JP3584824B2 - 高平坦度半導体ウェーハおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鏡面ウェーハ表面の研磨において好適な高平坦度半導体ウェーハおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリッシングされて表面が鏡面化された半導体ウェーハの表面上にデバイスを製造する工程において、表面に酸化膜等を形成した後に、該酸化膜等をCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術により研磨し、平坦化を行う工程が用いられている。この平坦化は光リソグラフィの微細化とともに浅くなる焦点深度に対応して求められる重要な工程であり、特に配線の多層化において必要な工程である。
【0003】
このCMPによる平坦化工程は、鏡面ウェーハの表面に研磨布を当接させアルカリ性研磨液を供給しながらメカノケミカル研磨を行うものであり、高い平坦度を得るために予め高平坦度に加工された鏡面ウェーハが用いられている。
鏡面ウェーハとしては、図5の(a)に示すように、表面S側は平坦に形成され、裏面R側には大小のうねりが生じているウェーハW0が用いられていたが、求められる平坦度は、ウェーハの厚さ分布の均一性であり、図5の(b)に示すように、このウェーハW0をフォトリソグラフィ工程の露光装置で裏面R側を真空吸着すると、裏面R側のうねりが表面S側に転写されて表面にうねりが生じてしまい露光精度が低下してしまう問題があった。
【0004】
そこで、近年、図6の(a)に示すように、表面S側および裏面R側にそれぞれ大小のうねりが存在するが、厚さ分布としては均一に加工された状態、すなわち高平坦度に加工された高平坦度ウェーハW1が開発されている。この高平坦度ウェーハW1は、裏面R側のうねりと表面S側のうねりとが同様に対応して全体的に厚さが均一化されているので、図6の(b)に示すように、フォトリソグラフィ工程の露光装置において裏面R側が真空吸着された際に、表面S側を平坦にすることができ、高精度な露光を行うことが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の鏡面ウェーハには、以下のような課題が残されている。すなわち、上記高平坦度ウェーハW1の表面SをCMPで研磨する際、図7に示すように、表面Sの多様なうねりに対して研磨布Pの弾性変形が追随できず、酸化膜等の研磨量がウェーハ全体でばらつくおそれがあった。すなわち、ある範囲の周期のうねり、いわゆるナノトポロジー領域のうねりに対しては、CMPでの研磨布がその弾性に限界があるため追随し難いことがわかった。なお、このナノトポロジー領域のうねりは、鏡面ウェーハを製造する際に、ラッピングウェーハの面取り加工やラップ加工での歪み等を除去するために行う混酸による酸エッチング時に主に現出することが判明した。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、CMPにおいてウェーハ全体で高い研磨均一性が得られる高平坦度半導体ウェーハおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の高平坦度半導体ウェーハは、表面が研磨布による研磨に供される高平坦度半導体ウェーハであって、
裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも0.2mm以上20mm以下の周期のうねりが除去されており、
ラッピングされた半導体ウェーハをアルカリ性溶液によりアルカリエッチングし、前記アルカリエッチングした表面を酸性溶液により酸エッチングし、その表面を研削し、さらにその表面を研磨して形成され、
前記研削工程の研削量が3〜10μmとされ、
前記研磨工程の研磨量が3〜7μmとされている。
本発明の高平坦度半導体ウェーハにおいて、前記表面と前記裏面とが識別可能とされていることができる。
本発明の高平坦度半導体ウェーハの製造方法は、表面が研磨布による研磨に供される高平坦度半導体ウェーハの製造方法であって、
半導体ウェーハをラッピングするラッピング工程と、
前記ラッピング後に前記半導体ウェーハをエッチング液によりエッチングして、裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも0.2mm以上20mm以下の周期のうねりを除去するエッチング工程と、
