JP3584874B2 - 車両追従装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方車両の後方に自車を停止させた状態で、前方車両が発進すると、この前方車両の発進に追従して自車を発進させる車両追従装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特開平10−147160号公報に示されているように、自車を発進させるための操作スイッチと、前方車両が停止状態から発進したことを検出する発進検出手段とを備え、前方車両の発進が検出された後に操作スイッチが操作されると、同操作に応答して自車を自動的に発進させて前方車両との車間距離を維持するようにして、渋滞時などの停車及び発進が繰り返される状況下における運転者の労力を軽減するようした車両追従装置は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置においては、前方車両が発進された直後に操作スイッチが操作されると、自車は同操作スイッチの操作に即座に応答して前方車両に追従して発進してしまうので、運転者が安全確認を怠った状態で自車を発進させてしまうことがある。特に、自車が、交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路(多くの場合、高速道路)のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置していたり、複数車線のうちの一つの車線に位置していたりする場合には、周囲(自車の運転環境)に充分な注意をはらった上で自車を発進させなければならないにもかかわらず、自車が操作スイッチの操作に応答して即座に発進してしまうので、交通安全上好ましくない。
【0004】
また、逆に、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、前方車両の発進から大きく遅れて操作スイッチが操作されると、前方車両と自車の間に他の車両が進入してくる場合があり、前記操作スイッチの操作に応答していつでも自由に自車を発進させていしまうと、交通安全上好ましくないことが生じる場合がある。
【0005】
【発明の概略】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、自車を発進させるための操作スイッチと、前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、前記前方車両の発進検出後における前記操作スイッチの操作に応答して自車を発進させる発進制御手段とを備えた車両追従装置を改良することにより、交通安全上好ましい車両追従装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、前記発進制御手段を、前方車両の発進検出後、前記操作スイッチが所定の禁止時間以上操作され続けていることを条件に自車を発進させるように構成したことにある。
【0007】
この第1の特徴によれば、前方車両が発進された直後に操作スイッチが操作されても、自車が前記操作スイッチの操作に即座に応答して発進することがなくなり、前記前方車両の発進後から少なくとも所定の禁止時間が経過するまでは車両は発進されない。したがって、運転者には自車の運転環境(自車の周囲の状況)を確認する時間が与えられ、運転者は、安全確認を行った上で自車を発進させることになるので、交通安全上好ましい。
【0008】
また、前記第1の特徴における前記所定の禁止時間は、自車の運転環境に応じて決定されるものである。これによれば、前記時間制限手段によって発進制御が禁止される時間が、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路(多くの場合、高速道路)のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置していたり、複数車線のうちの一つの車線に位置していたり、これら以外に位置しているなどの、自車の各種運転環境に応じて設定される。したがって、運転者が注意をはらうための時間が運転環境に応じて適切に設定され、前記安全が確保された上で、自車の発進遅れによる交通流の乱れも生じさせない。
【0009】
また、本発明の第2の特徴は、前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を運転者に報知する報知手段を設けたことにある。この場合、前記報知は、音又は音声、表示によって実現される。これによれば、運転者は、前方車両の発進を報知によっても認識できるようになり、便利となる。
【0010】
また、本発明の第3の特徴は、前方車両の発進検出後から所定の禁止時間が経過するまで、前記発進制御手段による発進制御を禁止する発進禁止手段と、前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を自車の運転環境に応じた時間分だけ運転者に報知する報知手段とを設けたことにある。
【0011】
これによれば、前方車両が発進された直後に操作スイッチが操作されても、自車が前記操作スイッチの操作に即座に応答して発進することがなくなり、前記前方車両の発進後から所定の禁止時間が経過するまでは車両は発進されない。また、自車の各種運転環境に応じて、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が種々に変更される。したがって、操作スイッチの操作による自車の発進が禁止される禁止時間が自車の運転環境に応じて変化しても、発進報知の終了から禁止時間の満了までの時間をほぼ一定に保つことができる。このことは、前記前方車両の発進報知によって運転者に対する操作スイッチの操作が促されてから、運転者が操作スイッチを操作して自車を発進させることを想定すると、操作スイッチの操作による自車の発進が禁止される時間が自車の運転環境とは無関係ほぼ一定になることを意味する。このように、操作スイッチによる発進操作の受付禁止時間を自車の運転環境とは無関係に実質的に一定にすることで、操作スイッチによる自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく操作スイッチの操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0012】
また、本発明の第4の特徴は、前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を自車の運転環境に応じた時間分だけ運転者に報知する報知手段と、前記前方車両の発進報知の終了後、前記操作スイッチが所定の禁止時間以上操作され続けていることを条件に自車を発進させる発進制御手段とを備えたことにある。
【0013】
これによっても、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が自車の運転環境に応じて種々に変更され、一方、自車を発進させるための操作スイッチの連続操作時間を自車の運転環境とは無関係にほぼ一定にすることができる。したがって、前方車両の発進から操作スイッチの操作による自車の発進が禁止される時間を自車の運転環境に応じて変化させても、操作スイッチによる自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく操作スイッチの操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、この場合も、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0014】
また、本発明の第5の特徴は、自車の特定の運転環境により前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を禁止する環境制限手段を設けたことにある。これによれば、前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進は、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、それ以外に位置しているなどの、自車の各種運転環境に応じて禁止される。したがって、前方車両に追従させたのでは交通安全上の問題が生じる可能性が高い場合には、発進制御手段による安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で通常の方法でしか車両を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0015】
また、本発明の第6の特徴は、自車と前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記検出した車間距離が所定の解除距離以上であるとき前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を解除する発進機能解除手段とを設けたことにある。
【0016】
また、本発明の第7の特徴は、前記前方車両の発進検出からの経過時間を計測する時間計測手段と、前記計測時間が所定の解除時間以上であるとき前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を解除する発進機能解除手段とを設けたことにある。
【0017】
これらの第6又は第7の特徴によれば、操作スイッチの操作が遅れて、自車と前方車両との間に他の車両が進入してくるような場合、発進制御手段による安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で通常の方法でしか車両を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0018】
これらの第6又は第7の特徴の場合、前記所定の解除距離又は解除時間は、例えば自車の運転環境に応じて決まるものである。これによれば、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、操作スイッチの操作に応答した自車の発進を短い距離又は時間で禁止するなど、同操作スイッチの操作に応答した自車の発進禁止の距離又は時間を運転環境に応じて適切に設定できるようになる。したがって、発進制御手段による安易な発進制御が前記よりも的確に禁止されて、交通安全上より好ましいものとなる。
【0019】
また、本発明の第8の特徴は、前記各特徴に加え、自車と前方車両との車間距離が所定の禁止距離以上になるまで前記発進制御手段による発進制御を禁止する車間距離制限手段を設けたことにある。これによれば、前方車両との車間距離が所定の禁止距離に達するまでは、操作スイッチの操作に応答した自車の発進が禁止されるので、前記各特徴による効果に加え、前方車両との車間距離が適切に保たれる。
【0020】
また、本発明の第9の特徴は、前記自車の運転環境は、ナビゲーション装置からの情報に基づいて決定されるものである。これによれば、運転環境が、車両に関する既存機能を用いて、比較的簡単かつ正確に決定される。
【0021】
さらに、本発明は、これらの第1乃至第9の特徴を適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る車両追従装置をブロック図により示している。
【0023】
この車両追従装置は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする電子制御ユニット10を備えている。この電子制御ユニット10は、時間を計測するためにタイマ11を内蔵しており、図2の追従制御プログラムを実行することにより、ブレーキアクチュエータ21、スロットルアクチュエータ22及び報知装置23を制御する。
【0024】
ブレーキアクチュエータ21は、各車輪に対する制動力の付与を制御して車両を停止させものである。スロットルアクチュエータ22は、スロットル開度を調整することによりエンジン出力を制御して車両を駆動するものである。なお、これらのブレーキアクチュエータ21及びスロットルアクチュエータ22による車両の停止及び駆動制御は、運転者によって図示しないブレーキペダル及びアクセルペダルが踏み込み操作されないときに有効であり、図示しない制御により、前記両ペダルの一方が踏み込み操作されたときには、車両の停止及び駆動制御は同両ペダルの状態に従う。報知装置23は、運転者に前方車両が発進したことを知らせるための音及び音声を発生する発音装置及び同発進したことを表示するための表示器からなる。
【0025】
電子制御ユニット10には、メインスイッチ31、発進スイッチ32、車速センサ33、車間距離センサ34、アクセルペダルスイッチ35、ブレーキペダルスイッチ36及びナビゲーション装置37が接続されている。
【0026】
メインスイッチ31は、運転席近傍に配置されていて、運転者によって操作されるオン・オフ切り換え操作スイッチであり、オン状態にて電子制御ユニット10すなわち車両追従装置を作動させ、オフ状態にて電子制御ユニット10すなわち車両追従装置の作動を停止させる。なお、この電子制御ユニット10の作動状態では、図2の追従制御プログラムが所定の短時間毎に繰り返し実行される。発進スイッチ32は、運転席近傍に配置されていて、運転者によって手動で操作される自己復帰型の操作スイッチであり、運転者の操作中にはオン状態に保たれ、同操作の解除時にはオフ状態に自動復帰する。この発進スイッチ32は、例えば既存のオートクルーズレバーを操作部とするスイッチで構成されるが、手動操作されるものであれば、インストルメントパネル、ハンドルシャフトなどに設けた操作スイッチ又は他の操作スイッチで構成してもよい。また、ハンドルに設けた圧力式の操作スイッチで構成してもよい。
【0027】
なお、発進スイッチ32は、運転者が運転席に着座してハンドルを握った状態から簡単に操作できる位置に配置しておくことが最も好ましい。しかしながら、ドライバの意志により簡単に操作されるものであるならば、足で切り換え操作される操作スイッチでもよい。また、この発進スイッチ32を音声認識装置によって代替えしてもよい。
【0028】
車速センサ33は、変速機の出力軸の回転又は車輪の回転を検出して車両の走行速度(車速)を検出する。車間距離センサ34は、超音波レーダ、ミリ波レーダ、レーザレーダなどにより構成されて、前方車両と自車との車間距離を検出する。アクセルペダルスイッチ35は、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み操作の有無を検出して、同踏み込み操作の有無を表す検出信号を出力する。ブレーキペダルスイッチ36は、ブレーキペダル(図示しない)の踏み込み操作の有無を検出して、同踏み込み操作の有無を表す検出信号を出力する。
【0029】
ナビゲーション装置37は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号及びFM放送局からのD−GPS(Differential−Global Positioning System)データを受信して自車の位置を把握するとともに、CD−ROMなどに記憶された地図データにより表された地図上に前記自車の位置を表示するものである。これにより、ナビゲーション装置37からの信号により、電子制御ユニット10は、自車が、歩行者の侵入しない自動車専用道路(多くの場合、高速道路)又は歩行者も歩行可能な一般道路を走行中であるか、自動車専用道路であればランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置しているか、一般道路であれば交差点、踏み切り付近などに位置しているか、また単車線又は複数車線の道路に位置しているかなどの、自車の運転環境を表す情報を入手することができる。
【0030】
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。メインスイッチ31がオフ状態にあれば、図2の追従制御プログラムは実行されず、後述するブレーキアクチュエータ21による制動制御も、スロットルアクチュエータ22による駆動制御も行われない。したがって、この場合には、運転者のブレーキペダル(図示しない)及びアクセルペダル(図示しない)の操作に応じて、車両の制動及び駆動が制御され、車両は通常走行する。
【0031】
このような通常走行中の車両が渋滞などに巻き込まれると、運転者は、車両を頻繁に停止させたり、発進させたりする必要が生じるために、ブレーキペダル及びアクセルペダルを頻繁に繰り返し操作しなければならない。そして、このようなブレーキペダル及びアクセルペダルの頻繁な繰り返し操作に代えて、簡単な手動操作により前方車両を自動的に追従する本発明の車両追従装置を作動させるために、運転者によってメインスイッチ31がオン操作されると、図2の追従制御プログラムが実行されて同車両追従装置が作動し始める。すなわち、運転者がメインスイッチ31をオン操作すると、同スイッチ31はオン状態に維持され、電子制御ユニット10は、図2の追従制御プログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。なお、この場合、メインスイッチ31のオン操作に伴う車両追従装置の作動開始は、車両が停止中である場合にのみ許容されるようにするとよい。
【0032】
この図2に示した追従制御プログラムの実行はステップ100にて開始され、電子制御ユニット10は、ステップ102〜108の判定処理を行う。ステップ102の判定処理は、アクセルペダルスイッチ35及びブレーキペダルスイッチ36からの検出信号に基づいて、アクセルペダル及びブレーキペダルのいずれか一方が踏み込み操作されているかを判定するものである。ステップ104の判定処理は、車速センサ33からの検出信号を入力して、車速が所定車速(例えば、10〜30km/hの低速)以上であるかを判定するものである。ステップ106の判定処理は、車間距離センサ34からの検出信号を入力して、前方車両の存在の有無、言いかえれば前方車両との車間距離が所定距離(例えば、数メートル〜数十メートル)以内であるかを判定するものである。。ステップ108の判定処理は、車速センサ33からの検出信号を入力して、車速がほぼ「0」であって車両が停止中であるか否かを判定するものである。
