JP3585292B2 - 被覆粒状肥料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、被覆粒状肥料に関し、特に生分解性を有する樹脂で被覆され、徐放性に優れた被覆粒状肥料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、作物の生育に応じた肥効を得るために、粒状肥料を樹脂で被覆した被覆粒状肥料が提案されている。このように肥料を樹脂で被覆することにより、肥料の有効成分の溶出速度を調節することができるが、溶出後の樹脂の残骸が環境を汚染するという問題があった。
【0003】
そこで、分解性を有する皮膜で肥料を被覆することが提案された。例えば、特公平2−23517 号公報には、ポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸を有効成分とする分解性皮膜で被覆してなる粒状肥料が開示されており、特公平7−505 号公報には、ポリカプロラクトン及びオレフィン重合物、塩化ビニリデン重合物、ジエン系重合物等で被覆してなる被覆粒状肥料が開示されており、特開平7−33576 号公報には、ポリカプロラクトン、ポリ−L−乳酸、脂肪族ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物等と、セルロース誘導体、低分子量ポリエチレン等とを多層被覆してなる被覆粒状肥料が開示されている。
【0004】
しかしながら、いずれの粒状肥料においても樹脂を被覆する際に、トルエン、キシレン等の芳香族系化合物や、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン系化合物など、人体や環境に有害な溶剤を使用しなければならなかった。
ところで、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂は、脂肪族アミド樹脂の有する強靱さと、脂肪族エステルの有する良好な加工性とを合わせ持ち、さらには脂肪族エステルの有する生分解性をも持ちうる優れた樹脂であるため(特公昭56−38115号公報、特公昭57−26688号公報、特開平6−200016号公報、特開平6−192417号公報等参照)、粒状肥料の被覆材料として好適である。
【0005】
しかし、この脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶液状態にして粒状肥料に被覆するには、ギ酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、m−クレゾール等の、人体に対して非常に有害であったり、オゾン層破壊等の環境破壊性の高い溶剤を用いなければならず、取扱いの容易な良溶剤は知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、毒性や環境汚染性の強い有機溶媒を使用することなく、生分解性を有する樹脂で被覆した被覆粒状肥料及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、金属塩を含有するメタノール、エタノール等の有機溶剤を用いることにより脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶液化すれば、人体や環境に有害な有機溶剤を使用しなくても、生分解性を有する樹脂を粒状肥料に被覆することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、樹脂皮膜で被覆された粒状肥料において、該樹脂皮膜が30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有することを特徴とする被覆粒状肥料である。
また、本発明は、水分を含有する又は含有しない有機溶剤に金属塩が溶解している溶解液に、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させた樹脂混合物を調製し、該樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成した後、該有機溶剤を除去することにより、該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有する樹脂を粒状肥料に被覆することを特徴とする、被覆粒状肥料の製造方法である。
【0009】
さらに、本発明は、水分を含有する又は含有しない有機溶剤に金属塩が溶解している溶解液に、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させた樹脂混合物を調製し、該樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成した後、水又は水溶液で洗浄することにより該金属塩及び該有機溶剤を除去し、該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有する樹脂を粒状肥料に被覆することを特徴とする、被覆粒状肥料の製造方法である。
【0010】
