JP3588588B2 - 巻線装置および巻線方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻芯に線材を整列巻きする巻線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
巻線装置には、巻芯(例えばボビン)に整列巻きをするもの、つまり、巻芯外周への線材の巻回(ターン)を巻芯軸方向に整列状態で並べる巻き方をするものがある。このような巻線装置としては、例えば特開平5−258984号公報に提案されているように、ピッチ送りの整列巻きをするものがある。これでは、線材の繰り出し手段を、1ターン毎に、巻芯軸方向に線材径分の送りをかけながら巻線をする。
【0003】
しかしながら、このようなピッチ送りの整列巻きでは、巻線が必ずしも当初の計算通りに行かないことがある。例えば、ボビンに巻回される線材の径は、巻線中にかかるテンションによる線材の伸びで変わることがあるので、あらかじめ設定された線材径によってピッチ送りしたとしても、必ずしも実際の線材径に適合したピッチ送りができないことがある。このような現象は、例えばナイロン線のように伸縮しやすい線材で顕著である。また、巻芯の巻線される部分(例えばボビンの巻胴部)の幅は、ちょうど線材径の整数倍であるとは限らないので、多層巻きの場合に、巻線の折り返し部分(「クロス部」という)で、巻線される部分の端部(例えばボビンの鍔部)と線材との間に隙間が生じてしまい、これが巻き乱れの原因となることがある。さらに、複数のボビンを連続して巻線する場合には、ボビン毎に形状のばらつきがあるので、適切な巻線をするには、ボビン毎に送りピッチを微調節することが必要となる。
【0004】
このような問題点を回避するために、例えば特開平6−181139号公報や特開平10−303051号公報には、いわゆる倣い巻きによる巻線装置が提案されている。これらの巻線装置では、倣い巻き、すなわち直前に巻回された線材の側面に倣って(線なりに)線材を巻線することにより、整列巻きがなされる。これにより、ボビンの線材径が変わったとしても、線材は直前の線材に沿って巻回されるので問題はなく、また、巻線の折り返し部分でも巻き乱れが生じないようにできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような倣い巻きを、巻線の総ての工程で同じように行ったのでは、適切な巻線が行えないことがある。
【0006】
例えば、ボビンへの線材の巻き始めには、正確に位置決めをする必要があるが、従来の倣い巻き式の巻線装置は、この正確な位置決めには必ずしも適さない。つまり、倣い巻き式の巻線装置では、線材の繰り出し部の動作に、ある程度の自由を与えておく必要があるが、これは正確な位置決めのためにはかえってマイナス要因となる。
【0007】
また、倣い巻き式の巻線装置では、クロス部において、例えばボビンの鍔部に巻線が当たることによって巻線方向を自然に反転させて、線材を下層から上層にに乗り上げさせることになる。しかし、この乗り上げは、あくまで倣い巻きでなされるものであるため、必ずしもうまく乗り上げることができるとは限らず、この部分で巻き乱れが生じる恐れがあった。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、様々な巻線状況に的確に対応して精度の高い適切な巻線を行いうる巻線装置および巻線方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、巻芯に線材を整列巻きする巻線装置において、線材を繰り出す線材繰り出し部材と、この線材繰り出し部材が動作可能に支持される支持部材と、前記繰り出し部材の動作をロックするロック機構とを備え、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく倣い巻きの巻線モードと、前記線材繰り出し部材の動作をロックした状態で前記巻芯に対して前記支持部材を移動させる線材繰り出し部材固定の巻線モードとをそれぞれ実行可能とした。
【0010】
第2の発明では、前記線材繰り出し部材を前記巻芯の巻き始め位置へのセットは、前記繰り出し部材固定の巻線モードで実行される。
【0011】
第3の発明では、前記倣い巻きの巻線モードの中に、前記線材繰り出し部材の動作量に基づいて前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる支持部材移動の巻線モードを備えた。
【0012】
第4の発明では、前記倣い巻きの巻線モードの中に、前記線材繰り出し部材の動作量によらずに前記支持部材を前記巻芯に対して不動としておく支持部材固定の巻線モードを備えた。
【0013】
第5の発明では、巻芯に線材を整列巻きする巻線装置において、線材を繰り出す線材繰り出し部材と、この線材繰り出し部材が動作可能に支持される支持部材とを備え、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく場合に、前記線材繰り出し部材の動作量に基づいて前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる支持部材移動の巻線モードと、前記線材繰り出し部材の動作量によらずに前記支持部材を固定しておく支持部材固定の巻線モードとをそれぞれ実行可能とするとともに、巻線が下層から上層に折り返す部分では、前記支持部材固定の巻線モードで巻線する。
