JP3585344B2 - プラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマトーチを備えたプラズマ式溶融炉において、灰などの被溶融物中に含有されるメタル分により増加するベースメタルを排出する時期を知るために、ベースメタルの湯面レベルを検出するベースメタルの湯面検出装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加熱源供給電極を備えた電気式溶融炉、たとえばプラズマ式灰溶融炉において、灰中に含有されるメタル分により増加するベースメタルを排出するために、炉の稼働時間すなわち灰溶融量に基づいて設定されたタイマーによるレベル制御やロードセルによるレベル制御により、ベースメタルの排出作業を行っていた。しかし、溶融する灰によっては含有するメタル量が均一でないと正確な湯面検知ができないため、本発明者等は、特開平8−320111号公報により、次のようなベースメタルの湯面検出方法を提案した。
【0003】
すなわち、検出部材(プラズマ発生用黒鉛電極)を下降させて溶融スラグ、ベースメタルに没入させ、検出部材とベースメタルとの電位差を検出する。すると、検出部材と溶融スラグとが接触しない状態では電位差が極めて大きく、接触すると幾分小さくなり、さらに検出部材がベースメタルに接触すると電位差が極めて小さくなる。したがって、排滓口から落下排出される溶融スラグの表面を基準として、この溶融スラグの表面からベースメタルの接触位置までの検出部材の下降距離、すなわち高さを検出することにより、ベースメタルの湯面レベルを検知するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記検出方法は、溶融スラグの表面を基準としているが、溶融スラグの表面レベルは、溶融スラグの表面張力により排滓口から溶融スラグが連続して流れず断続的になるため、約20mm程度の変化がある。また排滓口の堰部の強制冷却により溶融スラグの温度が変化して表面にできる凝固層であるセルフコーティング層の厚さが変化する結果、その表面レベルが約30mm程度変化する。これにより合計で50mm程度の変化が生じる。したがって、溶融スラグの表面を基準とするベースメタルの湯面レベルは検出誤差が大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、ベースメタルの湯面レベルを正確に検出できるプラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明の請求項1記載の湯面検出方法は、炉本体の底壁部にベースメタルが収容されるとともに、天壁部にプラズマトーチが配置されたプラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出装置であって、前記プラズマトーチをプラズマ放電により消耗される電極とし、前記プラズマトーチを炉底まで下降させるトーチ昇降装置と、前記プラズマトーチの位置を検出する昇降位置検出装置と、前記炉壁部に設けられてベースメタルに導通される接地電極と、直流電源装置から印加された検出用電圧に基いて前記プラズマトーチと接地電極との間の抵抗値を検出する抵抗計、または電位差を検出する電圧計と、前記プラズマトーチの炉壁部への過剰押付けを規制する下降規制装置とを具備し、前記抵抗計の抵抗値または電圧計の電位差の変化に基き、プラズマトーチと炉底部の当接位置を基準として、ベースメタルの湯面レベルを検出するように構成したものである。
【0007】
上記構成によれば、下降規制装置により、プラズマトーチの下端部が炉底部に接触した際の過剰な圧力によりプラズマトーチが破損するのを防止しつつ、この炉底部を基準として、ベースメタルと接地電極との間に介在されるベースメタルやスラグなどの抵抗値または電位差に基いてベースメタルの湯面を求め、炉底部の位置を基準としてプラズマトーチの昇降距離から湯面位置を決定するので、ベースメタルの湯面を精度よく検出することができる。また、プラズマトーチに先端部が放電により減耗される電極が使用されていても問題がない。これにより、ベースメタルの適正な排出時期を知ることができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載のベースメタルの湯面検出装置を使用して、ベースメタルの湯面レベルを検出するに際し、プラズマトーチを下降してベースメタルに没入させ下端部を炉底部に当接させてこの時の加熱源供給電極の高さを検出し、前記プラズマトーチとベースメタルとの間の抵抗値または電位差を検出しつつ加熱源供給電極を上昇させ、前記プラズマトーチがベースメタルから抜き出されて加熱源供給電極とベースメタルとの間の抵抗値または電位差が大きくなった位置をベースメタルの湯面位置として、加熱源供給電極の炉底部からの上昇距離を検出することにより、炉底部を基準としてベー スメタルの湯面レベルを検出するものである。