前記エッチング工程後に前記半導体ウェーハの表面を研削する研削工程と、
前記研削工程後に前記半導体ウェーハの表面を研磨する研磨工程と、
を備え、
前記エッチング工程は、前記エッチング液としてアルカリ性溶液を用いたアルカリエッチングを行うアルカリエッチング工程と、前記アルカリエッチング工程後に、前記半導体ウェーハを酸性溶液により酸エッチングする酸エッチング工程とを備え、
前記アルカリエッチング工程は、縦置きされた前記半導体ウェーハの周縁部を保持部材で保持するとともに該保持部材を回転させて半導体ウェーハを周方向に常時回転させながら前記エッチングを行うとともに、
前記研削工程の研削量が3〜10μmとされ、
前記研磨工程の研磨量が3〜7μmとされる。
本発明は、表面が研磨布による研磨に供される高平坦度半導体ウェーハであって、裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも前記研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりが除去されていることを特徴とする。
【0008】
この高平坦度半導体ウェーハでは、裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるので、フォトリソグラフィ工程において良好な露光が得られるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりが除去されているので、いわゆるナノトポロジー領域のうねりが存在せず、表面を研磨する際に、表面のうねりに研磨布の弾性変形が追随でき、ウェーハ全体を均一に研磨することができる。
なお、除去されるうねり周期を0.2mm以上としたのは、通常の化学反応で形成される凸凹の周期依存性から決定されることによる。混酸処理においては、化学反応により発生する生成ガスが液組成に依存した表面張力によって、ウェーハ表面に滞在する時間と成長する大きさが決定される。表面粗さの周波数解析の結果から上記周期領域の成分が混酸エッチングによって決定されることが判明したためである。
また、ナノトポロジーとは、ウェーハ研磨後表面に形成されるうねり成分と粗さ成分の合成周期をいう。
【0009】
また、本発明の高平坦度半導体ウェーハは、除去されるうねりの周期が、少なくとも20mm以下であることが好ましい。
この高平坦度半導体ウェーハでは、真空吸着されていない状態で0.2mmから20mmまでの周期のうねりが除去されているので、特に現在一般に使用されている硬質な層と軟質な層とを合わせた研磨布である二層パッドのみならず、硬質層のみの一層パッドでも、弾性変形が追随困難な周期のうねりが存在せず、このようなパッドの場合に特に均一な研磨が可能になる。
【0010】
さらに、本発明の高平坦度半導体ウェーハは、前記表面と前記裏面とが識別可能とされていることが好ましい。
この高平坦度半導体ウェーハでは、表面と裏面とが識別可能とされているので、表裏を取り違えない、センサーが誤動作しない等、従来のチャックに対し、問題が生じることがないので、従来デバイスプロセスへの投入を容易にすることができる。
例えば、表面と裏面との面粗さを互いに異なるように加工(裏面側を比較的粗い凹凸に加工)し、表面と裏面との輝度の違いで表裏の検知が可能にされたウェーハとしてもよい。
【0011】
また、本発明の高平坦度半導体ウェーハは、ラッピングされた半導体ウェーハをアルカリ性溶液によりアルカリエッチングし、その表面を研削し、さらにその表面を研磨して形成されていることが好ましい。
そして、本発明の高平坦度半導体ウェーハの製造方法は、表面が研磨布による研磨に供される高平坦度半導体ウェーハの製造方法であって、半導体ウェーハをラッピングするラッピング工程と、前記ラッピング後に前記半導体ウェーハをエッチング液によりエッチングして、裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも前記研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりを除去するエッチング工程と、前記エッチング工程後に前記半導体ウェーハの表面を研削する研削工程と、前記研削工程後に前記半導体ウェーハの表面を研磨する研磨工程とを備え、前記エッチング工程は、前記エッチング液としてアルカリ性溶液を用いたアルカリエッチングを行うアルカリエッチング工程を備えていることを特徴とする。
【0012】