【0014】
第6の発明では、前記支持部材移動の巻線モードにおいては、前記線材繰り出し部材の動作量が略一定の基準動作量となるように、前記支持部材を移動させる。
【0015】
第7の発明では、前記支持部材移動の巻線モードにおいては、前記線材繰り出し部材の動作量が上限量に達する度に前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる巻線モードを実行可能とした。
【0016】
第8の発明では、前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えた。
【0017】
第9の発明では、前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えるとともに、前記巻線が下層から上層に折り返す部分において前記線材繰り出し部材を反転させるのに十分な付勢力が前記付勢手段から作用するように、前記巻線モードの切り換えを行う。
【0018】
第10の発明では、前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する前記付勢手段としてスプリングを設け、このスプリングのバネ力を調整するバネ力調整手段を備えた。
【0019】
第11の発明では、前記巻芯の位置を検出する巻芯位置検出手段を備え、前記各巻線モードの実行および各巻線モード間の切り換えは前記検出手段による検出に基づいて行われる。
【0020】
第12の発明では、前記巻芯に巻回された線材を巻芯側に押さえつける線材押さえ手段を備えた。
【0021】
第13の発明では、前記線材押さえ手段は、線材への接触部がフェルトからなる線押さえ部材を備えた。
【0022】
第14の発明では、前記線材繰り出し部材に供給される線材のテンションを調整するテンション調整装置と、このテンション調整装置を前記回転軸の軸方向に移動させるテンション調整装置移動手段とを備えた。
【0023】
第15の発明では、前記巻芯は同一の回転軸の同軸上に配置される複数のボビンである。
【0024】
第16の発明では、前記線材繰り出し部材に供給される線材のテンションを調整するテンション調整装置と、このテンション調整装置を前記回転軸の軸方向に移動させるテンション調整装置移動手段とを備え、各ボビンへの巻線時には前記テンション調整装置をそのボビンの軸方向略中央に配置する。
【0025】
第17の発明では、巻芯に線材を整列巻きする巻線方法において、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく倣い巻きの巻線工程と、前記線材繰り出し部材の動作をロックした状態で前記巻芯に対して前記支持部材を移動させる線材繰り出し部材固定の巻線工程とを備えた。
【0026】
第18の発明では、前記線材繰り出し部材固定の巻線工程において、前記線材繰り出し部材を前記巻芯の巻き始め位置へセットする。
【0027】
第19の発明では、巻芯に線材を整列巻きする巻線方法において、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく場合に、前記線材繰り出し部材の動作量に基づいて前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる支持部材移動の巻線工程と、前記線材繰り出し部材の動作量によらずに前記支持部材を固定しておく支持部材固定の巻線工程とを備えるとともに、巻線が下層から上層に折り返す部分の巻線は、前記支持部材固定の巻線モードで行う。
【0028】
第20の発明では、前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えるとともに、前記巻線が下層から上層に折り返す部分において前記線材繰り出し部材を反転させるのに十分な付勢力が前記付勢手段から作用するように、前記巻線モードの切り換えを行う。
【0029】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、線材繰り出し部材(例えば、実施の形態におけるアーム35)を動作(例えば、アーム35の回動動作)自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく巻線モード(倣い巻きの巻線モード)と、線材繰り出し部材の動作をロックした状態で巻芯に対して支持部材(例えば、実施の形態における支持台31)を移動させる巻線モード(線材繰り出し部材固定の巻線モード)とをそれぞれ実行可能としたので、巻線状況に応じて、これらの巻線モード(制御モード)を適宜使い分けて、適切な巻線を行うことができる。例えば、倣い巻きは、倣い巻きの巻線モードで巻線がなされ、線材繰り出し部材の巻き始め位置へのセットや整列巻きは、線材繰り出し部材固定の巻線モードで巻線がなされることになる。
【0030】
第2の発明では、線材繰り出し部材の巻き始め位置へのセットは、線材繰り出し部材固定の巻線モードにより実行されるので、支持部材の移動に基づいて正確に行うことができる。つまり、線材繰り出し部材は支持部材に対して動作しないようにロックされているので、支持部材の位置決めにより線材繰り出し部材の位置決めを正確に行うことができる。
【0031】
第3の発明では、線材繰り出し部材の動作量に基づいて、支持部材を移動(巻線の進行方向に前進)させるので、線材繰り出し部材の動作量を適切に保つことができ、良好な倣い巻きを行うことができる。