【0009】
上記方法によれば、炉底部を基準として、プラズマトーチがベースメタルから抜き出される間に溶融スラグが介在されることによりベースメタルと検出部材の抵抗値または電位差が大きくなる位置をベースメタルの湯面とし、炉底部の位置を基準としてプラズマトーチの上昇距離を検出することで湯面位置を決定するので、プラズマトーチに先端部が放電により減耗される電極が使用されていても、ベースメタルの湯面を精度よく検出することができ、ベースメタルの適正な排出時期を知ることができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のベースメタルの湯面検出装置を使用して、ベースメタルの湯面レベルを検出するに際し、プラズマトーチとベースメタルとの間の抵抗値または電位差を検出しつつ加熱源供給電極を下降し、前記プラズマトーチとベースメタルとの間の抵抗値または電位差が小さくなった位置をベースメタルの湯面位置としてこの時の加熱源供給電極の高さを検出し、さらに前記プラズマトーチをベースメタルに没入させてその下端部を炉底部に当接させ、前記湯面位置から炉底部までの加熱源供給電極の下降距離を検出することにより、炉底部を基準としてベースメタルの湯面レベルを検出するものである。
【0011】
請求項3記載の方法によれば、上記請求項2紀記載の方法と同様の効果を奏するとともに、上記方法のようにベースメタル中からプラズマトーチを持ち上げた場合には、ベースメタルの粘性により表面張力の作用でプラズマトーチにベースメタルが同伴されるため、誤差が大きくなり易いのに対して、プラズマトーチを没入する場合には粘性による誤差はほとんどない。また、プラズマ式灰溶融炉では、起動時にプラズマトーチを一旦ベースメタルに接触してアークを発生させる。このため、湯面検出後のプラズマトーチの上昇途中から連続して起動動作に移れ、炉の運転をスムーズに行うことができる。
【0012】
【実施の形態】
以下、本発明に係るベースメタルレベル検出装置を備えたプラズマ式灰溶融炉の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、架台1上には、支持ピン2aを中心に傾動シリンダ2bにより傾動可能なベースメタル排出用傾動装置2を介して炉本体3が配設されている。この炉本体3の底壁部3aにはベースメタル4を収容するメタル収容部が形成されている。また、炉本体3の前壁部3bには、炉本体3のベースメタル4上に焼却灰Aを投入する灰供給口6が形成され、この灰供給口6の入口に臨んで灰供給ホッパ7と灰プッシャー8とが設けられている。また炉本体3の後壁部3cには、ベースメタル4上で溶融された溶融スラグFSを排出するスラグ排出口9が形成され、スラグ排出口9の下部に溶融スラグFSを水冷して水砕スラグWSを生成するスラグ冷却装置11が配設されている。12はスラグ排出口9に対抗して設けられた予熱バーナである。
【0014】
炉本体3の上部は水冷ジャケット13で覆われると共に、天壁部3dにたとえば2個のトーチ挿入口14A,14Bが前後方向に所定距離離れて形成され、灰供給口6側のトーチ挿入口14Aに加熱源供給電極である陽極トーチ(以下プラズマトーチという)15Aが、スラグ排出通路9側のトーチ挿入口14Bに加熱源供給電極である陰極トーチ(以下プラズマトーチという)15Bがそれぞれ垂下されている。これら両プラズマトーチ15A,15Bには安価な黒鉛電極が使用され、下端部のプラズマ放電による消耗に対応して下降させベースメタル4との距離を所定に保持するトーチ昇降装置16にそれぞれ支持されている。
【0015】
さらに両プラズマトーチ15A,15Bには直流電源装置17が接続されるとともに、作動ガス供給装置18が接続され、両プラズマトーチ15A,15B内を通して炉本体3内に作動ガス(たとえば窒素ガス)を供給するように構成されている。19は一方の側壁部3eに形成された排ガス排出口で、排ガス処理装置に接続される。
【0016】
前記トーチ昇降装置16は、図2に示すように、炉本体3上またはその近傍に立設されたマスト21にガイドローラ22aを介して昇降自在に片持ち支持された昇降アーム22と、昇降アーム22の先端部に設けられた電極把持装置23と、マスト21の上端部に配設されて昇降アームを昇降駆動する昇降駆動装置24とで構成されている。この昇降駆動装置24は、先端部が昇降アーム22に連結された索体24aをガイドシーブ24bを介して巻き取る昇降ウインチ24cにより構成され、プラズマトーチ15A,15Bの下降限を検出して過剰押し付けによる破損を防止する下降規制装置25が設けられている。