【0033】
今、渋滞などにより、前方車両が停止しているとともに、前方車両の後方近傍に自車が停止しているものとする。また、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み操作も解除されているものとする。したがって、ステップ102,104にて共に「NO」と判定されるとともに、ステップ106,108にて共に「YES」と判定されて、プログラムはステップ110以降に進められる。ステップ110においては、追従フラグCFを”0”にクリアする。この追従フラグCFは、”1”によって前方車両に自車を追従させる制御状態を表し、”0”によって前記追従をさせない状態を表す。このステップ110の処理後、ステップ112にて発進制御ルーチンを実行して、ステップ122にて追従制御プログラムの実行を終了する。
【0034】
発進制御ルーチンの詳細は図3に示されており、同ルーチンの実行はステップ200にて開始され、ステップ202にて、車間距離センサ34からの検出信号に基づいて、前方車両が停止中であるか否かを判定する。この場合、自車は停止しており、かつ前方車両が発進すれば車間距離は増加し続けるはずであるので、前回の車間距離と今回の車間距離とを比較することにより、比較結果が一致していれば前方車両は停止中であると判定され、比較結果が変化していれば前方車両は停止中でないと判定される。前方車両も停止していて発進前であれば、ステップ202にて「YES」と判定して、プログラムをステップ204に進める。ステップ204においては、ブレーキアクチュエータ21を作動させて車両を制動する。したがって、運転者がブレーキペダルの踏み込み操作を解除しても、車両は停止され続ける。前記ステップ204の処理後、ステップ226にて発進制御ルーチンの実行が終了され、図2のステップ122にて追従制御プログラムの実行も一旦終了する。
【0035】
そして、前方車両が停止中であり、自車のアクセルペダル及びブレーキペダルも操作されない状態では、前述した図2のステップ100〜112,122の処理、及び図3のステップ200〜204,226の処理が繰り返し実行されて、自車も停止状態に維持される。この状態で、前方車両が発進すると、図3の発進制御ルーチンのステップ202にて「NO」すなわち前方車両は停止中でないと判定されて、ステップ206にて、前記ステップ202の判定結果を用いて、前方車両は停止状態から発進状態に変化した直後であるか否かが判定される。この場合、前回停止中であって今回停止中でなければ発進直後であると判定され、前回も今回も停止中でなければ発進直後でないと判定される。ステップ206にて「YES」すなわち前方車両は発進直後であると判定されると、ステップ208〜212の処理が実行される。ステップ206にて「NO」すなわち前方車両は発進直後でないと判定されると、ステップ208〜212の処理を実行することなく、プログラムはステップ214に進められる。
【0036】
ステップ208においては、電子制御ユニット10が報知装置23を制御して同装置23を作動させ、運転者に前方車両が発進されたことを聴覚的及び視覚的に知らせる。例えば、「ピンポーン」という音により前方車両の発進を運転者に知らせたり、「前方車両が発進しました」という音声により前方車両の発進を運転者に知らせたり、これらに対応する文字表示又はランプ点灯などにより前方車両の発進を運転者に知らせる。これにより、運転者は前方車両の発進を聴覚的及び/又は視覚的に認識できて、運転者にとって便利となる。前記ステップ208の処理後、ステップ210において、ナビゲーション装置37から自車の運転環境を表す運転環境データを入力して、同運転環境に応じて禁止時間Txを設定する。
【0037】
この禁止時間Txの設定例について説明すると、まず、自車が、歩行者の侵入しない自動車専用道路又は歩行者も歩行可能な一般道路を走行中であるかを判定する。自動車専用道路であれば、自車がランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近(合流点付近)に位置しているかを判定して、前記入り口又は出口付近に位置している場合(図4(B)参照)、禁止時間Txとして比較的長い時間値(例えば、2秒)を設定し、またそれ以外の場合(図4(A)(D)参照)、禁止時間Txとして比較的短い時間値(例えば、1秒)を設定する。また、一般道路であれば、自車が交差点、踏み切り付近などに位置しているかを判定し、前記交差点、踏み切り付近などに位置している場合(図4(C)参照)、禁止時間Txとして極めて長い時間値(例えば、30分〜1時間)を設定し、それ以外の場合(図4(A)(D)参照)、禁止時間Txとして比較的長い時間値(例えば、2秒)を設定する。なお、前記極めて長い時間値は、実質的に発進スイッチ32による車両の発進を禁止しているものに等しい。
【0038】
なお、一般道路であっても、自車が合流点付近に位置することもあり、この場合には、禁止時間Txとして極めて長い時間値(例えば、30分〜1時間)を設定してもよいし、比較的長い時間値(例えば、2〜3秒)を設定してもよい。また、自車が、複数の車線数のうちの一つに位置する場合には、車線数が増加するに従って禁止時間Txとして徐々に長い時間値を設定するようにするとよい。
【0039】
また、自動車専用道路と一般道路とを見極めるために、図1に破線で示すように、有料道路などに設けられて料金を自動的に徴収するETC(Electronic Toll Control)装置からのETC情報を受信するETC情報受信装置38を電子制御ユニット10に接続するとよい。そして、電子制御ユニット10は、前記ステップ210にて、自車が料金徴収ゲートを通過したか否かの情報を前記ナビゲーション装置37からの情報に加えて、自動車専用道路と一般道路とを見極めるようにしてもよい。
【0040】
ステップ212においては、タイマ11による計測時間値を表すカウント値TMを「0」にリセットする。これにより、タイマ11は新たに時間計測を開始して、カウント値TMを「0」からカウントアップし始める。
【0041】
次に、ステップ214にて車間距離センサ34から自車と前方車両との車間距離を入力し、ステップ216にて前記入力した車間距離が所定の車間距離(例えば、数メートル)以上であるか否かを判定する。前記入力した車間距離が所定の車間距離未満であれば、ステップ216にて「NO」と判定して、ステップ226にてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。この場合、自車は、前記ステップ204の処理による停止制御状態に維持される。
【0042】
前記入力した車間距離が所定の車間距離以上になると、ステップ216にて「YES」と判定して、プログラムをステップ218,220に進める。なお、この所定の車間距離も、前記禁止時間Txのように、自車の運転環境に応じて種々の値に設定するようにしてもよい。
【0043】
ステップ218においては、発進スイッチ32がオン操作されているかを判定する。ステップ220においては、タイマ11によるカウント値TMが前記ステップ210の処理によって設定した禁止時間Tx以上であるか否かを判定する。発進スイッチ32が操作されず、またはカウント値TMが禁止時間Txに達しなければ、ステップ218,220のいずれかにて「NO」と判定されて、ステップ226にてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。したがって、この場合も、自車は、前記ステップ204の処理による停止制御状態に維持される。
【0044】
一方、発進スイッチ32がオン操作されたとき、前記カウント値TMが禁止時間Tx以上であれば、ステップ218,220にて共に「YES」と判定し、プログラムをステップ222に進める。
【0045】
ステップ222においては、電子制御ユニット10が、ブレーキアクチュエータ21を制御して同アクチュエータ21の作動状態を解除するとともに、スロットルアクチュエータ22を制御して同アクチュエータ22を作動させる。これにより、ブレーキアクチュエータ21による車両の制動制御が解除され、スロットルアクチュエータ22による車両の駆動制御が作動して、車両は発進し始める。この車両の発進制御後、ステップ224にて追従フラグCFを”1”に設定して、ステップ226にて発進制御ルーチンの実行を終了する。そして、図2のステップ122にて、追従制御プログラムの実行も一旦終了される。
【0046】
一方、前記車両を発進させた状態で、図2の追従制御プログラムが実行されると、ステップ108にて「NO」すなわち自車は停止中でないと判定して、ステップ114にて追従フラグCFが”1”であるか否かを判定する。そして、追従フラグCFが”1”に保たれていれば、ステップ114にて「YES」と判定して、ステップ116にてブレーキアクチュエータ21及びスロットルアクチュエータ22を制御して、前方車両との車間距離を一定に保つように自車を前方車両に追従させる。すなわち、車間距離センサ34によって検出した車間距離が所定値(例えば、数メートル)よりも大きくなれば、スロットルアクチュエータ22を制御して車両の駆動力を増加させて車速を増加させる。また、車間距離が前記所定値よりも小さくなれば、ブレーキアクチュエータ21を制御して車両の制動力を増加させて車速を減少させる。
【0047】
さらに、前方車両が停止すれば、前記ステップ116の追従制御により、自車は自動的に停止制御される。このような自動停止後には、前述したステップ108にて「YES」と判定されて、ステップ110の処理により追従フラグCFが”0”に設定されてしまうので、前記ステップ116の追従制御によって自車が前方車両に追従して発進するようなことはない。この場合、自車を発進させるためには、前述したように前方車両の発進後に発進スイッチ32を操作するか、アクセルペダルを踏み込み操作する必要がある。
【0048】
前記説明では,発進スイッチ32の操作によって車両を発進させるとともに、同車両を前方車両に自動的に追従させるようにした。しかし、運転者がブレーキペダル又はアクセルペダルを操作した場合には、このブレーキペダル又はアクセルペダルの操作が優先する。すなわち、ブレーキペダル又はアクセルペダルが操作されれば、図2のステップ102にて「YES」と判定して、ステップ118にて追従フラグCFを”0”にリセットしてプログラムをステップ120に進める。ステップ120においては、ブレーキアクチュエータ21及びスロットルアクチュエータ22の制御を中止する。これにより、車両は、運転者によるブレーキペダル及びアクセルペダルの操作により、制動されるとともに駆動される。
【0049】
また、前記のような追従制御中であっても、自車の車速が前記所定車速以上になれば、ステップ104にて「YES」と判定されて、プログラムがステップ118に進められる。また、前方車両との車間距離が大きくなって追従すべき前方車両がなくなった場合も、ステップ106にて「NO」と判定されて、プログラムがステップ118に進められる。その結果、これらの場合にも、以降、車両は、運転者によるブレーキペダル及びアクセルペダルの操作により、制動されるとともに駆動されるようになる。
【0050】
また、前記のように、車両が、運転者によるブレーキペダル及びアクセルペダルの操作によって制動されるとともに駆動された後でも、メインスイッチ31がオン状態にある限り、図2の追従制御プログラムは実行される。そして、前方車両の後方近傍に自車が停止していて、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み操作が解除されれば、ステップ102,104にて共に「NO」と判定されるとともに、ステップ106,108にて共に「YES」と判定されて、ステップ112にて発進制御ルーチン(図3)が実行される。したがって、メインスイッチ31をオン状態に保っておけば、発進スイッチ32の操作により車両を発進させるモードに自動的に復帰するとともに、同発進スイッチ32の操作による発進によって前方車両の追従制御モードにも自動的に復帰する。
【0051】
上記説明からも理解できるように、上記第1実施形態によれば、ブレーキペダル及びアクセルペダルの操作によらず、手動で操作される発進スイッチ32をオン操作するだけで停止中の車両を発進させることができるとともに、同発進した車両を自動的に前方車両に追従させることができる。したがって、渋滞時などに車両を頻繁に発進させたり、停止させたりする必要がある場合、簡単な操作により車両を発進及び停止させることができるようになるので、運転者の労力を軽減できる。
【0052】
そして、ステップ206,212,218,220の処理により、前方車両の発進検出から所定の禁止時間Tx後に発進スイッチ32が操作された場合にのみ、停止中の自車を発進させるようにした。したがって、前方車両が発進されてから少なくとも所定の禁止時間Txが経過した後にしか自車を発進させることができず、運転者には前方車両の発進から自車の運転環境(自車の周囲の状況)を確認する時間が与えられ、運転者は、安全確認を行った上で自車を発進させることになるので、交通安全上好ましい。また、この所定の禁止時間Txは、ステップ210の処理により、自車の運転環境に応じて決定されるので、運転者が注意をはらうための時間が運転環境に応じて適切に設定され、前記安全が確保された上で、自車の発進遅れによる交通流の乱れも生じさせない。
【0053】
この交通の乱れについて説明しておくと、図5に示すように、所定の禁止時間Txを長く設定することは運転者の安全性を高くすることになる反面(図示実線参照)、同禁止時間Txを長くすることは、交通の流れに乱れを生じさせる原因にもなる(図示破線参照)。したがて、この禁止時間Txの決定においては、運転者の安全性と交通の流れとの両者を配慮して、適切な値に設定するようにするとよい。
【0054】
さらに、上記第1実施形態によれば、ステップ214,216の処理により、前方車両との車間距離が所定距離(禁止距離)に達するまでは自車の自動発進が禁止されるので、前方車両との車間距離が適切に保たれる。
【0055】
なお、上記第1実施形態では、ステップ206における前方車両の発進の判定(検出)を車間距離センサ34による検出車間距離に基づいて行うようにしているが、前方車両から送信される前方車両の発進を表す情報の受信により、前記ステップ206にて前方車両の発進の判定(検出)を行うようにしてもよい。この場合、当然ながら、前方車両は同車両の発進を検出して同発進を表す検出信号を送信する必要がある。また、この前方車両の発進の判定方法(検出方法)は、後述する第2実施形態及び各種変形例においても適用されるものである。
【0056】
また、上記第1実施形態では、前方車両の発進時にタイマ11のカウント値TMをリセットして同発進時からの経過時間を計測するようにしたが、この時間計測の開始時点を、前方車両の発進から所定時間の経過時点又は同発進後における前方車両との車間距離が所定距離に達した時点にするようにしてもよい。この場合、タイマ11のカウント値TMのリセットタイミングを、前記前方車両の発進から所定時間の経過時点又は同発進後における前方車両との車間距離が所定距離に達した時点で行うようにすればよい。
【0057】
a1.第1実施形態の第1変形例
次に、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1変形例は、上記第1実施形態では自車の全ての運転環境に対して禁止時間Txを設定するようにしたが、この第1変形例では、自車が、交差点、踏み切り付近などの特別の運転環境下にある場合には、禁止時間Txを設定することなく別の処理により、発進スイッチ32による車両の発進を禁止する。
【0058】
これを実現するために、第1変形例は、上記第1実施形態の図3の発進制御ルーチンの一部を図6のように変形したものであり、他の部分に関しては同第1実施形態と同様に構成されるとともに、同様に動作する。したがって、以下の説明では、上記第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0059】
図6の発進制御ルーチンは、図3の発進制御ルーチンのステップ210の処理をステップ210aの処理に変形するとともに、ステップ214の処理の直前にステップ230の処理を追加したものである。まず、ステップ210aの処理においては、自車が自動車専用道路にある場合には上記第1実施形態のステップ210と同様に禁止時間Txを設定するが、自車が一般道路にある場合には、交差点、踏み切り付近などの区別なく、一律に禁止時間Txを比較的長い時間値(例えば、2秒)に設定しておく。
【0060】
そして、ステップ230にて、ナビゲーション装置37から自車の運転環境を表す運転環境データに基づいて、自車が、運転者にとって充分な注意を要する交差点、踏み切り付近などの予め決めた特定の運転環境下にあるかを判定する。そして、自車が前記特定の運転環境下になければ、ステップ230にて「NO」と判定して、プログラムをステップ214以降に進め、上記第1実施形態と同様なステップ214以降の処理を実行する。一方、自車が前記特定の運転環境下にあれば、ステップ230にて「YES」と判定して、ステップ214〜224の処理を実行しないで、プログラムをステップ226に進めてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。
【0061】
これにより、自車が、運転者にとって充分な注意を要する交差点、踏み切り付近などの特定の運転環境下にある場合には、発進スイッチ32による自車の発進が禁止される。なお、この制御は、上記第1実施形態において、交差点、踏み切り付近などに位置している場合に、禁止時間Txとして極めて長い時間値(例えば、30分〜1時間)を設定したことと同等である。したがって、この第1変形例においても、実質的に上記実施形態と同等な効果が期待される。
【0062】