これらの高平坦度半導体ウェーハおよび高平坦度半導体ウェーハの製造方法では、半導体ウェーハをアルカリエッチングすることにより、それ以前にこのウェーハ表面に発生した欠陥が除去される。このアルカリ性溶液を用いたエッチングは、酸エッチングよりエッチング速度が遅く、比較的反応が緩やかであると共に、気泡の発生が少なく、半導体ウェーハの表面が荒れ難くなる。この結果、研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねり、いわゆるナノトポロジー領域の周期のうねりが除去されて存在しないウェーハが得られる。
さらに、除去されるうねりの周期範囲のうち、その上限を少なくとも20mmにすると、二層パッド等の研磨布に好適な表面状態の半導体ウェーハが得られる。
そして、アルカリエッチング後のウェーハ表面を研削し、その後にこの表面を研磨するので、研磨前に表面が研削されて研磨時間を短縮することができるとともに、研磨量を少なくすることができ、研磨による平坦度の低下を極力抑えることができる。
【0013】
また、本発明の高平坦度半導体ウェーハは、アルカリエッチングした表面を酸性溶液により酸エッチングし、その表面に前記研削を施すことが好ましい。
そして、本発明の高平坦度半導体ウェーハの製造方法は、前記エッチング工程が、前記アルカリエッチング工程後に、前記半導体ウェーハを酸性溶液により酸エッチングする酸エッチング工程を備えていることが好ましい。
【0014】
これらの高平坦度半導体ウェーハおよび高平坦度半導体ウェーハの製造方法では、半導体ウェーハをアルカリエッチングした後、このウェーハを酸性溶液により酸エッチングするので、ウェーハ表面のアルカリ金属が除去されるとともに、面粗さが低減される。
【0015】
また、本発明の高平坦度半導体ウェーハの製造方法は、前記アルカリエッチング工程において、縦置きされた前記半導体ウェーハの周縁部を保持部材で保持するとともに該保持部材を回転させて半導体ウェーハを周方向に常時回転させながら前記エッチングを行うことが好ましい。
この高平坦度半導体ウェーハの製造方法では、保持部材を回転させて半導体ウェーハを周方向に常時回転させながらエッチングを行うので、保持部材と半導体ウェーハとの接触部分が常時移動し、接触痕が残ってしまうことがなく、周縁部においても一様にエッチングを施すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
【0017】
本実施形態の高平坦度半導体ウェーハは、図1に示すように、表面Sがデバイス製造プロセスのCMP(研磨)に供される鏡面シリコンウェーハW2である。このシリコンウェーハW2は、図1の(b)に示すように、裏面Rが平坦面Hに真空吸着された状態で表面Sが平坦になるとともに、図1の(a)に示すように、裏面Rが平坦面Hに真空吸着されていない状態で表面Sに生じるうねりのうち少なくともCMPの研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりが除去されている。なお、本実施形態のシリコンウェーハW2では、少なくとも0.2mmから20mmまでの周期のうねりが除去されている。もちろん、図1の(c)に示すように、20mm以上のうねりのないシリコンウェーハW2の場合もある。
【0018】
このシリコンウェーハW2の図1の(a)における表面SをCMPで研磨する際、図2に示すように、表面Sのうねりに沿って研磨布Pも十分に弾性変形することができ、うねりの凸部および凹部が適切に加圧研磨されて平坦化される。一方、図1の(c)に示すシリコンウェーハW2の場合は、全く問題がない。
【0019】
したがって、シリコンウェーハW2は、裏面Rが平坦面Hに真空吸着された状態で表面Sが平坦になるので、デバイス製造プロセス中のフォトリソグラフィ工程において良好な露光が得られるとともに、裏面Rが平坦面Hに真空吸着されていない状態で表面Sに生じるうねりのうち少なくとも研磨布Pが追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりが除去されているので、いわゆるナノトポロジー領域のうねりが存在せず、表面Sを研磨する際に、表面のうねりに研磨布Pが追随でき、ウェーハW2の表面全体を均一に研磨することができる。また、真空吸着されていない状態で0.2mmから20mmまでの周期のうねりが除去されているので、特に現在一般に使用されている硬質な層と軟質な層とを合わせた二層パッドの研磨布Pが追随困難な周期のうねりが存在せず、該二層パッドの場合に特に均一な研磨が可能になる。また、硬質一層の研磨パッドの場合、図1の(c)に示すシリコンウェーハW2では問題がないが、図1の(a)に示すシリコンウェーハW2の場合でも、20mm以上のうねりはSiが変形して吸収される。
