した半導体薄膜を用いて太陽電池を製造する例について述べる。
【0051】
実施例1と同じ溶液に、Mo膜を被覆したガラス上にCu(In,Ga)Se膜を堆積した基板を浸し、約10秒後に引き上げ、純水で洗浄した。このときの塩化インジウムおよびチオアセトアミドの濃度、塩酸によるpH調整、液温等の条件は実施例1と同じである。得られたCu(In,Ga)Se膜の数枚を200℃〜500℃の範囲で温度を変えて窒素雰囲気中で30分熱処理した。
【0052】
次に、熱処理していない膜とともに、熱処理した膜の表面に化学析出法により太陽電池の窓層となるCdS膜を形成した。CdS膜は、具体的には、酢酸カドミウム(Cd(CHCOO))とチオ尿素と酢酸アンモニウムとアンモニアとを溶かした水溶液中にCu(In,Ga)Se膜の堆積した基板を浸すことにより形成した。溶液中の酢酸カドミウム、チオ尿素および酢酸アンモニウムの濃度は、それぞれ、0.001M、0.005M、0.01Mとし、アンモニアを添加することによりpH11となるように調整した。また、温水漕の液温は85℃とした。CdS膜堆積後に、透明導電層となるZnO膜とITO(In:SnO)膜をスパッタリング法によりCdS膜上に形成した。スパッタはArガス8mmTorrの雰囲気中で高周波パワー500Wをターゲットに印加して行った。作製したZnO膜、ITO膜の膜厚は、それぞれ0.2μm、0.1μmであった。
【0053】
このようにして作製した太陽電池に、AM1.5、100mW/cmの疑似太陽光を照射して太陽電池特性を測定した。表1に得られた特性を示す。なお、比較のため、表1には、従来例として同じCu(In,Ga)Se膜上に本発明の表面層を形成せずにCdS膜を堆積した太陽電池の特性も併せて示す。塩化インジウムとチオアセトアミドを含む溶液に浸漬する処理(以下および表1において、「In−S処理」という。)を半導体薄膜に施すことにより、太陽電池の変換効率が向上することがわかる。表1によると特に曲線因子が向上している。これは、CdS膜とCu(In,Ga)Se膜で形成されるpn接合で生じる漏れ電流をIn−S処理によって形成された表面層が低減しているためと考えられる。また、In−S処理後に熱処理をすることにより、太陽電池の変換効率が向上することがわかる。この場合も曲線因子が高くなっている。これは、表面層の欠陥密度が熱処理することにより低減するためと考えられる。また、熱処理温度の範囲200℃〜300℃で14%以上の効率が得られている。熱処理の温度が高すぎると効率は逆に低下する。これは、高温熱処理により表面層とバルク内の相互拡散が生じて、均一な組成の膜となる傾向が生じるためと考えられる。
【0054】
【表1】
Figure 0003589380
【0055】
図5に作製した太陽電池の効率のバラツキを示す。In−S処理していない膜を用いた太陽電池の効率のバラツキが最も大きく、250℃で熱処理した膜を用いた太陽電池の効率のバラツキが最も小さい。このことから、変換効率の向上だけでなく、太陽電池の効率の再現性も、In−S処理による表面層の形成により向上し、さらにIn−S処理後の熱処理によりさらに改善されることがわかる。再現性は、大面積での変換効率の均一性の改善や歩留まりの向上につながる重要な要素である。
【0056】
以上より、本発明により表面層を形成した半導体薄膜は、太陽電池の変換効率と再現性の向上に効果があることが確認された。表面層形成後に熱処理すると変換効率および再現性がさらに改善される。
【0057】
なお、前記実施例では、熱処理を窒素雰囲気中で行ったが、Ar等の不活性ガス、酸素もしくはHSガス雰囲気中または空気中または真空中で熱処理しても同様の効果を得ることができる。
(実施例6)
実施例6では、本発明の製造方法により表面層を形成した半導体薄膜を用いて太陽電池を製造する他の例について述べる。
【0058】
前述のように、CIGS太陽電池では、光吸収層の禁制帯幅から計算される理論的な変換効率は、Cu(In1−xGa)Se膜の組成比がx=0.7程度で最も高い値が得られる。しかし、現状では、x=0.2〜0.3で最も高い変換効率を示している。この違いの一つの要因は、x>0.3では、CIGS膜の表面がp形または半絶縁体層となるため、窓層とのpn接合界面が大気中に曝され汚染されるからと考えられる。そこで、本実施例では、Cu(In0.3Ga0.7)Se膜に本発明の製造方法により表面層を形成して太陽電池を作製した。
【0059】
実施例2と同じ溶液中に、Mo膜を被覆したガラス上にCu(In0.3Ga0.7)Se膜を形成した基板を浸し、約1分後に引き上げた後、純水で洗浄した。溶液中の塩化インジウム、塩化亜鉛およびチオ尿素の濃度ならびに塩酸を加えた後のpHは、実施例2と同じである。また、純水洗浄後にAr雰囲気中で200℃にて30分間熱処理した。
【0060】
溶液処理により表面層を形成したCu(In0.3Ga0.7)Se膜と比較のために溶液処理をしていないCu(In0.3Ga0.7)Se膜を光吸収層に用いた太陽電池を作製した。光吸収層の上に堆積する窓層CdSと透明導電層ZnO/ITO積層膜の形成方法は、諸条件、膜厚も含めて実施例5と同じとした。
【0061】
作製した太陽電池にAM1.5、100mW/cmの疑似太陽光を照射して太陽電池特性を測定した。結果を表2に示す。溶液処理した膜を用いた太陽電池の方がVoc(開放電圧)と曲線因子が高いことがわかる。これは、溶液処理により極薄のn形表面層ができ、膜内にpn接合が形成されたために大気暴露による不純物の汚染や表面酸化等によるpn接合界面の欠陥が生成されないためと考えられる。
【0062】
【表2】
Figure 0003589380
【0063】
本実施例のように光吸収層内部にpn接合を形成すると、その後の太陽電池製造工程による接合界面の汚染や損傷を防ぐことが可能となり、太陽電池の変換効率の向上が可能となる。さらに、バルクとなる膜と表面層、ここではCu(In,Ga)SeとCuInSの組成が異なることから、p形バルクに対して禁制帯幅の広いn形表面層を形成することが可能であり、太陽電池の窓層として有効に動作するように設計できる。従って、太陽電池製造工程の簡略化が図れ、量産性や再現性を向上させることも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、太陽電池の光電変換効率を向上させ、均一性および再現性の向上にも有効な表面層を有する半導体薄膜を、制御性および量産性に優れた方法により製造することができる。本発明の製造方法は、溶液を用いた低温プロセスであるため、製造コスト、大面積薄膜の均一形成、制御性に優れており、特に太陽電池用半導体薄膜およびこの薄膜を用いた薄膜太陽電池の製造方法として有用である。本発明の製造方法により、太陽電池の変換効率の向上のみならず、大面積での性能の均一性や再現性の向上が可能となる。この点は、高いエネルギー変換効率を示す太陽電池を安定して供給するためには、極めて重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例により形成した表面層を有するCuInSe基板の透過型電子顕微鏡による断面明視野像を示す図である。