なお、この第1変形例においては、図6に破線で示すように、ステップ230にて「YES」と判定された場合、すなわち発進スイッチ32による操作によって自車が発進されない場合、ステップ250にて報知装置23によってその旨を運転者に報知するようにしてもよい。具体的には、例えば、報知装置23により、「踏み切りです。発進しません。」という音声信号を発生させたり、対応する文字を表示したりするようにする。
【0063】
a2.第1実施形態の第2変形例
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。上記第1実施形態では前方車両が発進してから禁止時間Txが経過するまでは発進スイッチ32を操作しても自車を発進させないようにしたが、この第2変形例は、前方車両の発進後に発進スイッチ32を所定の禁止時間Tx以上操作し続けないと自車を発進させないようにしたものである。
【0064】
これを実現するために、第2変形例は、上記第1実施形態の図3の発進制御ルーチンの一部を図7のように変形したものであり、他の部分に関しては同第1実施形態と同様に構成されるとともに、同様に動作する。したがって、以下の説明では、上記第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0065】
図7の発進制御ルーチンは、図3のステップ218にて「NO」と判定された場合に、ステップ240の処理により、タイマ11のカウント値TMが「0」にリセットするようにしたものである。したがって、発進スイッチ32がオン操作されない間、タイマ11のカウント値TMは「0」にリセットされたままである。発進スイッチ32がオン操作されると、ステップ218にて「YES」と判定して、ステップ220にてタイマ11のカウント値TMが前記設定した禁止時間Tx以上であるか否かを判定する。タイマ11のカウント値TMが禁止時間Tx未満である限り、ステップ220にて「NO」と判定されて、プログラムはステップ226に進められてこの発進制御ルーチンの実行が終了される。そして、発進スイッチ32がオン操作され続けていれば、タイマ11のカウント値TMは増加し続ける。なお、発進スイッチ32が一旦オン操作されても、同オン操作が解除されて同スイッチ32がオフ状態になると、ステップ240にてタイマ11のカウント値TMは「0」にリセットされてしまう。
【0066】
発進スイッチ32が禁止時間Tx以上オン操作され続けると、ステップ220にて「YES」と判定して、プログラムを上記第1実施形態と同じステップ222に進めて自車を発進制御する。したがって、この第2変形例によれば、前方車両の発進後であり、かつ前方車両との車間距離が所定の車間距離以上にあるとき、発進スイッチ32が禁止時間Tx以上オン操作されると、自車が発進制御される。したがって、この場合も、前方車両の発進後、少なくとも禁止時間Txが経過するまでは車両は発進されないので、運転者には周囲に注意を払う時間が与えられる。そして、この場合も、禁止時間Txは自車の運転環境に応じて決定されるものであるとともに、前方車両との車間距離が所定距離以上であるときにのみ発進スイッチ32による発進が許容されるので、上記第1実施形態と同様な効果が期待される。
【0067】
a3.第1実施形態の第3変形例
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。この第3変形例は、上記第2変形例において、上記第1変形例のように、自車が交差点、踏み切り付近などの特別の運転環境下にある場合には、禁止時間Txを設定することなく別の処理により、発進スイッチ32による車両の発進を禁止するものである。
【0068】
この場合、上記第2変形例の図7の発進制御ルーチンが図8に示すように変形される。この図8の発進制御ルーチンにおいては、図7のステップ210の処理が上記第1変形例のステップ210aの処理に変更され、図7のステップ214の直前に上記第1変形例のステップ230と同じ判定処理が追加されている。これによっても、自車が、運転者にとって充分な注意を要する交差点、踏み切り付近などの特定の運転環境下にある場合には、発進スイッチ32による自車の発進が禁止される。したがって、この第3変形例においても、実質的に上記実施形態と同等な効果が期待される。
【0069】
なお、この第3変形例においても、上記第1変形例の場合と同様に、図8に破線で示すように、ステップ230にて「YES」と判定された場合、ステップ250にて報知装置23によって発進スイッチ32による操作によって自車が発進されないことを運転者に報知するようにしてもよい。
【0070】
a4.第1実施形態の第4変形例
次に、上記第1実施形態の第4変形例について説明する。この第4変形例は、上記実施形態及びその第1変形例において、前方車両の発進の報知時間を自車の運転環境に応じて変更するようにしたものである。図9は、上記実施形態及びその第1変形例に係る図3及び図6の変形した部分のみを示しており、前方車両が発進してステップ206にて「YES」と判定されると、ステップ260にて自車の運転環境に応じて発進報知内容を選択する。
【0071】
この発進報知内容の選択について説明すると、上述したステップ210の場合と同様に、ナビゲーション装置37から自車の運転環境を表す運転環境データを入力する。そして、自車が自動車専用道路のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近(合流点付近)に位置している場合(図4(B)参照)、報知のために比較的長い時間を必要とする発進報知内容を選択する。例えば、「ピンポーン。高速道路の出口付近です。」、「ピンポーン。サービスエリアの出口付近です。」などを選択する。また、自車が交差点、踏み切り付近など以外の一般道路に位置していれば、報知のために比較的長い時間を必要とする発進報知内容を選択する。例えば、「ピンポーン。一般道路を走行中です。」などを選択する。
【0072】
さらに、自車が一般道路の交差点、踏み切り付近などに位置している場合(図4(C)参照)、特別の報知内容を選択する。例えば、「踏み切りです。発進しません。」を選択する。ただし、図6に破線で示すステップ250を処理を実行する場合には、同処理と重複するので、前記報知内容の選択は行われない。これらの、発進報知内容は、電子制御ユニット10又は報知装置23内に設けたROMに音声データ及び表示データとして記憶されているものである。
【0073】
前記ステップ260の処理後、ステップ262にて前方車両の発進報知を開始する。この発進報知においては、報知装置23を制御して、前記選択した発進報知内容を音声で出力したり、同内容を文字表示する。その結果、運転者には、自車の運転環境に応じた前方車両の発進が報知される。そして、この発進報知の開始後、上述したステップ210以降の処理が実行される。
【0074】
その結果、この第4変形例によれば、自車の各種運転環境に応じて、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が種々に変更される。したがって、図10の(A)(B)に示すように、発進スイッチ32の操作による自車の発進が禁止される禁止時間Txが自車の運転環境に応じて変化しても、発進報知の終了から禁止時間の満了までの時間Toをほぼ一定に保つことができる。図10(A)は報知内容が長い場合の例を示しており、図10(B)は報知内容が短い場合の例を示している。
【0075】
したがって、前方車両の発進の報知によって運転者に対する発進スイッチ32の操作が促されてから、運転者が発進スイッチ32を操作して自車を発進させることを想定すると、実質的に発進スイッチ32の操作による自車の発進が禁止される時間Toは、自車の運転環境とは無関係にほぼ一定になる。このように、発進スイッチ32による発進操作の受付禁止時間を自車の運転環境とは無関係に実質的に一定にすることで、発進スイッチ32による自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく発進スイッチ32の操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0076】
なお、この場合も、上述した実施形態の場合と同様に、ETC情報受信装置38により、ETC(Electronic Toll Control)装置からのETC情報を受信して、同受信したETC情報をもナビゲーション装置37からの情報に加えて、自動車専用道路と一般道路とを見極めるようにしてもよい。さらに、後述する第2実施例の車線数、渋滞情報なども考慮にいれて、報知内容を決定するようにしてもよい。
【0077】
第1実施形態の第5変形例
次に、上記第1実施形態の第5変形例について説明する。この第5変形例は、上記実施形態の第2及び第3変形例において、前方車両の発進の報知時間を自車の運転環境に応じて変更するようにしたものである。図11は、上記実施形態の第2及び第3変形例に係る図7及び図8を変形したフローチャートを示している。
【0078】
この場合も、前方車両が発進してステップ206にて「YES」と判定されると、ステップ270にて自車の運転環境に応じて発進報知内容を選択し、ステップ272にて前方車両の発進報知を開始する。これらのステップ270,272の処理は、上記第1実施形態の第4変形例のステップ260,262の処理と同じである。これにより、上記第4変形例の場合と同様に、自車の運転環境に応じた長さの発進報知内容、すなわち運転者がより多くの注意を必要とする場合ほど長くなる発進報知内容が選択されるとともに、同選択された報知内容が報知装置23によって音声及び表示出力される。
【0079】
前記ステップ272の処理後、ステップ274にて、前記発進報知が終了したか否かが判定され、同発進報知が終了するまで、ステップ274にて「NO」と判定してプログラムの進行を中断する。そして、前記発進報知が終了すると、ステップ274にて「YES」と判定して、プログラムをステップ212に進める。なお、この場合、上述したステップ210の禁止時間Txの設定処理は削除されている。
【0080】
ステップ212以降の処理は、ステップ220aの処理を除き、上記第1実施形態の第2及び第3変形例と同じである。ステップ220aにおいては、タイマのカウント値TMが固定値Txo以上であるかを判定する。したがって、この第5変形例によれば、自車の運転環境に応じた長さの発進報知がなされた後、すなわち自車の運転環境に応じた時間長だけ前方車両の発進が報知された後、発進スイッチ32を前記固定値Txoに対応した時間以上操作したときに、自車が発進制御される。
【0081】
その結果、この第5変形例によっても、図10の(A)(B)に示すように、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が自車の運転環境に応じて種々に変更され、一方、自車を発進させるための発進スイッチ32の連続操作時間を自車の運転環境とは無関係に一定にすることができる。したがって、前方車両の発進から発進スイッチ32の操作による自車の発進が禁止される時間を自車の運転環境に応じて変化させても、発進スイッチ32による自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく操作スイッチの操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、この場合も、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0082】
なお、この第5変形例においては、上記第1実施形態の第2及び第3変形例に係る図7,8のステップ210の処理を削除するとともに、ステップ220aにてタイマのカウント値TMと固定値Txoとを比較するようにした。しかし、前記ステップ210の処理内容を、上記自車の運転環境に応じて禁止時間Txを設定するとともに、同設定された禁止時間Txから前記前方車両の発進報知にかかる時間を減算する処理に代えて、ステップ220aにてタイマのカウント値TMが前記減算値以上であるかを判定する処理に代えてもよい。これによれば、自車を発進させるために必要な発進スイッチ32の連続操作時間が、前方車両の発進報知に必要な時間に応じて若干変化することになる。ただし、この場合、前記連続操作時間が常に前記固定値Txo近傍の値になるように、自車の運転環境に応じて設定される発進報知内容の長さを調節する必要がある。
【0083】
また、この場合も、上述した実施形態の第4変形例の場合と同様に、ETC情報受信装置38により、ETC(Electronic Toll Control)装置からのETC情報を受信して、同受信したETC情報をもナビゲーション装置37からの情報に加えて、自動車専用道路と一般道路とを見極めるようにしてもよい。さらに、後述する第2実施例の車線数、渋滞情報なども考慮にいれて、報知内容を決定するようにしてもよい。
【0084】
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態の構成も、上記第1実施形態とほぼ同様であるが、図1に破線で示すように、上記第1実施形態の構成に加えて、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信装置39を備えている。VICS情報受信装置39は、渋滞情報を含む道路交通情報を発信するVICS情報送信装置からの情報を受信するものであり、受信した道路交通情報、特に渋滞情報を電子制御ユニット10に供給する。
【0085】
電子制御ユニット10は、上記第1実施形態と同様な図2の追従制御プログラムを実行するが、図2のステップ112にて実行される発進制御ルーチンが異なる。この発進制御ルーチンは、図12に示す通りである。以下、この第2実施形態に係る車両追従装置について説明するが、この説明においても、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0086】
この発進制御ルーチンは、ステップ300にて開始され、ステップ302,306にて上記第1実施形態のステップ202,206の処理と同様にして、前方車両が停止中であるか、前方車両は停止状態から発進状態に変化した直後であるかがそれぞれ判定される。前方車両が停止中であれば、ステップ302にて「YES」と判定され、ステップ304にて上記第1実施形態のステップ204の処理と同様に自車が停止制御される。
【0087】
一方、前方車両が発進直後であれは、ステップ306にて「YES」と判定され、ステップ308にて、上記第1実施形態のステップ208の処理と同様にして、運転者に前方車両の発進が知らされる。前方車両が発進直後でなけれは、ステップ306にて「NO」と判定され、ステップ308の処理を経ないで、プログラムはステップ310に進められる。ステップ310においては、発進スイッチ受付判定ルーチンが実行される。この発進スイッチ受付判定ルーチンは、図13に詳細に示されており、その実行がステップ400にて開始される。
【0088】
前記発進スイッチ受付判定ルーチンの開始後、ステップ402にて車間距離センサ34から車間距離Lを表す検出信号を入力する。また、ステップ404にて、ナビゲーション装置37からの情報に基づいて自車が走行中の道路の車線数を検出する。また、ステップ406にて、VICS情報受信装置39からの情報に基づいて自車が走行中の道路の渋滞情報を検出する。そして、ステップ408,410にて、前記ステップ404の検出結果に基づいて、自車が走行中の道路が1車線であるか、2車線であるか、また3車線以上であるかを判定する。自車が走行中の道路が1車線であれば、ステップ408にて「YES」と判定してプログラムをステップ412に進める。自車が走行中の道路が2車線であれば、ステップ408,410にてそれぞれ「NO」、「YES」と判定してプログラムをステップ414に進める。自車が走行中の道路が3車線以上であれば、ステップ408,410にてそれぞれ「NO」、「NO」と判定してプログラムをステップ416に進める。
【0089】
ステップ412,414,416においては、前記ステップ406の検出結果に基づいて、自車が走行中の道路が渋滞中であるか否かを判定する。前記ステップ412,414,416にてそれぞれ「NO」すなわち渋滞中でないと判定されれば、ステップ420,424,428にて、L≧L1,L≧L2,L≧L3なる比較判定処理がそれぞれ実行される。この場合、Lは前記ステップ402にて入力した車間距離であり、L1,L2,L3は予め決められた定数でL1>L2>L3の関係にあり、例えば数〜数十メートル程度に設定されている。一方、前記ステップ412,414,416にてそれぞれ「YES」すなわち渋滞中であると判定されれば、ステップ418,422,426にて、L≧a1・L1,L≧a2・L2,L≧a3・L3なる比較判定処理が実行される。なお、これらのa1,a2,a3は予め決められた係数で、「1」未満の正数であり、例えば0.1〜0.9程度の値に設定されている。
【0090】
そして、ステップ418〜428にて、それぞれ「NO」すなわち車間距離Lはa1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上でないとそれぞれ判定されれば、ステップ430にて禁止フラグINHを”0”に設定して、ステップ434にてこの発進スイッチ受付判定ルーチンの実行を終了する。また、ステップ418〜428にて、それぞれ「YES」すなわち車間距離Lはa1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上であるとそれぞれ判定されれば、ステップ432にて禁止フラグINHを”1”に設定して、ステップ434にてこの発進スイッチ受付判定ルーチンの実行を終了する。
【0091】
前記発進スイッチ受付判定ルーチンの実行の終了後、図12の発進制御ルーチンのステップ312にて禁止フラグINHが”0”であるか否かを判定する。禁止フラグINHが”0”であれば、同ステップ312にて「YES」と判定し、ステップ314の判定処理を許容する。ステップ314においては、発進スイッチ32がオン操作されているか否かを判定する。発進スイッチ32がオン操作されなければ、ステップ314にて「NO」と判定し、ステップ320にて、この発進制御ルーチンの実行を終了する。
【0092】