【0032】
第4の発明では、線材繰り出し部材固定の巻線モードと、支持部材移動の巻線モードに加えて、倣い巻きにおいて線材繰り出し部材の動作量によらずに支持部材を前記巻芯に対して不動としておく支持部材固定の巻線モードを実行可能としたので、巻線状況に応じて、これらの3つの巻線モード(制御モード)を適宜使い分けて、適切な巻線を行うことができる。
【0033】
第5の発明では、多層巻きにおいて線材が下層から上層に折り返す部分(クロス部)では、支持部材固定の巻線モードがとられるので、例えば、線材繰り出し部材の動作量が所定量以上となった場合に、線材繰り出し部材を反転させるのに十分な力がかかるような構成をとることにより、クロス部において線材の乗り上げを確実に行うことができ、巻き乱れを防止できる。
【0034】
第6の発明では、線材繰り出し部材の動作量が略基準量に保たれるので、倣い巻きを略一定の条件で行うことができ、安定した倣い巻きが可能となる。
【0035】
第7の発明では、線材繰り出し部材の動作量が上限量に達する度に、支持部材を移動(巻線の進行方向に前進)させるので(例えば、線材繰り出し部材の動作量を0に戻すので)、線材繰り出し部材の動作量が過大となって、倣い巻きに支障が生じることを防止できる。
【0036】
第8の発明では、線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えたので、この付勢力は、倣い巻きにおいて、線材を直前の線材に押し付けるように作用し、線材が適切に密着した整列巻きを行うことができる。
【0037】
第9の発明では、多層巻きにおいて線材が下層から上層に折り返す部分(クロス部)において、上層に乗り上げるのに十分な力が、付勢手段(例えばスプリング)によって与えられるので、クロス部において線材の乗り上げを確実に行うことができ、巻き乱れを防止できる。
【0038】
第10の発明では、スプリングのバネ力を調整することができるので、バネ力を、倣い巻きにおいて、線材が直前の線材に乗り上げてしまわず、かつ線材間の密着性が十分高まる強さに、適切に設定することができ、良好な倣い巻線を行うことができる。
【0039】
第11の発明では、巻芯位置検出手段により巻芯の位置が把握されるので、巻芯の進行位置に応じて、的確に巻線モードの切り換えを行える。また、第15の発明のように、複数のボビンが回転軸に装着されている場合でも、各ボビン毎にその位置を正確に把握することができ、的確な巻線を行える。
【0040】
第12、第13のの発明では、巻芯に巻回された線材は、線材押さえ手段により押さえつけられるので、線材は巻芯に密着した状態に整えられ、良好な倣い巻線を行える。
【0041】
第16の発明では、各ボビンに巻線するときに、テンション調整装置をそのボビンの略中央に位置させるので、支持部材あるいは線材繰り出し部材が巻線に応じて巻芯の横のどの位置に移動したとしても、テンション調整装置からの線材の繰り出し角度が過大となって、倣い巻きを阻害するような力が線材に作用することはない。
【0042】
第17の発明では、線材繰り出し部材(例えば、実施の形態におけるアーム35)を動作(例えば、アーム35の回動動作)自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく巻線工程(倣い巻きの巻線モード)と、線材繰り出し部材の動作をロックした状態で巻芯に対して支持部材(例えば、実施の形態における支持台31)を移動させる巻線工程(線材繰り出し部材固定の巻線モード)とを備えるので、巻線状況に応じて、これらの巻線工程(制御モード)を適宜使い分けて、適切な巻線を行うことができる。
【0043】
第18の発明では、線材繰り出し部材の巻き始め位置へのセットは、線材繰り出し部材を固定してなされるので、支持部材の移動に基づいて正確に行うことができる。つまり、線材繰り出し部材は支持部材に対して動作しないようにロックされているので、支持部材の位置決めにより線材繰り出し部材の位置決めを正確に行うことができる。
【0044】
第19の発明では、多層巻きにおいて線材が下層から上層に折り返す部分(クロス部)の巻線は、支持部材固定の巻線工程でなされるので、例えば、線材繰り出し部材の動作量が所定量以上となった場合に、線材繰り出し部材を反転させるのに十分な力がかかるような構成をとることにより、クロス部において線材の乗り上げを確実に行うことができ、巻き乱れを防止できる。
【0045】
第20の発明では、多層巻きにおいて線材が下層から上層に折り返す部分(クロス部)において、上層に乗り上げるのに十分な力が、付勢手段(例えばスプリング)によって与えられるので、クロス部において線材の乗り上げを確実に行うことができ、巻き乱れを防止できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0047】
図1には、本実施の形態の巻線装置の全体構成を示す。
【0048】
図示されるように、巻線装置の基台1上には、左右一対の回転軸支持部2、3が固設され、これら回転軸支持部2、3の間には、回転軸4が軸回りで回転可能に支持されている。
【0049】