さらにまた、本発明は、水分を含有する又は含有しない有機溶剤に金属塩が溶解している溶解液に、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させた樹脂混合物を調製し、該樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成した後、該金属塩及び該有機溶剤を同時に又は別工程で除去して、該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有する樹脂を粒状肥料に被覆し、その後該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の軟化温度以上の温度で該粒状肥料を加熱することを特徴とする、被覆粒状肥料の製造方法である。
【0011】
本発明でいう水溶液とは、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を析出させることができ、かつ金属塩を溶出させることのできる、水を溶媒とした溶液をいい、具体的にはメタノール、エタノール、アセトン等の有機溶剤の水溶液、揮発性の酸及びアルカリの水溶液、界面活性剤等の水溶液などをいう。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の被覆粒状肥料において、粒状肥料を被覆する樹脂皮膜は、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分とするものである。本発明において、共重合樹脂のエステル構造(又はアミド構造)のモル比は、 1H−NMRスペクトルにより、エステル基(又はアミド基)に隣接する炭素に結合する水素のシグナル強度の面積比率から求められる。なお、本発明でいう「脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分」とは、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂のみからなる場合も含むものとする。
【0013】
本発明における脂肪族エステル−アミド共重合樹脂は、脂肪族エステルと脂肪族アミドとが共重合したものであればいかなるものであってもよいが、重合性、原料の単価等を考慮すると、脂肪族エステル単位が、下記の化学式(1)
−O−R3 −CO− …(1)
(式中、R3 は炭素数1〜6の直鎖状メチレン基又は該直鎖状メチレンに炭素数1〜3のアルキル基が結合した基を表す。)
で示される構造及び/又は下記の化学式(2)
−O−R4 −OCO−R5 −CO− …(2)
(式中、R4 は炭素数2〜6の、R6 は炭素数2〜10の、それぞれ直鎖状メチレン基又はそれら直鎖状メチレンに炭素数1〜3のアルキル基が結合した基を表す。)
で示される構造からなり、脂肪族アミド単位が、下記の化学式(3)
−NH−R6 −CO− …(3)
(式中、R6 は炭素数2〜12の直鎖状メチレン基又は該直鎖状メチレンに炭素数1〜3のアルキル基が結合した基を表す。)
で示される構造及び/又は下記の化学式(4)
−NH−R7 −NHCO−R8 −CO− …(4)
(式中、R7 は炭素数2〜6の、R8 は炭素数2〜10の、それぞれ直鎖状メチレン基又はそれら直鎖状メチレンに炭素数1〜3のアルキル基が結合した基を表す。)
で示される構造からなり、それらが共重合したものが好ましい。共重合の形態としては、通常の共重合であってもよいし、ブロック共重合、グラフト共重合あるいは交互共重合であってもよい。さらに、本発明における脂肪族エステル−アミド共重合樹脂には、高分子同士を結合し、更に高分子化する目的で添加される少量の分子延長剤、具体的にはジイソシアネート、多塩基酸等に由来する構造を含ませることができる。
【0014】
脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の重量平均分子量は、5,000〜500,000であるのが好ましい。5,000以上であれば、被覆樹脂の物性が良好で実用範囲が広く、500,000以下であれば、合成時間を短縮でき、また真空度などの反応条件も緩和できる。
脂肪族エステル−アミド共重合樹脂主鎖中のエステル単位の割合は、30〜95モル%であり、好ましくは40〜90モル%である。このような割合にすることによって共重合樹脂に生分解性を付与することができる。従って、本発明の被覆粒状肥料を土壌中で使用した際、肥料の溶出後に被覆樹脂が残留するおそれがなく、環境汚染等を防止することができる。
【0015】
本発明の被覆粒状肥料における被覆樹脂は、上記脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有すればよく、その他所望の成分、例えば、後述する金属塩、肥料成分、ぬれ性や皮膜の付着性改善などの目的に使用する界面活性剤、粒子の合着防止や肥料成分の溶出コントロールのためのシリカ等の無機フィラー、ワックス類等を含有してもよい。また、徐放性の調節などの目的で、樹脂皮膜の外周又は内部に1層以上の無機物や油脂分、あるいは他の樹脂の層を形成して多層化してもよい。
【0016】