一方,発進スイッチ32がオン操作されれば、ステップ314にて「YES」と判定し、ステップ316,318にて,上記第1実施形態における図3のステップ222,224の処理と同様に、自車の発進を制御するとともに、追従フラグCFを”1”に設定する。これにより、自車は発進スイッチ32の操作に応答して発進制御され、その後、前方車両を追従するようになる。
【0093】
また、前記発進スイッチ受付判定ルーチンの実行の結果、禁止フラグINHが”1”に設定されると、ステップ312にて「NO」と判定され続けて、前記ステップ314〜318の処理を実行することなく、ステップ320にてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。その結果、この場合には、自車を発進スイッチ32による簡単な操作で発進させることができなくなり、運転者は、アクセルペダルの踏み込み操作により自車を発進させなければならなくなるとともに、その車速をブレーキペダルの操作によりコントロールせざるを得なくなる。
【0094】
この第2実施形態の他の動作に関しては上記第1実施形態の場合と同様であり、メインスイッチ31がオン状態に保たれている限り、自車を前方車両の後方に停止させてアクセルペダル及びブレーキペダルの操作を解除した後には、発進スイッチ32のオン操作による発進制御機能及び前方車両の自動追従制御機能が復活する。
【0095】
上記作動説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、発進スイッチ受付判定ルーチンの実行により、前方車両が発進してからある程度遅れて発進スイッチ32をオン操作しても、車間距離Lが所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上大きくなっている場合には自車は発進制御されない。すなわち、車間距離Lが所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上大きくなると、発進スイッチ32の機能が無効となる。これにより、発進スイッチ32の操作が遅れて、自車と前方車両との間に他の車両が進入してくるような場合、同発進スイッチ32による安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で、アクセルペダルを用いた通常の方法でしか自車を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0096】
また、車線数が多い場合及び渋滞の場合には、図13のステップ404〜428の処理により、車間距離Lと比較される所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3を小さく設定するようにしたので、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、発進スイッチ32の操作による自車の発進がより制限されるようになる。したがって、発進スイッチ32による自車の安易な発進制御がより的確に禁止されて、交通安全上より好ましいものとなる。
【0097】
なお、前記第2実施形態では、車線数及び渋滞のみを自車の運転環境としたが、上記第1実施形態のように、ナビゲーション装置37及び/又はETC情報受信装置38からの情報を用いて、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置しているなどの、自車の運転環境をも考慮して前記所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3を設定するようにしてもよい。
【0098】
b1.第2実施形態の第1変形例
次に、上記第2実施形態の第1変形例について説明する。上記第2実施形態では前方車両との車間距離によって発進スイッチ32の機能の有効及び無効を決定するようにしたが、この第1変形例は、前方車両の発進からの時間で発進スイッチ32の機能の有効及び無効を決定するようにしたものである。
【0099】
この第1変形例では、電子制御ユニット10は、図2の追従制御プログラム、図12の発進制御ルーチン及び図14の発進スイッチ受付判定ルーチンを実行する。ただし、この場合の発進制御ルーチンは、図12に破線で示すように、ステップ308の直後にステップ330の処理が追加されている。ステップ330の処理は,タイマ11のカウント値TMを「0」にリセットするものである。これにより、タイマ11は、前方車両が発進された直後から「0」からの計時を開始し、そのカウント値TMと「0」から徐々に増加させる。
【0100】
また、図14の発進スイッチ受付判定ルーチンは、上記第2実施形態に係る図13の発進スイッチ受付判定ルーチンにおいて、ステップ402の処理を削除するとともに、ステップ418〜428の判定処理をステップ418a〜428aの判定処理に変更したものである。ステップ418a〜428aにおいては、TM≧a1・T1,TM≧T1,TM≧a2・T2,TM≧T2,TM≧a3・T3,TM≧T3なる比較判定処理がそれぞれ実行される。この場合、TMは前方車両の発進からの経過時間を表し、T1,T2,T3は予め決められた定数でT1>T2>T3の関係にあり、例えば1〜10秒程度に設定されている。また、a1,a2,a3は上記第2実施形態の場合と同じである。他の構成及び動作は、上記第2実施形態と同じである。
【0101】
この第1変形例によれば、ステップ418a〜428aにおける比較判定において、カウント値TMが、それぞれa1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3未満であれば、同ステップ418a〜428aにてそれぞれ「NO」と判定されて、ステップ430にて禁止フラグINHが”0”に設定される。一方、カウント値TMが、それぞれa1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3以上であれば、ステップ418a〜428aにてそれぞれ「YES」と判定されて、ステップ432にて禁止フラグINHが”1”に設定される。そして、この発進スイッチ受付判定ルーチンの実行の終了後、上記第2実施形態と同様な図12のステップ312〜318の処理が実行される。
【0102】
したがって、前方車両が発進してから所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3が経過するまでに、発進スイッチ32がオン操作されれば,同スイッチ操作は有効とされ、自車は発進スイッチ32のオン操作によって発進制御される。また、前方車両の発進から所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3の経過後に、発進スイッチ32がオン操作されても、同スイッチ操作は無効とされ、自車は発進スイッチ32のオン操作によって発進制御されない。この場合には、上記第2実施形態の場合と同様に、自車を発進スイッチ32による簡単な操作で発進させることができなくなり、運転者は、アクセルペダルの踏み込み操作により自車を発進させなければならなくなるとともに、その車速をブレーキペダルの操作によりコントロールせざるを得なくなる。
【0103】
その結果、この第1変形例によっても,発進スイッチ32の操作が遅れて自車と前方車両との間に他の車両が進入してくるような場合、発進スイッチ32による自車の安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で通常の方法でしか車両を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0104】
また、この場合のカウント値TMと比較される所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3は、図14のステップ404〜416,418a〜428aの処理により、車線数が多い場合及び渋滞の場合には小さく設定するようにしたので、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、発進スイッチ32の操作による自車の発進がより制限されるようになる。したがって、発進スイッチ32による自車の安易な発進制御がより的確に禁止されて、交通安全上より好ましいものとなる。
【0105】
なお、前記第1変形例においても、上記第2実施形態と同様に、ナビゲーション装置37及び/又はETC情報受信装置38からの情報を用いて、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置しているなどの、自車の運転環境をも考慮して前記所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3を設定するようにしてもよい。
【0106】
b2.第2実施形態の第2変形例
次に、上記第2実施形態の第2変形例について説明する。上記第2実施形態及びその第1変形例ではVICS情報に基づいて渋滞を検出するようにしたが、この第2変形例は、現在時刻によって渋滞を推定するようにしたものである。
【0107】
したがって、この第2変形例においては、図1に破線で示すように、電子制御ユニット10内に時計回路12が設けられている。時計回路12は、常時作動しているものであり、絶対的な年月日及び時刻を計時し続ける。また、この第2変形例においては、上記第2実施形態における図13の発進スイッチ受付判定ルーチンのステップ406の処理を、図15のステップ406aの処理に変形した発進スイッチ受付判定ルーチンを実行する。このステップ406aの処理は、場所及び日時に依存して渋滞が発生することに着目したもので、場所及び日時に対応した渋滞発生率を表す渋滞データを予め記憶しておき、前記渋滞データ、ナビゲーション装置37からの自車の位置情報及び地図情報、並びに時計回路12による計測日時に基づいて、自車が渋滞に巻き込まれているか否かを推定する。
【0108】
なお、簡単のために、前記渋滞データの一部又は全部を省略して、例えば場所のみに対応した渋滞発生率を表す渋滞データ、ナビゲーション装置37からの前記情報及び時計回路12による計測日時に基づいて渋滞を推定したり、ナビゲーション装置37からの前記情報及び時計回路12による日時のみに基づいて渋滞を推定したりするようにしてもよい。
【0109】
そして、この推定結果が、上記第2実施形態の図13のステップ412〜416の判定処理に利用される。また、この第2変形例を上記第2実施形態の第1変形例に適用する場合には、図15のステップ402が省略されるとともに、前記ステップ406aの推定結果は、図14のステップ412a〜416aの判定処理に利用される。
【0110】
したがって、この第2変形例によれば、VICS情報受信装置38を備えなくても、上記第2実施例及びその第1変形例の場合と同様な効果を期待できる。
【0111】
b3.第2実施形態の第3変形例
次に、上記第2実施形態の第3変形例について説明する。この第3変形例は、上記第2実施形態及びその第1,2変形例に、前方車両との車間距離が所定距離未満である場合には発進スイッチ32のオン操作による自車の発進を禁止する機能を追加したものである。
【0112】
この第3変形例においては、図16に示すように、図12の発進制御ルーチンにおけるステップ312の直前にステップ340,342の処理が追加されている。これらのステップ340,342の処理は、上記第1実施形態に係る発進制御ルーチンの図3のステップ214,216と同様に、前方車両との車間距離が所定距離未満であるとき、発進スイッチ32のオン操作による自車の発進を禁止する処理である。この所定距離は、上記第2実施形態における図13のステップ418〜428にて利用される所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3より短い値であり、例えば数〜数十メートル程度に設定されている。なお、このステップ342にて利用される所定距離も、上記第1実施形態の場合と同様に車両の運転環境に応じて変化するようにしてもよい。
【0113】
したがって、この第3変形例によれば、前方車両との車間距離が所定距離に達するまでは発進スイッチ32による自車の自動発進が禁止されるので、前記第2実施形態及びその第1,2変形例による効果に加え、適切な車間距離を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係る車両追従装置のブロック図である。
【図2】第1及び第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットにより実行される追従制御プログラムのフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係り、図2の発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図4】(A)〜(D)は、自車の各種運転環境の概略図である。
【図5】第1実施形態の禁止時間に対する運転者の安全性と交通の乱れの関係を示すグラフである。
【図6】第1実施形態の第1変形例に係る発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図7】第1実施形態の第2変形例に係る発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図8】第1実施形態の第3変形例に係る発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。である。
【図9】第1実施形態の第4変形例に係り、図3,6の発進制御ルーチンの変形部分を示すフローチャートである。
【図10】(A)(B)は、禁止時間に含まれる報知時間の占める割合が自車の運転環境に応じて変化することを説明するためのタイムチャートである。
【図11】第1実施形態の第5変形例に係り、図7の一部を変形した発進制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係り、図2の発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図13】図12の発進制御ルーチンにて実行される発進スイッチ受付判定ルーチンの詳細フローチャートである。
【図14】第2実施形態の第1変形例に係り、図12の発進制御ルーチンにて実行される発進スイッチ受付判定ルーチンの詳細フローチャートである。
【図15】第2実施形態の第2変形例に係り、図13,14の発進スイッチ受付判定ルーチンの変更部分を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態の第3変形例に係り、図2の発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【符号の説明】
10…電子制御ユニット、11…タイマ、12…時計回路、21…ブレーキアクチュエータ、22…スロットルアクチュエータ、23…報知装置、31…メインスイッチ、32…発進スイッチ、33…車速センサ、34…車間距離センサ、35…アクセルペダルスイッチ、36…ブレーキペダルスイッチ、37…ナビゲーション装置、38…ETC情報受信装置、39…VICS情報受信装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方車両の後方に自車を停止させた状態で、前方車両が発進すると、この前方車両の発進に追従して自車を発進させる車両追従装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特開平10−147160号公報に示されているように、自車を発進させるための操作スイッチと、前方車両が停止状態から発進したことを検出する発進検出手段とを備え、前方車両の発進が検出された後に操作スイッチが操作されると、同操作に応答して自車を自動的に発進させて前方車両との車間距離を維持するようにして、渋滞時などの停車及び発進が繰り返される状況下における運転者の労力を軽減するようした車両追従装置は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置においては、前方車両が発進された直後に操作スイッチが操作されると、自車は同操作スイッチの操作に即座に応答して前方車両に追従して発進してしまうので、運転者が安全確認を怠った状態で自車を発進させてしまうことがある。特に、自車が、交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路(多くの場合、高速道路)のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置していたり、複数車線のうちの一つの車線に位置していたりする場合には、周囲(自車の運転環境)に充分な注意をはらった上で自車を発進させなければならないにもかかわらず、自車が操作スイッチの操作に応答して即座に発進してしまうので、交通安全上好ましくない。
【0004】
また、逆に、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、前方車両の発進から大きく遅れて操作スイッチが操作されると、前方車両と自車の間に他の車両が進入してくる場合があり、前記操作スイッチの操作に応答していつでも自由に自車を発進させていしまうと、交通安全上好ましくないことが生じる場合がある。
【0005】
【発明の概略】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、自車を発進させるための操作スイッチと、前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、前記前方車両の発進検出後における前記操作スイッチの操作に応答して自車を発進させる発進制御手段とを備えた車両追従装置を改良することにより、交通安全上好ましい車両追従装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、前記発進制御手段を、前方車両の発進検出後、前記操作スイッチが所定の禁止時間以上操作され続けていることを条件に自車を発進させるように構成したことにある。