【0020】
次に、シリコンウェーハW2の製造方法を、図3および図4を参考にして説明する。
【0021】
まず、CZ法により引き上げられたシリコンインゴットは、図3のフローチャートに示すように、スライス工程(S101)で、厚さ860μmの8インチのシリコンウェーハにスライスされる。
次に、このスライスドウェーハは、粗面取り工程(S102)で、その周縁部が面取り用の砥石を用いて所定形状に面取りされる。この結果、シリコンウェーハの周縁部は、所定の丸みを帯びた形状(例えば、MOS型の面取り形状)に粗く成形される。なお、この粗面取り用の砥石には、#500〜#800の比較的低番手のものが採用されている。
【0022】
次に、この面取り加工が施されたシリコンウェーハは、ラッピング工程(S103)でラッピングされる。このラッピング工程では、シリコンウェーハを、互いに平行に保たれたラップ定盤の間に配置し、アルミナ砥粒と分散剤と水の混合物であるラップ液をこのラップ定盤とシリコンウェーハとの間に流し込む。そして、加圧下で回転・摺り合わせを行うことにより、このウェーハ両面を機械的に研削する。シリコンウェーハのラップ量は、ウェーハの表裏両面を合わせて40〜80μm程度である。
【0023】
次いで、このラップドウェーハの外周部を仕上げ面取りする(S104)。この仕上げ面取りには、#1000〜#3000という高番手の面取り用の砥石が用いられ、粗面取り加工での歪みなどが除去される。同時に、このシリコンウェーハの面取り面が平滑化される。
その後、仕上げ面取りされたシリコンウェーハをアルカリエッチング工程(S105)でアルカリエッチングする。すなわち、シリコンウェーハを濃度45重量%のNaOHのアルカリ用溶液(90℃)中に3〜4分間浸漬する。これにより、シリコンウェーハの露出面の欠陥が溶失する。アルカリエッチングは、酸エッチングの場合よりもエッチング速度が遅く、この結果、シリコンウェーハの露出面から発生する気泡が少ない。これにより、アルカリエッチング後のウェーハ表面のうねりは小さくなる。
【0024】
アルカリエッチングするエッチング装置は、図4に示すように、アルカリ用溶液Lを貯留したエッチング槽1と、シリコンウェーハWを縦置きの状態でその周縁部で保持すると共に自転することでシリコンウェーハWをその周方向に回転させることができる複数のローラ部(保持部材)2とを備えている。これらのローラ部2は、図示しないモータ等の駆動源に接続され、エッチング時に常時同一方向に所定速度で回転させられる。このようにローラ部2を回転させてシリコンウェーハWを周方向に常時回転させながらエッチングを行うので、ローラ部2とシリコンウェーハWとの接触部分が常時移動し、接触痕が残ってしまうことがなく、周縁部においても一様にエッチングを施すことができる。
【0025】
このアルカリエッチング工程においては、シリコンウェーハがフリーな状態、すなわち裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくともCMPで使用する研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりを除去する。なお、本実施形態では、周期が0.2mmから20mmまでの範囲のうねりが表面から除去されるまでアルカリエッチングを行う。
【0026】
次に、このアルカリエッチング後のシリコンウェーハを、酸エッチング工程(S106)で酸エッチングする。具体的には、フッ酸と硝酸とを混合した混酸(常温〜50℃)中に約1分間だけ浸漬する。このように、アルカリエッチング後に酸エッチングを行うことで、ウェーハの表面のアルカリ金属を除去することができ、しかもウェーハ表面の面粗さを改善することができる。
【0027】
次のウェーハ裏面の軽ポリッシング工程(S107)は、必要に応じて行われる。この工程は、ウェーハ裏面を軽度に研磨する工程である。すなわち、シリコンウェーハの裏面を、粒径0.05μmの遊離砥粒を用いて、わずかに0.1μm程度研磨する。この結果、ウェーハ表面の面粗さをさらに高められる。なお、このウェーハ裏面の軽ポリッシング工程(S107)は、後のウェーハ表面の研削工程(S110)の後に行ってもよい。