回転軸4は、駆動モータ5により軸回りで回転駆動されるもので、回転軸本体4Aと伸縮ロッド4Bとからなる。回転軸本体4Aは、回転軸支持部2に対して軸支されている。また、伸縮ロッド4Bは、回転軸支持部3側からレバー7の操作により伸縮自在となっており、伸長時には回転軸本体4Aと一体になって回転軸4となる。一方、伸縮ロッド4Bが収縮すると、回転軸本体4Aと伸縮ロッド4Bの間に隙間が生じ、この隙間から回転軸4にボビン6を装着できるようになっている。
【0050】
回転軸4の外周には、複数のボビン6が同軸上に装着される。ボビン6は、線材9が巻回される巻芯であり、線材9が巻回される巻胴部6Aとその両端の鍔部6B、6Cとからなり、軸上には回転軸4が挿通する中空部を備えている。
【0051】
ボビン6の装着においては、まず、伸縮ロッド4Bを収縮させた状態で、ボビン6の中心軸上の中空部を回転軸本体4Aに通して、複数のボビン6を回転軸本体4Aに直列に装着する。そして、伸縮ロッド4Bを伸長させ、伸縮ロッド4Bに固定されたボビン押さえ治具8によってボビン6の端部を押さえ込むことにより、複数のボビン6を回転軸4に対して一体に固定する。
【0052】
なお、ボビン押さえ治具8には、線材9の端部が係止される線材係止部10が配設されている。
【0053】
回転軸4の下方には、無端ベルト11が、回転軸4と平行に延びて配設されている。図2にも示すように、無端ベルト11はプーリ12、13に掛け回されるもので、プーリ12に連結された駆動モータ13により循環駆動される。この無端ベルト11の循環駆動により、移動台15が、無端ベルト11および回転軸4と平行に延びるレール16上をスライドする。
【0054】
移動台15上には、ボビン位置検出センサ17と、線材押さえシリンダ18が備えられる。
【0055】
ボビン位置検出センサ17は、、例えばレーザー光線の照射およびその反射光の検知によって物体の位置を検出するもので、回転軸4に装着された各ボビン6の位置情報、具体的には、各ボビン6の巻胴部6Aの両端(ボビン6両端の鍔部6B,6C)の位置、ボビン6の全長等を検出する。ボビン位置検出センサ17により検出されたデータは、図示されないコントローラに記憶され、後述するような制御に利用される。
【0056】
線材押さえシリンダ18は、上下に伸縮するロッド18Aを備えたもので、回転軸4の直下に設置されている。このロッド18A先端には、線材押さえ部材19が取り付けられ、ロッド18Aの伸長時には、線材押さえ部材19の上面が、回転軸4に装着されたボビン6の巻胴部6Aに接触するようになっている。この線材押さえ部材19上面には、フェルト部材19Aが装着されており、ボビン6への線材9の巻線時には、巻回された線材9がフェルト部材19Aと巻胴部6Aの間に滑り込んで、フェルト部材19Aによって押さえつけられる。これにより、確実な密着巻きがなされるようになっている。
【0057】
基台1上には、回転軸4に隣接して固定台21が設けられる。この固定台21上には、回転軸4と略平行に延びるレール22A、22Bが配設され、このレール22A、22Bに沿って、線材供給部30が移動可能となっている。詳しくは、線材供給部30の支持台31に、レール22A、22Bの間に配設されたボールねじ23が螺合し、このボールねじが駆動モータ24により回転駆動されることにより、支持台31がレール22A、22B上をスライドするようになっている。
【0058】
図3に示すように、線材供給部30の支持台31上には、回転軸4方向に延び出すアーム支持板32が固設されている。
【0059】
アーム支持板32の先端部(回転軸4側端部)付近には、垂直軸回りで回転自在の回転板33が軸支されている。この回転板33の回転軸にはエンコーダ34が設置され、回転板33の回転角度を検出可能となっている。
【0060】
回転板33には、回転軸4側に延び出すアーム35が固設されている。このアーム35の先端部には、線材9が掛け回される繰り出しプーリ36が備えられる。線材9は、この繰り出しプーリ36から、巻線すべきボビン6に導かれる。このように、先端部から線材9を繰り出すアーム32を回動自在とすることにより、倣い巻きを行うことができる。つまり、線材9が整列巻きされるときには、自然に(線なりに)アーム32が回動して、線材9は直前に巻回された線材に沿って巻回されていく。
【0061】
回転板33のアーム35と反対側の端部には、回転板33の回転に適当な抵抗を与えるためのスプリング37が連結されている。これにより、アーム35が回動した場合には、この回動を引き戻そうとする方向にスプリング37のバネ力が作用することになり、結果として、このバネ力は、巻回される線材9を直前のターンの線材9に押し付ける力となる。したがって、倣い巻きを行う場合に、隣接するターン同士が適切に密着した整列巻きをすることができる。
【0062】
アーム支持板32の基端側には、バネ力調整装置38が設けられる。このバネ力調整装置38は、スプリング37の全長を変更することにより、スプリング37のバネ力を調整するものである。これにより、スプリング37のバネ力を、倣い巻きに適切なものに調節することができる。つまり、スプリング37のバネカを大きくすれば、回転に要する力が大きくなるので、巻回される線材9は直前のターンに強く押し付けられ、直前のターンとの密着度は高まるが、線材9が直前のターンに乗り上げる可能性は大きくなる。一方、スプリング37のバネカを小さくすれば、回転に要する力が小さくなるので、巻回される線材9が直前のターンに押し付けられる力は小さくなり、線材9が直前のターンに乗り上げる可能性は小さくなるが、直前のターンとの密着度は小さくなる。したがって、巻線状態に応じて、スプリング37のバネ力を適切に設定することにより、適切なバランスで倣い巻きを行うことになる。