本発明で使用することのできる粒状肥料としては、肥料成分を溶出し得るあらゆる粒子状の固体肥料を使用することができる。例えば、硫安、硝安、尿素、硫酸カリ、リン酸アンモニア、リン酸カリ等の単体やそれらを混合した化成肥料などが挙げられる。肥料粒子の大きさは特に限定されることはないが、通常0.5 〜10mm程度の粒径を有するものが施肥しやすく、徐放性付与の効果も大きい。この粒状肥料を前述した脂肪族エステル−アミド共重合樹脂で被覆することにより、肥料成分が緩やかに溶出し、緩効性(徐放性)に優れた被覆粒状肥料となる。
【0017】
脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の被覆量は、肥料粒子の重量に対して5〜30%程度であるのが好ましい。少量すぎると均一に被覆するのが難しく、多量に被覆してもコストが上昇するのみで、特別な効果は得られない。
次に、本発明の被覆粒状肥料の製造方法を説明する。本発明の被覆粒状肥料の製造方法では、まず、金属塩を含む有機溶剤に、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させる。本発明における溶解とは、常温又は有機溶剤の沸点を超えない範囲での加温下において、共重合樹脂が実質的に均一な溶液となることをいい、分散とは、常温又は有機溶剤の沸点を超えない範囲での加温下において、有機溶剤の分離や、金属塩及び共重合樹脂の析出が実質的に生じることなく、共重合樹脂と有機溶剤とが実質的に均一な状態になることをいい、溶解、分散とも一部の樹脂混合溶液のゲル化、あるいは有機溶剤の多少の分離が起こる場合(特に常温下)も含むものとする。
【0018】
本発明で用いる有機溶剤及び金属塩の組み合わせとしては、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解させることができればいかなる組み合わせであってもよいが、共重合樹脂を実用上有効な溶解又は分散状態とするためには、有機溶剤100重量部に対して金属塩が1重量部以上溶解するような組み合わせであるのが好ましく、有機溶剤100重量部に対して金属塩が5重量部以上溶解するような組み合わせであるのが特に好ましい。
【0019】
有機溶剤としては、連続する炭素鎖中の全炭素数が6以下のアルコール、下記の化学式(5)
【0020】
【化1】
【0021】
(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基、R2 は水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基又は酢酸基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
で示されるグリコールエーテル類、炭素数5以下の有機酸、アルキルスルホキシド及び脂肪族アミドから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものが好ましい。
【0022】
上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール等が挙げられ、グリコールエーテル類としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等が挙げられ、有機酸としては酢酸等が挙げられ、アルキルスルホキシドとしては、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、脂肪族アミドとしては、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、それらを単独で又は適宜混合して用いることができる。
【0023】
有機溶剤の沸点は、常温での取扱性や、樹脂から溶剤を除去乾燥する容易性を考慮して、30〜250℃の範囲にあるのが好ましい。特に好ましい有機溶剤は、メタノール、エタノール及びそれらの混合物である。
以上説明した有機溶剤は水分を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。水分を含有させるか否か又はその含有量は、被覆粒状肥料の使用形態等によって適宜選択すればよい。但し、樹脂の含有量の多い混合物を得るには、水分含有量は少ないほうが好ましい。
【0024】
一方、本発明で使用する金属塩としては、原子番号38以下の周期表Ia、IIa、Ib及びIIb族から選ばれる金属の、ハロゲン化物、ニトロ化物及びチオシアネート化物が好ましく、それらを単独で又は適宜組み合わせて用いることができる。
具体的には、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化亜鉛、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛等が挙げられる。特に、潮解性を有する金属塩、例えば塩化カルシウムを使用する場合には、被覆樹脂中に該金属塩を残存させることにより、該金属塩が土中に溶出して被覆樹脂が多孔化し、肥料の溶出を制御することができる。
【0025】