この軽ポリッシング工程により、シリコンウェーハの表面と裏面との輝度が互いに異なることになり、輝度によってシリコンウェーハの表裏面を識別することが可能になる。ここでいう輝度とは、ウェーハ鏡面を100としたときの反射率の割合である。
【0028】
次に、シリコンウェーハを、RCA系の洗浄液によって洗浄する洗浄工程(S108)を行う。そして、シリコンウェーハをドナーキラー熱処理する(S109)。
その後、シリコンウェーハの表面を、ディスコ株式会社製のウェーハ研削砥石、製品名「IF−01−1−4/6−B−M01」を用いて研削する(S110)。この研削装置は、#2000という高番手の研削砥石を有している。このときの研削量は、3〜10μm程度である。この結果、その後工程でのウェーハの表面研磨時に、その研磨量が5〜7μmとなる。具体的には、シリコンウェーハが厚さ740μmの場合10μm程度研削する。このように、番手の高い研削砥石により研削するようにしたので、アルカリ性溶液により比較的平坦にエッチングされたウェーハ表面を、それほどウェーハ表面を荒らすことなく、研削することができる。
【0029】
次に、この表面研削されたシリコンウェーハの外周部を、PCR(Polishing cornor rounding)工程において面取り面に機械的化学的研磨処理が施される(S111)。これにより、ウェーハ外周部(面取り面)が鏡面加工される。
さらに、PCR加工後のシリコンウェーハの表面を、さらに研磨工程(S112)において研磨する。この研磨量は、S110の研削工程でのダメージを除去するため、3〜7μmで足りる。このため、ウェーハ表面が高平坦度のシリコンウェーハをさらに研磨していった場合の問題点であった、研磨量が約10μmを越えたところで平坦度が低下するという領域を避けることができる。しかも、研磨前にウェーハ表面が研削されるようにしたので、研磨時間を短縮することができる。
その後、洗浄工程(S113)を行う。具体的にはRCA系の洗浄とする。
【0030】
このような上記各工程により、高い平坦度を有し、かつCMPにおいて全体的に均一な研磨が可能な高品質のシリコンウェーハW2が製造される。
【0031】
なお、製造されたシリコンウェーハW2は、例えば、以下のナノトポロジー測定装置によって表面のうねりが評価される。
このナノトポロジー測定装置は、魔鏡による表面形態観察と光学式表面粗さ計とにより測定を行うものである。
【0032】
なお、本発明は、次のような実施形態をも含むものである。
上記実施形態では、除去されるうねりの周期を20mmまでとしたが、デバイス製造プロセス中のCMPで使用される研磨布に応じて、すなわち該研磨布の弾性変形が追随困難なうねりの周期に応じて除去されるうねりの周期を決定すればよい。
【0033】
また、上記実施形態では、NaOHのアルカリ用溶液を用いたが、他のエッチャントとして、例えば、KOH等の高濃度アルカリ溶液が好ましい。これは、溶液の粘性の増加に伴う表面張力の相違により、反応ガスの成長が抑制されてウェーハ表面の遮蔽効果が少なくなるからである。
さらに、上記実施形態では、半導体ウェーハとしてシリコンウェーハに適用したが、他の半導体ウェーハ、例えば、化合物半導体のウェーハ(ガリウム・ヒ素のウェーハ等)の製造方法に適用してもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明の高平坦度半導体ウェーハによれば、裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるので、フォトリソグラフィ工程において良好な露光が得られるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねりが除去されているので、ナノトポロジー領域のうねりが存在せず、表面のうねりに研磨布の弾性変形が追随できる。したがって、高い露光精度が得られるとともに、ウェーハ表面全体にわたってCMPによる均一な研磨が可能になり、表面に形成した酸化膜等の研磨バラツキを低減して、デバイスの歩留まりを向上させることができる。
【0035】
また、本発明の高平坦度半導体ウェーハの製造方法によれば、半導体ウェーハをアルカリエッチングすることにより、遅いエッチング速度と少ない気泡の発生により、研磨布の弾性変形が追随可能な周期のうねりより小さくかつ0.2mm以上の周期のうねり、すなわちナノトポロジー領域の周期のうねりが効果的に除去されたウェーハが得られる。