【0007】
この第1の特徴によれば、前方車両が発進された直後に操作スイッチが操作されても、自車が前記操作スイッチの操作に即座に応答して発進することがなくなり、前記前方車両の発進後から少なくとも所定の禁止時間が経過するまでは車両は発進されない。したがって、運転者には自車の運転環境(自車の周囲の状況)を確認する時間が与えられ、運転者は、安全確認を行った上で自車を発進させることになるので、交通安全上好ましい。
【0008】
また、前記第1の特徴における前記所定の禁止時間は、自車の運転環境に応じて決定されるものである。これによれば、前記時間制限手段によって発進制御が禁止される時間が、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路(多くの場合、高速道路)のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置していたり、複数車線のうちの一つの車線に位置していたり、これら以外に位置しているなどの、自車の各種運転環境に応じて設定される。したがって、運転者が注意をはらうための時間が運転環境に応じて適切に設定され、前記安全が確保された上で、自車の発進遅れによる交通流の乱れも生じさせない。
【0009】
また、本発明の第2の特徴は、前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を運転者に報知する報知手段を設けたことにある。この場合、前記報知は、音又は音声、表示によって実現される。これによれば、運転者は、前方車両の発進を報知によっても認識できるようになり、便利となる。
【0010】
また、本発明の第3の特徴は、前方車両の発進検出後から所定の禁止時間が経過するまで、前記発進制御手段による発進制御を禁止する発進禁止手段と、前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を自車の運転環境に応じた時間分だけ運転者に報知する報知手段とを設けたことにある。
【0011】
これによれば、前方車両が発進された直後に操作スイッチが操作されても、自車が前記操作スイッチの操作に即座に応答して発進することがなくなり、前記前方車両の発進後から所定の禁止時間が経過するまでは車両は発進されない。また、自車の各種運転環境に応じて、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が種々に変更される。したがって、操作スイッチの操作による自車の発進が禁止される禁止時間が自車の運転環境に応じて変化しても、発進報知の終了から禁止時間の満了までの時間をほぼ一定に保つことができる。このことは、前記前方車両の発進報知によって運転者に対する操作スイッチの操作が促されてから、運転者が操作スイッチを操作して自車を発進させることを想定すると、操作スイッチの操作による自車の発進が禁止される時間が自車の運転環境とは無関係ほぼ一定になることを意味する。このように、操作スイッチによる発進操作の受付禁止時間を自車の運転環境とは無関係に実質的に一定にすることで、操作スイッチによる自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく操作スイッチの操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0012】
また、本発明の第4の特徴は、前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を自車の運転環境に応じた時間分だけ運転者に報知する報知手段と、前記前方車両の発進報知の終了後、前記操作スイッチが所定の禁止時間以上操作され続けていることを条件に自車を発進させる発進制御手段とを備えたことにある。
【0013】
これによっても、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が自車の運転環境に応じて種々に変更され、一方、自車を発進させるための操作スイッチの連続操作時間を自車の運転環境とは無関係にほぼ一定にすることができる。したがって、前方車両の発進から操作スイッチの操作による自車の発進が禁止される時間を自車の運転環境に応じて変化させても、操作スイッチによる自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく操作スイッチの操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、この場合も、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0014】
また、本発明の第5の特徴は、自車の特定の運転環境により前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を禁止する環境制限手段を設けたことにある。これによれば、前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進は、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、それ以外に位置しているなどの、自車の各種運転環境に応じて禁止される。したがって、前方車両に追従させたのでは交通安全上の問題が生じる可能性が高い場合には、発進制御手段による安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で通常の方法でしか車両を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0015】
また、本発明の第6の特徴は、自車と前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記検出した車間距離が所定の解除距離以上であるとき前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を解除する発進機能解除手段とを設けたことにある。
【0016】
また、本発明の第7の特徴は、前記前方車両の発進検出からの経過時間を計測する時間計測手段と、前記計測時間が所定の解除時間以上であるとき前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を解除する発進機能解除手段とを設けたことにある。
【0017】
これらの第6又は第7の特徴によれば、操作スイッチの操作が遅れて、自車と前方車両との間に他の車両が進入してくるような場合、発進制御手段による安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で通常の方法でしか車両を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0018】
これらの第6又は第7の特徴の場合、前記所定の解除距離又は解除時間は、例えば自車の運転環境に応じて決まるものである。これによれば、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、操作スイッチの操作に応答した自車の発進を短い距離又は時間で禁止するなど、同操作スイッチの操作に応答した自車の発進禁止の距離又は時間を運転環境に応じて適切に設定できるようになる。したがって、発進制御手段による安易な発進制御が前記よりも的確に禁止されて、交通安全上より好ましいものとなる。
【0019】
また、本発明の第8の特徴は、前記各特徴に加え、自車と前方車両との車間距離が所定の禁止距離以上になるまで前記発進制御手段による発進制御を禁止する車間距離制限手段を設けたことにある。これによれば、前方車両との車間距離が所定の禁止距離に達するまでは、操作スイッチの操作に応答した自車の発進が禁止されるので、前記各特徴による効果に加え、前方車両との車間距離が適切に保たれる。
【0020】
また、本発明の第9の特徴は、前記自車の運転環境は、ナビゲーション装置からの情報に基づいて決定されるものである。これによれば、運転環境が、車両に関する既存機能を用いて、比較的簡単かつ正確に決定される。
【0021】
さらに、本発明は、これらの第1乃至第9の特徴を適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る車両追従装置をブロック図により示している。
【0023】
この車両追従装置は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする電子制御ユニット10を備えている。この電子制御ユニット10は、時間を計測するためにタイマ11を内蔵しており、図2の追従制御プログラムを実行することにより、ブレーキアクチュエータ21、スロットルアクチュエータ22及び報知装置23を制御する。
【0024】
ブレーキアクチュエータ21は、各車輪に対する制動力の付与を制御して車両を停止させものである。スロットルアクチュエータ22は、スロットル開度を調整することによりエンジン出力を制御して車両を駆動するものである。なお、これらのブレーキアクチュエータ21及びスロットルアクチュエータ22による車両の停止及び駆動制御は、運転者によって図示しないブレーキペダル及びアクセルペダルが踏み込み操作されないときに有効であり、図示しない制御により、前記両ペダルの一方が踏み込み操作されたときには、車両の停止及び駆動制御は同両ペダルの状態に従う。報知装置23は、運転者に前方車両が発進したことを知らせるための音及び音声を発生する発音装置及び同発進したことを表示するための表示器からなる。
【0025】
電子制御ユニット10には、メインスイッチ31、発進スイッチ32、車速センサ33、車間距離センサ34、アクセルペダルスイッチ35、ブレーキペダルスイッチ36及びナビゲーション装置37が接続されている。
【0026】
メインスイッチ31は、運転席近傍に配置されていて、運転者によって操作されるオン・オフ切り換え操作スイッチであり、オン状態にて電子制御ユニット10すなわち車両追従装置を作動させ、オフ状態にて電子制御ユニット10すなわち車両追従装置の作動を停止させる。なお、この電子制御ユニット10の作動状態では、図2の追従制御プログラムが所定の短時間毎に繰り返し実行される。発進スイッチ32は、運転席近傍に配置されていて、運転者によって手動で操作される自己復帰型の操作スイッチであり、運転者の操作中にはオン状態に保たれ、同操作の解除時にはオフ状態に自動復帰する。この発進スイッチ32は、例えば既存のオートクルーズレバーを操作部とするスイッチで構成されるが、手動操作されるものであれば、インストルメントパネル、ハンドルシャフトなどに設けた操作スイッチ又は他の操作スイッチで構成してもよい。また、ハンドルに設けた圧力式の操作スイッチで構成してもよい。
【0027】
なお、発進スイッチ32は、運転者が運転席に着座してハンドルを握った状態から簡単に操作できる位置に配置しておくことが最も好ましい。しかしながら、ドライバの意志により簡単に操作されるものであるならば、足で切り換え操作される操作スイッチでもよい。また、この発進スイッチ32を音声認識装置によって代替えしてもよい。
【0028】
車速センサ33は、変速機の出力軸の回転又は車輪の回転を検出して車両の走行速度(車速)を検出する。車間距離センサ34は、超音波レーダ、ミリ波レーダ、レーザレーダなどにより構成されて、前方車両と自車との車間距離を検出する。アクセルペダルスイッチ35は、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み操作の有無を検出して、同踏み込み操作の有無を表す検出信号を出力する。ブレーキペダルスイッチ36は、ブレーキペダル(図示しない)の踏み込み操作の有無を検出して、同踏み込み操作の有無を表す検出信号を出力する。
【0029】
ナビゲーション装置37は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号及びFM放送局からのD−GPS(Differential−Global Positioning System)データを受信して自車の位置を把握するとともに、CD−ROMなどに記憶された地図データにより表された地図上に前記自車の位置を表示するものである。これにより、ナビゲーション装置37からの信号により、電子制御ユニット10は、自車が、歩行者の侵入しない自動車専用道路(多くの場合、高速道路)又は歩行者も歩行可能な一般道路を走行中であるか、自動車専用道路であればランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置しているか、一般道路であれば交差点、踏み切り付近などに位置しているか、また単車線又は複数車線の道路に位置しているかなどの、自車の運転環境を表す情報を入手することができる。
【0030】
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。メインスイッチ31がオフ状態にあれば、図2の追従制御プログラムは実行されず、後述するブレーキアクチュエータ21による制動制御も、スロットルアクチュエータ22による駆動制御も行われない。したがって、この場合には、運転者のブレーキペダル(図示しない)及びアクセルペダル(図示しない)の操作に応じて、車両の制動及び駆動が制御され、車両は通常走行する。
【0031】
このような通常走行中の車両が渋滞などに巻き込まれると、運転者は、車両を頻繁に停止させたり、発進させたりする必要が生じるために、ブレーキペダル及びアクセルペダルを頻繁に繰り返し操作しなければならない。そして、このようなブレーキペダル及びアクセルペダルの頻繁な繰り返し操作に代えて、簡単な手動操作により前方車両を自動的に追従する本発明の車両追従装置を作動させるために、運転者によってメインスイッチ31がオン操作されると、図2の追従制御プログラムが実行されて同車両追従装置が作動し始める。すなわち、運転者がメインスイッチ31をオン操作すると、同スイッチ31はオン状態に維持され、電子制御ユニット10は、図2の追従制御プログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。なお、この場合、メインスイッチ31のオン操作に伴う車両追従装置の作動開始は、車両が停止中である場合にのみ許容されるようにするとよい。
【0032】
この図2に示した追従制御プログラムの実行はステップ100にて開始され、電子制御ユニット10は、ステップ102〜108の判定処理を行う。ステップ102の判定処理は、アクセルペダルスイッチ35及びブレーキペダルスイッチ36からの検出信号に基づいて、アクセルペダル及びブレーキペダルのいずれか一方が踏み込み操作されているかを判定するものである。ステップ104の判定処理は、車速センサ33からの検出信号を入力して、車速が所定車速(例えば、10〜30km/hの低速)以上であるかを判定するものである。ステップ106の判定処理は、車間距離センサ34からの検出信号を入力して、前方車両の存在の有無、言いかえれば前方車両との車間距離が所定距離(例えば、数メートル〜数十メートル)以内であるかを判定するものである。。ステップ108の判定処理は、車速センサ33からの検出信号を入力して、車速がほぼ「0」であって車両が停止中であるか否かを判定するものである。
【0033】
今、渋滞などにより、前方車両が停止しているとともに、前方車両の後方近傍に自車が停止しているものとする。また、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み操作も解除されているものとする。したがって、ステップ102,104にて共に「NO」と判定されるとともに、ステップ106,108にて共に「YES」と判定されて、プログラムはステップ110以降に進められる。ステップ110においては、追従フラグCFを”0”にクリアする。この追従フラグCFは、”1”によって前方車両に自車を追従させる制御状態を表し、”0”によって前記追従をさせない状態を表す。このステップ110の処理後、ステップ112にて発進制御ルーチンを実行して、ステップ122にて追従制御プログラムの実行を終了する。
【0034】
発進制御ルーチンの詳細は図3に示されており、同ルーチンの実行はステップ200にて開始され、ステップ202にて、車間距離センサ34からの検出信号に基づいて、前方車両が停止中であるか否かを判定する。この場合、自車は停止しており、かつ前方車両が発進すれば車間距離は増加し続けるはずであるので、前回の車間距離と今回の車間距離とを比較することにより、比較結果が一致していれば前方車両は停止中であると判定され、比較結果が変化していれば前方車両は停止中でないと判定される。前方車両も停止していて発進前であれば、ステップ202にて「YES」と判定して、プログラムをステップ204に進める。ステップ204においては、ブレーキアクチュエータ21を作動させて車両を制動する。したがって、運転者がブレーキペダルの踏み込み操作を解除しても、車両は停止され続ける。前記ステップ204の処理後、ステップ226にて発進制御ルーチンの実行が終了され、図2のステップ122にて追従制御プログラムの実行も一旦終了する。
【0035】
そして、前方車両が停止中であり、自車のアクセルペダル及びブレーキペダルも操作されない状態では、前述した図2のステップ100〜112,122の処理、及び図3のステップ200〜204,226の処理が繰り返し実行されて、自車も停止状態に維持される。この状態で、前方車両が発進すると、図3の発進制御ルーチンのステップ202にて「NO」すなわち前方車両は停止中でないと判定されて、ステップ206にて、前記ステップ202の判定結果を用いて、前方車両は停止状態から発進状態に変化した直後であるか否かが判定される。この場合、前回停止中であって今回停止中でなければ発進直後であると判定され、前回も今回も停止中でなければ発進直後でないと判定される。ステップ206にて「YES」すなわち前方車両は発進直後であると判定されると、ステップ208〜212の処理が実行される。ステップ206にて「NO」すなわち前方車両は発進直後でないと判定されると、ステップ208〜212の処理を実行することなく、プログラムはステップ214に進められる。