有機溶剤に対する金属塩の混合比としては、有機溶剤100重量部に対して金属塩が1〜40重量部、特に1〜30重量部であるのが好ましい。金属塩の混合比が上記範囲より小さい場合には得られる樹脂多孔微粒子の量が少なく、上記範囲より大きい場合には、金属塩の析出が起こりやすく、均一な樹脂混合溶液となりにくい。
【0026】
また、金属塩を含む有機溶剤に対する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の混合比としては、金属塩を含む有機溶剤100 重量部に対し、共重合樹脂1〜30重量部であるのが好ましく、1〜20重量部であるのがより好ましい。共重合樹脂の混合比がこの範囲より小さい場合には、溶剤と金属塩の除去・回収に多大な時間や手間を要するため実用的でなく、この範囲より大きい場合には、樹脂の溶解が不十分で析出が起こりやすいうえ、混合溶液の粘度も高くなり、粒状肥料に対する樹脂の被覆が難しくなる。
【0027】
なお、金属塩に結晶水として含まれていた水分は樹脂混合溶液中に残存していてもよいが、その含水量は、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散する際に樹脂の析出が起こらない範囲で適宜制御すればよい。
脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解液に溶解又は分散させる際には、加温するのが好ましい。このように加温することにより、短時間で脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させることができる。また、加温の温度範囲については、有機溶剤の沸点を超えない範囲が特に好ましい。これは、加温時に加圧容器等を用いることなく加温できるからである。
【0028】
以上のようにして得られた樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成する。なお、本明細書中における「形成」とは、粒状肥料の表面に樹脂混合物の皮膜を形成することをいい、その後の有機溶剤の除去工程又は水等による洗浄工程の前までの段階をいう。また、本明細書における「被覆」とは、全ての工程を経て残った樹脂で粒状肥料を被覆することをいい、この点で「形成」と区別することとする。
【0029】
樹脂混合物の皮膜形成は、従来の被覆肥料の製造に用いられる通常の方法によって行うことができる。例えば、樹脂混合物に肥料粒子をディッピングする方法、肥料粒子に樹脂混合物を滴下または噴霧する方法等を利用することができる。樹脂混合物の濃度は、形成方法にもよるが、ディッピングによる場合は濃厚で高粘度の樹脂混合物でも問題ないが、噴霧する場合は粒子の合着を防ぐために樹脂混合物の粘度が50cp以下となるような濃度にするのが好ましい。
【0030】
樹脂混合物の皮膜形成量は、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の被覆量が肥料粒子の重量に対して5〜30%程度となるような量が好ましい。少量すぎると均一な皮膜を形成するのが難しく、多量に使用してもコストが上昇するのみで、特別な効果は得られない。
本発明の方法によれば、芳香族系化合物やハロゲン系化合物などの人体や環境に有害な有機溶剤を使用しなくても、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶液化し、粒状肥料に形成することができるため、健康面及び環境面から非常に優れた方法であるということができる。
【0031】
以上のようにして樹脂混合物の皮膜を形成したら、本発明の第1の方法では、次に有機溶剤を除去する。有機溶剤の除去は常法によればよく、有機溶剤を揮発させたり、加熱蒸発させたりする方法等によって行うことができる。
樹脂混合物の皮膜の形成及び有機溶剤の除去は、連続的に又は同時に行うことができる。例えば、実験室的には、樹脂混合物に肥料粒子をディッピングした後、乾燥させる方法が簡便であり、多量に生産する場合は、回転パンを有する糖衣機等に入れて加熱した肥料粒子に樹脂混合物を滴下または噴霧する方法、逆円錐型等の底部を有する噴流層装置に肥料粒子を入れ、底部より温風とともに樹脂混合物を噴出して肥料表面に皮膜を形成する方法等によって行うことができる。
【0032】
このようにして樹脂を被覆した被覆粒状肥料には金属塩が残存しているが、肥料として使用した際、土壌中の水分によって被覆樹脂に含まれる金属塩が溶出し、被覆樹脂膜が多孔化する。従って、この金属塩の種類や残存量等によって、肥料の溶出をコントロールすることができる。また、前もって水又は水溶液で洗浄することにより、金属塩の含有量を減らしたり、除去することも可能である。
【0033】
本発明の第2の方法では、樹脂混合物の皮膜を形成した粒状肥料を、水又は水溶液で洗浄する。この処理により、混合溶液中の有機溶剤、及び金属塩の全部又は一部が溶媒に溶出して除去されるため、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂が析出する。このとき、樹脂混合物中で有機溶剤及び金属塩が占めていた部分が空間となって樹脂が析出し、粒状肥料が多孔状の脂肪族エステル−アミド共重合樹脂皮膜により被覆されることとなる。ここで使用する洗浄液としては、水及びアセトン水溶液が好ましい。