【0017】
また昇降アーム22には、プラズマトーチ15A,15Bに作動電力を供給する電源ケーブル26と作動ガスを供給する作動ガスホース27が接続され、またマスト21に沿って取り付けられたラック28aに噛合するピニオン28bの回転数を検出するロータリエンコーダ28cからなる昇降位置検出装置28が設けられている。
【0018】
前記下降規制装置25は、ガイドシーブ24bを上方に付勢するシーブ付勢具と、負荷の軽減によるガイドシーブ24bの浮き上がりを検知する浮上検出器25aと、この浮上検出器25aの検出信号に基づいて昇降ウインチ24cを停止する制御器25bとを具備し、プラズマトーチ15A,15Bの下端部が炉底部3aに接触した際の過剰な圧力によりプラズマトーチ15A,15Bおよびその接続部が破損するのを防止している。
【0019】
なお、このトーチ昇降装置16はプラズマトーチ15A,15Bおよび昇降アーム22の自重を利用したものであるが、昇降機構に油圧シリンダやねじ式ジャッキ装置を使用したものでは、下降規制装置として駆動軸にトルクリミッターを介在させ、トルクリミッターの検出信号により昇降を停止するものでもよい。
【0020】
この炉本体1には、メタル排出の起動時期を検知するために、ベースメタル4の湯面レベルMLを検出するベースメタルレベル検出装置31が設けられている。このベースメタルレベル検出装置31は、検出部材として使用するプラズマトーチ15A,15Bと、プラズマトーチ15A,15Bを底壁部3aまで下降させる前記トーチ昇降装置16と、トーチの位置を検出する昇降位置検出装置28と、底壁部3aに配設されてベースメタル4と導通されるとともにアースされた接地極32と、電源ケーブル26に介装されてベースメタル4とプラズマトーチ15A,15Bとの電位差および抵抗値を検出する電圧計33と抵抗計34とで構成される。
【0021】
つぎにベースメタル4の湯面レベルMLの第1の検出方法を図3を参照して説明する。
1.起動後、所定量の灰Aが供給されて溶融処理され、ベースメタル4が増加すると、焼却灰の投入を停止するとともに、灰溶融用電力の供給を停止して炉を停止させる。そして図3(a)に示すように、プラズマトーチ(たとえば陽極トーチ)15Aを下降して溶融スラグFSからのベースメタル4中に没入させ、下端部を炉底壁3aに接触させて停止する。この時、下降規制装置25が働くため、プラズマトーチ15Aが当接による過剰な荷重で破損することはない。そして湯面レベルMLの検出の基準となるこの当接位置の高さが昇降位置検出装置28により検出される。
【0022】
2.ついで図3(b)に示すように、直流電源装置17からプラズマトーチ15Aと接地極32との間に湯面レベルの検出用電圧を印加し、トーチ昇降装置16によりプラズマトーチ15Aをゆっくりと上昇させながら、抵抗計34によりベースメタル4すなわち接地極32とプラズマトーチ15Aとの抵抗値を検出する。この時の抵抗値は、ベースメタル4が導体であるためきわめて小さい。
【0023】
3.そしてプラズマトーチ15Aをさらに上昇して、図3(c)に示すように、ベースメタル4中から溶融スラグFS中に移動すると、溶融スラグFSの抵抗により、その抵抗値が大きくなる。この抵抗値の変化により、プラズマトーチ15Aがベースメタル4から抜き出されたのが検知され、昇降位置検出装置28によりプラズマトーチ15Aのこの高さ位置を検出することにより、基準となる底壁部3aからベースメタル4の湯面レベルMLまでの上昇距離Hを正確に検知する。この上昇距離Hは、プラズマトーチ15Aが消耗することがあっても正確に検出できる。
【0024】
4.ついで他方のプラズマトーチ(たとえば陰極トーチ)15Bを同様に駆動して湯面レベルMLを検出する。これは、計測の基準となる底壁部3aはベースメタル4と接触しており殆ど消耗もないが、その消耗も考慮し、かつ測定回数および測定位置を変化させることにより、測定誤差をなくしてより高精度に湯面レベルMLを検出するためである。
【0025】
5.そしてベースメタル4の湯面レベルMLからベースメタル4の適正な排出時期を知り、排出時期になると灰の供給を停止し、ベースメタル排出用傾動装置2を起動して炉本体3を傾動させ、スラグ排出口9から溶融スラグFSを排出し、続いてベースメタル4を排出する。
【0026】
さらにベースメタル4の湯面レベルMLの第2の検出方法を図4を参照して説明する。