【0063】
回転板33上には、くさび状の凸形係合部39が設けられている。この凸形係合部39は、回転板33のアーム35と反対側を向いており、凹型係合部41と正対している。凹型係合部41は、アーム支持板32上に固設された回転規制シリンダ42のロッドに固定されている。回転規制シリンダ42のロッドは、回転板33側に伸長するもので、凹型係合部41と凸型係合部39に係合させる。これにより、回転板33の回転角度が所定角度に(具体的には、アーム35が回転軸4と直交する角度に)固定できるようになっている。つまり、凸型係合部39、凹型係合部41、回転規制シリンダ42は、アーム35の回動動作をロックするロック機構を構成する。このようにアーム35の回動を固定することにより、倣い巻きとは異なる巻線工程(例えば、巻き始め位置へのセット時、あるいはピッチ送りの整列巻きをするとき)に、適宜対応することができる。
【0064】
支持台31の基端側側部に立設されたエンコーダ支持板43には、エンコーダ44と、線材9が掛け回されるプーリ45とが設置されている。また、プーリ45の回転(つまり線材9の繰り出し量)はエンコーダ44により検出され、コントローラにおける制御に利用される。なお、線材9は、このプーリ45から、繰り出しプーリ36に導かれる。
【0065】
図1に示すように、固定台21の回転軸4と反対側には、線材供給部30の移動方向と平行に延びるボールねじ51と、このボールねじ51を回転駆動する駆動モータ52とが備えられている。このボールねじ51には、テンション調整装置支持台53が固定される。これにより、テンション調整装置支持台53は、線材供給部30と平行に移動可能となっている。
【0066】
テンション調整装置支持台53には、線材スプール54と、テンション調整装置55が取り付けられている。線材スプール54は、線材の供給源であって、その外周に巻回されていた線材9が、図示されないモータに駆動された線材スプール54の回転とともに繰り出され、テンション調整装置55を経て、線材供給部30に供給される。
【0067】
テンション調整装置55は、プーリ56A〜56D、支持板57、テンション検知アーム58、角度検出器59から構成される。
【0068】
支持板57は、線材スプール54の上方に垂直に配置される。支持板57上には、テンション検知アーム58がその略中央部で軸支されている。プーリ56A、プーリ56Dは、テンション検知アーム58両側に配置され、またプーリ56B、56Cは、テンション検知アーム58の両端部に配置される。線材スプール54からの線材は、プーリ56A、56B、56C、56Dの順で導かれる。
【0069】
テンション検知アーム58は、線材9にかかるテンションの大きさによって角度を変えるが、この角度は角度検出器59により検出される。コントローラは、この検出角度に基づいて、線材スプール54からの線材繰り出し量(線材スプール54の回転角度)を調節し、線材9のテンションを適切な値に調整する。
【0070】
このようなテンション調整装置55を用いることによって、線材9に過大なテンションがかかることを防止して、テンションを一定に保つことができる。したがって、線材9として、伸縮しやすい線材や、断線しやすい線材を用いることが可能となる。
【0071】
図示されないコントローラは、巻線装置の動作を統括的に制御する。つまり、回転軸4の駆動モータ5、無端ベルト11の駆動モータ14、線材押さえシリンダ17、ボールねじ23の駆動モータ24(線材供給部30の移動)、回転規制シリンダ42(回転板33の固定および固定解除)、ボールねじ51の駆動モータ52(テンション調整装置支持台53の移動)、線材スプール54の駆動モータは、いずれも図示されないコントローラによって制御されるようになっている。
【0072】
つぎに作用を説明する。
【0073】
ボビン6に線材9を巻線するには、まずレバー7の操作で伸縮ロッド4Bを収縮させ、回転軸本体4Aと伸縮ロッド4Bの間にできた隙間から、回転軸本体4Aに複数(本実施の形態では5個)のボビン6を装着する。続いて、伸縮ロッド4Bを伸長させ、複数のボビン6を回転軸4に対して一体に固定する。また、線材供給部30の繰り出しプーリ36から繰り出された線材9を、線材係止部10に係止する。
【0074】
つぎに、移動台15を移動させ、この移動台15に設置されたボビン位置検出センサ17で、各ボビン巻胴部6Aの始端部(巻き始め側端部)、終端部(巻き終わり側端部)、複数のボビン6の全長等の位置データを検出し、コントローラのメモリに記憶する。コントローラでは、これらのデータと、あらかじめ入力されているボビン6の形状データ、線材9の形状データ(線径)等に基づいて、線材供給部30、移動台15、テンション調整装置支持台53を移動させた場合に各ボビン6(巻胴部6Aの始端部、終端部(鍔部6B,6C))に対してどのような位置関係となるかをあらかじめ計算しておく。
【0075】
つぎに、線材供給部30のアーム35の回転をロックした状態(回転規制シリンダ42を伸長させて、凸型係合部39と凹型係合部41を係合させた状態)として、最初に巻線すべきボビン巻胴部6Aの始端部にアーム35正対するように、線材供給部30を移動させ、この巻き始め位置に停止させる。これにより、線材9は、ボビン6の巻き始め側の鍔部6Bを跨ぐようにして、巻胴部6Aの始端部正面に導かれる。