【図2】本発明の製造方法の別の例により形成した表面層を有するCuInSe膜の膜深さ方向の組成の変化を測定した結果を示す図である。
【図3】本発明の製造方法の別の例により形成した表面層を有するCu(In,Ga)Se膜の膜深さ方向の組成の変化を測定した結果を示す図である。
【図4】本発明の製造方法の別の例により形成した表面層を有するCu(In,Ga)Se膜の膜深さ方向の組成の変化を測定した結果を示す図である。
【図5】本発明の製造方法の別の例により形成した表面層を有する半導体薄膜を光吸収層としたCIGS太陽電池の熱処理温度に対する変換効率のバラツキを測定した結果を示す図である。

Claims (22)

  1. Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、IIIb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、前記半導体とは異なる組成を有するIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層を形成することを特徴とする半導体薄膜の製造方法。
  2. Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、IIb族元素を含む化合物、IIIb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、本質的にIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなり、微量元素としてIIb族元素を含む半導体層を形成することを特徴とする半導体薄膜の製造方法。
  3. Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体薄膜の表面に、IIIb族元素を含む化合物、IVb族元素を含む化合物およびVIb族元素を含む化合物を溶質として含有する溶液を接触させることにより、前記表面に、本質的にIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなり、微量元素としてIVb族元素を含む半導体層を形成することを特徴とする半導体薄膜の製造方法。
  4. Ib族元素がCuである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  5. IIIb族元素がInおよびGaから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  6. VIb族元素がSeおよびSから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  7. IIb族元素がZnおよびCdから選ばれる少なくとも一つである請求項2に記載の半導体薄膜の製造方法。
  8. IVb族元素がSnである請求項に記載の半導体薄膜の製造方法。
  9. 前記溶液に含まれる化合物が、この溶液と接する半導体薄膜に含まれるIIIb族元素とは異なるIIIb族元素を含む請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  10. 前記溶液に含まれる化合物が、この溶液と接する半導体薄膜に含まれるVIb族元素とは異なるVIb族元素を含む請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  11. 前記溶液が、溶媒として、塩酸、酢酸、硝酸および硫酸から選ばれる少なくとも一つの酸を含む請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  12. 前記溶液のpHが1〜4である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  13. 前記溶液の温度が10℃〜100℃である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  14. IIIb族元素を含む化合物が、IIIb族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  15. VIb族元素を含む化合物が、VIb族元素を含む窒素有機化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  16. 前記VIb族元素を含む窒素有機化合物がチオアセトアミドおよびチオ尿素から選ばれる少なくとも一つである請求項15に記載の半導体薄膜の製造方法。
  17. IIb族元素を含む化合物が、IIb族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なくとも一つである請求項2に記載の半導体薄膜の製造方法。
  18. IVb族元素を含む化合物が、IVb族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なくとも一つである請求項3に記載の半導体薄膜の製造方法。
  19. 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法により製造した半導体薄膜をさらに熱処理する工程を含む半導体薄膜の製造方法。
  20. 前記熱処理する工程が、前記半導体薄膜を100℃〜400℃の範囲で加熱する工程である請求項19に記載の半導体薄膜の製造方法。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の製造方法により製造した半導体薄膜の表面に、窓層として前記半導体とは異なる半導体薄膜を形成する工程を含む薄膜太陽電池の製造方法。
  22. 窓層として形成する半導体薄膜がCdS膜である請求項21に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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