【0036】
ステップ208においては、電子制御ユニット10が報知装置23を制御して同装置23を作動させ、運転者に前方車両が発進されたことを聴覚的及び視覚的に知らせる。例えば、「ピンポーン」という音により前方車両の発進を運転者に知らせたり、「前方車両が発進しました」という音声により前方車両の発進を運転者に知らせたり、これらに対応する文字表示又はランプ点灯などにより前方車両の発進を運転者に知らせる。これにより、運転者は前方車両の発進を聴覚的及び/又は視覚的に認識できて、運転者にとって便利となる。前記ステップ208の処理後、ステップ210において、ナビゲーション装置37から自車の運転環境を表す運転環境データを入力して、同運転環境に応じて禁止時間Txを設定する。
【0037】
この禁止時間Txの設定例について説明すると、まず、自車が、歩行者の侵入しない自動車専用道路又は歩行者も歩行可能な一般道路を走行中であるかを判定する。自動車専用道路であれば、自車がランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近(合流点付近)に位置しているかを判定して、前記入り口又は出口付近に位置している場合(図4(B)参照)、禁止時間Txとして比較的長い時間値(例えば、2秒)を設定し、またそれ以外の場合(図4(A)(D)参照)、禁止時間Txとして比較的短い時間値(例えば、1秒)を設定する。また、一般道路であれば、自車が交差点、踏み切り付近などに位置しているかを判定し、前記交差点、踏み切り付近などに位置している場合(図4(C)参照)、禁止時間Txとして極めて長い時間値(例えば、30分〜1時間)を設定し、それ以外の場合(図4(A)(D)参照)、禁止時間Txとして比較的長い時間値(例えば、2秒)を設定する。なお、前記極めて長い時間値は、実質的に発進スイッチ32による車両の発進を禁止しているものに等しい。
【0038】
なお、一般道路であっても、自車が合流点付近に位置することもあり、この場合には、禁止時間Txとして極めて長い時間値(例えば、30分〜1時間)を設定してもよいし、比較的長い時間値(例えば、2〜3秒)を設定してもよい。また、自車が、複数の車線数のうちの一つに位置する場合には、車線数が増加するに従って禁止時間Txとして徐々に長い時間値を設定するようにするとよい。
【0039】
また、自動車専用道路と一般道路とを見極めるために、図1に破線で示すように、有料道路などに設けられて料金を自動的に徴収するETC(Electronic Toll Control)装置からのETC情報を受信するETC情報受信装置38を電子制御ユニット10に接続するとよい。そして、電子制御ユニット10は、前記ステップ210にて、自車が料金徴収ゲートを通過したか否かの情報を前記ナビゲーション装置37からの情報に加えて、自動車専用道路と一般道路とを見極めるようにしてもよい。
【0040】
ステップ212においては、タイマ11による計測時間値を表すカウント値TMを「0」にリセットする。これにより、タイマ11は新たに時間計測を開始して、カウント値TMを「0」からカウントアップし始める。
【0041】
次に、ステップ214にて車間距離センサ34から自車と前方車両との車間距離を入力し、ステップ216にて前記入力した車間距離が所定の車間距離(例えば、数メートル)以上であるか否かを判定する。前記入力した車間距離が所定の車間距離未満であれば、ステップ216にて「NO」と判定して、ステップ226にてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。この場合、自車は、前記ステップ204の処理による停止制御状態に維持される。
【0042】
前記入力した車間距離が所定の車間距離以上になると、ステップ216にて「YES」と判定して、プログラムをステップ218,220に進める。なお、この所定の車間距離も、前記禁止時間Txのように、自車の運転環境に応じて種々の値に設定するようにしてもよい。
【0043】
ステップ218においては、発進スイッチ32がオン操作されているかを判定する。ステップ220においては、タイマ11によるカウント値TMが前記ステップ210の処理によって設定した禁止時間Tx以上であるか否かを判定する。発進スイッチ32が操作されず、またはカウント値TMが禁止時間Txに達しなければ、ステップ218,220のいずれかにて「NO」と判定されて、ステップ226にてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。したがって、この場合も、自車は、前記ステップ204の処理による停止制御状態に維持される。
【0044】
一方、発進スイッチ32がオン操作されたとき、前記カウント値TMが禁止時間Tx以上であれば、ステップ218,220にて共に「YES」と判定し、プログラムをステップ222に進める。
【0045】
ステップ222においては、電子制御ユニット10が、ブレーキアクチュエータ21を制御して同アクチュエータ21の作動状態を解除するとともに、スロットルアクチュエータ22を制御して同アクチュエータ22を作動させる。これにより、ブレーキアクチュエータ21による車両の制動制御が解除され、スロットルアクチュエータ22による車両の駆動制御が作動して、車両は発進し始める。この車両の発進制御後、ステップ224にて追従フラグCFを”1”に設定して、ステップ226にて発進制御ルーチンの実行を終了する。そして、図2のステップ122にて、追従制御プログラムの実行も一旦終了される。
【0046】
一方、前記車両を発進させた状態で、図2の追従制御プログラムが実行されると、ステップ108にて「NO」すなわち自車は停止中でないと判定して、ステップ114にて追従フラグCFが”1”であるか否かを判定する。そして、追従フラグCFが”1”に保たれていれば、ステップ114にて「YES」と判定して、ステップ116にてブレーキアクチュエータ21及びスロットルアクチュエータ22を制御して、前方車両との車間距離を一定に保つように自車を前方車両に追従させる。すなわち、車間距離センサ34によって検出した車間距離が所定値(例えば、数メートル)よりも大きくなれば、スロットルアクチュエータ22を制御して車両の駆動力を増加させて車速を増加させる。また、車間距離が前記所定値よりも小さくなれば、ブレーキアクチュエータ21を制御して車両の制動力を増加させて車速を減少させる。
【0047】
さらに、前方車両が停止すれば、前記ステップ116の追従制御により、自車は自動的に停止制御される。このような自動停止後には、前述したステップ108にて「YES」と判定されて、ステップ110の処理により追従フラグCFが”0”に設定されてしまうので、前記ステップ116の追従制御によって自車が前方車両に追従して発進するようなことはない。この場合、自車を発進させるためには、前述したように前方車両の発進後に発進スイッチ32を操作するか、アクセルペダルを踏み込み操作する必要がある。
【0048】
前記説明では,発進スイッチ32の操作によって車両を発進させるとともに、同車両を前方車両に自動的に追従させるようにした。しかし、運転者がブレーキペダル又はアクセルペダルを操作した場合には、このブレーキペダル又はアクセルペダルの操作が優先する。すなわち、ブレーキペダル又はアクセルペダルが操作されれば、図2のステップ102にて「YES」と判定して、ステップ118にて追従フラグCFを”0”にリセットしてプログラムをステップ120に進める。ステップ120においては、ブレーキアクチュエータ21及びスロットルアクチュエータ22の制御を中止する。これにより、車両は、運転者によるブレーキペダル及びアクセルペダルの操作により、制動されるとともに駆動される。
【0049】
また、前記のような追従制御中であっても、自車の車速が前記所定車速以上になれば、ステップ104にて「YES」と判定されて、プログラムがステップ118に進められる。また、前方車両との車間距離が大きくなって追従すべき前方車両がなくなった場合も、ステップ106にて「NO」と判定されて、プログラムがステップ118に進められる。その結果、これらの場合にも、以降、車両は、運転者によるブレーキペダル及びアクセルペダルの操作により、制動されるとともに駆動されるようになる。
【0050】
また、前記のように、車両が、運転者によるブレーキペダル及びアクセルペダルの操作によって制動されるとともに駆動された後でも、メインスイッチ31がオン状態にある限り、図2の追従制御プログラムは実行される。そして、前方車両の後方近傍に自車が停止していて、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み操作が解除されれば、ステップ102,104にて共に「NO」と判定されるとともに、ステップ106,108にて共に「YES」と判定されて、ステップ112にて発進制御ルーチン(図3)が実行される。したがって、メインスイッチ31をオン状態に保っておけば、発進スイッチ32の操作により車両を発進させるモードに自動的に復帰するとともに、同発進スイッチ32の操作による発進によって前方車両の追従制御モードにも自動的に復帰する。
【0051】
上記説明からも理解できるように、上記第1実施形態によれば、ブレーキペダル及びアクセルペダルの操作によらず、手動で操作される発進スイッチ32をオン操作するだけで停止中の車両を発進させることができるとともに、同発進した車両を自動的に前方車両に追従させることができる。したがって、渋滞時などに車両を頻繁に発進させたり、停止させたりする必要がある場合、簡単な操作により車両を発進及び停止させることができるようになるので、運転者の労力を軽減できる。
【0052】
そして、ステップ206,212,218,220の処理により、前方車両の発進検出から所定の禁止時間Tx後に発進スイッチ32が操作された場合にのみ、停止中の自車を発進させるようにした。したがって、前方車両が発進されてから少なくとも所定の禁止時間Txが経過した後にしか自車を発進させることができず、運転者には前方車両の発進から自車の運転環境(自車の周囲の状況)を確認する時間が与えられ、運転者は、安全確認を行った上で自車を発進させることになるので、交通安全上好ましい。また、この所定の禁止時間Txは、ステップ210の処理により、自車の運転環境に応じて決定されるので、運転者が注意をはらうための時間が運転環境に応じて適切に設定され、前記安全が確保された上で、自車の発進遅れによる交通流の乱れも生じさせない。
【0053】
この交通の乱れについて説明しておくと、図5に示すように、所定の禁止時間Txを長く設定することは運転者の安全性を高くすることになる反面(図示実線参照)、同禁止時間Txを長くすることは、交通の流れに乱れを生じさせる原因にもなる(図示破線参照)。したがて、この禁止時間Txの決定においては、運転者の安全性と交通の流れとの両者を配慮して、適切な値に設定するようにするとよい。
【0054】
さらに、上記第1実施形態によれば、ステップ214,216の処理により、前方車両との車間距離が所定距離(禁止距離)に達するまでは自車の自動発進が禁止されるので、前方車両との車間距離が適切に保たれる。
【0055】
なお、上記第1実施形態では、ステップ206における前方車両の発進の判定(検出)を車間距離センサ34による検出車間距離に基づいて行うようにしているが、前方車両から送信される前方車両の発進を表す情報の受信により、前記ステップ206にて前方車両の発進の判定(検出)を行うようにしてもよい。この場合、当然ながら、前方車両は同車両の発進を検出して同発進を表す検出信号を送信する必要がある。また、この前方車両の発進の判定方法(検出方法)は、後述する第2実施形態及び各種変形例においても適用されるものである。
【0056】
また、上記第1実施形態では、前方車両の発進時にタイマ11のカウント値TMをリセットして同発進時からの経過時間を計測するようにしたが、この時間計測の開始時点を、前方車両の発進から所定時間の経過時点又は同発進後における前方車両との車間距離が所定距離に達した時点にするようにしてもよい。この場合、タイマ11のカウント値TMのリセットタイミングを、前記前方車両の発進から所定時間の経過時点又は同発進後における前方車両との車間距離が所定距離に達した時点で行うようにすればよい。
【0057】
a1.第1実施形態の第1変形例
次に、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1変形例は、上記第1実施形態では自車の全ての運転環境に対して禁止時間Txを設定するようにしたが、この第1変形例では、自車が、交差点、踏み切り付近などの特別の運転環境下にある場合には、禁止時間Txを設定することなく別の処理により、発進スイッチ32による車両の発進を禁止する。
【0058】
これを実現するために、第1変形例は、上記第1実施形態の図3の発進制御ルーチンの一部を図6のように変形したものであり、他の部分に関しては同第1実施形態と同様に構成されるとともに、同様に動作する。したがって、以下の説明では、上記第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0059】
図6の発進制御ルーチンは、図3の発進制御ルーチンのステップ210の処理をステップ210aの処理に変形するとともに、ステップ214の処理の直前にステップ230の処理を追加したものである。まず、ステップ210aの処理においては、自車が自動車専用道路にある場合には上記第1実施形態のステップ210と同様に禁止時間Txを設定するが、自車が一般道路にある場合には、交差点、踏み切り付近などの区別なく、一律に禁止時間Txを比較的長い時間値(例えば、2秒)に設定しておく。
【0060】
そして、ステップ230にて、ナビゲーション装置37から自車の運転環境を表す運転環境データに基づいて、自車が、運転者にとって充分な注意を要する交差点、踏み切り付近などの予め決めた特定の運転環境下にあるかを判定する。そして、自車が前記特定の運転環境下になければ、ステップ230にて「NO」と判定して、プログラムをステップ214以降に進め、上記第1実施形態と同様なステップ214以降の処理を実行する。一方、自車が前記特定の運転環境下にあれば、ステップ230にて「YES」と判定して、ステップ214〜224の処理を実行しないで、プログラムをステップ226に進めてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。
【0061】
これにより、自車が、運転者にとって充分な注意を要する交差点、踏み切り付近などの特定の運転環境下にある場合には、発進スイッチ32による自車の発進が禁止される。なお、この制御は、上記第1実施形態において、交差点、踏み切り付近などに位置している場合に、禁止時間Txとして極めて長い時間値(例えば、30分〜1時間)を設定したことと同等である。したがって、この第1変形例においても、実質的に上記実施形態と同等な効果が期待される。
【0062】
なお、この第1変形例においては、図6に破線で示すように、ステップ230にて「YES」と判定された場合、すなわち発進スイッチ32による操作によって自車が発進されない場合、ステップ250にて報知装置23によってその旨を運転者に報知するようにしてもよい。具体的には、例えば、報知装置23により、「踏み切りです。発進しません。」という音声信号を発生させたり、対応する文字を表示したりするようにする。
【0063】
a2.第1実施形態の第2変形例
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。上記第1実施形態では前方車両が発進してから禁止時間Txが経過するまでは発進スイッチ32を操作しても自車を発進させないようにしたが、この第2変形例は、前方車両の発進後に発進スイッチ32を所定の禁止時間Tx以上操作し続けないと自車を発進させないようにしたものである。
【0064】
これを実現するために、第2変形例は、上記第1実施形態の図3の発進制御ルーチンの一部を図7のように変形したものであり、他の部分に関しては同第1実施形態と同様に構成されるとともに、同様に動作する。したがって、以下の説明では、上記第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0065】
図7の発進制御ルーチンは、図3のステップ218にて「NO」と判定された場合に、ステップ240の処理により、タイマ11のカウント値TMが「0」にリセットするようにしたものである。したがって、発進スイッチ32がオン操作されない間、タイマ11のカウント値TMは「0」にリセットされたままである。発進スイッチ32がオン操作されると、ステップ218にて「YES」と判定して、ステップ220にてタイマ11のカウント値TMが前記設定した禁止時間Tx以上であるか否かを判定する。タイマ11のカウント値TMが禁止時間Tx未満である限り、ステップ220にて「NO」と判定されて、プログラムはステップ226に進められてこの発進制御ルーチンの実行が終了される。そして、発進スイッチ32がオン操作され続けていれば、タイマ11のカウント値TMは増加し続ける。なお、発進スイッチ32が一旦オン操作されても、同オン操作が解除されて同スイッチ32がオフ状態になると、ステップ240にてタイマ11のカウント値TMは「0」にリセットされてしまう。
【0066】
発進スイッチ32が禁止時間Tx以上オン操作され続けると、ステップ220にて「YES」と判定して、プログラムを上記第1実施形態と同じステップ222に進めて自車を発進制御する。したがって、この第2変形例によれば、前方車両の発進後であり、かつ前方車両との車間距離が所定の車間距離以上にあるとき、発進スイッチ32が禁止時間Tx以上オン操作されると、自車が発進制御される。したがって、この場合も、前方車両の発進後、少なくとも禁止時間Txが経過するまでは車両は発進されないので、運転者には周囲に注意を払う時間が与えられる。そして、この場合も、禁止時間Txは自車の運転環境に応じて決定されるものであるとともに、前方車両との車間距離が所定距離以上であるときにのみ発進スイッチ32による発進が許容されるので、上記第1実施形態と同様な効果が期待される。