【0076】
このように、線材供給部30の巻き始め位置へのセットは、アーム角度を固定する制御モード(第1の巻線モード)で実行されるので、アーム35先端の繰り出しプーリ36をボビン巻胴部6Aの始端部に対して正確に正対させることができる。
【0077】
なお、この線材供給部30を巻き始め位置にセットした時点で、再び、ボビン位置検出センサ31によるボビン巻胴部6Aの始端部と終端部の検出を行う。そして、この検出による位置データが、前回の検出による位置データと異なっていたならば、今回の検出を優先し、位置データを更新する。これにより、前回の検出以降の事情によりボビン6の位置にずれが生じていた場合等には、ボビン6の位置データを正しく修正することができる。
【0078】
続いて、線押さえシリンダ18が巻線すべきボビン巻胴部6Aの直下に位置するように移動台15の移動し、線材押さえシリンダ18を伸長させ、巻線すべきボビン巻胴部6Aに線押さえ部材19を接触させる。
【0079】
つぎに、テンション調整装置支持台53を移動させて、テンション調整装置55を巻線すべきボビン6の略中央に正対する位置(ボビン6の略中央の真横)に配置する。これにより、巻線がボビン6のどの位置になされているときでも、テンション調整装置55からの線材9の繰り出し角度が比較的大きくならないようにできる。したがって、テンション調整装置55からの線材9のテンションが過大となることはなく、倣い巻きを妨げるような力が、線材9に大きく作用しないようにできる。
【0080】
続いて、回転規制シリンダ42を収縮させて、アーム35のロックを解除し、この状態で、駆動モータ5によって回転軸4を回転駆動して、アーム55先端の繰り出しプーリ36から繰り出される線材9を、ボビン6に巻回する。
【0081】
この場合、線材9の各ターン(ボビン6外周に対する線材9の一巻き)は、直前に巻回された隣接するターンに沿って、いわゆる倣い巻きによって、巻回されていく。つまり、線材9が1ターンしてくると、その線材9は、直前のターンによって巻線の進行側に自然に(線なりに)押し出され、直前のターンに隣接する状態で巻回される。なお、この倣い巻きが進行すると、アーム35はスプリング37に抗して巻線の進行方向に徐々に回転していく。このため、スプリング37のバネ力は、線材9を直前のターンに押し付けるように作用し、線材9は適切に密着した状態で巻線がなされることになる。
【0082】
倣い巻きの進行によって増大するアーム35の回転角度は、エンコーダ34で検出される。そして、この検出回転角度に基づいて、線材供給部30(支持台31)の移動を制御する。
【0083】
具体的には、例えば、以下の(1)あるいは(2)のような制御を行う。
【0084】
(1)アーム35の回動角度が略一定の基準角度(例えば5度)となるように、支持台31を移動させる。これにより、スプリング37のバネ力を略一定に保つことができ、安定した巻線を行える。
【0085】
(2)アーム35の回動角度が所定の上限角度(例えば5度)より小さいときには線材供給部30を固定しておき、基準角度以上となったことが検出される度に、アーム35の回動角度が0となるように、線材供給部30を巻線の進行方向に前進させる。つまり、その時点で巻線がなされているターンに正対する位置まで、線材供給部30を前進させる。
【0086】
なお、上記(1)の制御における基準角度、(2)の制御における上限角度は、倣い巻きの状態に応じて、適宜、最適値に変更することができる。すなわち、基準角度または上限角度が大きすぎると、巻回された線材9が直前のターンに乗り上げてしまう恐れがある一方で、基準角度または上限角度が小さすぎると、隣接するターン間に隙間が生じてしまう恐れがある。したがって、基準角度は、これら2つの問題のいずれもが生じないようにバランスをとった適切な値に調整される。
【0087】
このように、アーム35の回動角度にしたがって線材供給部30(支持台31)を移動させることによって、ボビン6への巻線が進行していく。つまり、巻線の制御モード(巻線モード)は、アーム35のセット時におけるアーム角度を固定する制御モードから、アーム角度を制限する制御モード(第2の巻線モード)に切り換えられて進行する。
【0088】
このような巻線が、ボビン巻胴部6Aの所定の制御切り換え位置まで進行してきたならば、その時点で、制御モードを、アーム角度を制限しない制御モード(第3の巻線モード)に切り換える。このアーム角度を制限しない制御モードでは、線材供給部30を完全に停止させて、巻線はアーム35の回転に伴う倣い巻きのみで実行されるようにする。つまり、このモードにおいては、アーム35の回転角度が基準角度以上となったとしても、線材供給部30を前進させない。
【0089】
この場合、制御切り換え位置は、巻線がボビン巻胴部6Aの終端部(鍔部6Cの直前)に達したときにアーム35に作用するスプリング35のバネ力が、後述するようなアーム35の反転に適当なものとなるように定められる。例えば、巻線がボビン巻胴部6Aの終端部に達したときに、アーム35の回動角度が基準角度よりも大きな適切な角度となるようにする。
【0090】