【0034】
被覆樹脂の多孔の程度、即ち肥料の溶出速度は、樹脂混合物中の有機溶剤や金属塩の種類や比率によって、また水又は水溶液で洗浄する際の、温度や水溶液の組成、その他の条件により制御することができる。
本発明の第3の方法では、上記第1の方法又は第2の方法で粒状肥料に樹脂を被覆した後、さらにこの被覆粒状肥料を加熱し、被覆樹脂の多孔度を調節する。加熱温度は、所望の多孔度となるような温度であればよいが、脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の軟化温度以上の温度は必要である。好ましい加熱温度は、60〜200 ℃である。加熱方法は特に限定されないが、例えば、熱風発生機の使用や、液体中での加熱、回転パンやドラムで転動させながらの加熱方法等の使用が可能である。
【0035】
この多孔度の調節により、第1の方法及び第2の方法によって得られる被覆粒状肥料よりも、肥料成分の溶出速度の遅いものを製造することができる。なお、加熱条件によっては、全く多孔化していない状態の被覆樹脂膜とすることも可能である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何等限定するものではない。
(実施例1)
ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業製「プラクセルM」)とε−カプロラクタム(三菱化学製)とを金属ナトリウムを開始剤として開環共重合させ、エステル−アミド共重合体を得た。共重合体は乳白色不透明で、エステル成分の比率は70モル%、重量平均分子量は1.4×104 であった。
【0037】
メタノール 100重量部に塩化カルシウム10重量部を加えて完全に溶解させた溶解液に、上記エステル−アミド共重合体25重量部を加え、約60℃に加熱しながら攪拌してポリマー成分を均一に分散させた。この樹脂混合物は60℃では乳濁した粘稠な液体で、室温に放置すると固化して流動性を失った。
60℃に加熱して均一な粘稠溶液としたこの樹脂混合物に、粒径約3mm、平均重量25mgの粒状化成肥料(市販の燐硝安加里肥料)を浸漬して取り出し、粒状肥料の表面に樹脂混合物の皮膜を形成した。その状態で、相対湿度30%、30℃のインキュベーター中に放置してメタノールを揮発させ、樹脂を被覆した。この被覆粒状肥料は平均重量が29mgで、肥料粒子に対する樹脂皮膜の重量比は16%であった。
【0038】
この被覆粒状肥料による肥料成分の溶出量抑制効果を、以下の方法で調べた。10mlの蒸留水を入れた試験管に被覆粒状肥料を入れ、蒸留水中に溶出する燐成分の濃度を、ICP発光分光分析装置(セイコー電子工業製 SPS−4000型)を用いて一定時間ごとに調べた。また、被覆を施していない平均重量25mgの肥料粒子についても、同様の操作で一定時間ごとの溶出燐濃度を調べた。双方の結果を表1及び図1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1及び図1より、樹脂被覆を施した粒状肥料では、燐の溶出量が約70%に抑制されていることがわかる。
また、同様にして合成したエステル−アミド共重合物を粉末状とし、活性汚泥中で生分解させた際に発生する炭酸ガスの量により、その生分解性を調べた。その結果、22日後までの炭酸ガス発生量は、生分解度に換算して67%に相当するものであり、十分な生分解性を備えていることが分かった。なお、同条件で測定した生分解性プラスチックであるポリカプロラクトン(ダイセル化学工業製「プラクセルHIP」)の生分解度は75%であった。
【0041】
さらに、奈良県天理市の工場敷地内より採取し1.7mmのふるいに掛けた土壌を満たしたシャーレに、同様のエステル−アミド共重合体から作製した平均厚み0.34mmのプレスフィルムを土壌表面から10mmの深さで埋設し、土壌の含水量を50%に維持しながら30℃のインキュベーター中に放置した。その結果、1ケ月後には樹脂表面に黒色の糸状菌類の付着が見られ、フィルムの一部は消失しており、重量は40%減少していた。プレスフィルム表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、糸状菌類の周囲の樹脂が消失しているのが認められた。
【0042】
(実施例2)
ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業製「プラクセルM」)とε−カプロラクタム(三菱化学製)とを金属ナトリウムを開始剤として開環共重合させ、エステル−アミド共重合体を得た。共重合体は淡黄色半透明で、エステル成分の比率は55モル%、重量平均分子量は1.3×104 であった。
【0043】
メタノール 100重量部に塩化カルシウム25重量部を加えて完全に溶解させた溶解液に、上記エステル−アミド共重合体25重量部を加え、約60℃に加熱しながら攪拌してポリマー成分を均一に分散させた。樹脂混合物は60℃では淡黄色の乳濁した粘稠な液体で、室温に放置しても流動性を失うことはなかった。