【0067】
a3.第1実施形態の第3変形例
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。この第3変形例は、上記第2変形例において、上記第1変形例のように、自車が交差点、踏み切り付近などの特別の運転環境下にある場合には、禁止時間Txを設定することなく別の処理により、発進スイッチ32による車両の発進を禁止するものである。
【0068】
この場合、上記第2変形例の図7の発進制御ルーチンが図8に示すように変形される。この図8の発進制御ルーチンにおいては、図7のステップ210の処理が上記第1変形例のステップ210aの処理に変更され、図7のステップ214の直前に上記第1変形例のステップ230と同じ判定処理が追加されている。これによっても、自車が、運転者にとって充分な注意を要する交差点、踏み切り付近などの特定の運転環境下にある場合には、発進スイッチ32による自車の発進が禁止される。したがって、この第3変形例においても、実質的に上記実施形態と同等な効果が期待される。
【0069】
なお、この第3変形例においても、上記第1変形例の場合と同様に、図8に破線で示すように、ステップ230にて「YES」と判定された場合、ステップ250にて報知装置23によって発進スイッチ32による操作によって自車が発進されないことを運転者に報知するようにしてもよい。
【0070】
a4.第1実施形態の第4変形例
次に、上記第1実施形態の第4変形例について説明する。この第4変形例は、上記実施形態及びその第1変形例において、前方車両の発進の報知時間を自車の運転環境に応じて変更するようにしたものである。図9は、上記実施形態及びその第1変形例に係る図3及び図6の変形した部分のみを示しており、前方車両が発進してステップ206にて「YES」と判定されると、ステップ260にて自車の運転環境に応じて発進報知内容を選択する。
【0071】
この発進報知内容の選択について説明すると、上述したステップ210の場合と同様に、ナビゲーション装置37から自車の運転環境を表す運転環境データを入力する。そして、自車が自動車専用道路のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近(合流点付近)に位置している場合(図4(B)参照)、報知のために比較的長い時間を必要とする発進報知内容を選択する。例えば、「ピンポーン。高速道路の出口付近です。」、「ピンポーン。サービスエリアの出口付近です。」などを選択する。また、自車が交差点、踏み切り付近など以外の一般道路に位置していれば、報知のために比較的長い時間を必要とする発進報知内容を選択する。例えば、「ピンポーン。一般道路を走行中です。」などを選択する。
【0072】
さらに、自車が一般道路の交差点、踏み切り付近などに位置している場合(図4(C)参照)、特別の報知内容を選択する。例えば、「踏み切りです。発進しません。」を選択する。ただし、図6に破線で示すステップ250を処理を実行する場合には、同処理と重複するので、前記報知内容の選択は行われない。これらの、発進報知内容は、電子制御ユニット10又は報知装置23内に設けたROMに音声データ及び表示データとして記憶されているものである。
【0073】
前記ステップ260の処理後、ステップ262にて前方車両の発進報知を開始する。この発進報知においては、報知装置23を制御して、前記選択した発進報知内容を音声で出力したり、同内容を文字表示する。その結果、運転者には、自車の運転環境に応じた前方車両の発進が報知される。そして、この発進報知の開始後、上述したステップ210以降の処理が実行される。
【0074】
その結果、この第4変形例によれば、自車の各種運転環境に応じて、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が種々に変更される。したがって、図10の(A)(B)に示すように、発進スイッチ32の操作による自車の発進が禁止される禁止時間Txが自車の運転環境に応じて変化しても、発進報知の終了から禁止時間の満了までの時間Toをほぼ一定に保つことができる。図10(A)は報知内容が長い場合の例を示しており、図10(B)は報知内容が短い場合の例を示している。
【0075】
したがって、前方車両の発進の報知によって運転者に対する発進スイッチ32の操作が促されてから、運転者が発進スイッチ32を操作して自車を発進させることを想定すると、実質的に発進スイッチ32の操作による自車の発進が禁止される時間Toは、自車の運転環境とは無関係にほぼ一定になる。このように、発進スイッチ32による発進操作の受付禁止時間を自車の運転環境とは無関係に実質的に一定にすることで、発進スイッチ32による自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく発進スイッチ32の操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0076】
なお、この場合も、上述した実施形態の場合と同様に、ETC情報受信装置38により、ETC(Electronic Toll Control)装置からのETC情報を受信して、同受信したETC情報をもナビゲーション装置37からの情報に加えて、自動車専用道路と一般道路とを見極めるようにしてもよい。さらに、後述する第2実施例の車線数、渋滞情報なども考慮にいれて、報知内容を決定するようにしてもよい。
【0077】
第1実施形態の第5変形例
次に、上記第1実施形態の第5変形例について説明する。この第5変形例は、上記実施形態の第2及び第3変形例において、前方車両の発進の報知時間を自車の運転環境に応じて変更するようにしたものである。図11は、上記実施形態の第2及び第3変形例に係る図7及び図8を変形したフローチャートを示している。
【0078】
この場合も、前方車両が発進してステップ206にて「YES」と判定されると、ステップ270にて自車の運転環境に応じて発進報知内容を選択し、ステップ272にて前方車両の発進報知を開始する。これらのステップ270,272の処理は、上記第1実施形態の第4変形例のステップ260,262の処理と同じである。これにより、上記第4変形例の場合と同様に、自車の運転環境に応じた長さの発進報知内容、すなわち運転者がより多くの注意を必要とする場合ほど長くなる発進報知内容が選択されるとともに、同選択された報知内容が報知装置23によって音声及び表示出力される。
【0079】
前記ステップ272の処理後、ステップ274にて、前記発進報知が終了したか否かが判定され、同発進報知が終了するまで、ステップ274にて「NO」と判定してプログラムの進行を中断する。そして、前記発進報知が終了すると、ステップ274にて「YES」と判定して、プログラムをステップ212に進める。なお、この場合、上述したステップ210の禁止時間Txの設定処理は削除されている。
【0080】
ステップ212以降の処理は、ステップ220aの処理を除き、上記第1実施形態の第2及び第3変形例と同じである。ステップ220aにおいては、タイマのカウント値TMが固定値Txo以上であるかを判定する。したがって、この第5変形例によれば、自車の運転環境に応じた長さの発進報知がなされた後、すなわち自車の運転環境に応じた時間長だけ前方車両の発進が報知された後、発進スイッチ32を前記固定値Txoに対応した時間以上操作したときに、自車が発進制御される。
【0081】
その結果、この第5変形例によっても、図10の(A)(B)に示すように、運転者に対する前方車両の発進報知の時間が自車の運転環境に応じて種々に変更され、一方、自車を発進させるための発進スイッチ32の連続操作時間を自車の運転環境とは無関係に一定にすることができる。したがって、前方車両の発進から発進スイッチ32の操作による自車の発進が禁止される時間を自車の運転環境に応じて変化させても、発進スイッチ32による自車の発進に対して一貫性をもたせることができるので、運転者は違和感なく操作スイッチの操作により自車を前方車両に追従させて発進させることができる。また、この場合も、前方車両の発進報知の時間を可変とすることで、運転者が充分な注意をはらった上で自車を発進させる環境下では、運転者に対して周囲の確認をする時間を充分に与えることもできる。
【0082】
なお、この第5変形例においては、上記第1実施形態の第2及び第3変形例に係る図7,8のステップ210の処理を削除するとともに、ステップ220aにてタイマのカウント値TMと固定値Txoとを比較するようにした。しかし、前記ステップ210の処理内容を、上記自車の運転環境に応じて禁止時間Txを設定するとともに、同設定された禁止時間Txから前記前方車両の発進報知にかかる時間を減算する処理に代えて、ステップ220aにてタイマのカウント値TMが前記減算値以上であるかを判定する処理に代えてもよい。これによれば、自車を発進させるために必要な発進スイッチ32の連続操作時間が、前方車両の発進報知に必要な時間に応じて若干変化することになる。ただし、この場合、前記連続操作時間が常に前記固定値Txo近傍の値になるように、自車の運転環境に応じて設定される発進報知内容の長さを調節する必要がある。
【0083】
また、この場合も、上述した実施形態の第4変形例の場合と同様に、ETC情報受信装置38により、ETC(Electronic Toll Control)装置からのETC情報を受信して、同受信したETC情報をもナビゲーション装置37からの情報に加えて、自動車専用道路と一般道路とを見極めるようにしてもよい。さらに、後述する第2実施例の車線数、渋滞情報なども考慮にいれて、報知内容を決定するようにしてもよい。
【0084】
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態の構成も、上記第1実施形態とほぼ同様であるが、図1に破線で示すように、上記第1実施形態の構成に加えて、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信装置39を備えている。VICS情報受信装置39は、渋滞情報を含む道路交通情報を発信するVICS情報送信装置からの情報を受信するものであり、受信した道路交通情報、特に渋滞情報を電子制御ユニット10に供給する。
【0085】
電子制御ユニット10は、上記第1実施形態と同様な図2の追従制御プログラムを実行するが、図2のステップ112にて実行される発進制御ルーチンが異なる。この発進制御ルーチンは、図12に示す通りである。以下、この第2実施形態に係る車両追従装置について説明するが、この説明においても、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0086】
この発進制御ルーチンは、ステップ300にて開始され、ステップ302,306にて上記第1実施形態のステップ202,206の処理と同様にして、前方車両が停止中であるか、前方車両は停止状態から発進状態に変化した直後であるかがそれぞれ判定される。前方車両が停止中であれば、ステップ302にて「YES」と判定され、ステップ304にて上記第1実施形態のステップ204の処理と同様に自車が停止制御される。
【0087】
一方、前方車両が発進直後であれは、ステップ306にて「YES」と判定され、ステップ308にて、上記第1実施形態のステップ208の処理と同様にして、運転者に前方車両の発進が知らされる。前方車両が発進直後でなけれは、ステップ306にて「NO」と判定され、ステップ308の処理を経ないで、プログラムはステップ310に進められる。ステップ310においては、発進スイッチ受付判定ルーチンが実行される。この発進スイッチ受付判定ルーチンは、図13に詳細に示されており、その実行がステップ400にて開始される。
【0088】
前記発進スイッチ受付判定ルーチンの開始後、ステップ402にて車間距離センサ34から車間距離Lを表す検出信号を入力する。また、ステップ404にて、ナビゲーション装置37からの情報に基づいて自車が走行中の道路の車線数を検出する。また、ステップ406にて、VICS情報受信装置39からの情報に基づいて自車が走行中の道路の渋滞情報を検出する。そして、ステップ408,410にて、前記ステップ404の検出結果に基づいて、自車が走行中の道路が1車線であるか、2車線であるか、また3車線以上であるかを判定する。自車が走行中の道路が1車線であれば、ステップ408にて「YES」と判定してプログラムをステップ412に進める。自車が走行中の道路が2車線であれば、ステップ408,410にてそれぞれ「NO」、「YES」と判定してプログラムをステップ414に進める。自車が走行中の道路が3車線以上であれば、ステップ408,410にてそれぞれ「NO」、「NO」と判定してプログラムをステップ416に進める。
【0089】
ステップ412,414,416においては、前記ステップ406の検出結果に基づいて、自車が走行中の道路が渋滞中であるか否かを判定する。前記ステップ412,414,416にてそれぞれ「NO」すなわち渋滞中でないと判定されれば、ステップ420,424,428にて、L≧L1,L≧L2,L≧L3なる比較判定処理がそれぞれ実行される。この場合、Lは前記ステップ402にて入力した車間距離であり、L1,L2,L3は予め決められた定数でL1>L2>L3の関係にあり、例えば数〜数十メートル程度に設定されている。一方、前記ステップ412,414,416にてそれぞれ「YES」すなわち渋滞中であると判定されれば、ステップ418,422,426にて、L≧a1・L1,L≧a2・L2,L≧a3・L3なる比較判定処理が実行される。なお、これらのa1,a2,a3は予め決められた係数で、「1」未満の正数であり、例えば0.1〜0.9程度の値に設定されている。
【0090】
そして、ステップ418〜428にて、それぞれ「NO」すなわち車間距離Lはa1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上でないとそれぞれ判定されれば、ステップ430にて禁止フラグINHを”0”に設定して、ステップ434にてこの発進スイッチ受付判定ルーチンの実行を終了する。また、ステップ418〜428にて、それぞれ「YES」すなわち車間距離Lはa1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上であるとそれぞれ判定されれば、ステップ432にて禁止フラグINHを”1”に設定して、ステップ434にてこの発進スイッチ受付判定ルーチンの実行を終了する。
【0091】
前記発進スイッチ受付判定ルーチンの実行の終了後、図12の発進制御ルーチンのステップ312にて禁止フラグINHが”0”であるか否かを判定する。禁止フラグINHが”0”であれば、同ステップ312にて「YES」と判定し、ステップ314の判定処理を許容する。ステップ314においては、発進スイッチ32がオン操作されているか否かを判定する。発進スイッチ32がオン操作されなければ、ステップ314にて「NO」と判定し、ステップ320にて、この発進制御ルーチンの実行を終了する。
【0092】
一方,発進スイッチ32がオン操作されれば、ステップ314にて「YES」と判定し、ステップ316,318にて,上記第1実施形態における図3のステップ222,224の処理と同様に、自車の発進を制御するとともに、追従フラグCFを”1”に設定する。これにより、自車は発進スイッチ32の操作に応答して発進制御され、その後、前方車両を追従するようになる。
【0093】
また、前記発進スイッチ受付判定ルーチンの実行の結果、禁止フラグINHが”1”に設定されると、ステップ312にて「NO」と判定され続けて、前記ステップ314〜318の処理を実行することなく、ステップ320にてこの発進制御ルーチンの実行を終了する。その結果、この場合には、自車を発進スイッチ32による簡単な操作で発進させることができなくなり、運転者は、アクセルペダルの踏み込み操作により自車を発進させなければならなくなるとともに、その車速をブレーキペダルの操作によりコントロールせざるを得なくなる。
【0094】
この第2実施形態の他の動作に関しては上記第1実施形態の場合と同様であり、メインスイッチ31がオン状態に保たれている限り、自車を前方車両の後方に停止させてアクセルペダル及びブレーキペダルの操作を解除した後には、発進スイッチ32のオン操作による発進制御機能及び前方車両の自動追従制御機能が復活する。
【0095】
上記作動説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、発進スイッチ受付判定ルーチンの実行により、前方車両が発進してからある程度遅れて発進スイッチ32をオン操作しても、車間距離Lが所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上大きくなっている場合には自車は発進制御されない。すなわち、車間距離Lが所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3以上大きくなると、発進スイッチ32の機能が無効となる。これにより、発進スイッチ32の操作が遅れて、自車と前方車両との間に他の車両が進入してくるような場合、同発進スイッチ32による安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で、アクセルペダルを用いた通常の方法でしか自車を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0096】
また、車線数が多い場合及び渋滞の場合には、図13のステップ404〜428の処理により、車間距離Lと比較される所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3を小さく設定するようにしたので、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、発進スイッチ32の操作による自車の発進がより制限されるようになる。したがって、発進スイッチ32による自車の安易な発進制御がより的確に禁止されて、交通安全上より好ましいものとなる。
【0097】