詳しく説明すると、巻線がボビン巻胴部6Aの終端部(鍔部6Cの直前)に達したならば、線材9が鍔部6Cの内側面に当たって、線材9は自然に(線なりに)反転し、2層目の巻線が1層目の巻線と反対方向に開始される。この線材9の折り返し部分(クロス部)においては、線材9を2層目に乗り上げるために適切な力が必要となるが、この力は、スプリング37のバネ力により与えられる。すなわち、このクロス部におけるアーム35の回動角に基づくスプリング力は、次の層への乗り上げをするのに十分なものとなっているので、クロス部における折り返しはスムーズになされ、巻き乱れが生じることはない。
【0091】
なお、制御切り換え位置は、線材の太さ等、クロス部における折り返しに要する力を決める各種要因に基づいて、適宜変更される。
【0092】
このような制御の切り換えは、2層目以降の巻線についても、同様に実行される。つまり、巻線が各層の巻き終わり端部側(2層目ではボビン巻胴部6Aの始端部側(鍔部6B側)となる)の制御切り換え位置に達するまでは、アーム角度を制限する制御モードで倣い巻きを行い、制御切り換え位置に達したならば、アーム角度を制限しない制御モードに切り換えて、クロス部における折り返し巻線を行う。
【0093】
なお、2層目以降の巻線は、倣い巻きを用いずに行うようにしてもよい。例えば、2層目以降の巻線は、全体に、アーム角度を固定する制御モードによって、いわゆるピッチ送りの整列巻きを行ってもよい。このようにしても、1層目の巻線が確実に整列巻きされていれば、2層目以降の巻線では下層の線材9間にできた溝がガイドとなり、上層の線材9が案内されるため、確実な巻線を行うことができる。
【0094】
このように、本実施の形態の巻線装置は、3つの異なる制御モード(アーム角度を固定する制御モード、アーム角度を制限する制御モード、アーム角度を制限しない制御モード)で巻線を行うことができるので、巻線状況に応じた適切な制御モードで巻線を行うことができ、精度のよい巻線が可能となる。なお、これら3つの制御モードは、巻線状況に応じて適宜組み合わせて用いられるもので、上記実施の形態に制限されるものではない。
【0095】
上記のような巻線において巻回された線材9は、線材押さえ部材19のフェルト19Aによって押さえつけられ、確実に固定される。これにより、倣い巻きにおいては、直前に巻回されたターンが確実に固定されることになり、この直前のターンによる線材の案内が確実となるので、良好な整列巻きが可能となる。
【0096】
一つのボビン6への巻線は、以上のような巻線工程を、所定層数行うことによって終了する。そして、一つのボビン6に対する巻線が終了したならば、引き続いて、隣接する次のボビン6への巻線を、全く同様の手順で実行する。この場合、各ボビン6の巻胴部6Aの始端部と終端部(鍔部6B、6C)の位置は、それぞれボビン位置検出センサ17により検出されるので、巻線は正確に実行される。なお、前回のボビン6の巻き終わりは鍔部6C側にあり、線材9は、前回のボビン6の終端側の鍔部6Cと、今回のボビン6始端側の鍔部6Bを乗り越えて、今回のボビン6の巻き始め位置にセットされることになる。
【0097】
回転軸4に装着した総てのボビン6に対して巻線作業が終了したならば、これらのボビン6を回転軸4から取り外して、新たなボビン6を回転軸4に装着し、上記巻線作業を繰り返す。
【0098】
なお、上記実施の形態では、アーム35の回動を引き戻す付勢手段としてスプリング37を用いたが、本発明はこのような形態に限られるものではなく、付勢手段としては、スプリング以外の弾性部材や、エアシリンダ、トルクモータ等のアクチュエータ等を用いてもよい。
【0099】
また、アーム35が反転するときの付勢手段としては、倣い巻きにおけるアーム35の回動を引き戻す付勢手段(上記実施の形態ではスプリング37)とは別に設けてもよい。例えば、スプリング37とは別に、アーム35が反転するとき(アーム35の回転角度が所定角度を超えたとき)にのみ作用する付勢手段として、他のスプリング等の弾性部材、エアシリンダ、トルクモータ等のアクチュエータ等を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における巻線装置を示す斜視図である。
【図2】同じく巻線装置の一部を示す斜視図である。
【図3】同じく線材供給部を示す斜視図である。
【符号の説明】
4 回転軸
6 ボビン
9 線材
17 ボビン位置検出センサ
19 線材押さえ部材
19A フェルト部材
30 線材供給部
33 回転板
34 エンコーダ
35 アーム
36 繰り出しプーリ
37 スプリング
38 バネ力調整装置
54 線材スプール
55 テンション調整装置
Claims (20)
- 巻芯に線材を整列巻きする巻線装置において、線材を繰り出す線材繰り出し部材と、この線材繰り出し部材が動作可能に支持される支持部材と、前記繰り出し部材の動作をロックするロック機構とを備え、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく倣い巻きの巻線モードと、前記線材繰り出し部材の動作をロックした状態で前記巻芯に対して前記支持部材を移動させる線材繰り出し部材固定の巻線モードとをそれぞれ実行可能としたことを特徴とする巻線装置。
- 前記線材繰り出し部材を前記巻芯の巻き始め位置へのセットは、前記繰り出し部材固定の巻線モードで実行されることを特徴とする請求項1に記載の巻線装置。
- 前記倣い巻きの巻線モードの中に、前記線材繰り出し部材の動作量に基づいて前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる支持部材移動の巻線モードを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の巻線装置。