1.起動後、所定量の灰Aが供給されて溶融処理され、ベースメタル4が増加すると、焼却灰の投入を停止するとともに、灰溶融用電力の供給を停止して炉を停止させる。そして図4(a)に示すように、直流電源装置17からプラズマトーチ15Aと接地極32との間に湯面レベルの検出用電圧を印加し、トーチ昇降装置16によりプラズマトーチ15Aをゆっくりと下降させながら、抵抗計34により接地極32とプラズマトーチ15Aとの抵抗値を検出する。プラズマトーチ15Aと溶融スラグFSが接触していない時の抵抗値はきわめて大きく、次いでプラズマトーチ15Aが溶融スラグFSに接触すると、溶融スラグFSの抵抗により抵抗計34に検出される抵抗値が小さくなる。
【0027】
2.ついで図4(b)に示すように、プラズマトーチ15Aをさらに下降しベースメタル4に接触させると、ベースメタル4が導体であるため、抵抗計34の抵抗値がきわめて小さくなる。この抵抗値の変化によりプラズマトーチ15Aがベースメタル4に接触したのが検知され、昇降位置検出装置28によりこのときのプラズマトーチ15Aの高さ位置が検出される。
【0028】
3.さらに図4(c)に示すように、プラズマトーチ15Aがさらに下降され底壁部3aに接触されて下降が停止される。この時のプラズマトーチ15Aの高さ位置が昇降位置検出装置28により検出される。そしてこの基準となる底壁部3aからベースメタル4の湯面レベルMLまでの下降距離Hから湯面レベルMLが検出される。なおこの時、下降規制装置25が働き、プラズマトーチ15Aが底壁部3aへの当接による過剰な荷重で破損することはない。
【0029】
4.ついで他方のプラズマトーチ(たとえば陰極トーチ)15Bを同様に駆動して湯面レベルMLを検出する。
5.そしてベースメタル4の湯面レベルMLからベースメタル4の適正な排出時期を知り、排出時期になると灰の供給を停止し、ベースメタル排出用傾動装置2を起動して炉本体3を傾動させ、スラグ排出口9から溶融スラグFSを排出し、続いてベースメタル4を排出する。
【0030】
上記第2の方法によれば、第1の方法と同様の効果を奏することができる。また、上記第1の方法のようにベースメタル4中からプラズマトーチ15A,15Bを持ち上げた場合には、ベースメタル4の粘性により表面張力の作用でプラズマトーチ15A,15Bにベースメタル4が同伴されて持ち上げられるため、計測誤差が大きくなり易い。しかし、第2の方法では、プラズマトーチ15A,15Bをベースメタル4に没入するため、ベースメタル4の粘性による誤差はほとんどない。また、プラズマ式灰溶融炉では、通常、起動時にプラズマトーチ15A,15Bをベースメタル4に接触させてアークを発生させる。このため、第1の方法では、ベースメタル4の上方に一旦上昇させたプラズマトーチ15A,15Bを再度下降してベースメタル4に接触らさせる必要があるが、第2の方法では、計測後、ベースメタル4からプラズマトーチ15A,15Bを抜き出す途中で、プラズマトーチ15A,15Bに起動電力を供給してベースメタル4から抜き出されると同時にアークを発生させることができる。したがって、計測動作に連続して起動を行うことができ、炉の運転をスムーズに行うことができる。
【0031】
なお、上記第1,第2の方法で抵抗値で出湯面レベルを検出したが、直流電源装置に基準電圧発生回路を設け、この基準電圧発生回路からプラズマトーチ15Aと接地極32との間に基準電圧を印加して電圧計33によりその電位差を計測し、その変化によりベースメタル4の湯面レベルMLを検出することもできる。
【0032】
また、上記実施の形態では、プラズマ式溶融炉としたが、アーク炉など加熱源供給電極を使用するものであれば、容易に適用できる。またプラズマトーチ15A,15Bを黒鉛製としたが、これに限るものではなく、特に放電等により先端部が消耗する場合であっても有効である。
【0033】
【発明の効果】
以上に述べたごとく本発明の請求項1記載の湯面検出装置によれば、下降規制装置により、プラズマトーチの下端部が炉底部に接触した際の過剰な圧力によりプラズマトーチが破損するのを防止しつつ、この炉底部を基準として、ベースメタルと接地電極との間に介在されるベースメタルやスラグなどの抵抗値または電位差に基いてベースメタルの湯面を求め、炉底部の位置を基準としてプラズマトーチの昇降距離から湯面位置を決定するので、ベースメタルの湯面を精度よく検出することができる。また、プラズマトーチに先端部が放電により減耗される電極が使用されていても問題がない。これにより、ベースメタルの適正な排出時期を知ることができる。
【0034】