この樹脂混合物に、室温下で、粒径約3mm、平均重量25mgの化成肥料(市販の燐硝安加里肥料)を浸漬して取り出し、粒状肥料の表面に樹脂混合物の皮膜を形成した。その状態で3分間水に浸した後、室温で乾燥させ、被覆粒状肥料を得た。この被覆粒状肥料の平均重量は32mg(肥料粒子に対する樹脂被膜の重量比28%)であった。
【0044】
この被覆粒状肥料による肥料成分の溶出量抑制効果を、実施例1と同様にして被覆を施していない同重量の肥料粒子と比較したところ、被覆した粒状肥料からの4時間後の燐分の溶出量は約75%で、この樹脂皮膜が徐放性効果を奏することが分かった。
また、同様のエステル−アミド共重合物の活性汚泥中での生分解性を調べたところ、28日後までの炭酸ガス発生量は生分解度に換算して60%であった。さらに、実施例1と同様にしてサンプリングした土壌中で、このエステル−アミド共重合体から作製した平均厚み0.34mmのプレスフィルムの分解性を調べたところ、1ケ月後には樹脂表面に黒色の糸状菌類の付着が見られ、フィルムの部分的消失やひび割れ等があり、重量は約35%減少しており、十分な生分解性を有することが分かった。
【0045】
(比較例1)
メタノール 100重量部に塩化カルシウム25重量部を加えて完全に溶解させた溶解液に、アミド成分を含有しないポリカプロラクトン(ダイセル化学工業製「プラクセルH7」)25重量部を加え、約60℃に加熱しながら攪拌したが、樹脂は溶解せず、肥料の被覆に用いる樹脂混合物は得られなかった。
【0046】
(比較例2)
ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業製「プラクセルM」)とε−カプロラクタム(三菱化学製)とを金属ナトリウムを開始剤として開環共重合させ、エステル−アミド共重合体を得た。共重合体は淡黄色半透明で、エステル成分の比率は25モル%、重量平均分子量は9.5×103 であった。
【0047】
メタノール 100重量部に塩化カルシウム25重量部を加えて完全に溶解させた溶解液に、このエステル−アミド共重合体25重量部を加え、約60℃に加熱しながら攪拌してポリマー成分を均一に分散させた。この樹脂混合物は60℃では淡黄色半透明の粘稠な液体で、室温に放置しても固化しなかった。
60℃に加熱して均一な粘稠溶液としたこの樹脂混合物に、粒径約3mm、平均重量25mgの粒状化成肥料(市販の燐硝安加里肥料)を浸漬して取り出し、肥料の表面に樹脂混合物の皮膜を形成した。その状態で、相対湿度30%、30℃のインキュベーター中に放置してメタノールを発揮させ、樹脂を被覆した。
【0048】
この被覆粒状肥料による肥料成分の溶出量抑制効果を、実施例1と同様にして被覆を施していない同重量の肥料粒子と比較したところ、被覆した粒子からの4時間後の燐分の溶出量は約65%で、この皮膜が徐放性効果を奏することが分かった。
しかし、同様のエステル−アミド共重合物の活性汚泥中での生分解性を調べたところ、28日後までの炭酸ガス発生量は生分解度に換算して10%であり、また、実施例1と同様にしてサンプリングした土壌中で、このエステル−アミド共重合体から作製した平均厚み0.34mmのプレスフィルムの分解を調べたところ、1ケ月後には樹脂表面に黒色の糸状菌類の付着が少し見られたものの、フィルムの形状はもとのままで、重量にも有意な変化はみられなかった。
【0049】
(実施例3)
メタノール 100重量部に塩化カルシウム10重量部を加えて完全に溶解させた混合溶液に、実施例1で用いたものと同様のエステル−アミド共重合体25重量部を加え、約60℃に加熱しながら攪拌してポリマー成分を均一に分散させた。この樹脂混合物は60℃では乳濁した粘稠な液体で、室温に放置すると固化して流動性を失った。なお、上記エステル−アミド共重合体を加熱すると、70℃から軟化し始め、 170℃で溶融した。
【0050】
60℃に加熱して均一な粘稠溶液とした上記樹脂混合物に、粒径約3mm、平均重量25mgの粒状化成肥料(市販の燐硝安加里肥料)を浸漬して取り出し、肥料の表面に樹脂混合物の皮膜を形成した。その状態で室温中に放置してメタノールを揮発させた後、3分間水に浸して室温で乾燥させ、樹脂を被覆した。この被覆粒状肥料の樹脂皮膜を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面に多数の小孔の認められる多孔質の皮膜であった。
【0051】
さらに、この被覆粒状肥料に対して、熱風発生機により皮膜表面をまんべんなく約 100℃に加熱して樹脂を軟化させた後、室温に放置して冷却した。走査型電子顕微鏡で皮膜表面を観察したところ、表面には小孔はほとんど認められず、滑らかであった。
この被覆粒状肥料を蒸留水10mlに浸漬して、溶出する燐の濃度を経時的に測定した。また、被覆を施していない平均重量25mgの肥料粒子についても、同様の操作で一定時間ごとの溶出燐濃度を調べた。双方の結果を表2及び図2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
表2及び図2から明らかなように、被覆を施した後加熱して皮膜表面を滑らかにした場合、被覆を施していない場合と比較して、4時間後の肥料成分の溶出量が約5%以下に抑制されており、高い被覆効果を有することが分かった。
(実施例4)