- 前記倣い巻きの巻線モードの中に、前記線材繰り出し部材の動作量によらずに前記支持部材を前記巻芯に対して不動としておく支持部材固定の巻線モードを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 巻芯に線材を整列巻きする巻線装置において、線材を繰り出す線材繰り出し部材と、この線材繰り出し部材が動作可能に支持される支持部材とを備え、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく場合に、前記線材繰り出し部材の動作量に基づいて前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる支持部材移動の巻線モードと、前記線材繰り出し部材の動作量によらずに前記支持部材を固定しておく支持部材固定の巻線モードとをそれぞれ実行可能とするとともに、巻線が下層から上層に折り返す部分では、前記支持部材固定の巻線モードで巻線することを特徴とする巻線装置。
- 前記支持部材移動の巻線モードにおいては、前記線材繰り出し部材の動作量が略一定の基準動作量となるように、前記支持部材を移動させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記支持部材移動の巻線モードにおいては、前記線材繰り出し部材の動作量が上限量に達する度に前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる巻線モードを実行可能としたことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えるとともに、前記巻線が下層から上層に折り返す部分において前記線材繰り出し部材を反転させるのに十分な付勢力が前記付勢手段から作用するように、前記巻線モードの切り換えを行うことを特徴とする請求項5に記載の巻線装置。
- 前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する前記付勢手段としてスプリングを設け、このスプリングのバネ力を調整するバネ力調整手段を備えたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の巻線装置。
- 前記巻芯の位置を検出する巻芯位置検出手段を備え、前記各巻線モードの実行および各巻線モード間の切り換えは前記検出手段による検出に基づいて行われることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記巻芯に巻回された線材を巻芯側に押さえつける線材押さえ手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記線材押さえ手段は、線材への接触部がフェルトからなる線押さえ部材を備えたことを特徴とする請求項12に記載の巻線装置。
- 前記線材繰り出し部材に供給される線材のテンションを調整するテンション調整装置と、このテンション調整装置を前記回転軸の軸方向に移動させるテンション調整装置移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記巻芯は同一の回転軸の同軸上に配置される複数のボビンであることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の巻線装置。
- 前記線材繰り出し部材に供給される線材のテンションを調整するテンション調整装置と、このテンション調整装置を前記回転軸の軸方向に移動させるテンション調整装置移動手段とを備え、各ボビンへの巻線時には前記テンション調整装置をそのボビンの軸方向略中央に配置することを特徴とする請求項15に記載の巻線装置。
- 巻芯に線材を整列巻きする巻線方法において、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく倣い巻きの巻線工程と、前記線材繰り出し部材の動作をロックした状態で前記巻芯に対して前記支持部材を移動させる線材繰り出し部材固定の巻線工程とを備えたことを特徴とする巻線方法。
- 前記線材繰り出し部材固定の巻線工程において、前記線材繰り出し部材を前記巻芯の巻き始め位置へセットすることを特徴とする請求項17に記載の巻線方法。
- 巻芯に線材を整列巻きする巻線方法において、前記線材繰り出し部材を動作自在としておくことにより線材が前記巻芯に既に巻回されている直前の線材に案内されて巻回されていく場合に、前記線材繰り出し部材の動作量に基づいて前記支持部材を前記巻芯に対して移動させる支持部材移動の巻線工程と、前記線材繰り出し部材の動作量によらずに前記支持部材を固定しておく支持部材固定の巻線工程とを備えるとともに、巻線が下層から上層に折り返す部分の巻線は、前記支持部材固定の巻線モードで行うことを特徴とする巻線方法。
- 前記線材繰り出し部材の動作を引き戻す方向に前記線材繰り出し部材を付勢する付勢手段を備えるとともに、前記巻線が下層から上層に折り返す部分において前記線材繰り出し部材を反転させるのに十分な付勢力が前記付勢手段から作用するように、前記巻線モードの切り換えを行うことを特徴とする請求項19に記載の巻線方法。
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