なお、前記第2実施形態では、車線数及び渋滞のみを自車の運転環境としたが、上記第1実施形態のように、ナビゲーション装置37及び/又はETC情報受信装置38からの情報を用いて、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置しているなどの、自車の運転環境をも考慮して前記所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3を設定するようにしてもよい。
【0098】
b1.第2実施形態の第1変形例
次に、上記第2実施形態の第1変形例について説明する。上記第2実施形態では前方車両との車間距離によって発進スイッチ32の機能の有効及び無効を決定するようにしたが、この第1変形例は、前方車両の発進からの時間で発進スイッチ32の機能の有効及び無効を決定するようにしたものである。
【0099】
この第1変形例では、電子制御ユニット10は、図2の追従制御プログラム、図12の発進制御ルーチン及び図14の発進スイッチ受付判定ルーチンを実行する。ただし、この場合の発進制御ルーチンは、図12に破線で示すように、ステップ308の直後にステップ330の処理が追加されている。ステップ330の処理は,タイマ11のカウント値TMを「0」にリセットするものである。これにより、タイマ11は、前方車両が発進された直後から「0」からの計時を開始し、そのカウント値TMと「0」から徐々に増加させる。
【0100】
また、図14の発進スイッチ受付判定ルーチンは、上記第2実施形態に係る図13の発進スイッチ受付判定ルーチンにおいて、ステップ402の処理を削除するとともに、ステップ418〜428の判定処理をステップ418a〜428aの判定処理に変更したものである。ステップ418a〜428aにおいては、TM≧a1・T1,TM≧T1,TM≧a2・T2,TM≧T2,TM≧a3・T3,TM≧T3なる比較判定処理がそれぞれ実行される。この場合、TMは前方車両の発進からの経過時間を表し、T1,T2,T3は予め決められた定数でT1>T2>T3の関係にあり、例えば1〜10秒程度に設定されている。また、a1,a2,a3は上記第2実施形態の場合と同じである。他の構成及び動作は、上記第2実施形態と同じである。
【0101】
この第1変形例によれば、ステップ418a〜428aにおける比較判定において、カウント値TMが、それぞれa1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3未満であれば、同ステップ418a〜428aにてそれぞれ「NO」と判定されて、ステップ430にて禁止フラグINHが”0”に設定される。一方、カウント値TMが、それぞれa1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3以上であれば、ステップ418a〜428aにてそれぞれ「YES」と判定されて、ステップ432にて禁止フラグINHが”1”に設定される。そして、この発進スイッチ受付判定ルーチンの実行の終了後、上記第2実施形態と同様な図12のステップ312〜318の処理が実行される。
【0102】
したがって、前方車両が発進してから所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3が経過するまでに、発進スイッチ32がオン操作されれば,同スイッチ操作は有効とされ、自車は発進スイッチ32のオン操作によって発進制御される。また、前方車両の発進から所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3の経過後に、発進スイッチ32がオン操作されても、同スイッチ操作は無効とされ、自車は発進スイッチ32のオン操作によって発進制御されない。この場合には、上記第2実施形態の場合と同様に、自車を発進スイッチ32による簡単な操作で発進させることができなくなり、運転者は、アクセルペダルの踏み込み操作により自車を発進させなければならなくなるとともに、その車速をブレーキペダルの操作によりコントロールせざるを得なくなる。
【0103】
その結果、この第1変形例によっても,発進スイッチ32の操作が遅れて自車と前方車両との間に他の車両が進入してくるような場合、発進スイッチ32による自車の安易な発進制御が禁止されて、運転者は充分に注意をはらった上で通常の方法でしか車両を発進させられなくなり、交通安全上好ましいものとなる。
【0104】
また、この場合のカウント値TMと比較される所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3は、図14のステップ404〜416,418a〜428aの処理により、車線数が多い場合及び渋滞の場合には小さく設定するようにしたので、車線数が多かったり、渋滞中などの割り込みの多い運転環境下では、発進スイッチ32の操作による自車の発進がより制限されるようになる。したがって、発進スイッチ32による自車の安易な発進制御がより的確に禁止されて、交通安全上より好ましいものとなる。
【0105】
なお、前記第1変形例においても、上記第2実施形態と同様に、ナビゲーション装置37及び/又はETC情報受信装置38からの情報を用いて、自車が交差点、踏み切りなどに位置していたり、自動車専用道路のランプウエイ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、バス停留所誘導路などの入り口又は出口付近に位置しているなどの、自車の運転環境をも考慮して前記所定時間a1・T1,T1,a2・T2,T2,a3・T3,T3を設定するようにしてもよい。
【0106】
b2.第2実施形態の第2変形例
次に、上記第2実施形態の第2変形例について説明する。上記第2実施形態及びその第1変形例ではVICS情報に基づいて渋滞を検出するようにしたが、この第2変形例は、現在時刻によって渋滞を推定するようにしたものである。
【0107】
したがって、この第2変形例においては、図1に破線で示すように、電子制御ユニット10内に時計回路12が設けられている。時計回路12は、常時作動しているものであり、絶対的な年月日及び時刻を計時し続ける。また、この第2変形例においては、上記第2実施形態における図13の発進スイッチ受付判定ルーチンのステップ406の処理を、図15のステップ406aの処理に変形した発進スイッチ受付判定ルーチンを実行する。このステップ406aの処理は、場所及び日時に依存して渋滞が発生することに着目したもので、場所及び日時に対応した渋滞発生率を表す渋滞データを予め記憶しておき、前記渋滞データ、ナビゲーション装置37からの自車の位置情報及び地図情報、並びに時計回路12による計測日時に基づいて、自車が渋滞に巻き込まれているか否かを推定する。
【0108】
なお、簡単のために、前記渋滞データの一部又は全部を省略して、例えば場所のみに対応した渋滞発生率を表す渋滞データ、ナビゲーション装置37からの前記情報及び時計回路12による計測日時に基づいて渋滞を推定したり、ナビゲーション装置37からの前記情報及び時計回路12による日時のみに基づいて渋滞を推定したりするようにしてもよい。
【0109】
そして、この推定結果が、上記第2実施形態の図13のステップ412〜416の判定処理に利用される。また、この第2変形例を上記第2実施形態の第1変形例に適用する場合には、図15のステップ402が省略されるとともに、前記ステップ406aの推定結果は、図14のステップ412a〜416aの判定処理に利用される。
【0110】
したがって、この第2変形例によれば、VICS情報受信装置38を備えなくても、上記第2実施例及びその第1変形例の場合と同様な効果を期待できる。
【0111】
b3.第2実施形態の第3変形例
次に、上記第2実施形態の第3変形例について説明する。この第3変形例は、上記第2実施形態及びその第1,2変形例に、前方車両との車間距離が所定距離未満である場合には発進スイッチ32のオン操作による自車の発進を禁止する機能を追加したものである。
【0112】
この第3変形例においては、図16に示すように、図12の発進制御ルーチンにおけるステップ312の直前にステップ340,342の処理が追加されている。これらのステップ340,342の処理は、上記第1実施形態に係る発進制御ルーチンの図3のステップ214,216と同様に、前方車両との車間距離が所定距離未満であるとき、発進スイッチ32のオン操作による自車の発進を禁止する処理である。この所定距離は、上記第2実施形態における図13のステップ418〜428にて利用される所定距離a1・L1,L1,a2・L2,L2,a3・L3,L3より短い値であり、例えば数〜数十メートル程度に設定されている。なお、このステップ342にて利用される所定距離も、上記第1実施形態の場合と同様に車両の運転環境に応じて変化するようにしてもよい。
【0113】
したがって、この第3変形例によれば、前方車両との車間距離が所定距離に達するまでは発進スイッチ32による自車の自動発進が禁止されるので、前記第2実施形態及びその第1,2変形例による効果に加え、適切な車間距離を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係る車両追従装置のブロック図である。
【図2】第1及び第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットにより実行される追従制御プログラムのフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係り、図2の発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図4】(A)〜(D)は、自車の各種運転環境の概略図である。
【図5】第1実施形態の禁止時間に対する運転者の安全性と交通の乱れの関係を示すグラフである。
【図6】第1実施形態の第1変形例に係る発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図7】第1実施形態の第2変形例に係る発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図8】第1実施形態の第3変形例に係る発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。である。
【図9】第1実施形態の第4変形例に係り、図3,6の発進制御ルーチンの変形部分を示すフローチャートである。
【図10】(A)(B)は、禁止時間に含まれる報知時間の占める割合が自車の運転環境に応じて変化することを説明するためのタイムチャートである。
【図11】第1実施形態の第5変形例に係り、図7の一部を変形した発進制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係り、図2の発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【図13】図12の発進制御ルーチンにて実行される発進スイッチ受付判定ルーチンの詳細フローチャートである。
【図14】第2実施形態の第1変形例に係り、図12の発進制御ルーチンにて実行される発進スイッチ受付判定ルーチンの詳細フローチャートである。
【図15】第2実施形態の第2変形例に係り、図13,14の発進スイッチ受付判定ルーチンの変更部分を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態の第3変形例に係り、図2の発進制御ルーチンの詳細フローチャートである。
【符号の説明】
10…電子制御ユニット、11…タイマ、12…時計回路、21…ブレーキアクチュエータ、22…スロットルアクチュエータ、23…報知装置、31…メインスイッチ、32…発進スイッチ、33…車速センサ、34…車間距離センサ、35…アクセルペダルスイッチ、36…ブレーキペダルスイッチ、37…ナビゲーション装置、38…ETC情報受信装置、39…VICS情報受信装置。
Claims (15)
- 自車を発進させるための操作スイッチと、
前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、
前記前方車両の発進検出後、前記操作スイッチが所定の禁止時間以上操作され続けていることを条件に自車を発進させる発進制御手段とを備えたことを特徴とする車両追従装置。 - 前記請求項1に記載した車両追従装置において、
前記所定の禁止時間は、自車の運転環境に応じて決定されるものである車両追従装置。 - 前記請求項1又は請求項2に記載した車両追従装置において、
前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を運転者に報知する報知手段を設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 自車を発進させるための操作スイッチと、
前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、
前記前方車両の発進検出後における前記操作スイッチの操作に応答して自車を発進させる発進制御手段とを備えた車両追従装置において、
前記前方車両の発進検出後から所定の禁止時間が経過するまで、前記発進制御手段による発進制御を禁止する発進禁止手段と、
前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を自車の運転環境に応じた時間分だけ運転者に報知する報知手段とを設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 自車を発進させるための操作スイッチと、
前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、
前記前方車両発進検出手段による前方車両の発進の検出に応答して同前方車両の発進を自車の運転環境に応じた時間分だけ運転者に報知する報知手段と、
前記前方車両の発進報知の終了後、前記操作スイッチが所定の禁止時間以上操作され続けていることを条件に自車を発進させる発進制御手段とを備えたことを特徴とする車両追従装置。 - 自車を発進させるための操作スイッチと、
前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、
前記前方車両の発進検出後における前記操作スイッチの操作に応答して自車を発進させる発進制御手段とを備えた車両追従装置において、
自車の特定の運転環境により前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を禁止する環境制限手段を設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 前記請求項2、及び前記請求項4乃至請求項6のうちのいずれか一つに記載した車両追従装置において、
前記自車の運転環境は、ナビゲーション装置からの情報に基づいて決定されるものである車両追従装置。 - 前記請求項1乃至請求項7のうちのいずれか一つに記載した車両追従装置において、
自車と前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
前記検出した車間距離が所定の禁止距離以上になるまで前記発進制御手段による発進制御を禁止する車間距離制限手段とを設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 自車を発進させるための操作スイッチと、
前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、
前記前方車両の発進検出後における前記操作スイッチの操作に応答して自車を発進させる発進制御手段とを備えた車両追従装置において、
自車と前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
前記検出した車間距離が所定の解除距離以上であるとき前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を解除する発進機能解除手段とを設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 前記請求項9に記載した車両追従装置において、
前記所定の解除距離は、自車の運転環境に応じて決定されるものである車両追従装置。 - 前記請求項9又は請求項10に記載した車両追従装置において、
前記車間距離検出手段によって検出した車間距離が前記解除距離よりも短い所定の禁止距離以上になるまで前記発進制御手段による発進制御を禁止する車間距離制限手段を設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 自車を発進させるための操作スイッチと、
前方車両が停止状態から発進したことを検出する前方車両発進検出手段と、
前記前方車両の発進検出後における前記操作スイッチの操作に応答して自車を発進させる発進制御手段とを備えた車両追従装置において、
前記前方車両の発進検出からの経過時間を計測する時間計測手段と、
前記計測時間が所定の解除時間以上であるとき前記発進制御手段による操作スイッチの操作に応答した自車の発進制御機能を解除する発進機能解除手段とを設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 前記請求項12に記載した車両追従装置において、
前記所定の解除時間は、自車の運転環境に応じて決定されるものである車両追従装置。 - 前記請求項12又は請求項13に記載した車両追従装置において、
自車と前方車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
前記検出した車間距離が所定の禁止距離以上になるまで前記発進制御手段による発進制御を禁止する車間距離制限手段とを設けたことを特徴とする車両追従装置。 - 前記請求項10又は請求項13に記載した車両追従装置において、
前記自車の運転環境は、ナビゲーション装置からの情報に基づいて決定されるものである車両追従装置。
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