メタノール 100重量部に塩化カルシウム25重量部を加えて完全に溶解させた溶解液に、実施例2で用いたものと同様のエステル−アミド共重合体25重量部を加え、約60℃に加熱しながら攪拌してポリマー成分を均一に分散させた。この樹脂混合物は60℃では淡黄色の乳濁した粘稠な液体で、室温に放置しても流動性を失うことはなかった。なお、上記エステル−アミド共重合体を加熱すると、130 ℃から軟化し始め、 170℃で溶融した。
【0054】
この樹脂混合物に、室温下で、粒径約3mm、平均重量25mgの粒状化成肥料(市販の燐硝安加里肥料)を浸漬して取り出し、肥料の表面に樹脂混合物の皮膜を形成した。その状態で室温中に放置してメタノールを揮発させた後、3分間水に浸して室温で乾燥させ、樹脂を被覆した。この被覆粒状肥料の樹脂皮膜を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面に多数の小孔の認められる多孔質の皮膜であった。
【0055】
さらに、この被覆粒状肥料に対して、熱風発生機により皮膜表面をまんべんなく約 150℃に加熱して樹脂を軟化させた後、室温に放置して冷却した。走査型電子顕微鏡で皮膜表面を観察したところ、表面は加熱前に比べて滑らかになっていたが、未だいくらかの小孔が認められた。また、ビデオマイクロスコープで皮膜を観察すると、皮膜内部に多数の気泡を含んでいた。
【0056】
この被覆粒状肥料を蒸留水10mlに浸漬して、溶出する燐の濃度を経時的に測定した。また、被覆を施していない平均重量25mgの肥料粒子についても、同様の操作で一定時間ごとの溶出燐濃度を調べた。双方の結果を表3及び図3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
表3及び図3から明らかなように、被覆を施した後加熱して皮膜表面を滑らかにした場合、被覆を施していない場合と比較して、4時間後の肥料成分の溶出量が約50%以下に抑制されていた。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、毒性や環境汚染性の強い溶媒を使用しなくても、生分解性を有する樹脂を粒状肥料に被覆することができ、被覆樹脂の残骸による環境破壊がなく、徐放性に優れた被覆粒状肥料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の被覆粒状肥料を蒸留水に浸漬させた場合における、溶出燐濃度の経時変化を示すグラフである。
【図2】実施例3の被覆粒状肥料を蒸留水に浸漬させた場合における、溶出燐濃度の経時変化を示すグラフである。
【図3】実施例4の被覆粒状肥料を蒸留水に浸漬させた場合における、溶出燐濃度の経時変化を示すグラフである。
Claims (3)
- 水分を含有する又は含有しない有機溶剤に金属塩が溶解している溶解液に、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させた樹脂混合物を調製し、該樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成した後、該有機溶剤を除去することにより、該金属塩と主成分として該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂とを含有する被覆樹脂を粒状肥料に被覆することを特徴とする、被覆粒状肥料の製造方法。
- 水分を含有する又は含有しない有機溶剤に金属塩が溶解している溶解液に、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させた樹脂混合物を調製し、該樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成した後、水又は水溶液で洗浄することにより該金属塩及び該有機溶剤を除去し、該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有する樹脂を粒状肥料に被覆することを特徴とする、被覆粒状肥料の製造方法。
- 水分を含有する又は含有しない有機溶剤に金属塩が溶解している溶解液に、30〜95モル%のエステル構造を有する脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を溶解又は分散させた樹脂混合物を調製し、該樹脂混合物の皮膜を粒状肥料の表面に形成した後、該金属塩及び該有機溶剤を同時に又は別工程で除去して、該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂を主成分として含有する樹脂を粒状肥料に被覆し、その後該脂肪族エステル−アミド共重合樹脂の軟化温度以上の温度で該粒状肥料を加熱することを特徴とする、被覆粒状肥料の製造方法。
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- 1995-06-30 JP JP16553395A patent/JP3585292B2/ja not_active Expired - Fee Related
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