そして、アルカリエッチング後のウェーハ表面を研削し、その後にこの表面を研磨するので、研磨前に表面が研削されて研磨時間を短縮することができるとともに、研磨量を少なくすることができ、研磨による平坦度の低下を極力抑えることで高平坦度なウェーハを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の一実施形態におけるシリコンウェーハを示す裏面が真空吸着されていない状態(a)、真空吸着されている状態(b)及び真空吸着されていない状態の他の例(c)の概略的断面図である。
【図2】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の一実施形態において、CMPで表面が研磨されるシリコンウェーハを示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の一実施形態における製造工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の一実施形態におけるアルカリエッチング工程のエッチング装置を示す概略的な断面図である。
【図5】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の従来例におけるシリコンウェーハを示す裏面が真空吸着されていない状態および真空吸着されている状態の概略的断面図である。
【図6】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の他の従来例におけるシリコンウェーハを示す裏面が真空吸着されていない状態および真空吸着されている状態の概略的断面図である。
【図7】本発明に係る高平坦度半導体ウェーハ及び高平坦度半導体ウェーハの製造方法の他の従来例において、CMPで表面が研磨されるシリコンウェーハを示す要部断面図である。
【符号の説明】
S103 ラッピング工程
S105 アルカリエッチング
S106 酸エッチング
S110 研削工程
S112 研磨工程
S シリコンウェーハの表面
P 研磨布
R シリコンウェーハの裏面
W2 シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)
Claims (3)
- 高平坦度半導体ウェーハであって、
裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも0.2mm以上20mm以下の周期のうねりが除去されており、
ラッピングされた半導体ウェーハをアルカリ性溶液によりアルカリエッチングし、前記アルカリエッチングした表面を酸性溶液により酸エッチングし、その表面を研削し、さらにその表面を研磨布によって研磨して形成され、
前記研削工程の研削量が3〜10μmとされ、
前記研磨工程の研磨量が3〜7μmとされていることを特徴とする高平坦度半導体ウェーハ。 - 請求項1記載の高平坦度半導体ウェーハにおいて、
前記表面と前記裏面とが識別可能とされていることを特徴とする高平坦度半導体ウェーハ。 - 高平坦度半導体ウェーハの製造方法であって、
半導体ウェーハをラッピングするラッピング工程と、
前記ラッピング後に前記半導体ウェーハをエッチング液によりエッチングして、裏面が平坦面に真空吸着された状態で表面が平坦になるとともに、裏面が平坦面に真空吸着されていない状態で表面に生じるうねりのうち少なくとも0.2mm以上20mm以下の周期のうねりを除去するエッチング工程と、
前記エッチング工程後に前記半導体ウェーハの表面を研削する研削工程と、
前記研削工程後に前記半導体ウェーハの表面を研磨布により研磨する研磨工程と、
を備え、
前記エッチング工程は、前記エッチング液としてアルカリ性溶液を用いたアルカリエッチングを行うアルカリエッチング工程と、前記アルカリエッチング工程後に、前記半導体ウェーハを酸性溶液により酸エッチングする酸エッチング工程とを備え、
前記アルカリエッチング工程は、縦置きされた前記半導体ウェーハの周縁部を保持部材で保持するとともに該保持部材を回転させて半導体ウェーハを周方向に常時回転させながら前記エッチングを行うとともに、
前記研削工程の研削量が3〜10μmとされ、
前記研磨工程の研磨量が3〜7μmとされることを特徴とする高平坦度半導体ウェーハの製造方法。
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