請求項2記載の湯面検出方法によれば、ベースメタルが接してほとんど侵食も無く変化の無い炉底部を基準として、プラズマトーチがベースメタルから抜き出される間に溶融スラグが介在されることによりベースメタルと検出部材の抵抗値または電位差が大きくなる位置をベースメタルの湯面とし、炉底部の位置を基準としてプラズマトーチの上昇距離を検出することで湯面位置を決定するので、プラズマトーチに先端部が放電により減耗される電極が使用されていても、ベースメタルの湯面を精度よく検出することができ、ベースメタルの適正な排出時期を知ることができる。
【0035】
また請求項3記載の湯面検出方法によれば、請求項1記載の方法と同様の効果を奏するとともに、上記方法のようにベースメタル中からプラズマトーチを持ち上げた場合には、ベースメタルの粘性により表面張力の作用でプラズマトーチにベースメタルが同伴されるため、誤差が大きくなり易いのに対して、プラズマトーチを没入するためには粘性による誤差はほとんどない。また、プラズマ式灰溶融炉では、起動時に電極を一旦ベースメタルに接触してアークを発生させる。したがって、この方法を用いることにより、湯面検出後の電極の上昇動作中から連続して起動動作に移れ、炉の運転をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベースメタルレベル検出装置を備えたプラズマ式灰溶融炉の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】同トーチ昇降装置を示す側面図である。
【図3】(a)〜(c)はそれぞれ湯面レベルの第1の検出手順を示す炉本体底部の縦断面図である。
【図4】(a)〜(c)はそれぞれ湯面レベルの第2の検出手順を示す炉本体底部の縦断面図である。
【符号の説明】
2 ベースメタル排出用傾動装置
3 炉本体
3a 底壁部
4 ベースメタル
9 スラグ排出口
15A,15B プラズマトーチ
16 トーチ昇降装置
17 直流電源装置
24 昇降駆動装置
25 下降規制装置
26 電源ケーブル
28 昇降位置検出装置
31 ベースメタル湯面検出装置
32 接地極
33 電圧計
34 抵抗計
Claims (3)
- 炉本体の底壁部にベースメタルが収容されるとともに、天壁部にプラズマトーチが配置されたプラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出装置であって、
前記プラズマトーチをプラズマ放電により先端部が消耗される電極とし、前記プラズマトーチを炉底まで下降させるトーチ昇降装置と、前記プラズマトーチの位置を検出する昇降位置検出装置と、前記炉壁部に設けられてベースメタルに導通される接地電極と、直流電源装置から印加された検出用電圧に基いて前記プラズマトーチと接地電極との間の抵抗値を検出する抵抗計、または電位差を検出する電圧計と、前記プラズマトーチの炉壁部への過剰押付けを規制する下降規制装置とを具備し、前記抵抗計の抵抗値または電圧計の電位差の変化に基き、プラズマトーチと炉底部の当接位置を基準として、ベースメタルの湯面レベルを検出するように構成した
ことを特徴とするプラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出装置。 - 請求項1記載のベースメタルの湯面検出装置を使用して、ベースメタルの湯面レベルを検出するに際し、
プラズマトーチを下降してベースメタルに没入させ下端部を炉底部に当接させてこの時の加熱源供給電極の高さを検出し、前記プラズマトーチとベースメタルとの間の抵抗値または電位差を検出しつつ加熱源供給電極を上昇させ、前記プラズマトーチがベースメタルから抜き出されて加熱源供給電極とベースメタルとの間の抵抗値または電位差が大きくなった位置をベースメタルの湯面位置として、加熱源供給電極の炉底部からの上昇距離を検出することにより、炉底部を基準としてベースメタルの湯面レベルを検出する
ことを特徴とするプラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出方法。 - 請求項1記載のベースメタルの湯面検出装置を使用して、ベースメタルの湯面レベルを検出するに際し、
プラズマトーチとベースメタルとの間の抵抗値または電位差を検出しつつ加熱源供給電極を下降し、
前記プラズマトーチとベースメタルとの間の抵抗値または電位差が小さくなった位置をベースメタルの湯面位置としてこの時の加熱源供給電極の高さを検出し、
さらに前記プラズマトーチをベースメタルに没入させてその下端部を炉底部に当接させ、前記湯面位置から炉底部までの加熱源供給電極の下降距離を検出することにより、炉底部を基準としてベースメタルの湯面レベルを検出する
ことを特徴とするプラズマ式灰溶融炉におけるベースメタルの湯面検出方法。
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